JP2005221783A - 複屈折フィルム、光学フィルム、偏光板、および、液晶表示装置 - Google Patents

複屈折フィルム、光学フィルム、偏光板、および、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学補償のための優れた光学特性を有し、かつ、画像表示装置に用いた場合に光漏れ等の問題もなく優れた表示品位を保持できる複屈折フィルムの提供。
【解決手段】複屈折フィルムの厚みd、波長590nmの光で測定した厚み方向位相差Rth及び屈折率楕円体の楕円係数Zが、下記(i)〜(iii)を全て満たす。0.2μm≦d≦10μm・・・(i)、300nm≦Rth≦1500nm・・・(ii)、6<Z<20・・・(iii)、Rth及びZは、それぞれ、下記式により算出され、下記式のnx、ny及びnzは、それぞれ前記複屈折フィルムにおけるX軸、Y軸及びZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向は、前記複屈折フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸及ぶY軸に垂直な厚み方向である。Rth=(nx−nz)・d、Z=(nx−nz)/(nx−ny)
【選択図】なし

Description

本発明は、複屈折フィルム、光学フィルム、および、それらを用いた偏光板、ならびに、それらを用いた液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置の液晶セルの作動モードとして、ツイストネマチック(TN)モードが広く普及している。このTNモードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、遅い応答速度、斜視方向のコントラスト低下、および、黒表示部における斜視方向のカラーシフト等の課題があり、また、CRT(ブラウン管)表示装置と比較すると表示品位に劣るという問題もある。
そこで、前記応答速度や斜視方向の表示特性を改善する目的で、OCB(Optically Compensate bend)モードの液晶セルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。OCBモードの液晶セルは、従来のTNモードの液晶セルと比べると、上下セル基板間に担持された液晶の配向のツイスト角が0度であり、液晶分子が液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向(対照的)に配向(ベンド配向)され、また、カイラル剤無添加のネマチック液晶組成物を使用している点で異なっている。このような特徴から、OCBモードの液晶表示装置は、従来のTNモードの液晶表示装置と比較して、非常に広い視野角、高コントラスト、および、非常に速い応答速度(約1/20〜1/500程度)を提供でき、CRT代替の可能性が期待されている(例えば、特許文献2および3参照)。
ここで、図3を用いて、OCBモードの液晶パネルについて説明する。図3Aは、OCBモード液晶パネルの構成の概略を分解して示した斜視図である。前記液晶パネルは、セル基板間にベント配向した液晶分子4を含むOCBモードの液晶セル1と、光学補償のための二軸性位相差板2と、2枚の偏光板3とを含み、液晶セル1の一方の表面に偏光板3が積層され、他方の表面に二軸性位相差板2を介して偏光板3が積層された構成である。同図において矢印aは、液晶セル1のセル基板のラビング方向(液晶の配向方向)を示し、矢印bは、二軸性位相差板2の遅相軸方向を示し、矢印cは、偏光板3の吸収軸方向を示す。図3Bは、OCBモード液晶セル1の屈折率楕円体であって、正の複屈折(nx'<ny'<nz')を表す。同図において、nx'、ny'およびnz'は屈折率を表し、ny'は、液晶セル1の面内方向であって液晶分子の配向方向(矢印a)の屈折率であり、nx'は、液晶セル1の面内方向であって前記ny'の方向と垂直方向の屈折率であり、nz'は、液晶セル1の厚み方向の屈折率を表す。図3Cは、二軸性位相差板2の屈折率楕円体であって、負の複屈折(nx>ny>nz)を表す。同図において、nx、nyおよびnzは屈折率を表し、nxは、二軸性位相差板2の面内方向であって遅相軸方向(矢印b)の屈折率であり、nyは、二軸性位相差板2の面内方向であって前記nxの方向と垂直な方向の屈折率であり、nzは、二軸性位相差板2の厚み方向の屈折率を表す。
このようなOCBモードの液晶表示装置で良好な黒表示を得るには、表示モードが、電界無印加時に白、電界印加時に黒になるノーマリホワイト(NW)モードであることが好ましい。黒表示における液晶分子の配列は、液晶セルのセル基板の法線方向に対して平行となっている、すなわち、液晶分子がほぼ立ち上がった状態をとっているために、液晶セルの屈折率楕円体は、図3Bに示すように、厚み方向の異方性が非常に大きい形となる(nx<ny<nz)。そのため、液晶セルの光学補償に用いる二軸性位相差板は、前記液晶パネルの複屈折楕円体が球形となるように、図3Cに示すような負の二軸性複屈折(nx>ny>nz)の光学異方性を有すること、すなわち、「(nx-nz)×厚み」で表される厚み方向位相差が大きく、かつ、「(nx-nz)/(nx-ny)」で表される屈折率楕円体の楕円係数Zが大きいことが必要となるのである。
しかしながら、従来の技術では、厚み方向に大きな位相差を持ち、楕円係数Zの大きな二軸性位相差板を作製することは困難である。代表的な二軸性位相差板として、例えば、ポリカーボネートやノルボルネン系ポリマーを二軸延伸したフィルムがあげられるが、これらのフィルムは、厚みが、例えば、25μm〜100μm程度と厚く、さらに、得られる位相差範囲も狭い。そのため、例えば、前記OCBモードの液晶表示装置を光学補償できる十分な光学特性を得るためには、前記フィルムの複数枚の積層が必要となり、その結果、液晶表示装置が厚型化・重量化したり、フィルムの積層による光軸のズレや光透過率の低下が生じ、液晶表示装置の表示特性が低下するという問題がある。また、フィルムが厚くなると、偏光板を積層して液晶表示装置に用いた場合、収縮により生じる偏光板の歪みに伴って二軸性位相差板が変形するおそれもある。この変形が原因となって、二軸性位相差板に遅相軸のズレや位相差値の変化が生じ、例えば、液晶表示装置の表示画面周辺に光漏れが生じるという問題が発生するのである。なお、このような遅相軸のズレや位相差値の変化は、二軸性位相差板の厚みが厚いほど大きくなる。
特開平7−84254号公報 米国特許第4583825号明細書 米国特許第5410422号明細書
このように、従来の光学フィルムでは、液晶セル、特に、OCBモードの液晶セルを光学補償する際に、フィルムの厚型化や積層化等によって、表示画面に外観上の不具合が生じるという問題がある。
そこで、本発明は、光学補償のための優れた光学特性を有し、かつ、画像表示装置に用いた場合に、例えば、光漏れ等の外観上の問題なく、優れた表示品位を保持できる複屈折フィルムの提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の複屈折フィルムは、厚み(d)、波長590nmの光で測定した厚み方向位相差(Rth)、および、屈折率楕円体の楕円係数(Z)が、下記条件(i)から(iii)を全て満たす。
0.2μm≦d≦10μm ・・・(i)
300nm≦Rth≦1500nm・・・(ii)
