JP2005221347A - 歯車の歯当り評価方法及び装置並びに歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 互いに噛み合う一対の歯車の少なくとも一方の歯車の歯面に潤滑油を塗布する潤滑油塗布工程と、潤滑油塗布工程後に上記一対の歯車が回転したことにより生じる上記一方の歯車の歯面の温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出工程と、上記歯面温度上昇が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、上記歯面温度上昇が相対的に高いほど面圧が高いと評価する歯当り評価工程とをそなえるようにする。
【選択図】 図2
Description
本発明はこのような課題に鑑み創案されたものであり、正確な噛み合い領域及び面圧を測定できるようにすることにより、高精度に歯当りを評価できるようにした歯車の歯当り評価方法及び装置並びに歯車の噛み合い起振力を高精度に推定できるようにした歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置を提供することを目的としている。
さらに、上記の歯面温度の分布の測定を、サーモグラフィを用いて行なうことが好ましい(請求項5,10,15,20)。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明すると、図1,図2は本発明の第1実施形態としての歯車の歯当り評価方法及び装置を示すもので、図1はその機能構成を示す模式図、図2は歯車の歯当り評価方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態の歯車の歯当り評価装置は、駆動モータ(歯車回転手段)20と、トルク付与モータ21と、サーモグラフィカメラ(歯面温度測定手段)30と、フォトセンサ31と、カメラコントロールユニット32と、演算ユニット40とをそなえて構成されている。
フォトセンサ31は光を発信する光発信部とこの光発信部から発信された光を受信する光受信部とをそなえ、これらの光発信部と光受信部との間を突起14が通過したことを検出することにより、歯車10の回転角を検出する。これにより、歯車10中の特定の歯(ここでは歯10a)の回転位置を検出することができる。もちろん、この場合の回転位置を検出すべき特定の歯は、任意に選択できるようになっている。
本実施形態では、歯車10中の特定の歯10aの歯面温度の分布を測定すべく、フォトセンサ31がサーモグラフィカメラ30の起動を制御するカメラコントロールユニット32に接続され、フォトセンサ31による監視情報(即ち、上記特定の歯10aの回転位置情報)に基づいて、カメラコントロールユニット32が、サーモグラフィカメラ30を制御するようになっている。
演算ユニット40は、カメラコントロールユニット32から受信した歯車10の歯10aの歯面温度の分布データに基づいて、噛み合い領域及び面圧を評価して歯車10,11の歯当りを評価するものであり、歯面温度差算出手段41と、歯当り評価手段42とをそなえて構成されている。
歯面温度差算出手段41は、図2を参照しながら後述する本実施形態の歯車の歯当り評価方法における回転前歯面温度測定工程S20及び回転後歯面温度測定工程S40でそれぞれ測定された歯車10の歯10aの歯面温度の分布の同一箇所での温度差(歯面温度差の分布;歯面温度上昇の分布)を算出するものであり、具体的には、カメラコントロールユニット32から受信した回転後歯面温度測定工程S40で測定された歯10aの歯面温度の分布から回転前歯面温度測定工程S20で測定された歯10aの歯面温度の分布を差し引いて、歯車10の歯10aの歯面温度差の分布を算出するものである。
次に、本実施形態の歯当り評価方法について、図2を参照しながら説明する。
そして、歯当り評価工程S60において、演算ユニット40の歯当り評価手段42において歯面温度差算出工程S50で算出された歯車10の歯10aの歯面温度差の分布に基づいて、歯面温度差が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、歯面温度差が相対的に高いほど面圧が高いと評価することにより、歯車10,11の歯当り評価を行なう。
なお、潤滑油塗布工程S10で歯車10の歯面に塗布される潤滑油は、歯車10,11が実際に動力伝達ギアとして使用される際に使用するものを用いる。但し、歯面の温度上昇を見るために、実際に使用するものとは異なる特別な潤滑油を用いてもよい。
ここで、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置の有効性を確認するために、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置における歯面の温度測定結果と、上述した従来からの光明丹を用いた歯当り評価方法における歯面の状態とを比較することにより行なった試験及びその試験結果について説明する。
なお、図3及び後述する図4,図6,図7,図10における従来からの光明丹を用いた歯当り評価方法における歯面の状態は、スマッジング部分が光明丹が残っている部分を示し、斜線部分に囲まれた白抜きの部分が光明丹が剥がれ落ちた部分を示す。
