JP2005219074A - 摩擦撹拌接合用支持治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】亀裂が発生し難く、交換することが容易な摩擦撹拌用支持治具を提供する。
【解決手段】摩擦撹拌接合用装置の架台22の上端面に設置された支持治具20は、基台34と、該基台34の長尺溝48に挿入された支持部材36とを有する。このうち、支持部材36は、Cr、Mo、V、Wを合金元素として含有する高速度工具鋼(Fe基合金)で構成されている。基台34と支持部材36とは、ピン72を介して基台34に回動自在に設置されたクランプ部材38が支持部材36の側面に設けられた円弧状凹部70に挿入されることによって互いに連結される。なお、基台34の内部には第1水路44が形成され、一方、支持部材36の内部には、第1水路44に連通する第2水路46が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワークにおける当接した端面同士を摩擦撹拌接合する際に該端面同士を支持するための摩擦撹拌接合用支持治具に関する。
第1ワークと第2ワークの端面同士を当接させ、その当接した端面同士を接合する方法として、近年、摩擦撹拌接合が着目されるに至っている。摩擦撹拌接合においては、先ず、当接箇所が摩擦撹拌接合用支持治具(以下、単に支持治具ともいう)上に載置され、次に、回転動作する摩擦撹拌接合用工具のプローブが当接箇所の一端部に埋没される。この際、支持治具が当接箇所を堅牢に支持することにより、比較的小さな押圧力であってもプローブを容易に当接箇所に埋没させることができる。
次に、当接箇所に沿って該当接箇所の他端部までプローブが走査される。この走査に伴って発生する摩擦熱で軟化した当接箇所の肉が撹拌され、その後、冷却固化することによって、当接箇所が固相接合される。
ところで、上記から諒解されるように、摩擦撹拌接合時には、当接箇所とプローブとが摩擦を起こすことに伴って摩擦熱が発生する。この摩擦熱は、支持治具まで伝達し、これにより該支持治具の温度が上昇して、該支持治具が熱膨張を起こす。このため、該支持治具の高さが上昇するので、該支持治具に載置された当接箇所の高さも上昇する。
一方、摩擦撹拌接合用工具も摩擦熱によって同様に熱膨張を起こし、これによりプローブの体積が大きくなる。このことと、前記したように支持治具に載置された当接箇所の高さが上昇したこととが相俟って、当接箇所へのプローブの埋没量が大きくなる。
このような状態で摩擦撹拌接合を続行すると、プローブの埋没量が大きくなったことに起因して、該プローブの外周方向に流動する肉の量が多くなる。このため、バリの発生量が多くなり、バリを除去する後工程を実施しなければならなくなるため、作業効率が低下するという不具合を招く。
そこで、特許文献1では、摩擦撹拌接合用工具に連結されたスピンドルや、支持治具を冷却することが提案されている。
特開2001−205459号公報
上記したように摩擦撹拌接合を行う場合、支持治具は、通常、当接箇所を全体にわたって支持する。換言すれば、支持治具は、当接箇所の一端部から他端部に沿って延在する。この場合、支持治具の温度は、回転動作する摩擦撹拌接合用工具のプローブが当接箇所を介して直上に到達した部位でのみ急激に上昇し、プローブが通過した後は急激に下降する。その温度差は、特許文献1に記載されているように支持治具を冷却した場合であっても、約200℃になると予測されている。このように、支持治具には、激しい温度勾配が生じる。
従って、例えば、車両用ホイールリムを連続生産する場合等、生産ラインにおいて摩擦撹拌接合を繰り返し実施する場合、支持治具には、著しく大きな温度勾配が繰り返し生じるとともに、熱衝撃が加わる。このため、該支持治具には、最終的に、熱疲労による亀裂が発生する。一般的な炭素鋼から支持治具を構成した場合、生産数によっては、1週間弱で亀裂が発生する。
このような事態が生じると、亀裂が発生した箇所では、当接箇所に対する支持力が十分でなくなり、摩擦撹拌接合を行っても未接合箇所が残留することもあるので、支持治具として使用することができない。すなわち、炭素鋼からなる支持治具では、生産数によっては寿命が1週間弱程度しかないために交換用の支持治具を多数準備する必要があり、このために摩擦撹拌接合の材料コストが高騰してしまう。
また、特許文献1のように支持治具を冷却する場合、亀裂から冷却媒体が漏洩してしまうという不具合がある。
