JP2005229160A - データ伝送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高精度なデータ伝送を可能にするデータ伝送装置を提供する。
【解決手段】 本データ伝送装置のセンサユニット20Aでは、高速ADC25によりセンサ信号をオーバーサンプリングしてディジタル信号に変換しデータバッファ26に記憶し、通信コントローラ28、通信ドライバ/レシーバ29により車載LAN50に送出する。一方、本データ伝送装置のECU30では、車載LAN50を介してディジタル信号を受信してデータバッファ33に記憶し、デルタシグマ変換器35によりデルタシグマ変換する。これにより、センサユニット20Aのオーバーサンプリングにより低精度なディジタル信号を送出するので、車載LAN50上では、外来ノイズ等が混入してもその影響を受け難く、ECU30のデルタシグマ変換により低精度なディジタル信号を高精度なディジタル信号に変換するため、高精度なデータ伝送を可能にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、データ伝送装置に関するものである。
一般に、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」という。)は、ディジタル値を取り扱うため、例えば、センサ等から出力されたアナログ信号はA/D変換器を用いてディジタル信号に変換してから処理している。具体的には、車両に搭載された車両制御用のマイコンを例に挙げると、エンジンの吸入空気量を検出するエアフローセンサやラジエータの水温を検出する水温センサからはアナログ信号が出力されているため、それをディジタル信号に変換してからECU(Electronic Control Uint )のマイコンに入力している(下記、非特許文献1を参照)。
志賀拡、水谷集治 著「自動車工学シリーズ カーエレクトロニクス」、株式会社山海堂、p.78−79
ところで、このようなマイコンを搭載した車両制御用のECUの多くはA/D変換器を備え、また一般にセンサはセンサ信号としてアナログ信号を出力する。その一方で、車両等の制御システムの場合、センサとその出力を信号処理するECUとは物理的に離れていることが多い。そのため、センサと車両制御用のECUとは、ある程度の長さのワイヤハーネスを介して電気的に接続されている構成を採るのが一般的である。このため、このようなワイヤハーネス等の、センサとECUのA/D変換器との間において、外来ノイズが混入することが原因でセンサ信号が化けたり劣化するという問題がある。特に、車両制御システムの場合、点火プラグや他の制御用マイコン等によるノイズ等々の、外来ノイズの発生原因が比較的多く存在することから、このような環境下では、センサからECUへの誤りのないセンサ信号の伝送が一層困難になっているという問題がある。
また、センサの検出分解能が高くなるに従ってそのセンサ信号も高精度なものとなる。ところが、センサ信号によるデータの最小分解能レベルよりも外来ノイズによるノイズレベルの方が高いことから、折角、高精度なA/D変換器を用いても高精度なデータをECUが受け取ることが難しいという問題もある。例えば、DC5Vをフルスケールとするセンサ信号から0.1mV程度の分解能のデータ信号を取り出そうとすると、原理的には16ビット程度のA/D変換器を用いることで検出可能となるが、外来ノイズのノイズレベルが数mV程度に達すると、このノイズの中にデータ信号が埋もれてしまう。そのため、センサの検出精度を高めることが、センサからECUへのセンサ信号の伝送をより一層困難にするという問題を招く。
さらに、センサを駆動する電源とセンサ信号を処理するECUの電源とが異なったものであると、どちらか一方の電源電圧の変動によってセンサ信号のレベルも相対的に変動する。その一方でセンサ信号の精度が高くなるに従ってこのようなセンサ信号のレベル変動は、センサ信号の誤りを招き易い。したがって、かかる電源電圧の変動は、高精度なセンサ信号の伝送をさらに困難にしているという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高精度なデータ伝送を可能にするデータ伝送装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1記載の手段を採用する。この手段によると、送信装置として、A/D変換手段、送信データ記憶手段および送信手段を有し、受信装置として、受信手段、受信データ記憶手段およびデルタシグマ変換手段を有する。