JP2005227249A - 路面性状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一台で3mσばかりかキメ深さや,SMTD,IRIも測定できる多機能の路面性状測定装置であって高精度なものを安価に提供する。
【解決手段】第一基準長Lの枠部11の両端に基準車輪を装備した手動の台車に、移動距離計15と高さ計16と加速度計13を付設する。高さ計16には、排水用凹部の開口幅より短い第二基準長Nに対応した狭い範囲を測定するものを、採用する。演算部20は、移動距離測定値ΔSと高さ測定値Kとに基づき踏面算出を行って第一基準長L対応の3mσを算出するとともに、加速度検出値βから上下変位Dを算出しこれと移動距離測定値ΔSと高さ測定値Kとに基づき踏面算出を行わないで第二基準長N対応のキメ深さ等を算出するように、プログラム等を改造する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、手動の台車をベースにした路面性状測定装置に関し、詳しくは、台車を手押しや人手で牽引して移動させながら移動経路に沿って路面の形状を測定する路面性状測定装置に関する。
道路や滑走路などの路面について凹凸状態による路面性状を表す指標として、日本道路公団規格JHS223に基づく低周波重視の第一路面性状値「3mσ」(σ3mとも称される)や「8mプロフィルメータによる路面凹凸測定方法」(JHS220)(PrI,TCR)、あるいは高周波重視の第二路面性状値「キメ深さ」や「テクスチャ深さSMTD(Sensor Measured Texture Depth)」、それらの中間周波重視の第三路面性状値「国際ラフネス指数(IRI)」などが用いられている。
本発明の説明に役立つ部分を掻い摘んで説明すると、3mσは、日本道路公団規格JHS223に規定されている「3mプロフィルメータによる路面凹凸測定方法」に則って、3m(三メートル)を第一基準長とした測定と演算とによって得られる。PrI,TCRは、8mを第一基準長として同様に得られる(例えば非特許文献1参照)。
また、キメ深さやテクスチャ深さ(SMTD等)は、数cmや数mmさらにはそれより細かなピッチを第二基準長とした測定と演算とによって得られ、国際ラフネス指数(IRI)は、25cmや数十cmを第三基準長としてそのピッチで測定を行い更に所定の演算を行って得られる(例えば非特許文献2,非特許文献3参照)。
何れの測定も3mプロフィルメータ等の路面性状測定装置を用いて行われ、その装置には、路面上を移動する移動手段と、その移動距離を測定する移動距離計と、路面までの高さを測定する高さ計と、所望の路面性状値(第一,第二,第三路面性状値)を算出する演算部とが具わっている。
移動手段には、台車を手押しや人手で牽引する手動式と、台車を自動車等で牽引する車両牽引式と、自動車等の自走車両に全てを搭載する車載式(例えば特許文献1,特許文献2参照)とが挙げられるが、後述するように本発明は多機能の装置を安価に提供するために移動手段として手動の台車を採用することを前提とするので、手動の台車をベースにした路面性状測定装置70について、図面を参照して説明する。図7は、(a)が路面性状測定装置70の外観斜視図、(b)がその簡略側面図、(c)がそれを用いた測定状況の模式図である。
路面性状測定装置70は(図7(a)参照)、手動牽引式の台車をベースにした3mプロフィルメータであり、その台車には、3mの第一基準長Lに対応した長さを持つ棒状の枠部11と、その両端それぞれに一組ずつ装備された基準車輪73と、掴んで引っ張るための牽引部74とが具わっている。枠部11は、大抵、ステンレス等からなる丈夫なビーム状・梁状のフレームであり、使用時に第一基準長Lに対応した長さになれば、折り畳み可能であっても伸縮可能であっても長さ固定であっても良い。基準車輪73は、適宜な距離を保って軸支された四個が一組で、何れも、硬質ゴム等からなり、枠部11の移動に応じて路面上を転動するようになっている。牽引部74は、手を掛けやすいよう基準車輪73支持部材か又は枠部11から斜め上に伸びたアームやハンドルからなり、大抵、タッチパネル等の付いた操作部75が取り付けられている。
また(図7(a),(b)参照)、基準車輪73の何れかに対して、枠部11の移動距離を測定するため例えばロータリエンコーダからなる移動距離計15が設けられており、枠部11の中央には、収納ボックスや機器箱からなる測定部12が付設されている。測定部12には、路面80までの高さを測定する高さ計76と図示しない演算部とが納められている。演算部は、バッテリ駆動の電子回路等からなり、移動距離計15及び操作部75と適宜なケーブルにて信号送受可能に接続されていれば、測定部12内のどこに在っても良い。高さ計76は、路面80に向けた適宜な変位計や距離計からなり、測定部12内で枠部11の中央位置に設置される。より具体的には、一組の基準車輪73四個の中央位置と別の組の基準車輪73四個の中央位置とが第一基準長Lになっていて、その丁度真ん中のところに(即ち基準車輪73の各組から第一基準長Lの半分「L/2」ずつ寄ったところに)、鉛直下方向きで、高さ計76が設けられている(図7(b)参照)。
そして(図7(c)参照)、牽引部74を手で引いて路面性状測定装置70を移動させながら、操作部75を操作して測定を開始させると、移動距離計15によって路面80上の移動距離が測定されるとともに、高さ計76によって高さ計76から路面80までの高さが測定され、路面性状測定装置70が1.5m移動する度に、演算部によって高さ測定値に基づく所定演算が遂行されて、3mの第一基準長Lに対応した第一路面性状値「3mσ」が算出される。
