JP2005220671A - 段差を有するコンクリート床の構築方法及びその構造並びにその構築方法に用いられる段差を有するコンクリート板 - Google Patents

段差を有するコンクリート床の構築方法及びその構造並びにその構築方法に用いられる段差を有するコンクリート板 Download PDF

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Abstract

【課題】現場での型枠や支保工の設置をなくして作業効率が高められ、また下水管等の配管やダクトの設置作業を同時進行させて工期の短縮が図れ、軽量でしかも構造が簡単で接合強度が比較的大きくなった段差を有するコンクリート床の構築方法及びその構造並びにその構築方法に用いられるコンクリート板を提供する。
【解決手段】上段のコンクリート床の基礎となる上段用プレキャストコンクリート板1と下段のコンクリート床の基礎となる下段用プレキャストコンクリート板2とを重ね合わせ、その重ね合わせ部分5に垂直方向に穿設するスリット6を形成し、スリット6に補強材10と接合材11を挿入して上段用プレキャストコンクリート板1と下段用プレキャストコンクリート板2を接合し、接合されたプレキャストコンクリート板1,2上面にコンクリート15を打設した。
【選択図】図6

Description

この発明は、集合住宅のバスルームやトイレ等の水周り部分に設けられた段差を有するコンクリート床の構築方法及びその構造並びにその構築方法に用いられる段差を有するコンクリート板に関する。
マンション等の集合住宅には、快適な生活をするためにバスルームやトイレ等が備えられている。集合住宅のバスルームやトイレ等の水周り部分には、浴槽やトイレ設備等を備える関係上、段差を有するコンクリート床になっている。
このような段差のあるコンクリート床は、従来現場においてプレキャストコンクリート板の一種である長さ方向(接合方向)に複数条の中空穴と埋設鋼線(プレストレス鋼線)を有するプレストレスコンクリート板、通称「中空PC板」を2枚突き合わせ、その突き合わせ部分に型枠を取り付け、あるいは支保工で受けた状態で突き合わせたプレストレスコンクリート板上に鉄筋が配筋され、コンクリートが打設されて段差を有するコンクリート床が構築されている(特許文献1,2)。
また、予め工場等で2枚の中空PC板を接合補強用の接合補強体で接合し、接合された段差付きPC板を現場に運搬し、そのPC板上に鉄筋が配筋され、コンクリートが打設されて段差を有するコンクリート床が構築されたもの等が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、前2者の段差を有するコンクリート床の場合は、型枠や支保工(支持部材)を設置するので、型枠や支保工を組立る手間や関連する作業、あるいは2枚の中空PC板を接合する接合用コンクリートを安定させる養生時間が必要となり、そのために多くの時間を費やすることになる。
また、コンクリート養生後には、設置した型枠や支保工を取り除くことになるが、その際に新たに産業廃棄物を発生させてしまう問題がある。
さらに、型枠や支保工が設置されていると、床下に設ける下水管等の配管やダクトを設置する作業が不可能となり、これらの作業の同時進行することができない。
後者の場合には、2枚のPC板の接合部分を比較的厚い接合補強体で固く接合しているが、接合部分の重量が大きく増大し、接合PC板の中央部の機械的強度が低下してそれほど強固な接合になることは期待できず、施工の際には、その接合部分を型枠や支保工で保護する必要が生じてくる。そのために、前者と同様に下水管等の配管やダクトの設置作業の同時進行が難しくなって、作業時間の削減や工期の短縮が望めない。それに、接合補強体で接合したPC板は、かなり厚くかつ重量があるため、運搬や設置の際に支障を来す恐れがある。
また、従来のいずれの場合も、2枚のPC板を接合方向に一定間隔を置いて又は単に突き合せて敷設し、2枚のPC板を繋ぐためにその間に新たなコンクリート接合部を架設し接合しなければならず、構造的にも接合強度が大きくなり難い。そこで、段差付きPC板の接合強度を一定の強度に保持する理由から、接合部には比較的多くの鉄筋が用いられ、鉄筋の配筋も複雑になっている。
特開2002−349006(P2002−349006A)号公報 特開平10−245922号公報 特開平10−317564号公報
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、現場での型枠や支保工の設置をなくして作業効率が高められ、また下水管等の配管やダクトの設置作業を同時進行させて工期の短縮が図れ、軽量でしかも構造が簡単で接合強度が比較的大きい段差を有するコンクリート床の構築方法及びその構造並びにその構築方法に用いられるコンクリート板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板の相互に対応する端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分に前記上段用コンクリート板の上面から下段用コンクリート板の途中に至るまで貫通する穿設部を形成し、該穿設部に接合補強用の補強材と接合用の接合材を挿入して前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板を接合し、該接合された