JP2005223517A - 弾性表面波デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 IDTなどの弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段と、反射器などの弾性表面波反射手段とを別々に最適化することにより、デバイス性能を容易に向上させることが可能な弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】 本発明の弾性表面波デバイス100は、圧電体103の表面に形成された励振電極を含む弾性表面波励振手段若しくは検出電極を含む弾性表面波検出手段104と、前記表面に形成された反射電極を含む弾性表面波反射手段105とを備えた弾性表面波デバイスにおいて、励振電極若しくは前記検出電極104a,104bの厚さt1と、反射電極105aの厚さt2とが異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は弾性表面波デバイスに係り、特に、圧電体の表面に励振電極若しくは検出電極と反射電極とを備えた弾性表面波デバイスの構造に関する。
一般に、通信機器や各種信号処理には、共振子やフィルタなどを構成する弾性表面波デバイスが用いられている。この弾性表面波デバイスは、ZnOなどの圧電体の圧電性を用いるものである。従来の弾性表面波デバイスにおいては、圧電体の表面上にIDT(インタディジタル変換子、例えば櫛歯状電極)などで構成される弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段や反射器などで構成される弾性表面波反射手段が形成され、これらのIDTや反射器を相互に結線するためのバスバーや、このバスバーをボンディングパッドへ結線するための配線が設けられる。通常の弾性表面波デバイスでは、デバイスチップをケーシングの内部に密封した状態で配置し、このデバイスチップに形成されたボンディングパッドと、ケーシングに設けられた外部端子とが導電ワイヤで導電接続されるようになっている。
特に、シリコン基板などの基板上に圧電体薄膜を成膜し、この圧電体薄膜の表面上に上記のIDTや反射器を構成する積層構造の弾性表面波デバイスが知られている(例えば、以下の非特許文献1及び2参照)。このような積層構造のデバイスでは、基板の表面領域に種々の半導体素子をモノリシックに形成したり、或いは、シリコン基板上に薄膜構造を形成したりすることによって、種々の半導体素子や配線を形成することによって半導体集積回路を構成することができる。通常、通信回路や各種信号処理回路においては、多くの部分が半導体集積回路として構成されるため、例えば、半導体集積回路が構成されるシリコン基板上に上記の弾性表面波デバイスを構成することが、通信回路や信号処理回路の小型化を進める上で重要なポイントになるものと考えられる。このため、従来から、半導体集積回路を構成してなるシリコン基板上に形成された弾性表面波デバイスが提案されている(例えば、以下の特許文献1及び2参照)。
三露常男・他4名 「薄膜弾性表面波ディバイス」 松下技報(National Technical Report) Vol.22 No.6 Dec 1976 P.905-923 S.J.Martin・他2名 「HIGH Q, TEMPERATURE STABLE ZnO−on−SILICON SAW RESONATORS」 1980 ULTRASONICS SYMPOSIUM P.113−P.117 特開平6−125226号公報 特開2000−151451号公報
ところで、前述の弾性表面波デバイスでは、IDTなどの弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段によって励振若しくは検出される弾性表面波は、圧電体の圧電性や弾性係数、励振された弾性表面波の波長、反射器の構造寸法などが変化することによって、その伝播速度が変化し、また、励振若しくは検出時における電気機械結合係数と反射器の反射係数が変化する。また、圧電体薄膜を用いる積層型のデバイスでは、圧電体薄膜の厚さによっても特性が変化する。この場合に、IDTなどの弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段と、反射器などの弾性表面波反射手段とが設けられてなる弾性表面波デバイスにおいては、各手段の構造寸法が弾性表面波励振手段の励振効率若しくは弾性表面波検出手段の検出効率と、弾性表面波反射手段の反射効率とに与える影響が相互に異なる。