JP2005224997A - インクジェット記録装置及びノズル目詰まり予防方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びノズル目詰まり予防方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録時の不吐出、吐出不良などの記録品位の低下を抑制し、記録品位を保つことができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 複数のインク室2と、複数のインク室2にインクを供給するために複数のインク室それぞれと連通する共通インク室4を有するインクジェットヘッド1を設け、画像記録時に複数のインク室2を負圧に保つと共に印字データに基づいてインク室2を選択して体積変動を生じさせることにより、ノズル5からインクを吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置において、放置される状態にあるときに、ノズルからインクが吐出しない圧力で複数のインク室にインクタンク7のインクの量を制御して正圧を加える。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドのインクを吐出するノズルの目詰まりを予防するノズル目詰まり予防方法に関する。
インクジェット記録装置としては、例えば、オンデマンド型のインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、インクを吐出するノズルと、インクを貯蔵するインク室とを有するインクジェットヘッドを備えている。インクジェットプリンタは、インク室に体積変動を生じさせることによりノズルからインクを吐出させ、被記録媒体に画像を形成する。インク室内に体積変動を与える制御方式としては、圧電部材の歪み変形を利用した圧電制御方式や発熱体を利用した制御方式などがある。このような制御方式により体積変動をインク室毎に与えることでオンデマンドに印字を行うことができる。このような従来のインクジェットプリンタでは、常にインク室及びノズルに、インク表面(メニスカス)がインク吐出方向と反対側に形成されるように負圧が印加されている。これは、ノズルから記録等の必要時以外にインクが漏洩するのを防止し、必要時のみインクを吐出させ、用紙等の媒体の汚損を防止するためである。
なお、長時間放置された後の予備駆動において、インクを不要に消費することなく、確実にインク吐出孔の目詰まり状態を回複する方法と駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−168103号公報
しかしながら、インク室及びノズルが負圧となる状態でインクジェットヘッドを長時間放置すると、気泡、ゴミ等のノズルへの付着が生じた場合、振動等の影響で気泡、ゴミのノズル内への侵入が生じやすくなる。また、インクジェットヘッドを長時間放置するとノズル内のインクから水分や揮発成分が蒸発し、特にインク表面(メニスカス)のエッジ部の局所的な粘度上昇が起き、インクの色材が凝縮してしまうという現象が生じる。これらにより、インクジェットヘッドの放置後に記録動作を行うとインクの不吐出や吐出不良が起こるという問題があった。
また、特許文献1に記載されたものによると、長時間された後の予備駆動において、ノズルの目詰まり状態を回復するための制御を行う必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インクジェットヘッドを長時間放置する際、インク室及びノズルを正圧を加えた状態で放置することにより、記録時の不吐出、吐出不良などの記録品位の低下を抑制し、記録品位を保つことができるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、複数のインク室と、複数のインク室にインクを供給するために複数のインク室それぞれと連通する共通インク室を有するインクジェットヘッドを設け、画像記録時に複数のインク室を負圧に保つと共に印字データに基づいてインク室を選択して体積変動を生じさせることにより、ノズルからインクを吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドが放置される状態にあるときに、ノズルからインクが吐出しない圧力で複数のインク室に正圧を加える圧力手段を設けたものである。
本発明によると、インクジェットヘッドを長時間放置する際、インク室及びノズルに正圧を加えた状態で放置することにより、記録時の不吐出、吐出不良などの記録品位の低下を抑制し、記録品位を保つことができるインクジェット記録装置を提供できる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、インクジェットヘッド1の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、インクジェットヘッド1は、複数のインク室2を並べて配置するとともに各インク室2の前面にオリフィスプレート3を配置し、各インク室2の後方に共通インク室4を配置して形成している。前記オリフィスプレート3には、前記各インク室2に対応して外側に向かって径が除々に小さくなるノズル5が開けられている。共通インク室4の各インク室と反対側に、外部から共通インク室4にインクを供給するためのインク供給口6が設けられている。このインクジェットヘッド1は、後述するヘッド駆動部34から与えられる駆動信号に応じてインク室2に体積変動を生じさせることにより、ノズル5からインクを吐出するようになっている。