6 < Z < 20 ・・・(iii)
上記条件中、RthおよびZは、それぞれ、下記式により算出され、下記式において、nx、nyおよびnzは、それぞれ前記複屈折フィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向は、前記複屈折フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向である。
Rth=(nx−nz)・d
Z=(nx−nz)/(nx−ny)
上記(i)から(iii)の条件を全て満たす複屈折フィルムであれば、例えば、光学補償に大きな厚み方向位相差(Rth)が要求されるような液晶セル、特に、OCBモードの液晶セルを充分に補償でき、かつ、液晶表示装置に用いた場合に優れた表示品位を保持できる。
具体的には、本発明の複屈折フィルムは、薄型であるから、例えば、偏光板と積層して画像表示装置に用いても、前述のような偏光板の歪みによる遅相軸のズレや位相差値の変化を抑制でき、画面周辺の光漏れ等の表示品位の低下を防止できる。さらに、本発明の複屈折フィルムは、薄型であるから、例えば、前記画像表示装置の薄型化も可能である。また、本発明の複屈折フィルムは厚み方向位相差が大きいことから、特に、OCBモードの液晶セルの光学補償に極めて有効である。
本発明の複屈折フィルムにおいて、その厚み(d)は、0.2μm以上10μm以下である(条件(i))。前記厚みが0.2μm以上であれば、光学補償が可能な位相差を発現できる。また、前記厚みが10μm以下であれば、ムラなく均一に製造でき、さらに、薄型化が可能となる。本発明の複屈折フィルムの厚みは、好ましくは、1μm〜8μmであり、2μm〜6μmがより好ましい。
本発明の複屈折フィルムは、波長590nmの光で測定した厚み方向位相差(Rth)が、300nm以上1500nm以下である(条件(ii))。前記厚み方向位相差が300nm以上あれば、光学補償するのに十分であり、例えば、OCBモードの液晶セル等を補償できる。前記厚み方向位相差は、好ましくは、300nm〜1000nmであり、より好ましくは、400nm〜1000nmである。
本発明の複屈折フィルムは、屈折率楕円体の楕円係数Zが、6を越え20未満である(条件(iii))。前記楕円係数Zが6を超えれば、例えば、OCBモード等の液晶表示装置に用いた場合に十分なコントラスト等が得られ、前記楕円係数Zが20未満であれば、従来の負の一軸性フィルムを用いた場合に比べて視野角特性に優れる。前記楕円係数Zは、好ましくは、6を越え15未満であり、7を越え10未満がより好ましい。
このような条件(i)〜(iii)を全て満たすからこそ、本発明の複屈折フィルムは、前述したような、光学補償と表示品位に優れるという優れた効果を奏するのである。
本発明の複屈折フィルムにおいて、波長590nmの光で測定した正面位相差(Re)は、20nm以上であることが好ましく、より好ましくは、30nm〜400nmであり、40nm〜300nmがさらに好ましい。前記正面位相差(Re)は、下記式によって算出する。なお、下記式において、nx、nyおよびdは、前述のとおりである。
Re=(nx−ny)・d
次に、本発明の複屈折フィルムに使用するポリマー材料について説明する。
本発明の複屈折フィルムに含まれるポリマー材料は、上記条件(i)〜(iii)を全て満たす複屈折フィルムを形成できるものであれば特に制限されないが、下記一般式(1)からなる繰り返し単位を有するポリイミドが好ましく、より好ましくは下記構造式(2)からなる繰り返し単位を有するポリイミドである。
Figure 2005221783
上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル、フェニルおよび置換フェニルからなる群から選択される置換基であり、前記置換フェニルの置換基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキルおよび炭素数1〜3のハロゲン化アルキルからなる群から選択される置換基である。m、xおよびyは、それぞれ、置換数(整数)を表し、mは、0〜3であり、xおよびyは、0または1であって、xおよびyの少なくとも一方は1である。置換数が0とは、その置換基が水素であることを示す。
Figure 2005221783
前記一般式(1)および構造式(2)からなる繰り返し単位を有するポリイミドは、本発明者らが、前記条件(i)〜(iii)を満たす複屈折フィルムを得るため合成した新規ポリイミドである。このようなポリイミドは、厚み方向の複屈折率がより大きく、かつ、有機溶剤に対する溶解性がより高いポリイミドであることからも好ましい。
上記構造式(2)からなる繰り返し単位を有するポリイミドは、例えば、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(DCBPDA)と、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMBまたはTFMB)とを用いて合成できる。その合成方法は、特に限定されないが、例えば、いわゆる熱イミド化や化学イミド化と呼ばれる従来公知の方法を用いて合成できる。これら(1)および(2)の重量平均分子量(MW)は、例えば、10,000〜1,000,000であって、20,000〜500,000が好ましい。
前記ポリマー材料に、配向性が著しく低下しない範囲で、構造の異なる他の樹脂をさらに混合してもよい。このような混合用樹脂としては、例えば、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があげられる。これらの混合用樹脂を前記ポリマー材料に配合する場合、その配合量は、配向性が著しく低下しない範囲であれば特に制限されないが、通常、前記ポリマー材料に対して、例えば、0〜50質量%であり、好ましくは、0〜30質量%である。
前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等があげられる。前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等があげられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶ポリマー(LCP)等があげられる。前記液晶ポリマーを前記混合用樹脂として使用した場合であって、特に、混合物同士に相溶性があり、その混合物が液晶性を示した場合には、磁場、電場、配向膜、延伸配向、流動配向等による配向制御も期待できる。また、前記混合用樹脂が、光異性化や光二量化する光反応性官能基を含んだ材料である場合には、光照射によって、三次元的な分子配向の制御が可能となる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂等があげられる。
次に、本発明の複屈折フィルムの製造方法を説明する。本発明の複屈折フィルムは、例えば、前述のポリマーを含む溶液を基材に塗工して塗工膜を形成する工程と、前記塗工膜を配向処理して複屈折フィルムを形成する工程とを含む製造方法により製造できる。なお、前記塗工膜は、基材上に形成後、配向処理を施す前に乾燥処理を施してもよい。以下に、本発明の製造方法の一例を具体的に説明する。
(1:塗工工程)