上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の上面にコンクリートを打設することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板は、プレキャストコンクリート板からなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、前記プレキャストコンクリート板は、接合方向に沿って穿設された軽量化するための複数条の中空穴と補強するための埋設された補強鋼線を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、前記穿設部は、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の重ね合わせ部分に接合方向に対して直角方向に沿って等間隔に穿設されたスリットからなり、該各スリットに挿入される補強材が、前記スリット内に挿入された折曲鋼材と該折曲鋼材を上段用コンクリート板上で支持した接合方向に対して直角方向に配設された棒状鋼材からなり、前記接合材がモルタルからなることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1,2又は3記載の段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、前記穿設部は、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の重ね合わせ部分に接合方向に対して直角方向に沿って等間隔に穿設された穿設孔からなり、該各穿設孔に挿入される補強材が、ねじ部が上下端に設けられたボルトと該ボルトの各ねじ部に取り付けられたワッシャ及び締付用ナットからなり、前記接合材が、モルタルからなることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項3又は4記載の段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、前記スリットは、プレキャストコンクリート板の中空穴を有する部分にそれぞれ形成し、該各スリット内側の部分に前記該中空穴を封鎖する状態にモルタル流失防止材を設けたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項3又は5記載の段差を有するコンクリート床の構築方法に係り、前記穿設孔は、プレキャストコンクリート板の中空穴を有する部分にそれぞれ形成し、各穿設孔内側の部分に前記該中空穴を封鎖する状態にモルタル流失防止材を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、段差を有するコンクリート床の構造に係り、上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と、下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板と、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の相互に対向する端部が重なる重ね合わせ部分と、該重ね合わせ部分に穿設された前記上段用コンクリート板の上面から下段用コンクリート板の途中に至るまで貫通する穿設部と、該穿設部に挿入されて前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合される接合補強用の補強材及び接合用の接合材と、該接合された上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の上面に打設されたコンクリートとを備えたことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、段差を有するコンクリート床の構築方法に用いられる段差を有するコンクリート板に係り、上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板の重ね合わせ部分に、前記上段用コンクリート板の上面から下段用コンクリート板の途中に至るまで貫通する穿設部が形成されて、該穿設部に接合補強用の補強材と接合用の接合材が挿入されて前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合されてなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の重ね合わせ部に穿設部を形成し、その穿設部に設けた接合補強用の補強材と接合用の接合材により上段用コンクリート板と下段用コンクリート板を接合している。
つまり、重ね合わせ部の穿設部に挿入された補強材と接合材により、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が、接合されているので、型枠や支保工を設置しないで上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合可能となって、段差を有するコンクリート板が予め工場等で比較的簡単に生産可能となる。
