JP2005221201A - 触媒燃焼加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒燃焼開始後、触媒表面への水分付着を抑制して触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることができる触媒燃焼加熱装置を提供する。
【解決手段】 触媒であるPt53に撥水性物質であるPTFE54をコーティングにより付着させ、且つPt53を担持する触媒担体を金属細管であるアルミニウム管51から形成しその内部に熱媒体であるクーラントが供給される構成とした。これにより、従来の触媒燃焼加熱装置における、触媒表面への空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分付着による触媒と混合ガスとの接触阻害、触媒機能低下、つまり触媒燃焼の発熱量が減少を防止できる。したがって、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼ヒータ1を実現することができる。さらに、PTFE54温度を、その耐熱温度200℃を越えない温度に維持して撥水機能を維持させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、家庭用あるいは自動車用の暖房器の熱源等に用いられ、空気と燃料の混合ガスを触媒により燃焼させ、その発生熱を利用して熱媒体を加熱する触媒燃焼加熱装置に関する。
触媒燃焼加熱装置は、低温無炎燃焼によりNOx排出をほぼ完全に抑制でき、火炎安全性が高い、低温被加熱物質に対する吸収率の高い遠赤外線放射効率が高く省エネルギが図れる、等の特長を有し、広く普及している。
一般に、触媒燃焼においては、燃料としては可燃性気体、たとえば水素ガス、LPG(液化石油ガス)等が用いられ、この燃料ガスと空気との混合ガスを触媒へ供給して触媒燃焼させている。
また、水素燃料電池を搭載する車両等において、水素を燃料とする触媒燃焼加熱装置を車両の暖房用に用いれば、車両に搭載する燃料を一元化できるので好適である。
従来の触媒燃焼加熱装置としては、たとえば、燃料供給手段により水素ガスと空気との混合ガスが供給される流路に、上流側から順に電気加熱触媒、燃焼触媒、および熱媒体を通流させる熱交換器を設け、電気加熱触媒に通電して水素ガスと空気の混合ガスの燃焼を開始させ、電気加熱触媒における燃焼ガスにより加熱された燃焼触媒においても水素ガスと空気の混合ガスを燃焼させるように構成したものがある(特許文献1参照)。
上述の従来の触媒燃焼加熱装置では、触媒としてPt(白金)が用いられている。Ptは、反応活性が高く、混合ガス温度が低い場合でも触媒燃焼が可能なため、触媒燃焼加熱装置の触媒として好適である。
特開平14−122311号公報
触媒には、触媒としての機能、すなわち酸化機能を十分に発揮することのできる固有の温度(活性温度)が存在する。すなわち、この活性温度以下においては、活性が低下してしまう。
触媒燃焼加熱装置の作動開始直後等、触媒燃焼加熱装置の温度が低い時においては、触媒温度が活性温度に達しておらず酸化機能が十分ではないが、触媒燃焼による発生熱により触媒温度が上昇し活性温度に到達すると、安定した触媒燃焼が実現される。すなわち、触媒燃焼加熱装置による発生熱量、つまり熱媒体に伝達される熱量が定格熱量となる。
ところで、触媒燃焼加熱装置の温度が低い時には、空気中に含まれる水分および触媒燃焼により生成された水分、すなわち水蒸気が低温の触媒表面にて凝縮し触媒表面に付着することがある。特に、燃料として水素ガスを用いた場合は触媒燃焼による生成物の大部分は水であるため、触媒表面に水滴が付着する可能性が非常に高い。あるいは、水素燃料電池を搭載する車両において、燃料電池の排ガス(水素含む)を処理する目的に本装置を用いる際、燃料ガスであるこの排ガスには燃料電池の生成水が含まれており、この水滴が触媒表面に付着することもある。
触媒表面に水滴が付着すると、この水滴により燃料と空気の混合ガスと触媒との接触が阻害されて触媒燃焼が不安定化する。つまり、触媒燃焼の発生熱量が減少する。また、触媒表面に付着した水滴は、触媒燃焼の発生熱を受けて蒸発し混合ガス流に乗り通路下流へ流れて行く。言い換えると、触媒燃焼の発生熱が水滴に奪われてしまう。すなわち、触媒燃焼の発生熱量減少と、触媒燃焼の発生熱が水滴により吸収されることにより、触媒温度が活性温度に到達するまでの時間が長くなり、触媒燃焼加熱装置において熱媒体に伝達される熱量が定格熱量となるまでに長時間を要するという問題がある。
たとえば、水素燃料電池を搭載する車両において、触媒燃焼加熱装置は、車室内暖房用、排ガス処理用としてだけでなく燃料電池暖機用にも使用されている。この場合、触媒燃焼加熱装置において熱媒体の温度上昇が緩慢になると、燃料電池の暖機時間が長くなる、すなわち燃料電池搭載車両の始動時において、燃料電池の出力が定常レベルに達するまでの時間が長くなるという問題が生じる。
この対策として、上述した従来の触媒燃焼加熱装置では、燃焼触媒の上流側に電気加熱触媒を設け、電気加熱触媒に通電して水素ガスと空気の混合ガスの燃焼を開始させている。これにより、燃焼触媒に流入する混合ガス温度を素早く高め、燃焼触媒への水分付着を抑制することができる。
しかしながら、この方法では、電気加熱触媒を追加する必要がある、電気加熱触媒による消費電力が多くエネルギ効率が低下する、等の問題がある。
一方、触媒の上流側で水素と空気の混合ガスに火花点火して燃焼させ、高温になった混合ガスを触媒に通すことにより触媒温度を上昇させる方法が考えられる。この場合、水素の燃焼は火炎伝播により継続されるので、電力消費量は抑えることができる。
