JP2005223606A - El発光機能付き電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外装ケースと操作スイッチとの両者ともにデザインの自由度が高く、かつ機能性に優れるEL発光機能付き電子機器を提供する。
【解決手段】 外装ケースと、外装ケースに形成されている穴部に配設される操作スイッチとを有するものであって、外装ケースには第1の装飾部、操作スイッチには第2の装飾部が表面側から視認可能に各々形成されており、両装飾部は、装飾性を有する多色発光ELシートまたは照光用ELシート付きの装飾シートからなり、装飾デザインが統一性を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】 外装ケースと、外装ケースに形成されている穴部に配設される操作スイッチとを有するものであって、外装ケースには第1の装飾部、操作スイッチには第2の装飾部が表面側から視認可能に各々形成されており、両装飾部は、装飾性を有する多色発光ELシートまたは照光用ELシート付きの装飾シートからなり、装飾デザインが統一性を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、携帯電話、携帯情報端末、家電機器、産業用機器、音響機器、自動車電装部品等の電子機器に関し、さらに詳しくはEL発光機能を備えた電子機器に関するものである。
従来、例えば携帯電話等において、外装ケースに装飾が施されてデザイン性に富んだ加飾成形品が提案されている。この加飾成形品はそれを暗所において発光させることによって、さらなる装飾性の向上を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−347539号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、外装ケースに操作スイッチが設けられる加飾成形品においては、操作スイッチの存在によって、外装ケースにおけるデザインの自由度が低くなるという問題があった。
本発明は、前記状況に鑑みてなされたものであり、デザインの自由度が高いEL発光機能付き電子機器を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明に係るEL発光機能付き電子機器は、外装ケースと、当該外装ケースに形成されている穴部に配設される操作キーとを有し、前記外装ケースには第1ELシートが、前記操作キーには第2ELシートがそれぞれ表面側から視認可能に設けてあり、前記第1シートと前記第2シートにはそれぞれ加飾パターンが形成してあり、前記第1シートの加飾パターンと前記第2シートの加飾パターンとが連続したパターンをなしていることを特徴としている。この構成によれば、外装ケースと操作キーが暗所において照光されるから、暗所における操作のための照光機能に加え、デザイン的にも優れたものとすることが可能となる。
また、本発明に係る前記外装ケースは、光透過性材料からなり、前記第1ELシートは当該外装ケースの内部または背面部に形成されていることを特徴としている。この構成によれば、前記第1ELシートは直接外部に曝されることなく、かつ前記第1ELシートを外傷及び温度・湿度の変化から外装ケース自体により保護することができる。
また、本発明に係る前記操作キーは、光透過性材料からなり、前記第2ELシートは当該操作キーの内部または背面部に配設されていることを特徴としている。この構成によれば、前記第2ELシートは直接外部に曝されることなく、かつ前記第2ELシートを外傷及び温度・湿度の変化から外装ケース自体により保護することができる。
また、本発明に係る前記第1ELシートおよび前記第2ELシートは、前記操作キーの非操作時に実質的に同一高さにあることを特徴としている。この構成によれば、第1ELシートの発光パターンと第2ELシートの発光パターンとが実質的に同一レベルで表示されるので、デザインの連続性をより効果的に保つことができる。
また、本発明に係る前記外装ケースまたは前記操作キーは、インサート成形技術によって成形したものであることを特徴としている。この構成によれば、前記第1装飾層、前記第1ELシートは前記外装ケースの表面に、かつ前記第2装飾層および前記第2ELシートは前記操作キーの表面に一体成形されるので、前記第1装飾層、前記第1ELシートが前記外装ケースから、または前記第2装飾層および前記第2ELシートが前記操作キーから剥がれ落ちたり、位置がずれたりすることはなく、耐久性に優れたEL発光機能付き電子機器を提供できる。