さらに、特許文献1のように、基台の凹部に支持治具を挿入する場合、該支持治具に亀裂が生じた際には凹部から取り出し難く、このために交換することが容易ではないことが懸念される。
しかも、特許文献1に記載された支持治具は、板材同士を接合する場合には有効であるものの、ホイールリム等のように、湾曲面を有する円筒体を製作する場合には採用することができない。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、亀裂が発生し難く、交換することが容易であり、しかも、湾曲面を有するワークに対して摩擦撹拌接合を行うことも容易な摩擦撹拌接合用支持治具を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、ワークにおける当接した端面同士の一端面側から摩擦撹拌接合用工具を埋没させて前記端面同士を摩擦撹拌接合する際、該端面同士を他端面側から支持する摩擦撹拌接合用支持治具であって、
Cr、Mo、V、Wの群から選択された2種以上を合金元素として含有するFe基合金からなることを特徴とする。
このような合金元素を含有するFe基合金からなる治具は、極めて優れた耐熱性を示す。従って、炭素鋼からなる治具に比して割れ等が生じ難く、このために長寿命となる。
なお、Fe基合金の好適な例としては、高速度工具鋼を挙げることができる。
ここで、摩擦撹拌接合用支持治具は、上端面が湾曲していることが好ましい。この場合、円筒体等の湾曲面を有するワークを該支持治具に載置して摩擦撹拌接合を行うことができる。
また、本発明は、ワークにおける当接した端面同士の一端面側から摩擦撹拌接合用工具を埋没させて前記端面同士を摩擦撹拌接合する際、該端面同士を他端面側から支持する摩擦撹拌接合用支持治具であって、
基台と、
前記基台上に載置され、且つ前記端面同士が載置される支持部材と、
前記基台上に回動自在に取り付けられたクランプ部材と、
を有し、
前記支持部材の側面に設けられた凹部に前記クランプ部材が挿入されることによって前記支持部材が前記基台に連結されることを特徴とする。
このような構成の支持治具においては、摩擦撹拌接合される端面同士に支持部材のみが当接する。従って、割れ等は支持部材にのみ生じ、この際には支持部材のみを新しいものに交換すればよい。すなわち、本発明によれば、割れ等が生じた部材のみを交換すればよく、支持治具全体を交換する必要はない。このため、設備投資が低廉化するので、摩擦撹拌接合に要するコストを低下させることができる。
この場合、基台及び支持部材に冷却媒体を流通させるための冷却媒体用通路を設けることが好ましい。これにより、摩擦撹拌接合時に生じて支持部材に伝達された摩擦熱が冷却水によって速やかに除去される。すなわち、支持治具の温度が上昇することを抑制することができるので、支持部材、ひいては支持治具の寿命を確実に長期化させることができる。
本発明によれば、摩擦撹拌接合が営まれる際にワークに当接する部材がCr、Mo、V、Wの群から選択された2種以上を合金元素として含有するFe基合金から構成されているので、温度勾配が著しく大きくなり、熱衝撃が繰り返し加わるような条件下であっても、支持治具の寿命を長期にわたって確保することができる。
また、本発明によれば、基台と支持部材とで支持治具を構成する場合、これら基台と支持部材を回動するクランプ部材でのみ連結するようにしたので、支持部材に亀裂が生じた際に該支持部材を容易且つ簡便に交換することができる。
以下、本発明に係る摩擦撹拌接合用支持治具につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、車両のホイールリムを製作する場合を例として説明する。
図1に示すように、ホイールリムを製作するためのワークW1は、略長方形状の板材であり、アルミニウムからなる。該ワークW1の四方の隅角部には、図1における矢印A方向に指向して突出した第1凸部10a〜第4凸部10dが設けられている。後述するように、この矢印Aに沿う方向は接合方向である。換言すれば、第1凸部10a〜第4凸部10dは、接合方向に沿って突出形成されている。
このワークW1を図1の矢印B方向に沿って湾曲させ、最終的に、図2に示すように、該ワークW1の端面同士を当接させることによって、矢印A方向に延在する第1突出部12、第2突出部14を有する円筒体W2を形成する。なお、第1突出部12は、第1凸部10aと第3凸部10cの端面同士が互いに当接することによって形成され、一方、第2突出部14は、第2凸部10bと第4凸部10dの端面同士が互いに当接することによって形成される。