インクジェットヘッド1から所定の位置には、インクジェットヘッド1にインクを供給するためのインクタンク7を配置している。このインクタンク7は、インクジェットヘッド1のインク吐出面の延長線上が側面に位置するように配置している。このインクタンク7からインクジェットヘッド1へ管路部材8を介してインクを供給する。管路部材8は、インクジェットヘッド1側の端がインク供給口6と接続し、インクタンク7側の端がインクタンク7のインク中に位置付けるように配置している。また、このインクタンク7の近傍に、インクタンク7のインクを検出するためのセンサS1からS4を、鉛直方向に沿って異なる位置に配置している。この4つのセンサS1からS4は、インクタンク7の上側からセンサS1、センサS2、センサS3、センサS4の順で配置している。センサS1,S2はインクジェットヘッド1のインク吐出面よりも上側に配置している。センサS1は各インク室2及び各ノズル5に加える正圧の上限を検出し、センサS2は各インク室2に加える正圧の下限を検出するために使用する。すなわち、センサS1は各インク室2からインクが漏洩してしまう状態が発生するのを防止する位置(実際にインクが漏洩してしまう位置よりも若干下側の位置)に配置し、センサS2は各インク室2に正圧を加えることができる下限の位置に配置する。センサS3,S4はインクジェットヘッド1のインク吐出面よりも下側に配置している。センサS3は各インク室2に加える負圧の下限を検出し、センサS4は各インク室2に加える負圧の上限を検出するために使用する。画像の記録時にインクタンク7のインク液面がこの範囲に保たれると、インクジェットヘッド1は良好なインクの吐出を行うことができるようになっている。なお、各センサS1からS4は、インクタンク7のインクを検出しているときはONを示し、インクを検出しないとOFFを示す信号を出力する。
インクタンク9は多量のインクを貯蔵している。このインクタンク9からインクタンク7へ管路部材10、ポンプ11及び管路部材12を介してインクを供給する。管路部材10の一端はインクタンク9のインク中に位置付けており、他端はポンプ11と接続している。また、管路部材12の一端はポンプ11と接続しており、他端はインクタンク7のインク中に位置付けている。また、ポンプ11は、正転と逆転が可能となっており、ポンプ11は正転すると、インクタンク9からインクタンク7へ管路部材10,12を介してインクを供給し、ポンプ11は逆転すると、インクタンク7からインクタンク9へ管路部材12,10を介してインクを吸引する(インク量調整手段)。したがって、このポンプ11の動作により、インクタンク7のインク液面を調整できるようになっている。
また、インクジェットヘッド1のインク吐出側には、ノズル5からインクが漏洩した際のインクを受けるためのインク受け13が配置できるようになっている。このインク受けはインクを受けるための位置と図示しない退避位置とを移動するようになっている。
このように構成されたインクジェットヘッド1は、図示しないヘッド支持機構によって支持され、インクジェット記録装置100内に設けられている。インクジェットヘッド1は、固定して配置したまま、図中紙面方向に用紙が搬送され、記録が行われる。また、図1において、説明を簡略化するため、インクジェットヘッド1が1個の場合を示しているが、インクジェットヘッド1を複数個並べた長尺ヘッドとしても勿論良い。
図2は、上述したインクジェットヘッド1のメンテナンスを行うメンテナンス装置20を示す図である。メンテナンス装置20は、インクを吸引するための吸引ノズル21、吸引ポンプ22、また、吸引されたインクを溜めておくインク回収タンク23を備えている。メンテナンス装置20の吸引ノズル21、吸引ノズル駆動部24は、メンテナンス装置20のステージ25上に搭載されている。吸引ノズル21はステージ上25を移動したときに、インクジェットヘッド1のインク吐出側に当接するように支持部材26によって位置付けている。吸引ノズル21は、支持部材26が吸引ノズル駆動部24に固定されており、吸引ノズル駆動モータ27が駆動し、吸引ノズル駆動部24が可動することによってインクジェットヘッド1のノズル5の配列方向に沿って移動する機構を実現している。また、吸引ノズル21と連通した管路部材28の他端は、インク回収タンク23と連通している。インク回収タンク23には管路部材29が連通している。その管路部材29の他端は、吸引ポンプ22と連通している。なお、管路部材29においてインク回収タンク23側となる端は、インク回収タンク23におけるインクと空気とのインク液面に接触しない位置に位置付けている。また、インク回収タンク23には、吸引ノズル21と連通した管路部材28から吸引する圧力を調整するための圧力調整弁30を設けている。