これに対し(図7(d)参照)、第一基準長Lより桁違いに短い第二基準長や第三基準長に対応したテクスチャ深さSMTD(第二路面性状値)や国際ラフネス指数IRI(第三路面性状値)を測定する路面性状測定装置79には、同じ手動式であっても、ずっと短い台車が用いられている。なお、車載式のものは、高速で移動・走行しながら測定できるようになった代わりに、高価な車両が必要であり、そのうえ、国際ラフネス指数IRIに適した逐次2点法での測定では一対の変位計の姿勢を制御する姿勢制御機構を導入したり(例えば特許文献1参照)、長い第一基準長Lに対応した3mσの測定では車両等コンパクト化のため高さ計を増やしたり演算内容を変えている(例えば特許文献2参照)。
また、図7(e)は路面80の表層部の縦断面の拡大図であるが、この路面80は、浸透水性のアスファルトやコンクリートからなる舗装材81で舗装されたものである。浸透水性の舗装材81は最近多用されているが、これには排水のため意識的に微細な凹凸が付けられている。凹部82は、例えば粒材と粒材との間に残された数mm程度の排水用小溝・排水用小孔・排水用空隙であり、凸部は、そのような粒材のうち最上位のもので構成され、その上面は、舗装時に平らに均されて、自動車等の走行時に車輪が接触転動する踏面83となっている。そのような微細凹凸を把握するには、凹部82の開口幅より短い例えば1mmを第二基準長Nとして、そのピッチNでのキメ深さ測定や、テクスチャ深さSMTD測定が行われる。
特開平6−94445号公報 特開平7−318342号公報 峰岸順一著「平坦性」、社団法人日本アスファルト協会「アスファルト 第44巻 第208号」平成13年7月発行、p.38−47 小関祐二・鈴木康豊・関口英輔著「国際ラフネス指数(IRI)について」、社団法人日本アスファルト協会「アスファルト 第44巻 第210号」平成14年1月発行、p.55−65 「平成8年制定 コンクリート標準示方書[舗装編]」社団法人土木学会発行、p.163−168
ところで、道路舗装後に最も多く行われている路面性状測定は、現状では、国内規格に則った第一基準長L=3m対応の第一路面性状値「3mσ」の測定であるが、上述のような浸透水性舗装の増加により、第二基準長N対応の第二路面性状値「キメ深さ」や「テクスチャ深さSMTD」を測定するニーズが高まっており、さらに、国際化の流れに押されて、第三基準長M対応の第三路面性状値「国際ラフネス指数IRI」を測定するニーズも高まりつつある。そして、それらの路面性状ごとに別個の路面性状測定装置を揃えるのは費用が嵩むうえ、装置を替えて同じところを何度も測定しなおすのは面倒で工数もかかるので、一台で3mσもSMTD等も測定できるようにするのが望ましい。
しかしながら、3mσの測定には、図7(c)のような長い手動の台車か大型車両が使われ、キメ深さやテクスチャ深さSMTDあるいは国際ラフネス指数IRIの測定には、図7(d)のような短い手動の台車か普通サイズの車両が使われるので、3mσ等の第一路面性状値の測定と、その他の第二路面性状値や第三路面性状値の測定は、別個の路面性状測定装置で別々に行われていた。また、上掲した特許文献1や特許文献2による技術的工夫も、自動車利用の車載式を前提として各路面性状の特性に基づく測定や演算の手法を特化させたものであり、一台で3mσもSMTD等も測定するようにはなっていない。
しかも、自動車はそれ自体が高価なのに揺動・傾動しやすいためその影響を抑制するのに姿勢制御機構を追加すると更に原価が上がってしまうという不都合がある。コストダウンのため自動車をコンパクトにしても、揺動・傾動が激しくなることから、姿勢制御機構を付けなければ高さ計の増設や演算手法等の工夫で補償・補正しなければならないので、コストは高止まりするうえ、補償・補正しきれないと測定精度を損ねかねない。このような不都合すなわち揺動・傾動の影響が大きいという不都合は、手動であっても短い台車を用いる従来の第二路面性状値測定にも、付きまとっている。
そこで、一台で3mσ等の第一路面性状値ばかりかSMTD等の第二路面性状値やIRI等の第三路面性状値なども測定できる多機能の路面性状測定装置を提供するとともに、そのような路面性状測定装置を安価であっても高精度なものにするよう、台車の選定に加えて、機能の組み合わせ方や、高さ計などの測定器具の設置、演算の仕方などに、工夫を凝らすことが技術的な課題となる。
本発明の路面性状測定装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、三メートル又はそれ以上の第一基準長に対応した長さを持つ枠部を有しその両端それぞれに基準車輪が装備されている手動の台車と、その移動距離を測定する移動距離計と、前記枠部の中央に付設され路面までの高さを測定する高さ計(第一高さ計)と、前記移動距離計の移動距離測定値と前記高さ計の高さ測定値とに基づいて前記第一基準長対応の第一路面性状値を算出する演算部とを備えた路面性状測定装置において、前記高さ計が、路面の排水用凹部の開口幅より短い第二基準長に対応した範囲またはそれより狭い範囲を測定するものであり、前記演算部が、前記移動距離測定値と前記高さ測定値とに基づいて前記第二基準長対応の第二路面性状値を算出するとともに、前記第一路面性状値の算出に際しては踏面の算出を行い、前記第二路面性状値の算出に際しては踏面の算出を行わないようになっている、というものである。
また、本発明の路面性状測定装置は(解決手段2)、上記解決手段1の路面性状測定装置であって、上下方向の加速度を検出する加速度計が、前記高さ計の上方または極近傍に設けられ、前記演算部が、前記加速度計の加速度検出値に基づいて上下変位を算出するとともに、その上下変位算出値を前記高さ測定値に加算または減算して前記第二路面性状値に関する補正を行うようになっている、というものである。
