JP2005218972A - 芳香族オレフィンの部分水素化触媒とその部分水素化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能であり、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できる、芳香族オレフィンの部分水素化触媒とそれを用いた部分水素化方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 芳香族オレフィンの部分水素化触媒は、第一の形態が、希土類元素の窒化物を主成分としてなる触媒であって、第二の形態は、その希土類窒化物を更にアンモニア処理して得られる触媒として実施するものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、芳香族オレフィンを部分水素化する方法に関し、特にはベンゼンを部分水素化してシクロヘキセンを製造する、芳香族オレフィンの部分水素化触媒とその部分水素化方法に関する。
芳香族オレフィンの部分水素化反応、即ち、選択的な水素化反応は、石油化学工業のキープロセスの一つであり、例えば、ベンゼンの部分水素化によりシクロヘキセンを生成することができ、このシクロヘキセンは、高い反応活性を有し、医薬品、食品、農薬、動物飼料、特殊化学品、などの優れた中間原料となっている。即ち、シクロヘキセンは水と反応してシクロヘキサノールを生じ、シクロヘキサノールは脱水素によりシクロヘキサノンとなる。又、シクロヘキセンは、適当な条件下で直接に酸化されてアジピン酸になり、アジピン酸はナイロン66の原料である。ナイロン66は産業において広く用いられるプラスチック材料であり、例えば、車両部品、運動用具、電子製品などの種々の生活用品の製造に用いられている。
一般に、芳香族オレフィンの部分水素化は、触媒を用いた触媒反応で行われており、例えば、ベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセン生成用の触媒としては、これまでルテニウム触媒を中心に研究されてきた。かかる従来技術としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などが挙げられる。
特許文献1には、酸化ガリウム−酸化亜鉛のバイオキサイド上に沈着させた金属活性成分としてルテニウムを含む、芳香族オレフィンの部分水素化用触媒が開示され、その触媒と芳香族オレフィンを接触させる工程を含む、芳香族オレフィンの部分水素化方法が開示されている。又、その文献には、詳細には、高圧反応器中、反応温度150℃(423K)で、ベンゼンを含みなる油相と、水素を含みなる気相(水素の分圧3.72MPa)と、触媒を含みなる固相と、水酸化ナトリウム水溶液からなる水相との、四相混合反応系で行うベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセンの生成が例示され、概ね転化率60%で、選択率70%が得られたことが示されている。なお、転化率は、原料として反応系に供給されたベンゼンの全モル数に対する消費されたベンゼンのモル数の割合として定義され、選択率は、消費されたベンゼンの全モル数に対する生成したシクロヘキセンのモル数の割合として定義されている。かかる定義は、一般的なものであって、本明細書においてもこれを採用する。
特許文献2には、ルテニウムを含有する化合物を水素イオン濃度7未満の溶液中で還元することによって得られる触媒を用いる、芳香族化合物の部分水素化によるシクロオレフィン類の製造方法が開示され、詳細には、撹拌翼を備えたオートクレーブ中、反応温度150℃(423K)で、ベンゼンを含みなる油相と、水素を含みなる気相(水素の分圧5MPa)と、触媒を含みなる固相と、硫酸コバルト水溶液からなる水相との、四相混合反応系で行うベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセンの生成が例示され、概ね転化率65%で、選択率70%が得られたことが示されている。
同様に、特許文献3には、ルテニウムとニッケルの合金からなる触媒を用いた、ベンゼンの部分水素化によりシクロヘキセンを製造する方法が開示され、詳細には、油相・気相・固相・水相の四相混合反応系で行うベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセンの生成が例示され、概ね転化率55%で、選択率60%が得られたことが示されている。