しかしながら、火花による混合ガスの燃焼方法の場合、点火可能な水素と空気の混合比範囲が狭いため適正な混合比を得るのが困難である、また、火花による燃焼では温度上昇が急激のため高熱対策が必要、等の問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、触媒燃焼開始後、触媒表面への水分付着を抑制して触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることができる触媒燃焼加熱装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成する為に以下の技術的手段を採用する。
本発明の請求項1に記載の触媒燃焼加熱装置は、空気と燃料の混合ガスを形成する気体混合手段と、気体混合手段に空気を供給する空気供給手段と、気体混合手段に燃料を供給する燃料供給手段と、気体混合手段に接続され、気体混合手段で形成された混合ガスが供給される通路と、通路内に配置される触媒担体に担持された触媒と、通路内において混合ガスの流れ方向における触媒担体の下流側に配置され熱媒体が供給されて該熱媒体と混合ガスとの間で熱交換を行う熱交換器とを備え、混合ガスを触媒により触媒燃焼させ、その発生熱により熱交換器を介して熱媒体を加熱する触媒燃焼加熱装置であって、触媒は撥水機能を備える構成とした。
触媒燃焼加熱装置作動開始直後の触媒温度が低い時において、空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分および触媒燃焼により生成された水分、すなわち水蒸気が低温の触媒表面にて凝縮し触媒表面に付着することがある。特に、燃料として水素ガスを用いた場合は触媒燃焼による生成物の大部分は水であるため、触媒表面に水分が付着する可能性が非常に高い。
触媒表面に水分が付着すると、触媒と混合ガスとの接触が阻害され触媒機能が低下、つまり触媒燃焼の発熱量が減少する。また、触媒燃焼の発生熱が触媒に付着した水滴の蒸発潜熱として奪われて触媒自体温度上昇が緩慢になり、触媒温度が活性温度に到達するまでに長時間を要するという問題が生じる。
ここで、触媒への水蒸気付着のメカニズムについて簡単に説明する。
一般的な酸化触媒、たとえばPt(白金)、Pd(パラジウム)等は貴金属、つまり金属からなり、分子的には無極性であるが、一般的な触媒担体であるγアルミナ、コージェライト等はOH基により極性を有している。一方、水分子は、その原子配列により、極性を有している。このため、極性を有する触媒担体と水蒸気とが互いに引き合って、水蒸気が触媒に付着する。
ところで、物質が有する撥水機能は、一般には、その表面が無極性であって、それにより水分が付着し難くなることである。したがって、本発明の請求項1に記載される触媒燃焼加熱装置の構成とすれば、混合ガス流に乗って触媒表面に達した水蒸気は触媒表面に付着せずに再度混合ガス流に乗って流れ去る。また、触媒表面において凝縮した水滴は、触媒の撥水機能により触媒表面への付着力が小さくなり水分の表面張力により略球形となり転がり易くなる。この水玉は、混合ガス流の流体力により触媒表面を下流へ向かって転がり触媒から離れる。これにより、触媒表面に水分が付着、滞留することを防止できるので、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼加熱装置を提供することができる。
本発明の請求項2に記載の触媒燃焼加熱装置は、触媒が備える撥水機能は触媒に撥水性物質を付着させることにより形成される構成とした。
撥水性物質として、たとえば有機系高分子材料であるPTFE(ポリ・テトラ・フロロ・エチレン)がある。これは無極性且つ非導電性である。したがって、無極性且つ非導電性であるPTFEを、たとえばコーティング等により付着させると、触媒表面は無極性になり、それにより水分が付着し難くなる。
この構成により、安価且つ容易に撥水機能を有する触媒を形成することができる。
本発明の請求項3に記載の触媒燃焼加熱装置は、触媒が備える撥水機能は触媒担体を撥水性物質から形成することにより具備される構成とした。
この場合、触媒担体を撥水性物質、すなわち無極性物質、たとえば、αアルミナ、チタニア(TiO、二酸化チタン)等から形成すれば、無極性である触媒担体に無極性である触媒を担持させるので、触媒表面は無極性となり撥水性を備えることになる。これにより、触媒表面に水分が付着、滞留することを防止できるので、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼加熱装置を提供することができる。
この場合、請求項4に記載の触媒燃焼加熱装置のように、触媒に撥水性物質、たとえば有機系高分子材料であるPTFEを付着させる構成とすれば、触媒表面の撥水性をより確実なものとすることができるので、触媒表面に水分が付着、滞留することを防止して、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼加熱装置を提供することができる。
本発明の請求項5に記載の触媒燃焼加熱装置は、触媒担体は、互いに平行且つ混合ガスの流れ方向と略直交するように配置された複数の金属細管から形成され、金属細管の両端は環状通路に開口し、環状通路および金属細管内には熱媒体が供給される構成とした。
一般的な触媒担体としては、セラミックス、たとえばコージェライト等をハニカム状に成型したものが用いられ、その表面に、Pt等の触媒が担持されている。セラミックスは熱伝導率が小さく熱容量が小さいので、触媒燃焼開始後短時間で触媒温度を活性温度に到達させることができる。
一方、撥水性物質である有機系高分子材料、たとえばPTFE等の場合、その耐熱温度は約200℃である。耐熱温度を超えると、撥水性材質が分解され撥水機能が消失する。このため、触媒の撥水機能を維持するためには、触媒温度を撥水性物質の耐熱温度を超えないように維持することが必要である。