さらに、本発明の路面性状測定装置は(解決手段3)、上記解決手段2の路面性状測定装置であって、前記枠部の傾きを検出する傾斜計が設けられ、前記演算部が、前記第二路面性状値の算出に際し前記傾斜計の傾き検出値に基づいて前記高さ測定値から鉛直方向射影成分と水平方向射影成分とを算出し前記鉛直方向射影成分にて前記高さ測定値を補正するとともに前記水平方向射影成分を加算または減算して前記移動距離測定値を補正するようになっている、というものである。
また、本発明の路面性状測定装置は(解決手段4)、上記解決手段3の路面性状測定装置であって、前記第一基準長と前記第二基準長との中間の第三基準長だけ前記高さ計(第一高さ計)から離隔したところに路面までの高さを測定する他の高さ計(第二高さ計)が設けられ、前記演算部が、前記移動距離測定値と前記高さ測定値(第一高さ測定値)と前記傾き検出値と前記の他の高さ計の離隔位置高さ測定値(第二高さ測定値)とに基づいて前記第三基準長対応の第三路面性状値を算出するものであってその際に前記離隔位置高さ測定値(第二高さ測定値)に関して踏面の算出を行い前記高さ測定値(第一高さ測定値)に関しては前記第一路面性状値の算出に係る踏面の算出結果を用いるようになっている、というものである。
また、本発明の路面性状測定装置は(解決手段5)、上記解決手段4の路面性状測定装置であって、前記演算部が、前記第三路面性状値の算出に際し前記傾き検出値の差分と前記高さ測定値(第一高さ測定値)とに基づき前記移動距離測定値を補正して前記高さ計(第一高さ計)の路面上測定位置が前記第三基準長だけ移動したか否かを判定するようになっている、というものである。
また、本発明の路面性状測定装置は(解決手段6)、上記解決手段5の路面性状測定装置であって、前記演算部が、前記路面上測定位置の前記第三基準長の移動ごとに路面の高低差を算出するものであって、その算出に際し、前記傾き検出値と前記高さ測定値(第一高さ測定値)と前記離隔位置高さ測定値(第二高さ測定値)も前記路面上測定位置の前記第三基準長の移動ごとの値を用いるようになっている、というものである。
このような本発明の路面性状測定装置にあっては(解決手段1)、手動牽引式3mプロフィールメータのように比較的安価で而も長くて揺動・傾動の少ない路面性状測定装置をベースにして、もとより具わっている第一基準長対応の第一路面性状値の算出機能に加え、第二基準長対応の第二路面性状値の算出も行うようにしたことにより、多機能なものとなって、国内規格に則り現状では欠かせない低周波重視の第一路面性状値も、浸透水性舗装では是非知りたい高周波重視の第二路面性状値も、一度の作業で同時に得ることができる。しかも、揺動・傾動が少ないので、高価な姿勢制御機構などは、要らない。
また、多機能化に際して、高さ計の特性を第二基準長に適合させるとともに、第二路面性状値算出のときは踏面の算出を行わないで、排水用凹部の中の微細形状まで路面性状値に反映させるようにし、その一方、第一路面性状値算出のときは排水用凹部を恰も埋めたのと等価になる踏面の算出を行うようにしたことにより、低周波重視と高周波重視という異質の測定に高さ計が不都合なく共用されて、部材費のコストアップが回避される。
したがって、この発明によれば、第一路面性状値ばかりか第二路面性状値も同時測定可能な多機能の路面性状測定装置であって高精度なものを安価に提供することができる。
また、本発明の路面性状測定装置にあっては(解決手段2)、加速度計を導入して高さ計の上下動を検知するとともに、演算によって第二路面性状値に関する補正を行うようにしたことにより、上下動の影響を受けやすい第二路面性状値について精度の向上が期待できる。しかも、揺動・傾動の少ない路面性状測定装置をベースにしているため、上下変位算出値を高さ測定値に加算する又は減算するといった簡便な手法でも精度の良い補正がなされる。これにより、精度向上をほんの僅かな部材追加で実現することができる。
さらに、本発明の路面性状測定装置にあっては(解決手段3)、傾斜計を導入して高さ計の傾きを検知するとともに、演算によって第二路面性状値に関する補正を行うようにしたことにより、上下動ばかりか傾きの影響も受けやすい第二路面性状値について更なる精度の向上が期待できる。しかも、揺動・傾動の少ない路面性状測定装置をベースにしているため、高さ測定値の射影成分で置換・加算・減算するといった簡便な手法でも精度の良い補正がなされる。これにより、更なる精度向上を僅かな部材追加で実現することができる。
また、本発明の路面性状測定装置にあっては(解決手段4)、逐次2点法での測定に最小限必要な第二高さ計を導入するとともに、演算によって国際ラフネス指数IRIといった第三基準長対応の第三路面性状値を算出するようにしたことにより、更なる多機能化が僅かな部材追加で実現する。また、第二高さ測定値に関して踏面の算出を行うようにもしたことにより、第二高さ計に第一高さ計と同一仕様のものを使えるようになるので、仕様共通化によるコストの低減や在庫軽減まで図れる。しかも、そのようにしても、第一高さ測定値の利用時には第一路面性状値の算出に係る踏面の算出結果を用いるようにしたことにより、演算負担まで最小限の増加に抑えられる。
また、本発明の路面性状測定装置にあっては(解決手段5,解決手段6)、第二路面性状値の精度向上に寄与した傾斜計の傾き検出値を再利用することにより、第三路面性状値についても、揺動・傾動の少ない路面性状測定装置をベースにしていることの利点を活用して、簡便な手法の判定や演算で殆どコストを掛けることなく高精度な結果を得ることができる。
このような本発明の路面性状測定装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜3により説明する。