なお、製造プロセスが複雑になり、生成物の分離精製や回収工程に多くの困難を伴うにもかかわらず、かかる従来技術で水相を含む四相混合反応系を用いているのは、高い選択性を得るためである。即ち、四相混合反応系では、ベンゼンの水素化反応は、水に溶解したベンゼンと水素が触媒表面に吸着されその触媒表面で反応が生じるといったように、水相で進行するが、一般に、水への溶解度はベンゼンに比べてシクロへキセンの方が低いため、水素化生成したシクロへキセンは直ちに油相へ拡散し、その結果、シクロヘキサンへの逐次水素化が抑えられ、四相混合反応系では高い選択性を得ることができる。従って、この四相混合反応系において水相は、ベンゼン水素化の反応場であると同時に、ベンゼンとシクロへキセンの水に対する溶解性の違いを利用して、生成したシクロへキセンのシクロヘキサンへの逐次水素化を抑制するという重要な働きをしている。
以上のように、ルテニウム触媒は、ベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセン生成用として優れた触媒であるが、芳香族オレフィンの部分水素化反応は、上述のように、石油化学工業のキープロセスの一つであって、より高効率な製造プロセスへの転換を目指し、引き続き、新規な触媒の開発が求められている。特には、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、製造プロセスが複雑になり、生成物の分離精製や回収工程に多くの困難を伴う油相・気相・固相・水相の四相混合反応系ではなく、生成物の分離精製等を容易に行うことができる、油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能な、新規な触媒の開発が求められている。
一方、本発明者らは、4f軌道を有する電子構造と高配位能などの特性に基づく触媒作用の発現が期待でき、触媒材料としての利用が期待されている希土類元素に着目し、永らく希土類系触媒の研究・開発を行ってきた。即ち、例えば、希土類元素の液体アンモニアへの溶解性を利用することによって、通常の方法では得られない新規な希土類系触媒が調製できることを明らかにし、更にそれらが特異な触媒特性を示すことを報告した(例えば、非特許文献1)。
その希土類系触媒の研究・開発の一環として、本発明者らは、希土類系触媒をベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセン生成用として適用する研究を開始し、その過程で既に、希土類アミドがベンゼンの部分水素化に有効であることを見出した。即ち、本発明者らは、ベンゼン部分水素化用の触媒としては、イッテルビウム(Yb)やユーロピウム(Eu)の液体アンモニア溶液からの析出生成物が、シクロヘキセンやシクロヘキサジエンへの高選択的水素化能を有すことを明らかにし(例えば、非特許文献2)、又、液体アンモニアに溶解したYbやEuが、シリカの表面水酸基と反応して得られるシリカ固定化希土類アミドも、ベンゼン部分水素化に活性を示すことを報告した(例えば、非特許文献3、非特許文献4)。
然しながら、かかる本発明者らの従来技術は、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能な触媒ではあるが、未だ十分な水素化活性と高選択性とを有す触媒を提供するに至ってはいない。
なお、本発明は芳香族オレフィンの部分水素化触媒として希土類窒化物を用いようとするものであるが、液体アンモニアに対する溶解性を有する金属に関し、その好適な窒化物の調製方法として、先ず、金属と液体アンモニアとを接触させてアミドを合成し、しかる後、そのアミドを、所定の温度まで加熱することによって、熱分解処理して窒化するハーデンフェルト(Hadenfeldt)らの方法が知られている(例えば、非特許文献5)。
特開2000−279812号公報 特開平11−222447号公報 特開平05−255136号公報 H. Imamura, in "Handbook on the Physics and Chemistry of Rare Earths", eds. K. A. Gschneidner, Jr. and L. Eyring, vol. 29: North-Holland, Amsterdam, 2000, p. 45. H. Imamura, K. Nishimura, K. Sumioki, M. Fujimoto and Y. Sakata, Chem. Lett., 2001, 450. H. Imamura, T. Kumai, K. Nishimura, T. Nuruyu and Y. Sakata, Catal. Lett., 2002, 82, 69. H. Imamura, T. Konishi, Y. Sakata, and S. Tsuchiya, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1993,1852. C. Hadenfeldt, H. Jacob's and R. Juza, Z. Anorg. Allg. Chem., 1970, 144, 379.