本発明によれば、デザインの自由度が高い機能性に優れたEL発光機能付き電子機器を提供できる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明のEL発光機能付き電子機器の第1の実施の形態として携帯電話の部分平面図を示す。外装ケースの上ケース1には複数の穴部1aが形成されており、その穴部1aの各々に操作キー2が配設されている。上ケース1および操作キー2には、上ケース1に形成されている第1の装飾部3と操作キー2に形成されている第2の装飾部4とによって、両装飾部が統一性を有する装飾デザイン(本実施の形態においては、「月」と「星」。)が表面側から視認可能に形成されている。本実施の形態は携帯電話の例であるので、上ケース1の下方には、通話時の発声をピックアップするマイク(不図示)のための孔部1bが設けられている。
図2に、図1のA−A部の部分断面図を示す。樹脂成形品である上ケース1のケース面1c上に接着層6aを介して照光用のELシート101が配設してあり、ELシート101上に光透過性の材料からなる接着層6bを介して第1の装飾部3が形成してある。両接着層6a、6bについて、接着層6aは光透過性または遮光性の材料を任意に採用してもよい。第1の装飾部3は、上ケース1のケース面1cを全面的に被覆する光透過性シート3aと、光透過性シート3a上に形成されている第1の装飾領域3b(図2においては不図示。図1における「月」または「星」の領域。)と第2の装飾領域3cとから形成されていて、両装飾領域3b、3cが露出しないようにELシート101上に配設される。ここで、第1の装飾領域3bは光透過性で黄色を、第2の装飾領域3cは遮光性で青色を呈色するように設定している。ELシート101は照光用であり、第1の装飾領域3bすなわち図1における「月」または「星」の領域を照光するものであればよい。ELシート101が部分的に発光する構成は、ELシート101を製造する際に、第1の装飾領域3bに位置する領域以外において、背面電極層を省略して形成する等によればよい。この構成により、上ケース1のケース面1cは、明所においては、第1の装飾領域3b(黄色)と第2の装飾領域(青色)が視認でき、暗所においては、ELシート101の照光によって第1の装飾領域(黄色)が照光されて視認できる。
なお、第1の装飾部3について、第2の装飾領域3cを光透過性の材料で形成してもよい。その場合、照光用のELシート101は全面的に第1の装飾部3を照光するものを採用する。また、同第2の装飾領域3cを光透過性、遮光性の材料を混在させて形成してもよい。その場合、第1の装飾領域3bおよび第2の装飾領域3cの光透過性の装飾領域を照光するように形成したELシート101を採用、すなわち、上面に光透過性の装飾領域が位置する部分を照光可能に形成したELシート101を採用する。
ここで、照光用のELシートについて説明する。ポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の光透過性基板上に、光透過性電極としてインジウム−錫酸化物(ITO)を蒸着して、またはITOの針状結晶をバインダ樹脂に分散させたインクを印刷して光透過性電極層を形成する。光透過性電極層上に、発光インクを印刷して発光層を形成する。発光インクを構成する発光体としては、Cuをドープした硫化亜鉛(ZnS)が用いられる。この発光体と、フッ素樹脂バインダとしてフッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体を溶剤としてのメチルエチルケトンに溶かしたバインダと、これらを混合して攪拌し、さらに、所望の色を呈色するように蛍光顔料を混入し、発光インクを作る。混入した蛍光顔料が蛍光体の発光に対して2次発光し、所望の色を呈色する。この発光インクをスクリーン印刷法等の方法によって光透過性電極層上に分割して印刷し、その後、加熱し乾燥させて発光層を形成する。発光層上に同様の方法によって印刷して絶縁層を形成する。絶縁層を形成する絶縁インクは、チタン酸バリウム(BaTiO3)からなる高誘電体物質と上述のフッ素樹脂バインダとを混合して攪拌することによって作る。絶縁層上に、背面電極としてカーボンインクを印刷し、加熱、乾燥し、一旦、ELシートを発光させる部分全面に背面電極層を形成する。背面電極層は、カーボン粉と銀粉および銅粉とバインダであるポリエステル樹脂によって構成したものでもよい。