図1〜2に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜2)を具現化したものであり、図3〜4に示した実施例2は、上述した解決手段3(出願当初の請求項3)を具現化したものであり、図5〜6に示した実施例3は、上述した解決手段4〜6(出願当初の請求項4〜6)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来(図7参照)と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
本発明の路面性状測定装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、路面性状測定装置10の構造を示し、(a)が簡略側面図、(b)が演算部のブロック図である。
この路面性状測定装置10は手動牽引式3mプロフィルメータ兼キメ深さ測定器なので、その機械部分には、既述した路面性状測定装置70の機構がそのまま引き継がれている。すなわち(図7(a)及び図1(a)参照)、3mの第一基準長Lに対応した長さを持つ枠部11を有する台車がベースであり、それに、演算部20等を納めた測定部12と、台車の移動距離を測定する移動距離計15とが、付設されている。この移動距離計15が、ロータリエンコーダを用いたものであり、一定距離進む度にパルスpを出力するようになっているのも、同様である。基準車輪73の四つ組が枠部11の両端それぞれに装備されていることや、手動牽引用の牽引部74に操作部75が取着されていることも、同様である。
路面80までの高さを測定する高さ計(第一高さ計)が枠部11の中央(両端からL/2のところ)に付設されていることも同様であるが、その高さ計は、従来の高さ計76ではなく、数mmの凹部82開口幅や1mmの第二基準長Nよりも狭い範囲を測定する非接触式の高さ計16になっている。そのような高さ計16としては、ビーム径を細く絞り込めるレーザ距離計・レーザ変位計などが好適である。この高さ計16は高さ測定値K(第一高さ測定値)を数kHzで繰り返し出力するようになっている。
また、測定部12内で高さ計16の上方に当たるところに、上下方向の加速度を検出して加速度検出値βを出力する加速度計13が設置されている。このような加速度計13には、サーボ加速度計(一軸のみ)などが好適である。
演算部20は(図1(b)参照)、大抵マイクロプロセッサやデジタルシグナルプロセッサで具現化され、これには、プログラムメモリやデータメモリが内蔵または外付けされる他、例えば正確な計時のために水晶発振子を組み込んだタイマー回路などからなり時刻tを出力する時計14が付設されるとともに、図示は割愛したが、電池や,電源回路,A/D変換器,操作部75とのインターフェイス等も付設されている。これらも演算部20と一緒に測定部12に収納されている。
演算部20は、加速度計13の加速度検出値βと時計14の時刻tと移動距離計15のパルスpと高さ計16の高さ測定値Kとを入力し、これらを用いて所定の演算等を行って、3mσ(第一基準長L対応の第一路面性状値)とピッチNのキメ深さ(第二基準長N対応の第二路面性状値)とを算出するものであり、そのために、上下変位算出部21,凹凸二次元形状演算部22,テクスチャ演算部23,積算部24,踏面算出部25,3mσ算出部26といったプログラムがインストールされている。また、そのデータメモリには、凹凸データ22a,テクスチャデータ23a,踏面データ25a,3mσデータ26aの領域がそれぞれ割り付けられている。
詳述すると、上下変位算出部21は、高さ測定値Kの入力タイミングに同期して起動され、その度に、加速度検出値βと時刻tとを入力して上下変位算出値Dを算出するものである。具体的には、そのときの加速度検出値βと前回起動時からの経過時間Δtとの積を足し込む(ΣβΔt)ことで上下方向速度Vを算出し、この上下方向速度Vと経過時間Δtとの積を足し込む(ΣVΔt)ことで上下方向変位の倍数Wを算出し、これを半分にする(W/2)ことで上下変位算出値Dを算出するようになっている。
積算部24は、パルスpの入力がある度に単位距離を積み重ねて移動距離測定値ΔSを算出するものであるが、その積算演算に際して、高さ測定値Kの入力タイミングに同期して移動距離測定値ΔSを凹凸二次元形状演算部22及び踏面算出部25に送出するとともに、その送出後は積算値をゼロクリアするようになっている。そのため、移動距離測定値ΔSは、高さ測定値Kの各入力の時間間隔に即ち高さ計16による測定の間に高さ計16の前進した距離を示すものとなる。
凹凸二次元形状演算部22は、高さ測定値Kの入力タイミングに同期して起動され、その度に、補正のため高さ測定値Kに上下変位算出値Dを加算して高さ測定値(K+D)を算出し、さらに移動距離測定値ΔSと高さ測定値(K+D)とを組データ(ΔS:K+D)にし、これを凹凸データ22aに貯め込んで蓄積するようになっている。このような凹凸データ22aは、移動距離測定値ΔSが台車の移動速度に応じて増減する性質のものなので、路面80の凹凸二次元形状を可変ピッチで表すものとなっている。
テクスチャ演算部23は、凹凸データ22aが溢れない程度の適宜な周期で又は操作等に応じて不定期に起動され、可変ピッチの凹凸データ22aから、例えば折れ線での近似演算や高次関数での内挿演算などを行って、第二基準長Nを基準とした固定ピッチの凹凸二次元形状データであるテクスチャデータ23aを算出するようになっている。そして、これら上下変位算出部21と凹凸二次元形状演算部22とテクスチャ演算部23は、次に述べるような踏面の算出を行うことなく、移動距離測定値ΔSと高さ測定値Kと加速度検出値βから、第二基準長N対応の第二路面性状値であるピッチNのキメ深さを算出するものとなっている。