本発明は、芳香族オレフィンを部分水素化する技術に係る上述した状況に鑑みなされたもので、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能であり、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できる、芳香族オレフィンの部分水素化触媒とそれを用いた部分水素化方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するための手段として、次のような構成の芳香族オレフィンの部分水素化触媒とその部分水素化方法を採用する。即ち、請求項1の発明は、芳香族オレフィンを部分水素化するための触媒であって、希土類元素の窒化物を主成分としてなる触媒であることを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化触媒である。
請求項2の発明は、本発明の触媒の第二の形態であり、芳香族オレフィンを部分水素化するための触媒であって、希土類元素の窒化物を主成分としてなる触媒をアンモニア処理して得られる触媒であることを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化触媒である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記希土類窒化物のアンモニア処理は、該希土類窒化物とアンモニアとを接触させる工程を含む処理であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の発明において、前記芳香族オレフィンはベンゼンであり、選択的に前記部分水素化して得られる生成物はシクロヘキセンであることを特徴とする。
請求項5の発明は、好適に実施し得る具体的な希土類元素に係り、請求項1乃至請求項4の発明において、前記希土類元素は、Yb、Eu、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luのいずれか1つ又は複数であることを特徴とする。
請求項6と請求項7の発明は、希土類窒化物の合成法の形態に係る発明であって、請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の発明において、前記希土類窒化物は、希土類元素と液体アンモニアとを接触させて合成した希土類アミドを熱分解処理して得られた窒化物であることを特徴とし、請求項7の発明は、その希土類アミドの熱分解処理は、真空排気雰囲気中、該希土類アミドを所定温度まで加熱し、所定時間その温度を保持する工程を含む処理であることを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化触媒である。
請求項8から請求項10までの発明は、芳香族オレフィンの部分水素化方法である。即ち、請求項8の発明は、触媒を用いて芳香族オレフィンを部分水素化する方法であって、該触媒として、請求項1乃至請求項7の触媒を用いることを特徴とし、請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記芳香族オレフィンの部分水素化は、原料である該芳香族オレフィンとその水素化生成物を含みなる油相と、水素を含みなる気相と、前記触媒を含みなる固相との、三相混合反応系で行う水素化であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記油相は、アンモニアを含みなる油相であり、前記気相は、アンモニアを含みなる気相であり、前記三相混合反応系で行う水素化の反応中、前記触媒のアンモニア処理が並行して進行することを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化方法である。
本発明によれば、以下、詳細に説明するように、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能であり、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できる、芳香族オレフィンの部分水素化触媒とそれを用いて行う部分水素化方法を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、以下では、説明を簡明にするため、主には、ベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセンの生成について説明するが、本発明は、これに限定されることなく、他の芳香族オレフィンの選択的な部分水素化にも適用できるものである。又、以下では、本発明の芳香族オレフィンの部分水素化方法の説明などは、主として、バッチ処理を例として説明するが、本発明は、連続処理などとして実施することもできる。
