JP2005228671A - 燃料電池用電解質組成物、燃料電池電極用組成物及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用電解質組成物、燃料電池電極用組成物及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】撥水性構造と親水性構造とのバランスが良く燃料電池に適用した際に性能が高い燃料電池用電解質組成物を提供すること。
【解決手段】ビニル単量体とジアルキルシロキサンとのブロック共重合体であり、イオン交換可能なプロトン伝導性基を導入した高分子電解質材料を有することを特徴とする。つまり、プロトン伝導性基が形成されたビニル単量体由来のセグメントが親水性構造を形成し、ジアルキルシロキサン由来のセグメントが撥水性(親酸素性)構造を形成していることで、親水性と撥水性とのバランスが良くなる。また、フッ素元素を有しないので、特殊な製造方法、製造設備を採用することなく製造することができ、低コスト化が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の電極に好適に用いることができる燃料電池用電解質組成物、その燃料電池用電解質組成物を用いた燃料電池電極用組成物及びそれら燃料電池用電解質組成物及び燃料電池電極用組成物を用いた燃料電池に関する。
従来、燃料電池に使用される電解質材料としてはナフィオン(商標)を代表とするようなパーフルオロ系の電解質材料が採用されている。しかしながら、パーフルオロ系の電解質材料はフッ素を含有し、複雑なプロセスを経て合成される材料なので非常に高コストであり、燃料電池普及の障害の一因になっている。そこで、フッ素を使用しない炭化水素系の電解質材料が検討されている。
従来技術の炭化水素系電解質材料としては、陽イオン交換基を有し、有機溶媒の少なくとも一種に可溶性で且つ水に難溶性の炭化水素系陽イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池におけるガス拡散電極用プロトン伝導性付与剤(電解質材料)が開示されている(特許文献1)。また、下式(a)で表される芳香族化合物単位30〜95モル%と下式(b)で表される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン重合体からなるイオン導伝性高分子バインダー(電解質材料)が開示されている(特許文献2)。
また、パーフルオロ系の電解質材料の使用量を減らす目的で、まずパーフルオロ系電解質で触媒担体をコーティングし、次に炭化水素系の電解質で分散コーティングすることでパーフルオロ系電解質の使用量を低減し、低コスト化を目指した発明が開示されている(特許文献3)。
特開2002−164055号公報 特開2002−298855号公報 特開2003−282067号公報
ここで、パーフルオロ系の電解質は、一般的に化学的安定性に優れ、耐酸化性に優れていることが知られているが、コストが高く低コストな電解質材料が求められている。
炭化水素系の電解質材料は、低コスト化が可能である材料であるが、燃料電池に適用したときに、パーフルオロ系の電解質材料よりも性能が低下する傾向があった。パーフルオロ系の電解質材料は、その高分子骨格の性質上、撥水性構造をもつセグメントと親水性構造をもつセグメントとが混在しており、撥水層と親水層とが相分離構造をとっている。このため、ガスの拡散性と保水性との機能がバランスよく発揮できる。
従来の炭化水素系の電解質材料は、親水性構造をもつセグメントに比べて撥水性構造をもつセグメントの撥水機能が弱かった。このことが、炭化水素系電解質材料のプロトン伝導性の低下を引き起こしていた。
本発明は上記実情に鑑み為されたものであり、撥水性構造と親水性構造とのバランスが良く燃料電池に適用した際に性能が高い燃料電池用電解質組成物とその燃料電池用電解質組成物を用いた燃料電池電極用組成物を提供することを第1の解決すべき課題とする。
そして、本発明は第1の課題に加えて、フッ素元素の使用量を減らす乃至は無くすことで、コストを低減できる燃料電池用電解質組成物とその燃料電池用電解質組成物を用いた燃料電池電極用組成物を提供することを第2の解決すべき課題とする。
更に、それら燃料電池用電解質組成物又は燃料電池電極用組成物を採用した性能の高い燃料電池を提供することを第3の解決すべき課題とする。
(イ)上記第1及び第2の課題を解決する本発明の燃料電池用電解質組成物は高分子電解質材料を有する。高分子電解質材料はビニル単量体とジアルキルシロキサンとのブロック共重合体であり、該ビニル単量体に由来するセグメントに側鎖としてイオン交換可能なプロトン伝導性基を導入したことを特徴とする。