触媒温度を撥水性物質の耐熱温度を超えないように維持する方法として、空気供給量を増大させることにより混合ガスにおける水素ガス濃度を下げることが考えられる。この方法によると、触媒燃焼発生熱の一部を空気温度上昇に消費させて触媒温度を撥水性物質の耐熱温度を超えないようにすることが可能である。しかしながら、空気供給手段の能力アップ、すなわち大型化が必要であり、触媒燃焼加熱装置が大型化してしまうという問題がある。
そこで、本発明の請求項5に記載の触媒燃焼加熱装置のような構成とすれば、触媒燃焼により触媒に伝達された熱の一部は、触媒担体である金属細管を介して熱媒体へ伝達されるので、触媒燃焼加熱装置を大型化することなしに触媒温度の過度の上昇、つまり触媒温度が撥水性物質の耐熱温度以上に上昇することを抑制することができる。
この場合、触媒表面から金属細管を介して熱媒体への熱の伝わり度合いである熱伝達率は、金属細管の熱伝導率および肉厚、金属細管の内径すなわち金属細管内の熱媒体量、金属細管内の熱媒体の移動速度等により変化する。たとえば、金属細管の内径寸法を熱媒体が容易に金属細管を通過できるような大きさに設定すると、触媒表面から熱媒体への熱伝達率が大きくなり、触媒温度を撥水性物質温度の耐熱温度以下に維持できるものの、触媒温度上昇に多大な時間を要してしまう。そこで、金属細管の内径寸法等を、触媒温度が撥水性物質温度の耐熱温度を越えず且つ素早く上昇可能であるような仕様に設定することが必要となる。
たとえば、金属細管を比熱の小さいアルミニウムから形成し、その内径を環状通路に供給される熱媒体の圧力を受けても金属細管内を熱媒体がほとんど流れない程度に小さく設定したときの金属細管内における熱媒体の運動について考える。ここで、環状通路に供給される熱媒体の圧力とは、熱交換器を介して熱媒体を加熱するために熱媒体を熱交換器内に循環させることが可能な圧力を指す。また、このような熱媒体圧力下において金属細管内を熱媒体がほとんど流れないような金属細管は、その内径寸法を、金属細管内壁面と熱媒体との接触力が、熱媒体圧力により金属細管内熱媒体に作用する力と同等、またはそれ以上となるように設定することにより実現できる。
この場合、金属細管内の熱媒体の温度が沸点に達して蒸気泡が発生し、さらに触媒から熱媒体に熱が伝達されて蒸気泡が大きく成長すると、蒸気泡は金属細管内を金属細管の一端もしくは両端へ向かって成長・移動する。すると、蒸気泡は環状通路内の温度の低い熱媒体により冷却され収縮・消滅に至る。そして、この冷却された熱媒体が、再度触媒表面から金属細管を介して伝達される熱により暖められやがて沸点に達する。触媒燃焼継続中において、金属細管内の熱媒体は上述したような動き、すなわち、熱媒体沸騰→気泡成長→気泡収縮・消滅→熱媒体沸騰を繰返す。これにより、触媒温度は、熱媒体の沸点近傍の温度にほぼ安定して維持されることになる。また、金属細管内の熱媒体量はわずかであるので、触媒燃焼開始から短時間で熱媒体が沸騰する、言い換えると、触媒燃焼加熱装置作動開始後短時間で触媒温度を上昇させることが可能となる。
したがって、本発明の請求項5に記載の触媒燃焼加熱装置によれば、触媒温度の過度の上昇、つまり撥水材質の耐熱温度以上に上昇することを抑制して、撥水材質の撥水機能を安定して維持するとともに、触媒燃焼加熱装置作動開始後短時間で触媒温度を上昇させることが可能な触媒燃焼加熱装置を実現することができる。
本発明の請求項6に記載の触媒燃焼加熱装置は、通路内において混合ガスの流れ方向における触媒担体と熱交換器との中間に第2触媒を担持させた第2触媒担体を配置した構成とした。
この場合、第2触媒へ流入する混合ガス温度は、上流側の撥水機能付き触媒部における触媒燃焼発生熱により、撥水機能付き触媒部における混合ガス温度よりも高くなっている。このため、空気中の水分、燃料ガス中の水分および触媒燃焼の生成物である水分はただちに蒸発し、第2触媒表面に水滴が付着することはない。したがって、第2触媒は撥水機能を備える必要はない。
すなわち、撥水機能付き触媒は、第2触媒に流入する混合ガス温度を、第2触媒表面にへの水滴付着が生じないような温度以上に高める機能を果たしていることになる。
これにより、触媒燃焼加熱装置に用いられる撥水機能付き触媒の量を必要最小限度として、触媒燃焼加熱装置のコスト上昇を最小限に抑制することができる。
本発明の請求項7に記載の触媒燃焼加熱装置は、空気と燃料の混合ガスを形成する気体混合手段と、気体混合手段に空気を供給する空気供給手段と、気体混合手段に燃料を供給する燃料供給手段と、気体混合手段に接続され、気体混合手段で形成された混合ガスが供給される通路と、通路内に配置され熱媒体が供給されて該熱媒体と混合ガスとの間で熱交換を行う熱交換器とを備え、混合ガスを触媒により触媒燃焼させ、その発生熱により熱交換器を介して熱媒体を加熱する触媒燃焼加熱装置であって、熱交換器は、内部を熱媒体が流れる複数のチューブと、隣り合うチューブ間にチューブと熱伝導可能に配設されたフィンとを備え、チューブおよびフィンの少なくとも一方の表面に触媒が担持され、触媒は撥水機能を備える構成とした。
この場合、熱交換器が触媒担体としての機能を果たし且つ撥水機能を備える触媒が担持されている。すなわち、従来の触媒燃焼加熱装置において独立した2つの部品である触媒担体と熱交換器を一つの部品としている。
これにより、触媒燃焼加熱装置の体格を小さくできる、つまり混合ガス通路の長手方向寸法を短縮することができ、且つ触媒表面に水分が付着、滞留することを防止できるので、小型化を図りつつ触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼加熱装置を提供することができる。
また、熱交換器部において触媒燃焼が行われることにより、触媒燃焼の発生熱を高効率で熱媒体へ伝達できるので、触媒燃焼加熱装置の熱効率を向上することができる。