まず、ポリイミドを含むポリマー材料を溶媒に溶解してポリマー溶液を調製し、これを基材に塗工して塗工膜を形成する。この塗工処理は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリントコート法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の適宜な方法でことなうことができる。前記溶媒に対する前記ポリマー材料の添加量は、塗工の作業性に適した粘度が好ましいことから、例えば、溶媒100重量部に対して、5重量部〜50重量部であって、好ましくは、10重量部〜40重量部である。前記塗工膜の厚みは、前記ポリマー溶液のポリイミド濃度が、例えば、10質量%である場合、0.4μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは、2μm〜100μmである。
前記基材としては、その表面にポリマー材料を塗工できるものであれば、特に制限されない。例えば、プラスチック基材でもよいし、ガラス基材やシリコンウエハのような無機化合物の基材でもよい。前記プラスチック基材としては、キャスト法で作製したものや、溶融ポリマーを製膜してから、延伸処理を施して作製したもの等があげられ、これらの中でも、精密な塗工精度が可能であることから、延伸処理によって機械的強度が増したプラスチック基材が好ましい。
前記基材上に本発明の複屈折フィルムを形成した積層体を、そのまま本発明の光学フィルムとして使用する場合、前記基材としては、例えば、透明性に優れるポリマーから形成される透明フィルムが好ましい。また、本発明の複屈折フィルムが位相差板との複合体である光学フィルムとして機能し、液晶表示パネルの広視野角化のためのより精密な光学特性の設計が可能となることから、前記基材として、例えば、延伸すると位相差を生じる位相差板も使用できる。具体的には、前記基材としては、例えば、屈折率の波長分散性や、遅相軸の角度等を各層で変化させることができる基材があげられる。このような基材の形成材料として、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(エーテルスルホン)樹脂、ポリ(エーテルケトン)樹脂、ポリ(アミドイミド)樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、セルロース樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂や、これらの混合物等があげられる。また、液晶ポリマー等も使用でき、さらに、例えば、特開平2001−343529号公報(WO01/37007号)に記載されているような、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物等も使用できる。具体例としては、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物等である。これらの基材は、例えば、ポリイミドとの密着性を向上したり、溶剤の浸透による基材のクラックを防ぐため等の任意の目的のため、その表面に適当な処理が施されたものであってもよい。
前記基材の厚みは、例えば、12μm以上200μm以下であって、好ましくは20μm以上150μm以下であり、25μm以上100μm以下がより好ましい。前記厚みが12μm以上であれば、十分に精密な塗工精度が得られ、200μm以下であれば、液晶パネルに実装した場合に、歪量をより一層抑制でき、外観不良を防止できる。
前述した基材として使用できる市販の光学フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)製商品名「フジタック」、日本ゼオン(株)製商品名「ゼオノア」、JSR(株)製商品名「アートン」等があげられる。また、既に液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を備える光学フィルムを使用してもよい。そのような光学フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)製商品名「WVフィルム」、新日本石油(株)製商品名「NHフィルム」等があげられる。
前記ポリマー材料の溶媒としては、前記ポリマー材料を十分に溶解できるものであれば、特に制限はなく、前記ポリマー材料の種類に応じて適宜決定できる。また、前記溶媒としては、前記基材に対する溶解力が強すぎないものが好ましい。具体的には、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、バラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;t-ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等があげられる。これらの溶媒は、一種類で使用してもよいし、塗工成膜される複屈折フィルムの平滑性を高めるために、任意の二種類以上を混合して併用してもよい。前記溶媒のなかでも、好ましい溶媒としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒があげられる。
また、前記ポリマー溶液には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば、紫外線防止剤、劣化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、前述した基材との密着性を高めるための添加剤等の任意の目的の添加剤があげられる。前記防止劣化剤としては、例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性剤、酸捕獲剤、アミン等があげられる。前記添加剤の配合量は、本発明の複屈折フィルムの光学特性を損なわない範囲が好ましい。
(2:乾燥工程)
次に、前記基材上に形成された塗工膜に乾燥処理を施し、前記塗工膜を固定化することにより、前記基材上に光学的に負の一軸性(nx>nzかつnx>ny)の固定化された膜(固定化膜)を形成する。この乾燥処理としては、例えば、自然乾燥や加熱乾燥(例えば、40℃〜350℃)等があげられる。前記加熱乾燥は、1段階の加熱処理でもよいが、2段階以上の加熱乾燥段階を含む乾燥処理が好ましい。少なくとも2段階以上の加熱乾燥処理を施すと、外観均一性を損なうことなく残存溶媒量を低減できるからである。2段階以上の乾燥処理の回数としては、特に制限されないが、例えば、2〜30段階であって、好ましくは2〜20段階、より好ましくは、2〜10段階である。
以下に、第一の乾燥処理(前キュア処理ともいう)と第二の乾燥処理(後キュア処理)からなる2段階の乾燥処理の具体例を示す。前キュア処理の処理温度は、例えば、40℃以上150℃未満であって、40℃〜140℃が好ましく、より好ましくは40℃〜120℃、さらに好ましくは40℃〜100℃である。前キュア処理の処理時間は、例えば、0.5分〜10分であり、0.5分〜8分が好ましく、より好ましくは0.5分〜5分である。そして、後キュア処理の処理温度は、例えば、150℃以上350℃未満であって、150℃〜300℃が好ましく、より好ましくは150℃〜200℃である。後キュア処理の処理時間は、例えば、1分〜60分であり、好ましくは1〜40分であり、1〜30分がより好ましい。
また、3段階からなる乾燥処理の場合は、例えば、第一の乾燥処理を50℃〜90℃、第二の乾燥処理を100℃〜130℃、第三の乾燥処理を、140℃以上350℃未満とい条件等とすることができる。