図3は、上述した構成を有するインクジェット記録装置100の概略的な制御構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置100は、制御装置31、コントロールパネル制御部32、コントロールパネル33、ヘッド駆動部34、インクジェットヘッド1、プリンタ制御部35、インク受け部36、用紙搬送部37、ポンプ制御部38、ポンプ11、メンテナンス制御部39、メンテナンス装置20、I/Oポート40及びセンサS1からS4などを有している。また、制御装置31は、コントロールパネル制御部32、ヘッド駆動部34、プリンタ制御部35、ポンプ制御部38、メンテナンス制御部39及びI/Oポート40とバスライン41を介して接続している。
制御装置31は、マイクロプロセッサ、メモリ等からなる。制御装置31は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、コントロールパネル制御部32、ヘッド駆動部34、プリンタ制御部35、ポンプ制御部38及びメンテナンス制御部39を総括的に制御する。また、制御装置31は、内部に時刻を生成する時計部31aを有し、時計部31aで生成した時刻に基づいて計時できるようになっている。
コントロールパネル33は、ユーザに必要な情報を表示する表示部と、ユーザからの指示を受付けるための操作部を有している。コントロールパネル制御部32は、コントロールパネル33の表示部の表示を制御するとともに、操作部から受付けたユーザの指示を制御装置31へ送信する。操作部には、放置準備スイッチ33a、記録準備スイッチ33b及び記録スイッチ33c等の各種スイッチやキー等が設けられている。放置準備スイッチ33aは、ユーザが画像記録を長時間行わないような場合にインクジェット記録装置100を放置状態にするためのスイッチである。記録準備スイッチ33bは、放置状態にあるインクジェット記録装置100の画像記録の準備を指示するためのスイッチである。記録スイッチ33cは、インクジェット記録装置100に画像記録の開始を指示するためのスイッチである。
ヘッド駆動部34は、所定の印字データに基づいてインクを吐出するインク室2を各インク室2の中から選択し、選択したインク室2に体積変動を生じさせるための駆動信号を与えることにより、ノズル5からインクを吐出させる。なお、前記印字データは、例えば、図示しないインタフェースを介して外部装置から受信するものでも良いし、インクジェット記録装置100がスキャナ機能を有する複合機に実現されていればスキャナにより読取った画像データに基づく印字データとしても良い。
プリンタ制御部35は、インク受け部36のインク受け13の移動及び用紙搬送部37の用紙搬送動作を制御する。プリンタ制御部35は、例えば、放置準備スイッチ33aが入力されると、ノズル5からインクが漏洩した場合にインクジェット記録装置100内の汚損を防止するために、インク受け13を退避位置からインクジェットヘッド1のインク吐出方向の下方に移動させ、画像記録時には退避位置に移動させる。用紙搬送部37は、図示しない給紙カセット等に収納されている用紙を1枚ずつインクジェットヘッド1の下方に所定の速度で搬送し、その後外部へ用紙を排出する。
ポンプ制御部38は、ポンプ11の正転、逆転を制御し、インクタンク7へのインクの供給又は吸引を行う。上述したように、ポンプ11制御部がポンプ11を正転させるとインクタンク7へインクを供給し、ポンプ11を逆転させると、インクタンク7からインクを吸引する。
メンテナンス制御部39は、図2を参照して説明したメンテナンス装置20の各部を制御してインクジェットヘッド1のメンテナンスを所定のタイミングで実行する制御を行う。
I/Oポート40はセンサS1からS4のON/OFF信号が入力される。このI/Oポート40に入力されたON/OFF信号は、バスライン41を介して制御装置31に入力される。
続いて、放置準備スイッチ33aが入力されたときに、制御装置31が実行する放置準備処理(圧力手段)について図を参照しながら説明する。
先ず、プリンタ制御部35を制御してインク受け部36を動作させ、インク受け13をインクジェットヘッド1の下方に移動する(ST101)。続いて、ポンプ制御部38を制御してポンプ11の駆動を停止する(ST102)。続いて、I/Oポート40から入力されたセンサS4の信号によりセンサS4がONかOFFかを判断する(ST103)。センサS4がOFFと判断すると、ポンプ制御部38を制御してポンプ11を正転駆動させる(ST104)。ポンプ11の正転駆動が開始されると、計時を開始する(ST105)。そして、予め設定された時間が経過するまでポンプ11の正転駆動を続け、その時間を経過すると(ST106でNO)、ステップST102へ戻り、ポンプ制御部38を制御してポンプ11の駆動を停止する。なお、予め設定された時間はインクをインクタンク7に所定量供給するための時間である。