この場合、本発明の請求項8に記載の触媒燃焼加熱装置のように、触媒に撥水性物質を付着させることにより触媒が備える撥水機能を形成すれば、安価且つ容易に撥水機能を有する触媒を形成することができる。
本発明の請求項9に記載の触媒燃焼加熱装置は、燃料は水素ガスである構成とした。
これにより、たとえば、水素を燃料とする燃料電池システムの燃料電池スタック予熱装置等に適用した場合でも、触媒燃焼開始後、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能となる。
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態による触媒燃焼加熱装置を、水素を燃料とする燃料電池車両に搭載され当該車両の車室内暖房に用いられる触媒燃焼ヒータ1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1を含む暖房システム100の全体構成を説明する模式図である。
図2は、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の部分断面図である。
図3は、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の断面図であり、図2のIII−III線断面図である。
図4は、図2中のVI部拡大図である。
図5は、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の第1触媒部5におけるアルミニウム管51内のクーラントの状態を説明する模式図である。図5(a)は、クーラント温度が99℃以下の時、図5(b)は、クーラント温度が100℃〜119℃の時、図5(c)は、クーラント温度が120℃付近の時をそれぞれ示している。
暖房システム100は、図1に示すように、触媒燃焼ヒータ1、触媒燃焼ヒータ1により加熱された熱媒体である水の熱を空気と熱交換させ車室内暖房に利用するための装置であるヒータコア101、熱媒体である水を加圧して触媒燃焼ヒータ1、ヒータコア101間において循環させるためのポンプ102等から構成されている。
触媒燃焼ヒータ1は、当該車両の動力源としての燃料電池と共通の燃料、すなわち水素を用いて、それを触媒燃焼させることにより熱媒体である水の温度を高めるものである。
以下に、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の構成について説明する。
触媒燃焼ヒータ1は、図2に示すように、容器であるケーシング8内に、燃料である水素ガスと空気の混合ガスが供給される通路81が形成され、この通路81内に上流側から順番に、空気供給手段である送風機2、燃料供給手段である水素供給装置3からの水素ガスを通路81へ導入する水素導入部32、空気と水素ガスを混合させて両者の混合ガスを形成する気体混合手段である気体混合器4、第1触媒部5、第2触媒部6、熱交換器7が配置されている。
容器であるケーシング2は、耐熱性金属、たとえばステンレス鋼板等から形成され、図2に示すように、燃料である水素ガスと空気の混合ガスが供給される通路81が形成されている。
通路81の上流側端部(図2において、左端部)には、空気供給手段である送風機2が配置されている。送風機2は、電動機により駆動されるもので、フィルタ(図示せず)を介して吸引した空気を通路81内へ供給している。送風機2の下流側(図2の右側)には、後述する気体混合器4に、燃料である水素ガスを供給する水素導入部32が配置されている。
気体混合器4に燃料を供給する燃料供給手段は、外部から供給された水素ガスの圧力を所定値に調整して気体混合器4に供給する水素ガス流量を所望の値に制御する水素供給装置3と、気体混合器4の上流側に配置されて気体混合器4内に均一に水素ガスを導入する水素導入部32と、水素ガス供給装置3から水素導入部32へ水素を供給する水素通路31とから構成されている。
水素導入部32は、燃料供給手段である水素供給装置3から水素通路31を経て供給される水素ガスを通路81内に、通路81の外周方向において均一に導入している。水素導入部32の下流側(図2の右側)には、気体混合手段である気体混合器4が配置されている。
気体混合器4は、たとえばパイプ状通路(図示せず)内に螺旋状固定翼(図示せず)が配置される構成のいわゆるスタティックミキサ等から構成され、気体混合器4内を空気および水素ガスが通過(図2において左から右へ)すると、上述の螺旋状固定翼により空気と水素ガスの混合ガスが形成される。この混合ガスにおける水素濃度は、この混合ガス流れに直交する方向の通路81の断面内においてほぼ均一となっている。気体混合器4の下流側(図2の右側)には、第1触媒部5が配置されている。
第1触媒部5は、その下流に配置された第2触媒部6とともに混合ガスを触媒燃焼させるものであり、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の発熱部を形成している。第1触媒部5は、触媒触媒担体であり複数の金属細管であるアルミニウム管51、複数のアルミニウム管51の外側且つ通路8の外周部を形成するように環状通路であるウォータギャラリ52から形成されている。複数のアルミニウム管51は、互いに平行且つ混合ガス流れ方向に直交するように、すなわち、図2において紙面に直行する方向に配置されている。そして、各アルミニウム管51は、図3に示すように、その両端がウォータギャラリ52に開口している。つまり、各アルミニウム管51は、その両端がウォータギャラリ52に気密的に接続されている。また、各アルミニウム管51の外表面には、図4に示すように、触媒であるPt(白金)53が担持されている。