最終的に得られる複屈折フィルムの残存溶媒量は、特に制限されないが、好ましくは、3質量%以下であり、1質量%以下がより好ましい。残存溶媒量が少ないほど、寸法安定性に優れ、位相差の経時的変化が抑制された複屈折フィルムとすることができる。複屈折フィルムの残存溶媒量は、例えば、複屈折フィルムのみをアルミカップ等に入れ測定する「残存溶媒を含む複屈折フィルムの質量」と、前記アルミカップ等を200℃で2時間加熱した後に測定する「加熱後の複屈折フィルムの質量」との差から求めることができる。
(3:配向処理工程)
次に、前記乾燥工程により前記基板上に形成された前記固定化膜に、面内方向の屈折率の異方性を付与する配向処理を施すことで、本発明の複屈折フィルムを形成する。光学的に負の一軸性(nx>nzかつnx>ny)である前記固定化膜に、面内方向の屈性率に異方性を付与することで、前記複屈折フィルムを光学的に二軸性(nx>ny>nz)とすることができる。前記配向処理の方法は、特に限定されないが、例えば、位相差値の制御の容易な延伸処理や収縮処理があげられる。これらの処理は、前記乾燥処理と同時に行ってもよい。
前記延伸処理として、例えば、長手方向に一軸に延伸する自由端縦延伸、長手方向を固定して幅方向に一軸に延伸する固定端横延伸、長手方向および幅方向の両方向に延伸する逐次または同時二軸延伸等があげられる。これらの前記延伸処理は、前記基材に延伸可能な基材を用い、前記基材を延伸することにより行うことが好ましい。この方法によれば、前記基材に課せられた張力により前記基材が均一に延伸され、この延伸に伴って前記複固定化膜を間接的に均一に延伸できる。この方法は、連続生産工程にも適用可能で、製品の量産性が高まる等の点においても好ましい。なお、前記基材とともに前記固定化膜を延伸してもよい。
前記収縮処理として、例えば、プラスチック基材の異方的な寸法変化を利用したり、積極的な収縮性能を持つ基材を利用して、基材上の前記固定化膜を間接的に収縮させる方法があげられる。この際、延伸機等を利用して収縮率を制御することが好ましい。その制御方法としては、例えば、前記延伸機のクリップを一時的に開放して、前記基材の移送方向に弛緩させる方法や、前記延伸機のクリップの間隔を徐々に狭くする方法等があげられる。また、残存溶媒を含む乾燥段階の固定化膜を金属枠に固定して加熱乾燥する方法(例えば、1994年電子情報通信学会春季大会予稿集C−338参照)もあげられる。
本発明の複屈折フィルムの複屈折率楕円体の楕円係数Z(=(nx-nz)/(nx-ny))の制御は、厚み方向位相差Rth(=(nx-nz)・d)および正面位相差Re(=(nx-ny)・d)を制御することにより行うことができる。前記Rthおよび前記Reは、例えば、配向処理における延伸倍率、収縮倍率、延伸比率、収縮比率、使用するポリマー材料、その分子量、塗工膜の厚み等を調節することで制御可能となり、前記楕円係数Zを、上記条件(i)および(ii)を満たす状態で、上記条件(iii)の範囲に制御することができる。
前記楕円係数Zを、例えば、延伸倍率と、RthおよびReとの関係に基づいて、上記条件(iii)の範囲に制御する具体例を、図2を用いて説明する。図2Aは、前記塗工膜の延伸倍率と、位相差値(Rth、Re)との関係の一例を示すグラフであり、図2Bは、前記延伸倍率と、楕円係数Zの値との関係の一例を示すグラフである。具体的には、前記構造式(2)で表される繰り返し単位からなるポリイミド(重量平均分子量82,500)の溶液を、TAC基材上へ塗工して、厚み7.0μmのポリイミド塗工膜を形成させ、この塗工膜とともに前記基材を0〜15%の延伸倍率で延伸して複屈折フィルムを形成した場合における、複屈折フィルムの位相差(Rth、Re)を測定した結果の一例を示すグラフが図2Aであり、それらの値から求められる楕円係数Zの値を示すのが、図2Bである。図2Aに示すとおり、延伸倍率と厚み方向位相差値Rth、延伸倍率と面内方向位相差値Reは、それぞれ線形の関係にあり、延伸倍率と楕円係数Zの値と関係は、例えば、図2Bのようなグラフで表すことができる。したがって、これらのグラフに基づき延伸倍率を調整すれば、前記楕円係数Zが制御できる。
以上のようにして、条件(i)〜(iii)の全てを満たす本発明の複屈折フィルムを製造することができる。本発明の複屈折フィルムは、前記基材から剥離して複屈折フィルム単独で使用してもよく、前記基材との積層体からなる本発明の光学フィルムとして使用してもよく、また、本発明の複屈折フィルムを接着剤または粘着剤を介して他の基材等に積層した積層体からなる本発明の光学フィルムとしてもよい。ただし、本発明の複屈折フィルム、および、本発明の光学フィルムは、光学用部材であるから、できる限り無色透明であることが好ましい。具体的には、本発明の複屈折フィルム、および、本発明の光学フィルムは、400nmから800nmの波長領域における光透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは、90%以上である。前記光透過率は、例えば、分光光度計等を用いて測定することができる。
次に、本発明の複屈折フィルムの用途について説明する。
本発明の複屈折フィルムは、単独で、液晶セル、特に、OCBモードの液晶セルを光学補償するフィルムとして使用できる。また、本発明の複屈折フィルムの590nmの波長における正面位相差Re(Re590)を適宜設定することで、λ/4板や、λ/2板として使用できる。本発明の複屈折フィルムをλ/4板として使用する場合、前記Re590を、例えば、120nm〜160nmとすることが好ましい。本発明の複屈折フィルムをλ/2板として使用する場合、前記Re590を、例えば、240nm〜320nmとすることが好ましい。
本発明の複屈折フィルムは、必要に応じて他の光学部材と組合せて、各種光学用途に供する本発明の光学フィルムとすることができる。本発明の光学フィルムは、本発明の複屈折フィルムを含んでいればよく、前記光学部材としては、特に制限されず、例えば、偏光子、偏光板、位相差板等が使用できる。
本発明の偏光板は、本発明の複屈折フィルムと偏光子とを含む偏光板であって、本発明の複屈折フィルムおよび偏光子を含んでいれば、その構造や構成は、何ら制限されない。本発明の偏光板の積層方法としては、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができ、一般には後述の接着剤や粘着剤が使用できる。
偏光板は、通常、偏光子と偏光子に対する透明保護フィルムとから構成されるが、本発明の偏光板において、例えば、本発明の複屈折フィルム、または、本発明の光学フィルムは、前記透明保護フィルムとして使用することができる。
前記偏光子としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1μm〜80μmの範囲であるが、これには限定されない
透明保護フィルムは、特に制限されず、本発明の複屈折フィルムおよび光学フィルムの他に、従来公知の透明フィルム使用できるが、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性等に優れることが好ましい。前記透明保護フィルムの透過率は、例えば、400nm〜800nmの波長領域で80%以上が好ましく、より好ましくは、90%以上である。前記透明保護フィルムの位相差はあっても無くてもよいが、本発明の偏光板の光学設計を妨げないものが好ましい。このような透明保護フィルムの材料としては、例えば、本発明の複屈折フィルムと組合せて光学フィルムとして使用できる前記基材の材料が使用できる。前記透明保護フィルムの厚みは、特に制限されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、通常、500μm以下であり、好ましくは5μm〜300μm、より好ましくは5μm〜150μmの範囲である。
