JP2005222000A - 二成分現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 二成分現像剤を構成するトナーおよびキャリアの形状が、凹凸の大きな球形であるか凹凸の小さな球形であるかに関わらず、耐久性および環境安定性の優れた二成分現像剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 トナーとキャリアとからなる二成分現像剤であって、キャリアは、コア材をコート材で被覆したものであって、コート材は、コア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下であり、トナーは、現像剤中のトナー濃度が、下記式を満たすことを特徴とする二成分現像剤。
100/(0.75k+1) ≦ X ≦ 100/(0.34k+1)
X = トナー濃度(重量%)
k = 被覆係数(k = Stρc / Scρt)
ρc = キャリアの比重
ρt = トナーの比重
Sc = キャリアの比表面積(cm2/cm3)
St = トナーの比表面積(cm2/cm3)
【選択図】 なし
Description
キャリアは、コア材をコート材で被覆したものであって、
コート材は、コア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下であり、
トナーは、現像剤中のトナー濃度が、下記式(1)を満たすことを特徴とする二成分現像剤である。
100/(0.75k+1) ≦ X ≦ 100/(0.34k+1) …(1)
X = トナー濃度(重量%)
k = 被覆係数(k = Stρc / Scρt)
ρc = キャリアの比重
ρt = トナーの比重
Sc = キャリアの比表面積(cm2/cm3)
St = トナーの比表面積(cm2/cm3)
また本発明は、無機微粒子は、シリカであることを特徴とする。
本発明である二成分現像剤は、被覆率に基づいてトナー濃度を規定する。トナーおよびキャリアの形状が凸凹の小さい球体である場合においては、トナーおよびキャリアが凹凸のない球体であるとして算出した被覆率でトナー濃度を規定すると、耐久性および環境安定性の優れたトナーを得ることができた。
被覆率 = トナーの表面積 / キャリアの表面積
被覆率 =(St/ρt)/(Sc/ρc)
ρc = キャリアの比重
ρt = トナーの比重
Sc = キャリアの比表面積(cm2/cm3)
St = トナーの比表面積(cm2/cm3)
被覆率 = (St/ρt)× X /(Sc/ρc)×(100−X)
= StρcX / Scρt(100−X)
X = トナー濃度(重量%)
ここで、被覆率であるStρcX / Scρt(100−X)の値の好ましい範囲を規定することによって、耐久性および環境安定性の優れた二成分現像剤を得ることができる。
A ≦Scρt(100−X)/ StρcX≦ B
A≦(100−X)/kX≦ B
AkX≦100−X≦ BkX
(Ak+1)X≦100≦(Bk+1)X
100/(Bk+1)≦X≦100/(Ak+1)
本発明である二成分現像剤を構成するトナーは、樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などを含むトナー母体粒子に外添剤を添加して構成される。
トナー母体粒子は、樹脂を含んで構成される。樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などを挙げることができる。上記の樹脂を単独で用いてもよいし、複数の混合物で用いてもよい。また、共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、グラフト共重合体でもよい。分子量分布が、1つのピークのものでもよいし、2つのピークのものでもよい。
トナー母体粒子は、着色剤を含んで構成される。着色剤は、公知のものを用いることができ、カーボンブラック、鉄黒、合金アゾ染料、油溶性染料および顔料などを挙げることができる。着色剤は、樹脂成分100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下が好ましい。1重量部より少ないと、充分な画像濃度を確保できなく、10重量部より多いと、着色剤が樹脂中に均一に分散できなくなるので、高品質な画像を得られなくなる。
トナー母体粒子は、離型剤としてワックスを含んで構成される。ワックスは、公知のものを用いることができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体およびポリオレフィンなどから選ばれる少なくとも一種からなるワックスを挙げることができる。ワックスは、樹脂成分100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下が好ましい。1重量部より少ないと、オフセットが発生しやすくなる。10重量部より多いと、フィルミングが発生しやすくなる。
トナー母体粒子は、帯電制御剤を含んで構成される。帯電制御剤は、正帯電制御用帯電制御剤と負帯電制御用帯電制御剤との二種類があり、アゾ系染料、カルボン酸金属錯体、四級アンモニウム化合物およびニグロシン系染料などを挙げることができる。帯電制御剤は、樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上5重量部以下が好ましい。0.1重量部より少ないと、充分な帯電性を付与することができない。5重量部より多いと、帯電制御剤が、樹脂中に均一に混合できない。