さらに、Pt53の表面には、図4に示すように、撥水性物質であり有機系高分子材料であるPTFE(ポリ・テトラ・フロロ・エチレン)がコーティングにより付着されている。また、ウォータギャラリ52はアルミニウム板を成型加工して形成されている。また、ウォータギャラリ52には、後述するクーラントをウォータギャラリ52へ導入するためのクーラント導入管55およびクーラントを流出させるためのクーラント戻り管56が設けられている。クーラント導入管55およびクーラント戻り管56は、図1に示すように、暖房システム100のポンプ102の吐出側および吸入側にそれぞれ接続されている。これにより、ポンプ102により加圧され吐出されたクーラントの一部がクーラント導入管55を介して第1触媒部5のウォータギャラリ52へ供給され、ウォータギャラリ52および各アルミニウム管51を通過したクーラントがクーラント戻り管56を経てポンプ102に吸い込まれる。また、アルミニウム管51およびウォータギャラリ52の内部には、熱媒体であるクーラントが充填されている。クーラントとしては、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、エチレングリコールの水溶液が用いられている。
ところで、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1において、アルミニウム管51の内径dは、次のような仕様に設定されている。
すなわち、アルミニウム管51内にクーラントが充満しているときに、ポンプ102によりウォータギャラリ52に導入されたクーラントの圧力が作用してもアルミニウム管51内をクーラントが流れない、言い換えると、アルミニウム管51内のクーラントに作用するウォータギャラリ52内のクーラントの圧力、詳しくは、アルミニウム管51の両端部に作用する圧力の差圧が、アルミニウム管51内壁面とクーラントとの付着力と同等あるいはやや小さい大きさとなるように設定されている。したがって、触媒燃焼ヒータ1の始動後しばらくは、ウォータギャラリ52内をクーラントが循環しても、アルミニウム管51内のクーラントは移動しない。なお、このような直径寸法dは、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、約1mmとなっている。
第2触媒部6は、図2に示すように、第1触媒部5の直ぐ下流側に配置されている。第2触媒部6は、セラミックス、たとえばアルミナ、コージェライト等からなるハニカム状担体に触媒、たとえばPt(白金)を担持させて形成されている。すなわち、第2触媒部6は、一般的なモノリス触媒として構成されている。
第2触媒部6の下流側(図2の右側)には、触媒燃焼により高温になった混合ガスと熱媒体であるクーラントとの間で熱交換を行うための熱交換器7が配置されている。熱交換器7は、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、通路81内において混合ガス流に直交するように配置された複数のチューブ71と隣り合うチューブ71間に両チューブ71に熱伝導可能に接して配置されたフィン72を備えている。チューブ71およびフィン72は、高温の混合ガスに曝され、且つチューブ71内をクーラントが流れるので、耐熱性、耐腐食性に優れる材質から形成されることが望ましく、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、ステンレス鋼板から形成されている。また、熱交換器7には、図1に示すように、熱交換器7にから暖房システム100のヒータコア101へ高温になったクーラントを供給するヒータ送出管73およびヒータコア101を経てポンプ102で加圧されたクーラントを導入するヒータ戻り管74が設けられている。ヒータ戻り管74から各チューブ71の一端側に流入したクーラントは、チューブ71内を通過する間にチューブ71外側を流れる混合ガスと熱交換して温度が高められ、各チューブ71の他端側から流出しヒータ送出管73を経てヒータコア101に送られる。
次に、以上説明した本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の特徴である、第1触媒部5の構成による作用・効果について、触媒燃焼ヒータ1の作動状態に対応して説明する。
(1)触媒燃焼ヒータ1の作動開始直後。
触媒燃焼ヒータ1の作動開始直後においては、第1触媒部5各部の温度およびクーラント温度は低いレベル、つまり外気温度レベルとなっている。このため、空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分が、水蒸気あるいは水滴となって第1触媒部5の触媒であるPt53表面、つまり撥水性物質であるPTFE54に付着する。ここで、PTFE54は、撥水性を有しているので、付着した水蒸気あるいは水滴は、直ちにPTFE54表面から離脱して、混合ガス、触媒燃焼排ガスの流れに運ばれつつ、触媒燃焼排ガスの熱により蒸発する。したがって、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分が、触媒に付着しない。
これにより、従来の触媒燃焼加熱装置における問題、すなわち、触媒表面への空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分付着により、触媒と混合ガスとの接触が阻害され触媒機能が低下、つまり触媒燃焼の発熱量が減少することを防止できる。したがって、触媒燃焼による発生熱が高効率で触媒温度上昇に寄与するので、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼ヒータ1を実現することができる。
