JP2005225130A - フィルム転写方式による表面加工方法及び表面加工装置 - Google Patents

フィルム転写方式による表面加工方法及び表面加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 仕上げ外観品質の向上を実現し、加工速度の高速化を図ることができるフィルム転写方式による表面加工方法及び表面加工装置を提供する。
【解決手段】 本発明のフィルム転写方式による表面加工方法は、印刷物Aの表面の微小な凸部を、加熱ロール2とそれと接触するか或いは接触しない圧ロール3の組み合わせからなる対ロール間に通過させて圧縮した後、グリッパー付きのチェーンコンベア4からなる搬送装置により搬送し、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかによる塗布装置5により塗料の塗布を行うか、或いは、加熱ロール2とそれと接触するか或いは接触しない倍胴圧ロール6の組み合わせからなる対ロール間に通過させて圧縮した後、前記倍胴圧ロール6と、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかの塗布ロール7の組み合わせからなる塗布装置にて塗料の塗布を行い、さらにフィルム転写を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、仕上げ外観品質の向上を実現し、加工速度の高速化を図ることができるフィルム転写方式による表面加工方法及び表面加工装置に関する。
一般廃棄物や産業廃棄物による環境汚染の問題は益々厳しい状況であり、早急な対応を迫られている。特に印刷物については、再生リサイクル、埋立処分、焼却処分等での環境汚染を防止することが製品化並びに使用に当たっての必須条件である。
一方、実用的な性能(表面の意匠性、耐摩耗性、耐ブロッキング性、耐光性等)に優れていることを求め、また機能性(抗菌性、撥水性、導電性、帯電防止性等)を追求するために表面加工を施す場合が多い。したがって、表面加工を施したために、上記のリサイクル性や埋立処分や焼却処分時に環境汚染等の不具合が発生しないことが求められている。特にその加工方法としては、地球資源問題や地球温暖化、炭酸ガスの問題から、省エネルギー、省資源、効率化、高速化の視点が重要である。
表面加工では、フィルムをラミネートすることが代表的であり、耐久性の大幅な向上になることから、資源の節約にはなるが、リサイクルや埋立処分で処理が不可能である問題が発生しており、その解決が望まれている。
一方、表面のコーティングによる表面加工は、そのリサイクル性への適正から、特に印刷物の古紙再生では、処理が可能であり、良好である。しかし、加工技術によっては品質面での仕上がりが不十分で、高速化ができずに省エネルギーにならないものもある。
また、印刷物に塗料をコーティングした後、艶光沢、艶消し、エンボス、ホログラム模様などのフィルムを積層した状態で硬化させ、フィルムを剥離することにより、鏡面加工を施したり、フィルムの凹凸を転写させる表面加工方法が知られている。
前記フィルム転写による表面加工方法では、前述のフィルムのラミネート加工に比較して、省資源、省エネルギーになり、今後益々発展すると見込まれるが、加工品質仕上がり、加工速度が未だ不十分である。
その表面加工では、ノンソルベントの紫外線硬化型塗料を用いたものが、溶剤を使用していないことから、より環境に優しく資源節約に役立つことから注目を浴びており、加工量の伸びを示している。
また、空気中の塵埃や紙粉、ストンパー等の粉末粒子が被塗工物の表面に自然沈降や静電気等により付着している場合、フィルム転写の仕上がり外観不良を生じるため、前記フィルム転写による表面加工に先だって、各種の粉末除去技術によって粉末除去が行われており、さらなる仕上がり外観の向上を目的として、熱プレスロール及びプレス圧胴からなるロールプレス機を使用し、オフラインで熱プレス処理を実施している。また、熱プレスを行うプレス圧胴と塗料を塗布するコーティング圧胴との間に中間胴を設けた装置も提案されている(特許文献1など)。
しかし、特許文献1の装置では、装置のコンパクト化は図れるが、熱プレス処理後の印刷物が中間胴表面の汚れを付着させたり、傷を発生してしまうという問題があった。
特開2003−341019公報
そこで、本発明は、従来技術より一層の品質向上は勿論のこと、使用材料の環境配慮、塗料使用量の低減化、加工速度のアップ、仕上げ外観品質の向上を実現し、加工速度の高速化を図り、更にフィルムの繰り返し使用により、省資源、省エネルギーに配慮したフィルム転写方式による表面加工方法及び表面加工装置を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、印刷物の表面の微小な凸部を、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない圧ロールの組み合わせからなる対ロール間に通過させて圧縮した後、グリッパー付きのチェーンコンベアからなる搬送装置により搬送し、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターにより塗料の塗布を行い、さらにフィルム転写を行うことを特徴とするフィルム転写方式による表面加工方法(以下、コンベア方式の表面加工方法という)に関するものである。