しかしながら、従来の弾性表面波デバイスでは、このような励振効率若しくは検出効率(電気機械結合係数)と反射効率の双方を同時に向上させるという観点からの構造提案がなされていなかった。すなわち、従来構造では、各手段の励振効率若しくは検出効率と、反射効率とを別々に向上させるという配慮がなされておらず、これらの効率の結果として生ずるデバイス性能の向上を必ずしも充分に図ることができなかった。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、IDTなどの弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段と、反射器などの弾性表面波反射手段とを別々に最適化することにより、デバイス性能を容易に向上させることが可能な弾性表面波デバイスを提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の弾性表面波デバイスは、圧電体の表面に形成された励振電極を含む弾性表面波励振手段若しくは検出電極を含む弾性表面波検出手段と、前記表面に形成された反射電極を含む弾性表面波反射手段とを備えた弾性表面波デバイスにおいて、前記励振電極若しくは前記検出電極の厚さと、前記反射電極の厚さとが異なることを特徴とする。
従来の弾性表面波デバイスでは、IDTなどの弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段と、反射器などの弾性表面波反射手段とが一回のフォトリソグラフィ工程によって構成されるため、励振電極若しくは検出電極の厚さと反射電極の厚さとが同一であった。ところが、これらの電極の厚さは、励振効率及び検出効率、又は、反射効率に大きな影響を与えるとともに、これらの効率を高めるために好適な値が相互に異なる。さらに、これらの電極の厚さによる上記効率に与える影響の度合は、他のパラメータ、例えば、圧電体の厚さが変化することによっても変動し、この変動態様も励振電極若しくは検出電極と、反射電極とでは相互に異なる。
したがって、従来構造における励振電極若しくは検出電極の厚さと反射電極の厚さとの同一性は、実際には励振効率若しくは検出効率と反射効率とを共に高める上での大きな制約となっていた。しかし、本発明においては、励振電極若しくは検出電極の厚さと反射電極の厚さとが異なることにより、励振効率若しくは検出効率の向上と、反射効率の向上とを、電極の厚さの同一性による制約を受けずに図ることができるので、従来構造よりもデバイス性能の向上を図ることが容易になるという利点がある。例えば、励振効率若しくは検出効率の向上による電気機械結合係数の向上と、反射効率の向上による弾性表面波の減衰量の低減とを共に図ることができる。なお、電気機械結合係数及び反射係数の向上により、電極数を減らすことができるため、デバイスを小型化できるという利点に繋がる。
本発明において、前記反射電極は前記励振電極若しくは前記検出電極よりも厚いことが好ましい。製造が容易で、かつ、或る程度のデバイス性能が得られる一般的な圧電体薄膜の厚さ、弾性表面波の波長、電極の厚さの領域においては、電気機械結合係数Kは、励振電極若しくは検出電極の厚さが大きくなると低下する傾向にあるが、反射器の反射係数は、反射電極の厚さが大きくなるほど増大する。したがって、反射電極を励振電極若しくは検出電極よりも大きくすることによって、電気機械結合係数を低下させずに反射効率を高めることができるため、デバイス性能を向上させることができる。なお、電気機械結合係数や反射係数の向上は、デバイス性能の向上とともに、電極数の低減にも寄与し、デバイスの小型化にも繋がる。
本発明において、基板と、該基板上に形成された、前記圧電体としての圧電体薄膜とを有することが好ましい。これによれば、基板上に形成された圧電体薄膜を有する構造とすることにより、製造が容易になるとともに、基板上に形成される他の回路構造との一体化を図ることが可能になる。例えば、半導体基板を用いることで、半導体集積回路と弾性表面波デバイスとの一体化が可能になる。
本発明において、前記基板と前記圧電体薄膜との間に絶縁層を有することが好ましい。基板と圧電体薄膜との間に絶縁層を介在させることにより、導電性を有する素材で構成される基板、基板上に導電パターンなどの導電体が形成されてなる基板、或いは、半導体基板などを用いても、基板若しくは基板上の導電体の導電性が弾性表面波デバイスの特性に与える影響を低減できる。