また、触媒燃焼による発生熱は、アルミニウム管51を介してアルミニウム管内のクーラントへも伝達され、クーラントの温度上昇にも寄与する。ところで、アルミニウム管51のクーラントは、先に説明したように、アルミニウム管51内に滞留しており、且つアルミニウム管51の内径dは、約1mmと小さい。すなわち、アルミニウム管51内のクーラントは循環せず、その量も極わずかである。したがって、Pt53からアルミニウム管51を介してクーラントへの熱伝達量は小さく、触媒燃焼による発生熱の大部分が触媒温度上昇に貢献している。
さらに、触媒燃焼ヒータ1の作動開始直後において、アルミニウム管51内のクーラントにおいては、図5(a)に示すように、気泡の発生は無く、その温度は99℃以下である。このときの、Pt53温度、すなわちPTFE54温度は99℃以下である。
なお、第2触媒部6へ流入する混合ガス温度は第1触媒部5における触媒燃焼により十分高められているので、第2触媒部6の温度も短時間で活性温度以上に上昇する。したがって、第2触媒部6にはPTFE54コーティングが施されていないが、第2触媒部6においては、触媒表面への空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分付着が発生しない。
(2)触媒燃焼ヒータ1作動開始後、さらに時間が経過した場合(その1)。
触媒燃焼ヒータ1の作動開始後所定時間が経過すると、時間の経過に連れて、アルミニウム管51内のクーラント温度も上昇し続け、やがてクーラント温度が100℃を越えると沸騰を開始し、アルミニウム管51内のクーラントからは、図5に示すように、小さな気泡Bが多数発生し始める。このときの、Pt53温度、すなわちPTFE54温度は約120℃である。
(3)触媒燃焼ヒータ1作動開始後、さらに時間が経過した場合(その2)。
さらに、触媒燃焼ヒータ1の作動時間が経過すると、アルミニウム管51内のクーラントにおいては気泡Bが活発に発生するととともに、気泡Bどうしがくっついてより大きな気泡Bが形成される。そして、クーラント温度が120℃に達すると、クーラント内の気泡Bは、図5(c)に示すように、アルミニウム管51内径いっぱいの大きさになり、その浮力の作用によりアルミニウム管51内をウォータギャラリ52に向かって移動する。このときの、Pt53温度、すなわちPTFE54温度は約140℃である。
(4)触媒燃焼ヒータ1作動開始後、さらに時間が経過した場合(その3)。
アルミニウム管51内径いっぱいの大きさに成長した気泡Bは、やがてウォータギャラリ52内に飛び出す。すると、この気泡に替わってウォータギャラリ52からクーラントがアルミニウム管51内に流入する。
ところで、ウォータギャラリ52へは、図1に示すように、暖房システム100においてヒータコア101で放熱し温度の低下したクーラントが供給されている。
したがって、ウォータギャラリ52内におけるクーラントの温度は、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の場合、約80℃である。このため、気泡Bに替わってウォータギャラリ52からクーラントがアルミニウム管51内に流入すると、アルミニウム管51内のクーラント温度は、約80℃まで低下する。すると、Pt53温度、すなわちPTFE54温度も約100℃まで低下する。
さらに、触媒燃焼ヒータ1の作動時間が経過すると、それに連れてアルミニウム管51内のクーラント温度も再び上昇し、アルミニウム管51内のクーラントは、上述の(2)→(3)→(4)→(2)・・・を順次繰返す。
以上をまとめると、触媒燃焼ヒータ1の作動中において、アルミニウム管51内のクーラントの温度は80℃〜120℃の範囲に維持され、それに対応して、Pt53温度、すなわちPTFE54温度は、100℃〜約140℃の範囲に維持されている。言い換えると、PTFE54温度は、クーラントの沸点より幾らか高い温度範囲に維持されている。
これにより、PTFE54温度を、PTFE54の耐熱温度200℃を越えない温度に確実に制御することができる。
以上説明した、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、触媒であるPt53に撥水性物質であるPTFE54をコーティングにより付着させ、且つPt53を担持する触媒担体を金属細管であるアルミニウム管51から形成しその内部に熱媒体であるクーラントが供給される構成とした。
これにより、従来の触媒燃焼加熱装置における問題、すなわち、触媒表面への空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分付着により、触媒と混合ガスとの接触が阻害され触媒機能が低下、つまり触媒燃焼の発熱量が減少することを防止できる。したがって、触媒燃焼による発生熱が高効率で触媒温度上昇に寄与するので、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼ヒータ1を実現することができる。
また、アルミニウム管51の内径を、アルミニウム管51内にクーラントが充満している時にポンプ102によりウォータギャラリ52に導入されたクーラントの圧力が作用してもアルミニウム管51内をクーラントが流れないように、言い換えると、アルミニウム管51内のクーラントに作用するウォータギャラリ52内のクーラントの圧力、詳しくは、アルミニウム管51の両端部に作用する圧力の差圧が、アルミニウム管51内壁面とクーラントとの付着力と同等あるいはやや小さい大きさとなるように設定した。
これにより、アルミニウム管51内のクーラント温度がクーラントの沸点を越えたときのみにアルミニウム管51内にクーラントが流入する、すなわちアルミニウム管51内へのクーラント流入が間歇的に行われるので、PTFE54温度を、クーラントの沸点より幾らか高い温度範囲、つまりに100℃〜約140℃の範囲に維持することができる。したがって、PTFE54温度を、PTFE54の耐熱温度200℃を越えない温度に確実に制御することができる。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、通路81内において、混合ガスの流れ方向における第1触媒部5と熱交換器7との中間に第2触媒部6を配置した。
