JP2005224403A - 登山靴用安全カバー - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】
アイゼンを装着した登山において、一方の足の靴に装着するアイゼンの固定紐などに、他方の足の靴に装着したアイゼンを引っ掛けて不測の事故が発生するのを防止する安全カバーを提供する。
【解決手段】
一枚の硬質合成樹脂板や金属板、皮革といった、低温下において強度を有する板材によって靴の腰部を覆うべく湾曲させた背面部2と靴の内側面を覆うカバー部3を連続させてカバー本体1を形成する。そして、カバー本体1の背面部2とカバー部3前端との間に靴の前方を迂回させてカバー本体1を靴に固定するための固定紐4,5を備えるとともに、カバー部3下端から靴の底面を迂回させて前記固定紐4,5などに係止させる係止紐6を備えるなど、しっかりと固定する。これにより、一方の足に履いた靴に装着したアイゼンの爪が、他方の足に履いた靴の靴紐やアイゼンを装着するための紐に引っ掛かることを防止する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、雪山や氷河あるいは条件の厳しい高山など、アイゼンを装着して使用する登山靴用の安全カバーに関する発明である。
雪山や氷河、氷結した場所での登山には、滑りを防止するために、登山靴にアイゼンを装着するのが普通である。また、特許文献1に開示されるように、登山靴の履き口から雪や雨が浸入しないように、あるいは厳しい気象条件から登山者を保護するために、登山靴の上部から脚の脛部分を覆うスパッツを使用することも知られている。なお、主として運動用の靴には、特許文献2に開示されているように、靴紐が邪魔にならないように、靴紐の結び部分をカバー体によって覆うことも提案されている。
特開2003−275001 特開2003−204807
アイゼンを着用した登山では、足が交差しないように1歩づつ着実に歩行することが原則であるが、時として一方の足の靴にアイゼンを装着するための紐などに、他方の足の靴に装着したアイゼンの爪を引っ掛けて、転倒などの事故が発生することがある。特に、危険な岩場や運動能力の低下する高山では、滑落などの重大事故の一因となっている。そして、このような一方の足に履いた靴のアイゼンを装着するための紐に、他方の足に履いた靴に装着したアイゼンの爪が引っ掛かるのを防止するといった安全対策は従来工夫されていないのが実情である。
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は一方の足に履いた靴の靴紐やアイゼンを装着するための紐に、他方の足に履いた靴に装着したアイゼンの爪が引っ掛かるのを防止する安全手段、具体的にはより効果的に安全を確保することができ、必要に応じて着脱が容易な登山靴用の安全カバーを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は一枚の硬質合成樹脂板や皮革、金属板といった板材によってカバー本体1を形成する。カバー本体を形成する板材は、アイゼン11を必要とするような低温下において、アイゼン11の爪11aが刺さるようなことがなく、衝撃によって破損しない強度を備えるものであれば、種々この材質を選定することができる。板材によって形成するカバー本体1は、靴7の腰部を覆うべく湾曲させた背面部2と、靴7の内側面を覆うカバー部3を連続させて形成する。そして、カバー本体1には、アイゼン11を装着した状態の靴7に、表面を覆うように取付けることができる装着手段を備える。
カバー本体1を靴7に取付ける装着手段は、カバー本体1がアイゼン11を装着した状態で靴7の表面を覆うとともに、歩行などに支障をきたさない程度に安定するものであればどのような方法であってもよい。一例として、背面部2とカバー部3前端との間に靴の前方を迂回させてカバー本体を靴に固定するための紐やベルト、その他の固定手段を備えるとともに、カバー部3の下端から靴7の底面を迂回させて前記紐などの固定手段もしくは靴7に係止させる係止手段、具体的には係止紐6を備える。
カバー本体1の内面には、カバー本体1の内面と対向する靴の一部や靴に装着するスパッツ10表面に、両者を係合させる係止手段、例えば相互に係合する面ファスナー8,9などを設けるのが好ましい。あるいは、カバー本体1の上端を靴7の履き口を覆うべく装着するスパッツ10の表面に固定しておき、カバー本体1を持ち上げた状態で靴7にアイゼン11装着し、カバー本体1を下ろして靴7の外表面を覆うようにすることもできる。この場合、カバー本体1はスパッツに取付けられた状態であるため、安全カバー付のスパッツとして取り扱うことになる。