また、上記コンベア方式の表面加工方法を実施する表面加工装置として、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない圧ロールの組み合わせからなる対ロールを配設し、グリッパー付きのチェーンコンベアからなる搬送装置の前端を前記対ロールに近接させて配設し、該搬送装置の後端に、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかによる塗料の塗布装置を配設し、さらにその後方にフィルム転写装置を配設してなることを特徴とするフィルム転写方式による表面加工装置(以下、コンベア方式の表面加工装置という)をも提案する。
また、本発明は、印刷物の表面の微小な凸部を、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない倍胴圧ロールの組み合わせからなる対ロール間に通過させて圧縮した後、この圧縮した印刷物を、前記倍胴圧ロールに支持させた状態で、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかにより塗料の塗布を行い、さらにフィルム転写を行うことを特徴とするフィルム転写方式による表面加工方法(以下、倍胴方式の表面加工方法という)をも提案する。
また、上記倍胴方式の表面加工方法を実施する表面加工装置として、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない倍胴圧ロールの組み合わせからなる対ロールを配設し、前記倍胴圧ロールの後方にロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかの塗布ロールを近接状に配設することにより、塗布ロールと前記倍胴圧ロールの組み合わせからなる塗料の塗布装置を構成させ、さらにその後方にフィルム転写装置を配設してなることを特徴とするフィルム転写方式による表面加工装置(以下、倍胴方式の表面加工装置という)をも提案する。
また、上記表面加工方法及び装置において、加熱ロールと圧ロールの手前で回転ブラシを逆回転させながら接触させ、印刷物表面の微小粉末を減圧吸引除去する接触タイプの減圧吸引装置を配設することが望ましい。
本発明のコンベア方式の表面加工方法及び装置では、各種の印刷物に適用でき、その表面に艶光沢、艶消し、エンボス、ホログラム模様等の表面加工を施すに際し、仕上げ外観品質の向上を実現し、加工速度の高速化を図ることができる。また、加工された製品は、外観品質に優れ、リサイクル性に優れ、優れた意匠性を持ち、実用的な機能を持ったものとなり、商品価値の向上が図れ、加工速度を向上させたところから、省資源、省エネルギーにも貢献できるものである。
また、本発明の倍胴方式の表面加工方法及び装置では、ロールプレス機で熱プレス処理した印刷物を、その倍胴圧ロールに支持させた状態で連続的に塗装するので、前記コンベア方式よりも更なる加工速度の高速化が図れるものであって、しかも装置をコンパクト化することができる。
特に加熱ロールと圧ロールの手前で回転ブラシを逆回転させながら接触させ、印刷物表面の微小粉末を減圧吸引除去する接触タイプの減圧吸引装置を配設した場合、空気中の塵埃や紙粉、ストンパー等の粉末粒子などを効果的に排除することができ、印刷物上の凸部を減少化することにより、仕上がり外観を向上することができる。
ロールコーター、フレキソコーター、グラビアコーターを用いた紫外線硬化型の塗料転移を行い、ポリプロピレンやポリエステル等のフィルム面を塗料が塗布された印刷物に圧接して加圧転写する前に、粉末除去装置と、加熱ロールを用いたプレス加工を行った後、コンベア方式又は倍胴方式にて印刷物を塗料の塗布工程へ移動させることで、仕上がり外観品質の大幅な向上と汚れや異物、傷がない製品を実現できる。
本発明に用いられる印刷物は、基材(種類、厚み)も印刷(インキ、手法)に関して何等限定するものではない。例えば枚葉印刷物でも、連続体でも良い。例えば一般油性オフセット印刷した後に、ブロッキング防止の目的でストンパーを散布した印刷物でもよいため、多種の印刷物を本発明の表面加工方法に適用することができる。
上記印刷物は、ローループレス機で圧縮する前に、回転ブラシを印刷物の走行方向に対して逆回転させながら接触させ、印刷物表面の微小粉末を減圧吸引除去する接触タイプの減圧吸引装置にて処理することが望ましい。この減圧吸引装置により、印刷物表面の遊離(除去)可能なパウダーや、空気中の塵埃、或いは紙粉などの異物が除去される。