送信装置では、アナログ信号をオーバーサンプリングしてディジタル信号に変換し送信データ記憶手段に記憶する。そして、この記憶されたディジタル信号を送信データ記憶手段から取り出して伝送媒体に送出する。一方、受信装置では、送信手段から送出されたディジタル信号を伝送媒体を介して受信し受信データ記憶手段に記憶する。そして、受信データ記憶手段から取り出したディジタル信号を送信装置のA/D変換手段のオーバーサンプリング比でデルタシグマ変換する。なお、「オーバーサンプリング」とは、A/D変換においてナイキスト周波数を超える周波数(オーバーサンプリング周波数のこと)でサンプリングすることをいい、また「オーバーサンプリング比」とは、ナイキスト周波数に対するオーバーサンプリング周波数の比をいう。
特許請求の範囲に記載の請求項2記載の手段を採用することによって、送信データ記憶手段から取り出されるディジタル信号は、1サンプル前のディジタル信号との差分であることから、送信データ記憶手段に記憶されたディジタル信号をすべて送出する場合に比べてデータ量を減少させることができる。
特許請求の範囲に記載の請求項3記載の手段を採用することによって、アナログ信号は、センサから出力されるセンサ信号であることから、センサ信号は、送信装置のオーバーサンプリングにより低精度なディジタル信号として送出されるので、伝送媒体上では、外来ノイズ等が混入してもその影響を受け難く、受信装置のデルタシグマ変換により低精度なディジタル信号を高精度なディジタル信号に変換、つまり高精度なセンサ信号を得ることができる。
特許請求の範囲に記載の請求項4記載の手段を採用することによって、センサは、送信装置を駆動する直流電源により駆動されていることから、当該直流電源の電圧が変動しても、送信装置を構成するA/D変換手段、送信データ記憶手段および送信手段の直流電源の電圧も同様に変動する。これにより、センサの電源電圧の変動しても、アナログ信号であるセンサ信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段の電源電圧も同様に変動するので、このような直流電源の電圧変動は、A/D変換手段のオーバーサンプリングに影響を与えることはない。また、送信装置と受信装置とは伝送媒体を介してディジタル信号の授受をしているにすぎないので、送信装置の電源電圧が変動しても、受信装置のデルタシグマ変換には何ら影響を与えることはない。したがって、センサまたは送信装置の直流電源の電圧が変動しても、高精度なデータ伝送を可能にすることができる。
請求項1の発明では、送信装置はアナログ信号をオーバーサンプリングしてディジタル信号に変換しているので、変換精度が高いA/D変換手段を用いて高精度なディジタル信号を送出した場合に比べ、オーバーサンプリングした分、A/D変換手段自体の変換精度を下げることができる。そのため、低精度なディジタル信号を伝送媒体に大量に送出することで、変換精度が高いA/D変換手段を用いた場合と同等の情報量を受信装置に送ることが可能となる。また、A/D変換手段の変換精度を低くすることができるため、外来ノイズに対する耐力を向上することができる。一方、受信装置では、このようなオーバーサンプリングされたディジタル信号を受信して送信装置のA/D変換手段のオーバーサンプリング比でデルタシグマ変換するので、伝送媒体では精度の低いディジタル信号を高精度なディジタル信号に変換することができる。つまり、送信装置のオーバーサンプリングにより低精度なディジタル信号を送出するので、伝送媒体上では、外来ノイズ等が混入してもその影響を受け難く、受信装置のデルタシグマ変換により低精度なディジタル信号を高精度なディジタル信号に変換する。したがって、高精度なデータ伝送を可能にすることができる。
請求項2の発明では、送信データ記憶手段から取り出されるディジタル信号は、1サンプル前のディジタル信号との差分であることから、送信データ記憶手段に記憶されたディジタル信号をすべて送出する場合に比べてデータ量を減少させることができる。これにより、オーバーサンプリングにより増大した低精度なディジタル信号のデータ量を削減することができる。したがって、少量のデータ量で、高精度なデータ伝送を可能にすることができる。
請求項3の発明では、センサ信号は、送信装置のオーバーサンプリングにより低精度なディジタル信号として送出されるので、伝送媒体上では、外来ノイズ等が混入してもその影響を受け難く、受信装置のデルタシグマ変換により低精度なディジタル信号を高精度なディジタル信号に変換、つまり高精度なセンサ信号を得ることができる。これにより、例えば、当該センサに送信装置を持たせることで、センサ信号は高精度なセンサ信号として受信装置に伝送することができる。したがって、センサ信号においても高精度なデータ伝送を可能にすることができる。