背面電極層上に、保護層としてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂等、電気的に絶縁できるものを印刷形成する。ポリエステル樹脂としては、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。また、アクリル樹脂としては、具体的にはポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等が挙げられる。なお、ELシートにおいて、非発光領域の形成は、その領域において背面電極層の形成を省略する等によればよく、また、発光層、絶縁層の形成を省略する等によってもよい。以上のようにして、ELシートを製造する。
樹脂成形品である操作スイッチ2は、ボタン部2aと突出部2bと連結部2cとからなり、12個のボタン部(図1参照)が連結部2cによって連結された状態で一体的に形成されている。操作スイッチ2を形成する成形樹脂は可撓性かつ光透過性を有する材料を使用する。ボタン部2a上には、光透過性の材料からなる接着層5aを介して第2の装飾部4が配設してある。第2の装飾部4は、連結部2cを含み全面的に被覆する光透過性シート4aと、光透過性シート4a上に形成されている第1の装飾領域4b(図1における「月」または「星」の部分。)、第2の装飾領域4c(図1における「数字・記号」の部分。)および第3の装飾領域4dとから形成されていて、全装飾領域4b、4c、4dが露出しないようにボタン部2a上に配設される。ここで、第1の装飾領域4bは光透過性で黄色を、第2の装飾領域4cは光透過性で黄色と異なる色、例えば緑色を、第3の装飾領域4dは遮光性で青色を呈色するように設定している。この構成により、操作スイッチ2は、明所においては、操作スイッチ2の「数字・記号」が1、2、4、5、9、0、#の所では第1の装飾領域4b(黄色)と第2の装飾領域4c(緑色)と第3の装飾領域4d(青色)、「数字・記号」が3、6、7、8、*の所では第2の装飾領域4c(緑)と第3の装飾領域4d(青色)が視認でき、暗所においては、後述する下方に在るELシート102の照光によって、第1の装飾領域4b(黄色)と第2の装飾領域4c(緑色)が照光されて視認できる。
なお、別の装飾デザインとして、第1および第3の装飾領域を光透過性の材料、第2の装飾領域すなわち「数字・記号」を遮光性の材料で形成してもよい。この場合、暗所においては、ELシート22の照光によって「数字・記号」が影となって視認できる。
操作スイッチ2の下方には、電子機器の電気的制御を行なう回路部品等が実装されている回路基板7が配設されており、操作スイッチ2の突出部2bの直下にはスイッチ部が配設されている。スイッチ部の構成の一例として、回路基板7上に円形の固定接点7bとこれと同心リング状の固定接点7aとが設けられていて、金属材料等の導電性材料で形成されているドーム型タイプの可動接点8とからなるものを示す。可動接点8はELシート22とその下面に塗布された接着材(不図示)によって、回路基板7の所定の位置に固定される。操作スイッチ2のボタン部2aを下方に押圧すると、操作スイッチ2の突出部2bが可動接点8に当接して可動接点8が下方に弾性変形して両固定接点7a、7bを電気的に導通させ、押圧をやめると可動接点8は元のドーム状態に戻り両固定接点7a、7bの導通状態を解除する。この様に、スイッチ部は電気的にON/OFFする。ELシート102は、少なくとも操作スイッチ2を照光するように構成されていればよく、発光部22aと非発光部22bとからなるものを採用している。非発光部の形成は、ELシート102において背面電極を省略して形成する等によればよい。ELシート102の発光部102aによって、操作スイッチ2は照光され、操作スイッチ2の装飾デザインが視認できる。
図3及び図4に、第2の実施の形態を示す。図3に、本発明の一例として携帯電話の部分平面図を示す。外装ケースの上ケース11には複数の穴部11aが形成されており、その穴部11aの各々に操作キー12が配設されている。上ケース11および操作キー12には、上ケース11に形成されている第1の装飾部13と操作キー12に形成されている第2の装飾部14とによって、両装飾部が統一性を有する装飾デザイン(本実施の形態においては、「月」と「星」。)が表面側から視認可能に形成されている。本実施の形態は携帯電話の例であるので、上ケース11の下方には、通話時の発声をピックアップするマイク(不図示)のための孔部11bが設けられている。