本発明において、前記圧電体は、ZnO、AlN、PZT、LiNbO、TaNbO、KNbO、PMN−PTやPNN−PTのリラクサ系から選ばれたいずれか一の素材で構成されていることが好ましい。これらの材料は、最も典型的な圧電体である水晶よりも高い圧電性を呈するため、高性能の弾性表面波デバイスを構成することができる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る実施形態の弾性表面波デバイス100の断面構造を模式的に示す概略断面図、図2は弾性表面波デバイス100の平面形状を示す概略平面図である。
この実施形態では、シリコン基板などの半導体基板、ガラス基板、セラミックス基板などの種々の素材で構成された基板101の表面上に、SiO、TiO、Taなどで構成された絶縁層102が形成され、この絶縁層102の上に圧電体薄膜103が形成されている。圧電体薄膜103を構成する素材としては、圧電性を有するものであれば如何なるものでも用いることができるが、特に、ZnO、AlN、PZT(Pb−Zn−Ti)、LiNbO、TaNbO、KNbO、PMN−PTやPNN−PTのリラクサ系などの高い圧電性を有する素材を用いることが望ましい。圧電体薄膜103の厚さは特に限定されないが、例えば、0.1〜10.0μm程度であることが好ましい。弾性表面波の波長λは一般に4〜20μm程度であるので、弾性表面波の波長λで規格化された膜厚khp=2πtp/λ(tpは圧電体の厚さ)としては、0.005〜2.5程度である。特に圧電体薄膜としてZnOを用いた場合、比較的薄くても高い電気機械結合係数の得られる範囲として、厚さが0.8〜2.0μm程度、規格化された膜厚khpで0.04〜0.5の範囲が挙げられる。
この圧電体薄膜103の表面上には、弾性表面波の励振及び検出を行うための励振検出電極104a,104b(上記の励振電極又は検出電極に相当する。)を備えた弾性表面波励振検出手段104(上記の弾性表面波励振手段又は弾性表面波検出手段に相当する。)が形成されている。この弾性表面波励振検出手段104は、図示例の場合、励振検出電極104aと104bとが交互に配列されている。複数の励振検出電極104aは接続端子104Aに導電接続され、同一電位が与えられ、また、複数の励振検出電極104bは接続端子104Bに導電接続され、同一電位が与えられるようになっている。この弾性表面波励振検出手段104は、本実施形態ではインタディジタル変換子(IDT)によって構成されている。具体的には、図示例において一対の櫛歯状電極が相互に噛み合う形状で対向配置されている。なお、以下の記述において、上記の弾性表面波励振検出手段104を単に「IDT104」という。
また、この弾性表面波励振検出手段104によって生ずる弾性表面波の伝播方向(図示例では左右方向)の両側には、それぞれ反射電極105aを備えた弾性表面波反射手段105が設けられている。この弾性表面波反射手段105は、複数の反射電極105aを上記伝播方向に配列させたグレーティング反射器である。弾性表面波反射手段105において、反射電極105a同士は相互に導電接続されている。実際には反射電極105aを数十本以上設けることで、高い反射率が得られる。なお、以下の記述において、上記の弾性表面波反射手段105を単に「反射器105」という。
本実施形態においては、励振検出電極104a,104bの厚さt1と、反射電極105aの厚さt2とは相互に異なっている。この場合、厚さt1及びt2は、一般的に0.02〜1.0μm程度であることが好ましい。この範囲を下回ると電気抵抗が増大して電極としての機能が果たせなくなり、上記範囲を上回ると電気的摂動効果及び弾性的摂動効果による波形の乱れが生じやすくなる。上記と同様に弾性表面波の波長λで規格化された膜厚kh1=2πt1/λ及び膜厚kh2=2πt2/λでは、一般的に0.001〜0.25の範囲内に設定されることが好ましい。
図示例では、反射電極105aの厚さt2は、上記励振検出電極104a,104bの厚さt1よりも小さく構成されている。このとき、膜厚kh1は0.001〜0.20、膜厚kh2は0.0015〜0.25の範囲で、上記のようにkh1<kh2が成立していることが好ましい。
図3は、上記実施形態の製造方法を示す概略工程断面図(a)〜(c)である。本実施形態では、最初に、図3(a)に示すように、基板101の上に絶縁層102を構成する。この絶縁層102は、例えば、基板101がシリコン基板であれば、基板101を熱酸化することによって構成することができる。また、基板101上に絶縁材料をスパッタリング法やCVD法などによって成膜してもよい。未硬化の樹脂や水ガラスなどを塗布して乾燥・焼成してもよい。
