以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠12を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠12を有する。ガラス扉枠12の下部表面には打球供給皿(上皿)13がある。打球供給皿13の下部には、打球供給皿13に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿14と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)15が設けられている。ガラス扉枠12の背面には、遊技盤16が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤16は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。
遊技盤16の前面には遊技領域3が形成されている。遊技盤16には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域3に誘導するための誘導レール2が円弧状に設けられている。また、遊技領域3には、遊技領域3に進入してきた遊技球の進路を決定する釘(図示せず)や風車8a〜8fが設けられている。
遊技領域3のほぼ中央には、開閉片23a,23bが開閉動作することにより遊技球が内部に進入可能となる可変入賞装置20が配置されている。可変入賞装置20の両サイドには、一般入賞口6a,6bが設けられている。一般入賞口6a,6bに入った入賞球は、一般入賞口6a,6bの内部に設けられている入賞口スイッチ7a,7bによって検出される。入賞口スイッチ7a,7bが入賞球を検出したことを契機として、所定個数の賞球の払い出しが行われる。また、可変入賞装置20の下方には、左・中・右の始動入賞口(始動領域)4a〜4cが設けられている。始動入賞口4a〜4cに入った入賞球は、それぞれ、始動入賞口4a〜4cの内部に設けられている始動口スイッチ5a〜5cによって検出される。始動口スイッチ5a〜5cが入賞球を検出したことを契機として、所定個数の賞球の払い出しが行われるとともに、開閉片23a,23bを開閉させて可変入賞装置20を所定期間開放する始動動作が行われる。
なお、始動入賞口4a〜4cのうち左右の始動入賞口4a,4cに入賞した場合には、可変入賞装置20は1回開放され、始動入賞口4a〜4cのうち中央の始動入賞口4bに入賞した場合には、可変入賞装置20が2回開放される。よって、始動入賞口4a,4cのことを1始動口といい、始動入賞口4bのことを2始動口ということがある。また、始動口スイッチ5a〜5cの入賞検出に応じて可変入賞装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態(あるいは始動態様)という。
開閉片23a,23bが開状態のときに遊技球が可変入賞装置20に入って入賞すると、入賞した遊技球が可変入賞装置20の内部に進入するまでの経路上に設けられているカウントスイッチ25a,25bによって検出される。カウントスイッチ25a,25bは、可変入賞装置20に入賞した入賞球の個数をカウントするために設けられている。カウントスイッチ25a,25bが入賞球を検出したことを契機として、所定個数の賞球の払い出しが行われる。なお、可変入賞装置20のことを大入賞口ともいう。可変入賞装置20の内部には、入賞した遊技球が進入する空間が形成されている。空間は遊技者側が開口しているので、遊技者から視認可能である。可変入賞装置20の空間内の後方の面には、各種画像を可変表示可能な可変表示装置(液晶表示装置:LCD)28が設けられている。
また、遊技盤16には、遊技球が始動入賞口4a〜4cに入賞したときなどに点灯するサイドランプ9a〜9dや、一般入賞口6a,6b、始動入賞口4a〜4cおよび可変入賞装置20に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口11も設けられている。また、遊技領域3の外周には、天枠ランプ21a、左枠ランプ21bおよび右枠ランプ21cが設けられている。
次に、可変入賞装置20について説明する。図2は、可変入賞装置を斜めからみた斜視図である。図2に示すように、可変入賞装置20は、当該装置20を遊技盤16の表面に取り付けるための取付基板22を備えている。可変入賞装置20には、左右一対の開閉片23a,23bが一定角度で回動可能に設けられている。開閉片23a,23bは、それぞれリンク機構を介してソレノイド(図8のソレノイド24a,24b)に連結され、ソレノイドがオンした(励磁された)ときに、可変入賞装置20を開放する方向に回動する。また、ソレノイドがオフしたときには、可変入賞装置20を閉鎖する方向に回動する。なお、図2には可変入賞装置20が開放された状態が示されている。
可変入賞装置20の内部には、上述したように、入賞した遊技球が進入する空間が形成されている。そして、可変入賞装置20の空間内の後方の面(裏面)には、各種画像を可変表示可能な可変表示装置28が設けられている。可変表示装置28の表示画面の前側には、一定方向に回転する透明な回転板41が配置されている。回転板41は、モータの駆動力によって一定速度で時計回りに回転する。また、回転板41は、透明なアクリル板等で構成されており、光を透過するため、回転板41が可変表示装置28の前側に配置されていても、遊技者は後側(裏側)に配置されている可変表示装置28が表示する画像を視認することができる。回転板41の面内の円周上に所定間隔で複数の磁石42が配置されている。複数の磁石42が配置されている円周の中心は、回転板41の回転軸と一致している。従って、磁石42は、回転板41が一定速度で回転することにより、円周上をゆっくりと時計周りに回転移動する。
可変入賞装置20の空間内には、進入してきた遊技球を受け止めて一旦貯留する受皿40が設けられている。受皿40は、リンク機構を介してソレノイド(図8のソレノイド35)に連結され、ソレノイドがオンしたときに、受皿40を直角に立てる方向に回動する。また、ソレノイドがオフしたときには、立っている受皿40を寝かす方向に回動する。
受皿40が寝ている(横になっている)状態のときは、受皿40の後側(奥側)の縁は、回転板41に近接している。受皿40は、遊技球を受け止める上面が丸く凹んでおり、また前側の縁よりも後側の縁の方が少し低くなるように傾斜している。このため、受皿40は、進入してきた遊技球を凹んだ中央部の方向に導くとともに後方の回転板41側に導く。そして、受皿40は、遊技球が回転板41に接すると、その接した状態で遊技球を貯留する。遊技球が受皿40上に貯留されている状態のときに、受皿40上の遊技球が接している回転板41の位置は、複数の磁石42が配置されている回転板41の面内の円周上の位置である。従って、遊技球は、回転板41の回転とともに円周上を回転移動する磁石42が遊技球の貯留位置にくると、磁石42にくっつく。そして、遊技球は磁石42にくっついた状態で円周上を回転移動する。受皿40が立っている(縦になっている)状態のときは、受皿40は、遊技球が進入してきても貯留せずに、上面で遮って下方に落下させる。従って、この状態のときは、遊技球が新たに磁石42にくっつくことはない。
受皿40の裏面(受皿40がねている状態のときの下面)には、磁石42にくっついている遊技球を引っ掛けて落とすための引掛部40Aが形成されている。受皿40が立てられると、引掛部40Aの端部が回転板41の円周に近接する位置にくる。この状態のときに、磁石42にくっついた遊技球が円周上を回転移動して引掛部40Aの位置までくると、遊技球は引掛部40Aに引っ掛かって、下方に落下する。下方に落下した遊技球は、可変入賞装置20内の下部に設けられたアウト口45から排出される。
可変入賞装置20の上部には、磁石42にくっついて回転移動している遊技球を取り込むための管状の球取込部材43が設けられている。球取込部材43は、モータ(図8に示すモータ36)によって駆動され、上下方向に移動する。
管状の球取込部材43の先端部には遊技球をくっつける磁石44が取り付けられている。通常の状態のときは、球取込部材43は可変入賞装置20の上部の収容部に収容されている。すなわち、引っ込んでいる。この状態のときは、球取込部材43は隠れていて、遊技者からは球取込部材43が見えない。球取込部材43は、所定のタイミングで収容部から出てくる。このとき、回転移動している遊技球が円周の頂上(てっぺん)の位置に来ている場合は、球取込部材43の先端の磁石44が円周の頂上の位置に伸びてきて、球取込部材43の磁石44に遊技球がくっつく。磁石44の磁力は磁石42の磁力よりも強いため、遊技球は磁石42から離される。球取込部材43が収容部に引っ込むと、遊技球も収容部内に取り込まれる。遊技球が収容部内に取り込まれると、何らかの手段により磁石44から離される。例えば、遊技球が収容部内の所定箇所に引っ掛けられて離される。収容部内に入った遊技球は、収容部内に設けられているV入賞スイッチ30aによって検出される。球取込部材43が収容される収容部のことを特定入賞口ともいう。遊技球が特定入賞口に入賞してV入賞スイッチ30aによって検出されたことをV入賞という。
この実施の形態では、始動入賞にもとづく始動動作で可変入賞装置20に入賞した遊技球がV入賞したことによって大当りが発生する。すなわち、遊技制御の状態が特定遊技状態に移行される。大当りが発生すると、可変入賞装置20を連続開放する。可変入賞装置20の連続開放は、V入賞を条件として所定のラウンド(開放サイクル)数だけ行われる。一方、始動入賞にもとづく始動動作で可変入賞装置20に遊技球が入賞しなかったとき、または、始動入賞にもとづく始動動作で遊技球が可変入賞装置20に入賞したがV入賞しなかったときには、大当りは発生しない。
また、V入賞が生じた場合には、内部抽選が行われ、抽選結果に応じてラウンド数(ラウンドの継続回数)が決定される。ラウンド数の抽選は、予め定められている複数種類のラウンド数から選択されることにより行われる。この実施の形態では、ラウンド数として、2ラウンド、5ラウンドおよび15ラウンドから選択される。そして、抽選により決定されたラウンド数は、V入賞後に可変表示装置28に表示されて遊技者に報知される。ただし、抽選によって決定されたラウンド数を遊技者に伏せておくような演出を行ったり、抽選によって決定されたラウンド数よりも少ないラウンド数を報知する偽報知を行ったりする場合もある。
この実施の形態では、選択対象となるラウンドのうちの最大ラウンド数は15ラウンドである。従って、15ラウンド以前の各ラウンド(1ラウンド〜14ラウンド)においては、V入賞が発生することにより、継続権が成立したとして次のラウンドが開始される。しかし、抽選により決定された回数のラウンド(2ラウンド、5ラウンド、15ラウンド)および当該ラウンド以降のラウンド(3ラウンド以上、6ラウンド以上)においては、可変入賞装置20内の受皿40が立てられて、遊技球がV入賞し難い状態になる。従って、抽選により決定された回数以上のラウンドに継続する可能性が低い(実際は可変入賞装置20の構造上ほとんど不可能である)。一方、抽選により決定された回数のラウンド以前の各ラウンド(1ラウンド、1〜4ラウンド、1〜14ラウンド)においては、可変入賞装置20内の受皿40が寝かされて、遊技球がV入賞し易い状態になっている。従って、次のラウンドに継続する可能性が高い。このように、抽選により決定されたラウンド数が多くなるほど、継続される平均ラウンド数も多くなる結果、大当り中に払い出される景品としての遊技球の個数も多くなる。よって、遊技者は、抽選により決定されるラウンド数に注目するようになる。
以上のように、特定遊技状態(大当り中)において、可変入賞装置20の内部構造を変化させることによって、特定入賞口(特定の領域)に遊技球が入賞(進入)し易い状態(ラウンド継続する確率の高い高確率状態)と、特定入賞口(特定の領域)に遊技球が入賞(進入)し難い状態(ラウンド継続する確率が低い低確率状態)とに制御するようにしている。ここで、特定入賞口に遊技球が入賞し易い高確率状態のときのラウンドを高確率ラウンドまたは継続促進ラウンドといい、特定入賞口に遊技球が入賞し難い低確率状態のときのラウンドを低確率ラウンドまたは非継続促進ラウンドという。
抽選によって選択されたラウンド数から非継続促進ラウンド分の1回を差し引いた回数が、継続促進ラウンドの回数である。従って、選択対象となるラウンド数(「2」、「5」、および「15」)の中から「15」を選択するということは、継続促進ラウンド数を「14」に決定することと同義である。同様に、選択対象となるラウンド数の中から「5」を選択するということは、継続促進ラウンド数を「4」に決定することと同義である。また、選択対象となるラウンド数の中から「2」を選択するということは、継続促進ラウンド数を「1」に決定することと同義である。
また、決定された継続促進ラウンド数が「14」、「4」または「1」であることを遊技者に報知する場合には、選択されたラウンド数が「15」、「5」または「2」であることを報知すればよい。本実施形態では、可変表示装置28における可変表示結果(後述する最終停止図柄)によって、選択されたラウンド数を示し、可変表示結果を「15」、「5」または「2」とすることにより、継続促進ラウンド数が「14」、「4」または「1」であることを報知する。
次に、可変入賞装置20の内部に設けられている球通過センサについて説明する。図3は、球通過センサの構成を示す構成図である。球通過センサ26は、回転板41の面内に配置されている磁石42にくっついて回転移動している遊技球が所定位置を通過したことを検出(感知)するセンサである。球通過センサ26は、例えば赤外線などの光を照射する2つの照射部26A,26Bと、照射部26A,26Bから照射された光を受光する1つの受光部26Cとから構成されている。
図3に示すように、照射部26A,26Bは、それぞれ、可変入賞装置20の空間内の一側面(遊技者側から見た場合の右側面)であって回転板41の前側の位置に、上下に所定間隔あけて配置されている。また、受光部26Cは、可変入賞装置20の空間内の他側面(遊技者側から見た場合の左側面)であって回転板41の前側の位置に配置されている。
受光部26Cは、照射部26A,26Bから照射された光を受光している。遊技球が磁石42にくっついて回転移動することにより受光部26Cに接近した位置にくると、照射部26A,26Bから照射された光を遊技球が遮って、受光部26Cは光を受光しなくなる。これにより、受光部26Cは、遊技球が受光部26Cの前を通過したことを検出する。
なお、遊技球が照射部26A,26Bの前を通過するときも光を遮る。しかし、図3に示すように、2つの照射部26A,26Bの間隔は、遊技球の径の大きさよりも大きくなるように設定されているため、一方の照射部からの光を遊技球が遮っても、他方の照射部からの光が受光部26Cに届くことになる。従って、遊技球が受光部26Cに接近したときのみ検出されることになる。
受光部26Cによる球通過の検出位置は、受皿40の球貯留位置、すなわち遊技球が磁石42にくっつく位置から球取込部材43の球取込位置までの間であればいずれの箇所でもよいが、この実施の形態では、図3に示すように、ちょうど真中あたりに箇所とされている。
次に、大当りとなるときおよびはずれとなるときの可変入賞装置20の動作について説明する。図4は、大当りとなるときの可変入賞装置の動作を示す説明図である。遊技球が始動入賞口4a〜4cのいずれかに入賞すると、可変入賞装置20は開閉片23a,23bを駆動して開放する。このとき、遊技球が可変入賞装置20に進入して入賞すると、遊技球は受皿40の貯留位置に誘導される。
ここで、この実施の形態では、球取込部材43が球取込動作を行うタイミングは、遊技球が始動入賞口に入り始動口スイッチによって検出されたときから所定時間経過したときである。従って、遊技球が始動入賞口に入賞したときから球取込部材43が球取込動作を行うときまでの時間と、回転板41の回転速度とから、V入賞となる回転板41の円周上の始動入賞時の位置が決定される。この位置にちょうど磁石42がきているとともに、その磁石42に遊技球がくっついたときにV入賞が発生する。図4には、V入賞となる円周上の位置をマークして示している。
図4に示す例では、磁石42の位置がV入賞となる円周上の位置と一致しており、その位置の磁石42に遊技球がくっついた状態が示されている。遊技球は回転板41の回転とともに回転移動する。磁石42にくっついた遊技球が球通過センサ26の受光部26Cの前を通過したとき、球通過センサ26は球通過を感知する。ここで、球通過センサ26が球通過を感知したタイミングによって、V入賞が発生するか否か(あるいはV入賞する可能性があるか否か)を遊技制御処理において判断することができる。球通過センサ26が球通過を感知したタイミングがV入賞するタイミングであると判断されたときは、抽選により判定されたラウンド数を遊技者にV入賞後に報知する前に(本例では球取込部材43が球取込動作を行う前に)、ラウンド数を遊技者に予告する。これにより、ラウンド数の多い大当りの発生への期待感を持たせることができるようになる。
ラウンド数を事前に報知(予告)するための演出のことを予告演出という。この実施の形態では、図4に示すように、予告演出として、例えばキャラクタ(くじら)を可変表示装置28に表示したり、予告のための効果音をスピーカ27から出力したりする。ちなみに、くじらのキャラクタが登場すると、ラウンド数が5ラウンドである可能性が高く、15ラウンドである可能性が低いというように予め決められているものとする。
なお、予告を行うために予めラウンド数を抽選より決定しておかなければならないが、この実施の形態では、始動入賞時に決定するように構成されている。
球取込部材43は、球取込タイミングになると球取込動作を行う。図4に示す例では、球取込動作が行われるときに遊技球が真上にきているので、球取込部材43の磁石44にくっつく。そして、球取込部材43が引き込んで収容部に収容されることにより、V入賞が発生して大当りとなる。
図5は、はずれとなるときの可変入賞装置の動作を示す説明図である。図4で説明した場合と同様に、遊技球が始動入賞口に入賞し、可変入賞装置20が開放したときに、遊技球が可変入賞装置20に進入して入賞すると、遊技球は受皿40の貯留位置に誘導される。
図5に示す例では、磁石42の位置がV入賞となる円周上の位置と一致しているが、その位置の磁石42とは異なる磁石42に遊技球がくっついた状態が示されている。遊技球は回転板41の回転とともに回転移動し、球通過センサ26の受光部26Cの前を通過したとき、球通過センサ26によって感知される。図5に示す例では、球通過センサ26が球通過を感知したタイミングがV入賞するタイミングでないと判断される。この場合は、ラウンド数を予告する予告演出は行われない。このように、明らかにV入賞しないタイミングで可変入賞装置20に遊技球が入賞したときは、ラウンド数を予告しないようにすることにより、予告によって無駄に期待を持たせて遊技者のストレスになってしまうのを回避することができるようになる。
その後、球取込部材43は、球取込タイミングになると球取込動作を行うが、図5に示す例では、タイミングがずれているので、球取込部材43によって遊技球は取り込まれず、はずれとなる。
