JP2005218471A - 棺 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蓋体を容易に取り扱うことができる棺、並びに、火葬場の規格等に合わないような形状、寸法及び材質等を比較的自由に選択できる外棺を備える棺を提供すること。
【解決手段】 外棺8内に内棺9が収容され、外棺8は、開口部20を有する外箱体10と、開口部20を覆う第1及び第2の外蓋体11、12とを備え、第1及び第2の外蓋体11、12は、閉蓋状態でそれぞれが開口部20の長手方向に沿う矩形の形状であり、開口部20の幅方向に沿って配置されるものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、蓋体を容易に取り扱うことができる棺、及び外棺内に内棺が収容されている棺に関する。
従来の棺として、例えば図12に示すものがある(例えば、特許文献1参照。)。この棺1は、直方体形状の箱体2を有し、箱体2は上方に開口する開口部が蓋体3によって閉じられている。蓋体3には、拝顔用窓4が形成されており、この拝顔用窓4は窓蓋5、5によって閉じられている。この棺1によると、窓蓋5、5を開けることによって拝顔することができる。そして、花や遺品等の副葬品は、蓋体3を箱体2から取り外した状態にして箱体2内に納めることができる。そして、この取り外された蓋体3は、副葬品を箱体2内に入れるときの邪魔にならないように、会場の壁等に立て掛けられる。
特開2003−305093号公報
しかし、図12に示す従来の棺1では、花等の副葬品を棺1内に納めるときに、蓋体3を壁等に立て掛けるが、嵩の大きい蓋体3を箱体2から取り外して壁の所まで持って行くときや、壁に立て掛けられた蓋体3を箱体2の所まで持って来るときに、蓋体3を壁や天井、若しくは参列者等に接触させることがあり、このような事は避けなければならない。
なお、蓋体3を壁等に立て掛けないようにするために、例えば棺1が載置されている台上に、蓋体3を横に倒した状態にして箱体2に立て掛けることも考えられる。しかし、蓋体3の横幅W1が箱体2の高さH1よりも大きいので、蓋体3の長手方向に沿う縁部が箱体2の側壁上縁部よりも上方に突出することとなり、蓋体3が副葬品を納めるときの邪魔になるし、見栄えが悪い。
また、図12に示す従来の棺1では、火葬場の規格(火葬炉で火葬できる規格等)に合うように形成する必要がある。つまり、火葬することができる材質(例えば木製)にする必要があるし、火葬場の火葬炉に入れることができる寸法にする必要がある。しかも、霊柩車に乗せられる大きさに形成する必要もある。
従って、従来の棺1では、形状や寸法等を選択するときの幅が狭いので、葬儀を行う者の棺に対する要望を十分に満たすことができなかった。
また、例えば葬儀会場では、火葬場の規格外の形状及び寸法等の棺に遺体を納棺して葬儀を行い、火葬場において、規格外の棺に納められた遺体を規格内の棺1に移し替えて火葬することがある。しかし、火葬場で遺体を別の棺1に移し替えることは、遺族の心情を察すると好ましくないことである。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、蓋体を容易に取り扱うことができる棺、並びに、形状、寸法及び材質等を比較的自由に選択できる外棺内に、例えば火葬場の規格等に合った内棺が収容されている棺を提供することを目的としている。
本発明は、周壁縁部によって形成された開口部を有する箱体と、前記開口部を覆う蓋体とを備える棺において、前記蓋体は、閉蓋状態でそれぞれが前記開口部の長手方向に沿う形状であり、前記開口部の幅方向に沿って配置される第1の蓋体及び第2の蓋体から成ることを特徴とするものである。
この発明の棺によると、第1及び第2の蓋体を箱体開口部の幅方向に沿って配置することによって、この開口部を覆うことができる形状であるので、第1及び第2の蓋体のそれぞれの幅を、1枚の蓋体とした場合と比較して小さくすることができる。よって、第1及び第2の蓋体のそれぞれの幅が箱体の高さよりも小さくなるように形成することが可能である。このように形成すると、例えば第1及び第2の蓋体を開けたときに、各蓋体を横に倒した状態にして箱体の長手方向の各側壁に引っ掛けて装着するようにできるし、棺が載置されている台上に、各蓋体を横に倒した状態にしてそれらの各側壁に立て掛けることもできる。なぜなら、各蓋体を箱体に装着したり立て掛けた状態で、各蓋体の長手方向と平行する縁部が箱体の側壁上縁部よりも上方に突出する量を小さくできるし、全く突出しないようにもできるので、各蓋体が副葬品を納めるときの邪魔にならないからである。