踏面算出部25は、移動距離測定値ΔSと高さ測定値Kとから凹部82の影響を排除・緩和するような演算を行って踏面高さKmを算出するものであり、そのために、高さ測定値Kの入力タイミングに同期して起動されて、その度に、踏面算出に必要なデータ蓄積を行うとともに、台車が第一基準長Lの半分(L/2)である1.5mを移動したことの判定を行う。そして、台車が1.5m移動する度に、踏面高さKmを算出して3mσ算出部26に送出するようになっている。
踏面算出用データの蓄積は、移動距離測定値ΔSと高さ測定値Kとを組データ(ΔS:K)にして踏面データ25aに貯め込むことで行われる。
また、台車1.5m移動の判定は、前回の踏面高さKm算出時から今に至る移動距離測定値ΔSの和が1.5mに到達したか否かでなされる。
踏面高さKmの算出は、踏面データ25aを最新データから過去データへ順に読み出すのを、その間の移動距離(ΣΔS)が一定値に達するまで繰り返し、読み出した各データのうちから最も高い位置の高さ測定値Kを選出することで行われる(MAX)。なお、上記一定値は、凹部82の開口より大きな距離に設定される。例えば数cmにされる。
3mσ算出部26は、踏面高さKmを受け取る度に、3mσデータ26aに貯め込んで蓄積するとともに、3mσデータ26aが溢れない程度の適宜な周期で又は操作等に応じて不定期に、3mσデータ26aから標準偏差すなわち3mσの算出等を行うようになっている。そのため、3mσデータ26aは、固定値である第一基準長Lの半分(L/2)を測定ピッチとした測定データとなり、算出された標準偏差値3mσは、第一基準長L対応の第一路面性状値となる。なお、3mσの具体的な算出手順は、公知であり、日本道路公団規格JHS223に規定され、非特許文献1等で解説されているので、ここでの説明は割愛する。
この実施例1の路面性状測定装置10について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、(a)〜(c)何れも台車移動経路に沿った路面80の縦断面を模式的に表示したものである。なお、表示倍率はそれぞれ異なる。
手で引きながら測定するといった使い方は従来通りなので(図7(c)参照)、ここでは測定中の特徴的な動作等を説明する。
路面80上を移動させながら路面性状測定装置10で路面80の測定を行うと、一度の移動で、低周波を重視した3mσ(第一路面性状値)と、高周波を重視した不定ピッチの凹凸二次元形状(第二路面性状値)及び固定ピッチNのキメ深さ(第二路面性状値)とを、同時に測定することができるので、以下、測定データの入力状態とキメ深さの算出と3mσの算出について順に詳述する。
路面性状測定装置10を移動させると、数kHzで高さ測定値Kが演算部20に入力されるとともに他のデータβ,t,ΔSも入力または算出される(図2(a)参照)。路面性状測定装置10の移動手段が手動式なので、移動速度が多少変動するのは避けられず、移動距離測定値ΔSも多少増減変化するが、移動距離測定値ΔSは1mm前後かそれ以下に収まるので、数mm幅の開口を持った凹部82を高さ測定から外すことは無い。また、高さ計16の測定範囲を決めるレーザビーム径が充分に絞られているので、凹部82内部の底面や側面まで明瞭な測定がなされて、路面80が透水性アスファルト等であっても、その微細な凹凸形状を適切に反映した一連の高さ測定値Kが得られる(図中の矢線を参照)。
移動距離測定値ΔSと高さ測定値Kとを組みにして多数を連ねたものが原始的な凹凸二次元形状データであるが、台車が移動距離測定値ΔSだけ移動している間に高さ計16が上下動すると、高さ測定値Kには路面80の高さ変化ばかりか高さ計16の上下方向変位(D)まで入り込んでしまう(図2(b)におけるK1→K2を参照)。これに対し、上下変位算出部21では加速度検出値βと時刻tとから高さ計16の上下方向変位に相当する上下変位算出値Dが算出され、凹凸二次元形状演算部22では上下変位算出値Dを用いて高さ測定値Kが補正されるので、移動距離測定値ΔSと高さ測定値(K+D)との組を蓄積した凹凸データ22aは、台車移動時の高さ計16の上下動の悪影響を排したものとなる。また、テクスチャ演算部23によって、凹凸データ22aからテクスチャデータ23aが算出されるが、その演算は近似や内挿にて1mmピッチNの一連データに変換するものなので、テクスチャデータ23aも、上下動の影響の無い正確なものとなる。
また、並行して踏面算出部25による台車移動量の確認が行われ、台車が第一基準長Lの半分(L/2)である1.5mを移動したと判定されると、その度に、やはり踏面算出部25によって踏面高さKmが算出される。踏面高さKmは(図2(c)参照)、数cm幅の極薄平板(図では両端矢付き実線)を路面80上に乗せておいて、その高さを高さ計16で測定したときの高さ測定値と同じになるので、仮に凹部82を埋めて踏面83で路面80を均してから路面80の高さ測定を行ったときの測定値と等価になる。そして、このような踏面高さKmが3mσ算出部26によって3mσデータ26aに蓄積され、さらに、3mσ算出部26によって3mσデータ26aから標準偏差3mσが算出されるので、高さ計16のビーム径すなわち測定範囲が1mm(第二基準長N)より狭くても、そして1mmより広い凹部82が路面80にあっても、凹部82の影響の無い適切な3mσが得られる。
こうして、一度の測定作業で、測定低周波を重視した3mσ(第一路面性状値)と、高周波を重視したピッチNのキメ深さ(第二路面性状値)が、同時に得られる。そして、それらの異質な路面性状値は、必要なとき、操作等に応じて、操作部75のパネルや他のディスプレイ等に表示されたり、データ蓄積や更なるデータ加工等のためのデータ送信に供される。
本発明の路面性状測定装置の実施例2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図3は、路面性状測定装置30の構造を示し、(a)が簡略側面図、(b)が演算部のブロック図である。また、図4(a)は、SMTD算出手法の説明図であり、横軸に移動距離を採り縦軸に高さを採って回帰曲線からの偏倚状態を示している。