請求項4の発明では、センサの直流電源の電圧が変動しても、アナログ信号であるセンサ信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段の電源電圧も同様に変動するので、このような直流電源の電圧変動は、A/D変換手段のオーバーサンプリングに影響を与えることはない。また、送信装置と受信装置とは伝送媒体を介してディジタル信号の授受をしているにすぎないので、送信装置の電源電圧が変動しても、受信装置のデルタシグマ変換には何ら影響を与えることはない。したがって、センサまたは送信装置の直流電源の電圧が変動しても、高精度なデータ伝送を可能にすることができる。
以下、本発明のデータ伝送装置の実施形態について図を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明のデータ伝送装置の送信装置をセンサユニット20(20A、20B、20C)に、また本発明のデータ伝送装置の受信装置をECU30にそれぞれ適用している。そのため、センサユニット20(送信装置)とECU30(受信装置)との組合せたものが、本実施形態に係るデータ伝送装置(以下「本データ伝送装置」という。)に相当する。まず図1を参照してセンサユニット20とECU30とにより構成される本データ伝送装置の概要を説明する。
図1に示すように、本データ伝送装置のセンサユニット20は、主に、センサ素子21、センシング回路22、高速ADC25、データバッファ26、通信ドライバ/レシーバ29等により構成されている。このセンサユニット20は、センサとして構成されるセンサ素子21およびセンシング回路22から出力されるセンサ信号(アナログ信号)を変換精度の低い高速ADC25によりオーバーサンプリングしてディジタル信号に変換する機能、この変換されたディジタル信号をデータバッファ26に記憶する機能、データバッファ26に記憶されたディジタル信号を通信ドライバ/レシーバ29により車載LAN(Local Area Network)50に送出する機能、等を備えている。
一方、本データ伝送装置のECU30は、主に、通信ドライバ/レシーバ31、CPUα等に構成されている。このECU30は、センサユニット20から送出されたディジタル信号を車載LAN50を介して受信しCPUαのデータバッファ33に記憶する機能、データバッファ33から取り出したディジタル信号をCPUαのデルタシグマ変換器35によりデルタシグマ変換する機能、デルタシグマ変換されたディジタル信号ををデータレジスタ37に記憶する機能、等を備えている。
このような各機能を備えることにより、本データ伝送装置では、センサユニット20によって、センシング回路22のセンサ信号をオーバーサンプリングにより変換した低精度なディジタル信号として車載LAN50に送出する一方で、ECU30によって、これを受信してデルタシグマ変換により高精度なディジタル信号に変換している。これにより、後述するように、車載LAN50に混入する外来ノイズ等の影響を受け難くするため、高精度なデータ伝送を可能にしている。
なお、図1では、対向するセンサユニット20とECU30が、車載LAN50によりピアツーピア(1対1)の形態で接続されているように図示されているが、これは本データ伝送装置の概念を明確にするためのものである。そのため、図1のようにセンサユニット20とECU30とをピアツーピア接続しても良いが、本実施形態では、例えば図2に示すように、複数のセンサユニット20A、20B、20CやECU30、また図略の他のECU等をバス状またはスター状に接続するネットワーク形態を採っている。
次に、センサユニット20およびECU30の構成の詳細を図2に基づいて説明する。なお、図2では、車載LAN50に複数のセンサユニット20と1つのECU30を接続するネットワーク形態を採っている。そのため、それぞれのセンサユニットに対し便宜的に「20A」、「20B」、「20C」の符号を付しているが、これらは、いずれも図1を参照して説明したセンサユニット20と同様に構成されている。そのため、ここではセンサユニット20Aを代表して説明する。
図1を参照して説明したように、センサユニット20Aは、センサ素子21、センシング回路22、高速ADC25、データバッファ26、通信ドライバ/レシーバ29を中心に、ノイズ発生器23、加算回路24、差分抽出器27、通信コントローラ28、バッテリBatt等も備えている。