次に、その平面図が図3に示される本実施の形態に係る摩擦撹拌接合用支持治具(以下、支持治具ともいう)20の構成につき説明する。この支持治具20は、図示しない摩擦撹拌接合用装置に組み込まれて使用される。すなわち、支持治具20の側面図(図3におけるIV−IV線矢視平面図)である図4に示すように、支持治具20は、摩擦撹拌接合用装置を構成する架台22の上端面に連結されている。なお、摩擦撹拌接合用装置は、図5に示すように、前記円筒体W2の第1突出部12、第2突出部14の形状に対応する形状の凹部24、26がそれぞれ設けられた第1把持部材28、第2把持部材30を有する。また、図5において、参照符号32は、第1突出部12を把持する第1把持部材28を変位させる第1変位機構を示す。
図3、図4及び図3のVI−VI線矢視断面図である図6に示すように、支持治具20は、基台34と、該基台34上に載置された支持部材36と、基台34と支持部材36とを互いに連結するクランプ部材38とを有する。ここで、図4における参照符号40、42は、それぞれ、第1水路44、第2水路46(図6参照)の長手方向開口部を閉塞するためのボルトを示す。
基台34は、長尺平板体であり、その中央部には、長手方向に沿って長尺溝48が設けられている(図4及び図6参照)。また、図6に示すように、該基台34の内部には第1水路44が設けられている。
ここで、架台22の図3における右端部近傍各側面には、該図3のVII−VII線矢視断面図である図7に示すように、管継手を介して冷却水チューブ(ともに図示せず)が接続される第1接続部50又は第2接続部52が設けられており、冷却水は、第1接続部50から供給されるとともに、第2接続部52から排出される。
第1水路44は、基台34の下端面において第1連通路54を介して第1接続部50と連通し、図3における右方から左方にわたって、基台34の長手方向に沿って延在する。そして、第1水路44は、図3のVIII−VIII線矢視断面図である図8に示すように、長尺溝48に延在して支持部材36に設けられた第2水路46に冷却水を供給する第2連通路56と、長尺溝48から延在して前記第2水路46から冷却水を排出する第3連通路58(図7参照)とを有する。このうち、第3連通路58は、前記第2接続部52に連通している。
以上の構成の第1水路44において、基台34の各側面に指向して延在する通路の開口端部にはねじ部が設けられており、該ねじ部に螺合される図示しないねじによって開口端部が閉塞される。
基台34の長手方向における略中腹部の側面には、図3及び該図3のIX−IX線矢視断面図である図9に示すように、ワーク端部支持盤62を嵌合するための嵌合凹部64が設けられている。後述するように、ワーク端部支持盤62は、平坦な第1ワークW3及び第2ワークW4の端面同士を摩擦撹拌接合する際に使用される。
円筒体W2に接触しない基台34の材質は、例えば、SUS304(JIS規格による名称、以下同じ)等の一般的なステンレス鋼であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
支持部材36は、図4及び図6〜図9から諒解されるように、下端部近傍が前記長尺溝48に挿入されることによって基台34上に載置されており、高さ方向の大部分は長尺溝48から突出している。
この支持部材36は、図10及び図11に示すように、長尺板材であり、上端面には、その両端部が切り欠かれることによって、第1突出部12、第2突出部14の形状に対応する形状の凸部66、68がそれぞれ形成されている。また、支持部材36の上端面は、円筒体W2の内周面に当接するように湾曲形成されている(図4及び図6〜図9参照)。
支持部材36の内部には、第2水路46が設けられている。この第2水路46は、図3、図10及び図11における左端部近傍において第1水路44の第2連通路56(図8参照)と連通し、図10及び図11に示すように、左方から右方にわたって支持部材36の長手方向に沿って延在するとともに、右端部近傍において第1水路44の第3連通路58(図7参照)と連通する。なお、上記したように、第2水路46の長手方向における各端部は、ボルト42によって閉塞されている。
支持部材36の両側面には、複数個の円弧状凹部70が設けられている(図3、図10及び図11参照)。各円弧状凹部70には、図3に示すように、回動されたクランプ部材38の一端部が挿入される。
本実施の形態において、このように構成された支持部材36は、Cr、Mo、V、Wの群から選択された2種以上を合金元素として含有するFe基合金からなる。具体的には、支持部材36は、高速度工具鋼であるSKH51で構成されている。
