JP2005220073A - 皮膚清拭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】油溶性、水溶性の双方の汚れに対して洗浄性がよく、刺激性を抑制してかつ皮膚に対して安全に洗浄でき、また使用時の液垂れがなく作業性に優れ、さらに皮膚保護性や粘着製品の固着性等にも優れた皮膚清拭剤を提供する。
【解決手段】植物油、動物油、および合成油よりなる群から選ばれる油の1種または2種以上を5〜30重量%含み、かつ、多価アルコールを5〜19重量%、水を45〜80重量%含むクリーム状の皮膚清拭剤とする。さらに好ましくは、その粘度を10〜100Pa・sとし、また、そのpHを4.0〜6.5とする。
【選択図】 図1
【解決手段】植物油、動物油、および合成油よりなる群から選ばれる油の1種または2種以上を5〜30重量%含み、かつ、多価アルコールを5〜19重量%、水を45〜80重量%含むクリーム状の皮膚清拭剤とする。さらに好ましくは、その粘度を10〜100Pa・sとし、また、そのpHを4.0〜6.5とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、排泄物又は浸出液が排出される皮膚表面又はその周辺部の皮膚清拭剤に関する。更に詳しくは、ストーマに装着する排泄物収容装具、創傷被覆剤、各種医療材料の皮膚固定に使用される医療用粘着テープ等の各種粘着製品の皮膚貼付部分及びその周辺部を清拭し、皮膚の状態を清潔に保つ皮膚清拭剤に関する。なお、本発明の清拭剤は、排泄物や排出液が排出される皮膚表面やその周辺部以外でも、汚れが付着したその他の皮膚表面であれば同様に使用できる。また、前記排泄物収容装具やその他の医療器具に付着した排泄物等を清潔にする際も使用できる。特に、袋の下端が開放した所謂ドレナブル排泄物収容装具は、その袋の下端部から排泄物を排出した後に、袋を再使用するため、本発明の清拭剤で排出口付近を清拭しておけば、清拭剤の油成分により、その後の排出時に排泄物が付着し難いというメリットがあるので、上記のような皮膚以外の清拭剤としても使用できる。
便、尿の失禁者、消化器系、泌尿器系器官の疾患等のため外科的手術を行い腸管や尿管を体表まで導き体表面にストーマを造設した人は、それらの造設された開口から排出される便、尿、体液等の排泄物を処理するため、排泄物を一時的に貯留できる排泄物収容装具を造設した開口に装着する。この排泄物収容装具は一般に粘着層を有する面板と袋体とから構成され、面板は体表面の開口の周囲に排泄物が漏れないように、又皮膚上に装具を固定するために、かなり強い粘着力で皮膚に貼着されている。この排泄物収容装具は、通常、例えば、数日間使用すると新しいものと交換されるが、面板は皮膚にしっかりと固定されているので、面板を剥離する際に皮膚に物理的刺激を与え、更に、このような装具の交換は習慣的に行われるので、皮膚面は角質細胞が剥脱され損傷を受けていたり、刺激に敏感で痛みを感じ易くなったりする。そして、開口及びその周囲皮膚には排泄物が付着することがあるが、このように敏感な状態の皮膚に排泄物が残存すると、痒みやカブレを引き起こす可能性がある。その上、こうしたストーマを造設した人は一般に高齢者が多く、若い人に比べ皮脂が少なく、乾燥肌の人が多いので、こうした問題がいっそう起こり易い。従って、これらの部位を洗浄又は清拭し、付着した排泄物や垢、面板の剥離後に残った粘着層を除去し、皮膚を清潔に保っておくことが必要となる。
又、ストーマを造設した人以外の場合でも、創傷治療やカテーテル等の処置で、創傷被覆剤やその他の医療用粘着テープが貼付される皮膚に、創傷やカテーテルの穿刺部からの滲出液が付着することがある。これらの滲出液も、そのままにしておくと、痒みやカブレを引き起こすばかりか、感染の原因となることもあるので、排泄物収容装具の場合と同様に、皮膚を清潔に保っておくことが必要となる。特に、患者によっては、入浴や洗浄を控える又はできない場合があるので、より簡単に処置のできる清拭剤が望まれる。