また、V入賞前に行う予告とは別に、遊技球がV入賞したときには抽選によって決定されたラウンド数等の報知を行う。V入賞後に行われる報知の態様として、以下の3種類の態様がある。第1の態様は、抽選によって選択されたラウンド数を遊技者が認識できるような演出で報知する態様である。なお、選択されたラウンド数を遊技者が認識できるならば、遊技者は継続促進ラウンド数についても認識できることになる。第1の態様では、選択されたラウンド数を遊技者が認識できるように報知するので、真の報知を行うことになる。第1の態様の報知演出を真報知演出と記す。
第2の態様は、選択されたラウンド数が、所定のラウンド数(本実施の形態では「15」とする。)であるときに、その所定のラウンド数よりも少ない所定のラウンド数(本実施の形態では「5」とする。)を遊技者が認識できるような演出で報知する態様である。この第2の態様では、実際に抽選で選択したラウンド数よりも少ない回数を報知する。すなわち、偽の報知を行う。この結果、選択されたラウンド数は「15」であるにもかかわらず、遊技者は、選択されたラウンド数が「5」であると認識する。なお、選択されたラウンド数より1少ない回数が継続促進ラウンド数である。従って、上記の態様を換言すると、継続促進ラウンド数が、所定ラウンド回数(本実施の形態では「15」より1少ない「14」。)であるときに、その所定ラウンド回数よりも少ない所定ラウンド回数(本実施の形態では「5」より1少ない「4」。)を遊技者が認識できるような演出で報知することになる。なお、この場合、可変表示装置28における可変表示結果を「5」とすればよい。第2の態様の報知演出を偽報知演出と記す。
また、第3の態様は、抽選によって決定されたラウンド数を遊技者に伏せておく演出によって、抽選によって決定されたラウンド数が不明であることを報知する態様である。第3の態様で報知した場合、抽選によりラウンド数は選択済みであるが、遊技者はそのラウンド数を知ることはできない。第3の態様の報知演出を不明演出と記す。
また、抽選によって決定されたラウンド数とは異なる特定の表示を表示する報知演出を特定報知演出と記す。偽報知演出では、抽選によって決定された継続促進ラウンド数が「14」であるにもかかわらず、その数とは異なる特定の数を表示する演出となっている。すなわち、継続促進ラウンド数が「4」であるように認識させる特定の表示を行う演出となっている。従って、特定報知演出には偽報知演出が含まれる。また、不明演出も、抽選によって決定されたラウンド数とは異なる特定の表示(例えばクエスチョンマーク等の表示)を行う。従って、特定報知演出には不明演出も含まれる。
V入賞時に不明演出を行った場合、予め定められた所定ラウンドの終了時以前のラウンドにおいて所定の画像を可変表示装置28に表示する演出を行う。ここで、「予め定められた所定ラウンド」は、例えば、継続促進ラウンドとして選択され得るラウンドのうち、最大のラウンドでないラウンドであればよい。本実施形態では、継続促進ラウンドとして選択され得るラウンドは、「1」、「4」または「14」のいずれかである。よって、最大の「14」ラウンド以外のラウンドである「4」ラウンド終了時以前のラウンドにおいて所定の画像を表示する演出を行うものとする。なお、偽報知演出によって遊技者に報知される継続促進ラウンドも、継続促進ラウンドとして選択され得るラウンドのうち、最大のラウンドでないラウンド(本例では4ラウンド)である。
図6は、ラウンド中に所定の画像を表示する演出の例を示す説明図である。本例では、所定の画像として、いるかのキャラクタ71を表示する場合を例にして説明する。
キャラクタ71は、1つのラウンド内で、最大1個追加表示される。また、1つのラウンド内で、キャラクタ71が追加表示されない場合もある。従って、第4ラウンド終了時に表示され得るキャラクタ71の個数の最大値は「4」であり、最小値は「0」である。図6に示す例では、第1ラウンドにおいて、1個目のキャラクタが表示され、第2ラウンドでキャラクタが1個追加表示されている。第3ラウンドでは、キャラクタの追加表示は行われず、第4ラウンドでキャラクタが1個追加表示されている。
遊技者にとって、第4ラウンド終了時までに表示されるキャラクタ71の個数は、抽選によって選択されたラウンドが「15」である(継続促進ラウンドが最大14ラウンドまで継続する)確率の高さを表している。そして、キャラクタ71の個数が多いほど、抽選によって選択されたラウンドが「15」である確率が高いと遊技者に認識される。本実施形態では、キャラクタ71の個数が0である場合、必ず第5ラウンドが非継続促進ラウンドとなってしまい、第6ラウンド以降に継続しないことを表している。また、キャラクタ71の個数が1である場合、抽選によって選択されたラウンドが「15」である(継続促進ラウンドが最大14ラウンドまで継続する)確率が、第5ラウンドでラウンドが終了してしまう確率より低いことを表している。また、キャラクタ71の個数が2である場合、抽選によって選択されたラウンドが「15」である(継続促進ラウンドが最大14ラウンドまで継続する)確率が、第5ラウンドでラウンドが終了してしまう確率より高いことを表している。また、キャラクタ71の個数が3である場合、抽選によって選択されたラウンドが「15」である確率が、キャラクタ71の個数が2のときよりもさらに高いことを表している。そして、キャラクタ71の個数が4である場合、抽選によって選択されたラウンドが「15」であることを表している。
キャラクタ71の個数は、抽選によって選択される。遊技機は、抽選によって決定されたラウンド数が多いほど、高い割合で、キャラクタ71の個数が2個以上になるようにキャラクタ71の個数選択を行う。
また、V入賞時に偽報知演出を行った場合にも、同様の演出を行う。すなわち、予め定められた所定ラウンド(本例では、第4ラウンド)の終了時以前のラウンドにおいてキャラクタ71を表示する演出を行う。また、選択されたラウンド数が「5」であり、そのラウンド数をそのまま報知することもある(真報知演出)。この場合にも、同様の演出を行う。偽報知演出のときのみキャラクタを表示させ、ラウンド数「5」の報知が真の報知のときにはキャラクタを表示させないとすると、ラウンド数を示す「5」の報知が偽の報知なのか真の報知なのかすぐに遊技者にわかってしまうからである。ラウンド数を「5」と表示する真報知演出を行う場合と、ラウンド数を「5」と表示する偽報知演出を行う場合の双方においてキャラクタ71を表示する演出を行うことにより、『ラウンド数「5」と表示されたがその後もラウンドが継続するかもしれない。』という期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、本実施形態では、不明演出や偽報知演出の後において、第4ラウンド終了時までに表示させるキャラクタは1種類だけでなく2種類とする。図7は、図6と同様に、ラウンド中に所定の画像(いるかのキャラクタ)を表示する演出の例を示している。図7(a)は、青いいるかのキャラクタ(以下、青キャラクタと記す。)71aを表示した場合の演出例を示し、図7(b)は、赤いいるかのキャラクタ(以下、赤キャラクタと記す。)71bを表示した場合の演出例を示している。図7では、青キャラクタ71aを実線で表し、赤キャラクタ71bを破線で表している。第4ラウンド終了時までにキャラクタを表示させる場合、青キャラクタ71aと赤キャラクタ71bのいずれか一方を表示させる。
青キャラクタ71aが表示される場合であっても、赤キャラクタ71bが表示される場合であっても、図6に示す場合と同様に、第4ラウンド終了時までに表示されるキャラクタの個数が多いほど、選択されたラウンド数が15である確率が高い。また、第4ラウンド終了時までに表示されるキャラクタの数が同じならば、赤キャラクタ71bが表示されているときの方が、選択されたラウンド数が15である確率が高いことを表している。図7(a)および図7(b)に示す各演出では、いずれも第4ラウンドまでに3個のキャラクタが表示されている。この場合、赤キャラクタ71bが表示されている図7(b)に示す演出の方が、図7(a)に示す演出よりも、選択されたラウンド数が15である確率が高い。このように、キャラクタの個数だけではなく、キャラクタの種類も利用して、選択されたラウンド数が15である確率の高さを示す。
キャラクタの種別は、抽選によって選択される。遊技機は、抽選によって決定されたラウンド数が多いほど、高い割合で、赤キャラクタ71bを選択する。
図6や図7に示したキャラクタの表示制御については後述する。
図8は、遊技制御基板(主基板)の回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図8には、払出制御基板77、演出制御基板80および発射制御基板91も示されている。図8に示すように、主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、V入賞スイッチ30a、始動口スイッチ5a〜5c、入賞口スイッチ7a,7b、カウントスイッチ25a,25bおよび球通過センサ26からの検出信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58が搭載されている。
なお、V入賞スイッチ30a、始動口スイッチ5a〜5c、入賞口スイッチ7a,7b、カウントスイッチ25a,25b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
また、主基板31には、各ソレノイド24a,24b,35を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、球取込部材43を移動させるモータ36および回転板41を一定方向に回転させるモータ38を基本回路53からの指令に従って駆動するモータ回路60とが搭載されている。また、主基板31には、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報等の情報出力信号を管理装置(ホールコンピュータ等の外部機器;図示せず)に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
なお、遊技制御手段とは、主基板31に搭載されている基本回路53を含む各種回路で実現される。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータに相当する。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56等は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
また、演出制御基板80には、演出手段としての可変表示装置28、スピーカ27、サイドランプ9a〜9d、枠装飾ランプ21a〜21c等を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用のプログラム等を記憶するROM102、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM103、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU101およびI/Oポート部104を含む。演出制御用CPU101等も、1チップマイクロコンピュータである。
図8には示されていないが、演出制御基板80には、演出制御用CPU101からの指令信号に従って、可変表示装置28に表示させる各種画像の描画処理を実行するVDP(ビデオディスプレイプロセッサ;GCL(グラフィックコントローラLSI)ともいう。)や、可変表示装置28に表示される画像の元となる各種画像データ(CGデータ)を格納するCGROM等も搭載されている。
なお、演出制御手段とは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100やVDP等を含む各種回路で実現される。
この実施の形態では、演出制御手段が、遊技制御手段からの演出制御コマンドに従って、画像の描画処理等を実行した後、画像データを可変表示装置28に出力することにより、可変表示装置28の表示画面に画像を表示させる表示制御を行う。また、演出制御手段は、演出制御コマンドにもとづくデータを、スピーカ27、サイドランプ9a〜9d、枠装飾ランプ21a〜21c等を駆動する駆動回路(図示せず)に出力することにより、音出力制御およびランプ・LED制御を実行する。
また、景品としての遊技球の払い出しを行う球払出装置97は、払出制御基板77に搭載されている払出制御手段によって制御される。
次に遊技機の動作について説明する。まず、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理について説明する。図9は、メイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入されると、CPU56は、所定のセキュリティチェック処理を行った後、必要な初期設定処理を行う(ステップS1)。初期設定処理としては、RAMクリア処理、フラグの初期値設定処理等がある。また、例えば2ms毎に定期的にタイマ割込みが発生するように、レジスタの設定を行う。すなわち、初期値として、例えば2msに相当する値を所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定する。その後、ループ処理に移行する。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込処理を実行する。図10は、2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。なお、図10に示すステップS10〜S17の処理が遊技制御処理に相当する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、V入賞スイッチ30a、始動口スイッチ5a〜5c、入賞口スイッチ7a,7b、カウントスイッチ25a,25bおよび球通過センサ26の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS10)。次いで、CPU56は、各種エラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS11)。次に、遊技制御に用いられるラウンド数決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各ランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS12)。
次いで、CPU56は、可変入賞装置20の動作を制御する可変入賞装置制御処理を実行する(ステップS13)。可変入賞装置制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための処理選択フラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、処理選択フラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS14)。
さらに、CPU56は、始動口スイッチ5a〜5cや入賞口スイッチ7a,7b等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS15)。具体的には、始動口スイッチ5a〜5cや入賞口スイッチ7a,7b等の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板77に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板77に搭載されている払出制御手段は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
次いで、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS16)。さらに、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS17)。可変入賞装置10の開閉片23a,23bを開状態または閉状態としたり、受皿40を駆動したり、球取込部材43を駆動したりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド24a,24b,35,36を駆動する。その後、割込許可状態に設定する(ステップS18)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、可変入賞装置20の制御処理について説明する。図11は、可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。図11に示す可変入賞装置制御処理は、図10に示すステップS13の具体的な処理である。CPU56は、可変入賞装置制御処理を行う際に、後述する始動判定処理(ステップS100)およびV入賞判定処理(ステップS101)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS102〜S108のうちのいずれかの処理を行う。
通常処理(ステップS102):遊技球が始動入賞口4a〜4cのいずれにも入賞していない状態のときに始動入賞が発生するのを待つ。なお、始動入賞があったことを始動口スイッチ4a〜4cのいずれかが検出すると、始動判定処理(ステップS100)おいて、可変入賞装置制御処理における制御タイミングを監視する制御タイマに開放前時間が設定されるとともに、内部状態(処理選択フラグ)がステップS103に移行するように「1」に更新される。
大入賞口開放前処理(ステップS103):制御タイマを監視することによって始動入賞があったときから開閉片23a,23bを開状態とするまでの時間(開放前時間)を計測する。開放前時間が経過すると、開閉片23a,23bを駆動して大入賞口(可変入賞装置20)を開放状態にする。また、制御タイマに開放中時間を設定する。そして、内部状態(処理選択フラグ)をステップS104に移行するように「2」に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS104):制御タイマを監視することによって開閉片23a,23bを開状態にしてから開閉片23a,23bを閉状態にするまでの時間(開放中時間)を計測する。可変入賞装置20の開放中に遊技球が可変入賞装置20に入賞したことをカウントスイッチ25a,25bが検出したときは、開放中入賞指定コマンド(A500(H))を演出制御基板80に送信する。開放中時間が経過すると、開閉片23a,23bを駆動して大入賞口を閉鎖状態にする。また、制御タイマに閉鎖後時間を設定する。そして、始動入賞が1始動口4a,4cへの入賞であったときは、内部状態(処理選択フラグ)をステップS105に移行するように「3」に更新し、始動入賞が2始動口4bへの入賞であったときは、内部状態をステップS103に戻すように「1」に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS105):球通過センサ26による球通過の感知の有無を確認する。球通過センサ26が球通過を感知すると、球通過感知指定コマンド(A600(H))を演出制御基板80に送信する。また、所定時間経過後に球取込部材43を駆動させる。また、大入賞口の閉鎖後にV入賞が有効であると認められる時間(閉鎖後時間)を計測する。閉鎖後時間が経過すると、内部状態(処理選択フラグ)をステップS102に移行するように「0」に更新する。閉鎖後時間が経過する前にV入賞判定処理(ステップS101)が実行されると、V入賞判定処理において、制御タイマにラウンド開始前時間(報知演出実行時間ともいう)が設定されるとともに、内部状態(処理選択フラグ)がステップS106に移行するように「4」に更新される。なお、当該大入賞口閉鎖後処理については後で詳しく説明する。
