JP2005221297A - 光ファイバセンサ - Google Patents

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幸  剛史
Yoshihiro Ito
伊藤  嘉浩
Tetsuya Yamauchi
哲也 山内
Kaoru Omura
馨 大村
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Abstract

【課題】 安価で簡易な構成の光ファイバセンサ装置及びこれに用いるセンサ用光ファイバを提供する。
【解決手段】 プラスチック光ファイバコアと、前記プラスチック光ファイバコアを覆う金属層と、前記金属層を覆い、特定の物質と相互作用する反応物質を含む反応層と、前記反応層が形成される前記プラスチック光ファイバコアの少なくとも一部が湾曲したセンサ部11と、を有するセンサ用光ファイバ10及びこのセンサ用光ファイバ10を用いた光ファイバセンサ装置1とする。
【選択図】 図1

Description

表面プラズモン共鳴現象を応用した光ファイバセンサ装置及びこれに用いるセンサ用光ファイバに関する。
表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance:SPR)現象は、例えば表面に数十nm程度の厚さの金属薄膜を形成したガラス内に白色光を入射した場合において、特定の波長の光が生じさせるエバネッセント波が金属薄膜表面の電子振動と共鳴する現象として知られ、このとき、この特定の波長の反射光は減衰する。
近年、このSPR現象を応用して物質間の相互作用を測定するセンサが開発されており、その一つとして、光ファイバを用いたものがある。即ち、この光ファイバセンサは、ガラス製の光ファイバコアの表面に金属薄膜を形成し、さらにこの金属薄膜上に特定の物質と相互作用する物質、例えば抗体等を結合させたものであり、この抗体と外来の抗原との結合に伴う減衰波長の変化或いは光の減衰量を検出することによって、試料中の抗原の濃度等を測定することができる。このような光ファイバセンサとしては、従来、例えば特許文献1に開示されているものがある。
特開平11−223597号公報
しかしながら、上記従来の光ファイバセンサは、取り扱いや加工が難しく高価なガラス製の光ファイバコアを用いているため、安価に大量に製造することが困難である。また、近年、微量な試料中に微量ずつ含まれる多種類の物質を測定するために、光ファイバセンサの小型化及び低価格化の要求が高まっている。しかしながら、この場合、ガラス光ファイバコアは折り曲げることが困難であるために、特許文献1のように、その一方の端面に銀等をコーティングし、この端面からの反射光を検出しなければならない。この場合、光ファイバセンサは、ビームスプリッタ、分光器、演算用マイクロコンピュータ等を必要とし、極めて複雑且つ高価な構成となってしまう。
一方、光ファイバコアとしては、ガラス光ファイバコアの他にプラスチック製のものがあるが、このプラスチック光ファイバコアは、低価格で加工が容易といった特徴を有するものの、ガラス光ファイバコアに比べて光損失が大きいこと等から、光ファイバセンサには用いられていない。
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものであり、安価且つ簡易な構成の光ファイバセンサ装置及びこれに用いるセンサ用光ファイバを提供することをその目的の一つとする。
上記の問題を解決するための本発明に係るセンサ用光ファイバは、表面プラズモン共鳴現象を応用して物質間相互作用を検出するセンサに用いる光ファイバであって、プラスチック光ファイバコアと、前記プラスチック光ファイバコア上に形成される金属層と、前記金属層上に形成され、特定の物質と相互作用する反応物質を含む反応層と、前記反応層が形成される前記プラスチック光ファイバコアの少なくとも一部が湾曲したセンサ部と、を有する。
また、前記センサ部は曲率半径1mm〜20mmで湾曲していることが好ましい。
また、前記反応層は水溶性ポリマーをさらに含むことが好ましい。
本発明に係る光ファイバセンサ装置は、上記いずれかのセンサ用光ファイバと、前記センサ用光ファイバの前記プラスチック光ファイバコアの一端に光を入射する光源と、前記プラスチック光ファイバコアの一端から入射され、当該プラスチック光ファイバコア内を通過して他端に到達した光を検出する光検出器と、を含んで構成される。