図3に示すように、従来からの光明丹を用いた歯当り評価方法における歯面の状態では、歯10aの歯面上の歯当たり位置が、内端から外端へ移動するとともに、温度上昇領域も同様に移動していることがわかる。しかし、従来からの光明丹を用いた歯当り評価方法における歯面の状態では、歯当たり領域(噛み合い領域)内のばらつきを評価することは困難である。これに対して、歯面温度差の分布によれば、歯当たり領域(噛み合い領域)内でも接触部分にかなりのばらつきがあることがその温度分布により確認することができる。
なお、図3に示す、上記の歯当たり位置の内端から外端への移動は、歯車10が勾配歯曲がりばかさ歯車であり、歯の剛性が内端側よりも外端側の方が高いため生じる。
このように、従来からの光明丹を用いた歯当り評価方法における歯面の状態では、外端の歯先では、光明丹の厚みにより本来接触しない部分が剥がれてしまったか、歯面は接触しているが、荷重はほとんどかかっていないと考えられる。
このように、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置における歯面の温度測定結果(歯面温度差の分布)では、図5に示す歯元応力値の結果と一致した歯当たりを評価することができ、歯車の噛み合い領域及び面圧を正確に把握することができる。
さらに、我々は、歯車の歯面温度の分布に基づいて面圧を評価できることを確認するために、歯車10,11の歯元応力値と、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置における歯面の温度測定結果(歯面温度差の分布)とを歯車10,11の同時噛み合い枚数に着目して比較検討した。図7(a)は噛み合い時の歯車10の歯10aの中央部分における歯元応力値を示す図であり、図7(b)はこのときの歯10aの歯面温度差の分布を示す図である。
このように、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置によれば、歯車10,11が噛み合いながら回転して、歯車10,11の歯面に荷重がかかることによって、その歯面に塗布された潤滑油が剪断され、その結果、潤滑油が剪断された歯面の温度が上昇するということを利用し、回転前後の歯面温度差の分布に基づいて歯面温度が相対的に上昇している領域を噛み合い領域と評価し、また、歯面温度上昇が相対的に大きいほど面圧が高いと評価するようにした。このため、本来歯面同士が接触していない部分を噛み合い領域と誤判定することを確実に防止でき、さらには、その噛み合い領域内における面圧の強弱を判定することができ、歯車の歯当り評価を高精度に行なうことができる。
さらに、サーモグラフィカメラ30により歯10aの歯面温度の分布の測定を行なうため、反射光の影響を考慮しなければならないが、本実施形態では、回転前歯面温度測定工程S20で測定された回転前の歯10aの歯面温度の分布と回転後歯面温度測定工程S40で測定された所定回転数回転後の歯10aの歯面温度の分布との差に基づいて歯当り評価及び噛み合い起振力の推定を行なうため、サーモグラフィカメラ30に対する歯10aの歯面からの反射光の影響を完全に除去することができ、より高精度に歯車の歯当り評価及び歯車の噛み合い起振力推定を行なうことができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明すると、図8,図9は本発明の第2実施形態としての歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置を示すもので、図8はその機能構成を示す模式図、図9は歯車の噛み合い起振力推定方法を示すフローチャートである。
まず、本実施形態の歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置について説明する。
なお、ここでは、サーモグラフィカメラ(歯面温度測定手段)30と、歯面温度差算出手段51とにより、歯車10,11が回転したことにより生じる歯車10の歯10aの歯面温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出手段が構成される。
また、この噛み合い率の値が、1以上2以下であれば、同時噛み合い枚数が1枚の領域と2枚の領域とが存在することを表わし、噛み合い枚数が2枚の領域(時間)は、下記式(1)により算出し、1枚噛み合い枚数が1枚の領域(時間)は下記式(2)により算出する。
1枚噛み合い領域(時間)=[1−(a/b−1)]×a …(2)
領域間温度差算出部53は、同時噛み合い枚数毎の領域に分割された歯面温度差の分布において、隣り合う領域間の温度差を算出するものである。
噛み合い起振力推定手段54は、領域間温度差算出部53により算出された、同時噛み合い枚数毎の領域に分割された歯面温度差の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差に基づいて、噛み合い起振力を推定するものであり、この噛み合い起振力推定手段54は、噛み合い起振力記憶部55と、噛み合い起振力推定部56とをそなえて構成されている。
なお、噛み合い起振力記憶部55に保持された上記3つの対応マップの値は、経験的に求められた、隣り合う同時噛み合い枚数毎の領域間の温度差に応じた、噛み合い起振力の1指標である噛み合い伝達誤差(MTE= Meshing Transmission Error)に基づいて、算出された値を採用している。なお、上記の隣り合う同時噛み合い枚数毎の領域間の温度差と噛み合い伝達誤差との関係については、図10を参照しながら後述する。