センサ素子21は、センシング回路22とともにセンサを構成するもので、物理量を検出し得るものである。具体的には、例えば、圧力ゲージと称される圧力検出器がこれに相当する。圧力ゲージの場合、一般に、等価回路として抵抗によるホイーストンブリッジ回路が構成されるので、これに外部からバッテリBattによる直流電圧を印加することによって電圧信号を出力し得るように構成されている。なお、このバッテリBattは、後述するように、センシング回路22や高速ADC25にも直流電力を供給している。これにより、センサ素子21やセンシング回路22に印加される直流電圧が変動しても、高速ADC25に印加される直流電圧も同様に変動するので、この電圧変動が、高速ADC25によるオーバーサンプリングに対して影響を与えることを防止している。なお、センサ素子21としては、外部から直流電圧を印加するタイプのもの以外に、熱電対やピエゾ素子のように、外部から直流電圧を印加しなくても電圧信号を出力し得るものであっても良い。
センシング回路22は、センサ素子21から出力された電圧信号を入力することにより、この入力電圧信号を所定のゲインで増幅してセンサ信号として出力する機能を有するもので、センサ素子21とともに、特許請求の範囲に記載の「センサ」に相当し得るものである。このセンシング回路22から出力されたセンサ信号は、次段の加算回路24に入力される。
ノイズ発生器23は、例えば、ホワイトノイズ等を発生させてノイズ値を出力する機能を有するもので、具体的には、ロジック回路により疑似的に発生させたり、また半導体等により熱ノイズを発生させたりしてノイズ値を得ている。このノイズ発生器23により出力されるノイズ値は、次段の加算回路24によって前述したセンサ信号に加算される。これにより、ノイズ値による交流成分がセンサ信号に加算されるため、センサ信号に比較的多く含まれる直流成分を交流成分に変換することができ、後述するECU30によるデルタシグマ変換を可能にしている。なお、センシング回路22を構成する電子部品により熱ノイズ等が発生しており、そのノイズ値がセンサ信号に重畳されている場合には、ノイズ発生器23や加算回路24は不要となる。
高速ADC25は、アナログ信号をオーバーサンプリングして、例えば8ビットにより量子化されたディジタル信号に変換する、いわゆるA/D変換器で、特許請求の範囲に記載の「A/D変換手段」に相当し得るものである。この高速ADC25の変換精度は、8ビット程度であるため、12ビット、16ビットや24ビット等のディジタル信号に変換するA/D変換器に比べると変換精度は低いものの、そのサンプリング周波数は、例えば50kHz(サンプリング間隔20μS)に設定されている。そのため、車両制御用のECUに搭載されるA/D変換器の一般的なサンプリング周波数200Hz(サンプリング間隔5mS)に比べて高速なサンプリング、つまりオーバーサンプリングを可能にしている。例えば、ナイキスト周波数を200Hz、サンプリング周波数を50kHzとすると、この高速ADC25のオーバーサンプリング比は250(=50000Hz/200Hz)となり、ナイキスト周波数でサンプリングした場合に比べ、変換されたディジタル信号は250倍のデータ量となる。このように高速ADC25によりオーバーサンプリングされると、低精度のディジタルデータが大量に出力される。なお、この高速ADC25は、センサ素子21やセンシング回路22を駆動しているバッテリBattにより駆動されている。これにより、上述したように、センサ素子21等に印加される直流電圧が変動しても、高速ADC25に印加される直流電圧も同様に変動するので、サンプリングの基準電圧もこの変動とともに変化するため、オーバーサンプリングに対する影響を抑えている。
データバッファ26は、高速ADC25により変換されたディジタル信号を一時的に記憶するとともに、後段の差分抽出器27や通信コントローラ28の要求に応じて記憶したディジタル信号を出力する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「送信データ記憶手段」に相当し得るものである。具体的には、例えばDRAM、SRAM等の半導体メモリ装置により構成されている。このデータバッファ26は、高速ADC25と差分抽出器27あるいは通信コントローラ28との間に介在することによって、高速ADC25による出力速度と差分抽出器27または通信コントローラ28による処理速度との差を吸収する緩衝器の役割を果たしている。また、高速ADC25により変換されたディジタル信号のデータ(8ビット構成)を256個単位で取り出し可能にデータ管理を行う。これにより、差分抽出器27や通信コントローラ28に対して、8ビット×256個のデータを8倍オーバーサンプリングされたデータをみなして出力することが可能となる。