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る光ファイバセンサ装置の一例を模式的に示す説明図である。図2は、図1に示した光ファイバセンサ装置に用いられるセンサ用光ファイバの一例を模式的に示す説明図であり、図3はそのA−A断面図である。
本実施形態に係る光ファイバセンサ装置1は、プラスチック光ファイバ(plastic optical fiber:POF)コア13と、POFコア13上に形成される金属層14と、金属層14上に形成され、特定の物質と相互作用する反応物質を含む反応層15と、反応層15が形成されるPOFコア13の少なくとも一部が湾曲したセンサ部11と、を有するセンサ用光ファイバ10を含み、さらにこのセンサ用光ファイバ10のPOFコア13の一端に光を入射する光源20と、POFコア13の一端から入射され、当該POFコア13内を通過して他端に到達した光(到達光)を検出する光検出器30と、を含んで構成される。センサ用光ファイバ10のPOFコア13、金属層14、反応層15については後に詳しく説明する。
光源20は、適宜選択される波長帯域の光を照射するものであり、安定した光を照射するものが望ましく、例えば緑色LED(light emitting diode)ランプ等が用いられる。光検出器30は、光源20から照射される光のうち少なくとも一つの波長帯域の光を検出するものであり、例えばPD(photodiode)が用いられる。センサ用光ファイバ10の一端と光源20、他端と光検出器30、とはそれぞれ接続用光ファイバ40を用いて接続されている。センサ用光ファイバ10と接続用光ファイバ40とは、接続コネクタ50を用いて接続されている。
図1に示す光ファイバセンサ装置1を用いた物質間相互作用の測定においては、表面に反応層15が形成されたセンサ部11を、測定対象である試料溶液80中に浸漬し、このときの他端における到達光を光検出器30によって検出する。即ち、センサ部11を試料溶液に浸漬しない状態での到達光を予め検出しておき、これとセンサ部11を試料溶液に浸漬した後の到達光を検出して、これら到達光の変化を評価する。このとき、試料溶液中にセンサ部11の反応層15に含まれる反応物質と相互作用する特定の物質(目的物質)が含まれていれば、当該相互作用によって到達光が変化するため、この到達光量の変化から試料溶液80中の目的物質の有無や量等を測定することができる。
ここで、例えば図1に示すように、光検出器30をアナログ/デジタル(A/D)変換機60やパソコンモニタ等の表示装置70と接続した光ファイバセンサ装置1とすれば、反応物質と目的物質との相互作用に伴う到達光の変化をリアルタイムでモニタリングすることができる。即ち、例えば抗体を含む反応層15を形成したセンサ部11を、抗原を含む試料溶液80中に浸漬した場合に、抗原と抗体との結合量の変化等を到達光量の経時的変化として表示装置70上に表示することができる。
ここで、本実施形態に係るセンサ用光ファイバ10の特徴的なことの一つは、反応層15が形成されているセンサ部11が湾曲して形成されていることである。
即ち、センサ部11を湾曲させると、センサ部11を直線とした場合に比べて到達光量は低下するが、反応層15中の反応物質と試料溶液80中の目的物質との相互作用に伴う到達光量の変化率は増加する。即ち、例えば、予めセンサ部11の反応物質に目的物質を作用させない場合の到達光量を作用前到達光量として検出しておき、センサ部11の反応物質に目的物質を作用させた後の到達光量を作用後到達光量として検出して、これら作用前到達光量と作用後到達光量との差を当該作用前到達光量で除して得られる到達光量変化率を評価する場合において、直線のセンサ部11と湾曲したセンサ部11とに同じ量の目的物質を作用させると、直線のセンサ部11に比べて湾曲したセンサ部11の到達光量変化率が大きくなるのである。センサ部11の湾曲に伴う到達光量変化率の増加は、目的物質と反応物質との相互作用の検出精度を向上させ、センサ特性を向上させる。
このように、センサ用光ファイバ10のセンサ特性、特にセンサ部11の反応物質と所定量の目的物質との相互作用に伴う到達光量変化率の大きさは、センサ部11を湾曲させることによって制御することが可能であり、センサ部11は曲率半径1mm〜20mmで湾曲していることが好ましく、特に曲率半径2〜10mmで湾曲していることが好ましい。
また、曲率半径を上記の範囲とすることで、センサ特性の向上のみならず、センサ部11の小型化が可能となり、微量の試料溶液80中に十分な長さのセンサ部11を作用させることが可能になる。