上記のような問題を解決するために、皮膚、特に肛門周辺部に清拭剤を塗布して使用することが提案されている。例えば、オイルを主成分とした清拭剤(例えば、特許文献1、2参照。)、オイル成分に低級アルコールを含有させた清拭剤(例えば、特許文献3参照。)、界面活性剤とアルコールを主成分として含有する水溶液からなる清拭剤(例えば、特許文献4参照。)等が知られている。しかしながら、前記特許文献1、2のようにオイルを主成分としたものは、べたつきがあり、使用感があまり良いものではなく、また水溶性の汚れに対しては余り洗浄効果がなく、更に皮膚に残ったオイル成分により、前記した各種粘着製品が皮膚に貼り付き難くなるという問題、即ち、粘着製品の固着性低下の問題がある。又、特許文献3、4のように低級アルコールや界面活性剤を含有させた清拭剤は、前記したように繰り返しの粘着製品の適応により敏感な状態の皮膚に対しては刺激が強く、皮膚がひりひりしたり、炎症を引き起したりする可能性がある。
また、清拭効果を高めるためには、汚れた部分に直接清拭剤を塗って、汚れた部分と清拭剤を十分に接触させることが必要と考えられるが、これら従来の清拭剤は液状であるため、直接清拭する部位に塗ると垂れ易く、ストーマ周囲のような部位を清拭する場合には、これらの清拭剤を直接皮膚に塗布すると衣服や下着を汚してしまう可能性があった。そのため、トイレットペーパーに一度清拭剤を含ませ、それにより清拭を行うが、これらの液状の清拭剤はトイレットペーパーへの浸透が早いため、トイレットペーパーの強度を低下させてしまう。そのため、清拭中にトイレットペーパーが破れ、破れた紙の小片が散らばることもあり、清拭し難く、従って、この種の清拭剤を効果的に直接皮膚に適用させようとした場合、ある程度の量の清拭剤とトイレットペーパーが必要になり、清拭の作業性および経済性がよくない問題があった。
さらに、殺菌等の繁殖を防止し、皮膚カブレを予防するために有機酸の緩衝液を含有させpHを弱酸性(4.0〜6.5)に調整した乳液状の清拭剤が知られている(例えば、特許文献5参照。)。この種の清拭剤は、例えば尿等の排泄物の影響で皮膚のpHがアルカリ側に移動した場合、これを中和し正常な皮膚pH、即ち弱酸性に近づける作用があると考えられるので、皮膚への刺激性といった観点では利点があるが、液状であるため上述と同様の作業性等の問題があるし、また清拭後の皮膚の保湿機能や油分によるバリヤー機能等の皮膚保護性が十分でない等の問題もある。
特公昭63−7524号公報(第1頁)
特開昭59−225111号公報(第2−3頁)
特開昭62−135416号公報(第2−3頁)
特開昭62−242611号公報(第2−5頁)
特開昭64−38018号公報(第2−4頁)
この発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、油溶性、水溶性の双方の汚れに対して洗浄性がよく、刺激性を抑制してかつ皮膚に対して安全に洗浄でき、また使用時の液垂れがなく作業性に優れ、さらに皮膚保護性や粘着製品の固着性等にも優れた皮膚清拭剤を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明においては、植物油、動物油、および合成油よりなる群から選ばれる油の1種または2種以上を5〜30重量%含み、かつ、多価アルコールを5〜19重量%、水を45〜80重量%含むことを特徴とするクリーム状の皮膚清拭剤(請求項1)とする。
前記請求項1の発明の実施態様としては、下記請求項2ないし6の発明が好ましい。即ち、前記請求項1に記載のものにおいて、添加物として、非イオン性の乳化剤を含有することを特徴とする(請求項2)。また、前記請求項1または2に記載のものにおいて、添加物として、一価の低級アルコールを含有しないことを特徴とする(請求項3)。さらに、前記請求項2に記載のものにおいて、前記乳化剤は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体とすることを特徴とする(請求項4)。
また、前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のものにおいて、その粘度は、10〜100Pa・sとすることを特徴とする(請求項5)。さらに、前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載のものにおいて、そのpHは、4.0〜6.5とすることを特徴とする(請求項6)。
以下に、上記請求項1から6の各発明の構成と作用効果の詳細等につき、包括的に述べる。まず、植物油、動物油、および合成油よりなる群から選ばれる油の含有量は、清拭剤の全量に対して、5〜30重量%が好ましく、15〜30重量%が更に好ましい。5重量%より少ないと、油容性の汚れに対しての洗浄力が低下し、皮膚をバリヤーする被膜の効果が十分ではなく、30重量%より多いと、べたつき感がでて、粘着剤製品の皮膚への粘着性(固着性)が低下する。