印刷物の走行方向に対して逆回転させる回転ブラシは0.1〜0.25mmの線径をもつナイロンフィラメントの集合体を使用し、500〜2500回転/分の速度で回転させることが望ましい。回転速度が遅すぎると異物粒子を印刷物の表面から剥離させる作用が低く、逆に速すぎると印刷物の表面をキズ付け易くなる。また、この回転ブラシの直前及び直後を覆うように1〜8KPa程度の減圧度で吸引する装置を配し、回転ブラシにて剥離した異物粒子を吸引除去する。
本発明に用いられるロールプレス機は、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない圧ロールの組み合わせからなる対ロールであり、その間を通過させることにより印刷物を圧縮する。
加熱ロールは、それと組み合わせる圧ロールの表面硬度以上の硬度並びに平滑な表面を持ち、常温から95℃、望ましくは50〜70℃の温度に加熱される。この加熱ロールとしては、表面がメッキ、バフ仕上げ等で平滑化された金属ロール、テフロン(R)加工等の表面加工を施した金属ロールなどが用いられ、例えばハードクロムメッキ仕上げ品などの金属メッキ光沢ロールを好適に用いることができる。この加熱ロールには、温度調整可能な加熱装置や加熱機構を具備させれば良く、例えば熱媒を循環する等の外付けの加熱装置により加熱されるものでも加熱機構を内蔵するものでも良い。
上記加熱ロールと組み合わせる圧ロールは、印刷物の裏面と接触するものであって、加熱ロールと接触するように配設する圧ロールとしては、ゴムロールが用いられ、具体的には硬質ゴムロール、特にゴム硬度が、即ちJISK6301によるスプリング式かたさ試験機A型での測定で80度以上であり、より好ましくは90度以上であり、例えば尿素樹脂系、NBR、ウレタン樹脂系などを好適に用いることができる。また、加熱ロールと接触しないように配設する圧ロールとしては、表面がメッキ、バフ仕上げ等で平滑化された金属ロール、テフロン(R)加工等の表面加工を施した金属ロールなどが用いられ、その配設間隔(クリアランス)をt0とし、被圧縮物である印刷物の厚みをt1としてt0<t1なる関係を持つように配設する。
このようなロールプレス機では、加圧を1〜50kg/cmの線圧の条件下で行うと、印刷物表面の異物が深く食い込んで定着している場合や印刷自体により生じた凸部に対しても凸部を平滑化することができ、印刷物の表面の凸部が平均粗さで1〜15μmの平滑に押し込まれた状態になり、その後のフィルム転写方式による表面加工において品質向上を図ることができる。特に艶光沢仕上げの場合に効果が大きい。
尚、倍胴方式の表面加工方法においては、上記圧ロールは略倍径を有する倍胴圧ロールを用いる。
コンベア方式の表面加工方法においては、前述の熱プレス処理後、圧縮した印刷物を、グリッパー付きのチェーンコンベアからなる搬送装置により搬送し、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターにより塗料の塗布を行う。
倍胴方式の表面加工方法においては、前述の熱プレス処理後、倍胴圧ロールと、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかの塗布ロールの組み合わせからなる塗料の塗布装置にて塗料の塗布を行う。即ち圧縮した印刷物を、前記倍胴圧ロールに支持させた状態で、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかにより塗料の塗布を行う。
塗料の塗布は印刷物の全面でもよいし部分的でもよく、前述のようにノンソルベントの紫外線硬化型塗料を用いると、溶剤を使用していないことから、より環境に優しく資源節約に役立つ。特にアクリル酸エステル系の樹脂原料、植物性樹脂原料で、イソシアネート硬化、エポキシ硬化タイプを含む紫外線硬化型塗料を用いることが望ましい。
その後のフィルム転写に関しては、使用する材料や方法に関して何等限定するものではない。
紫外線硬化型塗料を塗布した印刷物と貼り合わせる転写用フィルムは、表面に艶光沢、艶消し、エンボス、ホログラム模様などを有するものであれば特にその具体的構成を限定するものではない。尚、このような表面にエンボス、ホログラム模様を有するフィルムは、既に多種のものが市場に供されており、容易に且つ安価に入手可能でであり、それを用いるようにしても良い。
そして、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかにて紫外線硬化型塗料が塗布された印刷物に、転写用フィルムを貼り合わせながらUVランプにより紫外線照射が行われ、印刷物表面の紫外線硬化型塗膜に転写用フィルムの表面模様が転写される。
図1及び図2に本発明におけるフィルム転写方式による表面加工を実施するための装置の一例を模式的に示した。
図1はコンベア方式の表面加工装置の一例を示すものであり、その前端には、回転ブラシを印刷物Aの走行方向に対して逆回転させながら接触させ、印刷物表面の遊離(除去)可能なパウダーや、空気中の塵埃、或いは紙粉などを減圧吸引除去する接触タイプの減圧吸引装置1が設けられている。