ラウンド開始前処理(ステップS106):制御タイマを監視することによってV入賞があったときから次のラウンドが開始されるまでの時間(ラウンド開始前時間)を計測する。ラウンド開始前時間が経過すると、所定の開閉パターンに従って開閉片23a,23bを開閉させるラウンド中の動作を開始させる。また、制御タイマにラウンド時間を設定する。また、開放指定コマンド(A1XX(H))を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(処理選択フラグ)をステップS107に移行するように「5」に更新する。なお、当該大入賞口閉鎖後処理については後で詳しく説明する。
ラウンド中処理(ステップS107):制御タイマを監視することによって各ラウンドが実行される時間(ラウンド時間)を計測する。また、可変入賞装置20に入賞した入賞球の個数をカウントスイッチ25a,25bで検出してカウントする。カウントスイッチ25a,25bが入賞球を検出する毎に入賞個数指定コマンド(A4XX(H))を演出制御基板80に送信する。ラウンド時間が経過した場合または入賞個数が10個に達した場合は、制御タイマにラウンド後時間を設定するとともに、開閉片23a,23bを駆動して大入賞口を閉鎖状態にする。また、開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(処理選択フラグ)をステップS108に移行するように「6」に更新する。なお、当該大入賞口閉鎖後処理については後で詳しく説明する。
ラウンド後処理(ステップS108):所定時間経過後に球取込部材43を駆動させる。また、制御タイマを監視することによってラウンド終了後にV入賞が有効であると認められる時間(V入賞検出時間)を計測する。V入賞検出時間が経過すると、内部状態(処理選択フラグ)をステップS102に移行するように「0」に更新する。V入賞検出時間が経過する前にV入賞判定処理(ステップS101)が実行されると、V入賞判定処理において、次のラウンドに継続すると判定されたときは、制御タイマにラウンド開始前時間が設定されるとともに、内部状態(処理選択フラグ)がステップS106に移行するように「4」に更新される。V入賞判定処理において、次のラウンドに継続しないと判定されたときは、内部状態(処理選択フラグ)がステップS102に移行するように「0」に更新される。なお、当該大入賞口閉鎖後処理については後で詳しく説明する。
次に、始動無効期間およびV有効期間について説明する。図12は、始動無効期間およびV有効期間を示す説明図である。始動無効期間は、始動入賞の発生を無効とする期間である。V有効期間は、V入賞の発生を有効と認める期間である。
図12(A)に示すように、1始動入賞の場合は、1始動入賞時から1.0S(開放前時間)後に開閉片23a,23b(ハネ)が開状態となり、開閉片23a,23bが開状態となったときから0.4S(開放中時間)後に開閉片23a,23bが閉状態となる。そして、開閉片23a,23bが閉状態となったときから6.5S(閉鎖後時間)が経過するまでの間にV入賞がなかった場合は、始動入賞にもとづく始動動作状態が終了する。ここで、図12(A)に示すように、始動入賞があったときから開閉片23a,23bが閉状態となるまでの期間が始動無効期間である。当該期間内に始動入賞が新たに発生しても始動動作(ハネが開く)は実行されずに無効とされる。また、始動入賞があったときから開閉片23a,23bの閉状態後6.5S経過するまでの期間がV有効期間である。当該期間内に球取込部材43が駆動されてV入賞が発生すると、V入賞が認められて大当りとなる。すなわち、V有効期間以外の期間にV入賞が発生しても、大当りとならない。
図12(B)に示すように、2始動入賞の場合は、2始動入賞時から1.0S(開放前時間)後に開閉片23a,23b(ハネ)が開状態となり、開閉片23a,23bが開状態となったときから0.5S(開放中時間)後に開閉片23a,23bが閉状態となる。また、開閉片23a,23bが閉状態となったときから1.0S(開放前時間)後に開閉片23a,23b(ハネ)が再び開状態となり、開閉片23a,23bが開状態となったときから0.5S(開放中時間)後に開閉片23a,23bが閉状態となる。そして、開閉片23a,23bが閉状態となったときから6.5S(閉鎖後時間)が経過するまでの間にV入賞がなかった場合は、始動入賞にもとづく始動動作状態が終了する。ここで、図12(B)に示すように、始動入賞があったときから開閉片23a,23bの2回目の閉状態となるまでの期間が始動無効期間である。当該期間内に新たに始動入賞が発生しても始動動作は実行されずに無効とされる。また、始動入賞があったときから開閉片23a,23bの2回目の閉状態後6.5S経過するまでの期間がV有効期間である。当該期間内に球取込部材43が駆動されてV入賞が発生すると、V入賞が認められて大当りとなる。すなわち、V有効期間以外の期間にV入賞が発生しても、大当りとならない。
図13は、ステップS100の始動判定処理を示すフローチャートである。始動判定処理において、CPU56は、まず、現在の処理選択フラグの値が「1」または「2」であるか否かを確認する(ステップS200)。すなわち、始動無効期間であるか否かを確認する。処理選択フラグが「1」でも「2」でもなかったときは、CPU56は、処理選択フラグが「4」〜「6」のいずれかであるか否かを確認する(ステップS201)。すなわち、大当り中であるか否かを確認する。処理選択フラグが「1」,「2」,「4」〜「6」のいずれかであった場合は、処理を終了する。処理選択フラグが「1」,「2」,「4」〜「6」のいずれでもなかった場合は、始動入賞口4a〜4cのいずれかに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ5a〜5cのいずれかがオンしたか否かを確認する(ステップS202)。始動口スイッチ5a〜5cのいずれもオンしていなかったら、処理を終了する。始動口スイッチ5a〜5cのいずれかがオンしていたら、CPU56は、始動入賞指定コマンド(E000(H)またはE001(H))を演出制御コマンド80に送信する処理を実行する(ステップS203)。
次いで、CPU56は、処理選択フラグが「3」であるか否かを確認する(ステップS204)。すなわち、V入賞を検出する大入賞口閉鎖後処理(ステップS105)が実行されているか否かを確認する。処理選択フラグが「3」であれば、ステップS205〜S212の新たに乱数値を抽出する処理などを実行せずに、処理選択フラグを「1」に更新して(ステップS213)、処理を終了する。このように、大入賞口閉鎖後処理が実行されているときは、図12に示したようにV有効期間内であるが、その期間内に新たに始動入賞が発生しても、各種乱数値を抽出し直す処理や、ラウンド数等を決定し直す処理など(後述するステップS205〜S212)を行わない。
処理選択フラグが「3」でなければ、処理選択フラグが「0」の通常処理(ステップS102)が実行されているので、CPU56は、ラウンド数決定用乱数値を抽出し(ステップS205)、抽出したラウンド数決定用乱数値をRAM55の所定領域に記憶する(ステップS206)。そして、CPU56は、ラウンド数決定用乱数値にもとづいて、大当りとなったときのラウンド数を判定する(ステップS207)。なお、このときに判定されるラウンド数より一つ少ない回数が、継続促進ラウンド(高確率ラウンド)のラウンド数である。
ラウンド数は、例えば図14に示すラウンド数決定用テーブルを用いて判定される。具体的には、図14に示すように、ラウンド数として、2ラウンド、5ラウンドおよび15ラウンドの3種類が予め定められている。そして、ラウンド数決定用テーブルには、10個の乱数値が各ラウンドに振り分けられている。すなわち、0〜9の値が2ラウンドに振り分けられ、10〜19の値が5ラウンドに振り分けられ、20〜29の値が15ラウンドに振り分けられている。CPU56は、抽出したラウンド数決定用乱数値がラウンド数決定用テーブルのどのラウンド数に対応しているかを確認することにより、大当りとなったときのラウンド数を判定する。従って、各ラウンドは、1/3の確率で大当りとなったときのラウンド数として判定されることになる。このように、乱数値が予め振り分けられたテーブルを用意しておき、抽出した乱数がテーブル内のどの乱数に該当するのかによってラウンド数等を判定することを内部抽選という。ここでは、ラウンド数を判定する場合を示したが、内部抽選による判定対象はラウンド数に限られない。
次いで、CPU56は、演出決定用乱数値を抽出し(ステップS208)、抽出した演出決定用乱数値をRAM55の所定領域に記憶する(ステップS209)。そして、CPU56は、演出決定用乱数値にもとづいて、予告演出の有無および予告演出の種類(態様)を決定する(ステップS210)。
予告演出の有無および予告演出の種類は、例えば図15に示す予告演出および報知演出の動画パターン決定用テーブルを用いて決定される。ここで、報知演出は、V入賞が発生した後最初のラウンドが開始されるまでに、抽選により決定されたラウンド数(2ラウンド、5ラウンドまたは15ラウンド)、または抽選により決定されたラウンド数がどのラウンド数であるか不明であること(?ラウンド)を遊技者に報知する演出である。報知演出には、決定されたラウンド数とは異なる偽のラウンド数を報知する演出も含まれる。報知演出のことをラウンド数抽選演出ともいう。また、予告演出は、報知演出が実行される前に、抽選により決定されるラウンド数(あるいは所定のラウンド数が抽選により決定される可能性が高いこと)、または抽選により決定されるラウンド数がどのラウンド数であるか不明であることを報知する報知演出が実行されること(当該報知演出が実行される可能性が高いこと)を遊技者に予告(予め報知)する演出である。
この実施の形態では、図15に示すように、報知演出の種類として、「ノーマル演出」、「ノーマル演出再抽選」、「法則崩れ演出1〜5」、「プレミア演出」の8種類の演出パターンが設けられている。また、ラウンド数を示す図柄として、「2」と「5」と「15」の図柄が設けられている。さらに、ラウンド数が不明であることを示す不明情報の図柄として、「?」(例えば青色の?)と「赤?」(赤色の?)の図柄が設けられている。そして、図15に示すように、動画パターン決定用テーブルには、報知演出時に可変表示装置28に表示される報知演出の動画パターンとして、報知演出の種類と最終停止図柄の種類との組み合わせにより予め26種類の動画パターンが設定されている。
また、図15に示すように、動画パターン決定用テーブルには、予告演出時に可変表示装置28に表示される予告演出の動画パターンとして、5種類の動画パターン「予告A〜E」と予告演出を実行しない「なし」とが、26種類の報知演出の動画パターンに対応付けられて設定されている。具体的には、動画パターン番号1,2,4〜8,11,14〜22には「なし」が設定され、動画パターン番号3,12には「予告A」が設定され、動画パターン番号13,23には「予告B」が設定され、動画パターン番号9,24には「予告C」が設定され、動画パターン番号10,25には「予告D」が設定され、動画パターン番号26には「予告E」が設定されている。
動画パターン番号1,2は、ラウンド数決定用乱数にもとづいて決定されたラウンド数が2ラウンドであるときの動画パターンのグループであり、動画パターン番号3〜10は、同様に決定されたラウンド数が5ラウンドであるときの動画パターンのグループであり、動画パターン番号11〜26は、同様に決定されたラウンド数が15ラウンドであるときの動画パターンのグループである。従って、動画パターン番号1,2の最終停止図柄は「2」または「?」となっており、動画パターン番号3〜10の最終停止図柄は「5」または「?」「赤?」となっおり、動画パターン番号11〜26の最終停止図柄は「15」または「?」「赤?」となっている。
各動画パターンには、図15に示すような個数の演出決定用乱数値が振り分けられている。ここで、各グループ内の動画パターンに振り分けられた乱数値の個数の合計は251個となっている。すなわち、各グループ内の複数種類の動画パターンには0〜250の範囲内の乱数値がそれぞれ所定個数振り分けられている。
CPU56は、予告演出の有無および予告演出の種類を決定するとき、ステップS207によって判定されたラウンド数にもとづいてグループを選別し、選別したグループ内の複数種類の動画パターンから、動画パターン決定用テーブルにおいて演出決定用乱数値に対応している一の予告演出の動画パターンを決定する。例えば、CPU56は、ラウンド数が5ラウンドであるときは、5ラウンドのグループ内の動画パターン番号3〜10の中から、演出決定用乱数値に対応している動画パターン番号の動画パターン(例えば動画パターン番号3に対応する「予告A」の動画パターン)を予告演出の動画パターンに決定する。このように決定した予告演出の動画パターンが「なし」であれば、予告演出を実行しないことになり、予告演出の動画パターンが「予告A」〜「予告E」のいずれかであれば、当該予告演出を実行することになる。
なお、この実施の形態において、「予告A」〜「予告B」は、それぞれ、異なるキャラクタ(くじら等)などを登場させる演出である。予告演出のうち、「予告A」、「予告B」および「予告E」は、ラウンド数(最終停止図柄「5」または「15」)を予告するための予告演出であり、「予告C」および「予告D」は、ラウンド数が不明であること(最終停止図柄「?」または「赤?」)を報知する報知演出が実行されることを予告するための予告演出である。ちなみに、「予告C」は報知演出の最終停止図柄が「?」となることを予告し、「予告D」は報知演出の最終停止図柄が「赤?」になることを予告する。
ここで、ラウンド数を予告する予告演出のうち、「予告B」および「予告E」は、ラウンド数が15ラウンドの場合にのみ実行される。従って、「予告B」および「予告E」が実行されると、常に(100%の確率で)報知演出において15ラウンド(最終停止図柄が「15」)が報知されることになる。「予告A」は、ラウンド数が5ラウンドと15ラウンドの場合に実行される。従って、「予告A」が実行されると、報知演出において所定の割合で5ラウンドが報知され、また報知演出において所定の割合で15ラウンドが報知される。具体的には、「予告A」は、5ラウンドのとき20/251の確率で実行され、15ラウンドのとき40/251の確率で実行されるので、「予告A」が実行されたときは、20/60(=1/3)の割合で5ラウンドとなり、40/60(=2/3)の割合で15ラウンドとなる。
また、ラウンド数の不明を報知する報知演出の実行を予告する予告演出のうち、「予告C」は、ラウンド数が5ラウンドと15ラウンドの場合に実行される。従って、「予告C」が実行されたときは、報知演出によりラウンド数の報知は行われないが、5ラウンドまたは15ラウンドに決定されている状態になっている。ラウンド数が5ラウンドに決定されて「予告C」が実行される割合は所定の割合である。同様に、ラウンド数が15ラウンドに決定されて「予告C」が実行される割合も所定の割合である。具体的には、「予告C」が実行されたときは、50/88の割合で5ラウンドとなり、38/88の割合で15ラウンドとなる。同様に、「予告D」も、ラウンド数が5ラウンドと15ラウンドの場合に実行される。従って、「予告D」が実行されたときは、報知演出によりラウンド数の報知は行われないが、5ラウンドまたは15ラウンドに決定されている状態になっている。ラウンド数が5ラウンドに決定されて「予告D」が実行される割合は所定の割合である。同様に、ラウンド数が15ラウンドに決定されて「予告D」が実行される割合も所定の割合である。具体的には、「予告D」が実行されたときは、4/14の割合で5ラウンドとなり、10/14の割合で15ラウンドとなる。以上のように、「予告C」が実行されたときよりも「予告D」が実行されたときの方が、15ラウンドとなる割合が高い。
なお、図15に示すように、2ラウンドとすることが決定されたときには、予告演出は常に実行されない。少ないラウンド数の予告を行っても、遊技者をがっかりさせるだけであり、期待感をあおることができないからである。従って、予告演出が実行されたときには、少なくとも5ラウンド以上が確定したことを遊技者は認識することができる。このことは、ラウンド数の不明を報知する報知演出の実行を予告する「予告C」および「予告D」が実行されたときであっても同様である。
また、図15において、「C3XX」は予告演出の種類を指定する予告演出指定コマンドを示し、「80XX」は報知演出の種類を指定する報知演出指定コマンドを示している。また、「時間」は、報知演出が実行される時間、厳密には、動画が開始されてキャラクタが出てきた瞬間から動画が停止した後600ms経過するまでの時間を示している。また、ラウンド数が15ラウンドである動画パターン番号15と、ラウンド数が5ラウンドである動画パターン番号5との組み合わせは、偽報知演出を行うために用いられる。CPU56が報知演出指定コマンドとして「800E(H)」を選択し、「800E(H)」を演出制御用CPU101に送信した場合、演出制御用CPU101は、偽報知演出を行うか否かを抽選により決定する。偽報知演出を行うと決定した場合、演出制御用CPU101は「8004(H)」を受信したときと同様の報知演出を行う。従って、動画パターン番号として15が選択されて15ラウンドが確定した場合であっても、動画パターン番号として5が選択されて5ラウンドが確定したときと同様の報知演出を行うことになる。このような偽報知演出を行うための組み合わせは、「時間(報知演出が実行される時間)」が同一であることを条件に成立する。動画パターン番号15および5の「時間」はいずれも15000msであるので、この条件を満たしている。また、本実施形態では、偽報知を行うための動画パターンの組み合わせが、予告を行わない動画パターン同士の組み合わせである場合を例にする。なお、CPU56が「800E(H)」を送信した場合、必ず偽報知が行われるとは限らず、演出制御用CPU101が抽選によって偽報知演出を行わないと決定した場合には、「800E(H)」に基づく真の報知(選択されたラウンド数が「15」である旨の報知)が行われる。
CPU56は、予告演出の有無および種類を決定すると(ステップS210)、決定した予告演出の有無および種類に応じた予告演出コマンド(C3XX(H))を演出制御基板80に送信する(ステップS211)。次いで、CPU56は、制御タイマに開放前時間をセットし(ステップS212)、処理選択フラグを「1」に更新して(ステップS213)、処理を終了する。