これは、第1の装飾部13を上ケース11のケース面11cの背面側に配設、第2の装飾部14を第1の装飾部13に対し実質的に同一高さ位置になるように操作スイッチ12の内部に設けたものである。この構成を採用すれば、操作スイッチ12の非操作時に、第1の装飾部13と第2の装飾部14とが段差なく視認することができる。
光透過性の材料からなる上ケース11のケース面11cの背面側に光透過性の材料からなる接着層16dを介して第1の装飾部13が形成されている。第1の装飾部13は、上述した第1の実施の形態と同様で、上ケース1のケース面11cの背面側を全面的に被覆する光透過性シート13aと、光透過性シート13a上に形成されている第1の装飾領域13b(図3における「月」または「星」部分。)と第2の装飾領域13cとから形成されている。本実施の形態においては、両装飾領域13b、13cは光透過性シート13aに対して上下どちら側にあっても構わない。ここで、第1の装飾領域13bは光透過性で黄色を、第2の装飾領域13cは遮光性で青色を呈色するように設定している。第1の装飾部13の背面側に照光用のELシート103が光透過性の接着層16cを介して配設されている。ELシート103は、上述した第1の実施の形態と同様、照光したい部分すなわち図3における「月」または「星」部分が照光されるものであればよく、これは、ELシート103を製造する際に、第1の装飾領域13bに位置する領域以外において、背面電極層を省略して形成する等によればよい。この構成により、上ケース11のケース面11cは、明所においては、第1の装飾領域13b(黄色)と第2の装飾領域(青色)が視認でき、暗所においては、ELシート103の照光によって第1の装飾領域(黄色)が照光されて視認できる。
なお、第1の装飾部13について、第2の装飾領域13cを光透過性のもので形成、また、光透過性、遮光性のものを混在させて形成してもよく、この場合、照光用のELシート103の構成については、上述した第1の実施の形態と同様にすればよい。
操作スイッチ12は、第1の実施の形態同様、樹脂成形品であるボタン部12aと突出部12bと連結部12cとからなり、12個のボタン部(図3参照)が連結部12cによって連結された状態で一体的に形成されている。突出部12b上方に平面部を形成し、この平面部上に光透過性の接着層15bを介して第2の装飾部14が配設されていて、第2の装飾部14上に光透過性の接着層15cを介してボタン部12aが配設されている。第2の装飾部14は、操作スイッチ12のボタン部12aにのみ形成してあり、光透過性シート14aと、光透過性シート14a上に形成されている第1の装飾領域14b(図3における「月」または「星」の部分。)、第2の装飾領域14c(図3における「数字・記号」の部分。)および第3の装飾領域14dとから形成されている。本実施の形態においては、全装飾領域14b、14c、14dは、本発明に係る第1の実施の形態同様、光透過性シート14aに対して上下どちら側にあっても構わない。なお、本実施例に係る電気機器の使用方法は、第1の実施の形態と同様である。
ここで、上述した第1の実施の形態(図1、図2参照)と第2の実施の形態(図3、図4参照)において、第1の装飾部3(または13)および第2の装飾部4(または14)の配設位置は上述の組み合わせに限られるものでなく、両者を相互に組み合わせて採用することも可能である。例えば、第1の実施の形態における第2の装飾部4(または14)の配設位置すなわち第2の装飾部4(または14)を操作スイッチ2(または12)の表面側に、第2の実施の形態における第1の装飾部3(または13)の配設位置すなわち第1の装飾部3(または13)を上ケース1(または11)のケース面1c(または11c)の背面側に配設したものが挙げられる。この組み合わせによれば、操作スイッチ2(または12)の第2の装飾部4(または14)をケース面1c(または11c)の第1の装飾部3(または13)に対して際立たせることができる。
また、樹脂成形品である上ケース1(または11)のケース面1c(または11c)に第1の装飾部3(または13)を、操作スイッチ2(または12)のボタン部2a(または12a)や連結部2c(または12c)に第2の装飾部4(または14)を形成する場合に、上述では、それらを予め成形された樹脂成形品に接着層にて接着することによって行なう実施の形態を説明したが、これに限らない。上ケース1(または11)であれば第1の装飾部3(または13)とELシート101(または103)を位置決めした状態で接着したものを、操作スイッチ2(または12)であれば第2の装飾部4(または14)を、射出成形金型内にインサートして樹脂を射出する、すなわちインサート成形によって上ケース1および操作スイッチ2(または12)を製造してもよい。
