JP2005227199A - ホウ素濃度の計測方法およびこれを利用する計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水と空気を含む土壌中のホウ素濃度を計測するのに適したホウ素濃度の計測方法およびこれを利用する計測装置を提供する。
【解決手段】測定対象土壌2に対して空洞共振器9内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求めて測定対象土壌2中の含水量を測定する空洞共振器水分計10と、測定対象土壌2に対して速中性子3を放出する中性子線源4と、速中性子3が測定対象土壌2中で変換されて成る熱中性子5の数を計測する熱中性子検出器6と、空洞共振器水分計10によって求めた含水量に基づいて測定対象土壌2にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器6によって計測されるであろう熱中性子の数を推定し、この推定値と熱中性子検出器6による実測値とに基づいて測定対象土壌2に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出手段7とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】測定対象土壌2に対して空洞共振器9内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求めて測定対象土壌2中の含水量を測定する空洞共振器水分計10と、測定対象土壌2に対して速中性子3を放出する中性子線源4と、速中性子3が測定対象土壌2中で変換されて成る熱中性子5の数を計測する熱中性子検出器6と、空洞共振器水分計10によって求めた含水量に基づいて測定対象土壌2にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器6によって計測されるであろう熱中性子の数を推定し、この推定値と熱中性子検出器6による実測値とに基づいて測定対象土壌2に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出手段7とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明はホウ素濃度の計測方法およびこれを利用する計測装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、土壌中に含まれるホウ素の濃度の計測方法およびこれを利用する計測装置に関する。
近年、土壌や水質汚染に関わる環境基準等にホウ素が追加されている。法的規制に対応するためには土壌や、その他廃棄物中のホウ素濃度を計測する必要がある。迅速にホウ素を計測する方法として、特開2002−350369号公報に開示されたものがある。この方法は、図7に示すように、測定対象の水中101に中性子線源102から速中性子103を放出し、速中性子103が水中で変換されて成る熱中性子104の数を熱中性子検出器105により計測して、その計測結果から水中101のホウ素の濃度を求めるものである。
即ち、ホウ素の熱中性子吸収断面積は他の元素に比べて桁違いに大きい。このため、水中101にホウ素が存在すると、水中101の水素原子によって速中性子103から減速された熱中性子104がホウ素によって吸収され、その分だけ熱中性子104の数が減る。吸収される熱中性子104の数はホウ素の濃度に比例するので、計測した熱中性子104の数に基づいて水中102のホウ素濃度を求めることができる。この方法では、ホウ素濃度を迅速に求めることができる。
しかしながら、上述のホウ素濃度の計測方法は、水中102のホウ素濃度を対象にした計測には適しているが、水と空気を一定量含んだ土壌中のホウ素濃度を対象にした計測には適していない。つまり、土壌によって又はその土壌の部分によって含まれる水分量は異なっており、水分量の多寡が熱中性子104の計数値に影響を与えるため、ホウ素濃度の計測を困難にしていた。
本発明は、水と空気を含む土壌中のホウ素濃度を計測するのに適したホウ素濃度の計測方法およびこれを利用する計測装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載のホウ素濃度の計測方法は、測定対象土壌に対して空洞共振器内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求め、この減衰量に基づいて測定対象土壌中の含水量を求める含水量測定工程と、測定対象土壌に対して中性子線源から速中性子を放出し、この速中性子が測定対象土壌中で変換されて成る熱中性子の数を熱中性子検出器により実際に計測する中性子計測工程と、含水量測定工程で求めた含水量に基づいて測定対象土壌にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器によって計測されるであろう熱中性子の数を推定し、この推定値と熱中性子検出器による実測値とに基づいて測定対象土壌に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出工程とを備えるものである。