また、工事現場で型枠や支保工を施さないので、新たな産業廃棄物を生じさせることがない。しかも、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板を接合する新たなコンクリート接合部を造るコンクリートの打設を行う必要がないので、養生時間が殆ど必要なくなって作業時間が削減され、工期の短縮が図れる。
さらに、請求項1の発明によれば、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が重なり合った所を単に繋ぎ止める程度の簡単な接合であるから、作業効率が高められ、また重なり合った所を補強材と接合材を用いて接合するので、一定の接合強度が得られる共に十分な接合強度が確保され、軽量でしかも簡単な構造で強靱な接合構造となる。
請求項2の発明によれば、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板は、プレキャストコンクリート板からなる。即ち、整備された工場で製造されたコンクリート製品であるから、段差を有するコンクリート板が、比較的簡単に安価で量産的に製造される。
請求項3の発明によれば、プレキャストコンクリート板が、複数条の中空穴と補強鋼線を有するので、コンクリート板の軽量化が図れ、また引張力に対する耐力及び保持力が増して強靱性に優れたものとなる。
請求項4の発明によれば、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板は、重ね合わせ部分に穿設されたスリットに挿入する補強材(折曲鋼材と棒状鋼材からなる)と接合材(モルタル)によって接合されるので、簡単に時間をかけずに接合される。また、スリットに挿入された折曲鋼材とそれを支持する棒状鋼材からなる接合補強用の補強材で上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合補強され、加えて折曲鋼材からなる補強材とモルタルからなる接合材との大きな接触面積が得られることが相俟って接合が確実になり、接合強度が大きくなる。
請求項5の発明によれば、穿設孔に挿入される接合補強用の補強材が、ワッシャ及び締付用ナットが取付けられたボルトで構成されているので、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の重なり合わせ部分を強く挟持して簡単に強固に接合される。つまり、ボルトの両端に取付られた締付用ナットの締付により上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の接合が確実に固く締付固定されるので、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板とが確実に固定され、コンクリート板の接合が強靱な接合強度となる。
また、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の接合が、少ない簡単な部品(ワッシャを有するボルトナット)で接合するので、簡単な接合構造になって、工期の短縮と工事費用の低減になる。
請求項6の発明によれば、スリット内側の部分に中空穴を封鎖するモルタル流失防止材が設けられているので、接合用のモルタルをスリットに充填する際に、プレキャストコンクリート板(PC板)の中空穴の奥の部分への流れ込みがなくなって、モルタルの無駄がなくなる。
請求項7の発明によれば、穿設孔内側の部分に中空穴を封鎖するにモルタル流失防止材が設けられているので、接合用のモルタルを穿設孔に充填する際に、同様にプレキャストコンクリート板(PC板)の中空穴の奥の部分への流れ込みがなくなって、モルタルの無駄がなくなる。
請求項8の発明によれば、上段用コンクリート板と、下段用コンクリート板との重ね合せ部分に穿設された穿設部内に接合補強用の補強材と接合用の接合材が挿入されて上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合された構造になっている。
即ち、重ね合わせ部分に形成された穿設部に補強材と接合材を単に挿入するだけで、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合される。したがって、現場での型枠や支保工がなく、予め工場等で上段用コンクリート板と下段用コンクリート板との接合が可能となって、作業能率が向上すると共に、下水管等の配管やダクト等の設置作業が接合作業と同時進行が可能となって、工期の短縮化が図れる。
請求項9の発明によれば、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板との重ね合せ部分に穿設部が穿設され、その穿設部に接合補強用の補強材を埋設すると共に接合用の接合材を充填させることによって、上段用コンクリート板と下段用コンクリート板とが簡単に接合されるので、段差を有するコンクリート板が工場等で製造でき、大量生産可能となる。また、段差を有するコンクリート板が工場等で製造できることから、現場での型枠や支保工の設置が不要で、接合した上段用コンクリート板と下段用コンクリート板上に鉄筋を配設し、単にコンクリートを打設することによって、段差を有するコンクリート床が簡単に構築される。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。発明は、実施例を用いて具体的に行う。