差分抽出器27は、データバッファ26からディジタル信号を取り出すとともに、高速ADC25による1サンプル前のディジタル信号との差分を抽出する機能を有するものである。センシング回路22から加算回路24を介して高速ADC25に入力されるセンサ信号は連続したアナログ信号であり、高速ADC25のサンプリング間隔に対して緩やかな変化をする。そのため、サンプリング時刻tで変換されたディジタル信号Dn と、その1サンプル前の時刻t−Δtに変換されたディジタル信号D(n-1) と、は大きく異なることはなく、また1サンプル後の時刻t+Δtに変換されたディジタル信号D(n+1) についても同様である。例えば、高速ADC25により変換されたディジタル信号を、8ビットのビット列で表現すると、ディジタル信号D(n-1) ;11011001からディジタル信号Dn ;11001001に変化し、さらにディジタル信号D(n-1) ;10111001に変化するというように、下位4ビット(1001)は変化することなく、上位4ビットだけ(1101)→(1100)→(1011)に変化する。したがって、この上位4ビットの変化分を差分として抽出することによってこの例の場合では、8ビット×3=24ビットから4ビット×3=12ビットにデータ量を半減させることが可能となる。
このように差分抽出器27では、データバッファ26から取り出したディジタル信号に対して1サンプル前のディジタル信号との差分データを抽出する機能を有するので、データバッファ26に記憶されたディジタル信号をそのまますべて送出する場合に比べてデータ量を減少させることができる。これにより、高速ADC25によるオーバーサンプリングによって増大傾向にある低精度なディジタル信号のデータ量を削減することができる。したがって、少量のデータ量で高精度なデータ伝送を可能にする。なお、図2に示す破線矢印によるルートのように、差分抽出器27を経由することなく、つまり差分データを抽出することなく、データバッファ26から直接、通信コントローラ28にディジタル信号が出力しても良い。これにより、高速ADC25で変換されたディジタル信号はそのまま通信コントローラ28に受け渡される。
通信コントローラ28は、通信ドライバ/レシーバ29を制御し得るもので、通信ドライバ/レシーバ29とともに特許請求の範囲に記載の「送信手段」に相当し得るものである。そのため、概念的には、通信ドライバ/レシーバ29とともに、差分抽出器27またはデータバッファ26から取り出したディジタル信号を車載LAN50に送出する機能を有する。本実施形態では、伝送媒体として車載LAN50を利用しているので、例えば、CAN(Controller Area Network )と称される有線によるネットワークの通信プロトコルに従った通信制御を通信ドライバ/レシーバ29に対して行っている。
通信ドライバ/レシーバ29は、通信コントローラ28の制御により、差分抽出器27またはデータバッファ26から取り出したディジタル信号を車載LAN50に送出する機能を有するもので、通信コントローラ28とともに特許請求の範囲に記載の「送信手段」に相当し得るものである。具体的には、単に、ディジタル信号を車載LAN50に送出するだけでなく、ECU30や他のセンサユニット20B、20Cとの間で、例えばCANの通信プロトコルに則って相互に制御情報のやり取り等を行う必要上、受信装置の機能も備えている。そのため、「通信ドライバ/レシーバ」と称されている。
車載LAN50は、例えば、CANと称される車両制御用の有線LANで、例えば、数10kbps 〜500kbps の通信速度に設定されている。本実施形態では、高速ADC25によりオーバーサンプリングして大量のディジタルデータを流すため、例えば、500kbps 〜10Mbps 程度のより高速なLAN(例えば FlexRay等)である方が望ましい。また、有線によるLANに限られることはなく、例えば、IEEE802.11シリーズやブルートゥース(Bluetooth )等による無線LANを伝送媒体としても良い。この場合、通信ドライバ/レシーバ29や通信コントローラ28も当該無線LANに対応したものに変更する必要がある。