両端部が湾曲した長尺な各クランプ部材38は、それぞれ、ピン72を介して基台34に回動自在に連結されている。その長手方向が支持部材36の長手方向に沿って延在する各クランプ部材38が回動されると、該クランプ部材38の一端部が支持部材36の側面に設けられた円弧状凹部70に挿入される。これにより、基台34と支持部材36とが互いに連結されるに至る。
このように構成された支持治具20は、基台34がボルト74(図3参照)を介して前記架台22の上端面に連結されることにより、該架台22に連結支持されている。
摩擦撹拌接合用装置の架台22の上端面には、以上の支持治具20の他、図5に示すように、整列用押圧部材80と、円筒体W2を挟んで該整列用押圧部材80に対向する位置に配設された把持シリンダ82、第1整列盤84、第2整列盤86とが設けられている。
平面略コの字状の整列用押圧部材80は、第1把持部材28を囲繞するように設けられており、これら第1把持部材28及び整列用押圧部材80は、前記第1変位機構32の作用下に変位する。
把持シリンダ82は、ピストンロッド88と、2本のガイド部材90a、90bとを有し(図5参照)、このうちのピストンロッド88には、押圧盤92が橋架されている。前記第2把持部材30は、この押圧盤92に連結されている。なお、第2把持部材30の先端部には、ピン94に対応する位置に湾曲凹部96が形成されている。
第1整列盤84と第2整列盤86は、第2把持部材30を間に挟んで対向する位置に位置決め固定されている。
次に、本実施の形態に係る支持治具20の作用効果につき説明する。
摩擦撹拌接合作業に先立ち、冷却水チューブを介して架台22の第1接続部50(図7参照)から冷却水が供給される。供給された冷却水は、第1水路44の第1連通路54を経由して、図3における基台34の左端部近傍から右端部近傍にわたりその長手方向に沿って流通する。冷却水は、その後、支持部材36の第2連通路56に導入され、図3、図10及び図11の左方から右方にわたり該支持部材36の長手方向に沿って流通する。
支持部材36の図3、図10及び図11における右方に到達した冷却水は、第1水路44の第2連通路56(図8参照)を介して基台34に戻り、さらに、第3連通路58及び架台22の第2接続部52を経由し、該第2接続部52に接続された冷却水チューブを介して架台22の外部へ排出される。
上記のようにして冷却水を支持部材36の内部に流通させた後、第1突出部12及び第2突出部14が形成された円筒体W2(図2参照)の内部に支持治具20を通す。そして、該円筒体W2の内周壁を支持部材36の湾曲上面に当接させる。
次に、円筒体W2を支持部材36の湾曲上面に沿って変位させ、該円筒体W2の一端面の上方を第1整列盤84及び第2整列盤86に当接させる。
次に、摩擦撹拌接合用装置を構成する図示しない押止手段によって、比較的小さな押止力で円筒体W2の外周壁面を押圧し、これにより円筒体W2が開くことを阻止する。
次に、図示しない第2変位機構の作用下に、整列用押圧部材80を図5における右方に変位させる。この場合、先ず、整列用押圧部材80の先端部が円筒体W2の端面に当接し、これに伴って円筒体W2の一端面が整列用押圧部材80に押圧されることにより、円筒体W2が第1整列盤84、第2整列盤86に指向して変位する。
そして、例えば、第2凸部10bが第4凸部10dに先行して変位する場合、第2凸部10bが設けられている側の端面が第1整列盤84に当接することによって変位が停止する。この状態で、整列用押圧部材80の変位がさらに続行されると、最終的に、第4凸部10dが設けられている側の端面が第2整列盤86に当接する。これにより第4凸部10dが設けられている側の端面の変位が停止して、円筒体W2の両端面が整列する。換言すれば、円筒体W2の両端面が面一となる。勿論、この整列に伴って整列用押圧部材80の変位も停止する。
次に、第1変位機構32の作用下に第1把持部材28を図5の右方に変位させる。その結果、第1把持部材28の凹部24に第1突出部12が嵌合する。上記したような端面位置合わせ作業が施されているので、凹部24に嵌合した第1突出部12において、第1凸部10aと第3凸部10cの先端部同士が位置ずれしていることはない。
次に、把持シリンダ82を付勢して、ピストンロッド88を介して押圧盤92及び第2把持部材30を図5における左方に変位させる。最終的に、第2把持部材30の湾曲凹部96にピン94が進入するとともに、凹部26に第2突出部14が嵌合する。勿論、第2突出部14においても、第2凸部10bと第4凸部10d同士の先端部同士が位置ずれしていることはない。