このように、本発明によれば、安価で加工が容易なPOFコア13を用いた低価格のセンサ用光ファイバ10を提供することができ、さらにこのセンサ用光ファイバ10の一端に白色光源やLED等の安価な光源20を接続してPOFコア13内に入射光を導入し、他端に接続したPD等の光検出器30によって到達光を検出することで物質間相互作用を簡単に測定できる、低価格且つ簡易な構成の光ファイバセンサ装置1を提供することができる。
次に、センサ用光ファイバ10に用いるPOFコア13、金属層14、反応層15について、図2及び図3に基づいて詳しく説明する。POFコア13は、光の導波路として機能するプラスチック製の光ファイバコアであれば特に限られないが、例えばポリメチルメタアクリレート(polymethyl methacrylate:PMMA)製のものを用いることができる。また、POFコア13は、例えば図2の例に示すように、表面にクラッド12が形成された市販のPOFを用いて、当該クラッド12の一部を剥がして露出したものを用いることもできる。
金属層14は、POFコア13表面を被覆するように形成される金属薄膜である。金属層14に用いる金属としては、例えばAg、Au、Cu、Zn、Al、Kが好ましく、特にAg、Auが好適である。金属層14は、例えば真空蒸着やスパッタリング等によって、上記の金属をPOFコア13表面に付着させて形成される。金属層14の厚さは、SPRが生じれば特に限られないが、例えば10nm〜80nmの範囲とすることができ、30〜60nmが好ましい。また、金属層14は合金組成で形成してもよい。また、金属層14は、POFコア13表面への密着性を向上させるために、例えばPOFコア表面にまずCr膜を極めて薄く形成し、さらにその上にAu膜等を形成した多層構造をもって形成されてもよい。
反応層15は、特定の物質と相互作用する反応物質を含んで金属層14上に形成される。反応層15が形成されるPOFコア13の長さ、即ちセンサ部11の長さは、適宜選択されればよいが、例えば5〜40mmとすることができ、7〜20mmが好ましい。
反応層15に含まれる反応物質は、特定の物質と相互作用を行う物質であれば特に限定されないが、例えば種々の蛋白質や糖類等が挙げられる。より具体的には、特定の抗原と結合する抗体或いはその抗原、特定の蛋白質や糖鎖と結合する蛋白質や糖類、特定の基質と反応する酵素やその基質、相補的な塩基配列を有するDNAやRNA等が挙げられる。反応物質として用いる抗原及び抗体としては、例えばアレルギーの原因となる抗原や抗体が挙げられ、この場合、例えばダニ、スギ花粉、ブタクサ花粉、シラカバ花粉、ヨモギ花粉等の抗原或いはこれらの抗原を認識する抗体等を用いることができる。
反応層15は、反応物質を金属層14上に担持できるように形成されれば特に限定されないが、例えば反応物質を所定の接続物質を介して金属層14上に固定化することによって形成することができる。即ち、この場合、金属層14上に接続物質を結合させ、さらにこの接続物質に反応物質を結合させることによって反応層15を形成することができる。
接続物質としては、例えば自己組織化単分子膜(self assembled monolayer:SAM)を形成するアルカンチオール等を用いることができる。この場合、例えば金属層14として金の薄膜を形成し、この金薄膜と共有結合を形成し得る官能基と、反応物質が有する官能基と共有結合し得る官能基と、を有する二官能性のアルカンチオール分子を用いることができる。
ここで、金薄膜と共有結合を形成する官能基の好ましい例としては、スルフィド基,ジスルフィド基,チオール基,イソニトリル基等が挙げられ、反応物質と共有結合を形成する官能基の好ましい例としては、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基等が挙げられる。
また、接続物質としては、例えば水溶性ポリマーを用いることもできる。この水溶性ポリマーとしては、水分子との親和性が比較的高いポリマーであれば特に限られないが、例えば両極性、またはノニオン性の水溶性ポリマーが好ましい。ここでいう両極性とは、カチオンとアニオンの両方を有することを意味する。両極性の水溶性ポリマーの好ましい例としては、ホスホリルコリン基を有する下記の化学式1にて表されるポリマー単位を2つ以上含む水溶性ポリマーが挙げられる。
Figure 2005221297
ここで、化学式1のXは互いに独立して重合した重合原子団を表す。このような重合単位の好ましい具体例としては、2−メタクリロイルオキシメチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、ホスホリルコリン、N―(2−メタクリルアミドエチルホスホリルコリン、 4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω―メタクリロジオキシエチレンホスホリルコリン、または4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンに由来する(即ちこれらの単位を重合させた)単位が挙げられる。これらの中でも2−メタクリロイルオキシメチルホスホリルコリン(MPC)に由来する単位が好ましい。