そして、この発明において、前記第1及び第2の蓋体が閉蓋状態で互いに向かい合うそれぞれの縁部に突起が設けられ、前記第1及び第2の蓋体の各内面を前記箱体の一対の長手方向に沿う各側壁外面にそれぞれ対向させた状態で、前記各突起が前記箱体の長手方向に沿う各側壁縁部に係合可能であるようにできる。このようにすると、第1及び第2の蓋体を開けたときに、各蓋体の内面を箱体の長手方向の各側壁外面にそれぞれ対向させた状態で、それぞれの突起をそれら各側壁縁部に係合させて、第1及び第2の各蓋体を吊り下げることができる。従って、第1及び第2の蓋体が副葬品を納めるときの邪魔にならないようにすることができる。
また、この発明において、前記箱体の幅方向に沿う側壁縁部に突条及び溝部のうちの一方を設け、前記突条及び溝部の一方に嵌り合って案内される凹部及び凸部のうちの一方を前記第1及び第2の蓋体のそれぞれに形成したものとすることができる。このようにすると、第1及び第2の蓋体を開けるときは、各蓋体に設けられているそれぞれの凹部又は凸部を、箱体の幅方向の各側壁縁部に設けられている突条又は溝部に嵌合させて、この嵌合させた状態で、各蓋体を幅方向の外側に互いに離れる方向に移動させる。このようにして、開蓋状態にすることができる。そして、各蓋体を上記と逆の方向に移動させることによって、閉蓋状態にすることができる。このように、各蓋体を短い移動距離で静かに開蓋位置又は閉蓋位置に向かわせることができる。
更に、この発明において、前記第1及び第2の蓋体に拝顔用窓、及び前記拝顔用窓を覆う窓蓋を設けるようにしてもよい。このようにすると、第1及び第2の蓋体を開けずに、窓蓋を開けることによって拝顔することができて便利である。
そして、この発明の棺を外棺とし、前記外棺内に内棺が収容されているものとすることができる。このようにすると、例えば内棺を火葬できるように火葬場の規格に合うような形状、寸法及び材質等に形成し、外棺を火葬しないものとすることができる。これによって、外棺の形状、寸法及び材質等を比較的自由に選択できて、火葬場の規格外となるような形状等に形成することもできる。よって、葬儀を行う者の棺に対する要望を十分に満たすことができる。
また、前記外棺の長手方向の各端部のうち少なくとも一方の端部に前記内棺の出し入れ口を設けると共に、前記内棺を前記出し入れ口に対する出し入れ方向に案内する案内部を設け、更に前記出し入れ口を覆う扉を設けてもよい。このようにすると、内棺が案内部に案内されるので、内棺を外棺に対して簡単に出し入れすることができ、遺体を丁重に扱うことができる。つまり、遺体が納められている内棺を、出し入れ口に通して外棺内に簡単に納めることができるし、外棺内に収納されている内棺を、この出し入れ口から取り出して例えば霊柩車に簡単に乗せることができる。
更に、前記案内部は、前記内棺を支持するローラとすることができる。このようにすると、内棺を移動させるときに、内棺と外棺との間の摩擦抵抗を小さくできる。
この発明の棺によると、例えば花等の副葬品を棺内に納めるために、第1及び第2の蓋体を開けたときに、各蓋体を箱体の長手方向の各側壁に装着したり、立て掛けることができるように形成できる。このように形成すると、図12に示す従来の棺の蓋体のように、壁等に立て掛ける必要がなく、従って、第1及び第2の蓋体を壁や天井、若しくは参列者等に接触させるような事は起こりえない。
以下、本発明に係る棺の実施形態を図1等を参照して説明する。この棺7は、図1に示すように、外棺8の内側に内棺9が収容されているものである。内棺9は、例えば火葬できるように火葬場の規格(火葬炉に収容できて、火葬できるものである等の規格)に合うような形状、寸法及び材質(例えば木製)等に形成してある。そして、外棺8は、火葬されないものであり、例えば火葬場の規格外の形状、寸法及び材質等に形成してある。もちろん、外棺8を火葬場の規格に合う形状等にしてもよい。この外棺8は、外箱体10と、第1及び第2の外蓋体11、12とを備えている。
外箱体10は、図1に示すように、外形がほぼ直方体の箱状体であり、長手方向に沿って互いに平行して配置された左側壁13及び右側壁14、並びに底壁15を備えている。そして、外箱体10の幅方向に沿う前側壁及び後側壁は、それぞれ第1及び第2の扉16、16で形成されている。これら2組の第1及び第2の扉16、16は、内棺9の出し入れ口17を開閉するためのものである。各組の第1及び第2の扉(16、16)、(16、16)は、それぞれ同等のものであるので、後側壁を形成するもの(図1の手前側に表れているもの)を説明し、前側壁を形成するものの説明を省略する。