つまり、プロトン伝導性基が形成されたビニル単量体由来のセグメントが親水性構造を形成し、ジアルキルシロキサン由来のセグメントが撥水性(親酸素性)構造を形成していることで、親水性と撥水性とのバランスが良くなる。また、フッ素元素を有しないので、特殊な製造方法、製造設備を採用することなく製造することができ、低コスト化が実現できる。
本発明の燃料電池用電解質組成物が含有する高分子電解質材料の化学構造としては、式(1)で表される構造をもつことができる。
−(CHX−CR1Y)n−Z−(SiR23−O)m− …(1)
(式(1)中、R1〜R3は水素及び炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して決定される;Xは水素又はカルボキシ基;Yはカルボキシ基、フェニル基、シアノ基又は[Si(OR)3:Rはアルキル基(例えば炭素数が1〜4)];Zは−SiR23−O−又は−CONH−;n及びmはそれぞれ独立して決定される正の整数;上記X、Y及びR1のうちの少なくとも1つは、その少なくとも一部が前記プロトン伝導性基で置換されているか該プロトン伝導性基が結合している)
(ロ)更に、上述した高分子電解質材料のほか、第2高分子電解質材料を含有することが好ましい。第2高分子電解質材料は上述した高分子電解質材料と組み合わされることで、高い性能が発揮できる。第2高分子電解質材料は第2ビニル単量体からなる重合体であり、イオン交換可能なプロトン伝導性基を導入している。第2ビニル単量体は上述した高分子電解質材料を構成するビニル単量体と同様の性質が要求され、先に例示した群の中から同様の理由により好ましい化合物を選択することができる。なお、第2ビニル単量体は前述のビニル単量体に対して独立して好ましい化合物を選択できる。
また、本発明の燃料電池用電解質組成物は、第2高分子電解質材料に加えて又は第2高分子電解質材料に代えて、プロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料を含有することが好ましい。
ここで、第2高分子電解質材料及び/又はプロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料を含有させた燃料電池用電解質組成物の場合、前記高分子電解質材料に代えて、該高分子電解質材料からプロトン伝導性基を欠いた高分子材料を採用することもできる。
プロトン伝導性基を欠いた高分子材料は、自身がプロトン伝導性を発揮しないものの、第2高分子電解質材料やプロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料との相互作用で、親水性構造と撥水性構造とのバランスを向上させることができる。
つまり、プロトン伝導性基を欠いた高分子材料におけるビニル単量体由来のセグメントが、第2高分子電解質材料のビニル単量体由来のセグメントやプロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料の撥水性セグメントと相互作用することで、親水性構造と撥水性構造とのバランスが向上して電池性能が向上できる。
(ハ)更に、上記課題を解決する本発明の燃料電池電極用組成物は、上述のいずれかの燃料電池用電解質組成物と、該燃料電池用電解質組成物中に分散された酸化還元触媒粉末と、を有することを特徴とする。
(ニ)そして更に、上記課題を解決する本発明の燃料電池は、固体電解質型燃料電池であって、上述の燃料電池用電解質組成物又は燃料電池電極用組成物を有することを特徴とする。
本発明の燃料電池用電解質組成物及び燃料電池電極用組成物について実施形態に基づき、以下詳細に説明する。
〔燃料電池用電解質組成物〕
本実施形態の燃料電池用電解質組成物は高分子電解質材料を有する。その高分子電解質材料はビニル単量体とジアルキルシロキサンとのブロック共重合体であり、そのビニル単量体に由来するセグメントに側鎖としてイオン交換可能なプロトン伝導性基を導入したことを特徴とする。
高分子電解質材料は単独で、燃料電池用電解質組成物を構成することができるほか、第2高分子電解質材料及び/又はプロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料と混合して用いることができる。
第2高分子電解質材料は、第2ビニル単量体からなる重合体であり、イオン交換可能なプロトン伝導性基が導入されている。具体的には、高分子電解質材料のビニル単量体由来のセグメントをそのまま取り出した構造と同様の構造をもつ。第2ビニル単量体は、組み合わされる高分子電解質材料を構成するビニル単量体と同じものであっても異なるものであっても構わず、独立して決定できる。
プロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料は、ナフィオン(商標)などに代表される材料であり、オレフィン系ポリマーの水素をすべてフッ素で置換したものにスルホ基などのプロトン伝導性基を導入したものが例示できる。
更に、第2高分子電解質材料及び/又はプロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料は、高分子電解質材料からプロトン伝導性基を欠いた高分子材料と組み合わせることで高性能の燃料電池用電解質組成物になる。プロトン伝導性基を欠いたこと以外は、高分子電解質材料と同様の化学構造を有する。
本燃料電池用電解質組成物は、イオン交換容量が0.6meq/g以上5.0meq/g以下であることが好ましい。イオン交換容量がこの範囲であるとプロトン伝導性が向上できると共に、適用される電極の耐久性が向上する。
イオン交換容量は、プロトン伝導性基の導入量の調整や、第2高分子電解質材料やプロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料を組み合わせることで、イオン交換容量を適正範囲に制御することができる。
・高分子電解質材料、第2高分子電解質材料及び高分子材料の構造
ビニル単量体由来のセグメントと、ジアルキルシロキサン由来のセグメントとの連結部分の構造は、ビニル単量体及びジアルキルシロキサン両者の構造から独立して決定することができる。高分子電解質材料の製造方法(ブロック共重合体の製造方法)により、連結部分の構造が異なり、一義的に決定できないからである。
ビニル単量体としては、芳香族環含有ビニル単量体、カルボキシ基含有ビニル単量体及びエステル系ビニル単量体からなる群から選択することが好ましい。燃料電池用電解質組成物の耐酸化性向上の観点からは、芳香族環含有ビニル単量体及びカルボキシ基含有ビニル単量体からなる群から選択することが好ましく、芳香族環含有ビニル単量体からなる群から選択することが更に好ましい。
芳香族環含有ビニル単量体としては、スチレン、αメチルスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン、ベンジルメタクリレート、スチレンスルホン酸及びp−スチリルトリメトキシシランが例示できる。特に、スチレン、αメチルスチレン、スチレンスルホン酸、p−スチリルトリメトキシシランを採用することが好ましい。カルボキシ基含有ビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシイソプロピルシラン及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が例示できる。特に、アクリル酸、アクリロニトリル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を採用することが好ましい。エステル系ビニル単量体としては、前述したカルボキシ基含有ビニル単量体から誘導されるエステルが例示できる。
プロトン伝導性基としては、スルホ基、カルボキシ基、スルフィノ基、スルフェノ基、チオカルボキシ基などの(強)酸性官能基が例示できる。これらのプロトン伝導性基を導入する方法としては、これらのプロトン伝導性基を構造中にもつビニル単量体を採用する方法(例えば、スルホ基を含有するビニル単量体を採用することでスルホ基を導入したり、カルボキシ基含有ビニル単量体の採用によるカルボキシ基の導入することができる)や、発煙硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸などによるスルホン化などによりスルホ基を導入する方法などが例示できる。なお、プロトン伝導性基はジアルキルシロキサン由来のセグメントにも、目的とする撥水性を損なわない限度で導入することができる。
ジアルキルシロキサンとしては、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、エチルメチルシロキサンが例示できる。また、ジアルキルシロキサンに代えて、広く有機シロキサン、例えば、ジフェニルシロキサン又はフェニルメチルシロキサンを採用することもできる。
このようなビニル単量体及びジアルキルシロキサンを用いた高分子電解質材料としては
式(1)で表される構造が例示できる。
−(CHX−CR1Y)n−Z−(SiR23−O)m− …(1)