透明保護フィルムの表面には、従来公知の表面処理を施してもよい。前記表面処理としては、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等があげられる。
前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。前記アンチグレア処理は、偏光板表面において外光が反射することによる、偏光板透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5μm〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50質量部の範囲である。前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
本発明の光学フィルムにおいて、本発明の複屈折フィルムと組合せて使用する位相差板としては、ポリマーフィルムや液晶性化合物を固定化したフィルム等があげられる。その構成は、本発明の複屈折フィルムと前記位相差板とが直接または間接的に積層されること以外は、特に制限されない。本発明の複屈折フィルムと前記位相差板との積層方法としては、特に制限されず、従来公知の方法によって行える。一般には後述の接着剤や粘着剤が使用できる。
前記ポリマーフィルムは、光透過率が80%以上であることが好ましく、また、外力により複屈折が生じにくいものが好ましい。そのようなポリマーフィルムのとしては、例えば、セルロース系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等があげられる。前記セルロース系ポリマーとしては、セルロースエステルが好ましい。前記ノルボルネン系ポリマーとして、例えば、日本ゼオン(株)製商品名「ゼオノア」やJSR(株)製商品名「アートン」等があげられる。前記ポリマーフィルムの表面には、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理等の表面処理を施してもよい。また、前記ポリマーフィルムは、使用する液晶表示装置の特性に合わせて、一軸延伸、二軸延伸、Z軸配向処理を適宜用いてもよい。
前記液晶化合物を固定化したフィルムの液晶材料としては、例えば、ディスコチック液晶、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、重合性液晶、ライオトロピック液晶等があげられる。前記液晶材料として、具体的には、例えば、シッフ系液晶、アゾキシ系液晶、アルキルシアノビフェニル系液晶、アルキルシアノターフェニル系液晶、アルキルシアノクオーターフェニル液晶、シアノフェニルシクロヘキサン系液晶、シアノフェニルエステル系液晶、安息香酸フェニルエステル系液晶、フェニルピリミジン系液晶、フェニルジオキサン系液晶等があげられる。しかし、前記液晶材料は、これらに限定されず、ある温度範囲で液晶相を発現する化合物を使用できる。前記液晶の誘電率異方性や屈折率異方性は、負でも正でもよい。前記液晶は、単独の液晶材料からなるものでもよく、2種類以上の液晶材料の混合物からなるものでもよい。前記混合物は、ある温度領域で液晶相を発現するか、または、前記混合物を形成する化合物のうち少なくと1つの化合物がそれ単独である温度領域で液晶相を発現すればよい。
本発明の光学フィルムにおいて、本発明の複屈折フィルムと組合せて使用する光学部材であって、前記偏光板および位相差板以外の光学部材としては、例えば、拡散制御フィルム、輝度向上フィルムがあげられる。前記拡散制御フィルムとしては、例えば、視野角を制御するための拡散、散乱、屈折を利用したフィルムや、解像度に関わるキラツキ、散乱光等を制御する拡散、散乱、屈折を利用したフィルムがあげられる。前記輝度向上フィルムとしては、コレステリック液晶の選択反射とλ/4板を用いたフィルムや、偏光方向による異方性散乱を利用したフィルム、ワイヤーグリッド偏光子を利用したフィルム等があげられ、例えば、日東電工(株)製商品名「PCF350」、Merck社製商品名「Transmax」、3M社製商品名「D-BEF」等があげられる。
以上のような本発明の複屈折フィルムを含む光学フィルムおよび偏光板は、例えば、さらに1層以上の光学部材を積層したものであってもよい。このように2層以上の光学層を積層した光学部材は、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、順次別個に積層する方式によっても形成できるが、予め積層した光学部材として使用すれば、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点がある。なお、積層には、例えば、粘着剤等の各種接着手段を用いることができる。
本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板に使用する接着剤または粘着剤としては、特に限定はなく、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製感圧接着剤や、ゴム系感圧接着剤等が使用できる。また、これらの材料に、微粒子を含有させて光拡散性を示す接着剤等としてもよい。これらの中でも、前記接着剤または粘着剤としては、例えば、吸湿性や耐熱性に優れる材料が好ましい。このような性質であれば、例えば、液晶表示装置に使用した場合に、吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下や、液晶セルの反り等を防止でき、高品質で耐久性にも優れる表示装置となる。前記接着剤としては、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。また、本発明の複屈折フィルムまたは光学フィルムと、偏光子とを接着する場合であって、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。前記接着剤の厚みは、特に制限されないが、例えば、1nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、本発明の光学フィルムや他の光学部材の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。なお、前記接着剤や粘着剤を塗布する場合は、前記接着剤や粘着剤の水溶液に、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。