トナーは、トナー母体粒子に外添剤を添加して構成される。外添剤は、公知のものを用いることでき、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイトおよびフェライトなどの金属酸化物微粒子ならびにチッ化ケイ素およびチッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末を挙げることができる。さらに、微粉末の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理には、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理およびフッ素含有の成分などによる処理などを挙げることができる。上記の外添剤のうち一種類で用いてもよいし二種類以上で用いてもよい。また、外添剤としては、シリカがより好ましい。シリカ以外の微粒子のみを外添しても、トナーとキャリアとの接触において、帯電付与が充分でないことがあり、さらに、シリカは、トナーの流動化剤としても働くので、トナーの供給量を安定化させることができる。
樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御材などをヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により充分混合し、得られた混合物を二軸混練機によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機にて粉砕後、分級し、体積平均粒径で5μm〜15μm程度のトナー母体粒子を得ることができる。さらに、トナー母体粒子に無機微粒子を添加し、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により付着、均一分散させることによってトナーを製造する。
本発明である二成分現像剤を構成するキャリアは、コア材にコート材を被覆して構成される。キャリアは、粉体特性、電気特性および磁気特性といった要素があり、現像システムに合わせた性能が要求される。近年では、摩擦帯電性、環境安定性および耐久性向上のためにコア材を樹脂でコートしたキャリアが広く使用されるようになっている。
キャリアは、コア材を含んで構成される。コア材は、公知であるキャリアをコア材として用いることができ、鉄粉キャリアおよびフェライトキャリアなどを挙げることができる。その形状は、不定形から球形まで用いることができる。さらに、平均粒子径は、10μm以上1mm以下のものを用いることができ、さらに好ましくは、50μm以上100μm以下である。10μmより小さいと、キャリアが感光体に付着して流出してしまう現象、いわゆるキャリア上がりを引き起こし、現像剤量が、徐々に減少することによって、現像剤中のトナー濃度がうまく制御できなくなってしまう可能性が高くなる。さらに、ひどい場合は、現像剤が、記録材上に現れてしまう。また、1mmより大きいと、現像剤のトナーを現像ローラから感光体へ移動させる際、二成分現像剤の穂立ち(磁気ブラシ)が粗く、安定した画質を供給することが困難となったり、二成分現像剤が現像槽からこぼれてしまうような現象を引き起こしたりする可能性が生じる。
キャリアは、コート材を含んで構成される。コート材は、公知の樹脂を用いることができ、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂およびシリコーン系樹脂などを挙げることができる。また、噴霧法および浸漬法といった方法によりコア材に被覆する。
本発明である二成分現像剤は、上記のようなトナーとキャリアとを上記のトナー濃度となるように混合機で混合させることによって、二成分現像剤を製造できる。混合機としては、公知のものを用いることができ、ナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)を挙げることができる。
実施例Iでは、二成分現像剤を構成しているキャリアのキャリアコート量(コア材の重量に対するコート材の重量%)の影響について検討した。
樹脂100重量部に対し、ワックスとしてポリエチレン(クラリアントジャパン社製:PE130)1.0部、ポリプロピレン(三井化学社製:NP−505)1.5部、帯電制御剤(保土ケ谷化学工業社製:S−34)を1部、マグネタイト(関東電化社製:KBC−100)を1.5部、着色剤としてカーボンブラック(キャボット社製:330R)5部を加え、スーパーミキサ(川田社製:V−20)で充分混合し、得られた混合物を二軸混練機(池貝鉄工社製:PCM−30)によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS−2)にて粉砕後、分級し、体積平均粒径が7.5μmのトナー母体粒子を得た。トナー母体粒子にシリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)を0.3部外添することによってトナーを得た。
上記の製造方法によって得られたトナーと、シリコーン系樹脂を表1に記載のようにキャリアコート量が8.0%となるようにコート材をコートしたフェライトキャリアとを、トナー濃度が5%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)にて20分間攪拌することによって、二成分現像剤を製造した。
キャリアのキャリアコート量を5.0%とする以外、実施例1と同様にして、二成分現像剤を製造した。
キャリアのキャリアコート量を4.1%とする以外、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
キャリアのキャリアコート量を2.2%とする以外、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