ここで、車載LAN50は、ツイストペアケーブルや同軸ケーブル等により車両内に布線されている。そのため、点火プラグや他の制御用マイコン等によるノイズが、当該車載LAN50のケーブルやコネクタに混入する可能性が高く、混入したノイズはいわゆる外来ノイズとして車載LAN50によるデータ通信の妨げとなる。具体的は、[発明が解決しようとする課題]の欄で述べたように、DC5Vをフルスケールとするセンサ信号から0.1mV程度の分解能のデータ信号を取り出そうとした場合、外来ノイズのノイズレベルが数mV程度に達すると、このノイズの中にデータ信号が埋もれてしまう。そのため、原理的には可能な16ビット程度のA/D変換器の利用を困難にしている実状がある。
そこで、実施形態では、前述したようにセンサユニット20(20A)では、高速ADC25によるA/D変換を低精度な8ビット程度のものにする代わりに、サンプリング周波数を高くしてオーバーサンプリングを行う。これにより、精度が低下した分をオーバーサンプリングにより増加させたディジタル信号のデータ量(例えば8ビット×256)によって補い、それをこれから説明するECU30によりデルタシグマ変換することで、高精度なデータ伝送を可能にしている。
図2に示すように、ECU30は、通信ドライバ/レシーバ31、通信コントローラ32、データバッファ33、デルタシグマ変換器35、データレジスタ37等により構成されている。なお、通信コントローラ32、データバッファ33、デルタシグマ変換器35、データレジスタ37は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )化されたCPUαに内蔵されている。
通信ドライバ/レシーバ31は、前述したセンサユニット20Aの通信ドライバ/レシーバ29とほぼ同様の機能を有するもので、特に、センサユニット20Aの通信ドライバ/レシーバ29から送出されたディジタル信号を車載LAN50を介して受信する機能から、特許請求の範囲に記載の「受信手段」に相当し得るものである。本実施形態では、例えば、受信したディジタル信号をnビットのパラレル出力としてCPUαの通信コントローラ32に出力する。
通信コントローラ32も、前述したセンサユニット20Aの通信コントローラ28をほぼ同様の機能を有するもので、前述した通信ドライバ/レシーバ31とともに、特許請求の範囲に記載の「受信手段」に相当し得るものである。本実施形態では、伝送媒体としてCANによる車載LAN50を利用しているので、当該CANの通信プロトコルに従った通信制御を通信コントローラ32に対して行っている。
データバッファ33も、前述したセンサユニット20Aの通信コントローラ28をほぼ同様の機能を有するもので、通信ドライバ/レシーバ31および通信コントローラ32により受信されたディジタル信号を一時的に記憶するとともに、後段のデルタシグマ変換器35の要求に応じて記憶したディジタル信号を出力する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「受信データ記憶手段」に相当し得るものである。具体的には、例えばDRAM、SRAM等の半導体メモリ装置により構成されている。このデータバッファ33は、通信コントローラ32とデルタシグマ変換器35との間に介在することによって、通信コントローラ32による出力速度とデルタシグマ変換器35による変換速度との差を吸収する緩衝器の役割を果たしている。また、通信ドライバ/レシーバ31、通信コントローラ32により受信されたディジタル信号のデータ(8ビット構成)を256個単位で取り出し可能にデータ管理を行う。これにより、デルタシグマ変換器35に対して、8ビット×256個のデータを8倍オーバーサンプリングされたデータをみなして出力することが可能となる。
デルタシグマ変換器35は、データバッファ33から取り出したディジタル信号をセンサユニット20Aの高速ADC25のオーバーサンプリング比でデルタシグマ変換する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「デルタシグマ変換手段」に相当し得るものである。具体的には、例えば、データバッファ33に記憶されたディジタル信号のデータ(8ビット構成)を前述した256個単位で取り出すことによって、8ビット×256個のデータを8倍オーバーサンプリングされたデータをみなしてデルタシグマ変換を行う。これにより、16ビット相当の分解能を得ることが可能となり、変換されたセンサ信号のデータ(16ビット構成)はデータレジスタ37に格納される。データレジスタ37は、例えば、CPUαの汎用レジスタで、デルタシグマ変換器35により変換されたセンサ信号のデータを格納し、CPUαの制御ユニットや演算ユニット等の要求に応じて当該データの受渡しを可能にしている。