次に、上述してきたような第1の装飾部3(または13)や第2の装飾部4(または14)を用いず、ELシート自体に装飾性を持たせる、すなわち、多色発光ELシートを用いてEL発光機能付き電子機器を構成する実施の形態について説明する。
図5に、第3の実施形態としての携帯電話の部分平面図を示す。外装ケースの上ケース21には複数の穴部21aが形成されており、その穴部21aの各々に操作キー22が配設されている。第1の多色発光ELシート104と第2の多色発光ELシート105は、図5に示す「月」と「星」の一部が視認可能なように領域分けして形成されており、ここでは第1の多色発光ELシート104と第2の多色発光ELシート105の発光時に、「月」と「星」の黄色発光の領域とその他の青色発光の領域とが在る。この構成により、上ケース21は、明所においては、第1の多色発光ELシート104と第2の多色発光ELシート105との非発光時に呈する色で装飾デザインが視認でき、暗所においては、第1の多色発光ELシート104と第2の多色発光ELシート105とが発光時に呈する色で装飾デザインが視認できる。
なお、「月」が黄色、「星」が橙色を呈色するように設定することも可能である。また、さらには、「月」と「星」の領域以外について、非発光部分と発光部分を混在させて形成してもよい。例えば、図示しないが、「月」の周りに「雲」の形状に白濁色発光する領域を部分的に設け、その他の領域は非発光部分とする装飾デザインである。非発光領域は、第1の多色発光ELシート103と第2の多色発光ELシート105とを製造する際に、非発光部分の背面電極層を省略して形成する等によればよい。
ここで、多色発光ELシートについて図9により説明する。ポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の光透過性基板201上に、光透過性電極としてインジウム−錫酸化物(ITO)を蒸着して、またはITOの針状結晶をバインダ樹脂に分散させたものを印刷して光透過性電極層202を形成する。光透過性電極層202上に、発光インクを印刷して発光層203を形成する。この時、発光層203は、複数の領域に分割して(本図は、203a、203b、203c、203dの4つの領域に分割した例)印刷形成する。発光インクを構成する発光体としては、Cuをドープした硫化亜鉛(ZnS)が用いられる。この発光体と、フッ素樹脂バインダとしてフッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体を溶剤としてのメチルエチルケトンに溶かしたバインダと、これらを混合して攪拌し、さらに、所望の色を呈色するように蛍光顔料を混入し、発光インクを作る。混入した蛍光顔料が蛍光体の発光に対して2次発光し、所望の色を呈色する。この発光インクをスクリーン印刷法等の方法によって光透過性電極層202上に分割して印刷し、その後、加熱し乾燥させて発光層203を形成する。発光層203上に同様の方法によって印刷して絶縁層204を形成する。絶縁層204を形成する絶縁インクは、チタン酸バリウム(BaTiO3)からなる高誘電体物質と上述のフッ素樹脂バインダとを混合して攪拌することによって作る。絶縁層204上に、背面電極としてカーボンインクを印刷し、加熱、乾燥し、一旦、多色発光ELシートを発光させる部分全面に背面電極層205を形成する。背面電極層205は、カーボン粉と銀粉および銅粉とバインダであるポリエステルによって構成したものでもよい。背面電極層205上に、保護層206としてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂等、電気的に絶縁できるものを印刷形成する。ポリエステル樹脂としては、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。またアクリル樹脂としては、具体的にはポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等が挙げられる。多色発光ELシートにおいて、非発光領域の形成は、その領域において背面電極層205の形成を省略してもよく、また、非発光領域の明所での呈色を得るため、発光層203に発光体なしの顔料層のみとしてもよい。以上のようにして、多色発光ELシートを製造する。