以上のように第1突出部12及び第2突出部14が第2把持部材30及び第1把持部材28の各凹部24、26にそれぞれ嵌合することに伴って、円筒体W2が第1把持部材28及び第2把持部材30に把持される。
次に、前記押止手段の押圧力を大きくし、円筒体W2を、押止手段にて外周壁面側から押圧するとともに、支持部材36にて内周壁面側から押圧する。すなわち、円筒体W2を支持部材36及び押止手段で挟持し、該円筒体W2が開いて板材形状に戻ることを確実に阻止する。
この状態で、図示しない摩擦撹拌接合用工具にて、円筒体W2における直線状の当接端面を摩擦撹拌接合する。
具体的には、摩擦撹拌接合用工具を回転付勢した後、該摩擦撹拌接合用工具の先端部に設けられたプローブを第1突出部12の任意の位置に摺接させる。この摺接に伴って摩擦熱が発生し、第1突出部12におけるプローブの当接箇所が軟化することにより該プローブの先端部が第1突出部12に埋没する。
次に、回転体252の回転付勢を続行した状態で、摩擦撹拌接合用工具を第2突出部14に指向して移動させる。この際、軟化した円筒体W2における当接箇所の肉は、プローブにて撹拌されることに伴って塑性流動し、該プローブが移動した後に冷却固化することに伴って固相接合する。この現象が逐次的に繰り返されることにより、円筒体W2の当接箇所が一体的に固相接合されるに至る。
以上のようにして摩擦撹拌接合作業が遂行される間、円筒体W2にプローブが摺接することに伴って、該円筒体W2に摩擦熱及び加工熱が発生する。これらの熱は、支持部材36に伝達される。このため、支持部材36は、プローブが通過する箇所のみ温度が上昇する。
しかしながら、本実施の形態においては、基台34及び支持部材36に冷却水を流通させるようにしている。このため、支持治具20に伝達された熱は、冷却水によって速やかに除去される。これにより、支持部材36が所定の温度、例えば、50℃を上回ることのないように制御され、その結果、円筒体W2の温度が上昇することも抑制されるので、摩擦撹拌接合の最中に該円筒体W2にバリが発生することを回避することもできる。
しかも、この場合、支持部材36が耐熱性に著しく優れるSKH51からなるので、該支持部材36の温度勾配が著しく大きくなった場合においても亀裂が生じ難い。
円筒体W2の摩擦撹拌接合が終了した後、押止手段を円筒体W2から離間させる。さらに、把持シリンダ82及び前記第2変位機構の作用下に、第1把持部材28及び第2把持部材30を第1突出部12、第2突出部14からそれぞれ離間させて、円筒体W2を摩擦撹拌接合用装置から解放する。
円筒体W2を支持治具20から離脱させた後、最後に、第1突出部12及び第2突出部14を切断除去すれば、寸法精度が極めて良好なホイールリムが得られるに至る。
この切断除去作業を遂行する一方で、次なる円筒体W2が摩擦撹拌接合用装置にセットされる。この円筒体W2においても、内周壁面が支持部材36の湾曲上面に当接した状態で摩擦撹拌接合が実施される。その結果、支持部材36に熱衝撃が再び加わる。
しかしながら、上記したように、本実施の形態においては、支持部材36がSKH51で構成されている。このため、該支持部材36に熱衝撃が繰り返し加わった場合においても亀裂が生じ難い。具体的には、支持部材36の寿命がおよそ2ヶ月程度となる。すなわち、本実施の形態によれば、炭素鋼を使用した場合に比して著しく長期化することができる。
このように、本実施の形態においては、支持部材36をSKH51で構成することにより、長期間にわたって寿命が確保された支持部材36を得ることができる。従って、摩擦撹拌接合の材料コストを低廉化することができる。
支持部材36に亀裂が生じた場合、クランプ部材38(図3参照)を回動させて、円弧状凹部70からクランプ部材38を離脱させればよい。これにより支持部材36を基台34から容易に離脱させることができる。そして、新しい支持部材36を長尺溝48に挿入し、クランプ部材38を再度回動させてその一端部をクランプ部材38の円弧状凹部70に挿入させればよい。
このように、本実施の形態によれば、支持部材36を容易且つ簡便に交換することができるという利点がある。
なお、上記した実施の形態においては、支持部材36をSKH51で構成するようにしているが、Cr、Mo、V、Wの群から選択された2種以上を合金元素として含有するFe基合金の他の例としては、図12に示されるSUS403、SUH3、SKD61等が挙げられる。