含水量測定工程では測定対象土壌中の含水量を求める。水分を含んだ測定対象土壌中に空洞共振器からマイクロ波を漏洩させると、測定対象土壌中の含水量に応じてマイクロ波の共振状態が変化し、しかもその変化量は含水量に対応することから、その共振ピークあるいは最大共振周波数の変動値に基づいて測定対象土壌中の含水量を求めることができる。
その原理を図3に基づいて説明する。いま、測定前(土壌挿入前)の共振周波数が曲線Aであり、その共振ピーク値がV1ボルト、その最大共振周波数がf1ヘルツであったとする。また、測定中(土壌挿入後)の共振周波数が曲線Bであり、その共振ピーク値がV2ボルト、その最大共振周波数がf2ヘルツであったとする。共振周波数のシフト量Vt(=f1−f2)、共振ピーク電圧の減衰量V0(=V1−V2)と試料(測定対象土壌)の秤量dp(g/m2)、含水量dw(g/m2)との関係は、数式1、数式2によって表される。
(数1)
Vt=adp+bdw
(数2)
V0=edw+fdp
ここで、a、b、e、fは比例定数で、bdwはadpよりも比較的小さく、fdpはedwよりも比較的小さい。
(数1)
Vt=adp+bdw
(数2)
V0=edw+fdp
ここで、a、b、e、fは比例定数で、bdwはadpよりも比較的小さく、fdpはedwよりも比較的小さい。
共振ピーク電圧の減衰量に基づいて試料の含水量を求めることはできるが、この場合にはより高精度の測定には不十分である。つまり、共振ピーク電圧の減衰は含水量だけではなく試料の秤量によっても減衰する。また、共振周波数のシフトは試料の秤量だけではなく含水量によって共振周波数がシフトする。
つまり、共振器内では空気とは異なった誘電率をもつ物質と水分とによるマイクロ波の電力損失(吸収)とLC発振と考えられる共振器の電気容量(C)の変化による周波数シフトが起こる。物質と水分とによるマイクロ波の電力損失は、一般に数式3によって表される。
(数3)
W=ωAdwE2ε0εwtanδw+ωAdpE2ε0εptanδp
つまり、共振器内では空気とは異なった誘電率をもつ物質と水分とによるマイクロ波の電力損失(吸収)とLC発振と考えられる共振器の電気容量(C)の変化による周波数シフトが起こる。物質と水分とによるマイクロ波の電力損失は、一般に数式3によって表される。
(数3)
W=ωAdwE2ε0εwtanδw+ωAdpE2ε0εptanδp
数式3は、εw''dw+εp''dpに比例する。ここで、ω(=2πf)はマイクロ波角周波数で、tanδp=εp''/εp'とtanδw=εw''/εw'で、Eはその電場振幅で、Aは試料面積である。これは、数式2に対応する。なぜなら、マイクロ波検出のための検波器はその出力電圧が検出すべきマイクロ波入力電力にほぼ比例するからである。また、周波数シフトΔfはLC発振と考えられる共振器の電気容量(C)の変化ΔCによるもので、数式4によって与えられる。
(数4)
Δf=f−f1{1/2π(LC)1/2}−[1/2π{L(C+ΔC)}1/2]=fΔC/2C
この電気容量の変化量ΔCは共振器の構造によってdp、dwとの関係が異なるが、第一次近似では、数式5と考えられる。
(数5)
Δf〜(εp−1)dp+(εw−1)dw
(数4)
Δf=f−f1{1/2π(LC)1/2}−[1/2π{L(C+ΔC)}1/2]=fΔC/2C
この電気容量の変化量ΔCは共振器の構造によってdp、dwとの関係が異なるが、第一次近似では、数式5と考えられる。
(数5)
Δf〜(εp−1)dp+(εw−1)dw
数式5は数式1に対応する。なぜなら、マイクロ波共振器は電圧制御により同調するので、マイクロ波周波数はほぼチューニング電圧に比例するからである。
数式1、数式2で実測と一致させるのに不十分なときは、Lorentz-Lorentzの式から予想できるように、また、検波器はその出力電圧が検出すべきマイクロ波入力電力に完全に比例しなかったり、マイクロ波発振器はマイクロ波周波数がチューニング電圧に完全に比例しなかったりするので、実測に一致させるには、数式6、数式7のように試料の秤量と含水量との積の項(クロス項)が必要である。数式6、数式7はdpやdwに対して解析的に解ける。
(数6)
Vt=adp+bdw+cdpdw
(数7)
V0=edw+fdp+gdpdw
Vt=adp+bdw+cdpdw