本発明は、上述の如く、本発明者が永らく続けてきた、4f軌道を有する電子構造と高配位能などの特性に基づく触媒作用の発現が期待できる、希土類元素を触媒材料とした希土類系触媒の研究・開発の成果の1つであって、本発明の芳香族オレフィンを部分水素化するための触媒は、大きくは2つの形態として実施するものである。
即ち、その第一の形態は、希土類元素の窒化物を主成分としてなる触媒(以下、「希土類窒化物」と略称することがある)であって、この実施の形態によれば、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能であり、高い水素化活性を有する触媒として実施することができる。
この希土類窒化物は、高い水素化活性を有する触媒ではあるが、転化率を高めようとすると、選択率が敏感に低下する傾向があるため、特には、第二の形態、即ち、その希土類窒化物を更にアンモニア処理して得られる触媒の形態として実施するのが好ましい。この実施の形態によれば、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能であり、又、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できる触媒として実施することができる。
なお、本発明でいう希土類窒化物に対し行うアンモニア処理とは、希土類窒化物とアンモニアとを接触させる工程を含む処理を意味し、アンモニア処理は、特には、本発明を限定するものではないが、常温下、反応系内で希土類窒化物とアンモニアとを接触させることによって行うことができる。このアンモニア処理によって、その機序は明確ではないが、アンモニアと反応し、或いはアンモニアを吸着し、希土類窒化物の構造変化等が生じて、触媒特性の改善がなされるものと推定される。
かかるアンモニア処理は、具体的には、例えば、常温下、不活性ガスでの一種である窒素ガスの雰囲気中、定容積の耐圧容器からなる反応系内にアンモニア処理すべき所定量の希土類窒化物を入れ、その反応系内を真空排気して雰囲気ガスを除去し、しかる後、その反応系内に所定量のアンモニアガスを導入して、希土類窒化物とアンモニアガスとを接触させることによって行うことができる。
この導入するアンモニア量に対応して、希土類窒化物をアンモニア処理して作成した触媒の水素化活性が敏感に変動する。これは、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できるなど、アンモニア処理量によって水素化活性を容易に制御できることを意味し、触媒に求められる望ましい特性を有することを意味する。即ち、水素化活性が余り強いと、ベンゼンが過剰水素化されてシクロヘキサンになり易く、又、水素化活性が余り弱いと、シクロヘキセンの収率が低く経済的でなくなるため、触媒の活性を適当に調節できることが、触媒に求められる重要な特性の1つとなっており、本発明の部分水素化触媒は、この望ましい特性を有している。
なお、本発明の触媒は、このアンモニア処理を水素化反応に用いる前に予め行っておく形態の他、予めアンモニア処理することなく、水素化の反応系にアンモニアを共存させることによって、水素化の反応中にアンモニア処理が進行する形態として、或いは、予めアンモニア処理を行い更に、水素化の反応系にアンモニアを共存させ、水素化の反応中にアンモニア処理が進行する形態などとして実施することができる。アンモニア処理を予め行う形態によれば、そのアンモニア処理条件を精密に制御して実施することができ、アンモニア処理を水素化の反応と並行して行う形態によれば、水素化反応の進展に合わせ触媒特性を最適に制御して実施することができる。
本発明で触媒材料として好適に用いることができる希土類元素としては、Yb、Eu、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luなどが挙げられ、特には、液体アンモニアへの溶解性を有し、その溶解性を利用して特異な特性を有する希土類系触媒を調製することができる、Yb、Euなどが好ましい。これらの希土類元素は、従来技術の触媒材料であるルテニウム(Ru)と比較し、地球資源として豊富であり、安価でもある。即ち、地球資源としては、地球上に存在する元素の質量割合であるクラーク数の順位で比較し、Ruは73位であるのに対し、例えば、YbとEuはそれぞれ55位と58位であり、Ru の方が希少である。又、Ruを基準として市販価格を比較すると、YbとEuはそれぞれ概ね30%と70%であり、Ruの方が高価である。