この路面性状測定装置30が上述した実施例1の路面性状測定装置10と相違するのは、補正精度向上のために、傾斜計31が追加された点と、凹凸二次元形状演算部22及びテクスチャ演算部23が改造されて其々凹凸二次元形状演算部32及びテクスチャ演算部33になっている点である。
傾斜計31は、測定部12に納めて設置され、枠部11ひいては高さ計16の傾きを検出して、その傾き検出値αを演算部20に送出するものである。これには、傾斜計(液面型など)と角速度計とを組合わせて信号処理により予測傾斜を算出する方式などが好適である。
凹凸二次元形状演算部32は、凹凸二次元形状演算部22同様、高さ測定値Kの入力タイミングに同期して起動されて、その度に、移動距離測定値と高さ測定値とを組データにし、これを凹凸データ22aに貯め込んで蓄積するようになっているが、組データ算出時の補正内容が凹凸二次元形状演算部22と異なる。すなわち、凹凸二次元形状演算部32は、先ず、傾き検出値αから前回起動時と今回起動時の傾斜差Δα(傾き検出値の差分)を算出し、次にそれを用いて高さ測定値Kから鉛直方向射影成分(K・cosΔα)と水平方向射影成分(K・sinΔα)とを算出するようになっている。
さらに、移動距離測定値ΔSについては水平方向射影成分(K・sinΔα)を減算して移動距離測定値(ΔS−K・sinΔα)を算出し、高さ測定値Kについては鉛直方向射影成分(K・cosΔα)で置き換えるとともに上下変位算出値Dを加算して高さ測定値(D+K・cosΔα)を算出する。それから、移動距離測定値(ΔS−K・sinΔα)と高さ測定値(D+K・cosΔα)とを対にして、組データ(ΔS−K・sinΔα:D+K・cosΔα)を作り上げるようになっている。
テクスチャ演算部33は、テクスチャ演算部23と同様にピッチNのキメ深さの算出を行うのに加えて、テクスチャ深さSMTDの算出も行うようになっている。テクスチャ深さSMTDの算出手順は、公知なので掻い摘んで説明すると(図4(a)参照)、先ず一連の高さ測定値Kから回帰曲線(図では一点鎖線)を求め、次にその回帰曲線からの各高さ測定値Kの偏倚量(図では黒点付き細線の長さ)について自乗平均を演算する、というものである。このテクスチャ深さSMTDも第二基準長N対応の第二路面性状値である。
この実施例2の路面性状測定装置30について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図4(b)は、移動経路に沿った路面の縦断面を模式的に表示したものであり、図4(c)は、測定箇所の位置関係を示すベクトル図である。
傾斜計31の導入と凹凸二次元形状演算部22の改造とにより上述の実施例1の動作とは異なることになった凹凸二次元形状データの補正内容について詳述する。
台車が移動距離測定値ΔSだけ移動している間に(図4(b)における実線矢印と破線矢印を参照、また図4(c)における位置41→位置42も参照)、高さ計16は、枠部11に随伴して、上下動するのに加えて(図4(b)のDを参照)、傾動もする(図4(b)のα1,α2を参照)。そのため(図4(c)参照)、高さ測定値Kには、路面80の高さ変化ばかりか、高さ計16の上下方向変位(D)と、さらには高さ計16の傾斜差Δα(即ちα2−α1)に対応した分(K2・(1−cosΔα))も、入り込んでしまう。また、傾斜差Δα対応分のレーザビーム照射位置のずれ量すなわち路面80上での測定位置の変動量(K・sinΔα)が、移動距離測定値ΔSに入り込んでしまう。
これに対し、凹凸二次元形状演算部32では、上下変位算出部21からの上下変位算出値Dだけでなく、移動距離計15からの傾き検出値αも、補正演算に用いられる。そして、高さ測定値K2は、上下変位算出値Dと高さ測定値K2の鉛直方向射影成分(K2・cosΔα)とで補正されて、高さ測定値(D+K2・cosΔα)にされる。また、移動距離測定値ΔSは、高さ測定値K2の水平方向射影成分(K・sinΔα)で補正されて、移動距離測定値(ΔS−K・sinΔα)となる。
このような測定値を組にして蓄積した凹凸データ22aの表す凹凸二次元形状は、台車移動時の高さ計16の上下動の悪影響ばかりか傾動の悪影響も排したものとなり、精度が向上する。それから導出されるピッチNのキメ深さやテクスチャ深さSMTDも同じく高精度になる。なお、枠部11の長さが3mと長いうえ両端それぞれに四個一組の基準車輪が各々路面に接して回動可能となっていることから、例えば交通量の多い一般道路の管渠の段差40mmに前側二輪が乗り上げたような場合でも傾斜角変化が0.4°程度なので、枠部11の傾きは精々1°までとして良く、上述の比較的簡便な演算内容の補正でも十分な精度の測定結果を得ることができる。
本発明の路面性状測定装置の実施例3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図5は、路面性状測定装置50の構造を示し、(a)が簡略側面図、(b)が演算部のブロック図である。
この路面性状測定装置50が上述した実施例2の路面性状測定装置30と相違するのは、国際ラフネス指数IRI(第三路面性状値)も算出するために、高さ計51(他の高さ計,第二高さ計)が測定部12に追加収納された点と、踏面算出部52と高低差算出部53と加算部54と国際ラフネス指数算出部55といったプログラムが演算部20に追加インストールされた点と、それに随伴して踏面データ52aと前回データ53aの領域がデータメモリに追加割付された点である。
高さ計51には、部材共通化等のため、高さ計16と同じものが採用されるが、高さ計51は、高さ計16から第三基準長Mたとえば25cmだけ進行方向・前方に離隔したところに設けられて、そこから路面80までの高さを測定し、その高さ測定値J(離隔位置高さ測定値,第二高さ測定値)を演算部20に送出するようになっている。