本発明に使用できる油は、例えば、植物油としては、オリーブ油、オリーブスクワラン、マカデミアナッツ油、ホホバ油、スクワラン、アーモンド油、落花生油、ひまし油、やし油、パーム油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、硬化やし油、硬化パーム油、アボガド、杏仁油、グレープシード油等が挙げられ、動物油としては、ラノリン、タートル油、ミツロウ、スクワレン、プリスタン等が挙げられる。又、合成油としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、グリセリントリ−2−エチルヘキサノエート等の脂肪酸トリグリセライド、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノシリコン等のシリコーンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル等のエステル類等が挙げられる。
次に、請求項1の清拭剤の配合成分に係る多価アルコールについて述べる。多価アルコールは、水溶性及び油容性の双方の汚れに対して有効であると考えられ、またこれを加えることで清拭剤に良好なのびと滑りを与えるので、べたつきがなく、皮膚になじみ易い清拭剤が得られる。さらに、多価アルコールは、皮膚の保湿作用にも効果的に寄与する。多価アルコールの含有量は、清拭剤の全量に対して、5〜19重量%が好ましく、5〜15重量%が更に好ましい。5重量%より少ないと、保湿作用が低下し、又清拭剤に良好なのびや滑り性を与えられず、19重量%より多いと、多価アルコールが清拭剤中の油分を取り囲むと予想され、油分の持つ油容性の汚れに対する強い洗浄機能を阻害してしまう。本発明に使用できる多価アルコールは、例えば、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。
なお、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価の低級アルコールは、敏感な状態の皮膚に対しては刺激性があるので、刺激性を抑制する観点からは、前記請求項3の発明のように、一価の低級アルコールを含有させることは好ましくない。しかしながら、使用目的によっては、一価の低級アルコールを添加してもよい。
次に、請求項1の清拭剤の配合成分に係る水について述べる。水は、水溶性の汚れに対して有効であり、清拭剤に使用上好ましい流動性を与え、更に前記油と多価アルコールの使用と協同し保湿性を与える。水の含有量は、清拭剤の全量に対して、45〜80重量%が好ましく、50〜75重量%が更に好ましい。45重量%より少ないと、清拭剤の流動性が低下し皮膚に塗り難く、又清拭する時に皮膚になじみ難くなり、80重量%より多いと、トイレットペーパー等で清拭する場合に紙が破れ易くなる可能性がある。
また、本発明では、清拭剤をクリーム状にすることで、皮膚に塗っても垂れることがないので、清拭剤を汚れに直接なじませることができ、効率的に、効果的に汚れを落とすことができる。本発明でいうクリーム状とは、粘性が高く半固体状態の、のりのような概観を呈するもので、前記請求項5の発明のように、粘度が10〜100Pa・sの範囲のものが好ましく、30〜70Pa・sの範囲のものが更に好ましい。10Pa・sより低いと、流動性が高すぎて、皮膚に塗ったときに垂れやすく、100Pa・sより高いと、皮膚に塗り難く、又清拭する時に皮膚になじみ難く皮膚に対する摩擦が大きくなる。この粘度は、B8M形粘度形を用い、ローターNo.4を使用し、回転数6rpm、3分間測定の条件で測定する。