請求項1記載の本発明に係る登山靴用安全カバーによれば、アイゼン11を装着した後に本発明に係る登山靴用カバーを装着することによって、アイゼン11を装着するための紐12や金具13のうち、足の内側部分をカバー本体1のカバー部3で覆うことができる。そのため、歩行時や登坂、登頂時に片方の足がもう片方の足に接近してぶつかるようなことがあっても、アイゼン11の爪は板材で形成した平面的なカバー本体1に当たり、アイゼン11を装着するための紐12や靴紐、金具13などを引っ掛けてしまうようなことがなく、安全を確保することができる。このとき、靴7の背面部分が背面部2によって抱持されるため、カバー本体1を安定させることができるとともに、背面部分に露出する紐などにアイゼン11の爪11aが引っかかるのを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、固定紐4,5などの固定手段と、係止紐6などの係止手段によってカバー本体1を装着しているため、靴7にカバー本体1をしっかりと安定良く装着することができる。請求項3記載の発明によれば、カバー本体1をカバー本体と対向する靴やスパッツ10に係止させることによって、カバー本体1をより一層安定させることができるとともに、より大きなカバー本体を安定よく装着することができ、歩行の妨げになるようなことがなく安全性を向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、カバー本体1がスパッツ10に固定されている結果、スパッツを装着する必要があるような悪条件下において、安全カバーを付け忘れるようなことがなく、また安全カバーの装着を簡略化することができる。さらに、カバー本体1の上端部分がスパッツ10に固定されている結果、ガタツキ易いカバー本体1をより一層安定させることができる。
以下、本発明に係る登山靴用安全カバーの、好ましい実施形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る登山靴用安全カバーの一例を示す斜視図、図2は図1に示す登山靴用安全カバーの使用状態を示す登山靴の側面図、図3は登山靴用安全カバーの使用状態を示す登山靴の背面図である。
図1に示すカバー本体1は左足用の安全カバーを示し、右足用は図1に示す左足用とは対称形となる。図1に示す登山靴用安全カバーのカバー本体1は、ジュラルミンのような軽量の金属板あるいは硬質の合成樹脂板、皮革のように軽量で強度的に優れた板材、特にアイゼンを装着する必要があるような低温下において、アイゼンの爪によって破れる他、低温劣化によって割れることがないような材質のものを用いて製造すればよく、特に材質が限定されるものではない。カバー本体1は、靴7の腰部を後から囲うように湾曲させた背面部2と、靴の内側を覆うことができるカバー部3とて構成し、カバー部3は背面部2と連続する一枚の板材で形成する。
カバー本体1の背面部2は、靴の腰部に位置し、歩行などの邪魔にならないように、比較的背の低いものとする。背面部2の主要な機能は、カバー本体1を靴7にしっかりと抱持させるとともに、靴の背面に露出する紐などを覆うことである。一方、カバー部3は靴の内側面のほぼ全体を覆うことができるように比較的大きな平面とする。図示例のカバー本体1は、くるぶし近辺に達する平板とし、その上縁は背部に向けて下方に傾斜し、背面部の上縁に連続する形状としている。もっとも、カバー本体1のカバー部3は、靴を着用した足の内側を覆うことができる形状であればどのような形状であってもよく、例えば靴の外表面に沿うような立体的な曲面で形成することもできる。
カバー本体1は、図2に二点鎖線で示す如く、登山靴にアイゼン11を装着した状態で両足の靴に装着する。カバー本体1には、靴7にできるだけ簡単かつ確実に装着することができるように、カバー部3の前端と背面部2の前端にそれぞれ固定紐4,5を、カバー部3の下端部分に係止紐6をそれぞれ取付けている。上記、固定紐4,5及び係止紐6は、表面が面ファスナーである扁平な紐を採用している。この扁平な紐は、一方の面が雄の面ファスナー、他方の面が雌の面ファスナーとなっており、相互に着脱することができる。もっとも、一本の固定紐5を長寸法としておき、カバー部3の前端部分に直接係止させたり、カバー部3の前端部分に配置したバックルにような係止具によって固定することもできる。