また、この実施の形態では、円筒体であるホイールリムを設ける場合を例示して説明したが、特にこれに限定されるものではない。図9に示すように、基台34に設けられた嵌合凹部64にワーク端部支持盤62の嵌合凸部100を嵌合させ、該ワーク端部支持盤62の段部102に第1ワークW3、第2ワークW4を載置するとともに、これら第1ワークW3、第2ワークW4の当接した端面同士を支持部材36に載置すれば、板状の第1ワークW3、第2ワークW4同士を摩擦撹拌接合することもできる。なお、この場合、支持部材36として、上端面が平坦なものを使用すればよい。この場合においても、上記のようにしてクランプ部材38を回動させれば、容易且つ簡便に支持部材36を交換することができる。
さらに、摩擦撹拌接合を行うプローブを、例えば、圧縮エアによって冷却するようにしてもよい。これにより、摩擦撹拌接合用工具の本体が特に円筒体W2の外周壁面に指向して熱膨張を起こすことを回避することができる。このため、プローブの埋没量が略一定となるので、寸法精度が良好な製品を、バリを発生させることなく連続して得ることができる。
さらにまた、冷却媒体は冷却水に限定されるものではなく、オイル等を使用するようにしてもよい。
各隅角部に凸部を有するホイールリム用のワークの概略全体斜視図である。 図1のワークを湾曲させるとともに凸部同士を当接させることによって形成された突出部を有する円筒体の概略全体斜視図である。 本実施の形態に係る摩擦撹拌接合用支持治具の要部概略斜視図である。 前記支持治具の図3におけるIV−IV線矢視平面図である。 図3の支持治具が組み込まれた摩擦撹拌接合用装置の平面図である。 図3のVI−VI線矢視断面図である。 図3のVII−VII線矢視断面図である。 図3のVIII−VIII線矢視断面図である。 図3のIX−IX線矢視断面図である。 図3に示す支持治具を構成する支持部材の平面図である。 図3に示す支持治具を構成する支持部材の側面図である。 支持部材を構成する材質の組成を示す図表である。
符号の説明
10a〜10d…凸部 12、14…突出部
20…摩擦撹拌接合用支持治具 24、26…凹部
28、30…把持部材 32…変位機構
34…基台 36…支持部材
38…クランプ部材 44、46…水路
48…長尺溝 50、52…接続部
54、56、58…連通路 62…ワーク端部支持盤
64…嵌合凹部 66、68…凸部
70…円弧状凹部 80…整列用押圧部材
82…把持シリンダ 84、86…整列盤
88…ピストンロッド 92…押圧盤
100…嵌合凸部 102…段部
W1、W3、W4…ワーク W2…円筒体

Claims (5)

  1. ワークにおける当接した端面同士の一端面側から摩擦撹拌接合用工具を埋没させて前記端面同士を摩擦撹拌接合する際、該端面同士を他端面側から支持する摩擦撹拌接合用支持治具であって、
    Cr、Mo、V、Wの群から選択された2種以上を合金元素として含有するFe基合金からなることを特徴とする摩擦撹拌接合用支持治具。
  2. 請求項1記載の支持治具において、前記Fe基合金は、高速度工具鋼であることを特徴とする摩擦撹拌接合用支持治具。
  3. 請求項1又は2記載の支持治具において、上端面が湾曲していることを特徴とする摩擦撹拌接合用支持治具。
  4. ワークにおける当接した端面同士の一端面側から摩擦撹拌接合用工具を埋没させて前記端面同士を摩擦撹拌接合する際、該端面同士を他端面側から支持する摩擦撹拌接合用支持治具であって、
    基台と、
    前記基台上に載置され、且つ前記端面同士が載置される支持部材と、
    前記基台上に回動自在に取り付けられたクランプ部材と、
    を有し、
    前記支持部材の側面に設けられた凹部に前記クランプ部材が挿入されることによって前記支持部材が前記基台に連結されることを特徴とする摩擦撹拌接合用支持治具。
  5. 請求項4記載の支持治具において、前記基台及び前記支持部材に冷却媒体を流通させるための冷却媒体用通路が設けられていることを特徴とする摩擦撹拌接合用支持治具。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102186588B1 (ko) * 2019-09-19 2020-12-03 한국생산기술연구원 마찰교반용접용 백킹장치 및, 그 설치방법
WO2023166925A1 (ja) * 2022-03-04 2023-09-07 国立大学法人大阪大学 摩擦攪拌接合方法

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