本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板は、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着剤層や接着剤層を有していることが好ましく、これらは、前記複屈折フィルム等の片面または両面に配置することができる。前記粘着層は、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、例えば、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層となることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等でもよい。本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板の表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、各種粘着材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記複屈折フィルム等の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記複屈折フィルム等の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような層は、本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板のいずれの表面に形成してもよく、例えば、本発明の偏光板における前記複屈折フィルムの露出面に形成してもよい。
このように本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板に設けた粘着剤層等の表面が露出する場合は、前記粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを一層以上設ける方法等によって形成できる。前記粘着剤層等は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組合せた積層体を使用することもできる。また、前記複屈折フィルム等の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層であってもよい。前記粘着剤層の厚みは、例えば、前記複屈折フィルム等の構成等に応じて適宜に決定でき、一般には、1μm〜500μmである。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等があげられる。前記粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、前記粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
以上のような本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板を形成するポリマー材料、基材、透明保護フィルム、偏光子、位相差板、接着剤、粘着剤等は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものであってもよい。
次に、本発明の液晶パネルは、本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板の少なくとも一方を液晶セルの片側または両側に配置したものである。前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が注入された構造であって、前記液晶セル基板としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に制限されず、従来公知の材料があげられる。また、液晶セルの両面に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じ種類のものでもよいし、異なっていてもよい。前記液晶セルの作動モードは任意で選択でき、例えば、TNモード、VAモード、OCBモードの液晶セルがあげられる。これらの中でも、本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板は、特にOCBモードの液晶セルの光学補償に非常に優れているので、本発明の液晶パネルの液晶モードとしては、OCBモードが特に好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の液晶パネルを使用する以外は、特に制限されず、反射型や半透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置とすることができる。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適当な部品を、適当な位置に1層または2層以上配置することができる。前述のように、本発明の液晶表示装置の液晶モードとしては、OCBモードが特に好ましい。また、本発明の複屈折フィルム、光学フィルムまたは偏光板を用いて本発明のOCBモードの液晶表示装置とする場合、さらに、円板状化合物もしくはハイブリッド配向した棒状液晶化合物を含む光学補償層を含むことが好ましい。
また、本発明の液晶表示装置が光源を含む場合、例えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、その光源は、例えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。本発明の液晶表示装置は、視認側の光学フィルム(偏光板)の上に、例えば、さらに拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板を配置したり、または液晶パネルにおける液晶セルと偏光板との間に補償用位相差板等を適宜配置することもできる。
なお、本発明の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板は、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、PDP、FED等の自発光型の画像表示装置にも使用できる。なお、これらの装置の構成は、従来の複屈折フィルム、光学フィルムおよび偏光板等にかえて本発明の複屈折フィルム等を使用する以外は、何ら制限されない。また、自発光型フラットディスプレイに使用する場合は、例えば、本発明の複屈折フィルムの面内位相差値Δndをλ/4にすることで、円偏光を得ることができるため、反射防止フィルターとして利用できる。
以下に実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例および比較例で用いた各分析方法は、以下のとおりである。
実施例
(化学構造式の決定)
化学物質の構造式は、400MHzの1H-NMR LA400(日本電子株式会社製)を用いて決定した。測定は、50mgの試料を、0.6mlの重ジメチルスルホキシド(重DMSO)に溶解させて行った。
(分子量測定)
化学物質の分子量は、試料を0.1%N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液中に調製し、0.45μmメンブレインフィルターでろ過した後、HLC-8120GPC(東ソー株式会社製)を用いて測定した。標準物質として、ポリエチレンオキサイドを使用した。
(位相差・光透過率の測定)
各実施例および比較例で得られた複屈折フィルムの位相差・光透過率は、得られた前記複屈折フィルムを、アクリル系粘着剤を介してガラス板に転写し、ガラス板と複屈折フィルムとの積層体として、自動複屈折計KOBRA-21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて、波長590nmの測定光で測定した。