アイゼン11を靴7に装着するには、図2に示すように紐12によってしっかりと縛り付けるのが一般的である。紐などによる装着方法は、種々の形状、方法のものが製品化されているが、どのようなアイゼンであってもアイゼン11を装着するための紐12や、紐12に取付けられている金具13が外部に露出していることは共通している。この状態で本発明に係る登山靴用安全カバーを装着すると、図2に二点鎖線で示すように、紐12や金具13の外表面全体を覆うことになる。靴7に登山靴用安全カバーを装着する具体的な方法は特に限定されるものではないが、図示実施形態においては、背面部2前端とカバー部3前端にそれぞれ表裏両面が雄、雌の面ファスナーである固定紐4,5を設けてあり、固定紐4,5を靴の履き口部分の前方を掛け渡し、面ファスナーで相互に係止させることによって容易に固定することができるようにしている。この固定紐4,5によってカバー本体を固定した状態では、カバー本体1が上方に妄動する可能性がある。そこで、カバー部3の下端縁部分に設けた係止紐6を、靴7の底面を通過させて反対側、すなわち靴の外側面に掛け渡し、靴の外側面部分で、例えば固定紐5に係止させる。これにより、装着した登山靴用安全カバーは、妄動することなくしっかりと装着される。固定紐4,5や係止紐6による係止手段に代えて、例えば靴の形状に沿った形状の係止具、その他任意の係止具を用いることも可能である。
いずれにしても、カバー本体1は、何らかの固定手段によってアイゼン11を装着した状態で靴の表面を覆うべく、安定的に固定することができるものであれば、その固定手段は任意の固定手段を採用することができる。
本発明に係る登山靴用安全カバーを装着した状態で歩行や登坂を行なった場合に、片方の足に履いた靴7に取付けたアイゼン11の爪1aが、もう片方の足に履いた靴7の背面や側面にぶつかるようなことがあっても、図3に矢印で示すように、アイゼン11の爪11aがカバー部3に当たり、カバー部3の表面を滑ることによって、アイゼン11の爪がアイゼン11を装着している紐12などに絡まるようなことがない。一方の靴に装着したアイゼン11の爪11aが、もう一方の靴の紐やアイゼンを装着するための紐に絡まるような事態は通常の歩行などでは発生しにくいが、特に急斜面で足場の悪い岩場の登頂時や、気象条件の厳しい極低温の冬山などでは、登山者の疲労などと相俟って事故が起こり易く、かつこのような場合は重大事故につながる可能性がある。したがって、本発明に係る登山靴用安全カバーは、特に気象条件や地形的な条件の悪い場合に使用すると効果的なものである。
図4は、本発明に係る登山靴用安全カバーの別の実施形態を示す斜視図であって、右足用のものを示している。この実施形態は、カバー本体1の内面と、カバー本体1内面が対向する靴7やスパッツ10との間に係止手段を設けたものである。具体的には、カバー本体1内面の複数位置に雄又は雌の面ファスナー8,8を配置した点において、図1に示す実施形態と相違する。カバー本体1の内面に配置した面ファスナー8,8は、図5に示すように靴7の履き口から雪や雨水が浸入するのを防止するために使用するスパッツ10の表面に、カバー本体1の内面に配置した面ファスナー8,8と係合する面ファスナー9,9を設けておき、両者を係合させて使用するものである。
カバー本体1とスパッツ10との係止手段として、面ファスナー以外にスナップなどの係止具を用いることも可能である。また図示実施形態においては、カバー本体1とスパッツ10を係合させるようにしているが、スパッツ10以外に靴7そのものに係止させることもできる。しかしながら、登山靴に装着するスパッツ10は、係止紐14でしっかりと安定させるとともに、柔軟性があるため使用者の動きを阻害することがなく、カバー本体1に不必要に大きな力が作用するようなことがないため、より安全に使用することができて好ましいものである。
図4に示す実施形態のように、カバー本体1を単に固定紐4,5などで固定するだけでなく、スパッツ10などに係合させておくことにより安定し、登山者の動きに対し違和感を与えることがなく安全である。図6は、カバー本体1の上端をスパッツ10に固定しておく実施形態を示すものである。この実施形態では、図6に二点鎖線で示すようにカバー本体1を持ち上げた状態で靴にアイゼン11を装着し、アイゼンを装着した後に実線で示す状態に戻し、靴やアイゼンの紐、固定部以外のスパッツ面に係止させるなどの手段によって固定する。いずれにしても、装着したカバー本体1は、しっかりと安定するのが望ましく、その固定手段は種々の公知の手段を採用することができる。