本発明の希土類窒化物は、その合成方法を限定されるものではなく、例えば、希土類元素を、高温(600〜1200℃)、高圧(3〜100MPa)下、直接、窒素ガスやアンモニアガスで窒化して合成するなど、従来技術が制限なく使用できるが、特には、ハーデンフェルトらの方法(非特許文献5)によって、先ず、希土類元素と液体アンモニアとを接触させて希土類アミドを合成し、しかる後、その希土類アミドを、所定の温度まで加熱することによって、熱分解処理して窒化する方法が好ましい。この方法は、比較的、合成が容易であり、又、均一な生成物が得られる合成方法であって、本発明の希土類窒化物の調製法として優れている。
かかる希土類アミドの合成は、具体的には、例えば、常温、窒素ガス雰囲気下、定容積の耐圧容器からなる反応系内に所定量の希土類元素を入れ、次いで、その反応系内を真空排気して雰囲気ガスを除去し、しかる後、約193Kまで冷却して、その反応系内に所定量のアンモニアガスを導入して液化させ、次いで、常温近辺の高圧下、所定時間、希土類元素と液体アンモニアとを接触させることによって希土類アミドを合成する形態として実施することができる。
なお、この希土類アミドの合成において、液体アンモニアの生成を低温下で行い、その液体アンモニアと希土類元素との接触保持を常温近辺で行うのは、液体アンモニアの生成を容易とし、希土類アミドへの反応をし易くするためであって、この全てを低温下で行ってもよく、或いは、この全てを常温近辺で行うこともできる。
その希土類アミドの熱分解処理は、具体的には、例えば、常温、窒素ガス雰囲気下、定容積の耐圧容器からなる反応系内に所定量の希土類アミドを入れ、その反応系内を真空排気して雰囲気ガスを除去し、しかる後、真空排気を継続しながら、希土類アミドを所定温度まで加熱し、所定時間その温度を保持することによって、希土類アミドを熱分解し希土類窒化物を得る形態として実施することができる。
この希土類アミドを熱分解する温度に対応して、希土類窒化物の水素化活性が敏感に変動する。これは、上述したアンモニア処理量による水素化活性の制御と同様に、この熱分解温度によって、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できるなど、水素化活性を容易に制御できることを意味し、本発明の希土類窒化物の触媒は、触媒に求められる望ましい特性を有することを意味する。
なお、希土類アミドの熱分解では、通常、その加熱する温度により、イミドへの分解を経て、更に高温にすると、最終的に窒化物にまで分解することが知られており、例えば、Yb(NH2)2とEu(NH2)2は、それぞれ370K付近と500K付近の温度でイミドへの分解が生じ、それぞれ773Kと573K以上で窒化物に変化することが確かめられている。従って、希土類アミドを熱分解し、希土類窒化物を主成分としてなる触媒を得るためには、その熱分解温度は、この希土類アミドが窒化物に変化する温度でなければならない。
次に、本発明の芳香族オレフィンの部分水素化方法について説明する。即ち、本発明の芳香族オレフィンの部分水素化方法は、触媒を用いて芳香族オレフィンを部分水素化する方法であって、その触媒として、上述した本発明の触媒を用いるのがその実施の形態である。
具体的な反応条件等は、対象とする芳香族オレフィンの種類や、目的とする部分水素化生成物の種類、具体的に用いる本発明の触媒の種類、或いは、商業生産か実験室生産か、等によって、適宜、選択・設定すべきものであって、特に本発明を限定するものではない。
本発明の芳香族オレフィンの部分水素化方法は、従来技術と同様に、水相を含む四相混合反応系で部分水素化を行う形態として実施することもできるが、特には、芳香族オレフィンの部分水素化を、原料である芳香族オレフィンとその水素化生成物を含みなる油相と、水素を含みなる気相と、触媒を含みなる固相との、三相混合反応系で行う形態として実施するのが好ましい。かかる部分水素化を三相混合反応系で行う実施の形態によれば、製造プロセスを簡素にすることができる共に、水相と油相(ベンゼン部分水素化においては、ベンゼン、シクロへキセン、シクロヘキサンの混合物からなる油相)の分離が存在しないため、生成物の分離精製や回収工程が容易になる。
その部分水素化を三相混合反応系で行う形態としては、具体的には、例えば、常温、窒素ガス雰囲気下、定容積の耐圧容器からなる反応系内に所定量の触媒(固相)とベンゼン(油相)を入れ、その反応系内に所定圧の水素(気相)を接続・導入し、しかる後、反応系を所定温度まで加熱し、所定時間その温度を保持することによって、芳香族オレフィンの部分水素化を行うことができる。なお、かかるバッチ処理の他、連続処理等によって、本発明の方法を実施することもできる。
又、本発明の芳香族オレフィンの部分水素化方法は、予めアンモニア処理を行った触媒を用いる形態の他、予めアンモニア処理を行っていない触媒を用い、水素化の反応系にアンモニアを共存させることによって、水素化の反応中にアンモニア処理が進行する形態として実施することもできる。即ち、例えば、油相・気相・固相の三相混合反応系において、油相にアンモニアを含み、気相にアンモニアを含み、その三相混合反応系中、水素化反応と触媒のアンモニア処理が並行して進行する形態として実施することもできる。