(膜厚の測定)
複屈折フィルムの厚みは、瞬間マルチ測定システムMCPD-2000(大塚電子株式会社製)を用いて測定した。
2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(DCBPDA)と、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMBまたはTFMB)とから、下記構造式(2)で表される繰り返し単位から構成されるポリイミド(重量平均分子量:Mw=82,500)を合成し、このポリイミドをメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解して14質量%のポリイミド溶液を調製した。次に、このポリイミド溶液を、厚み約80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(商品名:UZ-TAC、富士写真フィルム株式会社製)上に塗布し、100℃で5分間乾燥して前記TACフィルム上にポリイミドフィルムを形成させた。このポリイミドフィルムを前記TACフィルムとともに150℃に加熱し、自由端縦延伸にて倍率2%の延伸して、延伸されたTACフィルム上に、厚み5.7μmの複屈折フィルムを形成した。なお、倍率2%の延伸とは、延伸方向に元の長さの1.02倍まで延伸することを意味する。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=24.0nm、Rth=398.1nm、Z=16.6であった。
Figure 2005221783
延伸倍率を2.5%とした以外は、実施例1と同様にして、厚み5.7μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=33.5nm、Rth=407.6nm、Z=12.2であった。
延伸倍率を3.0%とした以外は、実施例1と同様にして、厚み6.4μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=35.9nm、Rth=418.6nm、Z=11.7であった。
延伸倍率を3.5%とした以外は、実施例1と同様にして、厚み6.2μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=43.1nm、Rth=413.7nm、Z=9.6であった。
延伸倍率を4.0%とした以外は、実施例1と同様にして、厚み5.8μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=53.7m、Rth=358.2nm、Z=7.3であった。
延伸倍率を5.0%とした以外は、実施例と1同様にして、厚み5.8μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=58.6nm、Rth=380.9nm、Z=6.5であった。
(比較例1)
フィルムの厚みを14.3μmにした以外は、実施例1と同様にして、複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=54.8nm、Rth=741.3nm、Z=13.5であった。
(比較例2)
ビスフェノールAテトラカルボン酸二無水物(Bis−DA)と、PFMBとから、下記構造式(3)で表される繰り返し単位から構成されるポリイミド(Mw=51,800)を合成し、このポリイミドをシクロペンタノン(CPN)に溶解して14質量%のポリイミド溶液を調製した。次に、このポリイミド溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、厚み13.9μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=51.2nm、Rth=153.5nm、Z=3.0であった。
Figure 2005221783
(比較例3)
4,4'−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル(BPDE)と、ビスフェノールA(BA)とから、下記構造式(4)で表される繰り返し単位から構成されるポリエーテルケトン(Mw=421,000)を合成し、このポリエーテルケトンをメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解して14質量%のポリエーテルケトン溶液を調製した。このポリエーテルケトン溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、厚み16.2μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=32.8nm、Rth=220.1nm、Z=6.7であった。
Figure 2005221783
(比較例4)
ポリカーボネート(日東電工株式会社製)を縦30%、横20%の同時二軸延伸により延伸し、厚み60μmの複屈折フィルムを形成した。この複屈折フィルムの光学特性は、Re=100.8nm、Rth=610.2nm、Z=6.1であった。
下記表1に、実施例1〜6および比較例1〜4で得られた複屈折フィルムの光学特性を示す。
(表1)
厚み(μm) Re(nm) Rth(nm) Z
実施例1 5.7 24.0 398.1 16.6
実施例2 5.7 33.5 407.6 12.2
実施例3 6.4 35.9 418.6 11.7
実施例4 6.2 43.1 413.7 9.6
実施例5 5.8 53.7 385.2 7.3
実施例6 5.8 58.6 380.9 6.5
比較例1 14.3 54.8 741.3 13.5
比較例2 13.9 51.2 153.5 3.0
比較例3 16.2 32.8 220.1 6.7
比較例4 60.0 100.8 610.2 6.1
前記実施例1〜6および比較例1〜4で得られた複屈折フィルムと、偏光板(SEG1224Du、日東電工株式会社製)とを、前記複屈折フィルムの遅相軸と前記偏光板の吸収軸とが直角になるように粘着剤を介して貼り合わせ偏光板を作製した。この偏光板と、偏光板(SEG1224Du、日東電工株式会社製)とを、前記2つの偏光板の吸収軸が直角となるように厚み1.2mmのガラス板の両側にアクリル系粘着剤を用いて張り合わせて、サンプルを作製した。なお、偏光板の吸収軸は、偏光板の長辺に対して45°方向である。
前記実施例1〜6および比較例1〜4の複屈折フィルムを用いて作製した前記サンプルを、80℃のオーブンに16時間投入後、バックライト上に配置して、その光漏れを観察した。その結果を下記表2および図1に示す。図1は、加熱処理後の前記サンプルの写真であり、同図Aは、実施例1の複屈折フィルムの結果を示し、同図Bは、比較例1の複屈折フィルムの結果を示し、同図Cは、比較例4の複屈折フィルムの結果を示す。なお、実施例2〜6の複屈折フィルムは、図1Aと、比較例2および3は、図1Bと、それぞれ、同様の結果であった。下記表2および図1に示すとおり、厚みが小さい実施例1〜6の複屈折フィルム(5.7μm〜6.4μm)を用いた場合、光漏れは非常に少なかったが、厚みがより大きい比較例1〜3の複屈折フィルム(13.9μm〜16.2μm)を用いた場合、光漏れが多少認められ、厚みがさらにより大きい比較例4の複屈折フィルム(60.0μm)を用いた場合、全面に光漏れが認められた。