一方、ステップST103において、センサS4がONと判断すると、続いてI/Oポート40から入力されたセンサS3の信号によりセンサS3がONかOFFかを判断する(ST107)。センサS3がOFFと判断すると、前記ステップST104へ進み、所定量のインクをインクタンク7に供給する処理(ST104からST106)を行う。この処理がセンサS3がONと判断するまで続けられる。
ステップST107において、センサS3がONと判断すると、I/Oポート40から入力されたセンサS2の信号によりセンサS2がONかOFFかを判断する(ST108)。センサ2がOFFと判断すると、上述の場合と同様に、ステップST104へ進み、所定量のインクをインクタンク7に供給する処理(ST104からST106)を行う。
ステップST108において、センサS2がONと判断すると、I/Oポート40から入力されたセンサS1の信号によりセンサS1がONかOFFかを判断する(ST109)。センサS1がONと判断すると、ポンプ制御部38を制御してポンプ11を逆転駆動する(ST110)。ポンプ11の逆転駆動が開始されると、計時を開始する(ST111)。予め設定された時間が経過するまでポンプ11の逆転駆動を続け、その時間を経過したと判断すると(ST112でYES)、ステップST102へ戻り、ポンプ制御部38を制御してポンプ11の駆動を停止する。なお、予め設定された時間はインクをインクタンク7から所定量吸引するための時間である。ステップST109において、センサS1がOFFと判断すると、コントロールパネル制御部32を制御して、処理終了をコントロールパネル33の表示部に表示し(ST113)、処理を終了する。
この処理を行うことにより、インクタンク7のインク液面をセンサS1でインクを検出する位置とセンサS2でインクを検出する位置との間に位置させることができるため、管路部材8、共通インク室4を介して、各インク室2及び各ノズル5に正圧が加えられる。
そして、ユーザは、インク室2に正圧が加えられた状態となったことをコントロールパネル33の表示部の表示により確認した後、図示しない電源スイッチをOFFにして、インクジェット記録装置100の電源を切る。
このような処理が行われインクジェット記録装置が放置状態にあるときのインクジェットヘッド1のインク室2の様子を図5及び図6を参照して説明する。図5は、インクジェットヘッド1のインク室2及びノズル5近傍の一部を示す図であり、図6は、図5におけるノズル5近傍を示す図である。図5に示すように、ノズル5からインク表面(メニスカス)がインク滴を吐出しない程度に膨張している。このような状態となるようにインク室2及びノズル5に正圧が加えられているため、インク表面のエッジ部は揮発成分の蒸発を低減させることができる。このため、インク表面のエッジ部においてインクの粘度上昇が起こらず、図6に示すように、色材分子がCが自由に動くことができるようになっている。したがって、インク表面がインク吐出方向と反対側に引っ込めるように負圧が印加されている場合はインク表面のエッジ部で局所的な粘度上昇、インクの色材の凝縮が発生してしまうが、本実施の形態のインクジェット記録装置100によると、揮発成分の蒸発を低減させることにより、これらを防止することができる。
また、放置状態にする場合は、インク受け13をインクジェットヘッド1のインク吐出側に対向するように位置させるので、例えば、外部からの衝撃などの何らかの理由により、ノズル5からインクが漏洩してしまった場合にも、内部の機構等にインクが付着することはなく、画像記録時に用紙等の媒体が汚損することはない。
続いて、上述のように放置された状態となっているインクジェット記録装置100に電源を投入し起動し、画像記録を行う場合について説明する。インクジェット記録装置100は、放置された状態となっているため記録を行うための準備を行う必要がある。ユーザはその準備をインクジェット記録装置100に指示するために、コントロールパネル33に設けられた記録準備スイッチ33bを入力する。
図7は、記録準備スイッチ33bの入力を検出したときに、制御装置31が実行する記録準備処理を示すフローチャートである。以下、この処理について説明する。
先ず、プリンタ制御部35を制御してインク受け部36を動作させ、インク受け13をインクジェットヘッド1の下方から退避位置に移動する(ST201)。続いて、ポンプ制御部38を制御してポンプ11の駆動を停止する(ST202)。これらステップST201,ST202のいずれかが終了したタイミングで、上述したメンテナンス制御部39を制御してインクジェットヘッド1のメンテナンスを行うようにしても良い。
そして、I/Oポート40から入力されたセンサS4の信号によりセンサS4がONかOFFかを判断し(ST203)、センサS4がOFFと判断した場合は、ONと判断するまでインクタンク7にインクを供給する処理(ST204からST206)を行う。この処理は、上述したステップST104からST106の処理と同様な処理なので詳細な説明は省略する。