以上のような実施の形態により、本発明は、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で部分水素化が可能であり、水素化活性を維持しながら高い選択性を実現できる、芳香族オレフィンの部分水素化触媒とそれを用いて行う部分水素化方法を提供することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。本実施例は、ハーデンフェルトらの方法(非特許文献5)によって、希土類アミドを合成し、しかる後、その希土類アミドを所定の温度まで加熱することによって熱分解処理して作成した希土類窒化物を、第一の形態の触媒とし、その希土類窒化物を更にアンモニア処理したものを第二の形態の触媒として、それぞれベンゼンの部分水素化に適用した実施例である。
使用した希土類元素は、YbとEuであり、純度99.9%の市販品(サントク(株))を用いた。アンモニアガスは、純度99.9%の市販品(岩谷産業(株))を精製した、99.99%純度ガスであり、ベンゼンは、純度99.9%の一級試薬品を更に精製した、99.99%純度品である。
希土類アミド(Yb(NH2)2とEu(NH2)2)の合成は、先ず、常温、窒素ガス雰囲気下、定容積(50cm3)のステンレス製耐圧反応管からなる反応系内に所定量(0.5g)の希土類元素を入れ、その反応系内を真空排気して雰囲気ガスを除去した。しかる後、ドライアイス/メタノールの冷却バスを用いて約193Kまで冷却して、その反応系内に所定量(約1350Ncm3)のアンモニアガスを導入して液化させた。液体アンモニアの生成により、希土類金属は、直ちに液体アンモニアに溶解し、青い均一な溶液が出現した。次いで、その液体アンモニア中、273K、高圧下(約0.7MPa)、所定時間(12〜24時間)、希土類元素と液体アンモニアとを接触させることによって希土類アミドの合成を行った。その後、大気圧下に減圧することによって残余のアンモニアを除去して、粉末状の希土類アミドを得た。
その希土類アミドの熱分解処理による希土類窒化物(YbNとEuN)への転化は、常温、窒素ガス雰囲気下、定容積(50cm3)のステンレス製耐圧反応管からなる反応系内に所定量(0.5g)の希土類アミドを入れ、その反応系内を真空排気して雰囲気ガスを除去し、しかる後、真空排気を継続しながら、希土類アミドを所定温度まで加熱し、所定時間(1時間)その温度を保持することによって行った。なお、熱分解処理する温度は、これをパラメータとして、種々、変えて実験を行った。以上のようにして、本発明の第一の形態の触媒を得た。
ベンゼンの水素化反応は、先ず、常温、窒素ガス雰囲気下、定容積(50cm3)のステンレス製耐圧反応管からなる反応系内に0.2gの触媒(固相)と5cm3のベンゼン(油相)とを入れ、その反応系内に所定圧(3MPa)の水素(気相)を接続・導入し、しかる後、反応系を所定温度(483K)まで加熱し、撹拌しながら、所定時間(3時間)その温度を保持することによって、油相・気相・固相の三相混合反応系でのベンゼンの水素化を行った。反応生成物の分析は、FIDガスクロマトグラフ((株)日立製作所 GC-163)を用いて行った(カラム:Unisole10T+KOH)。
図1は、Yb(NH2)2を熱分解処理する温度をパラメータとして、上述の如くして作成した第一の形態の触媒を用いて、上述の如く、ベンゼンの水素化を行った結果であって、転化率(図中、黒丸)と選択率(図中、白丸)とを示している。なお、図1中、希土類窒化物を主成分とする本発明の実施例は、Yb(NH2)2が窒化物に変化する773 K以上のものであり、その他は参考例である。
図1は、この触媒の触媒特性が、熱分解処理する温度に顕著に依存することを示している。即ち、この触媒の水素化活性は、熱分解温度の上昇(673〜1173 K)と共に増大し、具体的には、ベンゼン転化率が2 %から16 %に増加したことを示している。特に、触媒活性が、熱分解温度750〜820K付近で急激に増大したことを示しているが、この温度領域は、上述の如く、熱分解処理によりYb(NH2)2が最終的に窒化物にまで分解される温度(773K以上)に対応するものであって、図1は、希土類窒化物であるYbNを主成分とする触媒が、芳香族オレフィンであるベンゼンの水素化に高い活性を有し、更には、熱分解温度によりその活性を敏感に制御できることを示したものである。
一方、シクロヘキセン選択率は、図1に示すように、750K近辺に最大値を有するが、それでも5〜6 %と低く、820K以上の熱分解温度では更に低下し、シクロヘキセンが殆ど見られなくなった。即ち、この希土類窒化物の触媒は、高い水素化活性を有する触媒ではあるが、転化率を高めようとすると、選択率が敏感に低下した。