この場合、第2触媒部6へ流入する混合ガス温度は、その上流側の第1触媒部5における触媒燃焼発生熱により、第1触媒部5における混合ガス温度よりも高くなっている。このため、空気中の水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分はただちに蒸発し、第2触媒表面に水蒸気や水滴が付着することはないので、第2触媒部6は撥水機能を備える必要がない。
これにより、触媒燃焼ヒータ1に用いられる撥水性材質、つまりPTFE54の使用量を必要最小限度にできるので、触媒燃焼ヒータ1のコスト上昇を最小限に抑制することができる。
なお、以上説明した、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、第2触媒部6を設けているが、第2触媒部6は必ずしも必要ではなく、廃止してもよい。
(第2実施形態)
図6には、本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1の部分断面図を示す。
本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1に対して、第1触媒部の構成を変更し、且つ第2触媒部6を廃止している。
すなわち、本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、図6に示すように、触媒部を触媒部9のみとするとともに、触媒担体91を、撥水性物質であるαアルミナからハニカム状に形成し、触媒としてPt(白金)を担持させている。
ところで、物質が有する撥水機能は、一般には、その表面が無極性であって、それにより、マイナス極性を有する水分子が付着し難くなることである。
ここで、触媒担体として一般的な材質である、コージェライト、γアルミナ等は極性を有しているため、極性を有する水蒸気は担体表面に付着し結果、触媒表面にも付着する。
本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1において、触媒部9の触媒担体91を形成するαアルミナはOH基が殆どないため無極性であり、また触媒であるPt(白金)も無極性である。したがって、触媒であるPt(白金)は無極性となり、水蒸気がほとんど付着しない。
これにより、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の場合と同様に、触媒表面への空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分付着により、触媒と混合ガスとの接触が阻害され触媒機能が低下、つまり触媒燃焼の発熱量が減少することを防止できる。したがって、触媒燃焼による発生熱が高効率で触媒温度上昇に寄与するので、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼ヒータ1を実現することができる。
なお、以上説明した、本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1において、触媒部9のPt表面に、さらに撥水性物質であるPTFEをコーティング等により付着させてもよい。この場合は、水蒸気のみならず水滴の付着も確実に防止できる。
また、以上説明した、本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1において、触媒担体91の材質としてαアルミナを採用しているが、αアルミナに限る必要は無く、他の種類の撥水性物質、たとえばチタニア(TiO、二酸化チタン)等を用いてもよい。
また、以上説明した、本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1において、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の場合と同様に、通路81内において、混合ガスの流れ方向における触媒部9と熱交換器7との中間に第2触媒部6を配置してもよい。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態による触媒燃焼ヒータ1の部分断面図である。
本発明の第3実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1に対して、第1触媒部5および第2触媒部6を廃止して、熱交換器7のチューブ71およびフィン72の表面に触媒であるPt(白金)を担持させ、且つPt(白金)の表面に、撥水性物質であるPTFEをコーティング等により付着させている。
これにより、本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の場合と同様に、触媒表面への空気中に含まれる水分、燃料ガス中に含まれる水分や触媒燃焼の排ガス中の水分付着を防止して、触媒温度を短時間で活性温度以上に上昇させることが可能な触媒燃焼ヒータ1を実現することができる。
また、触媒燃焼ヒータ1の通路81の全長、すなわち混合ガスの流れ方向の長さを短縮して、触媒燃焼ヒータ1の体格を小さくすることができる。
さらに、熱交換器7に触媒担体機能を兼ねさせることで、部品点数を低減して触媒燃焼ヒータ1の低コスト化を実現することができる。