なお、表示手段57は、噛み合い起振力推定手段54で推定された噛み合い起振力を表示するものである。
そして、噛み合い起振力推定工程S80において、噛み合い起振力推定手段54の噛み合い起振力推定部56により、領域間温度差算出工程S70で算出された、隣り合う領域間の温度差と、噛み合い起振力記憶部55の上記対応マップとに基づいて、噛み合い起振力を推定する。
ところで、上述のように、噛み合い伝達誤差(MTE)は、噛み合い起振力の1指標として、噛み合い起振力とは高い相関関係にある。また、噛み合い伝達誤差(MTE)は、一般的に、トルクの変動、噛み合い領域の歯面上の位置によって変動するものであることが知られており、さらに、その同時噛み合い枚数が1枚噛み合いから、2枚噛み合いへ変動する際の歯面にかかる荷重の変動量が大きいと、噛み合い伝達誤差(MTE)の1次成分は大きくなることが知られている。
次に、本発明の第3実施形態について説明すると、図11,図12は本発明の第3実施形態としての歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置を示すもので、図11はその機能構成を示す模式図、図12は歯車の歯当り評価方法を示すフローチャートである。
演算ユニット50aは、歯面温度差算出手段51と、噛み合い枚数領域分割手段52と、領域間温度差算出部53と、噛み合い起振力推定手段54aと、表示手段57とをそなえて構成されている。ここで、歯面温度差算出手段51,噛み合い枚数領域分割手段52,領域間温度差算出部53,表示手段57については、上述した第2実施形態のものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
そして、噛み合い起振力推定部56aは、噛み合い伝達誤差推定部59で推定された噛み合い伝達誤差(MTE)の値に応じて、噛み合い起振力を推定するものである。つまり、噛み合い起振力推定部56aは、かかる対応マップに基づいて推定された噛み合い伝達誤差(MTE)の数値に応じて、噛み合い伝達誤差(MTE)が大きければ、噛み合い起振力も大きく、噛み合い伝達誤差(MTE)が小さければ、噛み合い起振力も小さいと推定する。
図12に示すように、本実施形態の歯車の噛み合い起振力推定方法は、図9に示す第2実施形態の歯車の噛み合い起振力推定方法と、潤滑油塗布工程S10〜領域間温度差算出工程S70までは同様であり、噛み合い伝達誤差推定工程S71,噛み合い起振力推定工程S82のみが異なっている。したがって、ここでは、潤滑油塗布工程S10〜領域間温度差算出工程S70については、その詳細な説明は省略する。
そして、噛み合い起振力推定工程S82において、噛み合い起振力推定手段54aの噛み合い起振力推定部56aにより、噛み合い伝達誤差推定工程S81で推定された噛み合い伝達誤差(MTE)に基づいて、かかる噛み合い伝達誤差(MTE)が大きければ、噛み合い起振力も大きく、かかる噛み合い伝達誤差(MTE)が小さければ、噛み合い起振力が小さいと推定する。
次に、本発明の第4実施形態について説明すると、図13,図14は本発明の第4実施形態としての歯車の歯当り評価方法及び装置を示すもので、図13はその機能構成を示す模式図、図14は歯車の歯当り評価方法を示すフローチャートである。なお、図13において、図1と同符号のものは同様のものを示し、図14において、図2と同符号のものは同様のものを示す。
そして、本実施形態の歯車の歯当り評価装置にかかる演算ユニット40aは、歯当り評価手段42aのみをそなえて構成されている。
次いで、回転後歯面温度測定工程S31において、歯車10の歯10aの歯面温度の分布を測定する。この回転後歯面温度測定工程S31は、図1を参照しながら上述した第1実施形態にかかる回転後歯面温度測定工程S40に相当する工程である。なお、ここでは、歯車回転工程S21と、回転後歯面温度測定工程S31とにより、歯車10,11が回転したことにより生じる歯車10の歯10aの歯面温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出工程が構成される。
このように、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置によれば、上述の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかし、本実施形態の歯車の歯当り評価方法及び装置の対象となる歯車10,11が、例えば、平歯車等の歯車のねじれ角が無い歯車であれば、サーモグラフィカメラ30に対する歯10aの歯面からの反射光の影響はほとんどなく、高精度に歯車の歯当り評価及び噛み合い起振力推定を行なうことができる。もちろん、対象となる歯車10,11のねじれ角が小さい場合でも、ある程度の精度で歯車の歯当り評価を行なうことができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明すると、図15,図16は本発明の第5実施形態としての歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置を示すもので、図15はその機能構成を示す模式図、図16は歯車の噛み合い起振力推定方法を示すフローチャートである。なお、図15において、図8と同符号のものは同様のものを示し、図16において、図9と同符号のものは同様のものを示す。