この絶縁層102上に形成される圧電体薄膜103は、スパッタリング法やCVD法などで成膜される。特に、高品位の薄膜を形成するには、RFマグネトロンスパッタリング法やMOCVD(有機金属CVD)法などによって成膜されることが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、圧電体薄膜103の表面上にアルミニウムなどの導電体を蒸着法やスパッタリング法などにより成膜し、フォトリソグラフィ法によってレジストなどをマスクとしてパターニングすることによりIDT104の元になるIDT104′及び反射器105を形成する。このときのパターニングには、例えば、KOHなどのアルカリ溶液を用いる。このIDT104′は、励振検出電極となる部分が反射器105の反射電極105aの厚さt2と同一の厚さを有するものである。
その後、図3(c)に示すように、反射器105の反射電極105aをレジストなどで構成されるマスク105Cによって被覆した状態で、IDT104′の励振検出電極となる部分をエッチングし、厚さがt2より薄いt1となるようにする。ここで、IDT104′の励振検出電極となる部分以外の部分、すなわち、電極間を導電接続する配線部分(バスバー)や外部との導電接続に用いる接続端子(ボンディングパッド)をもマスクで被覆して、これらが薄くなることを防止するようにしてもよい。その後、上記マスク105Cを除去して、必要な配線接続などを行う。
なお、上記実施形態では、励振検出電極をエッチングすることによって反射電極と異なる厚さに形成しているが、反射電極を複数回(2回)積み重ねることにより厚く形成してもよい。いずれの方法においても、反射電極を励振検出電極よりも薄く形成する場合には、上記の関係は反射電極と励振検出電極とが相互に逆になるように形成すればよい。
本実施形態は、IDT104が入力ポートと出力ポートとを兼ねた1ポート型の共振子であるが、入力ポートとして励振電極を備えた弾性表面波励振手段を有し、出力ポートとして検出電極を備えた弾性表面波検出手段を有する2ポート型共振子を構成することもできる。この場合、弾性表面波反射手段は、弾性表面波励振手段と弾性表面波検出手段の配列方向の両側にそれぞれ構成される。
また、上記実施形態では、基板101上に絶縁層102を介して圧電体薄膜103を形成してなるが、基板101上に直接圧電体薄膜103を形成してもよい。また、絶縁層102と圧電体薄膜103との間、或いは、基板101と圧電体薄膜103との間に、弾性表面波の伝播領域全体に亘って形成された導電層を設けてもよい。この導電層は、圧電体薄膜103における上記各電極の形成された表面とは反対側の表面の電位勾配を低減するものであり、これによって、成膜の容易な薄い圧電膜でも電気機械結合係数が高い値を示すようになるため、弾性表面波デバイスの伝播特性を向上させることができる。
図4は、圧電体薄膜103としてZnOを用いたときの、上記実施形態の電気機械結合係数Kと、圧電体薄膜103の規格化された膜厚khpとの関係を示すグラフである。ここで、図示実線は、励振検出電極104a,104bの規格化された膜厚kh1が0.01の場合、図示点線は、膜厚kh1が0.001の場合を示す。このグラフに示されるように、電気機械結合係数Kは、励振検出電極104a,104bの膜厚が0.01から0.001に変化することによって変化する。特に、圧電体薄膜の膜厚khpが0.1〜2.4の範囲内では、励振検出電極の膜厚が大きくなると電気機械結合係数が低下する。このうち、圧電体薄膜の膜厚が比較的が小さい領域、例えば膜厚khpが0.2〜1.8の範囲では、電気機械結合係数が比較的大きいとともに、膜厚kh1が0.01から0.001まで変化することにより、電気機械結合係数が10〜20%程度変化している。この領域は、圧電体薄膜を短時間に製造できることから低コスト化が可能で、弾性表面波デバイスを量産する場合に実用的な範囲でもある。特に、圧電体薄膜の厚さが薄いkhp=0.2〜0.5の範囲が量産に適している。
図5は、圧電体薄膜103としてZnOを用いたときの、上記実施形態の反射器105の反射電極105a一本当たりの反射係数τと、反射電極105aの規格化された膜厚kh2との関係を示すグラフである。ここで、圧電体薄膜103の規格化された膜厚khpは0.55である。このグラフに示されるように、反射係数τは、反射電極の膜厚kh2が0.001〜0.002の範囲では増大するに従ってほぼ直線的に増大している。
上記の図4及び図5に示すように、上述の比較的実用的な範囲では、励振検出電極の膜厚kh1を小さくすることによって電気機械結合係数Kを増大させることができ、また、反射電極の膜厚kh2を大きくすることによって反射係数τを増大させることができる。したがって、膜厚kh2を膜厚kh1より大きくすることによって、電気機械結合係数と反射係数を共に増大させてデバイス性能を高めることが可能になる。