(数7)
V0=edw+fdp+gdpdw
水分パーセントmp=100dw/(dp+dw)(%)を変化させたときの直線の傾きは、各秤量に対して一定ではなく秤量の変化とともに傾斜も変化している。
数式6、数式7はdpやdwに対して、数式8、数式9のように解析的に解ける。
(数8)
m=(gVt+fb−cV0−ae)/2(ag−fc)
(数9)
n=(bV0−eVt)/(ag−fc)
したがって、数式10、数式11となる。
(数10)
dp=m−(m2−n)1/2
(数11)
dw=(V0−fdp)/(e+gdp)
つまり、共振ピーク電圧の減衰量V0と共振周波数のシフト量Vtを測定すれば、予め実測しておいた定数a、b、c、e、f、gから、一意的に試料の秤量と含水量とが求められる。このようにして求めた含水量の計測値は測定対象土壌中のホウ素による影響を受けていない。
(数8)
m=(gVt+fb−cV0−ae)/2(ag−fc)
(数9)
n=(bV0−eVt)/(ag−fc)
したがって、数式10、数式11となる。
(数10)
dp=m−(m2−n)1/2
(数11)
dw=(V0−fdp)/(e+gdp)
つまり、共振ピーク電圧の減衰量V0と共振周波数のシフト量Vtを測定すれば、予め実測しておいた定数a、b、c、e、f、gから、一意的に試料の秤量と含水量とが求められる。このようにして求めた含水量の計測値は測定対象土壌中のホウ素による影響を受けていない。
一方、中性子計測工程では、測定対象土壌中の熱中性子数を測定する。熱中性子の数は、測定対象土壌中の含水量とホウ素濃度を反映したものとなる。つまり、中性子線源(例えば252Cf)から放出された速中性子(数MeV)は、周辺媒体を構成する原子核に衝突し、その結果、中性子はあらゆる方向にランダムに散乱される。衝突ごとに中性子は運動エネルギーの一部を失って減速し、その減速は中性子の運動エネルギーが散乱物質中の原子の平均運動エネルギー(0.025eV)に達するまで続けられる。この平均運動エネルギーに達した中性子が熱中性子と呼ばれる。そして、速中性子から熱中性子を作り出す能力、換言すると減速能は表1に示すように水素が他の原子より遥かに大きい。よって、速中性子から熱中性子に変換される単位時間あたりの数は、周辺媒体中の主に水素原子の密度によって支配される。
また、周辺媒体中にホウ素原子が存在すると、発生した熱中性子の一部がホウ素原子に吸収されてしまう。その一方で、表1に示すようにホウ素原子の熱中性子の吸収断面積は他の原子に比べて桁違いに大きいことから、ホウ素以外の原子が媒体中に存在しても熱中性子が吸収されてしまうことは殆どない。
このため、測定対象土壌中に速中性子を放出し、熱中性子検出器によって熱中性子の数をカウントすることで、熱中性子検出器による実測値として測定対象土壌中の含水量とホウ素濃度を反映した値を得ることができる。
含水量測定工程で求めた含水量は測定対象土壌中のホウ素による影響を受けていないことから、この計測値に基づいて、測定対象土壌にホウ素が含まれていないと仮定した場合における熱中性子検出器の計数値を推定することができる。この推定値と中性子計測工程での実測値との差は測定対象土壌中のホウ素濃度を反映した値である。したがって、ホウ素濃度算出工程では、この推定値と中性子計測工程での実測値とに基づいて測定対象土壌中のホウ素濃度を算出する。
含水量測定工程と中性子計測工程ではリアルタイムの測定が可能である。このため、測定対象土壌中のホウ素濃度をリアルタイムで計測することができる。
また、請求項2記載のホウ素濃度の計測方法は、測定対象土壌中の含水量を求める計測器と中性子線源と熱中性子検出器とをケーシング内に収容すると共に、測定対象土壌にボーリング孔を設けて当該ボーリング孔内にケーシングを挿入し、駆動手段によってボーリング孔内でケーシングを移動させて測定対象土壌の深さ方向のホウ素濃度分布を計測するものである。
測定対象土壌中の含水量を求める計測器と中性子線源と熱中性子検出器とをケーシング内に収容することで、これらを一体化してプローブとすることができる。駆動手段によってケーシングをボーリング孔内で移動させることで、測定を行う深さを変えることができる。
また、請求項3記載のホウ素濃度の計測方法は、測定対象土壌中の含水量を求める計測器と中性子線源と熱中性子検出器とをケーシング内に収容すると共に、測定対象土壌にボーリング孔を設けて当該ボーリング孔内にケーシングを挿入し、ケーシングの外周面に設けた膨張手段を膨張させて測定対象土壌中の含水量を求める計測器のマイクロ波漏洩口を測定対象土壌に押し付けながら計測を行うものである。