なお、本実施形態の噛み合い起振力推定装置における噛み合い起振力推定手段54の構成は、上述した第2実施形態と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態の歯車の噛み合い起振力推定方法は、潤滑油塗布工程S10〜回転後歯面温度測定工程S31までは、上述した第4実施形態の歯車の歯当り評価方法と同様であるため、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは、歯車回転工程S21と、回転後歯面温度測定工程S31とにより、歯車10,11が回転されたことにより生じる歯車10の歯10aの歯面温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出工程が構成される。
次いで、領域間温度差算出工程S51において、噛み合い枚数領域分割工程S42で分割された回転後の歯面温度の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出し、噛み合い起振力推定工程S62において、かかる温度差に基づいて噛み合い起振力を推定する。なお、領域間温度差算出工程S51は、図9に示した第2実施形態における領域間温度差算出工程S70に相当するものであり、噛み合い起振力推定工程S62は、図9に示した第2実施形態における噛み合い起振力推定工程S80に相当するものである。
しかしながら、本実施形態の歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置では、回転前後の歯面温度差の分布に基づいて歯当り評価及び噛み合い起振力推定を行なわないため、サーモグラフィカメラ30に対する歯車10の歯10aの歯面からの反射光の影響を完全に除去することはできない。
以上、本発明の歯車の歯当り評価方法及び装置並びに歯車の噛み合い起振力推定方法及び装置について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、噛み合い起振力を推定する際に、噛み合い起振力もしくは噛み合い伝達誤差と、同時噛み合い枚数毎に分割された歯面温度分布における隣接する噛み合い領域間の温度差との対応マップを用いて、噛み合い起振力もしくは噛み合い伝達誤差を推定するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、噛み合い起振力推定手段に、かかる対応マップをそなえず、噛み合い起振力推定手段により噛み合い起振力を推定する際には、同時噛み合い枚数毎に分割された歯面温度分布における隣接する噛み合い領域間の温度差が大きければ噛み合い起振力も大きく、かかる温度差が小さければ噛み合い起振力も小さいと推定するように構成してもよい。
10a 歯面
12,13 軸
14 突起
20 駆動モータ(歯車回転手段)
21 トルク付与モータ
30 サーモグラフィカメラ(歯面温度測定手段)
31 フォトセンサ
32 カメラコントロールユニット
40,40a,50,50a,50b 演算ユニット
41 歯面温度差算出手段
42,42a 歯当り評価手段
51 歯面温度差算出手段
52,52b 噛み合い枚数領域分割手段
53 領域間温度差算出手段
54,54a 噛み合い起振力推定手段
55 噛み合い起振力記憶部
56,56a 噛み合い起振力推定部
57 表示手段
58 噛み合い伝達誤差記憶部
59 噛み合い伝達誤差推定部
S10 潤滑油塗布工程
S11 放射率校正工程
S20 回転前歯面温度測定工程
S21,S30 歯車回転工程
S31,S40 回転後歯面温度測定工程
S41,S60 歯当り評価工程
S42,S61 噛み合い枚数領域分割工程
S50 歯面温度差算出工程
S51,S70 領域間温度差算出工程
S62,S80,S82 噛み合い起振力推定工程
S81 噛み合い伝達誤差推定工程
Claims (20)
- 互いに噛み合う一対の歯車の少なくとも一方の歯車の歯面に潤滑油を塗布する潤滑油塗布工程と、
上記潤滑油塗布工程後に上記一対の歯車が回転したことにより生じる上記一方の歯車の歯面の温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出工程と、
上記歯面温度上昇検出工程で検出された上記歯面温度上昇の分布に基づいて、該歯面温度上昇が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、該歯面温度上昇が相対的に高いほど面圧が高いと評価する歯当り評価工程とをそなえたことを特徴とする、歯車の歯当り評価方法。 - 上記歯面温度上昇検出工程は、
上記潤滑油塗布工程後に上記一対の歯車を回転させる歯車回転工程と、
上記歯車回転工程後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を上記歯面温度上昇の分布として測定する回転後歯面温度測定工程とをそなえ、
上記歯当り評価工程では、上記回転後歯面温度測定工程で測定された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度の分布に基づいて、該歯面温度が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、該歯面温度が相対的に高いほど面圧が高いと評価することを特徴とする、請求項1記載の歯車の歯当り評価方法。 - 上記歯面温度上昇検出工程は、