一方、ステップST203において、センサS4はONと判断すると、I/Oポート40から入力されたセンサS3の信号によりセンサS3はONかOFFかを判断する(ST207)。センサS3がONと判断した場合は、OFFと判断するまでインクタンク7からインクを吸引する処理(ST208からST209)を行う。この処理は、上述したステップST110からST112の処理と同様な処理なので詳細な説明は省略する。
ステップST207の判断において、センサS3がOFFと判断した場合は、コントロールパネル制御部32を制御して処理終了をコントロールパネル33の表示部に表示し(ST211)、処理を終了する。
この処理を行うことにより、インクタンク7のインク液面をセンサS3でインクを検出する位置とセンサS4でインクを検出する位置との間に位置させることができるため、インクジェットヘッド1の各インク室2及びノズル5に負圧を加えることができる。このように各インク室2及びに加わるインクの圧力が負圧になるので、良好な画像記録が可能な状態となる。
また、画像記録準備を行うときに、センサS3のON/OFFの判断より先に、センサS4のON/OFFを判断することにより、放置状態となっている間にインクタンク7の取り替え等が行われてインクタンク7のインク液面の位置がセンサS4が検出する位置より下側に変化している場合にも対応することができる。
また、制御装置31は、記録スイッチ33cが入力され画像記録を行っているときは、インクジェットヘッド100からインクが吐出されることにより、インクタンク7のインク液面は下側へと変化するため図8のフローチャートで示すように、インク室2及びノズル5を適正な負圧に保つための処理を行う。
画像の記録を開始すると(ST301)、ポンプ制御部38を制御してポンプ11の駆動を停止する(ST302)。続いて、I/Oポート40から入力されたセンサS4の信号によりセンサS4はONかOFFかを判断し(ST303)、OFFと判断した場合は、ONと判断するまでインクタンク7にインクを供給する処理(ST304からST306)を行う。この処理は、上述したステップST104からST106,ST102の処理と同様な処理なので詳細な説明は省略する。一方、センサS4はONと判断すると、画像の記録が終了したか否かを判断し(ST307)、終了していないと判断するとステップST303へ戻り、画像記録が終了したと判断すると処理を終了する。
この処理を行うことにより、インクタンク7のインク液面をセンサS4でインクを検出する位置より上側に位置させることができるので、画像の記録中にインクが消費されるためにセンサS4でインクを検出する位置より下側へインク液面が位置することを防止することができる。したがって、画像記録中は、各インク室2及び各ノズル5へ加える圧力を常に適正な負圧に保つことができるので良好な記録を行うことができる。
この第1の実施の形態のインクジェット記録装置100によると、インクジェットヘッド1を放置するときに、各インク室2及び各ノズル5への圧力を正圧にすることにより、気泡、ゴミがインク表面に付着しても容易に、ノズル5内部へ侵入せず、不吐出、吐出不良を防止できる。
また、インク表面のエッジ部において、揮発成分が揮発するのを低減することができるので、色材粒子Cの動きが規制されず、すなわち、粘度が上昇せずに、インクの不吐出の発生を低減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について述べる。なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明は省略する。この実施の形態のインクジェット記録装置100は、インクタンク7に貯蔵されるインクの液面をある範囲に保ちつつ、インクジェットヘッド1を移動させることにより、各インク室2及び各ノズル5に加えられる圧力を正圧にする構成としている。
図9は、この第2の実施の形態のインクジェット記録装置100の概略的な制御構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェットヘッド1を移動させるヘッド移動部43を制御するのヘッド移動制御部42を有し、インクタンク7のインクを検出するセンサがセンサS3,S4の2つとなっている。
放置準備スイッチ33aが入力されると、制御装置31は、インクタンク7のインク液面はセンサS3及びセンサS4からのON/OFF信号を利用して、センサS3がインクを検知する位置とセンサS4がインクを検知する位置との間にインク液面が位置するように、ポンプ制御部38を制御してポンプ11を可動させる。
また、制御装置31は、ヘッド移動制御部42を制御してヘッド移動部43を動作させ、インクジェットヘッド1が長時間放置される状態になるときに、インクタンク7において予め定められた範囲内に保たれるインク液面に対して、インクジェットヘッド1の各インク室2及び各ノズル5に正圧が加えられるように、インクジェットヘッド1を上下方向に移動させる。このインクジェットヘッド1の移動は、例えば、吸引ノズル21によるインクジェットヘッド1の吸引を行う機構を常に固定し、この固定したメンテナンス位置に対して上下方向にインクジェットヘッド1を移動させることにより構成する。なお、インクジェットヘッド1が移動する構成でなくとも、インクジェットヘッド1の位置とインクタンク7のインク液面とが、各インク室2及び各ノズル5に正圧を加えられるように移動できる構成であればよいので、インクタンク7を上下に移動させる構成など種々の方法が考えられる。