この減圧吸引装置の後方には、加熱ロール2と接触するように配設されたグリッパー付きのゴムロール3とからなるロールプレス機が配設されている。この加熱ロール2としてはハードクロムメッキ仕上げ金属ロールが用いられ、圧ロール3としてはゴム硬度95度の硬質ゴムロールが用いられ、加熱温度は50〜95℃、圧力は1〜50kg/cmの線圧で調整可能である。このロールプレス機により、印刷物Aは加熱しながら加圧されて圧縮され、その表面の凸部が減少、平坦化する。
ロールプレス機の後方には、グリッパー付きのチェーンコンベア4からなる搬送装置が設けられている。そのため、印刷物Aは表面に傷などを形成することなく搬送される。
さらにその後方にはロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかの塗布装置5が設けられている。この塗布装置5により、印刷物Aには任意の位置に塗料の塗布が行われるが、全面塗布も可能である。後述する実施例では、紫外線硬化型塗料を用いた。
尚、その後のフィルム転写装置、紫外線照射装置などについては省略した。
図2は倍胴方式の表面加工装置の一例を示すものであり、その前端には前記と同様の接触タイプの減圧吸引装置1が設けられている。
この減圧吸引装置の後方には、加熱ロール2と接触しないように配設された倍胴圧ロール6とからなるロールプレス機が配設されている。尚、倍胴圧ロール6としては金属ロールが用いられ、加熱ロール2と倍胴圧ロール6との間隔(クリアランス)は印刷物Aの厚みよりも小さく設定されている。
ロールプレス機の加熱ロール2の後方には、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかの塗布ロール7が配設され、この塗布ロール7と前記倍胴圧ロール6との組み合わせにより塗料の塗布装置が構成されている。そのため、印刷物Aは表面に傷などを形成することなく塗料が塗布される。後述する実施例では、紫外線硬化型塗料を用いた。
その後方には、フィルム転写装置(転写用フィルム8)、及び紫外線照射装置(紫外線照射ランプ9)が配設されている。
〔実施例1〕
印刷物として、A2コート紙である四六全版132kgを用い、一般の油性プロセス4色インキで印刷したものを、前記図1のコンベア方式の表面加工装置にて表面加工した。
まず、上記印刷物を粉末除去装置に通し、80℃加熱ロールと圧ロールとの間を20kg/cmの圧力で通して圧縮した後、グリッパー付きのチェーンコンベアからなる搬送装置にて後方へ搬送し、紫外線硬化型塗料を、フレキソコーターで3.5g/m2塗布した。続いて図示しないフィルム転写装置、紫外線照射装置にて、艶光沢転写用の2軸延伸ポリプロピレンのフィルム(厚み40μm)を60m/分の加工速度で印刷物と圧接し、120W/cmの紫外線ランプ2灯の照射で加圧真空状態で硬化させ、硬化後にフィルムを剥離し、表面加工されたコーティング紙を得た。
得られたコーティング紙は、古紙再生のリサイクル性に適したもので、光沢度は60°グロス値で88あり、異物や汚れ、欠陥がなく、優れたものであった。また、用いたフィルムは繰り返し使用の可能なものであった。
〔実施例2〕
印刷物として、コートボール紙を用い、一般の油性プロセス4色インキで印刷したものを、前記図1のコンベア方式の表面加工装置にて表面加工した。そして加熱ロールの温度を70℃、圧力を10kg/cmとし、加工速度を65m/分とした以外は、前記実施例1と同様にして表面加工した。
得られたコーティングボール紙は、古紙再生のリサイクル性に適したもので、光沢度は60°グロス値で87あり、異物や汚れ、欠陥がなく、優れたものであった。
〔実施例3〕
印刷物として、A2コート紙である四六全版132kgを用い、一般の油性プロセス4色インキで印刷したものを、前記図2の倍胴方式の表面加工装置にて表面加工した。
まず、上記印刷物を粉末除去装置に通し、85℃加熱ロールと倍胴圧ロールとの間を20kg/cmの圧力で通して圧縮した後、印刷物を倍胴圧ロールに支持させたまま、紫外線硬化型塗料を、フレキソコーターで3.5g/m2塗布した。続いて図示しないフィルム転写装置、紫外線照射装置にて、艶光沢転写用の2軸延伸ポリプロピレンのフィルム(厚み40μm)を70m/分の加工速度で印刷物と圧接し、120W/cmの紫外線ランプ2灯の照射で加圧真空状態で硬化させ、硬化後にフィルムを剥離し、表面加工されたコーティング紙を得た。
得られたコーティング紙は、古紙再生のリサイクル性に適したもので、光沢度は60°グロス値で90あり、異物や汚れ、欠陥がなく、優れたものであった。
〔比較例1〕
印刷物として、A2コート紙である四六全版132kgを用い、一般の油性プロセス4色インキで印刷したものを、ロールプレス機による熱プレス処理を行わないで、加工速度50m/分とした以外は、前記実施例1と同様の条件で表面加工した。
得られたコーティング紙は、光沢度は60°グロス値で78にすぎず、異物があった。
〔比較例2〕
印刷物として、A2コート紙である四六全版132kgを用い、一般の油性プロセス4色インキで印刷したものを、特開2003−341019公報に示される中間胴を設けて表面加工装置にて表面加工した。そして加熱ロールの温度を80℃、圧力を20kg/cmとし、加工速度を40m/分とした以外は、前記実施例1と同様の条件で表面加工した。