また、ここでいうノニオン性とは、中性付近のpH(pH6〜8)を示す水溶液中で電離してイオンになる基を実質的に有さないことを意味する。ここで実質的にとは、このような基を全く含まないか、又は含んでいるとしても本発明の効果に悪影響を与えない程度に微量(例えば、このような基の数が炭素数の1%以下)であることを意味する。
ノニオン性の水溶性ポリマーの好ましい例として、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピロリジン、アクリロイルピペリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n−プロピルシアノアクリレート、iso−プロピルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、iso−ブチルシアノアクリレート、tert−ブチルシアノアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル等のモノマー単位を単独か混合物を構成成分とするノニオン性のビニル系高分子;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、プルラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、カラギーナン、澱粉類(カルボキシメチルデンプン、アルデヒドデンプン)、デキストリン、サイクロデキストリン等の天然高分子、メチルセルロース、ビスコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性セルロース誘導体等の天然高分子を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、特に好ましいものはポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリルアミド(ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを意味する)及びポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)であり、これらの中で特に好ましくは、ポリエチレングリコールである。
なお、ポリエチレングリコールの場合、その重合度は特に限定されないが、500〜10万程度が好ましい。また、これら両極性の水溶性ポリマーの分子量は、特に限定されないが、1000〜500万程度であればよく、1万〜数10万程度が好ましい。
また、これらの水溶性ポリマーは、金属層に結合する官能基と反応物質に結合する官能基とを有することが好ましく、この場合、例えば金薄膜と共有結合を形成し得る官能基と、反応物質が有する官能基と共有結合し得る官能基と、を有するものが好ましい。
さらにこの場合、水溶性ポリマーは、光照射によって反応物質と結合を形成する光反応性基を有するものを用いることもできる。即ち、この光反応性水溶性ポリマーは、例えば金薄膜と結合する官能基に加えて、光を照射することによってラジカルを発生し、このラジカル反応によって反応物質と結合を形成する光反応性基を導入したものを適宜合成して用いる。
ここでいう光反応性基は、例えば光を照射することによりラジカルを放出する官能基であって、このラジカルによりアミノ基やカルボキシル基等の官能基または有機化合物を構成する炭素原子と結合を形成するものである。このような光反応性基としては、光照射によって水溶性ポリマーと反応物質或いは金属層との結合形成を誘起する官能基であれば特に限られないが、例えばアジド基が挙げられ、より具体的にはフェニルアジド基、アセチル基、ベンゾイル基が挙げられ、特に好ましいものはフェニルアジド基である。
光反応性基は、水溶性ポリマーに直接結合していてもよいが、任意のスペーサ物質を介して水溶性ポリマーに結合されていてもよい。この場合、スペーサ物質は、光反応性基と水溶性ポリマーとの間に介在してこれらを結合するものであれば特に限られないが、例えば炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい)等を挙げることができる。