図2は、Yb(NH2)2と、熱分解温度をパラメータとした、その熱分解生成物のX線回析(XRD)測定の結果であって、XRDチャートである。図1と図2とを対比すると、図1の水素化活性の増大が、希土類窒化物YbNの生成に対応して生じていることが、より明確に分かる。
図3は、Eu(NH2)2について、同様に、Eu(NH2)2を熱分解処理する温度をパラメータとして、上述の如くして作成した第一の形態の触媒を用いて、上述の如く、ベンゼンの水素化を行った結果であって、転化率(図中、黒丸)と選択率(図中、白丸)とを示している。なお、図3中、希土類窒化物を主成分とする本発明の実施例は、Eu(NH2)2が窒化物に変化する573K以上のものであり、その他は参考例である。
図3に示したように、Eu(NH2)2を熱分解処理して得られた触媒は、上述のYb(NH2)2を熱分解処理して得られた触媒に比べて、転化率は最大でも4〜5%と低く、選択率は30〜40%と高いが、同様の特性を示している。即ち、水素化活性は、熱分解温度の上昇と共に、希土類窒化物EuNの生成(573K以上)に対応して増大し、一方、シクロヘキセン選択率は、熱分解温度の上昇と共に低下し、700K以上の熱分解温度ではシクロヘキセンが殆ど見られなくなった。
次に、上述した希土類窒化物(YbNとEuN)を更にアンモニア処理して得られた、第二の形態の触媒について、その実施例を説明する。このアンモニア処理は、常温、窒素ガスの雰囲気中、定容積(164cm3)のガラス製反応管からなる反応系内に所定量(0.2g)の希土類窒化物を入れ、その反応系内を真空排気して雰囲気ガスを除去し、しかる後、その反応系内に所定量のアンモニアガスを封入(5〜31Torr)して、希土類窒化物とアンモニアガスとを接触させることによって行ったものである。
図4は、Yb(NH2)2を熱分解して得られた触媒を更にアンモニア処理した触媒について、そのアンモニア処理量(ガスの封入量)をパラメータとして、上述の如くベンゼンの水素化を行った結果であって、熱分解温度1023Kと1173Kとについて、それぞれ転化率(図中、黒丸と黒三角)と選択率(図中、白丸と白三角)とを示したものである。
図4に示すように、シクロへキセン選択性は、アンモニア処理量を増やすと共に増大する傾向を示した。即ち、選択性は、熱分解温度1023Kでは、約17Torrのアンモニア処理によって最大62%にまで上昇し、熱分解温度1173Kでは、約22Torrのアンモニア処理によって最大75%にまで達した。これらの熱分解温度では、アンモニア処理前の触媒は、図1に示すように、選択率はゼロであり、図4は、アンモニア処理によって、選択性の著しい改善ができることを示すものである。
一方、図4に合わせて示すように、ベンゼン転化率は、アンモニア処理量を増やすと共に低下した。即ち、転化率は、熱分解温度1023Kでは、アンモニア処理前の約16%から、アンモニア処理に伴って徐々に低下し、選択率が最大の62%になった約17Torrのアンモニア処理では、転化率が3%となり、更に過剰のアンモニアを処理すると殆ど失活した。熱分解温度1173Kの触媒でも、図4に示すように、同様の傾向を示した。
即ち、この実施例は、アンモニア処理によって、YbNやEuNの水素化活性は徐々に低下するが、選択性は著しく改善できることを示し、アンモニア処理するこの第二の形態の実施例は、適度な処理によって活性を維持しながら高い選択性を実現できることを実証したものである。
このアンモニア処理により生じる触媒特性の改善は、現状、その機序は明確ではないが、アンモニアと反応し、或いはアンモニアを吸着し、希土類窒化物の構造変化等が生じてなされたものと推定される。
即ち、例えば、YbNは、上述のようにしてアンモニアを接触させると、直ちに反応して数分以内に全てのアンモニアを吸収し、それと同時にこげ茶から赤茶色に変化しており、これは、ここでのアンモニア処理が、アンモニアの単なる表面吸着ではなく、窒化物とのバルクを含めた反応を伴っていることを示唆するものであり、窒化物から別の状態へ変化したことを示唆している。又、アンモニア処理後の試料のXRD回折ピークは、低角側にシフトし、その程度はアンモニア処理量に依存するものであった。更に又、処理されたアンモニアは、473Kに加熱しても触媒から脱離することはなく、800K付近でH2とN2として脱離し、その時のXRDはアンモニア処理前のYbN回折パターンに戻っていた。
これらはいずれも、アンモニア処理による触媒特性の改善は、アンモニアの単なる表面吸着により生じたものではなく、アンモニアと反応し、或いはアンモニアを吸着することによって生じる、希土類窒化物の構造変化が深く係わっていることを示唆するものである。