測定対象土壌中の含水量を求める計測器と中性子線源と熱中性子検出器とをケーシング内に収容することで、これらを一体化してプローブとすることができる。ボーリング孔内にケーシングを降ろして測定位置まで移動させた後、膨張手段を膨張させると、測定対象土壌中の含水量を求める計測器のマイクロ波漏洩口が測定対象土壌即ちボーリング孔の壁面に押し付けられるので、マイクロ波漏洩口と土壌との間の隙間の発生を抑えることができる。
さらに、請求項4記載のホウ素濃度の計測装置は、測定対象土壌に対して空洞共振器内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求めて測定対象土壌中の含水量を測定する空洞共振器水分計と、測定対象土壌に対して速中性子を放出する中性子線源と、速中性子が測定対象土壌中で変換されて成る熱中性子の数を計測する熱中性子検出器と、空洞共振器水分計によって求めた含水量に基づいて測定対象土壌にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器によって計測されるであろう熱中性子の数を推定し、この推定値と熱中性子検出器による実測値とに基づいて測定対象土壌に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出手段とを備えるものである。したがって、請求項1記載のホウ素濃度の計測方法の実施に適した装置が提供される。
また、請求項5記載のホウ素濃度の計測装置は、測定対象土壌にボーリング孔を設ける一方、空洞共振器水分計と中性子線源と熱中性子検出器とを収容し、ボーリング孔内に挿入可能なケーシングと、ボーリング孔内でケーシングを移動させる駆動手段とを備えるものである。したがって、請求項2記載のホウ素濃度の計測方法の実施に適した装置が提供される。
また、請求項6記載のホウ素濃度の計測装置は、測定対象土壌にボーリング孔を設ける一方、空洞共振器水分計と中性子線源と熱中性子検出器とを収容し、ボーリング孔内に挿入可能なケーシングと、ケーシングの外周面に設けられてボーリング孔内で膨張し、膨張時にはマイクロ共振器のマイクロ波漏洩口を測定対象土壌側に押し付ける膨張手段とを備えるものである。したがって、請求項3記載のホウ素濃度の計測方法の実施に適した装置が提供される。
しかして、請求項1記載のホウ素濃度の計測方法では、上述のようにしてホウ素濃度を計測するので、水と空気を含む土壌中のホウ素濃度を正確に計測することができる。また、含水量測定工程ではリアルタイムで含水量を測定でき、中性子計測工程ではリアルタイムで熱中性子の数を計測できるので、測定対象土壌中のホウ素濃度をリアルタイムで計測することができる。また、リアルタイムで計測できることから、ホウ素の変動状況を求めることもできる。
また、請求項2記載のホウ素濃度の計測方法では、測定対象土壌中の含水量を求める計測器と中性子線源と熱中性子検出器とを一体化してプローブとし、駆動手段によってボーリング孔内で移動させることで測定を行う深さを変えることができる。このため、測定対象土壌の深さ方向のホウ素濃度分布を計測することができる。また、測定対象土壌にボーリング孔を設けてその中にプローブを挿入して計測を行うようにしているので、土壌試料を測定用容器に詰め替えて計測を行う場合のように測定対象土壌を破壊することがなく、測定対象土壌を非破壊で計測することができる。
さらに、請求項3記載のホウ素濃度の計測方法では、測定対象土壌中の含水量を求める計測器と中性子線源と熱中性子検出器とをケーシング内に収容すると共に、測定対象土壌にボーリング孔を設けて当該ボーリング孔内にケーシングを挿入し、ケーシングの外周面に設けた膨張手段を膨張させて測定対象土壌中の含水量を求める計測器のマイクロ波漏洩口を測定対象土壌に押し付けながら計測を行うようにしているので、マイクロ波漏洩口と土壌との間に隙間が発生するのを抑えることができる。このため、測定対象土壌中の含水量をより正確に測定することができ、したがって、測定対象土壌中のホウ素濃度をより正確に求めることができる。また、測定対象土壌にボーリング孔を設けてその中にプローブを挿入して計測を行うようにしているので、土壌試料を測定用容器に詰め替えて計測を行う場合のように測定対象土壌を破壊することがなく、測定対象土壌を非破壊で計測することができる。
また、請求項4記載のホウ素濃度の計測装置では、請求項1記載のホウ素濃度の計測方法の実施に適した装置を提供することができる。
また、請求項5記載のホウ素濃度の計測装置では、請求項2記載のホウ素濃度の計測方法の実施に適した装置を提供することができる。