図16は、ステップS105の大入賞口閉鎖後処理を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、制御タイマの値を1減算し(ステップS300)、制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS301)。なお、制御タイマには、ステップS104の大入賞口開放中処理において閉鎖後時間がセットされている。
制御タイマの値が0でなければ、CPU56は、球通過センサ26が球通過を検出したか否か(オンしたか否か)を確認し(ステップS302)、球通過を検出していたときは、球通過感知指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS303)。次いで、CPU56は、制御タイマの値が所定の値nであるか否かを確認する(ステップS304)。所定の値nは、球取込部材43を動作させるタイミングに相当する値である。例えば、大入賞口が閉鎖してから2秒後に球取込部材43を動作させる。制御タイマの値がnとなったときに、CPU56は、モータ36によって球取込部材43を下方に移動させる(ステップS305)。
ステップS301において制御タイマの値が0になれば、CPU56は、V有効期間内にV入賞が発生しなかったと判断して、処理選択フラグを「0」に更新して(ステップS306)、処理を終了する。なお、制御タイマの値が0になる前にV入賞が発生すると、V入賞判定処理(ステップS101)が実行される。
図17は、ステップS101のV入賞判定処理を示すフローチャートである。V入賞判定処理において、CPU56は、処理選択フラグの値が「1」〜「3」,「5」,「6」であるか否か、すなわちV有効期間内であるか否かを確認する(ステップS230)。V有効期間内である場合は、当該期間内にV入賞が発生したか否かを確認する(ステップS231)。V有効期間内でなく、またV有効期間内であってもV入賞が発生しなかった場合は、処理を終了する。
V有効期間内にV入賞が発生した場合は、CPU56は、ラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認し、その値が0であるか否か、すなわち大当りが発生したばかりの状態であるか否かを判定する(ステップS232)。ラウンド数カウンタの値が0であれば、CPU56は、RAM55の所定領域に記憶されているラウンド数決定用乱数値を読み出す(ステップS233)。そして、読み出したラウンド数決定用乱数値に対応するラウンド数を図14に示したラウンド数決定用テーブルから選択して決定する(ステップS234)。このように決定したラウンド数は、始動判定処理のステップS207において決定したラウンド数と同じである。すなわち、ステップS207およびステップS234のいずれの処理も、ステップS205において抽出した同じ演出決定用乱数を用いてラウンド数を決定している。従って、ステップS207において決定したラウンド数を記憶しておき、そのラウンド数を読み出すようにしてもよい。
次に、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を1にする(ステップS235)。そして、CPU56は、RAM55の所定領域に記憶されている演出決定用乱数値を読み出す(ステップS236)。そして、図15に示した動画パターン決定用テーブルからラウンド数に対応したグループを選別し、選別したグループ内の複数種類の動画パターンから演出決定用乱数値に対応する動画パターン(報知演出の種類)を選択して決定する(ステップS237)。
ここで、決定される報知演出の種類(対応)として、上述したように、「ノーマル演出」「ノーマル演出再抽選」「法則崩れ演出1〜5」および「プレミア演出」の8種類がある。この実施の形態において、「ノーマル演出」は、「2」と「?」と「5」と「15」の図柄が順に横スクロールした後にコマ送りとなる演出である。「ノーマル演出再抽選」は、ノーマル演出が実行されて図柄が停止した後に図柄が再度動き出して「5」または「15」に昇格する演出である。「法則崩れ演出1」は、図柄の配列が「15」と「5」のみに変化する演出である。「法則崩れ演出2」は、図柄が逆に動いて「15」で停止する演出である。「法則崩れ演出3」は、図柄の配列が全て「15」に変化する演出である。「法則崩れ演出4」は、ノーマル演出のコマ送り時の最初に「15」の図柄が出現する演出である。「法則崩れ演出5」は、「?」の図柄が「赤?」の図柄に入れ替わっている演出である。「プレミア演出」は、図柄とは関係のないムービー画像がいきなり始まる演出である。
また、上述したように、可変表示装置28に表示される最終停止図柄には、ラウンド数を示す「2」「5」および「15」の図柄と、ラウンド数が不明であることを示す「?」および「赤?」の図柄とがある。図15に示すように、「?」の図柄は、内部抽選により2ラウンドと決定されたときは、30/251の確率で表示される。また、内部抽選により5ラウンドと決定されたときは、(30+50)/251=80/251の確率で表示される。また、内部抽選により15ラウンドと決定されたときは、(48+38)/251=86/251の確率で表示される。よって、図柄「?」が表示されたときは、30/(30+80+86)=30/196の割合で2ラウンドとなり、80/196の割合で5ラウンドとなり、86/196の割合で15ラウンドとなる。
「赤?」の図柄は、内部抽選により2ラウンドと決定されたときは、表示されることはない。また、内部抽選により5ラウンドと決定されたときは、(4+4)/251=8/251の確率で表示される。また、内部抽選により15ラウンドと決定されたときは、(10+10)/251=20/251の確率で表示される。よって、図柄「赤?」が表示されたときは、8/(8+20)=8/28の割合で5ラウンドとなり、20/28の割合で15ラウンドとなる。
以上で明らかなように、「赤?」が表示されたときは「?」が表示されたときよりも15ラウンドとなる割合は高い。
なお、図15に示す予告演出と報知演出との対応関係から明らかなように、ラウンド数を報知する予告A,B,Eが実行されるときには、最終停止図柄が「?」「赤?」となる報知演出は実行されない。ラウンド数が不明であることを報知する(最終停止図柄として「?」「赤?」を表示する)と、大当りのラウンド数がいくつに決定されたかについて遊技者にわからないので、大当り中にラウンドが終了するか否かの危機感をあおることができる。しかし、ラウンド数を報知する予告A,B,Eを実行した後に、報知演出にてラウンド数が不明であることを報知しても、遊技者は予告演出A,B,Eによりラウンド数が予測できてしまう。よって、遊技者に大当り中の危機感をあおることができなくなってしまう。このような事態を回避するために、予告A,B,Eが実行されるときには、最終停止図柄が「?」「赤?」となる報知演出は実行しないようにしている。なお、最終停止図柄として「?」「赤?」の報知演出が実行されることを予め予告するための予告演出(予告C,D)は、当然に最終停止図柄が「?」「赤?」となる報知演出が実行されるときに実行される。
なお、ステップS237において決定した報知演出の種類は、始動判定処理のステップS210において予告演出の有無および種類を決定するときに用いた乱数値と同じ乱数値を用いている。従って、ステップS210において決定した動画パターンの番号を記憶しておき、その番号を読み出して報知演出の種類を決定するようにしてもよい。
CPU56は、ステップS237において決定した報知演出の種類を指定する報知演出指定コマンド(80XX(H))を演出制御基板80に送信する(ステップS238)。そして、CPU56は、制御タイマに報知演出実行時間(ラウンド開始前時間)をセットし(ステップS239)、処理選択フラグの値を「4」に更新して(ステップS240)、処理を終了する。
なお、CPU56がステップS237において「800E(H)」を選択し、ステップS238で「800E(H)」を送信した場合、選択されたラウンド数が「5」である旨の偽の報知が演出制御用CPU101によって行われることがある。偽の報知を行うか否かは、演出制御用CPU101によって決定される。
ステップS232において、ラウンド数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を1加算し(ステップS241)、ラウンド数カウンタの値が継続促進ラウンド数以上であるか否かを判定する(ステップS242)。継続促進ラウンド数は、ステップS234で決定されたラウンド数よりも1回少ない回数である。ラウンド数カウンタの値が継続促進ラウンド数以上である場合は、CPU56は、継続促進ラウンド数を超えてラウンドが継続することを開放前に指定する開放前指定コマンド(A0XX(H))を演出制御基板80に送信する(ステップS243)。
次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が16であるか否か、すなわち選択対象となるラウンドのうちの最大ラウンドである15ラウンドが終了したか否かを判定する(ステップS244)。ラウンド数カウンタの値が16でなければ、CPU56は、制御タイマにインターバル時間をセットする(ステップS245)。そして、CPU56は、直前のラウンド終了後のV有効期間内にV入賞が発生したことを示す直前ラウンドV入賞発生指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する(ステップS246)。CPU56は、その後、処理選択フラグの値を「4」に更新して(ステップS240)、処理を終了する。一方、ラウンド数カウンタの値が16であれば、そのまま処理を終了する。これにより、その後、大入賞口閉鎖後処理において、制御タイマがタイムアウトして、処理選択フラグの値が「0」に更新されることになる。
図18は、ラウンド開始前処理を示すフローチャートである。ラウンド開始前処理において、CPU56は、制御タイマの値を1減算し(ステップS310)、制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS311)。制御タイマの値が0であれば、処理を終了する。制御タイマの値が0でなければ、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が継続促進ラウンド数以上であるか否かを判定し(ステップS312)、継続促進ラウンド数以上でなければ、ラウンド数カウンタの値が15であるか否か、すなわち14ラウンドが終了したか否かを判定する(ステップS313)。ラウンド数カウンタの値が継続促進ラウンド数以上である場合、また継続促進ラウンド数以上でなくともラウンド数カウンタの値が15である場合は、ソレノイド35をオンにしてラウンド継続妨害部材としての受皿40を立てるように駆動する(ステップS314)。これにより、次に開始されるラウンドは、非継続促進ラウンド(低確率ラウンド)に変更されることになる。
そして、CPU56は、大入賞口の開放を指定する開放指定コマンド(A1XX(H))を演出制御基板80に送信する(ステップS315)。そして、CPU56は、大入賞口を開閉させるソレノイド24a,24bのオン・オフのパターンである所定の開閉パターンに従ってソレノイド24a,24bの駆動を開始させる(ステップS316)。これにより、ラウンド中の開閉片23a,23bの開閉動作が開始される。そして、CPU56は、制御タイマにラウンド時間をセットし(ステップS317)、処理選択フラグの値を「5」に更新して(ステップS318)、処理を終了する。
図19は、ラウンド中処理を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、CPU56は、制御タイマの値を1減算し(ステップS320)、制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS321)。制御タイマの値が0でなければ、CPU56は、カウントスイッチ25a,25bがオンしたか否かを確認し(ステップS322)、カウントスイッチ25a,25bがオンする毎に、大入賞口への入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を1加算して(ステップS323)、ラウンド中の大入賞口への入賞個数を示す入賞個数指定コマンド(A4XX(H))を演出制御基板80に送信する(ステップS324)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が10であるか否かを確認し(ステップS325)、入賞個数カウンタの値が10になれば、ラウンドを終了するときの大入賞口の閉鎖を指定する開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御基板80に送信する(ステップS326)。
次いで、CPU56は、ソレノイド24a,24bをオフにして大入賞口を閉鎖する(ステップS327)。そして、CPU56は、制御タイマにV入賞検出時間をセットし(ステップS328)、処理選択フラグの値を「6」に更新して(ステップS329)、処理を終了する。
ステップS321において、制御タイマの値が0であることが確認されたときも、上記のステップS326〜S329の処理を実行する。すなわち、ラウンド中に10個入賞したとき、またはラウンド時間が経過したときは、ラウンドが終了することになる。
図20は、ラウンド後処理を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、CPU56は、制御タイマの値を1減算し(ステップS340)、制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS341)。制御タイマの値が0になれば、CPU56は、V有効期間内にV入賞が発生しなかったと判断して、処理選択フラグを「0」に更新して(ステップS342)、処理を終了する。なお、制御タイマの値が0になる前にV入賞が発生すると、上述したV入賞判定処理(ステップS101)が実行される。
次に、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの内容について説明する。図21は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図21に示す例において、コマンド8000(H)〜8019(H)は、V入賞時に決定される、図15に示された動画パターン番号1〜26の報知演出の動画パターンを指定する演出制御コマンド(報知演出指定コマンド)である。なお、報知演出指定コマンドは、報知演出の実行開始指示も兼ねている。
A003(H)〜A010(H)は、継続促進ラウンド数を超えてラウンドが継続する場合に、事前に大入賞口の開放を指定する演出制御コマンド(開放前指定コマンド)である。なお、継続促進ラウンド数は最低1ラウンドであるので、3回目の大入賞口の開放(1回目の開放が始動入賞にもとづく開放であり、2回目の開放が1ラウンド目の開放である)を指定するコマンドから定義されている。
A102(H)〜A110(H)は、ラウンドを開始するときに大入賞口の開放を指定する演出制御コマンド(開放指定コマンド)である。A202(H)〜A210(H)は、ラウンドを終了するときに大入賞口の閉鎖を指定する演出制御コマンド(開放後指定コマンド)である。
A401(H)〜A409(H)は、ラウンド中に大入賞口に入賞した入賞個数を指定する演出制御コマンド(入賞個数指定コマンド)である。
A500(H)は、始動入賞にもとづく大入賞口の開放時に大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(開放中入賞指定コマンド)である。A600(H)は、球通過センサ26が球通過を検出したときに、そのことを通知する演出制御コマンド(球通過感知指定コマンド)である。
コマンドC300(H)〜C319(H)は、始動入賞時に決定される、図15に示された動画パターン番号1〜26の予告演出の動画パターンを指定する演出制御コマンド(予告演出指定コマンド)である。なお、予告演出指定コマンドは、予告演出の実行開始指示も兼ねている。
E001(H)は、1始動入賞口4a,4cへの入賞を指定する演出制御コマンド(始動入賞1指定コマンド)であり、2始動入賞口4bへの入賞を指定する演出制御コマンド(始動入賞2指定コマンド)である。
図21に例示した演出制御コマンドのほかに、直前のラウンド終了後のV有効期間内にV入賞が発生したことを示す直前ラウンドV入賞発生指定コマンドも、主基板31から演出制御基板80に送信される。
次に、演出制御コマンドの送信タイミングについて説明する。図22は、コマンド送信タイミングを示す説明図である。図22に示すように、遊技制御手段(CPU56)は、始動入賞があると、始動入賞が1始動か2始動かに応じて、始動入賞指定コマンド(E000(H)またはE001(H))を送信する。また、始動入賞時に予告演出の有無および予告演出の種類を決定し、決定した内容の予告演出指定コマンド(C3XX(H))を送信する。始動入賞にもとづいて大入賞口が開放されたときに、大入賞口に遊技球が入賞すると、遊技制御手段は、開放中入賞指定コマンド(A500(H))を送信する。その後に、球通過センサ26が遊技球の通過を感知すると、球通過感知指定コマンド(A600(H))を送信する。球通過センサ26による球通過の感知が始動入賞から1.80sから1.85sの間であれば、後述するように、演出制御手段において「予告A」〜「予告E」の予告演出がV入賞の発生前(球取込動作の実行前)に実行される。球通過の感知が始動入賞から1.80sから1.85sの期間以外であれば、後述するように、演出制御手段において「予告A」「予告B」および「予告E」の予告演出は実行されるが、「予告C」および「予告D」の予告演出は実行されない。
球取込部材43による球取込動作が実行された結果、V入賞が発生すると、遊技制御手段は、報知演出指定コマンド(80XX(H))を送信する。演出制御手段においては、遊技制御手段からの報知演出指定コマンドにもとづいて報知演出を実行することによりラウンド数報知(あるいはラウンド数不明の報知)を行う。演出制御手段は、報知演出指定コマンドにもとづいて偽のラウンド数を報知することもある。
ラウンド数報知が終了すると、遊技制御手段は、1ラウンドを開始するために大入賞口の2回目の開放を指定する開放指定コマンド(A102(H))を送信する。また、遊技制御手段は、カウントスイッチ25a,25bが大入賞口への入賞をカウントする毎に、入賞個数指定コマンド(A4XX(H))を送信する。そして、ラウンドが終了する条件が成立すると、大入賞口の閉鎖を指定する開放後指定コマンド(A202(H))を送信する。
遊技制御手段は、次のラウンドが開始されるまでのインターバル時間において、球取込部材43による球取込動作を実行し、V入賞の発生を確認する。V入賞が発生すると、次のラウンド(2ラウンド)に移行させるために大入賞口の3回目の開放を指定する開放指定コマンド(A103(H))を送信する。また、遊技制御手段は、カウントスイッチ25a,25bが大入賞口への入賞をカウントする毎に、入賞個数指定コマンド(A4XX(H))を送信する。そして、ラウンドが終了する条件が成立すると、大入賞口の閉鎖を指定する開放後指定コマンド(A203(H))を送信する。遊技制御手段は、ラウンドが継続する限り、以上のようなコマンド送信を繰り返す。