水溶性ポリマー1分子中には、光反応性基が2つ以上導入されているものが好ましく、より具体的には水溶性ポリマーの側鎖に0.1mol%〜30mol%で導入されているものが好ましい。また、光反応性基が水溶性ポリマーの末端に導入される場合にはその両末端に導入されていることが好ましい。
また、水溶性ポリマーに導入される、金属層14と結合を形成する官能基としては、金属層14と共有結合又は配位結合を形成する官能基が好ましい。この場合、例えば金薄膜と共有結合を形成する官能基としては、スルフィド基,ジスルフィド基,チオール基,イソニトリル基等を用いることができ、特にジスルフィド,チオールが好ましい。また、金薄膜と配位結合を形成する官能基の好ましい例としては、カルボキシル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、イミダゾール基、水酸基等が挙げられ、特に好ましいのはカルボキシル基である。
また、反応層15中の水溶性ポリマーと反応物質との配合比(反応層15形成時の混合比)は、適宜選定されればよいが、例えば重量比1:1〜1:4が好ましい。
このように、光反応性水溶性ポリマーを用いて反応物質を金属層上に光固定する場合には、SAMを形成する場合と異なり、光照射に伴って開始されるラジカル反応によって反応物質を固定することができるため、対象とする反応物質(反応層15に担持する反応物質)の種類を特に限定する必要がなく、あらゆる反応物質を固定化できる。
また、水溶性ポリマーを使用することにより、センサ部11における外来物質の非特異的吸着を防止することも可能となる。ここでいう非特異的吸着とは、反応物質と目的物質との結合と無関係に、例えば試料溶液80中に含まれる目的物質以外の物質が、吸着的、吸収的、共有結合的又はイオン結合的に反応層15に対して吸着、結合する現象である。この非特異的吸着は、センサ特性に影響を与えるため、可能な限り防止することが望ましい。
次に、本実施形態に係るセンサ用光ファイバ10及び光ファイバセンサ装置1の具体的な実施例について説明する。
[光反応性水溶性ポリマーの作製]
システアミンをイオン交換水に溶解してpH8.5に調整し、システアミン水溶液を得た。次いで、このシステアミン水溶液を20℃で48時間攪拌することによりシステアミンダイマーを得た。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン (MPC)ポリマーとメタアクリル酸の共重合比が7:3であるMPC−メタクリル酸共重合ポリマーに、メタクリル酸モル濃度の2倍濃度のアジドアニリン、システアミンダイマー及び水溶性カルボジイミドを添加し、この溶液をpH7.0に調整し、4℃、24時間反応させてチオール基及びアジド基を導入したMPC−メタクリル酸共重合ポリマー(光反応性水溶性ポリマー)を得た。次に、この溶液にヂチオトレイトール(DTT)を添加し、pH10に調整し、12時間反応させてジスルフィドダイマーを還元した。最後に限外ろ過によりこの光反応性水溶性ポリマー以外の未反応物を除去した。
[センサ用光ファイバの作製]
市販の1mm径のPOF(スーパーエスカ(登録商標、以下同じ)、三菱レイヨン製)を長さ115mmに切り取り、そのうち15mmの長さをジオキサン等の有機溶媒に浸漬させることによってクラッド12を除去し、PMMAからなるPOFコア13のみとした。次いで、このPOFコア13上にスパッタリングによって厚さ50nmの金属層14(金属として金を使用)を形成した。次いでこの金属層14を形成したPOFコア13の一部を曲率半径10mmで湾曲させた。次いで、上記光反応性のMPC−メタクリル酸共重合ポリマーと、スギ抗体又はスギ抗原とをそれぞれ0.05重量%、0.1重量%となるようにイオン交換水に溶解した。そして、この溶液を上記湾曲させたPOFコア13の金属層14上に滴下し、22℃、2時間真空乾燥機にて乾燥させた。次に、紫外線(ultra violet:UV)露光装置にてUVを上記溶液を滴下した部分に照射して、光反応性水溶性ポリマーとスギ抗体又はスギ抗原の金属層14上への光固定を行うことによって、スギ抗体を含む反応層15を有する抗体担持センサ用光ファイバ10と、スギ抗原を含む反応層15を有する抗原担持センサ用光ファイバ10の2種類のセンサ用光ファイバ10を得た。その後、これらセンサ用光ファイバ10の両端面を研磨して鏡面とした。
[光ファイバセンサ装置の作製]