さらに、請求項6記載のホウ素濃度の計測装置では、請求項3記載のホウ素濃度の計測方法の実施に適した装置を提供することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に本発明のホウ素濃度の計測装置の実施形態の一例を示す。このホウ素濃度の計測装置1は、測定対象土壌2に対して空洞共振器9内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求めて測定対象土壌2中の含水量を測定する空洞共振器水分計10と、測定対象土壌2に対して速中性子3を放出する中性子線源4と、速中性子3が測定対象土壌2中で変換されて成る熱中性子5の数(例えば単位時間あたりの数:計数率)を計測する熱中性子検出器6と、空洞共振器水分計10によって求めた含水量に基づいて測定対象土壌2にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器6によって計測されるであろう熱中性子の数(例えば計数率)を推定し、この推定値と熱中性子検出器6による実測値とに基づいて測定対象土壌2に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出手段7とを備えている。このため、空洞共振器水分計10によって測定対象土壌2中の含水量を計測すると共に、中性子線源4から速中性子3を放出し、その速中性子3が変換されて成る熱中性子5の数を熱中性子検出器6により計測することによりホウ素濃度を測定できるので、測定対象土壌2の採取及び前処理やICP発光分析器による煩雑な検査を不要にして検査の迅速化を図ることができる。また、測定対象土壌2の採取や前処理が不要であると共に熱中性子検出器6を用いた迅速な検査を行うことができるので、測定対象土壌2中の濃度変化の連続監視を実現することができる。
中性子線源4および熱中性子検出器6としては、中性子水分計12(ソイルアンドロック社製)を使用している。この中性子水分計12では、中性子線源4として252Cf(半減期2.64年)を使用すると共に、熱中性子検出器6としてHe−3計数管を使用している。熱中性子検出器6は電源装置11に接続されている。また、熱中性子検出器6の計数データは記録信号出力器13を介してホウ素濃度算出手段7に供給される。
空洞共振器水分計10は、空洞共振器9、信号発生器14、電圧同調マイクロ波発信器15、アイソレータ16、検波器17、波形ピーク保持器18を備えている。空洞共振器水分計10は、円筒形の空洞共振器9の電磁波のエネルギーがケーシング8に設けられたスリット形状のマイクロ波漏洩口8aから漏洩して測定対象土壌2により吸収されることで、共振マイクロ波の共振曲線が変化する性質を利用して測定対象土壌2中の含水量を計測する。共振曲線の変化は、マイクロ波漏洩口8aとボーリング孔19の周壁との接触状態に影響されるために、計測時にはマイクロ波漏洩口8aをボーリング孔19の周壁に常に密着させる必要がある。このため、空洞共振器水分計10を収容するケーシング8の外周面のマイクロ波漏洩口8aとは反対側(裏側)の位置にはパッカー装置(膨張手段)20が設けられており、計測時にパッカー装置20にエアーポンプ21で空気を注入し、マイクロ波漏洩口8aをボーリング孔19の周壁に密着させている。なお、ケーシング8の移動時にはパッカー装置20を収縮させておき、ケーシング8の移動を可能にすると共にスムーズなものにしている。空洞共振器水分計10の計測データは記録信号出力器13を介してホウ素濃度算出手段7に供給される。
ケーシング8内に空洞共振器水分計10と中性子線源4と熱中性子検出器6を収容することで、プローブが形成されている。ケーシング8の外径はボーリング孔19の直径よりも若干小さくなっており、ボーリング孔19内においてケーシング8即ちプローブの移動をスムーズなものにしている。
信号発生器14は電源装置11に接続されており、信号発生器14により発生される周期的電圧信号がマイクロ波発信器15に送られ、対応したマイクロ波が空洞共振器9内で発振される。同時に、空洞共振器9に接続された検波器17により、内部の透過電力の強度が測定され、透過電力ピーク強度が計測される。このときの透過電力のピーク値(共振ピーク電圧値)は、図3に示すように、測定対象土壌2によるエネルギー損失の大きさにより変化し、測定対象土壌2の含水量が大きく誘電率の大きい状態ではピーク値がより大きく低減する性質を有している。
図4に、共振ピーク電圧の減少率と体積当たりの含水量との関係を示す。共振ピーク電圧の減少率と含水量との間には一定の関係があるので、共振ピーク電圧の減少率に基づいて測定対象土壌2の含水量を求めることができる。そして、含水量と水素原子数との間には一定の関係があり、速中性子3から熱中性子5に減速される数は水素原子数に影響を受けるので、求めた含水量に対応する熱中性子検出器6の計数値を推定することができる。本実施形態では、熱中性子検出器6の計数値を計数比として、即ち基準体計数率(スタンダード試料の計数率)と熱中性子検出器6の単位時間あたりの計数値(計数率)との比(計数率÷基準体計数率)として推定している。