また、図22では省略したが、1つのラウンドの終了後のV有効期間内にV入賞が発生したならば、遊技制御手段は、そのラウンド後のインターバルにおいて、直前ラウンドV入賞発生指定コマンドを送信する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、乱数カウンタを更新する(+1する)処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
なお、この実施の形態では、乱数カウンタとして、ラウンド中に実行されるラウンド数を予告する予告演出の動画パターン(V入賞の発生前に実行される予告演出の動画パターンとは異なる予告演出の動画パターン)を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタなどがある。
また、青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71bの表示個数を決定するために用いられる乱数(以下、キャラクタ数決定用乱数と記す。)を生成するためのカウンタがある。また、青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71bを表示させるラウンドのパターンを決定するために用いられる乱数(以下、ラウンドパターン決定用乱数と記す。)を生成するためのカウンタがある。また、表示させるキャラクタを青キャラクタ71aにするのか赤キャラクタ71bにするのかを決定するために用いられる乱数(以下、キャラクタ種別決定用乱数と記す。)を生成するためのカウンタがある。さらに、1つのラウンド内で青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71bを表示するタイミングを決定するために用いられる乱数(以下、タイミング決定用乱数と記す。)を生成するためのカウンタがある。また、偽報知を行うか否かを決定するために用いられる乱数(偽報知決定用乱数)を生成するためのカウンタがある。
主基板31からの演出制御コマンドを受信するとき、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、受信コマンドバッファに格納する。
図24、図25および図26は、ステップS704のコマンド解析処理を示すフローチャートである。主基板(遊技制御手段)31から送信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS601)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS602)。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマがタイムアウトしているか否かを確認し(ステップS603)、タイムアウトしていれば、予告演出制御タイマの値を0にリセットする(ステップS604)。予告演出制御タイマは、後述する演出制御プロセス処理における予告演出に関わる制御(ステップS800〜S802)において制御タイミングを監視するために用いられるタイマである。この実施の形態では、予告演出制御タイマは、始動入賞1指定コマンドを受信してから例えば7.9秒経過するとタイムアウトし、また始動入賞2指定コマンドを受信してから例えば9.5秒経過するとタイムアウトする。
受信した演出制御コマンドが始動入賞1指定コマンドであれば(ステップS605)、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマをスタートし(ステップS606)、始動入賞1フラグをセットする(ステップS607)。また、受信した演出制御コマンドが始動入賞2指定コマンドであれば(ステップS608)、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマをスタートし(ステップS609)、始動入賞2フラグをセットする(ステップS610)。なお、予告演出制御タイマは0からスタート(作動)させる。予告演出制御タイマの作動中に始動入賞1指定コマンドまたは始動入賞2指定コマンドを受信した場合は、タイマの値は0からスタートされる。
また、受信した演出制御コマンドが予告演出指定コマンドであれば(ステップS611)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを予告パターンデータ格納領域に格納し(ステップS612)、予告演出受信フラグをセットする(ステップS613)。
また、受信した演出制御コマンドが開放中入賞指定コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、開放中入賞フラグをセットする(ステップS615)。また、受信した演出制御コマンドが球通過感知指定コマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、球通過感知フラグをセットする(ステップS617)。
また、受信した演出制御コマンドが報知演出指定コマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、その報知演出指定コマンドが「800E(H)」であるか否かを判定する(ステップS619)。報知演出指定コマンドが「800E(H)」であった場合、演出制御用CPU101は、偽報知演出を行うか否かを抽選により決定する(ステップS620)。この決定は、例えば、偽報知決定用乱数を用いて行い、偽報知決定用乱数の値が奇数であれば偽報知演出を行うと決定し、偶数であれば偽報知演出を行わないと決定すればよい。偽報知演出を行うと決定した場合、演出制御用CPU101は、報知演出の動画パターンとして、コマンド「8004(H)」のEXTデータ(04(H))を報知パターンデータ格納領域に格納する(ステップS621)。従って、実際に受信した報知演出指定コマンド「800E(H)」のEXTデータとは異なるデータを格納することになる。演出制御用CPU101は、ステップS621に続いて、偽報知演出フラグをセットする(ステップS622)。
受信した報知演出指定コマンドが「800E(H)」でない場合(ステップS619のN)および偽報知演出を行わないと決定した場合(ステップS620のN)、演出制御用CPU101は、実際に受信した報知演出指定コマンドに基づいて報知演出の動画パターンをセーブする(ステップS623)。具体的には、受信した報知演出指定コマンドのEXTデータを報知パターンデータ格納領域に格納する。
演出制御用CPU101は、ステップS622またはステップS623の実行後、キャラクタ表示個数決定処理を行う(ステップS624)。キャラクタ表示個数決定処理は、第4ラウンド終了時までに表示するキャラクタ(青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71b)の個数を決定する処理である。キャラクタ表示個数決定処理は、予め定められている複数種類の個数(0個〜4個)の中から抽選により個数を選択することによって、キャラクタの個数を決定する。
続いて、演出制御用CPU101は、キャラクタ表示ラウンド決定処理を行う(ステップS625)。キャラクタ表示ラウンド決定処理は、ステップS624で決定された個数のキャラクタを第1ラウンドから第4ラウンドまでのどのラウンドにおいて表示するのかを決定する処理である。ただし、本実施形態では、1つのラウンドにおいて追加表示されるキャラクタの個数の最大値は1である。従って、1つのラウンド内で複数のキャラクタを追加表示させるという表示パターンがステップS625で決定されることはない。
次に、演出制御用CPU101は、キャラクタ種別決定処理を行う(ステップS626)。キャラクタ種別決定処理は、表示させるキャラクタの種別を決定する処理である。本実施形態では、青キャラクタ71aと赤キャラクタ71bのいずれを表示するのかを決定する。ステップS626の後、報知演出受信フラグをセットする(ステップS627)。
また、受信した演出制御コマンドが開放指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、開放指定コマンドに応じて開始されるラウンド内でキャラクタを表示させるタイミングを決定する(ステップS629)。なお、ステップS629の処理は、開放指定コマンドを受信したときに実行される。しかし、開放指定コマンドに応じて開始されるラウンドが必ずキャラクタを発生させるラウンドとは限らない。従って、ステップS629の処理を行ったとしても、キャラクタが表示されない場合がある。
演出制御用CPU101は、ステップS629の後、開放フラグをセットする(ステップS630)。
また、受信した演出制御コマンドが開放後指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、開放後フラグをセットする(ステップS632)。また、受信した演出制御コマンドが直前ラウンドV入賞発生指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、直前ラウンドV入賞発生フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS635)。
図27は、ステップS624のキャラクタ表示個数決定処理を示すフローチャートである。キャラクタ表示個数決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、報知演出における最終停止図柄が「?」または「赤?」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS711)。各報知演出指定コマンド「8000(H)」〜「8019(H)」のEXTデータは、「?」や「赤?」等の各種最終停止図柄に対応しているので(図15参照)、演出制御用CPU101は、ステップS621またはステップS623でセーブしたEXTデータに基づいて、最終停止図柄が「?」または「赤?」のいずれかであるか否かを判定することができる。なお、最終停止図柄が「?」や「赤?」となるような報知演出指定コマンドを受信した場合、受信した報知演出指定コマンドのEXTデータと報知パターンデータ格納領域に格納されるEXTデータとは同一データになる。従って、受信した報知演出指定コマンドのEXTデータに基づいてステップS711の判定を行ってもよい。
また、各報知演出指定コマンドは、選択対象となるラウンド数(「2」、「5」または「15」)に対応している。図28は、図15から報知演出指定コマンドと選択対象となるラウンド数との関係を抽出した説明図である。図28に示すように、「8000(H)」および「8001(H)」は、選択されたラウンド数が2ラウンドであることを示す報知演出指定コマンドである。「8002(H)」〜「8009(H)」は、選択されたラウンド数が5ラウンドであることを示す報知演出指定コマンドである。また、「800A(H)」〜「8019(H)」は、選択されたラウンド数が15ラウンドであることを示す報知演出指定コマンドである。従って、演出制御用CPU101は、受信した報知演出指定コマンドに基づいて、CPU56によって選択されたラウンド数を識別することができる。
ステップS711において、報知演出における最終停止図柄が「?」または「赤?」であると判定したならば、演出制御用CPU101は、CPU56によって選択されたラウンド数が2回(2ラウンド)であるか否かを判定する(ステップS712)。この判定はCPU56から受信した報知演出指定コマンドに基づいて行えばよい。また、最終停止図柄が「?」や「赤?」となるような報知演出指定コマンドを受信した場合、受信した報知演出指定コマンドのEXTデータと報知パターンデータ格納領域に格納されるEXTデータとは同一データになる。従って、報知パターンデータ格納領域に格納されるEXTデータに基づいてステップS713の判定を行ってもよい。
選択されたラウンド数が2回であると判定した場合(ステップS712のY)、表示するキャラクタの数を決定するためのテーブル(以下、キャラクタ数決定用テーブルと記す。)とキャラクタ数決定用乱数とを用いて、表示するキャラクタの数を選択する(ステップS713)。
図29は、キャラクタ数決定用テーブルの例を示す説明図である。図29に示すように、キャラクタ数決定用テーブルは、報知演出の最終停止図柄と、CPU56によって選択されたラウンド数との組み合わせに対応して複数設けられている。
また、キャラクタ表示個数(第4ラウンド終了時までに表示するキャラクタの個数)は、「0個」から「4個」までのいずれかであり、「0個」から「4個」までの各個数(またはその一部)に対して、キャラクタ数決定用乱数の乱数値が振り分けられている。演出制御用CPU101は、キャラクタ数決定用乱数の値が、「0個」から「4個」までにそれぞれ振り分けられている乱数のいずれに該当するのかを確認することによって、キャラクタ表示個数を選択する。なお、乱数値が振り分けられていないキャラクタ表示個数は、演出制御用CPU101によって選択されない。また、本実施形態では、キャラクタ数決定用乱数のとり得る範囲は1〜29であるとする。なお、図29に括弧書きで示した値は、振り分けられた乱数の個数を示している。
最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が2回である場合、キャラクタ表示個数「0個」に対して「1〜29」までの乱数値が振り分けられ、「1個」〜「4個」に対しては乱数値が振り分けられていない。従って、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が2回である場合、演出制御用CPU101は、キャラクタ表示個数として必ず「0個」を選択する。
最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が5回である場合、キャラクタ表示個数「0個」に対して「1〜10」の10個の乱数値が振り分けられる。キャラクタ表示個数「1個」に対しては「11〜23」の13個の乱数が振り分けられる。キャラクタ表示個数「2個」に対しては「24〜28」の5個の乱数が振り分けられる。キャラクタ表示個数「3個」に対しては「29」の1個の乱数が振り分けられる。キャラクタ表示個数「4個」に対して乱数は振り分けられない。
最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が15回である場合、キャラクタ表示個数「0個」に対して「1〜5」の5個の乱数値が振り分けられる。キャラクタ表示個数「1個」に対しては「6〜17」の12個の乱数が振り分けられる。キャラクタ表示個数「2個」に対しては「18〜23」の6個の乱数が振り分けられる。キャラクタ表示個数「3個」に対しては「24〜28」の5個の乱数が振り分けられる。キャラクタ表示個数「4個」に対しては「29」の1個の乱数が振り分けられる。
最終停止図柄が真の報知として示される「5」である場合、CPU56によって選択されたラウンド数は当然に「5」である。この場合のキャラクタ数決定用テーブルは、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が5回である場合と同様である。
最終停止図柄が偽の報知として示される「5」である場合、CPU56によって選択されたラウンド数は「15」である。この場合のキャラクタ数決定用テーブルは、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が15回である場合と同様である。
また、最終停止図柄と選択されたラウンド数の組み合わせが上記以外の場合、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が2回である場合と同様のテーブルが用いられる。
キャラクタ表示個数として選択されるのは「0個」〜「4個」のうちのいずれかの個数である。このうち、「2個」、「3個」および「4個」については、CPU56によって選択されたラウンド数が多いほど、振り分けられる乱数の個数が多くなっている。このことは、選択されたラウンド数が多いほど、「2個」、「3個」および「4個」が選択される割合が高くなっていることを意味している。例えば、選択されたラウンド数が2である場合、キャラクタ表示個数として「2個」が選択される確率は0/29である。選択されたラウンド数が5である場合、キャラクタ表示個数として「2個」が選択される確率は5/29であり、「2個」が選択される割合が高くなっている。選択されたラウンド数が15である場合、キャラクタ表示個数として「2個」が選択される確率は6/29であり、「2個」が選択される割合がさらに高くなっている。
同様に、キャラクタ表示個数として「3個」や「4個」が選択される割合についても、CPU56によって選択されたラウンド数が多くなるにつれて高くなる。
このように選択対象となるキャラクタ表示個数「0個」から「4個」のうち、所定の個数(本例では「2個」)以上の個数については、選択されたラウンド数が多くなるほど、振り分ける乱数の個数を多くして、その個数が選択されやすくされている。この結果、遊技者は、表示されるキャラクタの個数が多いほど、選択されたラウンド数が多いと期待できる。なお、本実施形態では、CPU56によって選択されたラウンド数が多いほど選択されやすいキャラクタ個数を「2個」以上の個数(具体的には、「2個」、「3個」および「4個」)としている。CPU56によって選択されたラウンド数が多いほど選択されやすいキャラクタ個数は「2個」以上の個数でなくてもよい。例えば、「1個」についても、選択されたラウンド数が多いほど選択されすくなるようにしてもよい。この場合、選択されたラウンド数が多いほど、キャラクタ個数「1個」に対して振り分ける乱数の個数を多くすればよい。
ステップS713において、演出制御用CPU101は、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が2回である場合のキャラクタ数決定用テーブルを用いて、キャラクタの表示個数を選択する。既に述べたように、この場合、必ず「0個」を選択する。そして、キャラクタ表示個数決定処理を終了する。
CPU56によって選択されたラウンド数が2回でないと判定した場合(ステップS712のN)、演出制御用CPU101は、選択されたラウンド数が5回(5ラウンド)であるか否かを判定する(ステップS714)。この判定はステップS712と同様に行えばよい。選択されたラウンド数が5ラウンドであるならば、ステップS715に移行する。ステップS715において、演出制御用CPU101は、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が5回である場合のキャラクタ数決定用テーブルを用いて、キャラクタの表示個数を選択する。そして、キャラクタ表示個数決定処理を終了する。