清拭剤をクリーム状に維持するためには乳化剤を使用することが好ましく、特に、前記請求項2の発明のように、非イオン性の乳化剤を使用することが皮膚に対する刺激性の観点から更に好ましい。非イオン性の乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。又、請求項4の発明のように、同様に皮膚に対して低刺激性である、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を乳化剤として使用することが、皮膚保護性の観点から好ましい。高分子乳化剤として知られているアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、皮膚表面に保護膜を形成し得ると言われており、清拭剤の使用後に皮膚に保護膜を形成することにより、粘着製品の皮膚への粘着力を低下させる油分が存在していても、この乳化剤を使用することで良好な粘着剤の固着の実現が期待できる。
また、必要に応じて適宜、抗菌剤、抗炎症剤、生理活性剤等の薬物、増粘剤、粉体、pH調整剤、キレート剤、色素、香料、防腐剤、清涼剤等の各種公知の成分を添加することができる。特に、清拭剤は、皮膚表面に塗って拭き取られたあとに皮膚表面に薄い被膜として残るので、請求項6の発明のように、正常な皮膚のpH4.0〜6.5にpH調整されていることが好ましい。これにより、例えば、尿等の皮膚に残存した排泄物の影響で皮膚のpHがアルカリ側に移動した場合でも、清拭剤が中和し正常な皮膚pHに戻す作用が働くので、皮膚への刺激性を緩和することができる。pH調整剤としては、公知のアルカリ金属水酸化物又は有機酸の緩衝液が使用できる。
本発明によれば、下記に列記したような効果が得られる。即ち、
1)油溶性、水溶性の双方の汚れに対して、効果的に汚れを落とすことができる。
2)本発明の清拭剤はクリーム状であるため、使用時に液垂れすることがなく、直接皮膚に塗って清拭することができるので、清拭作業がし易く効率的に汚れを落とすことがでる。又、皮膚になじみやすく、べたつかず非常に滑らかな感触なので、皮膚を強く摩擦することがなく、刺激を与えず、使用感がよい。又、その際に、清拭剤やトイレットペーパーを過剰に使うことがないので、経済的である。
3)清拭後には清拭剤が皮膚に残り、水と多価アルコールの保湿作用とそれを持続的にする油の被膜作用により、スキンケア効果が期待できるとともに、排泄物等からの刺激を防ぐことができる。
4)清拭した部位に粘着剤製品を適用する際も良好に固着するので、清拭した部分に残った清拭剤を取り除くために過剰に皮膚をこする必要もなく、安心して粘着製品を皮膚に貼り使用することができる。
5)清拭剤のpHが弱酸性に調整されているので、皮膚表面に塗られたあとに、皮膚の表面を弱酸性に保ち、皮膚に残留した汚れによるpHの上昇を防止することができる。
6)皮膚に対して刺激の少ないものであるので、皮膚に直接適用して清拭するだけでよく、水で洗い流す必要がないので、入浴ができない患者やすぐに汚れを落としたい人等に対して、非常に便利である。
1)油溶性、水溶性の双方の汚れに対して、効果的に汚れを落とすことができる。
2)本発明の清拭剤はクリーム状であるため、使用時に液垂れすることがなく、直接皮膚に塗って清拭することができるので、清拭作業がし易く効率的に汚れを落とすことがでる。又、皮膚になじみやすく、べたつかず非常に滑らかな感触なので、皮膚を強く摩擦することがなく、刺激を与えず、使用感がよい。又、その際に、清拭剤やトイレットペーパーを過剰に使うことがないので、経済的である。
3)清拭後には清拭剤が皮膚に残り、水と多価アルコールの保湿作用とそれを持続的にする油の被膜作用により、スキンケア効果が期待できるとともに、排泄物等からの刺激を防ぐことができる。
4)清拭した部位に粘着剤製品を適用する際も良好に固着するので、清拭した部分に残った清拭剤を取り除くために過剰に皮膚をこする必要もなく、安心して粘着製品を皮膚に貼り使用することができる。
5)清拭剤のpHが弱酸性に調整されているので、皮膚表面に塗られたあとに、皮膚の表面を弱酸性に保ち、皮膚に残留した汚れによるpHの上昇を防止することができる。
6)皮膚に対して刺激の少ないものであるので、皮膚に直接適用して清拭するだけでよく、水で洗い流す必要がないので、入浴ができない患者やすぐに汚れを落としたい人等に対して、非常に便利である。
図1および図2に基づき、本発明の実施例とその評価結果について述べる。図1は本発明の実施例および比較例に係る皮膚清拭剤の配合成分と配合量を示す図、図2は実施例および比較例に関する皮膚清拭剤としての評価結果を示す図である。まず、図1の各実施例および比較例について述べる。