踏面算出部52及び踏面データ52aは、それぞれ踏面算出部25及び踏面データ25aと同様のものなので、繰り返しとなる説明は割愛するが、高さ測定値Kではなく高さ測定値Jを入力し、この高さ測定値Jと移動距離測定値ΔSとから踏面算出の演算を行って、踏面高さKm同様の踏面高さJmを算出するようになっている。また、何れの踏面高さJm,Kmも高低差算出部53向けに随時算出されるようになっている。
高低差算出部53は、踏面高さJmと移動距離測定値ΔSと傾き検出値αと踏面高さKmとから逐次2点法の演算を行ってピッチMすなわち第三基準長M毎に路面80の高低差ΔHを算出するものである。逐次2点法を的確に遂行するために、高低差算出部53は、高低差ΔHを算出したときには、そのときの踏面高さJmと傾き検出値αと踏面高さKmとを前回データ53aに一時記憶しておくようになっている。
さらに、傾斜差Δαと踏面高さJm,Kmとに基づき移動距離測定値ΔS具体的には高低差ΔH前回算出後の和ΣΔSを補正して高さ計16の路面上測定位置がピッチM(第三基準長M)だけ移動したか否かを判定するとともに、高さ計16の路面上測定位置が前回の高低差ΔH算出時位置からピッチMだけ移動したことが判明すると、そのときの傾斜差Δα及び踏面高さJm,Km(α2,J2,K2)と、前回データ53aの傾斜差Δα及び踏面高さJm,Km(α1,J1,K1)とから、路面80の高低差ΔHを算出するようになっている。
具体的には、前回の高低差ΔH算出時位置からの高さ計16の移動距離ΣΔSは、近似的に M−K2・sin(α2−α1) で算出される。また、高低差ΔHは、やはり近似的に−{(J1−K1)・cosΔα1}+M・sinα1 で算出される。
加算部54は、高低差ΔHが算出される度に、それを足し込んで、ピッチMの高さ測定値Hを算出する。
国際ラフネス指数算出部55は、一連の高さ測定値Hから、標準偏差算出等の公知演算を行って(非特許文献2,非特許文献3等を参照)、第三基準長M対応の国際ラフネス指数IRI(第三路面性状値)を算出するようになっている。
この実施例3の路面性状測定装置50について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図6は、(a)が移動経路に沿った路面80の模式的な縦断面図および位置関係を示すベクトル図であり、(b)がその要部の拡大図である。
高さ計51の導入と高低差算出部53等のインストールとにより新たに加わった国際ラフネス指数IRIの測定について詳述する。
台車が例えば25cmのピッチMすなわち第三基準長Mほど移動している間に(図6(a)参照)、枠部11に随伴して高さ計16が位置61から位置62へ移動し、高さ計51が位置63から位置64へ移動したとき、枠部11が前進に加えて上下動も傾動もするので、高さ計16と高さ計51との離隔距離が第三基準長Mであっても、位置62と位置63は重なるより重ならない場合が多く、先行の高さ計51での前回測定位置と後行の高さ計16での今回測定位置も一致するのは稀である。しかし、国際ラフネス指数IRIに適合した逐次2点法を適切に遂行するには、それらの路面上測定位置を一致させる又は充分に近づけることが必要である(図6の測定位置66を参照)。それを路面性状測定装置50では以下のようして的確に而も簡便に成し遂げている。
すなわち、前回の高低差ΔH算出時位置である路面上測定位置65からの台車および高さ計16の移動距離ΣΔSが上述の式「M−K2・sin(α2−α1)」の算出値に達すると、高低差算出部53によって、先行の高さ計51での前回測定位置と後行の高さ計16での今回測定位置が路面80上の位置66で重なったものと判定されて、新たな高低差ΔHの算出が行われる。これにより、ピッチMの移動が台車でなく路面上測定位置の離隔距離を基準としたものになるので、逐次2点法に対して的確に適合した高さ測定がなされることとなる。
また、高低差ΔHが上述式「−{(J1−K1)・cosΔα1}+M・sinα1」で算出され、それに基づき、加算部54にて高さ測定値Hが算出され、国際ラフネス指数算出部55によって最終目的の国際ラフネス指数IRIが算出される。
こうして得られた路面性状値は、その算出過程で使用された移動距離ΣΔSや高低差ΔHの算出式が上述したような簡便な近似式であるが、やはり枠部11の長さが3mと長いうえ両端それぞれに四個一組の基準車輪が付いていることから、実用に適う十分な精度を示す。
[その他]
上記実施例では、演算部20がマイクロプロセッサ等で具現されていたが、演算部の具体化は、これに限られる訳でなく、例えばシステムLSIやプログラム可能論理回路などで行っても良く、適宜組み合わせても良い。
また、上記実施例で示した路面性状値の補正時の加減は一例であり、路面性状値の補正時に補正値を加算するか減算するかは、基準方向の設定等に応じて適宜定められる。
さらに、上記実施例では、各測定値・検出値の入力タイミングを高さ測定値Kを基準に揃えていたが、これは必須ではないので、他の基準を採用しても良く、揃っていなくても良く、例えばパルスpの入力やその逓倍のタイミングを併用するのも良い。