図1乃至図10は、この発明の第1実施例である段差を有するコンクリート床の構築方法を順を追って示し、図1は上段用プレキャストコンクリート板(上段用コンクリート板)の斜視図、図2は下段用プレキャストコンクリート板(下段用コンクリート板)の斜視図、図3は上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板を重ね合せた状態の断面図、図4はその平面図、図5は上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板が接合した要部の平面図、図6は図5のX−X視拡大断面図、図7は図5のY−Y視拡大断面図、図8は上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板が接合した他の構造の断面図、図9は鉄筋を配筋した状態の平面図、図10は構築した段差を有するコンクリート床の断面図である。
この発明は、まず図1に示すような、一方の上段のコンクリート床の基礎となるプレキャストコンクリート板(予め工場で製造されたコンクリート板)1を用意する。このプレキャストコンクリート板1は、長さ方向(接合方向)に形成された複数条の中空穴3と埋設された複数本の補強鋼線(プレストレスPC鋼線)4を有するプレキャストコンクリート板(PC板)からなる。
また、図2に示すような、他方の下段のコンクリート床の基礎となるプレキャストコンクリート板2を用意する。他方のコンクリート板の基礎となるプレキャストコンクリート板2は、プレキャストコンクリート板1と同様に長さ方向(接合方向)に形成された複数条の中空穴3と埋設された複数本の補強鋼線(プレストレスPC鋼線)4を有するプレキャストコンクリート板(PC板)である。
プレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2は、図3及び図4に示すように、その後相互に対応する端部が重なるように重ねられるが、その重ね合わせ部5にスリット6をそれぞれ接合方向Aに対して直角方向Bに沿って等間隔に中空穴3を有する部分に穿設する。即ち、各スリット6を、垂直方向に中空穴3に沿って形成する。プレキャストコンクリート板1には、上面から下面に至るまでのスリット6aを穿設し、プレキャストコンクリート板2には、上面から中空穴3に至るまでのスリット6bをそれぞれ中空穴3に沿って穿設する。
プレキャストコンクリート板1に穿設するスリット6aの溝幅は、例えば40mmにし、プレキャストコンクリート板2に穿設するスリット6bの溝幅を、例えば30mmにする。下段のスリット6bの溝幅よりも、上段のスリット6aの溝幅を大きくしたのは、接合用の接合材(モルタル11)が下段のスリット6bに侵入し易くするためである。
次に、図3及び図4に示すように、プレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2の相互に対応する端部が重なるように重ね合わせる。この際、重ね合わせるプレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2との縦方向の間隔を、50mm程度にする。この間隔を設けるのは、重ね合わされたプレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2の間に、接合材(モルタル11)を侵入させて接合強度を大きくするためである。
その次に、図5乃至図7に示すように、プレキャストコンクリート板1及びプレキャストコンクリート板2の各スリット6が形成されている内側の部分に、中空穴3を封鎖するように接合用のモルタル(接合材)11の流失を防止するモルタル流失防止材7を設ける。このモルタル流失防止材7は、プレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2を重ねる前の独立している状態の時に設ける方がよい。
その後に、重ね合わせ部分5に形成されたスリット6の内部に、プレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2を接合するための接合補強用の補強材10を挿入し、さらに接合用のモルタル11を充填する。この操作によって、プレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2が接合され、接合用のモルタル11中の埋設補強材10によって接合強度が増大できる。
補強材10は、鉄筋を折曲させて垂直方向に平面になった略コ字状の折曲鋼材8aとその内側に溶接等で設けた逆方向コ字状の折曲鋼材8bとからなる折曲鋼材8と、その折曲鋼材8を支持する接合方向Aに対して直角方向Bに配設された棒状鋼材9で構成されている。補強材10の折曲鋼材8が各スリット6内に挿入されて、その折曲鋼材8は棒状鋼材9で支持される。棒状鋼材9による支持は、折曲鋼材8aの一方の先端部を延設させて折曲された脚部8cを引っ掛けて、折曲鋼材8をプレキャストコンクリート板1上から支持することによって行われる。
そして、棒状鋼材9で支持された折曲鋼材8が挿入された各スリット6内にモルタル11が充填されて、折曲鋼材8と棒状鋼材9からなる補強材10と充填されたモルタル(接合材)11によりプレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2が強固に一体的に接合される。