上述のように作製した2種類のセンサ用光ファイバ10のそれぞれについて、一端を光源20(波長520nm)に、もう一端を光検出器30に接続し、図1に示したような光ファイバセンサ装置1を作製した。なお、接続用光ファイバ40には直径1mmのPOF(エスカメガ、三菱レイヨン製)を使用し、接続コネクタ50にはPOF用コネクタであるF05コネクタを使用した。
[光ファイバセンサ装置による抗原抗体反応の検出]
図4は、抗体担持センサ用光ファイバ10のセンサ部11を、スギ抗原を含む試料溶液80に浸漬した場合の、作用前到達光量と作用後到達光量の検出結果の一例を示したグラフである。即ち、図4は、作用前(センサ部11を試料溶液80に浸漬する前)、作用後(センサ部11を0.2μg/ml又は0.4μg/mlのスギ抗原を含む試料溶液80に浸漬した後)について、作用前到達光量を100%とした場合の、作用後到達光量の割合を%で示している。図4から明らかなように、作用後到達光量は、試料溶液80内のスギ抗原濃度に比例して変化しており、抗原抗体反応を定量的に精度よく検出できることが示された。
図5は、抗原担持センサ用光ファイバ10のセンサ部11を、スギ抗体を含む試料溶液80に浸漬した場合の、作用前到達光量と作用後到達光量とを図4と同様に示したグラフである。図5から明らかなように、作用後到達光量は、試料溶液80内のスギ抗体濃度変化に比例して変化しており、抗原抗体反応を定量的に精度よく検出できることが示された。
本発明の一実施形態に係る光ファイバセンサ装置を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るセンサ用光ファイバを模式的に示す説明図である。 図2のセンサ用光ファイバのA−A断面を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る光ファイバセンサ装置の測定結果の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る光ファイバセンサ装置の測定結果の他の例を示すグラフである。
符号の説明
1 光ファイバセンサ装置、10 センサ用光ファイバ、11 センサ部、12 クラッド、13 プラスチック光ファイバコア、14 金属層、15 反応層、20 光源、30 光検出器、40 接続用光ファイバ、50 接続コネクタ、60 アナログ/デジタル変換機、70 表示装置、80 試料溶液。

Claims (4)

  1. 表面プラズモン共鳴現象を応用して物質間相互作用を検出するセンサに用いる光ファイバであって、
    プラスチック光ファイバコアと、
    前記プラスチック光ファイバコアの表面に形成される金属層と、
    前記金属層上に形成され、特定の物質と相互作用する反応物質を含む反応層と、
    前記反応層が形成される前記プラスチック光ファイバコアの少なくとも一部が湾曲したセンサ部と、
    を有することを特徴とするセンサ用光ファイバ。
  2. 請求項1に記載のセンサ用光ファイバにおいて、
    前記センサ部は曲率半径1mm〜20mmで湾曲している、
    ことを特徴とするセンサ用光ファイバ。
  3. 請求項1又は2に記載のセンサ用光ファイバにおいて、
    前記反応層は水溶性ポリマーをさらに含む、
    ことを特徴とするセンサ用光ファイバ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセンサ用光ファイバと、
    前記センサ用光ファイバの前記プラスチック光ファイバコアの一端に光を入射する光源と、
    前記プラスチック光ファイバコアの一端から入射され、当該プラスチック光ファイバコア内を通過して他端に到達した光を検出する光検出器と、
    を含んで構成されることを特徴とする光ファイバセンサ装置。
JP2004027872A 2004-02-04 2004-02-04 光ファイバセンサ Pending JP2005221297A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007170928A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Stanley Electric Co Ltd 表面プラズモン共鳴センサー素子
JP2008157923A (ja) * 2006-12-01 2008-07-10 Canon Inc 化学センシング装置及び化学センシング方法
JP2020187135A (ja) * 2014-12-15 2020-11-19 プレクセンス・インコーポレイテッド 表面プラズモン検出装置及び方法

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