本発明の実施例1について、路面性状測定装置の構造を示し、(a)が簡略側面図、(b)が演算部のブロック図である。 (a)〜(c)何れも移動経路に沿った路面の縦断面を模式的に表示したものである。 本発明の実施例2について、路面性状測定装置の構造を示し、(a)が簡略側面図、(b)が演算部のブロック図である。 (a)は、SMTD算出手法の説明図であって横軸に移動距離を採り縦軸に高さを採って回帰曲線からの偏倚状態を示している。(b)は、移動経路に沿った路面の縦断面を模式的に表示したものであり、(c)は、測定箇所の位置関係を示すベクトル図である。 本発明の実施例3について、路面性状測定装置の構造を示し、(a)が簡略側面図、(b)が演算部のブロック図である。 (a)が移動経路に沿った路面の模式的な縦断面図および位置関係を示すベクトル図であり、(b)がその要部の拡大図である。 従来の路面性状測定装置について、(a)が手動牽引式3mプロフィルメータの外観斜視図、(b)がその簡略側面図、(c)がそれを用いた測定状況の模式図、(d)が他の装置を用いたSMTDやIRIの測定状況の模式図、(e)が路面の表層部の縦断面の拡大図である。
符号の説明
10 路面性状測定装置(手動牽引式3mプロフィルメータ)
11 枠部(3mのフレーム、梁、ビーム、手動の台車)
12 測定部(機器箱、収納ボックス)
13 加速度計
14 時計(計時ユニット、タイマー)
15 移動距離計(エンコーダ)
16 高さ計(変位計、距離計、第一高さ計)
20 演算部(マイクロプロセッサ、システムLSI)
21 上下変位算出部(一定周期)
22 凹凸二次元形状演算部(上下動補正付き)
22a 凹凸データ(データ蓄積用メモリ)
23 テクスチャ演算部(ピッチM、キメ深さ)
23a テクスチャデータ(データ蓄積用メモリ)
24 積算部(リスタートタイプ)
25 踏面算出部(転動接触幅から最大値選出)
25a 踏面データ(データ蓄積用メモリ)
26 3mσ算出部(ピッチL/2+標準偏差)
26a 3mσデータ(データ蓄積用メモリ)
30 路面性状測定装置(手動牽引式3mプロフィルメータ)
31 傾斜計
32 凹凸二次元形状演算部(上下動+傾き補正付き)
33 テクスチャ演算部(キメ深さ+SMTD)
41,42 位置(高さ計の移動位置)
50 路面性状測定装置(手動牽引式3mプロフィルメータ)
51 高さ計(変位計、距離計、第二高さ計)
52 踏面算出部(転動接触幅から最大値選出)
52a 踏面データ(データ蓄積用メモリ)
53 高低差算出部(ピッチN)
53a 前回データ(データ保持用メモリ)
54 加算部(Σ演算)
55 国際ラフネス指数算出部(IRI算出)
61〜64 位置(高さ計の移動位置)
65,66 位置(高さ計による路面上の測定位置)
70 路面性状測定装置(手動牽引式3mプロフィルメータ)
73 基準車輪(四個一組、手動の台車)
74 牽引部(アーム、ハンドル、手動の台車)
75 操作部(タッチパネル)
76 高さ計(変位計、距離計)
79 路面性状測定装置(SMTD測定装置、IRI測定装置)
80 路面(道路、滑走路)
81 舗装材(浸透水性アスファルト・コンクリート)
82 凹部(排水用小溝、排水用小孔、排水用空隙)
83 踏面(凸部上面、舗装面、走行面、転動接触面)
L,M,N 基準長(L>M>N)

Claims (6)

  1. 三メートル又はそれ以上の第一基準長に対応した長さを持つ枠部を有しその両端それぞれに基準車輪が装備されている手動の台車と、その移動距離を測定する移動距離計と、前記枠部の中央に付設され路面までの高さを測定する高さ計と、前記移動距離計の移動距離測定値と前記高さ計の高さ測定値とに基づいて前記第一基準長対応の第一路面性状値を算出する演算部とを備えた路面性状測定装置において、前記高さ計が、路面の排水用凹部の開口幅より短い第二基準長に対応した範囲またはそれより狭い範囲を測定するものであり、前記演算部が、前記移動距離測定値と前記高さ測定値とに基づいて前記第二基準長対応の第二路面性状値を算出するとともに、前記第一路面性状値の算出に際しては踏面の算出を行い、前記第二路面性状値の算出に際しては踏面の算出を行わないものであることを特徴とする路面性状測定装置。
  2. 上下方向の加速度を検出する加速度計が、前記高さ計の上方または極近傍に設けられ、前記演算部が、前記加速度計の加速度検出値に基づいて上下変位を算出するとともに、その上下変位算出値を前記高さ測定値に加算または減算して前記第二路面性状値に関する補正を行うものであることを特徴とする請求項1記載の路面性状測定装置。
  3. 前記枠部の傾きを検出する傾斜計が設けられ、前記演算部が、前記第二路面性状値の算出に際し前記傾斜計の傾き検出値に基づいて前記高さ測定値から鉛直方向射影成分と水平方向射影成分とを算出し前記鉛直方向射影成分にて前記高さ測定値を補正するとともに前記水平方向射影成分を加算または減算して前記移動距離測定値を補正するものであることを特徴とする請求項2記載の路面性状測定装置。
  4. 前記第一基準長と前記第二基準長との中間の第三基準長だけ前記高さ計から離隔したところに路面までの高さを測定する他の高さ計が設けられ、前記演算部が、前記移動距離測定値と前記高さ測定値と前記傾き検出値と前記の他の高さ計の離隔位置高さ測定値とに基づいて前記第三基準長対応の第三路面性状値を算出するものであってその際に前記離隔位置高さ測定値に関して踏面の算出を行い前記高さ測定値に関しては前記第一路面性状値の算出に係る踏面の算出結果を用いるものであることを特徴とする請求項3記載の路面性状測定装置。
  5. 前記演算部が、前記第三路面性状値の算出に際し前記傾き検出値の差分と前記高さ測定値とに基づき前記移動距離測定値を補正して前記高さ計の路面上測定位置が前記第三基準長だけ移動したか否かを判定するものであることを特徴とする請求項4記載の路面性状測定装置。
  6. 前記演算部が、前記路面上測定位置の前記第三基準長の移動ごとに路面の高低差を算出するものであって、その算出に際し、前記傾き検出値と前記高さ測定値と前記離隔位置高さ測定値も前記路面上測定位置の前記第三基準長の移動ごとの値を用いるものであることを特徴とする請求項5記載の路面性状測定装置。
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