補強材10は、図5乃至図7に示すような折曲鋼材8a,8bと棒状鋼材9からなるもの以外に、図8に示すような鉄筋を折曲させて矩形状にした折曲鋼材12とその折曲鋼材12を支持する接合方向Aに対して直角方向Bに配設された棒状鋼材13で構成するようにしてもよく、棒状鋼材13で支持された折曲鋼材12を各スリット6内に挿入してモルタル11を充填することにより、前記の場合と略同様の接合強度が得られる。
その後に、図9及び図10に示すように、接合された段差を有するプレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2からなるコンクリート板を、梁C,梁Dの間に架設し、図9に示すように、接合により一体になった段差を有するプレキャストコンクリート板1及びプレキャストコンクリート板2上に鉄筋14を配筋し、さらにそのプレキャストコンクリート板1とプレキャストコンクリート板2の板上にコンクリート15を打設して、図10に示すような段差を有するコンクリート床が構築される。
この実施例によって、現場での型枠や支保工の設置が不要となって、作業効率が高められる。また、下水管等の配管やダクトの設置作業を同時進行が可能となって、工期の短縮が図れ、軽量で構造が簡単な、しかも接合強度の大きい段差を有するコンクリート床が構築される。
図11乃至図13は、この発明の第2実施例である段差を有するコンクリート床の構築方法を示し、図11は上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板の接合部分の平面図、図12は図11のX−X視拡大断面図、図13は図11のY−Y視拡大断面図である。
この実施例は、プレキャストコンクリート板(上段用コンクリート板)16とプレキャストコンクリート板(下段用コンクリート板)17との重ね合わせ部分18に、接合方向Aに対して直角方向Bに沿って等間隔に上段用プレキャストコンクリート板16及び下段用プレキャストコンクリート板17を垂直方向に貫通する円形の穿設孔(穿設部)19を穿設する。
この穿設孔19に、上下端にねじ部が設けられたボルト20と接合用のモルタル24を挿入し、モルタル24の固化とボルト20の両ねじ部に取り付けたワッシャ21と締付用ナット22の締付けによって、上段用プレキャストコンクリート板16と下段用プレキャストコンクリート板17が接合される。なお、モルタル(接合材)24を穿設孔19に充填する際、中空穴3の奥の部分への流失を防止するため、穿設孔19の内側の部分にモルタル流失防止材7を設けた後にモルタル24の充填作業を行う。
その後、現場にて、接合された上段用プレキャストコンクリート板16と下段用プレキャストコンクリート板17を、図示しない両端の梁上に架設して、その上に鉄筋を配筋し、さらにコンクリートを打設することにより段差を有するコンクリート床が構築される。
この実施例の場合は、穿設孔19に両端にねじ部が設けられたボルト20からなる補強材23が挿入され、接合用のモルタル24が充填されて、ボルト20に取り付けられたワッシャ21及び締付用ナット22の締付けによって、プレキャストコンクリート板16,17が接合される。即ち、上段用プレキャストコンクリート板16と下段用プレキャストコンクリート板17とが、両端部にワッシャ21及び締付用ナット22が取付けられたボルト20により確実に締付固定されて接合強度が大きくなると共に、少ない数の部品より簡単で強固な接合構造になり、加えて、工期の短縮と工事費用の低減にも貢献できる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
上述の実施例では、上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板が、長さ方向(接合方向)に複数条の中空穴3と埋設鋼線(プレストレス鋼線)4を有するプレストレスコンクリート板で構成されているが、中空穴3が形成されない中実の長さ方向に複数本のプレストレスPC鋼材を一体化し形成したプレキャストコンクリート板、あるいはその他のコンクリート板で構成することができる。
また、上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板との重ね合わせ部分に形成する穿設部は、スリットや円形の穿設孔に限らず、四角形や楕円形の穿設孔等が用いられる。
この発明の段差を有するコンクリート床の構築は、集合住宅のバスルームやトイレ等の水回り部分の段差を有するコンクリート床に主に用いられるが、例えばスロープの長い階段等の段差を有するコンクリート床に応用できる。
この発明の第1実施例である上段用プレキャストコンクリート板の斜視図である。 下段用プレキャストコンクリート板の斜視図である。 上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板とを重ね合せた状態の断面図である。 上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板を重ね合わせた状態の平面図である。 上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板が接合した要部の平面図である。 図5のX−X視拡大断面図である。 図5のY−Y視拡大断面図である。 上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板が接合した他の構造の断面図である。 鉄筋を配筋した状態の平面図である。 構築した段差を有するコンクリート床の断面図である。 この発明の第2実施例である上段用プレキャストコンクリート板と下段用プレキャストコンクリート板との接合部分の平面図である。 図11のX−X視拡大断面図である。 図11のY−Y視拡大断面図である。