CPU56によって選択されたラウンド数が5回でないと判定した場合(ステップS714のN)、ステップS716に移行する。ステップS716において、演出制御用CPU101は、最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が15回である場合のキャラクタ数決定用テーブルを用いて、キャラクタの表示個数を選択する。そして、キャラクタ表示個数決定処理を終了する。
また、報知演出における最終停止図柄が「?」および「赤?」のいずれでもないと判定したならば(ステップS711のN)、演出制御用CPU101は、報知演出における最終停止図柄が「5」であるか否かを判定する(ステップS717)。この判定は、ステップS621またはステップS623で報知パターンデータ格納領域に格納されたEXTデータに基づいて行う。最終停止図柄が「15」となる報知演出指定コマンド「800E(H)」を受信した場合には、そのEXTデータとは異なるEXTデータが報知パターンデータ格納領域に格納され、最終停止図柄が「5」に変更されることになる。従って、ステップS717の判定は、CPU56から受信した報知演出指定コマンドではなく、報知パターンデータ格納領域に格納されたEXTデータに基づいて行う。
最終停止図柄が「5」であると判定した場合、演出制御用CPU101は、偽報知演出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS718)。なお、偽報知演出フラグは、偽報知演出を行うと決定された場合にセットされる(ステップS622参照)。偽報知演出フラグがセットされているならば、最終停止図柄が偽の報知として示される「5」であり、選択されたラウンド数が「15」である場合のキャラクタ数決定用テーブルを用いて、キャラクタの表示個数を選択する(ステップS719)。そして、キャラクタ表示個数決定処理を終了する。一方、偽報知演出フラグがセットされていないならば、最終停止図柄が真の報知として示される「5」であり、選択されたラウンド数が「5」である場合のキャラクタ数決定用テーブルを用いて、キャラクタの表示個数を選択する(ステップS720)。そして、キャラクタ表示個数決定処理を終了する。
ステップS717において最終停止図柄が「5」でないと判定した場合、ステップS713,S715,S716,S719,S720以外で使用するためのキャラクタ数決定用テーブル(図29の最下段に示すテーブル)を用いて、キャラクタの表示個数を選択する(ステップS721)。そして、キャラクタ表示個数決定処理を終了する。
次に、ステップS625のキャラクタ表示ラウンド決定処理について説明する。図30は、ステップS624で決定された個数のキャラクタを第1ラウンドから第4ラウンドまでのどのラウンドにおいて表示するのかを決定するためのテーブルである。以下、このテーブルをラウンドパターン決定用テーブルと記す。図30に示すように、ラウンドパターン決定用テーブルは、ステップS624で決定されるキャラクタの表示個数に対応して複数設けられている。
また、キャラクタの表示個数に応じて、第1ラウンドから第4ラウンドまでの各ラウンドにキャラクタを表示させるパターンの種類も定まる。例えば、表示個数が1個である場合には、その1個のキャラクタを第1ラウンドに表示させるパターンから第4ラウンドに表示させるパターンまでの4種類のパターンが定まる。ラウンドパターン決定用テーブルでは、この各パターンに乱数を振り分けておく。そして、演出制御用CPU101は、ラウンドパターン決定用乱数の値が、各パターンに振り分けられている乱数のいずれに該当するのかを確認することによって、キャラクタの表示パターンを選択する。本実施形態では、ラウンドパターン決定用乱数のとり得る範囲は1〜23であるとする。また、図30において「○」はキャラクタを追加表示させるラウンドであることを示し、「×」はキャラクタを追加表示させないラウンドであることを示している。
図30(a)に示すように、キャラクタの表示個数が0個である場合、表示パターンは、第1から第4ラウンドまでキャラクタを表示しないという1種類のパターンのみ存在する。そして、この1種類のパターンに対して「1〜23」の23個の乱数が振り分けられる。従って、キャラクタの表示個数が0個と決定された場合には、必ずこのパターンが選択される。
図30(b)に示すように、キャラクタの表示個数が1個である場合、表示パターンとして、4種類のパターンが存在する。第1ラウンドにキャラクタを表示させるパターン1に対しては、「1〜5」の5個の乱数が振り分けられる。また、第2ラウンドにキャラクタを表示させるパターン2に対しては、「6〜11」の6個の乱数が振り分けられる。第3ラウンドにキャラクタを表示させるパターン3に対しては、「12〜17」の6個の乱数が振り分けられる。第4ラウンドにキャラクタを表示させるパターン4に対しては、「18〜23」の6個の乱数が振り分けられる。
図30(c)に示すように、キャラクタの表示個数が2個である場合、表示パターンとして6種類のパターンが存在する。第1および第2ラウンドにキャラクタを表示させるパターン1に対しては、「1〜3」の3個の乱数が振り分けられる。第1および第3ラウンドにキャラクタを表示させるパターン2に対しては、「4〜7」の4個の乱数が振り分けられる。第1および第4ラウンドにキャラクタを表示させるパターン3に対しては「8〜11」の4個の乱数が振り分けられる。第2および第3ラウンドにキャラクタを表示させるパターン4に対しては「12〜15」の4個の乱数が振り分けられる。第2および第4ラウンドにキャラクタを表示させるパターン5に対しては「16〜19」の4個の乱数が振り分けられる。第3および第4ラウンドにキャラクタを表示させるパターン6に対しては「20〜23」の4個の乱数が振り分けられる。
図30(d)に示すように、キャラクタの表示個数が3個である場合、表示パターンとして4種類のパターンが存在する。第4ラウンド以外にキャラクタを表示させるパターン1に対しては、「1〜5」の5個の乱数が振り分けられる。第3ラウンド以外にキャラクタを表示させるパターン2に対しては、「6〜11」の6個の乱数が振り分けられる。第2ラウンド以外にキャラクタを表示させるパターン3に対しては、「12〜17」の6個の乱数が振り分けられる。第1ラウンド以外にキャラクタを表示させるパターン4に対しては、「18〜23」の6個の乱数が振り分けられる。
図30(e)に示すように、キャラクタの表示個数が4個である場合、第1から第4ラウンドまでそれぞれキャラクタを追加表示するという1種類のパターンのみ存在する。そして、この1種類のパターンに対して「1〜23」の23個の乱数が振り分けられる。従って、キャラクタの表示個数が4個と決定された場合には、必ずこのパターンが選択される。
図31は、ステップS625のキャラクタ表示ラウンド決定処理を示すフローチャートである。キャラクタ表示ラウンド決定処理では、ステップS624で決定されたキャラクタの個数に応じた処理を行う。ステップS624において、キャラクタの表示個数が0個であると決定されたならば、演出制御用CPU101は、表示個数0個に対応するラウンドパターン決定用テーブル(図30(a))とラウンドパターン決定用乱数とを用いて、キャラクタの表示パターンを選択する(ステップS731)。演出制御用CPU101は、選択した表示パターンに応じて、各ラウンド毎に、キャラクタを表示するか否かを示す表示フラグをオンまたはオフに設定する(ステップS732)。ステップS731では、第1から第4ラウンドまでキャラクタを表示しないというパターンが必ず選択される。従って、第1から第4ラウンドに対応する表示フラグをいずれもオフに設定する。
キャラクタの表示個数が1個であると決定されたならば、演出制御用CPU101は、表示個数1個に対応するラウンドパターン決定用テーブル(図30(b))とラウンドパターン決定用乱数とを用いて、キャラクタの表示パターンを選択する(ステップS733)。そして、演出制御用CPU101は、選択した表示パターンに応じて、各ラウンド毎に、キャラクタを表示するか否かを示す表示フラグをオンまたはオフに設定する(ステップS734)。例えば、図30(b)に示すパターン1を選択した場合、第1ラウンドに対応する表示フラグをオンに設定し、第2から第4ラウンドに対応する表示フラグをオフに設定する。
キャラクタの表示個数が2個、3個または4個に決定された場合も同様の処理を行う。すなわち、キャラクタの表示個数が2個であると決定された場合、表示個数2個に対応するラウンドパターン決定用テーブル(図30(c))によって表示パターンを選択する(ステップS735)。そして、その表示パターンに応じて、各ラウンド毎に表示フラグを設定する(ステップS736)。キャラクタの表示個数が3個であると決定された場合、表示個数3個に対応するラウンドパターン決定用テーブル(図30(d))によって表示パターンを選択する(ステップS737)。そして、その表示パターンに応じて、各ラウンド毎に表示フラグを設定する(ステップS738)。キャラクタの表示個数が4個であると決定された場合、表示個数4個に対応するラウンドパターン決定用テーブル(図30(e))によって表示パターンを選択する(ステップS739)。そして、その表示パターンに応じて、各ラウンド毎に表示フラグを設定する(ステップS740)。
次に、ステップS626のキャラクタ種別決定処理について説明する。図32は、ラウンド中に発生させるキャラクタとして青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71bを選択するためのテーブルである。以下、このテーブルをキャラクタ種別決定用テーブルと記す。図32に示すように、キャラクタ種別決定用テーブルは、選択されたラウンド数が5である場合と15である場合それぞれに対応して2種類設けられている。
キャラクタ種別決定用テーブルでは、選択対象となる青キャラクタおよび赤キャラクタそれぞれに対して乱数を振り分けておく。そして、演出制御用CPU101は、キャラクタ種別決定用乱数の値が、青キャラクタと赤キャラクタに振り分けられている乱数のいずれに該当するのかを確認することによって、キャラクタの種別を選択する。本実施の形態では、キャラクタ種別決定用乱数のとり得る範囲は1〜50であるとする。
図32に示すように、選択されたラウンド数が5である場合、赤キャラクタに対して「1〜20」の20個の乱数が振り分けられる。また、青キャラクタに対して「21〜50」の30個の乱数が振り分けられる。一方、選択されたラウンド数が15である場合、赤キャラクタに対して「1〜30」の30個の乱数が振り分けられる。また、青キャラクタに対して「31〜50」の20個の乱数が振り分けられる。
赤キャラクタに振り分けられる乱数の個数は、選択されたラウンド数が多いほど多くなっている。このことは、選択されたラウンド数が多いほど、赤キャラクタが選択される割合が高くなっていることを意味している。選択されたラウンド数が5である場合、赤キャラクタが選択される確率は20/50である。選択されたラウンド数が15である場合、赤キャラクタが選択される確率は30/50であり、赤キャラクタが選択される割合が高くなっている。このように赤キャラクタについては、選択されたラウンド数が多くなるほど(すなわち、継続促進ラウンド数が多くなるほど)、振り分ける乱数の個数を多くして、赤キャラクタが選択されやすくされている。この結果、遊技者は、赤キャラクタが表示された場合には、選択されたラウンド数が多いと期待できる。
図33は、ステップS626のキャラクタ種別決定処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、CPU56から受信した報知演出指定コマンドに基づいて、選択されたラウンド数を判定し、そのラウンド数に応じたキャラクタ種別決定用テーブルを選択する(ステップS751)。このとき、演出制御用CPU101は、報知パターンデータ格納領域に格納されたEXTデータは用いずに、実際にCPU56から受信した報知演出指定コマンドを用いて、選択されたラウンド数を判定する。選択されたラウンド数が「15」であることを示す報知演出指定コマンドを受信した場合であっても、報知パターンデータ格納領域には、選択されたラウンド数が「5」であることを示す報知演出指定コマンドが格納されている場合があるからである(ステップS619〜S621参照)。
演出制御用CPU101は、キャラクタ種別決定用乱数と選択したキャラクタ種別決定用テーブルとを用いて、赤キャラクタまたは青キャラクタを選択する(ステップS752)。演出制御用CPU101は、赤キャラクタを選択した場合には、赤キャラクタの表示を示す赤フラグをセットする。また青キャラクタを選択した場合には、青キャラクタの表示を示す青フラグをセットする(ステップS753)。
次に、1つのラウンド内でキャラクタを表示させるタイミングを決定する処理(ステップS629)について説明する。図34は、このタイミングを決定するためのタイミング決定用テーブルである。本実施の形態では、キャラクタを表示させるタイミングは、可変入賞装置20に設けられているカウントスイッチ25a,25bが入賞球を検出して入賞球の数をカウントしたタイミングである。演出制御用CPU101は、タイミング決定用テーブルを用いて、何個の入賞球がカウントスイッチ25a,25bにカウントされたときにキャラクタを表示させるかを決定する。
タイミング決定用テーブルでは、カウントスイッチ25a,25bによってカウントされる各カウント値に対して乱数が振り分けられる。1ラウンド中に、可変入賞装置20に入賞する遊技球の個数は最大10個であるので、1ラウンド内では、1カウントから10カウントカウントされる。本実施の形態では、このうち1カウントから7カウントまでの各カウント値に乱数を振り分けている。
演出制御用CPU101は、ステップS629において、タイミング決定用乱数の値が、各カウント値に振り分けられている乱数のいずれに該当するのかを確認することによって、何個の入賞球がカウントされたときにキャラクタを表示させるのかを決定する。
図34に示すように、1カウントには「1〜4」の4個の乱数が振り分けられている。従って、1個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は4/43である。また、2カウントには「5〜8」の4個の乱数が振り分けられているので、2個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は4/43である。3カウントには「9〜18」の10個の乱数が振り分けられているので、3個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は10/43である。4カウントには「19〜22」の4個の乱数が振り分けられているので、4個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は4/43である。5カウントには「23〜26」の4個の乱数が振り分けられているので、5個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は4/43である。6カウントには「27〜30」の4個の乱数が振り分けられているので、6個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は4/43である。7カウントには「31〜43」の13個の乱数が振り分けられているので、7個の入賞球がカウントされたときにキャラクタが表示される確率は13/43である。
次に、ステップS705の演出制御プロセス処理について説明する。図35は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
予告演出コマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、予告演出指定コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、予告演出指定コマンドが受信されたことを示すフラグ(予告演出受信フラグ)がセットされたか否か確認する。予告演出受信フラグは、コマンド解析処理によって、予告演出指定コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS613)。
予告実行判定処理(ステップS801):開放中入賞指定コマンドを受信したか否か(すなわち、開放中入賞フラグがセットされたか否か)にもとづいて、また始動入賞指定コマンドの受信タイミングおよび球通過感知指定コマンドの受信タイミングにもとづいて、所定の態様の予告演出を実行するか否かを判定する。
予告演出実行処理(ステップS802):受信した予告演出指定コマンドで所定の態様(予告A〜予告E)が指定されている場合は、当該態様の予告演出を実行するように演出手段を制御する。
報知演出コマンド受信待ち処理(ステップS803):コマンド受信割込処理によって、演出実行時間を特定可能な報知演出指定コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、報知演出指定コマンドが受信されたことを示すフラグ(報知演出受信フラグ)がセットされたか否か確認する。報知演出受信フラグは、コマンド解析処理によって、報知演出指定コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS627)。なお、報知演出指定コマンドを受信した場合はステップS804に移行され、所定時間内に報知演出指定コマンドを受信しなかった場合はステップS800に移行される。
ラウンド開始前演出実行処理(ステップS804):最初のラウンドが開始されるまでの報知演出実行時間において実行される報知演出、次のラウンドに移行するまでのインターバル時間において実行される演出(V入賞の発生を報知する演出等)を実行するように演出手段を制御する。
ラウンド中演出実行処理(ステップS805):ラウンド中に実行される演出(ラウンド数を表示する演出等)を実行するように演出手段を制御する。また、キャラクタ(青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71b)を表示させるラウンドであるならば、そのキャラクタを表示させる。
図36は、ステップS800の予告演出コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。予告演出コマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、予告演出受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値「1」に更新する(ステップS813)。
図37は、ステップS801の予告実行判定処理を示すフローチャートである。予告実行判定処理において、演出制御用CPU101は、開放中入賞フラグがセットされたか否かを確認する(ステップS821)。開放中入賞フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマを監視して所定時間経過したか否かを判定する(ステップS822)。ここで、所定時間は、始動入賞にもとづいて大入賞口が開放したときに遊技球が大入賞口に入賞しなかったと判断することができる時間である。例えば、図12に示す始動無効期間に相当する時間、すなわち、始動入賞を指定する始動入賞指定コマンド(E0XX(H))を受信したときから、始動入賞にもとづいて開放された大入賞口が閉鎖されるまでの時間である。