以上説明した、本発明の第3実施形態による触媒燃焼ヒータ1において、フィン4の構成は、本発明の第1、第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1と同様であるので、酸化触媒41が担持されるフィン4をバイメタル構造とするという容易な手段の採用により、触媒燃焼ヒータ1起動後、短時間で酸化触媒41温度を活性温度以上に上昇させ、且つ酸化触媒41温度を活性温度範囲内に維持することができる。
なお、以上説明した、本発明の第1〜第3実施形態による触媒燃焼ヒータ1においては、燃料として水素ガスを使用しているが、水素ガスに限定する必要はなく、他の種類の気体燃料を用いてもよい。
本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1を含む暖房システム100の全体構成を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の部分断面図である。 本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の断面図であり、図2のIII−III線断面図である。 図2中のVI部拡大図である。 本発明の第1実施形態による触媒燃焼ヒータ1の第1触媒部5におけるアルミニウム管51内のクーラントの状態を説明する模式図である。(a)は、クーラント温度が99℃以下の時、(b)は、クーラント温度が100℃〜119℃の時、(c)は、クーラント温度が120℃付近の時をそれぞれ示している。 本発明の第2実施形態による触媒燃焼ヒータ1の部分断面図である。 本発明の第3実施形態による触媒燃焼ヒータ1の部分断面図である。
符号の説明
1 触媒燃焼ヒータ(触媒燃焼加熱装置)
2 送風機(空気供給手段)
3 水素供給装置(燃料供給手段)
31 水素通路(燃料供給手段)
32 水素導入部(燃料供給手段)
4 気体混合器(気体混合手段)
5 第1触媒部(触媒)
51 アルミニウム管(触媒担体、金属細管)
52 ウォータギャラリ(環状通路)
53 Pt(触媒)
54 PTFE(撥水性物質)
55 クーラント導入管
56 クーラント戻り管
6 第2触媒
7 熱交換器
71 チューブ
72 フィン
73 ヒータ送出管
74 ヒータ戻り管
8 ケーシング
81 通路
9 触媒部
91 触媒担体
100 暖房システム
101 ヒータコア
102 ポンプ
B 気泡

Claims (9)

  1. 空気と燃料の混合ガスを形成する気体混合手段と、
    前記気体混合手段に空気を供給する空気供給手段と、
    前記気体混合手段に前記燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記気体混合手段に接続され、前記気体混合手段で形成された前記混合ガスが供給される通路と、
    前記通路内に配置される触媒担体に担持された触媒と、
    前記通路内において前記混合ガスの流れ方向における前記触媒担体の下流側に配置され熱媒体が供給されて該熱媒体と前記混合ガスとの間で熱交換を行う熱交換器とを備え、
    前記混合ガスを前記触媒により触媒燃焼させ、その発生熱により前記熱交換器を介して前記熱媒体を加熱する触媒燃焼加熱装置であって、
    前記触媒は撥水機能を備えることを特徴とする触媒燃焼加熱装置。
  2. 前記触媒が備える前記撥水機能は前記触媒に撥水性物質を付着させることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の触媒燃焼加熱装置。
  3. 前記触媒が備える前記撥水機能は前記触媒担体を撥水性物質から形成することにより具備されることを特徴とする請求項1に記載の触媒燃焼加熱装置。
  4. 前記触媒に撥水性物質を付着させたことを特徴とする請求項3に記載の触媒燃焼加熱装置。
  5. 前記触媒担体は、互いに平行且つ前記混合ガスの流れ方向と略直交するように配置された複数の金属細管から形成され、前記金属細管の両端は環状通路に開口し、前記環状通路および前記金属細管内には前記熱媒体が供給されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載に触媒燃焼加熱装置。
  6. 前記通路内において前記混合ガスの流れ方向における前記触媒担体と前記熱交換器との中間に第2触媒を担持させた第2触媒担体を配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の触媒燃焼加熱装置。
  7. 空気と燃料の混合ガスを形成する気体混合手段と、
    前記気体混合手段に空気を供給する空気供給手段と、
    前記気体混合手段に前記燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記気体混合手段に接続され、前記気体混合手段で形成された前記混合ガスが供給される通路と、
    前記通路内に配置され熱媒体が供給されて該熱媒体と前記混合ガスとの間で熱交換を行う熱交換器とを備え、
    前記混合ガスを前記触媒により触媒燃焼させ、その発生熱により前記熱交換器を介して前記熱媒体を加熱する触媒燃焼加熱装置であって、
    前記熱交換器は、内部を熱媒体が流れる複数のチューブと、隣り合う前記チューブ間に前記チューブと熱伝導可能に配設されたフィンとを備え、
    前記チューブおよび前記フィンの少なくとも一方の表面に触媒が担持され、前記触媒は撥水機能を備えることを特徴とする触媒燃焼加熱装置。
  8. 前記触媒が備える前記撥水機能は前記触媒に撥水性物質を付着させることにより形成されることを特徴とする請求項7に記載の触媒燃焼加熱装置。
  9. 前記燃料は水素ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載の触媒燃焼加熱装置。
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