(式(1)中、R1〜R3は水素及び炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して決定される;Xは水素又はカルボキシ基;Yはカルボキシ基、フェニル基、シアノ基又は加水分解性シリル基;Zは−SiR23−O−又は−CONH−;n及びmはそれぞれ独立して決定される正の整数;上記X、Y及びR1のうちの少なくとも1つは、その少なくとも一部が前記プロトン伝導性基で置換されているか該プロトン伝導性基が結合している)
ここで、X及びR1が水素、Yがフェニル基、R2及びR3がメチルであり、Y(フェニル基)の一部にスルホ基が導入されているものが好ましい。
ビニル単量体由来のセグメントとジアルキルシロキサン由来のセグメントとの質量比は20/80以上、90/10以下であることが好ましい。望まれる親水性及び撥水性のバランスから決定される。そして、ビニル単量体由来のセグメントは重量平均分子量が10000以上、200000以下であることが好ましい。また、ジアルキルシロキサン由来のセグメントは重量平均分子量が5000以上、100000以下であることが好ましい。
第2高分子電解質材料及び高分子材料については高分子電解質材料の説明でほぼ代用する。第2高分子電解質材料ではジアルキルシロキサン由来のセグメントを有さず、第2ビニル単量体のみから高分子の骨格が形成される。第2ビニル単量体は高分子電解質材料におけるビニル単量体と同じ性質を有し、同様の基準で選択できる。
高分子材料は高分子電解質材料からプロトン伝導性基を取り去った化学構造をもつ。それ以外の部分については高分子電解質材料と同じ化学構造を有する。つまり、高分子材料は第2ビニル単量体由来のセグメントとジアルキルシロキサン由来のセグメントとを有するブロック共重合体である。
・製造方法
高分子電解質材料の製造方法は特に限定しない。例えば、ビニル単量体及びジアルキルシロキサンの一方を予め重合させてホモポリマーを形成し、末端に他方の重合開始剤となりうる化学構造を導入した後、末端部分を開始剤として、他方と共に重合を行う方法が挙げられる。具体的にはジアルキルシロキサンを重合してポリジアルキルシロキサンを合成し、末端にビニル重合開始剤構造を結合させる。末端にビニル重合開始剤構造を導入したポリジアルキルシロキサンを重合開始剤として、ビニル単量体を重合させることで、ポリジアルキルシロキサンの末端にビニル単量体由来のビニル重合体を結合させることができる。その後、必要に応じてプロトン伝導性基を導入することで、高分子電解質材料が得られる。
その他、ジアルキルシロキサンからなる重合体をビニル単量体に浸漬した状態で機械的に攪拌など行うことで、メカノケミカル反応により重合体が切断されてラジカルが生じ、そのラジカルを基点にビニル単量体が重合することでブロック共重合体を得ることもできる。
〔燃料電池電極用組成物〕
本実施形態の燃料電池電極用組成物は、上述の燃料電池用電解質組成物と、その燃料電池用電解質組成物中に分散された酸化還元触媒粉末とを有する。酸化還元触媒としては、一般的に燃料電池に採用されている組成が好ましいものとして例示できる。具体的にはカーボンの表面にPt、Rhなどの貴金属触媒を担持したものが挙げられる。
本実施形態の燃料電池電極用組成物をカーボンペーパーなどに塗工することで燃料電池用の電極を得ることができる。また、燃料電池用の電解質膜の表面に本実施形態の燃料電池電極用組成物を塗工することでMEAを形成することができる。
〔燃料電池〕
本実施形態の燃料電池は固体高分子電解質型燃料電池である。本実施形態の燃料電池としては燃料電池セルを単独で又は複数積層したスタックを形成しているものである。燃料電池セルは、前述の燃料電池用電解質組成物を膜状に成形した電解質膜の両面に電極膜を接合した膜電極接合体を有し、更にその膜電極接合体をセパレータで狭持している。
膜電極接合体の固体高分子電解質膜を挟んだ両側の電極にそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスとを供給するガス供給装置がそれぞれ対応する側のセパレータから接続される。そして燃料ガスとしては水素ガスが、酸化剤ガスとして空気がそれぞれ例示できる。
セパレータも一般的に使用されている材質、形態のものが使用できる。セパレータには燃料ガス又は酸化剤ガスが流れる流路が形成され、その流路には燃料ガスを供給するためのガス供給装置が接続されると同時に、反応しなかった燃料ガス及び発生した水を除去する手段とが接続される。
・ブロック共重合体の製造
・試験試料1:窒素置換設備、攪拌機、温度計、還流冷却機、加熱装置等の備わった重合反応層に、イオン交換水60mLを仕込み、次にスチレンスルホン酸を7.5gを入れ完全溶解させた。この反応槽を70℃に加熱し保持した。次に、ポリジメチルシロキサンの末端にアゾ系のラジカル重合開始剤をもつポリジメチルシロキサンアゾ開始剤であるVPS1001(和光純薬製)5gをトルエン15mLに溶解した溶液を30分間要して添加した。添加終了後、さらに70℃で4時間保持した。次に、室温まで冷却させ、この溶液を大量のメタノール中に滴下し、生成したブロック共重合体を再沈殿させた。沈殿物をろ過後、110℃×3時間で乾燥し、高分子電解質材料としてのポリスチレンスルホン酸−ジメチルポリシロキサンブロック共重合体の乾燥粉末である試験試料1を得た。