ここで推定した計数比は、測定対象土壌2中にホウ素が含まれていない時の熱中性子検出器6の計数比に相当する。したがって、実際に計測した熱中性子検出器6の計数値に基づく計数比と比較することにより、測定対象土壌2中のホウ素濃度を導出することができる。つまり、計数比は一般にホウ素の存在により低下することから、計数比の含水量特性曲線(図5)は、計数比の低い方向に遷移する。ホウ素は他の元素に比べて熱中性子吸収断面積が圧倒的に大きいので、計数比の含水量特性曲線の遷移量(計数比の減少量)は測定対象土壌2中のホウ素原子によるものであると考えることができる。したがって、含水量特性曲線の遷移量(図5の矢印)に基づいて測定対象土壌2中のホウ素濃度を求めることができる。
実際には、例えば測定対象土壌2の試料を用いてあらかじめ、熱中性子の計数比と測定対象土壌2中の含水量、ホウ素濃度の関係(図5に示すような含水量特性曲線)を把握してホウ素濃度算出手段7の記憶装置に記憶しておく。そして、ホウ素濃度算出手段7は、記憶した関係に、測定値を当てはめて測定対象土壌2中のホウ素濃度を求める。そして、求めたホウ素濃度を記録装置22に出力する。
ホウ素濃度算出手段7は記録信号出力器13に接続されており、記録信号出力器13を介して熱中性子検出器6と空洞共振器水分計10の検出データを受け取る。ホウ素濃度算出手段7は、実際には中央処理装置(CPU)と、空洞共振器水分計10や中性子線源4および熱中性子検出器6等をCPUに制御させるプログラムが記憶されたRAMやROMやハードディスク等の記憶装置と、空洞共振器水分計10や熱中性子検出器6からの信号を受信すると共に求めたホウ素の濃度を外部に送信する入出力装置とを備えるコンピュータから成るものとしている。
ホウ素濃度算出手段7は、空洞共振器水分計10の測定結果から、測定対象土壌2にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器6によって計測されるであろう熱中性子の数(本実施形態では計数比)を推定し、この推定値と熱中性子検出器6による実測値(本実施形態では計数比)との関係に照らし合わせてホウ素濃度を求めるようにする。
例えば、図5において、測定した測定対象土壌2にホウ素が含まれていない場合(ホウ素濃度0mg/L)の含水量特性曲線が実線で示され、測定対象土壌2中のホウ素濃度が100mg/Lの場合の含水量特性曲線が破線で示され、測定対象土壌2中のホウ素濃度が200mg/Lの場合の含水量特性曲線が一点鎖線で示されていたとする。いま、空洞共振器水分計10によって測定した含水量がX1、熱中性子の計数比がY1であるとすると、図5上の位置はP1点となる。一方、含水量がX1であるので、測定対象土壌2にホウ素が含まれていないと仮定した場合の熱中性子の計数比はY2であり、図5上の位置はP2点となる。このとき、測定対象土壌2中のホウ素によって熱中性子5が吸収され、図5上の位置がP2点からP1点に変化したと考えられるので、測定対象土壌2中のホウ素濃度はP2とP1の差(図5中の矢印)によって求められる。図5の例では、ホウ素濃度は約250mg/Lである。
ホウ素濃度を求める方式は、使用者が命令を出したときだけ求めるものとしたり、あるいは1〜3分間隔で自動的に計測するものにすることができる。
なお、ケーシング8は鋼またはアルミニウム等の金属製としている。このため、ケーシング8に水素元素が含まれないので、測定結果がケーシング8の影響を受けることを防止できる。これにより、測定対象土壌2以外の水素原子により熱中性子5が増加してしまうことを防いで測定結果を高精度に維持することができる。
本実施形態ではホウ素濃度算出手段7をコンピュータから成るものとしているが、これには限られず記録信号出力器13からの信号に所定の処理を行ってホウ素の濃度を求めるシーケンサ回路であっても良い。
本実施形態では、ボーリング孔19内でケーシング8を移動させる駆動手段23を備えている。駆動手段23は、例えばケーシング8に接続されたワイヤ24と、ワイヤ24を巻き取る巻き取り装置25より構成されている。巻き取り装置25は、地上のボーリング孔19の近傍に設置されており、例えば電動モータによってワイヤ24を巻き上げてケーシング8を上昇させたり、ワイヤ24を送り出してケーシング8を下降させたりすることができる。また、巻き取り装置25は、ワイヤ24の送り出しに対してブレーキを掛け、ケーシング8を任意の位置に停止させることもできる。
上述した計測装置1を利用して測定対象物2のホウ素濃度を計測する手順を以下に説明する。
測定対象土壌2にボーリング孔19を形成する。そして、駆動手段23を設置し、プローブをワイヤ24によって吊り下げながらボーリング孔19内に挿入する。