図6は、図5のA−A部の部分断面図を示す。上ケースのケース面21c上には、接着層26eを介して第1の多色発光ELシート104に貼着されている。操作スイッチ22は、樹脂成形品であるボタン部22aと突出部22bと連結部22cとからなり、12個のボタン部(図5参照)が連結部22cによって連結された状態で一体的に形成されている。操作スイッチ22を形成する成形樹脂は可撓性であるものを使用する。本第2の実施の形態においては成形樹脂の光透過性については拘らない。ボタン部22a上には、接着層25dを介して第2の多色発光ELシート105が配設されている。接着層25dについても光透過性については拘らない。第2の多色発光ELシート105は、図1に示す「月」と「星」の一部および「数字・記号」が領域分けして形成されており、ここでは第2の多色発光ELシート105の発光時に、「月」と「星」の黄色発光の領域と、「数字・記号」の黄色と異なる色、例えば緑色発光の領域と、その他の青色発光の領域とが在る。この構成により、操作スイッチ22は、明所においては、第2の多色発光ELシート105の非発光時に呈する色で装飾デザインが視認でき、暗所においては、第2の多色発光ELシート105が発光時に呈する色で装飾デザインが視認できる。なお、本実施例に係る電気機器の使用方法は、本発明に係る第2の実施の形態と同様である。
また、図7及び図8に第4の実施の形態を示す。図7に示すように、外装ケースの上ケース31には複数の穴部31aが形成されており、その穴部31a各々に操作キー32が配設されている。第1の多色発光ELシート106と第2の多色発光ELシート107は、図7に示す「月」と「星」の一部が視認可能なように領域分けして形成されており、ここでは第1の多色発光ELシート106と第2の多色発光ELシート107の発光時に、「月」と「星」の黄色発光の領域とその他の青色発光の領域とが在る。
図8に、図7のA−A部の部分断面図を示す。光透過性の材料からなる上ケース31のケース面31cの背面側に光透過性の材料からなる接着層36fを介して第1の多色発光ELシート106が配設されている。第1の多色発光ELシート106は、上述した第2の実施の形態と同様で、図7に示す「月」と「星」の一部が視認可能なように領域分けして形成されており、ここでは第1の多色発光ELシート106の発光時に、「月」と「星」の黄色発光の領域とその他の青色発光の領域とが在る。この構成により、上ケース31のケース面31cは、明所においては、第1の多色発光ELシート106の非発光時に呈する色で装飾デザインが視認でき、暗所においては、第1の多色発光ELシート106が発光時に呈する色で装飾デザインが視認できる。
操作スイッチ32は、樹脂成形品であるボタン部32aと突出部32bと連結部32cとからなり、12個のボタン部(図7参照)が連結部32cによって連結された状態で一体的に連結されている。操作スイッチ32を形成する成形樹脂は、少なくとも連結部2cについては可撓性であり、少なくとも連結部32aについては光透過性であるものを使用する。突出部2b上方に光透過性の接着層35eを介して第2の多色発光ELシート107が配設されていて、第2の多色発光ELシート107上に光透過性の接着層35fを介してボタン部32aが配設されている。第2の多色発光ELシート107は、操作スイッチ32のボタン部32aにのみ形成してあり、図7に示す「月」と「星」の一部および「数字・記号」が領域分けして形成されており、ここでは第2の多色発光ELシート107の発光時に、「月」と「星」の黄色発光の領域と、「数字・記号」の黄色と異なる色、例えば緑色発光の領域と、その他の青色発光の領域とが在る。この構成により、操作スイッチ32は、明所においては、第2の多色発光ELシート107の非発光時に呈する色で装飾デザインが視認でき、暗所においては、第2の多色発光ELシート107が発光時に呈する色で装飾デザインが視認できる。
ここで、上述した第3の実施の形態(図5、図6参照)と第4の実施の形態(図7、図8参照)において、第1の多色発光シート104または106および第2の多色発光ELシート105または107の配設位置は上述の組み合わせに限られるものでなく、両者を混合して組み合わせて採用することも可能である。例えば、第3の実施の形態における第2の多色発光ELシート105または107の配設位置すなわち第2の多色発光ELシート105または107を操作スイッチ32の表面側に、第4の実施の形態における第1の多色発光ELシート104または106の配設位置すなわち第1の多色発光ELシート104または106を上ケース31のケース面31c背面側に配設したものが挙げられる。この組み合わせによれば、操作スイッチ32の第2の多色発光ELシート105または107を第2の多色発光ELシート104または106に対して際立たせることができる。