スパッツ10は、比較的柔軟な生地によって形成するのが一般的であるが、腰のある厚手の構造でより確実に足を保護するものが知られている。前記、カバー本体1をスパッツの表面に固定する実施形態は、カバー本体1を安定させる上で厚手のスパッツに採用するのが好ましい。腰の強い、丈夫なスパッツ表面にカバー本体1を固定する際に、図6に二点鎖線で示す状態に持ち上げるのが困難な場合は、カバー本体1の上端部分に柔軟部分を形成しておき、この柔軟部分で折り返すようにしてもよい。
図6に示すように、カバー本体1の上端をスパッツ表面に固定する場合、アイゼンを着脱するためにカバー本体を持ち上げる必要がある。したがって、カバー本体1上端の一部を直線的もしくは一点で固定するのが好ましい。いずれにしても、図6に実線で示す位置に戻したカバー本体1は、任意固定手段によって靴7やアイゼン11の一部、スパッツ10などに固定し、歩行の際妄動するのを防止する。
図6に示す実施形態は、カバー本体1をスパッツ10に固定しておき、スパッツを装着することによって必然的に安全カバーを装着するものであるが、アイゼン11、具体的にはアイゼンを装着する紐や係止具にカバー本体の一部を装着しておき、アイゼンを装着することによって必然的に安全カバーを装着するようにすることもできる。この場合、アイゼンを靴7に固定する係止手段によって、同時にカバー本体1を安定させることができるような固定方法、例えばカバー本体1内面の複数位置に、アイゼンを装着するための紐を係合させておくのが望ましい。
なお、本発明に係る登山靴用安全カバーは、特に高山における危険な岩登りの際などに利用するとより効果的である。その理由は、アイゼン11を装着したときの歩行として足が交差するような歩行を行なわないのが登山の原則であるが、冷静な判断ができなくなる高山あるいは不自由な姿勢が必要な岩場などでは、自分の一方の足に履いた靴に装着したアイゼンを、他方の足に履いた靴の靴紐やアイゼンを装着するための紐に引っ掛け、バランスを崩して滑落事故を起こすことが多いためである。
図1は本発明に係る登山靴用安全カバーの一例を示す斜視図、 図2は、図1に示す登山靴用安全カバーの使用状態を示す登山靴の側面図、 図3は、図1に示す登山靴用安全カバーの使用状態を示す登山靴の背面図、 図4は、別の実施形態を示す登山靴用安全カバーの一例を示す斜視図、 図5は、図4に示す登山靴用安全カバーの使用状態を示す登山靴の側面図である。 図6は、安全カバーをスパッツに固定する実施形態を示す一部縦断の背面図である。
符号の説明
1…カバー本体、 2…背面部、 3…カバー部、 4,5…固定紐、 6…係止紐、 7…靴、 8,9…面ファスナー、 10…スパッツ、 11…アイゼン、 11a…爪、 12…紐、 13…金具、 14…係止紐。

Claims (4)

  1. 一枚の硬質合成樹板や皮革、金属板といった板材によって靴の腰部を覆うべく湾曲させた背面部と靴の内側面を覆うカバー部を連続させてカバー本体を形成し、該カバー本体にアイゼンを装着した状態の靴に取り付ける装着手段を備えたことを特徴とする登山用安全カバー。
  2. カバー本体を靴に取り付ける装着手段が、背面部とカバー部前端との間に靴の前方を迂回させてカバー本体を靴に固定するための固定手段を備えるとともに、カバー部下端から靴の底面を迂回させて前記固定手段もしくは靴に係止させる係止手段を備えるものである請求項1記載の登山靴用安全カバー。
  3. カバー本体の内面と該カバー本体の内面が対向する靴の一部もしくは靴の履き口を覆うべく装着するスパッツ表面に、両者を係合させる係止手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の登山靴用安全カバー。
  4. 一枚の硬質合成樹板や皮革、金属板といった板材によって靴の腰部を覆うべく湾曲させた背面部と靴の内側面を覆うカバー部を連続させてカバー本体を形成し、該カバー本体の上端を靴の履き口を覆うべく装着するスパッツ表面に固定しておき、靴にアイゼンを装着した状態で靴の外表面を覆うことを特徴とする登山用安全カバー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017508083A (ja) * 2014-02-21 2017-03-23 キム、チェオン・キ スパッツ及びアイゼン
RU2789566C1 (ru) * 2022-11-21 2023-02-06 Общество С Ограниченной Ответственностью "Баск" Защитный чехол для передних зубьев альпинистских кошек

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