試験試料1のイオン交換容量は、2.93meq/gであった。得られた試験試料1はNa型であるので、H型にイオン交換後、下記の操作で測定した。(1)100mlビーカーに、試験試料1を10.05g、精密天秤で秤量した。(2)秤量した試験試料1をエタノール20mLで溶解した。(3)指示薬としてフェノールフタレインを1滴(適量)溶解液へ入れ、0.05mol/L水酸化ナトリウム水溶液にて滴定した。(4)溶解液が赤く変色し、数秒間保持した時点を終点として、得られた滴定量から下式に従い、イオン交換容量を計算した。
(イオン交換容量)(meq/g)=(0.05×滴定量(ml))/(試料重量(g))
また、ジメチルホルムアミドを溶媒にしてポリスチレンをスタンダードとして測定したGPC測定により分子量はMw38500であった。なお、VPS1001の分子量はMw10000である。
・試験試料2〜5:試験試料2〜5については原料を表1に示す組成比で反応させた以外は試験試料1と同様の操作を行い製造した。そして、試験試料1と同様にイオン交換容量(IEC)及びGPCにより測定した重量平均分子量(Mw)の値も併せて示した。
Figure 2005228671
・イオン伝導性炭化水素系電解質(第2高分子電解質材料)の製造
窒素置換設備、攪拌機、温度計、還流冷却機、加熱装置等の備わった重合反応層に、キシレン200mLを仕込み90℃に保持した。次に、スチレン及びアクリロニトリルを表2の配合で混合し、更に過酸化ベンゾイル0.2gを溶解したビニル単量体の混合液を3時間要して重合反応槽中に滴下した。添加終了後、更に1時間、90℃で保持し重合を行った。次に、室温まで冷却させ、この溶液を大量のメタノール中に滴下し、生成したポリマーを再沈殿した。沈殿物をろ過後、110℃×3時間、乾燥し、重合体を得た。
次に、1000mLフラスコ中、1,2−ジクロロエタン500mLで、先に合成した重合体を溶解させ、60℃で保持した。加熱攪拌しながら、クロロスルホン酸を表2に示す量だけを滴下し、60℃×1時間保持して反応させた。得られた重合体を1,2−ジクロロエタンで洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄して、室温で1時間イオン交換水に浸漬し水素化し、第2高分子電解質材料としての試験試料イ〜ハを得た。その後、真空凍結乾燥により粉末状とした。試験試料1と同様にしてイオン交換容量及び分子量を測定した。結果を表2に併せて示す。
Figure 2005228671
・触媒ペースト及びMEAの調製
試験試料1〜5及び試験試料イ〜ハそれぞれ10gをイオン交換水/エタノール(容積比1/1)190gに溶解乃至は懸濁させた。試験試料1〜5は乳白色の半溶解状態であった。
これら電解質溶液を表3の各実施例及び比較例に示す比率で混合した後、白金担持カーボン(白金含有量50質量%)及びビーズを投入し、高速ホモジナイザーを用いて混練分散させ(平均粒子径0.1〜1.0μm程度)、触媒ペースト(燃料電池電極用組成物)を得た。
Figure 2005228671
この触媒ペーストを、撥水処理したカーボンペーパー基材(厚み180μm、気孔率65%)に白金担持量が1.0mg/cm2になるようにバーコータにより塗工した。その後、80℃×30分間加熱乾燥して電極層(燃料電池電極用組成物)を形成した。
この電極層2枚で、市販の電解質膜(ナフィオン112)を狭持して、120℃×3分間熱プレスを行い、燃料電池用膜電極接合体(MEA)を作製した。
・試験及び結果
得られた各実施例及び比較例のMEAを用い、評価用燃料電池セルを作製した。評価用燃料電池セルは電極面積が9cm2、セル内温度が75℃、水素極には水素の利用率が90%になるように純水素を流し、空気極には空気の利用率が40%になるように空気を流した。加湿条件としては、水素極及び空気極に流れる水素又は空気1molに対してH2O換算で0.2mol相当加湿した。各実施例及び比較例の評価用燃料電池セルについてIV特性を測定した。結果を図1に示す。図1では各実施例の評価用燃料電池セルの結果を実線で示し、比較例1及び2の評価用燃料電池セルの結果を破線で示した。実線部分は上から、実施例4、1、6、7、8、2、5及び3の順であり、破線部分は上が比較例2、下が比較例1である。