上記の製造方法によって得られた二成分現像剤を使用し、モノクロ複写機(シャープ社製:AR−450)によって、印字率5%原稿を印刷した。
初期状態の現像剤を用いて印刷した画像の画像濃度(初期の画像濃度)と印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷後に印刷した画像の画像濃度(100000枚印刷後の画像濃度)をマクベス反射濃度計(Macbeth社製:RD−914)によって測定した。100000枚印刷後の画像濃度によって下記の基準に基づいて評価した。
◎:画像濃度が1.33以上である。
○:画像濃度が1.30以上1.32未満である。
×:画像濃度が1.30未満である。
実施例IIでは、二成分現像剤中のトナー濃度の影響について検討した。
ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS−2)によって混練物を粉砕する際のエアーの圧力などの粉砕条件を変化させる以外、上記の実施例1,2および比較例1,2で用いたトナーの製造方法と同様に製造した。体積平均粒径が8.5μmのトナー母体粒子が得られ、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)を0.3部外添することによってトナー比重ρtが1.2、比表面積Stが7810cm2/cm3であるトナーを得た。
コート量がコア材の重量に対し8.0重量%であり、平均粒径が70μm、キャリア比重ρcが4.8、比表面積Scが1010cm2/cm3である異形キャリアを用い、二成分現像剤中のトナー濃度を8.0%とする以外実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
二成分現像剤中のトナー濃度が3.8%とする以外実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
二成分現像剤中のトナー濃度が7.7%とする以外実施例3と同様にして二成分現像剤を製造した。
実施例3において製造したトナー母体粒子に、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)の代わりにメラミン微粒子(日本触媒社製:エポスターS)を0.3部外添することによって、トナー比重ρtが1.2、比表面積Stが7800cm2/cm3であるトナーを得た。
実施例3において製造したトナー母体粒子に、シリカ微粒子(日本アエロジル社製:R972)の代わりに酸化チタン微粒子(チタン工業社製:STT−65C)を0.3部外添することによって、トナー比重ρtが1.2、比表面積Stが7805cm2/cm3であるトナーを得た。
二成分現像剤中のトナー濃度が8.0%とする以外実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
二成分現像剤中のトナー濃度が3.5%とする以外実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
表2の実施例3〜8および比較例3、4について、下記の環境安定性評価および画像濃度評価を行った。上記の方法により製造した二成分現像剤の物性評価を下記に示す評価方法により行い、結果を表2に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、「△」および「×」などの記号は、表2で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は、非常に優れていることを示し、「○」は、優れていることを示し、「△」は、実用可能であることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。ただし、総合評価においては、「○」は、実用が可能であることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
二成分現像剤を設定した後、高温高湿(35℃、85%)下において17時間放置した後のトナー補給時間を計測し、17時間放置後に印刷した画像の白地カブリをハンター白度計(日本電色工業社製)を用いて測定し、その測定結果を下記の基準に基づいて評価した。
◎:白地カブリの値が0.5未満である。
○:白地カブリの値が0.5以上1.0未満である。
△:白地カブリの値が1.0以上1.5未満である。
×:白地カブリの値が1.5以上である。
上記の画像濃度変化評価と同様な方法で初期の画像濃度を測定し、その測定された画像濃度を下記の基準に基づいて評価した。
◎:画像濃度が1.33以上である。
○:画像濃度が1.30以上1.33未満である。
×:画像濃度が1.30未満である。
Claims (3)
- トナーとキャリアとからなる二成分現像剤であって、
キャリアは、コア材をコート材で被覆したものであって、
コート材は、コア材の重量に対して5重量%以上20重量%以下であり、
トナーは、現像剤中のトナー濃度が、下記式を満たすことを特徴とする二成分現像剤。
100 /(0.75k+1)≦ X ≦ 100 /(0.34k+1)
X = トナー濃度(重量%)
k = 被覆係数(k = Stρc / Scρt)
ρc = キャリアの比重
ρt = トナーの比重
Sc = キャリアの比表面積(cm2/cm3)
St = トナーの比表面積(cm2/cm3) - トナーは、外添剤として無機微粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の二成分現像剤。
- 無機微粒子は、シリカであることを特徴とする請求項2記載の二成分現像剤。
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