なお、上述した、アンモニア処理によるXRD回折ピークの低角側へのシフトは、図2に示す如く、窒化物YbNからイミドYbNHへの転化を示唆するものであるが、YbNを経ることなく、Yb(NH2)2 を、熱分解する温度を下げて、直接的にイミドに転化させても、有効な触媒特性を有する触媒を得ることはできなかった。
以上、詳細に説明した実施例によれば、希少資源であり高価でもあるルテニウムを用いることなく、更には、生成物の分離精製等が容易な油相・気相・固相の三相混合反応系で、ベンゼンの部分水素化によるシクロヘキセンの生成が可能であり、その水素化活性を維持しながら高い選択性を実現してシクロヘキセンを生成することができる。
本実施例でのシクロヘキセン収率は未だ低いものであるが、本発明は新規な触媒を提供するものであって、その触媒特性を容易に制御できることが特徴の1つであり、例えば、希土類アミドを熱分解する温度や、希土類窒化物に対するアンモニア処理量などを調整することにより、更なる高活性化、高選択性への発展が望めるものである。
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。
Yb(NH2)2を熱分解処理する温度をパラメータとして、Yb(NH2)2を熱分解処理して得られた第一の形態の触媒を用いて、ベンゼンの水素化を行った結果であって、転化率(図中、黒丸)と選択率(図中、白丸)とを示している。 Yb(NH2)2と、熱分解温度をパラメータとした、その熱分解生成物のX線回析(XRD)測定の結果であって、XRDチャートである。 Eu(NH2)2を熱分解処理する温度をパラメータとして、Eu(NH2)2を熱分解処理して得られた第一の形態の触媒を用いて、ベンゼンの水素化を行った結果であって、転化率(図中、黒丸)と選択率(図中、白丸)とを示している。 Yb(NH2)2を熱分解して得られた触媒を更にアンモニア処理した触媒について、そのアンモニア処理量(ガスの封入量)をパラメータとして、ベンゼンの水素化を行った結果であって、熱分解温度1023Kと1173Kとについて、それぞれ転化率(図中、黒丸と黒三角)と選択率(図中、白丸と白三角)とを示したものである。

Claims (10)

  1. 芳香族オレフィンを部分水素化するための触媒であって、希土類元素の窒化物を主成分としてなる触媒であることを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  2. 芳香族オレフィンを部分水素化するための触媒であって、希土類元素の窒化物を主成分としてなる触媒をアンモニア処理して得られる触媒であることを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  3. 前記希土類窒化物のアンモニア処理は、該希土類窒化物とアンモニアとを接触させる工程を含む処理であることを特徴とする請求項2記載の芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  4. 前記芳香族オレフィンはベンゼンであり、選択的に前記部分水素化して得られる生成物はシクロヘキセンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  5. 前記希土類元素は、Yb、Eu、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luのいずれか1つ又は複数であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  6. 前記希土類窒化物は、希土類元素と液体アンモニアとを接触させて合成した希土類アミドを熱分解処理して得られた窒化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  7. 前記希土類アミドの熱分解処理は、真空排気雰囲気中、該希土類アミドを所定温度まで加熱し、所定時間その温度を保持する工程を含む処理であることを特徴とする請求項6記載の芳香族オレフィンの部分水素化触媒。
  8. 触媒を用いて芳香族オレフィンを部分水素化する方法であって、該触媒として、請求項1乃至請求項7記載の触媒を用いることを特徴とする芳香族オレフィンの部分水素化方法。
  9. 前記芳香族オレフィンの部分水素化は、原料である該芳香族オレフィンとその水素化生成物を含みなる油相と、水素を含みなる気相と、前記触媒を含みなる固相との、三相混合反応系で行う水素化であることを特徴とする請求項8記載の芳香族オレフィンの部分水素化方法。
  10. 前記油相は、アンモニアを含みなる油相であり、前記気相は、アンモニアを含みなる気相であり、前記三相混合反応系で行う水素化の反応中、前記触媒のアンモニア処理が並行して進行することを特徴とする請求項9記載の芳香族オレフィンの部分水素化方法。

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