なお、このECU30は、例えば、車載LAN50を介して送られてくるディジタル信号のヘッダ情報に、センサユニット20A〜20Cごとに割り振られた識別コードやMACアドレス等を付加することによって、センサユニット20A以外に、センサユニット20Bやセンサユニット20Cからも、センサユニット20Aと同様に16ビット相当の分解能をもつセンサ信号を受信することができる。
以上説明したように、本データ伝送装置によると、センサユニット20は、センサ素子21およびセンシング回路22から出力されるセンサ信号(アナログ信号)をオーバーサンプリングしてディジタル信号に変換しているので、変換精度が高いA/D変換器(例えば16ビット)を用いて高精度なディジタル信号を送出した場合に比べ、オーバーサンプリングした分、高速ADC25の変換精度を下げる(例えば8ビット)ことができる。そのため、低精度なディジタル信号を伝送媒体に大量に送出することで(8ビット×256)、変換精度が高いA/D変換器を用いた場合と同等の情報量をECU30に送ることが可能となる。また、A/D変換器の変換精度を例えば8ビット程度に低くすることができるため、外来ノイズに対する耐力を向上することができる。
一方、ECU30では、このようなオーバーサンプリングされたディジタル信号(8ビット×256)を受信してセンサユニット20の高速ADC25のオーバーサンプリング比でデルタシグマ変換器35によりデルタシグマ変換する。これにより、車載LAN50では精度の低いディジタル信号(8ビット×256)を高精度なディジタル信号(16ビット相当)に変換することができる。つまり、センサユニット20のオーバーサンプリングにより低精度なディジタル信号を大量に送出するので、車載LAN50上では、外来ノイズ等が混入してもその影響を受け難く、ECU30のデルタシグマ変換器35によるデルタシグマ変換により低精度なディジタル信号を高精度なディジタル信号に変換する。したがって、高精度なデータ伝送を可能にすることができる。
本発明の一実施形態に係るデータ伝送装置の構成概要を示すブロック図である。 本実施形態に係るデータ伝送装置のセンサユニットおよびECUの構成を示すブロック図である。
符号の説明
20、20A、20B、20C…センサユニット(送信装置)
21…センサ素子(センサ)
22…センシング回路(センサ)
23…ノイズ発生器
24…加算回路
25…高速ADC(A/D変換手段)
26…データバッファ(送信データ記憶手段)
27…差分抽出器
28…通信コントローラ(送信手段)
29…通信ドライバ/レシーバ(送信手段)
30…ECU(受信装置)
31…通信ドライバ/レシーバ(受信手段)
32…通信コントローラ(受信手段)
33…データバッファ(受信データ記憶手段)
35…デルタシグマ変換器(デルタシグマ変換手段)
37…データレジスタ
50…車載LAN(伝送媒体)
α…CPU
Batt…バッテリ(直流電源)

Claims (4)

  1. アナログ信号をオーバーサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段、前記変換されたディジタル信号を記憶する送信データ記憶手段および前記送信データ記憶手段から前記記憶されたディジタル信号を取り出して伝送媒体に送出する送信手段、を有する送信装置と、
    前記送信手段から送出されたディジタル信号を前記伝送媒体を介して受信する受信手段、前記受信されたディジタル信号を記憶する受信データ記憶手段および前記受信データ記憶手段から取り出した前記ディジタル信号を前記A/D変換手段のオーバーサンプリング比でデルタシグマ変換するデルタシグマ変換手段を有する受信装置と、
    を備えることを特徴とするデータ伝送装置。
  2. 前記送信データ記憶手段から取り出される前記ディジタル信号は、1サンプル前のディジタル信号との差分であることを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
  3. 前記アナログ信号は、センサから出力されるセンサ信号であることを特徴とする請求項1または2記載のデータ伝送装置。
  4. 前記センサは、前記送信装置を駆動する直流電源により駆動されていることを特徴とする請求項3記載のデータ伝送装置。
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CN115951105A (zh) * 2023-03-09 2023-04-11 苏州联讯仪器股份有限公司 一种电信号采样通道装置及采样示波器

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