上記潤滑油塗布工程後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を測定する回転前歯面温度測定工程と、
上記回転前歯面温度測定工程後に上記一対の歯車を回転させる歯車回転工程と、
上記歯車回転工程後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を測定する回転後歯面温度測定工程と、
上記回転前歯面温度測定工程で測定された回転前の上記歯面温度の分布と、上記回転後歯面温度測定工程で測定された回転後の上記歯面温度の分布との差である歯面温度差の分布を上記歯面温度上昇の分布として算出する歯面温度差算出工程とをそなえ、
上記歯当り評価工程では、上記歯面温度差算出工程で算出された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度差の分布に基づいて、該歯面温度差が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、該歯面温度差が相対的に高いほど面圧が高いと評価することを特徴とする、請求項1記載の歯車の歯当り評価方法。 - 上記の歯面温度の分布の測定を、上記歯面に対して非接触で行なうことを特徴とする、請求項2又は3記載の歯車の歯当り評価方法。
- 上記の歯面温度の分布の測定を、サーモグラフィを用いて行なうことを特徴とする、請求項4記載の歯車の歯当り評価方法。
- 互いに噛み合う一対の歯車の少なくとも一方の歯車の歯面に潤滑油を塗布する潤滑油塗布工程と、
上記潤滑油塗布工程後に上記一対の歯車が回転したことにより生じる上記一方の歯車の歯面の温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出工程と、
上記歯面温度上昇検出工程で検出された上記歯面温度上昇の分布を同時噛み合い枚数毎の領域に分割する噛み合い枚数領域分割工程と、
上記噛み合い枚数領域分割工程で分割された上記歯面温度上昇の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出する領域間温度差算出工程と、
上記領域間温度差算出工程で算出された隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差に基づいて、噛み合い起振力を推定する噛み合い起振力推定工程とをそなえたことを特徴とする、歯車の噛み合い起振力推定方法。 - 上記歯面温度上昇検出工程は、
上記潤滑油塗布工程後に上記一対の歯車を回転させる歯車回転工程と、
上記歯車回転工程後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を上記歯面温度上昇の分布として測定する回転後歯面温度測定工程とをそなえ、
上記噛み合い枚数領域分割工程では、上記回転後歯面温度測定工程で測定された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度の分布を同時噛み合い枚数毎の領域に分割するとともに、上記領域間温度差算出工程では、上記噛み合い枚数領域分割工程で分割された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出することを特徴とする、請求項6記載の歯車の噛み合い起振力推定方法。 - 上記歯面温度上昇検出工程は、
上記潤滑油塗布工程後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を測定する回転前歯面温度測定工程と、
上記回転前歯面温度測定工程後に上記一対の歯車を回転させる歯車回転工程と、
上記歯車回転工程後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を測定する回転後歯面温度測定工程と、
上記回転前歯面温度測定工程で測定された回転前の上記歯面温度の分布と、上記回転後歯面温度測定工程で測定された回転後の上記歯面温度の分布との差である歯面温度差の分布を上記歯面温度上昇の分布として算出する歯面温度差算出工程とをそなえ、
上記噛み合い枚数領域分割工程では、上記歯面温度差算出工程で算出された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度差の分布を同時噛み合い枚数毎の領域に分割するとともに、上記領域間温度差算出工程では、上記噛み合い枚数領域分割工程で分割された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度差の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出することを特徴とする、請求項6記載の歯車の噛み合い起振力推定方法。 - 上記の歯面温度の分布の測定を、上記歯面に対して非接触で行なうことを特徴とする、請求項7又は8記載の歯車の噛み合い起振力推定方法。
- 上記の歯面温度の分布の測定を、サーモグラフィを用いて行なうことを特徴とする、請求項9記載の歯車の噛み合い起振力推定方法。
- 少なくとも一方の歯車の歯面に潤滑油が塗布された、互いに噛み合う一対の歯車を回転させる歯車回転手段と、
上記歯車回転手段により上記一対の歯車が回転したことにより生じる上記一方の歯車の歯面の温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出手段と、