図1において、実施例1ないし3の主な相違点は、配合量が異なる点および下記の諸点である。即ち、実施例1の場合は、一価の低級アルコールとしてエタノールを含有するが、実施例2および3の場合には、一価の低級アルコールを含有しない。また、実施例1および2の油は、植物油を主体とするが、実施例3の場合には、コストの観点から合成油を主体としている。一方、比較例1および2は、いずれも前記請求項1に記載の配合量範囲とは異なるものである。比較例1は油を含有しない。また比較例1および2は、いずれも多価アルコールの%が、請求項1に記載の配合量より大きい。なお、実施例および比較例共に、添加物として、微量の乳化剤(アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合)や、さらに防腐剤、pH調整剤、増粘剤、生理活性剤、抗炎症剤等を含む。
次に、図2の評価結果について述べる。図2においては、評価にあたって、図1に示した実施例および比較例以外に、市販されているオイルを主体とする液状洗浄剤(商品名サニーナ 花王(株)製)と、界面活性剤とベンジルアルコールを含有する液状洗浄剤(商品名トリプルケアCL スミスアンドネフュー社製)に関しても、それぞれ市販品A、市販品Bとして比較した。評価は、1)性状、2)安全性、3)洗浄性、4)皮膚保護性、5)固着性の5項目について行った。
次に、前記評価項目の評価方法について詳述する。
1)性状:クリーム状か液状かの区分を示す。
2)安全性:実施例及び市販品を含む比較例の清拭剤0.5gを粘着貼付物に塗り、それを被験者の左右上腕部内側に貼付し24時間放置する。それから粘着貼付物を剥がし、その時点から、1時間、24時間、48時間後の皮膚状態を観察し、紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、大水疱等の反応があるか否かを調べ、反応の程度によって4段階評価(図2に示すような、◎:非常に良い、○:良い、△:まあまあ良い、×:悪いの4段階評価)を行った。
3)洗浄性:弱酸性洗浄料などでよく洗浄した被験者の左右前腕部内側に、ファンデーション0.04gを塗り、5分間静置する。その後、トイレットペーパーに実施例及び比較例の清拭剤を0.5g載せ、それによりファンデーション部分を均等の力で10回拭きとった。その後、その清拭した皮膚部分の皮膚レプリカを採取し、それをビデオマイクロスコープ(KEYENCE社製)及び画像解析ソフト(三谷商事(株)製)を使用し、ファンデーションの皮膚への残存面積率を算出し、洗浄性を比較評価(4段階評価)した。
4)皮膚保護性:被験者の左右前腕部内側に水を10秒間載せて拭取った後、角層水分量をSKICON-200(アイ・ビイ・エス(株)製)で測定する。その後、同部位に実施例及び比較例の清拭剤を塗布し、2時間後放置する。そして、再度水を10秒間載せて拭取った後の角層水分量を測定し、その2回の測定結果から算出した角層水分保持能により角層の保湿効果を比較評価(4段階評価)した。
5)固着性:被験者の左右腹部上で粘着テープを貼付、剥離を3回以上繰り返すことで、腹部の角質を剥離し、ストーマ患者の皮膚を想定した被験部位を作成した。その被験部位を実施例及び比較例の清拭剤0.5gを載せたスポンジで10回拭き、被験部位に残った過剰の清拭剤は、ティッシュペーパーで軽く押さえて拭取った。その後、ストーマ用装具の皮膚保護剤を被験部位に貼付し、貼付後30秒、5分、6時間の剥離力をプッシュプルゲージにて測定する。粘着剤の貼付後短時間(30秒、5分)での皮膚への固着性と、長時間(6時間)での固着の持続性を評価(4段階評価)した。
1)性状:クリーム状か液状かの区分を示す。
2)安全性:実施例及び市販品を含む比較例の清拭剤0.5gを粘着貼付物に塗り、それを被験者の左右上腕部内側に貼付し24時間放置する。それから粘着貼付物を剥がし、その時点から、1時間、24時間、48時間後の皮膚状態を観察し、紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、大水疱等の反応があるか否かを調べ、反応の程度によって4段階評価(図2に示すような、◎:非常に良い、○:良い、△:まあまあ良い、×:悪いの4段階評価)を行った。
3)洗浄性:弱酸性洗浄料などでよく洗浄した被験者の左右前腕部内側に、ファンデーション0.04gを塗り、5分間静置する。その後、トイレットペーパーに実施例及び比較例の清拭剤を0.5g載せ、それによりファンデーション部分を均等の力で10回拭きとった。その後、その清拭した皮膚部分の皮膚レプリカを採取し、それをビデオマイクロスコープ(KEYENCE社製)及び画像解析ソフト(三谷商事(株)製)を使用し、ファンデーションの皮膚への残存面積率を算出し、洗浄性を比較評価(4段階評価)した。