比較例1、2の炭化水素系電解質のみで作成されたMEAを採用した評価用燃料電池セルは、高電流密度域において著しく出力電位が低下した。これは、炭化水素系電解質は単独での親水性と撥水性とのバランスが適正とはいえず、高電流密度域において生成水の排水性が悪くなり、カソード側の空気の拡散性が低下したためと考えられる。
実施例3についても比較例と同様に高電流密度域において著しく出力電位が低下した。これは実施例3で用いた試験試料3の電解質のイオン交換容量が1.21meq/gと他の試験試料と比較して小さいためであると推測される。しかしながら、イオン交換容量が小さいにも関わらず、試験試料3よりもイオン交換容量が大きい比較例1、2に対しては同等の性能が得られた。なお、実施例1〜5についてはそれぞれ用いた試験試料のイオン交換容量が大きい順に高電流密度領域での落ち込みが小さくなっており、イオン交換容量が大きい方がIV特性に優れることが明らかになった。
また、実施例5の評価用燃料電池セルは、比較例2と比べてイオン交換容量が同程度であるが、IV特性は大幅に優れたものであった。これはジアルキルシロキサン由来のセグメントの撥水性が効果的に作用しているものと推測できる。つまり、イオン交換容量が小さいにも関わらず、ジメチルシロキサンを含有するブロック共重合体が良好な相分離構造をとりプロトン伝導性が向上したものと考えられる。
実施例6は試験試料2に加えて試験試料ロを併せて使用することで、試験試料2のみを用いた実施例2の評価用燃料電池セル及び比較例2の評価用燃料電池セルのいずれをも上回る相乗効果が認められた。同様の相乗効果は試験試料3と試験試料イ又はロとの併用によっても現れた。実施例3、比較例1及び2の評価用燃料電池セルは同程度の低いIV特性であったものが、両者の試験試料を混合した実施例7及び8では両者からは想像できない性能に向上した。つまり、実施例2及び3のようなイオン交換容量が小さい電解質(高分子電解質材料)でも、イオン伝導性電解質(第2高分子電解質材料)の添加により、イオン交換成分が増加し、高電流密度域における電池性能が向上することがわかった。
以上説明したように、本実施例の燃料電池用電解質組成物及び燃料電池電極用組成物は、フッ素元素を含有していなくても、高電流密度域においても高い性能が発揮できることが分かった。従って、低コスト化が可能となる。
実施例及び比較例の評価用燃料電池セルのIV特性を示したグラフである。

Claims (7)

  1. 高分子電解質材料を有する燃料電池用電解質組成物であって、
    前記高分子電解質材料はビニル単量体とジアルキルシロキサンとのブロック共重合体であり、該ビニル単量体に由来するセグメントに側鎖としてイオン交換可能なプロトン伝導性基を導入したことを特徴とする燃料電池用電解質組成物。
  2. 前記高分子電解質材料は、式(1)で表される構造をもつ請求項1に記載の燃料電池用電解質組成物。
    −(CHX−CR1Y)n−Z−(SiR23−O)m− …(1)
    (式(1)中、R1〜R3は水素及び炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して決定される;Xは水素又はカルボキシ基;Yはカルボキシ基、フェニル基、シアノ基又は加水分解性シリル基;Zは−SiR23−O−又は−CONH−;n及びmはそれぞれ独立して決定される正の整数;上記X、Y及びR1のうちの少なくとも1つは、その少なくとも一部が前記プロトン伝導性基で置換されているか該プロトン伝導性基が結合している)
  3. 更に、第2ビニル単量体からなる重合体であり、イオン交換可能なプロトン伝導性基を導入した第2高分子電解質材料を有する請求項1又は2に記載の燃料電池用電解質組成物。
  4. 更に、プロトン伝導性パーフルオロ系高分子電解質材料を有する請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用電解質組成物。
  5. 前記高分子電解質材料に代えて、該高分子電解質材料からプロトン伝導性基を欠いた高分子材料を有する請求項3又は4に記載の燃料電池用電解質組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用電解質組成物と、該燃料電池用電解質組成物中に分散された酸化還元触媒粉末と、を有することを特徴とする燃料電池電極用組成物。
  7. 固体電解質型燃料電池であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用電解質組成物又は請求項6に記載の燃料電池電極用組成物を有することを特徴とする燃料電池。
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