所定時間経過したときに、開放中入賞フラグがセットされていない場合(ステップS822のY)、すなわち開放中入賞指定コマンド(A500(H))を受信していない場合は、演出制御用CPU101は、始動入賞にもとづく大入賞口の開放中に入賞がなかったと判断して、予告演出を実行しないように(予告演出実行処理に移行させないように)するために、プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS823)。このように、始動入賞にもとづく大入賞口の開放中に入賞がなかったときは予告演出を実行しない。これにより、大当りの発生が全く期待できないときには予告演出を実行しないことになる。従って、大当りの発生が期待できるときにのみ予告演出を実行することができ、予告演出への遊技者の注目を高めることができる。
所定時間経過するまでに開放中入賞フラグがセットされたときは、演出制御用CPU101は、開放中入賞フラグをリセットし(ステップS824)、既に受信した予告演出指定コマンド(C3XX(H))にもとづいて予告演出の態様(種類)を確認する(ステップS825)。そして、予告演出の態様が「予告A」または「予告B」であるか否かを判定する(ステップS826)。図15に示したように、予告Aまたは予告Bは、動画パターン番号3,12,13,23の予告演出の態様である。
予告演出の態様が「予告A」または「予告B」であると判定したときは、演出制御用CPU101は、球通過感知フラグがセットされたか否かを確認する(ステップS827)。なお、この実施の形態では、可変入賞装置20の構造上、可変入賞装置20に入賞した遊技球は球通過センサ26によって常に感知される。球通過感知フラグがセットされたことを確認すると、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマが計測している時間が所定期間内であるか否かを判定する(ステップS828)。すなわち、球通過感知指定コマンド(A600(H))を受信したタイミングが所定期間内に入っているか否かを判定する。ここで、この実施の形態においては、所定期間は、始動入賞1指定コマンド(E000(H))を受信したときは、当該コマンドを受信したとき(始動入賞1フラグをセットしたとき)から1.8秒〜1.85秒の間の期間であり、始動入賞2指定コマンド(E001(H))を受信したときは、当該コマンドを受信したとき(始動入賞2フラグをセットしたとき)から3.4秒〜3.45秒の間の期間である。
このように1始動入賞が発生してから1.8秒〜1.85秒の間の期間内および2始動入賞が発生してから3.4秒〜3.45秒の間の期間内に球通過センサ26が球通過を検出した場合は、演出制御用CPU101は、球取込部材43が遊技球を取り込んでV入賞が発生し易いと判断する。なお、「V入賞が発生し易い」には、V入賞が確実に発生すること、V入賞が発生する可能性が高いこと、V入賞が発生する可能性があることなどを含む。
演出制御用CPU101は、球通過感知フラグがセットされたときの予告演出制御タイマの時間が所定期間内であると判定したときは、V入賞が発生し易いと判断して、始動入賞フラグおよび球通過感知フラグをリセットするとともに(ステップS829)、予告演出を実行する(予告演出実行処理に移行させる)ために、プロセスフラグの値を「2」に更新する(ステップS830)。
一方、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマの時間が所定期間内でないと判定したときは、V入賞が発生し難い(あるいは発生する可能性のない、またはその可能性の低い)と判断して、始動入賞フラグおよび球通過感知フラグをリセットするとともに(ステップS831)、予告演出を実行しないように(予告演出実行処理に移行させないように)するために、プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS823)。このように、大入賞口に入賞しても球通過センサ26が球通過を検出したタイミングがV入賞の発生し難いタイミングであれば、予告演出を実行しない。これにより、大当りの発生が期待できないときには特定の態様の予告演出(予告A,B)を実行しないことになる。従って、大当りの発生が期待できるときにのみ特定の態様の予告演出を実行することができ、特定の態様の予告演出への遊技者の注目を高めることができる。
図38は、ステップS802の予告演出実行処理を示すフローチャートである。予告演出実行処理において、演出制御用CPU101は、予告演出制御タイマを監視することにより、予告演出の実行を開始する予告開始時間となったか否かを判定する(ステップS841)。なお、予告開始時間は、V入賞が発生するまでの時間であれば任意の時間とすることができる。また、予告開始時間は、全ての予告演出の態様について同じ時間であっても、予告演出の態様毎に異なる時間であってもよい。ただし、予告C,D,Eの予告開始時間については、カウントスイッチ25a,25bが入賞を検出した後の時間とされ、予告A,Bの予告開始時間については、球通過センサ26による球通過を監視した後の時間とされる。
予告開始時間になると、演出制御用CPU101は、予告演出コマンドにもとづいて、予告演出の態様を確認するとともに(ステップS842)、予告の有無を判定する(ステップS843)。なお、図15に示したように、動画パターン番号1,2、4〜8,11,14〜22は、予告なしに設定されているので、当該番号に対応する予告演出コマンドを受信している場合は、予告演出を実行しないように制御する。すなわち、ステップS844を実行しない。
上記の動画パターン番号以外の番号に対応する予告演出コマンドを受信している場合は、予告ありと判定して(ステップS843のY)、演出制御用CPU101は、予告演出時の可変表示装置(LCD)28の表示制御、ランプ・LEDの点灯/消灯制御、およびスピーカ27の音出力制御を実行する(ステップS844)。
具体的には、演出制御用CPU101は、ROM102に設定されている予告演出の態様に対応したデータに従って、VDP(図示せず)に指令信号を出力する。VDPは、指令信号にもとづいて画像データをCGROM(図示せず)から読み出して描画処理を実行し、描画処理した画像データを表示タイミング毎に可変表示装置28に出力する。可変表示装置28は、VDPからの画像データにもとづいて所定の予告演出態様の画像(動画)を表示する。
また、演出制御用CPU101は、ROM102に設定されている予告演出の態様に対応したデータに従って、各種ランプ・LEDを駆動する駆動回路(図示せず)に指令信号を出力する。駆動回路は、指令信号に従ってサイドランプ9a〜9d等の各種ランプ・LEDの点灯/消灯を行う。
また、演出制御用CPU101は、ROM102に設定されている予告演出の態様に対応したデータに従って、スピーカ27の音声出力を行う駆動回路(図示せず)に指令信号を出力する。駆動回路は、指令信号に従って音番号データを読み出してスピーカ27から所定の予告演出態様の音声を出力させる。
各種演出手段を用いた予告演出が終了すると、演出制御用CPU101は、プロセスフラグの値を「3」に更新して(ステップS845)、処理を終了する。
図39は、ステップS803の報知演出コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンド(E0XX(H))を受信してから所定時間が経過しているかを判定する(ステップSS761)。ステップS761における所定時間とは、始動入賞指定コマンドを受信したが、もはや報知演出指定コマンドが送信されてこないと保証することができる期間である。例えば、V有効期間をステップS761における所定時間とすればよい。あるいは、V有効期間以上の時間をステップS761における所定期間としてもよい。
始動入賞指定コマンドを受信してから所定時間が経過しているならば、報知演出指定コマンドを受信することはないので、演出制御用CPU101は、プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS762)、処理を終了する。この結果、予告演出コマンド待ち処理(ステップS800)に移行させることになる。
始動入賞指定コマンドを受信してから所定時間が経過していないならば、演出制御用CPU101は、報知演出受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS763)。報知演出受信フラグは、コマンド解析処理によって、報知演出指定コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS627)。報知演出受信フラグがセットされているならば、演出制御用CPU101は、プロセスフラグの値を「4」に更新して(ステップS764)、処理を終了する。この結果、ラウンド開始前演出実行処理(ステップS804)に移行させることになる。
図40は、ステップS804のラウンド開始前演出実行処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、報知演出受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS771)。報知演出受信フラグがセットされているならば、第1ラウンドがまだ始まっていない状態であり、報知演出を行うことを意味する。報知演出受信フラグがセットされていないならば、第1ラウンドは既に終了していて、インターバル演出等を行うことを意味する。
報知演出受信フラグがセットされている場合、報知パターンデータ格納領域に格納したEXTデータに基づいて報知演出の動画を表示する制御を行う。この表示制御は、ステップS844におけるLCDの表示制御と同様に行えばよい。また、ステップS621において、実際に受信した報知演出指定コマンドのEXTデータとは異なるデータ(04(H))を報知パターンデータ格納領域に格納していた場合には、偽報知演出を実行することになる。一方、ステップS623において、実際に受信した報知演出指定コマンドのEXTデータを報知パターンデータ格納領域に格納していた場合には、真報知演出または不明演出を実行することになる。不明演出を実行した場合には、遊技者は、高確率ラウンド数がいくつであるかについて認識することができず、高確率ラウンドが1ラウンドで終了するか、4ラウンドで終了するか、14ラウンドまで継続するかについて期待を持つことになる。
ステップS772に続いて、演出制御用CPU101は、報知演出受信フラグをリセットする(ステップS773)。そして、制御タイマにラウンド時間(1つのラウンドの上限時間)を設定する。そして、演出制御用CPU101は、プロセスフラグの値を「5」に更新して(ステップS775)、処理を終了する。この結果、ラウンド中演出実行処理(ステップS804)に移行させることになる。
ステップS771において報知演出受信フラグがセットされていないと判定した場合、演出制御用CPU101は、開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS776)。開放後フラグは、コマンド解析処理によって、開放後指定コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS632)。開放後フラグがセットされていなければ処理を終了する。開放後フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、開放後フラグがセットされてから所定時間(ラウンド間のインターバル時間)が経過したか否かを判定する(ステップS777)。
開放後フラグがセットされてからまだ所定時間が経過していないならば、直前ラウンドV入賞発生フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS778)。直前ラウンドV入賞発生フラグは、コマンド解析処理によって、直前ラウンドV入賞発生フラグ指定コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS634)。直前ラウンドV入賞発生フラグがセットされているならば、V入賞が発生していることになるので、V入賞に応じたインターバル演出を実行する(ステップS780)。一方、直前ラウンドV入賞発生フラグがセットされていないならば、V入賞が生じていない場合のインターバル演出を実行する(ステップS781)。ステップS780またはステップS781の後、ステップS774移行の処理を実行する。
また、開放後フラグがセットされてから所定時間(インターバル時間)が経過したならば(ステップS777のY)、V入賞が発生しなかったことになるので、演出制御用CPU101は、プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS782)、処理を終了する。この結果、予告演出コマンド受信待ち処理(ステップS800)に移行させることになる。
図41は、ステップS805のラウンド中演出実行処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、ラウンド中演出実行処理において、開放フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS850)。開放フラグは、コマンド解析処理によって、開放指定コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS630)。開放フラグがセットされていなければ処理を終了する。
開放フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、昇格演出を行うか否かを判定する(ステップS851)。昇格演出とは、報知演出指定コマンドに応じて不明演出または偽報知演出を行った場合に、3ラウンド以降または6ラウンド以降もラウンドが継続することを表す演出である。昇格演出は、2ラウンド開始時および5ラウンド開始時に行われ、そのラウンドでV入賞が発生すれば移行のラウンドに継続することを示す。ただし、昇格演出は所定の条件を満たした場合に行われる。
図42は、昇格演出の実行条件を示す説明図である。報知演出における最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が2ラウンドである場合には、2ラウンド開始時であっても昇格演出を行わない。
報知演出における最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が5ラウンドである場合には、2ラウンド開始時に昇格演出を行う。この結果、2ラウンドでV入賞が発生すれば、3ラウンド以降も継続することを遊技者に知らせることができる。
報知演出における最終停止図柄が「?」または「赤?」であり、選択されたラウンド数が15ラウンドである場合には、2ラウンド開始時に昇格演出を行う。この結果、2ラウンドでV入賞が発生すれば、3ラウンド以降も継続することを遊技者に知らせることができる。また、5ラウンド開始時にも昇格演出を行う。この結果、5ラウンドでV入賞が発生すれば、6ラウンド以降も継続することを遊技者に知らせることができる。
また、報知演出における最終停止図柄が偽報知として表示された「5」である場合、選択されたラウンド数は、実際には15である。従って、2ラウンド開始時および5ラウンド開始時それぞれにおいて昇格演出を行う。
図42において昇格演出を「出す」と示した場合以外では、昇格演出は行わない。
ステップS851で昇格演出を行うと判定した場合、演出制御用CPU101は、昇格演出を行う(ステップS852)。このような昇格演出を実行することにより、ラウンドが継続するか否かの興味が増し、遊技の興趣を一層向上させることができるようになる。ただし、同じラウンド内ですでに昇格演出を実行した場合には、昇格演出を繰り返して実行しない。
続いて、演出制御用CPU101は、ラウンド数等の表示を開始しているか否かを判定する(ステップS853)。ラウンド数等の表示をまだ開始していない場合には、ラウンド数等の表示を開始する(ステップS854)。
続いて、演出制御用CPU101は、開放指定コマンドに基づいて開始された現在のラウンドが、キャラクタ(青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71b)を追加表示させるラウンドであるか否かを判定する(ステップS855)。この判定は、キャラクタ表示ラウンド決定処理において設定した表示フラグに基づいて行えばよい。表示フラグは、第1から第4の各ラウンドに対応して用意され、ラウンド毎にオンまたはオフに設定される(ステップS732,S734,S736,S738,S739)。従って、現在のラウンドが例えば1ラウンドである場合、1ラウンドに対応する表示フラグを参照し、オンに設定されているならば、キャラクタを追加表示させるラウンドであると判定する。オフに設定されているならば、キャラクタを追加表示させないラウンドであると判定する。ここでは、現在のラウンドが1ラウンドである場合を例に説明したが、第2から第4ラウンドの場合も同様である。なお、第5ラウンド以降であるならば、キャラクタを追加表示させないと判定する。
現在のラウンドがキャラクタを表示させるラウンドであると判定したならば、演出制御用CPU101は、既にキャラクタを表示させたか否かを判定する(ステップS856)。未だ現在のラウンドでキャラクタを表示させていない場合、キャラクタを表示させるタイミングになったか否かを判定する(ステップS857)。すなわち、カウントスイッチ25a,25bによってカウントされた入賞球の個数が、ステップS629で決定されたカウント値まで達したか否かを判定する。達していなければ、まだキャラクタを表示させるタイミングでないので、ステップS858に移行する。達しているならば(ステップS857のY)、演出制御用CPU101は、キャラクタ種別決定処理でセットされたフラグが赤フラグであるのか青フラグであるのかを確認する。演出制御用CPU101は、赤フラグがセットされているならば、赤キャラクタ71bを表示させ、青フラグがセットされているならば、青キャラクタ71aを表示させる(ステップS859)。
ステップS858では、現在のラウンドのラウンド時間終了前の所定タイミングであるか否かを判定する。具体的には、現在のラウンドの終了タイミング直前(例えば、現在のラウンドの終了1秒前)であるか否かを判定する。そのようなタイミングであれば、カウントスイッチ25a,25bによってカウントされた入賞球の個数が、ステップS629で決定されたカウント値まで達していなくてもキャラクタの表示(ステップS859)を実行する。これにより、ラウンド中に可変入賞装置20にあまり遊技球が入賞せず、カウントスイッチ25a,25bによるカウントが増加しないままラウンドが終了してしまう場合であっても、キャラクタを表示することができる。現在のラウンドのラウンド時間終了前の所定タイミングでなければ(ステップS858のN)、処理を終了する。