そして、含水量測定工程を行い、空洞共振器水分計10を使用して測定対象土壌2中の含水量を求める(図6のステップS41)。即ち、測定対象土壌2に対して空洞共振器9内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求め、この減衰量に基づいて測定対象土壌2中の含水量を求める。このとき、パッカー装置20を膨張させてマイクロ波漏洩口8aをボーリング孔19の周壁に押し付けながら、即ち、測定対象土壌2中の含水量を求める計測器(空洞共振器水分計10)のマイクロ波漏洩口8aを測定対象土壌2に押し付けながら測定を行う。
また、中性子計測工程を行い、測定対象土壌2に対して中性子線源4から速中性子3を放出し、この速中性子3が測定対象土壌2中で減速されて成る熱中性子5の数を熱中性子検出器6により実測する(ステップS42)。本実施形態では、熱中性子5の数を計数比のかたちで算出する。なお、実際には、含水量測定工程と中性子計測工程とを同時に行い、測定対象土壌2中の含水量を測定しながら熱中性子5の数を実測する。
次に、ホウ素濃度算出工程を行い、含水量測定工程で求めた含水量に基づいて測定対象土壌2にホウ素が含まれていないと仮定した場合に熱中性子検出器6によって計測されるであろう熱中性子5の数(計数比)を推定し(ステップS43)、この推定値と熱中性子検出器6による実測値(計数比)とに基づいて測定対象土壌2に含有されるホウ素の濃度を求める(ステップS44)。
そして、深さを変えてホウ素濃度の測定を繰り返し行う場合にはステップS45からS46に進み、駆動手段23を使用してプローブの高さを変える。その後、ステップS41に戻り、上述の計測を繰り返す。このように、高さを変えてホウ素濃度の測定を繰り返し行うことで、深さ方向のホウ素濃度の分布を求めることができる。
一方、目的の深さ範囲の測定が全て終わると、ステップS45の判別結果が肯定(イエス)となり、測定を終了する。
本発明によれば、マイクロ波の共振ピーク電圧の減少率により求められた測定対象土壌2中の含水量と、中性子の計数比を用いることにより、従来測定が不可能であった水と空気を含む土層中のホウ素濃度の深度方向分布を、迅速に計測することができる。また、検水の試料からの分離過程、ICP発光分析器による煩雑な検査を不要にして、検査の迅速化かつ簡便化を図ることが出来る。また、本装置は試料を乱すことなく、何度も繰り返し測定可能であるため、測定対象物の濃度変化を連続監視に用いることができ、分析費の低減および省力化を図ることができるのでモニタリングコストの削減にも寄与する。
本実施形態の計測装置1によれば、市販の中性子水分計12と空洞共振器水分計10にコンピュータをから成るホウ素濃度算出手段7を接続して形成されているので、汎用品の利用により計測装置1を容易かつ安価に実現することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述の説明では、駆動手段23を設けてプローブの高さを変えながら測定を行い、深さ方向のホウ素濃度分布を求めていたが、場合によっては駆動手段23を省略しても良い。
また、上述の説明では、パッカー装置(膨張手段)20を設けていたが、場合によってはパッカー装置20を省略しても良い。
また、上述の説明では、中性子線源4および熱中性子検出器6として中性子水分計12を使用しているが、これには限られず中性子線源4としては単体の252Cfを使用すると共に熱中性子検出器6としては熱中性子5の数を測定できる放射線計測器を使用するようにしても良い。
測定対象土壌2としての砂層(試料)の中にボーリング孔19を模した円管を設置し、その中にプローブを挿入して計測を行った。プローブ(ケーシング8)の外径を47mm、ボーリング孔19を模した円管の内径を50mmとした。空洞共振器9内には約1GHz付近の周波数のマイクロ波を発振した。
図3に砂層中の水分によるマイクロ波の共振ピークの変化の様子を示す。図3では、プローブをボーリング孔に挿入する前(曲線A)と後(曲線B)の様子を示している。プローブをボーリング孔に挿入すると、砂層中の水分によってマイクロ波の共振ピーク値がaからbに低下した。また、図4は、砂層の含水量と共振ピーク電圧の減少率((a−b)÷a×100%)との関係を示したものである。砂層の含水量が多くなるにつれて共振ピーク電圧の減少率が上昇した。この図4からも明らかなように、共振ピーク電圧の減少率に基づいて砂層の体積あたりの含水量を求めることができることがわかった。
一方、図5は、熱中性子検出器6による熱中性子5の計数比の測定結果と砂層の含水量の関係を示している。砂層の液相中にホウ素が加わると、両者の関係は図中破線、一点鎖線のように計数比が低い曲線へ移行した。