上記歯面温度上昇検出手段で検出された上記歯面温度上昇の分布に基づいて、該歯面温度上昇が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、該歯面温度上昇が相対的に高いほど面圧が高いと評価する歯当り評価手段とをそなえたことを特徴とする、歯車の歯当り評価装置。 - 上記歯面温度上昇検出手段が、
上記歯車回転手段による上記一対の歯車回転後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を上記歯面温度上昇の分布として測定する歯面温度測定手段をそなえ、
上記歯当り評価手段が、上記歯面温度測定手段により測定された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度の分布に基づいて、該歯面温度が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、該歯面温度が相対的に高いほど面圧が高いと評価することを特徴とする、請求項11記載の歯車の歯当り評価装置。 - 上記歯面温度上昇検出手段が、
上記一方の歯車の歯面の温度を測定する歯面温度測定手段と、
上記歯車回転手段による上記一対の歯車回転前に上記歯面温度測定手段により測定された上記一方の歯車の歯面温度の分布と、上記歯車回転手段による上記一対の歯車回転後に上記歯面温度測定手段により測定された上記一方の歯車の歯面温度の分布との差である歯面温度差の分布を上記歯面温度上昇の分布として算出する歯面温度差算出手段とをそなえ、
上記歯当り評価手段が、上記歯面温度差算出手段で算出された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度差の分布に基づいて、該歯面温度差が相対的に高い領域を噛み合い領域と評価するとともに、該歯面温度差が相対的に高いほど面圧が高いと評価することを特徴とする、請求項11記載の歯車の歯当り評価装置。 - 上記歯面温度測定手段が、上記歯面の温度を非接触で測定することを特徴とする、請求項12又は13記載の歯車の歯当り評価装置。
- 上記歯面温度測定手段が、サーモグラフィで構成されていることを特徴とする、請求項14記載の歯車の歯当り評価装置。
- 少なくとも一方の歯車の歯面に潤滑油が塗布された、互いに噛み合う一対の歯車を回転させる歯車回転手段と、
上記歯車回転手段により上記一対の歯車が回転したことにより生じる上記一方の歯車の歯面の温度上昇の分布を検出する歯面温度上昇検出手段と、
上記歯面温度上昇検出手段で検出された上記歯面温度上昇の分布を同時噛み合い枚数毎の領域に分割する噛み合い枚数領域分割手段と、
上記噛み合い枚数領域分割手段で分割された上記歯面温度上昇の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出する領域間温度差算出手段と、
上記領域間温度差算出手段で算出された隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差に基づいて、噛み合い起振力を推定する噛み合い起振力推定手段とをそなえたことを特徴とする、歯車の噛み合い起振力推定装置。 - 上記歯面温度上昇検出手段が、
上記歯車回転手段による上記一対の歯車回転後に上記一方の歯車の歯面温度の分布を上記歯面温度上昇の分布として測定する歯面温度測定手段をそなえ、
上記噛み合い枚数領域分割手段が、上記歯面温度測定手段により測定された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度の分布を同時噛み合い枚数毎の領域に分割するとともに、上記領域間温度差算出手段が、上記噛み合い枚数領域分割手段で分割された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出することを特徴とする、請求項16記載の歯車の噛み合い起振力推定装置。 - 上記歯面温度上昇検出手段が、
上記一方の歯車の歯面の温度を測定する歯面温度測定手段と、
上記歯車回転手段による上記一対の歯車回転前に上記歯面温度測定手段により測定された上記一方の歯車の歯面温度の分布と、上記歯車回転手段による上記一対の歯車回転後に上記歯面温度測定手段により測定された上記一方の歯車の歯面温度の分布との差である歯面温度差の分布を上記歯面温度上昇の分布として算出する歯面温度差算出手段とをそなえ、
上記噛み合い枚数領域分割手段が、上記歯面温度差算出手段で算出された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度差の分布を同時噛み合い枚数毎の領域に分割するとともに、上記領域間温度差算出手段が、上記噛み合い枚数領域分割手段で分割された上記歯面温度上昇の分布としての上記歯面温度差の分布における隣接する同時噛み合い枚数毎の領域の温度差を算出することを特徴とする、請求項16記載の歯車の噛み合い起振力推定装置。 - 上記歯面温度測定手段が、上記歯面の温度を非接触で測定することを特徴とする、請求項17又は18記載の歯車の噛み合い起振力推定装置。
- 上記歯面温度測定手段が、サーモグラフィで構成されていることを特徴とする、請求項19記載の歯車の歯車の噛み合い起振力推定装置。
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