また、現在のラウンドがキャラクタを追加表示させるラウンドでない場合(ステップS855のN)および現在のラウンドで既にキャラクタを表示済みであると判定した場合(ステップS856のY)には、ステップS860に移行する。ステップ860において、演出制御用CPU101は、ステップS774で設定されたラウンド時間が経過したか否かを判定する(ステップS860)。ラウンド時間が経過していないならば処理を終了する。また、ラウンド時間が経過したならば、ラウンドが終了することになるので、演出制御用CPU101は、プロセスフラグを「4」に更新して(ステップS861)、処理を終了する。この結果、ラウンド開始前演出実行処理(ステップS804)に移行させることになる。
上記のような処理を大当りが終了するまで繰り返し実行する。
以上のように、この実施の形態によれば、抽選によって決定されたラウンド数が多いほど、高い割合で、キャラクタ(青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71b)の個数が2個以上になるようにキャラクタ71の個数選択を行う。そして、選択した個数のキャラクタを第4ラウンド終了時までに表示させる。この結果、遊技者は、表示されたキャラクタの数が多いほど、ラウンド継続への期待感を強めることができ遊技の興趣を高めることができる。また、表示させたキャラクタの個数が比較的多い場合(例えば「2個」や「3個」である場合)であっても、必ずしもラウンドが継続するとは限らない。従って、遊技者は、ラウンドの継続を期待できる一方で、ラウンドが継続しないという危機感も持つことができる。従って、遊技の単調化を防止することができる。
また、キャラクタを表示させるラウンドは特定のラウンドに決まっているわけではなく、キャラクタ表示ラウンド決定処理(ステップS625)において乱数によって決定される。従って、遊技者には、キャラクタが各ラウンドにランダムに表示されているように認識される。従って、遊技者の興趣を維持することができる。
また、各ラウンドにおいて、キャラクタを表示するタイミングは特定のタイミングに決まっているわけではなく、ステップS629において乱数によって決定される。従って、遊技者には、ラウンド内でのキャラクタ表示タイミングがランダムになっているように認識される。従って、遊技者の興趣を維持することができる。
また、ステップS629では、何個の入賞球がカウントスイッチ25a,25bにカウントされたときにキャラクタを表示させるかを決定し、ラウンド中、カウントスイッチ25a,25bは、入賞球を検出する毎に入賞球の個数をカウントする。従って、確実にキャラクタを表示することができる。
また、演出制御用CPU101は、抽選によって決定されたラウンド数が多いほど、高い割合で、赤キャラクタ71bを選択し、選択したキャラクタを表示させる。従って、表示させるキャラクタの種類によって遊技者の期待感を変化させることができる。
また、プロセスフラグが「5」に更新されるのは、報知演出受信フラグがセットされ、格納されているEXTデータに基づいて報知演出が行われた後か、あるいは、開放後フラグがセットされ、インターバル演出が行われた後である(図40参照)。そして、第1ラウンド開始後でなければ、開放後フラグがセットされることはない。従って、第1ラウンド開始のためにプロセスフラグが「5」に更新されるのは報知演出が行われた後である。このことは、第1ラウンド開始前に報知演出が行われることを意味する。従って、遊技者にラウンド回数を報知するときに、早期に(第1ラウンド開始前に)報知することができる。
また、V入賞が発生したときに大当りのラウンド数を報知する報知演出(最終停止図柄が「2」「5」「15」の図柄となる報知演出)とラウンド数が不明であることを報知する報知演出(最終停止図柄が「?」「赤?」の図柄となる報知演出)とが設けられ、ラウンド数が不明であることを報知する報知演出を実行する場合には、ラウンド数を予告する予告演出(予告A,B,E)は実行されない構成とされているので、大当りとなってもラウンド数を報知せずにラウンド数が不明であることを報知することにより、大当り中に遊技者にラウンドが終了してしまうか否かの危機感を持たせることができるとともに、そのような場合は、ラウンド数を予告する予告演出を実行しないことにより、予告によってラウンド数が認識(または予測)できてしまう事態が生じるのを回避することができ、大当り中のラウンド終了の危機感を持続させることができる。
また、予め定められた複数種類の回数(2ラウンド、5ラウンド、15ラウンド)のうちから大当りのラウンド回数を決定し、不明演出や偽報知演出を行ったときには、図42に示す条件に従って、第2ラウンドや第5ラウンドで昇格演出を実行する。従って、ラウンドが継続するか否かの興味が増し、遊技の興趣を一層向上させることができる。
また、ラウンド数が不明であることを示す図柄として「?」と「赤?」の2種類が設けられ、「赤?」が表示されたときの方が「?」が表示されたときよりも15ラウンドまで継続する確率が高くなるように設定されているので、いずれの図柄が報知されるかについて遊技者に興味を持たせることができる。
また、ラウンド数決定用乱数を用いてラウンド数を決定するとともに、決定されたラウンド数のグループ内における複数種類の報知演出の動画パターンの中から演出決定用乱数を用いて一の動画パターンを決定するように構成されているので、処理負担を増加させることなく、ラウンド数に対応する報知演出の動画パターン(種類)を確実に決定することができる。
また、ラウンド数決定用乱数を用いてラウンド数を決定するとともに、決定されたラウンド数のグループ内における複数種類の予告演出の動画パターンの中から演出決定用乱数を用いて一の動画パターンを決定するように構成されているので、処理負担を増加させることなく、ラウンド数に対応する予告演出の動画パターン(予告の有無および種類)を確実に決定することもできる。
また、始動入賞にもとづいて大入賞口が開放されているときに遊技球が入賞しなかった場合には、予告演出を実行しないように構成されているので、予告演出により無駄な期待を遊技者に持たせることを防止するとともに、大当りの発生の可能性があるときにのみ予告演出を実行する結果、予告演出への遊技者の注目を高めることができる。
また、V入賞の発生し易い場合にだけ、特定の態様の予告演出(予告A,B)を実行し、V入賞が発生し難い場合には、特定の態様の予告演出を実行しないように構成されているので、大当りの発生が期待できるときにのみ特定の態様の予告演出を実行する結果、遊技者は特定の態様の予告演出が実行されることにより大当りの発生への期待を持つことになり、特定の態様の予告演出への遊技者の注目を一層高めることができる。
また、球取込部材43は、始動入賞から一定時間経過したときに球取込動作を実行し、V入賞が発生し易か否かは、始動入賞のタイミングと球通過センサ26が球通過を検出したタイミングとにもとづいて判定されるように構成されているので、V入賞が発生し易いか否かを精度よく判定することができる。
また、上記の実施の形態では、第4ラウンド終了時までに4個のキャラクタを表示した場合、高確率ラウンドとして選択され得るラウンド数のうち最大のラウンド(14ラウンド)が選択されたことを遊技者に報知したことになる。一方、第4ラウンド終了時までに表示されたキャラクタが2個や3個である場合、高確率ラウンドが第4ラウンドで終了してしまうこともある。従って、高確率ラウンドとして選択され得るラウンド数のうち最大のラウンドが選択されたことを遊技者に報知したことにはならない。高確率ラウンドとして選択され得るラウンド数のうち最大のラウンド(14ラウンド)が選択されていて、第4ラウンド終了時までにその旨を遊技者に報知していない場合、第6ラウンド(青キャラクタ71aまたは赤キャラクタ71bを表示させる可能性がある最後のラウンドである第4ラウンドの次の次のラウンド)以降において、その旨を報知してもよい。すなわち、高確率ラウンドとして選択され得るラウンド数のうち最大のラウンドが選択されている旨を、第6ラウンド以降に報知してもよい。この場合の報知の表示は、特に限定されない。青キャラクタ71aや赤キャラクタ71b以外のキャラクタを表示させることによって報知してもよい。
なお、上記の実施の形態では、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されたラウンド数を超えて大当りのラウンドが継続し得る構成とされていたが、決定されたラウンド数以上のラウンドにおいてV入賞が発生しても常に次のラウンドに継続しない構成とされていてもよい。すなわち、プログラムにより大当りのときに決定されたラウンド数以上のラウンドに継続するのを禁止する制御を実行する構成とされていてもよい。このような構成においては、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されたラウンド数は、その回数以上ラウンドが継続することがあり得ないラウンドの上限回数ということになる。なお、この実施の形態では、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されたラウンド数を超えて大当りのラウンドが継続し得る遊技制御が実行されているが、可変入賞装置20の内部構造(受皿40が立てられると遊技球が開閉板40側に行くのを完全に遮断する構造)上、実質的には、決定されたラウンド数以上のラウンドに継続しない構成とされている。
プログラムにより大当りのときに決定されたラウンド数以上のラウンドに継続するのを禁止する制御を実行する構成の場合であっても、予め定められた所定ラウンドの終了時以前のラウンドにおいてキャラクタを表示する演出を行う。この「予め定められた所定ラウンド」は、本実施形態の場合、例えば、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されるラウンド数(ラウンドの上限回数として選ばれ得るラウンド数)のうち、最大ではないラウンドとすればよい。例えば、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されるラウンド数が「2」、「5」または「15」であるとする。このうち最大ではないラウンド(例えば「5」ラウンド)を所定ラウンドと定めて、そのラウンドの終了時以前のラウンドでキャラクタを表示すればよい。また、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されるラウンド数のうち、最大ではないラウンド数から1減算したラウンドを所定のラウンドと定めて、そのラウンドの終了時以前のラウンドでキャラクタを表示してもよい。上記の例の場合、最大ではない「5」ラウンドから1減算した「4」ラウンド終了時以前のラウンドでキャラクタを表示してもよい。
プログラムにより大当りのときに決定されたラウンド数以上のラウンドに継続するのを禁止する制御を実行する構成の場合において、ラウンド数決定用乱数を用いて決定されたラウンド数が、選択され得るラウンド数のうちの最大のラウンドであったとする。そして、選択され得るラウンド数のうちの最大のラウンドが選択されたことが、所定ラウンド終了時までに青キャラクタ71aや赤キャラクタ71bによって報知されていないとする。この場合、所定ラウンドの次のラウンド以降(あるいは所定ラウンドの次の次のラウンド以降)において、選択され得るラウンド数のうちの最大のラウンドが選択された旨を報知する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態では、可変表示装置28に青キャラクタ71aや赤キャラクタ71bを表示させる構成であったが、このようなキャラクタを可変表示装置28に表示させるのではなく、複数のランプを設け、キャラクタ表示の代わりにそのランプを点灯させてもよい。また、キャラクタ表示の代わりに所定の音をスピーカから出力してもよい。
また、上記の実施の形態では、可変入賞装置20の構造は、図1,図2に示すような受皿40、回転板41、球取込部材43等を備えた構成であったが、継続促進状態と非継続促進状態に変化可能な構造であって、内部に特定入賞口を備えた構成であれば、図1,図2に示す構成に限られるわけではない。
また、ラウンド数決定用乱数値および演出決定用乱数値を抽出するタイミングは、始動入賞時であったが、少なくとも予告演出を実行するタイミングよりも先であれば、例えばカウントスイッチ25a,25bにより入賞を検出したときなどであってもよい。また、ラウンド数および予告演出の有無、種類を決定するタイミングも、始動入賞時であったが、このようなタイミングに限らず、予告演出を実行するタイミングよりも先であれば、例えばカウントスイッチ25a,25bにより入賞を検出したときなどであってもよい。
また、ラウンド数および報知演出の種類を決定するタイミングは、V入賞時であったが、少なくとも予告演出を実行するタイミングよりも先であればどのようなタイミングであってもよい。
また、特定の態様の予告A,Bを実行させるか否かを、球通過センサ26による検出タイミングで判定していたが、カウントスイッチ25a,25bの入賞検出のタイミングで判定してもよい。
また、球通過センサ26が設置されている位置も、図3等に示した位置に限られるわけではなく、球取込部材43の球取込位置にもっと近い位置や遠い位置などであってもよい。また、球取込部材43が遊技球を取り込む位置も、真上(頂上)の位置に限られるわけではない。
また、球取込部材43は、始動入賞が発生してから一定時間が経過したときに球取込動作を行うが、一定時間が経過する前に複数の始動入賞が同時に発生する場合も起こり得る。すなわち、始動無効期間が経過した後であって一定時間が経過する前に新たに始動入賞が発生することも起こり得る。このような場合は、例えば、始動入賞毎に所定の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を始動入賞に対応したRAM55の領域に格納する。また、一定時間を計測する複数の監視タイマを設けておき、始動入賞がある毎に、始動入賞に対応した監視タイマを作動させて複数の始動入賞からの一定時間をそれぞれ別々に計測する。
また、昇格演出は、2ラウンド、5ラウンドの開始時に行うようにしていたが、1ラウンド、4ラウンド終了後のインターバルにおいて昇格演出を実行してもよい。また、4ラウンド以前のインターバルで実行してもよい。
上記の実施の形態において、請求項1に記載の遊技領域は遊技領域3である。遊技者にとって有利な第1の状態は、開放状態である。遊技者にとって不利な第2の状態は、閉鎖状態である。可変入賞装置は、可変入賞装置20である。始動領域は、始動入賞口4a〜4cである。所定の始動態様は、大入賞口を一回または二回開放する始動動作を行っている状態や様子を意味する。特定の領域は、V入賞スイッチ30aが配されている特定入賞口である。所定の上限回数は、15回である。特定遊技状態は、大当り遊技状態である。特定の領域は、特定入賞口が設けられた収容部である。通常の領域は、アウト口45である。振分手段は、ラウンド継続妨害部材としての受皿40である。高確率ラウンドは、ラウンドが終了するまでの間に特定領域に遊技球が進入しやすいラウンド、すなわち、次回のラウンドに継続しやすいラウンドを意味する。低確率ラウンドは、ラウンドが終了するまでの間に特定領域に遊技球が進入しがたいラウンド、すなわち、次回のラウンドに継続しがたいラウンドを意味する。駆動制御手段は、遊技制御手段におけるステップS312〜S314を実行する部分である。駆動制御手段により制御される高確率ラウンドの回数であるラウンド回数は、1回、4回、14回である。回数決定手段は、遊技制御手段におけるステップS233,S234を実行する部分である。報知決定手段は、遊技制御手段におけるステップS236,S237を実行する部分である。真報知演出は、決定されたラウンド回数が1回、4回、14回であるときに、最終停止図柄が「2」「5」「15」となることにより、ラウンド回数が1回、4回、14回であることを報知する報知演出である。特定の表示は、決定されたラウンド回数が14回であるときに最終停止図柄が「5」となるようにする表示、あるいはクエスチョンマークの表示等である。特定報知演出は、偽報知演出や不明演出である。報知実行手段は、遊技制御手段におけるステップS238を実行する部分、および演出制御手段におけるステップS804のラウンド開始前演出実行処理を実行する部分である。予め定められた所定ラウンドは、第4ラウンドである。所定の画像は、青いいるかのキャラクタ71aまたは赤いいるかのキャラクタ71bである。画像表示手段は、演出制御手段におけるステップS859を実行する部分である。個数選択手段は、演出制御手段におけるステップS624を実行する部分である。複数種類の個数のうち所定個数以上の個数は、「2個」以上である「2個」、「3個」または「4個」である。
上記の実施の形態において、請求項2に記載の遊技領域は遊技領域3である。遊技者にとって有利な第1の状態は、開放状態である。遊技者にとって不利な第2の状態は、閉鎖状態である。可変入賞装置は、可変入賞装置20である。始動領域は、始動入賞口4a〜4cである。所定の始動態様は、大入賞口を一回または二回開放する始動動作を行っている状態や様子を意味する。特定の領域は、V入賞スイッチ30aが配されている特定入賞口である。所定の上限回数は、2回、5回、15回である。特定遊技状態は、大当り遊技状態である。実行可能なラウンドの上限回数であるラウンド回数は、2回、5回、15回である。回数決定手段は、遊技制御手段におけるステップS233,S234を実行する部分である。報知決定手段は、遊技制御手段におけるステップS236,S237を実行する部分である。真報知演出は、決定されたラウンド回数が2回、5回、15回であるときに、最終停止図柄が「2」「5」「15」となることにより、ラウンド回数が2回、5回、15回であることを報知する報知演出である。特定の表示は、決定されたラウンド回数が15回であるときに最終停止図柄が「5」となるようにする表示、あるいはクエスチョンマークの表示等である。特定報知演出は、偽報知演出や不明演出である。報知実行手段は、遊技制御手段におけるステップS238を実行する部分、および演出制御手段におけるステップS804のラウンド開始前演出実行処理を実行する部分である。予め定められた所定ラウンドは、第4ラウンドあるいは第5ラウンドである。所定の画像は、青いいるかのキャラクタ71aまたは赤いいるかのキャラクタ71bである。画像表示手段は、演出制御手段におけるステップS859を実行する部分である。個数選択手段は、演出制御手段におけるステップS624を実行する部分である。複数種類の個数のうち所定個数以上の個数は、「2個」以上である「2個」、「3個」または「4個」である。
上記の実施の形態において、請求項3に記載の所定画像表示ラウンド決定手段は、演出制御手段におけるステップS625を実行する部分である。
上記の実施の形態において、請求項4に記載の表示タイミング決定手段は、演出制御手段におけるステップS629を実行する部分である。
上記の実施の形態において、請求項5に記載のカウントスイッチは、カウントスイッチ25a,25bである。
上記の実施の形態において、請求項6に記載の第1所定画像は、青いいるかのキャラクタ71bである。第2所定画像は、赤いいるかのキャラクタ71bである。画像種別選択手段は、演出制御手段におけるステップS626を実行する部分である。