4)皮膚保護性:被験者の左右前腕部内側に水を10秒間載せて拭取った後、角層水分量をSKICON-200(アイ・ビイ・エス(株)製)で測定する。その後、同部位に実施例及び比較例の清拭剤を塗布し、2時間後放置する。そして、再度水を10秒間載せて拭取った後の角層水分量を測定し、その2回の測定結果から算出した角層水分保持能により角層の保湿効果を比較評価(4段階評価)した。
5)固着性:被験者の左右腹部上で粘着テープを貼付、剥離を3回以上繰り返すことで、腹部の角質を剥離し、ストーマ患者の皮膚を想定した被験部位を作成した。その被験部位を実施例及び比較例の清拭剤0.5gを載せたスポンジで10回拭き、被験部位に残った過剰の清拭剤は、ティッシュペーパーで軽く押さえて拭取った。その後、ストーマ用装具の皮膚保護剤を被験部位に貼付し、貼付後30秒、5分、6時間の剥離力をプッシュプルゲージにて測定する。粘着剤の貼付後短時間(30秒、5分)での皮膚への固着性と、長時間(6時間)での固着の持続性を評価(4段階評価)した。
図2の結果から、本発明の清拭剤は、比較例と比べて総合的に優れていることが分かる。なお、比較例及び市販品に関して、評価が比較的悪い項目については次のように考察する。
比較例1は、油成分が含有されておらず、油分を含むファンデーションに対しての洗浄性が悪かったと考えられる。又、油分による被膜を皮膚に形成しないため、角層の水分が蒸散するのを防ぐ保湿作用が少なく、皮膚保護性もあまり良くなかったと考えられる。
比較例1は、油成分が含有されておらず、油分を含むファンデーションに対しての洗浄性が悪かったと考えられる。又、油分による被膜を皮膚に形成しないため、角層の水分が蒸散するのを防ぐ保湿作用が少なく、皮膚保護性もあまり良くなかったと考えられる。
比較例2は、多価アルコールの量が実施例より多く、多価アルコールが清拭剤中の油分を取り囲むと考えられ、そのため油分を含むファンデーションに対しての洗浄性が悪かったと考えられる。また、比較例2の固着性が悪い理由は定かではないが、多価アルコールと他の成分との組成のバランスがよくないためであると推測される。
市販品Aについては、油成分が多量に含まれているため、清拭後に皮膚表面に残り、その油成分が粘着テープの固着性を低下させたと考えられる。また、市販品Aの安全性が△である理由は、被験者5名中、1名にわずかな紅斑が確認されたことによる。
市販品Bについては、比較例1の場合と同様に、油成分が含有されていないため、洗浄性と皮膚保護性の評価が低かったと考えられる。また、市販品Bの安全性が×である理由は、被験者5名中、2名に明らかな紅斑が確認され、その内1名は発疹も確認されたことによる。
なし
Claims (6)
- 植物油、動物油、および合成油よりなる群から選ばれる油の1種または2種以上を5〜30重量%含み、かつ、多価アルコールを5〜19重量%、水を45〜80重量%含むことを特徴とするクリーム状の皮膚清拭剤。
- 請求項1に記載のものにおいて、添加物として、非イオン性の乳化剤を含有することを特徴とする皮膚清拭剤。
- 請求項1または2に記載のものにおいて、添加物として、一価の低級アルコールを含有しないことを特徴とする皮膚清拭剤。
- 請求項2に記載のものにおいて、前記乳化剤は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体とすることを特徴とする皮膚清拭剤。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のものにおいて、その粘度は、10〜100Pa・sとすることを特徴とする皮膚清拭剤。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のものにおいて、そのpHは、4.0〜6.5とすることを特徴とする皮膚清拭剤。
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Legal Events
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