符号の説明
1,2,16,17 プレキャストコンクリート板
5,18 重ね合わせ部分
6 スリット(穿設部)
7 モルタル流失防止材
8,12 折曲鋼材
9,13 棒状鋼材
10,23 補強材
11 ,24 モルタル(結合材)
19 穿設孔(穿設部)
20 ボルト
21 ワッシャ
22 締付用ナット

Claims (9)

  1. 上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板の相互に対応する端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分に前記上段用コンクリート板の上面から下段用コンクリート板の途中に至るまで貫通する穿設部を形成し、該穿設部に接合補強用の補強材と接合用の接合材を挿入して前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板を接合し、該接合された上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の上面にコンクリートを打設することを特徴とする段差を有するコンクリート床の構築方法。
  2. 前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板は、プレキャストコンクリート板からなることを特徴とする請求項1記載の段差を有するコンクリート床の構築方法。
  3. 前記プレキャストコンクリート板は、接合方向に沿って穿設された軽量化するための複数条の中空穴と補強するための埋設された補強鋼線を有することを特徴とする請求項2記載の段差を有するコンクリート床の構築方法。
  4. 前記穿設部は、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の重ね合わせ部分に接合方向に対して直角方向に沿って等間隔に穿設されたスリットからなり、該各スリットに挿入される補強材が、前記スリット内に挿入された折曲鋼材と該折曲鋼材を上段用コンクリート板上で支持した接合方向に対して直角方向に配設された棒状鋼材からなり、前記接合材がモルタルからなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の段差を有するコンクリート床の構築方法。
  5. 前記穿設部は、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の重ね合わせ部分に接合方向に対して直角方向に沿って等間隔に穿設された穿設孔からなり、該各穿設孔に挿入される補強材が、ねじ部が上下端に設けられたボルトと該ボルトの各ねじ部に取り付けられたワッシャ及び締付用ナットからなり、前記接合材が、モルタルからなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の段差を有するコンクリート床の構築方法。
  6. 前記スリットは、プレキャストコンクリート板の中空穴を有する部分にそれぞれ形成し、該各スリット内側の部分に前記該中空穴を封鎖する状態にモルタル流失防止材を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の段差を有するコンクリート床の構築方法。
  7. 前記穿設孔は、プレキャストコンクリート板の中空穴を有する部分にそれぞれ形成し、各穿設孔内側の部分に前記中空穴を封鎖する状態にモルタル流失防止材を設けたことを特徴とする請求項3又は5記載の段差を有するコンクリート床の構築方法。
  8. 上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と、下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板と、前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の相互に対向する端部が重なる重ね合わせ部分と、該重ね合わせ部分に穿設された前記上段用コンクリート板の上面から下段用コンクリート板の途中に至るまで貫通する穿設部と、該穿設部に挿入されて前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合される接合補強用の補強材及び接合用の接合材と、該接合された上段用コンクリート板と下段用コンクリート板の上面に打設されたコンクリートとを備えたことを特徴とする段差を有するコンクリート床の構造。
  9. 上段のコンクリート床の基礎となる上段用コンクリート板と下段のコンクリート床の基礎となる下段用コンクリート板の重ね合わせ部分に、前記上段用コンクリート板の上面から下段用コンクリート板の途中に至るまで貫通する穿設部が形成されて、該穿設部に接合補強用の補強材と接合用の接合材が挿入されて前記上段用コンクリート板と下段用コンクリート板が接合されてなることを特徴とする段差を有するコンクリート床の構築方法に用いられる段差を有するコンクリート板。
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