また、上述した第1の実施の形態と同様、樹脂成形品である上ケース31のケース面31cに第1の多色発光ELシート104または106を、操作スイッチ32のボタン部32aや連結部32cに第2の多色発光ELシート105または107を形成する場合に、上述では、それらを予め成形された樹脂成形品に接着層にて接着することによって行なう実施の形態を説明してきたが、これに限られない。上ケース31であれば第1の多色発光ELシート104または106を、操作スイッチ32であれば第2の多色発光ELシート105または107を、射出成形金型内にインサートして樹脂を射出する、すなわちインサート成形によって、上ケース31および操作スイッチ32を製造してもよい。
さらには、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した第1および第2の装飾部を照光用のELシートで発光させる構成と、第3の実施の形態および第4の実施の形態で説明した第1および第2の多色発光ELシートを発光させる構成とを適宜混在させて実施してもよい。
1、11、21、31 外装ケース
1a、11a、21a、31a 穴部
2、12、22、32 操作スイッチ
3、13 第1の装飾部
4、14 第2の装飾部
101、102、103 照光用ELシート
104、105、106、107 多色発光ELシート
1a、11a、21a、31a 穴部
2、12、22、32 操作スイッチ
3、13 第1の装飾部
4、14 第2の装飾部
101、102、103 照光用ELシート
104、105、106、107 多色発光ELシート
Claims (5)
- 外装ケースと、当該外装ケースに形成されている穴部に配設される操作キーとを有し、
前記外装ケースには第1ELシートが、前記操作キーには第2ELシートがそれぞれ表面側から視認可能に設けてあり、
前記第1シートと前記第2シートにはそれぞれ加飾パターンが形成してあり、
前記第1シートの加飾パターンと前記第2シートの加飾パターンとが連続したパターンをなしている
ことを特徴とするEL発光機能付き電子機器。 - 請求項1において、前記外装ケースは光透過性材料からなり、前記第1ELシートは当該外装ケースの内部または背面部に形成されていることを特徴とするEL発光機能付き電子機器。
- 請求項1において、前記操作キーは光透過性材料からなり、前記第2ELシートは当該操作キーの内部または背面部に配設されていることを特徴とするEL発光機能付き電子機器。
- 請求項1乃至3において、前記第1ELシートおよび前記第2ELシートは、前記操作キーの非操作時に実質的に同一高さ位置にあることを特徴とするEL発光機能付き電子機器。
- 請求項1乃至4において、前記外装ケースまたは前記操作キーは、インサート成形技術によって成形したものであることを特徴とするEL発光機能付き電子機器。
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---|---|---|---|
JP2004029463A JP2005223606A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | El発光機能付き電子機器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005223606A true JP2005223606A (ja) | 2005-08-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004029463A Abandoned JP2005223606A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | El発光機能付き電子機器 |
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Country | Link |
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-
2004
- 2004-02-05 JP JP2004029463A patent/JP2005223606A/ja not_active Abandoned
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