上述した各実施の形態においては、放置準備スイッチ33aが入力されたときに、インクジェット記録装置100は放置準備を行う場合で説明しているが、最後に画像記録を行った時間から所定時間が経過したことを制御装置31が検出したときに、放置準備処理を行うようにしても良い。
また、インクタンク7におけるインク液面をセンサを用いて検出する構成としているが、各センサS1からS4の位置に対応する位置にインク液面があるときのインクの重量を予め求めておき、インクタンク7の下方に、インクタンク7内のインク重量を計測するための秤などの重量計測手段を設け、この計測した重量を用いてポンプ11のインクの供給、吸引を制御するようにしても良い。
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を変形できるものである。
本発明の第1の実施の形態におけるインクジェットヘッドの概略的な構成を示す図。 同実施の形態におけるメンテナンス装置の概略的な構成を示す図。 同実施の形態におけるインクジェット記録装置の概略的な制御構成を示すブロック図。 同実施の形態における放置準備処理を示すフローチャート。 同実施の形態における放置状態にあるときのインク室及びノズル5の一部を示す図。 図5におけるノズル近傍を示す図。 同実施の形態における記録準備処理を示すフローチャート。 同実施の形態におけるインク室及びノズルを負圧に保つ処理を示すフローチャート。 本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドの概略的な構成を示す図。
符号の説明
1…インクジェットヘッド,2…インク室,4…共通インク室,5…ノズル,7,9…インクタンク,8,10,12…管路部材,11…ポンプ,31…制御装置,33…コントロールパネル,33a…放置準備スイッチ,100…インクジェット記録装置

Claims (6)

  1. 複数のインク室と、前記複数のインク室にインクを供給するために前記複数のインク室それぞれと連通する共通インク室とを有するインクジェットヘッドを設け、画像記録時に前記複数のインク室を負圧に保つと共に印字データに基づいて前記インク室を選択して体積変動を生じさせることにより、ノズルからインクを吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記インクジェットヘッドが放置される状態にあるときに、前記ノズルからインクが吐出しない圧力で前記複数のインク室に正圧を加える圧力手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記共通インク室を介して前記複数のインク室にインクを供給するインクタンクと、
    前記インクタンクのインク量を調整するインク量調整手段とを備え、
    前記圧力手段は、前記インク量調整手段を制御して前記複数のインク室に正圧を加えることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記共通インク室を介して前記複数のインク室にインクを供給するインクタンクを備え、
    前記圧力手段は、前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとを相対的に配置して前記複数のインク室に正圧を印加することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  4. 複数のインク室と、前記複数のインク室にインクを供給するために前記複数のインク室それぞれと連通する共通インク室とを有するインクジェットヘッドを設け、画像記録時に前記複数のインク室を負圧に保つと共に印字データに基づいて前記インク室を選択して体積変動を生じさせることにより、ノズルからインクを吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置の前記ノズルの目詰まりを予防するノズル目詰まり予防方法において、
    前記ノズルからインクが吐出しない圧力で前記複数のインク室に正圧を加え、前記インクジェットヘッドを放置状態にすることを特徴とするノズル目詰まり予防方法。
  5. 共通インク室を介して前記複数のインク室にインクを供給するインクタンクのインク量を調整して正圧を加えることを特徴とする請求項4記載のノズル目詰まり防止方法。
  6. 共通インク室を介して前記複数のインク室にインクを供給するインクタンクと前記インクジェットヘッドとを相対的に配置して正圧を加えることを特徴とする請求項4記載のノズル目詰まり防止方法。
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