もっとも、例えば、図4に示すように、圧電体薄膜の膜厚khpが2.4を越えると、励振検出電極の膜厚kh1が大きくなると電気機械結合係数が大きくなり、また、図5には示していないが、反射電極の膜厚kh2が或る程度大きくなると、反射係数を阻害する要因が生ずる。このため、上記の膜厚kh1とkh2の関係を逆転させたほうが、デバイス性能の向上に有効である状況も存在し得る。このような状況は、圧電体薄膜の特性や膜厚khp、励振検出電極の膜厚kh1、及び、反射電極の膜厚kh2の値によって変化するので、デバイス製造の設定領域によって膜厚kh1とkh2の大小関係は適宜に設定できる。
図6は、上記実施形態の弾性表面波デバイスの挿入損失の周波数依存性について、膜厚kh1とkh2を同一とした場合(図示点線)と、膜厚kh1よりも膜厚kh2を大きくすることにより、電気機械結合係数K2を30%向上させるとともに、反射係数を30%高めた場合(図示実線)とを比較したグラフである。このグラフを見れば、挿入損失が低減し、デバイス特性が向上していることがわかる。
尚、本発明の弾性表面波デバイスは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記の説明では、弾性表面波デバイスとして、共振子を構成する場合について説明したが、本発明は、弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段のうち少なくとも一方と、弾性表面波反射手段とを備えたものであればよい。例えば、外部から伝播してくる弾性表面波を、弾性表面波反射手段を介して弾性表面波検出手段によって検出するもの、弾性表面波励振手段によって励振した弾性表面波を、弾性表面波反射手段を介して外部へ送り出すものなどが考えられる。
また、上記実施形態では、基板上に圧電体薄膜が形成されてなる積層構造を有する弾性表面波デバイスについて説明したが、本発明はこのような積層構造を有するものに限らず、圧電体基板上に直接上記の弾性表面波励振手段若しくは弾性表面波検出手段、及び、弾性表面波反射手段を形成してなるものであっても構わない。
弾性表面波デバイスの実施形態の概略断面図。 実施形態の概略平面図。 実施形態の製造方法を示す概略工程断面図(a)−(c)。 実施形態の電気機械結合係数と圧電体薄膜の膜厚khpとの関係について、励振検出電極の膜厚kh1を変えて比較した状態を示すグラフ。 実施形態の反射係数τと反射電極の膜厚kh2との関係を示すグラフ。 実施形態と比較例の挿入損失を対比して示すグラフ。
符号の説明
100…弾性表面波デバイス、101…基板、102…絶縁層、103…圧電体薄膜、104…弾性表面波励振検出手段、104a,104b…励振検出電極、105…弾性表面波反射手段、105a…反射電極、khp…圧電体薄膜の規格化された膜厚、kh1…励振検出電極の規格化された膜厚、kh2…反射電極の規格化された膜厚

Claims (5)

  1. 圧電体の表面に形成された励振電極を含む弾性表面波励振手段若しくは検出電極を含む弾性表面波検出手段と、前記表面に形成された反射電極を含む弾性表面波反射手段とを備えた弾性表面波デバイスにおいて、前記励振電極若しくは前記検出電極の厚さと、前記反射電極の厚さとが異なることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  2. 前記反射電極は前記励振電極若しくは前記検出電極よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波デバイス。
  3. 基板と、該基板上に形成された、前記圧電体としての圧電体薄膜とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性表面波デバイス。
  4. 前記基板と前記圧電体薄膜との間に絶縁層を有することを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波デバイス。
  5. 前記圧電体は、ZnO、AlN、PZT、LiNbO、TaNbO、KNbO、PMN−PTやPNN−PTのリラクサ系から選ばれたいずれか一の素材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の弾性表面波デバイス。
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