(表2)
使用した複屈折フィルム サンプルの光漏れ評価
実施例1〜6 光漏れは非常に少なかった。 図1−A参照。
比較例1〜3 多少の光漏れが認められた。 図1−B参照。
比較例4 全面に光漏れが認められた。 図1−C参照。
以上説明したとおり、本発明の複屈折フィルムは、各種画像表示装置の光学補償および薄型化に有用であり、特に、OCBモードの液晶表示装置に有用である。
図1は、実施例および比較例の複屈折フィルムを用いて作製したサンプルの光漏れテストの結果を示す図である。 図2Aは、本発明の複屈折フィルムの延伸倍率と位相差との関係の一例を示すグラフであり、図2Bは、本発明の複屈折フィルムの延伸倍率と楕円係数Zの値との関係の一例を示すグラフである。 図3は、OCBモードの液晶パネルの構成と、前記液晶パネルの液晶セルおよび位相差板の屈折率楕円体を示す図である。
符号の説明
1.OCBモードの液晶セル
2.二軸性位相差板
3.偏光板
4.棒状液晶性分子
a.ラビング方向
b.遅相軸
c.吸収軸

Claims (20)

  1. 複屈折フィルムであって、前記複屈折フィルムの厚み(d)、波長590nmの光で測定した厚み方向位相差(Rth)、および、屈折率楕円体の楕円係数(Z)が、下記条件(i)から(iii)を全て満たすことを特徴とする複屈折フィルム。
    0.2μm≦d≦10μm ・・・(i)
    300nm≦Rth≦1500nm・・・(ii)
    6 < Z < 20 ・・・(iii)
    上記条件中、RthおよびZは、それぞれ、下記式により算出され、下記式において、nx、nyおよびnzは、それぞれ前記複屈折フィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向は、前記複屈折フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向である。
    Rth=(nx−nz)・d
    Z=(nx−nz)/(nx−ny)
  2. ポリイミドを含む請求項1に記載の複屈折フィルム。
  3. 前記ポリイミドが、下記一般式(1)からなる繰り返し単位を有するポリイミドである請求項2に記載の複屈折フィルム。
    Figure 2005221783
    上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル、フェニルおよび置換フェニルからなる群から選択される置換基であり、前記置換フェニルの置換基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキルおよび炭素数1〜3のハロゲン化アルキルからなる群から選択される置換基である。m、xおよびyは、それぞれ、置換数(整数)を表し、mは、0〜3であり、xおよびyは、0または1であり、かつ、xおよびyの少なくとも一方は1である。
  4. 前記ポリイミドが、下記構造式(2)からなる繰り返し単位を有するポリイミドである請求項3に記載の複屈折フィルム。
    Figure 2005221783
  5. 前記複屈折フィルムが、前記一般式(1)からなる繰り返し単位を有するポリイミドを含む溶液を塗工して塗工膜を形成し、この塗工膜を配向処理して得られるフィルムである請求項3に記載の複屈折フィルム。
  6. 前記ポリイミドが、前記構造式(2)からなる繰り返し単位を有するポリイミドである請求項5に記載の複屈折フィルム。
  7. 前記配向処理が、延伸処理または収縮処理である請求項5または6に記載の複屈折フィルム。
  8. 光学フィルムであって、請求項1から7のいずれかに記載の複屈折フィルムを含む光学フィルム。
  9. 位相差板を含み、前記位相差板と前記複屈折フィルムとが積層された請求項8に記載の光学フィルム。
  10. 請求項1から7のいずれかに記載の複屈折フィルムまたは請求項8または9のいずれかに記載の光学フィルムと、偏光子とを含み、前記複屈折フィルムまたは光学フィルムと、前記偏光子とが積層された偏光板。
  11. 請求項1から7のいずれかに記載の複屈折フィルムまたは請求項8または9のいずれかに記載の光学フィルムが、偏光子の透明保護フィルムである請求項10に記載の偏光板。
  12. 液晶セルと2枚の偏光板を含み、前記液晶セルの両面に、それぞれ、前記偏光板が配置された液晶パネルであって、前記2枚の偏光板の少なくとも一方が請求項10または11に記載の偏光板である液晶パネル。
  13. 前記液晶セルが、OCB(Optically Compensated bend)モードである請求項12に記載の液晶パネル。
  14. 前記液晶セルが、セル中央部にねじれ配向が存在する液晶層を含むベンド配向液晶セルである請求項12に記載の液晶パネル。
  15. 液晶パネルを含む液晶表示装置であって、前記液晶パネルが請求項12から14のいずれかに記載の液晶パネルである液晶表示装置。
  16. 請求項1から7に記載の複屈折フィルム、請求項8および9に記載の光学フィルムならびに請求項10および11に記載の偏光板の少なくとも一つを含む画像表示装置。
  17. 光学的複屈折フィルムの形成に使用する下記一般式(1)からなる繰り返し単位を有するポリイミド。
    Figure 2005221783
    上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル、フェニルおよび置換フェニルからなる群から選択される置換基であり、前記置換フェニルの置換基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキルおよび炭素数1〜3のハロゲン化アルキルからなる群から選択される置換基である。m、xおよびyは、それぞれ、置換数(整数)を表し、mは、0〜3であり、xおよびyは、0または1であり、かつ、xおよびyの少なくとも一方は1である。
  18. 下記構造式(2)からなる繰り返し単位を有する請求項17に記載のポリイミド。
    Figure 2005221783
  19. ポリイミドを含む溶液を塗工して塗工膜を形成する工程と、前記塗工膜を配向処理して複屈折フィルムを形成する工程とを含む、複屈折フィルムの製造方法であって、前記ポリイミドが下記一般式(1)からなる繰り返し単位を有するポリイミドである製造方法。
    Figure 2005221783
    上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル、フェニルおよび置換フェニルからなる群から選択される置換基であり、前記置換フェニルの置換基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキルおよび炭素数1〜3のハロゲン化アルキルからなる群から選択される置換基である。m、xおよびyは、それぞれ、置換数(整数)を表し、mは、0〜3であり、xおよびyは、0または1であり、かつ、xおよびyの少なくとも一方は1である。
  20. 前記ポリイミドが、下記構造式(2)からなる繰り返し単位を有するポリイミドである請求項19に記載の製造方法。
    Figure 2005221783
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