これにより、ホウ素濃度の測定を開始する前に、図5のように、熱中性子5の計数比と測定対象土壌2の含水量とホウ素濃度の関係特性について、あらかじめ校正曲線データを求めておき、ホウ素濃度算出手段7に記憶させておくことで、共振ピーク電圧の減少率から得られる測定対象土壌2の含水量と、ホウ素を含む測定対象土壌2の熱中性子の計数比の測定結果から、測定対象土壌2中のホウ素の濃度を定量することが可能であることがわかった。
1 ホウ素濃度の計測装置
2 測定対象土壌
3 速中性子
4 中性子線源
5 熱中性子
6 熱中性子検出器
7 ホウ素濃度算出手段
8 ケーシング
8a マイクロ波漏洩口
9 空洞共振器
10空洞共振器水分計(測定対象土壌中の含水量を求める計測器)
19 ボーリング孔
20 膨張手段
23 駆動手段
S41 含水量測定工程
S42 中性子計測工程
S43,S44 ホウ素濃度算出工程
2 測定対象土壌
3 速中性子
4 中性子線源
5 熱中性子
6 熱中性子検出器
7 ホウ素濃度算出手段
8 ケーシング
8a マイクロ波漏洩口
9 空洞共振器
10空洞共振器水分計(測定対象土壌中の含水量を求める計測器)
19 ボーリング孔
20 膨張手段
23 駆動手段
S41 含水量測定工程
S42 中性子計測工程
S43,S44 ホウ素濃度算出工程
Claims (6)
- 測定対象土壌に対して空洞共振器内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求め、この減衰量に基づいて前記測定対象土壌中の含水量を求める含水量測定工程と、前記測定対象土壌に対して中性子線源から速中性子を放出し、この速中性子が前記測定対象土壌中で変換されて成る熱中性子の数を熱中性子検出器により実際に計測する中性子計測工程と、前記含水量測定工程で求めた含水量に基づいて前記測定対象土壌にホウ素が含まれていないと仮定した場合に前記熱中性子検出器によって計測されるであろう熱中性子の数を推定し、この推定値と前記熱中性子検出器による実測値とに基づいて前記測定対象土壌に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出工程とを備えることを特徴とするホウ素濃度の計測方法。
- 前記測定対象土壌中の含水量を求める計測器と前記中性子線源と前記熱中性子検出器とをケーシング内に収容すると共に、前記測定対象土壌にボーリング孔を設けて当該ボーリング孔内に前記ケーシングを挿入し、駆動手段によって前記ボーリング孔内で前記ケーシングを移動させて前記測定対象土壌の深さ方向のホウ素濃度分布を計測することを特徴とする請求項1記載のホウ素濃度の計測方法。
- 前記測定対象土壌中の含水量を求める計測器と前記中性子線源と前記熱中性子検出器とをケーシング内に収容すると共に、前記測定対象土壌にボーリング孔を設けて当該ボーリング孔内に前記ケーシングを挿入し、前記ケーシングの外周面に設けた膨張手段を膨張させて前記測定対象土壌中の含水量を求める計測器のマイクロ波漏洩口を前記測定対象土壌に押し付けながら計測を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のホウ素濃度の計測方法。
- 測定対象土壌に対して空洞共振器内のマイクロ波を漏洩させて共振マイクロ波の減衰量を求めて前記測定対象土壌中の含水量を測定する空洞共振器水分計と、前記測定対象土壌に対して速中性子を放出する中性子線源と、前記速中性子が前記測定対象土壌中で変換されて成る熱中性子の数を計測する熱中性子検出器と、前記空洞共振器水分計によって求めた含水量に基づいて前記測定対象土壌にホウ素が含まれていないと仮定した場合に前記熱中性子検出器によって計測されるであろう熱中性子の数を推定し、この推定値と前記熱中性子検出器による実測値とに基づいて前記測定対象土壌に含有されるホウ素の濃度を求めるホウ素濃度算出手段とを備えることを特徴とするホウ素濃度の計測装置。
- 前記測定対象土壌にボーリング孔を設ける一方、前記空洞共振器水分計と前記中性子線源と前記熱中性子検出器とを収容し、前記ボーリング孔内に挿入可能なケーシングと、前記ボーリング孔内で前記ケーシングを移動させる駆動手段とを備えることを特徴とする請求項4記載のホウ素濃度の計測装置。
- 前記測定対象土壌にボーリング孔を設ける一方、前記空洞共振器水分計と前記中性子線源と前記熱中性子検出器とを収容し、前記ボーリング孔内に挿入可能なケーシングと、前記ケーシングの外周面に設けられて前記ボーリング孔内で膨張し、膨張時には前記マイクロ共振器のマイクロ波漏洩口を前記測定対象土壌に押し付ける膨張手段とを備えることを特徴とする請求項4又は5記載のホウ素濃度の計測装置。
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