得られたコーティング紙は、光沢度は60°グロス値で80にすぎず、汚れや傷があった。
前記実施例1〜3及び比較例1,2の表面加工における加工条件及び結果などを表1にまとめて示した。
Figure 2005225130
尚、前記実施例は、外観品質の差を見るため、艶光沢処理が得られるフィルム転写処理を行ったが、艶消し、エンボス、ホログラム模様などをフィルム転写した場合も同様であった。このように、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
各種の印刷物に適用でき、その表面に艶光沢、艶消し、エンボス、ホログラム模様等の表面加工を施すに際し、仕上げ外観品質の向上を実現し、加工速度の高速化を図ることができる。
実施例1,2で用いたフィルム転写方式による表面加工装置の一部を模式的に示す概略図である。 実施例3で用いたフィルム転写方式による表面加工装置の一部を模式的に示す概略図である。
符号の説明
A 印刷物
1 減圧吸引装置
2 加熱ロール
3 圧ロール
4 グリッパー付きのチェーンコンベア
5 塗布装置
6 倍胴圧ロール
7 塗布ロール

Claims (8)

  1. 印刷物の表面の微小な凸部を、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない圧ロールの組み合わせからなる対ロール間に通過させて圧縮した後、グリッパー付きのチェーンコンベアからなる搬送装置により搬送し、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかにより塗料の塗布を行い、さらにフィルム転写を行うことを特徴とするフィルム転写方式による表面加工方法。
  2. 印刷物の表面の微小な凸部を、加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない倍胴圧ロールの組み合わせからなる対ロール間に通過させて圧縮した後、この圧縮した印刷物を、前記倍胴圧ロールに支持させた状態で、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかにより塗料の塗布を行い、さらにフィルム転写を行うことを特徴とするフィルム転写方式による表面加工方法。
  3. 加熱ロールと接触しない圧ロールの関係をt0とし、被圧縮物である印刷物の厚みをt1として、t0<t1なる関係を持った装置を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム転写方式による表面加工方法。
  4. 塗料は、アクリル酸エステル系の樹脂原料、植物性樹脂原料で、イソシアネート硬化、エポキシ硬化タイプを含む紫外線硬化型塗料であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のフィルム転写方式による表面加工方法。
  5. 印刷物は、一般油性の酸化重合タイプのオフセット印刷が行われ、ブロッキング防止のためにストンパーを散布されたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のフィルム転写方式による表面加工方法。
  6. 加熱ロールと圧ロールの手前で回転ブラシを逆回転させながら接触させ、印刷物表面の微小粉末を減圧吸引除去することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のフィルム転写方式による表面加工方法。
  7. 加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない圧ロールの組み合わせからなる対ロールを配設し、グリッパー付きのチェーンコンベアからなる搬送装置の前端を前記対ロールに近接させて配設し、該搬送装置の後端に、ロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかによる塗料の塗布装置を配設し、さらにその後方にフィルム転写装置を配設してなることを特徴とするフィルム転写方式による表面加工装置。
  8. 加熱ロールとそれと接触するか或いは接触しない倍胴圧ロールの組み合わせからなる対ロールを配設し、前記倍胴圧ロールの後方にロータリーコーター、フレキソコーター、グラビアコーターの何れかの塗布ロールを近接状に配設することにより、塗布ロールと前記倍胴圧ロールの組み合わせからなる塗料の塗布装置を構成させ、さらにその後方にフィルム転写装置を配設してなることを特徴とするフィルム転写方式による表面加工装置。
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CN111483221B (zh) * 2020-05-18 2021-11-16 河北万杰机械科技股份有限公司 一种印刷品加工用预涂型覆膜机

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