第1及び第2の扉16、16は、図1に示すように、それぞれが左右に分かれて開く両開きの扉であって、それぞれが矩形の板状体である。そして、それぞれの外側に位置する各縁部が蝶番18を介して左側壁13の縁部、及び右側壁14の縁部と揺動自在に連結している。図7、図8及び図9は、第1及び第2の扉16、16を開いた状態を示す正面図、平面図及び左側面図である。
そして、図1に示すように、第1及び第2の扉16、16が閉じた状態で、それぞれの上縁に沿って上部枠19が配置されている。この上部枠19は、外箱体10の横幅方向に沿って配置され、横幅と同等の長さに形成されている。そして、このように配置された左側壁13、右側壁14、上部枠19、及び上部枠19の各上縁部によって外箱体10の矩形の開口部20が形成されている。この開口部20は、第1及び第2の外蓋体11、12によって開閉されるものである。
第1及び第2の外蓋体11、12は、図1に示すように、閉蓋状態でそれぞれが開口部20の長手方向に沿って延びるほぼ矩形の板状体であり、開口部20の幅方向に沿って配置されて閉蓋状態となるものである。そして、第1及び第2の外蓋体11、12の一方の端部側には、第1及び第2の外窓蓋21、22が設けられている。この第1及び第2の外窓蓋21、22は、それぞれが左右に分かれて開く両開きの扉であって、それぞれが矩形の板状体である。そして、それぞれの外側に位置する各縁部が蝶番23を介して第1及び第2の外蓋体11、12と揺動自在に連結している。図3は、第1及び第2の外窓蓋21、22を開いた状態を示す斜視図である。このように、第1及び第2の外窓蓋21、22を開くと、第1及び第2の外蓋体11、12に形成された矩形の拝顔用外窓24が開放された状態となる。
なお、図3に示すように、拝顔用外窓24が形成されている第2の外蓋体12の内桟25には、係止突起26が形成されている。この係止突起26は、第2の外窓蓋22が図1に示す閉蓋状態となったときに、第2の外窓蓋22と当接して、第2の外窓蓋22を位置決めして保持するためのものである。そして、第1の外窓蓋21の縁部には、係止部材27が設けられている。この係止部材27は、第1の外窓蓋21が図1に示す閉蓋状態となったときに、第1及び第2の外蓋体11、12、並びに第2の外窓蓋22の表面と当接して、第1の外窓蓋21を位置決めして保持するためのものである。また、図3に示すように、第1の外蓋体11の縁部表面には、縦桟28が設けられている。この縦桟28は、第1及び第2の外蓋体11、12が閉蓋状態となったときに、それぞれの蓋体の互いに向かい合う長手方向に沿う縁部を覆い、見栄えを良くするためのものである。
更に、図4に示すように、一対の各上部枠19には、突条29が設けられている。各突条29は、各上部枠19の内面に沿って配置され、各上部枠19から上方に向かって突出している。そして、これら各突条29に嵌り合うことができる凹部30が第1及び第2の外蓋体11、12のそれぞれに形成されている。各凹部30は、板状の突起31の各端部に形成されている。この突起31は、第1及び第2の外蓋体11、12が閉蓋状態にあるときに、互いに向かい合うそれぞれの外蓋体11、12の縁部に沿って設けられている。
これらの突条29及び凹部30は、図5に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12を、この外棺8の幅方向に案内して、開閉方向の移動を滑らかに行うことができるようにするものである。そして、第1及び第2の外蓋体11、12が閉蓋状態にあるときに、突条29と凹部30とが互いに嵌り合っているので、第1及び第2の外蓋体11、12が外棺8の長手方向に移動することを係止して、この閉蓋位置に確実に保持することができる。
そして、図4に示すように、各突起31は、第1及び第2の外蓋体11、12の各内面を外箱体10の左側壁13及び右側壁14の外面にそれぞれ対向させた状態で、各突起31が左側壁13及び右側壁14の各上縁部32にそれぞれ別々に係合可能に形成されている。これによって、第1及び第2の外蓋体11、12を、それぞれと対応する左側壁13及び右側壁14の各上縁部32に装着することができる。そして、各突起31には、板状の外れ止め部33が設けられている。この外れ止め部33は、図4に示すように、各突起31が左側壁13及び右側壁14の各上縁部32に係合した状態で、各上縁部32の内面と対向するように形成され、第1及び第2の外蓋体11、12が各上縁部32から外れないように留めておくためのものである。
次に、図1に示すように、外棺8の底壁15の上面に設けられているガイドローラ(案内部)34等を説明する。このガイドローラは、底壁15に固定されて設けられている第1のガイドローラ34を備えている。そして、この第1のガイドローラ34の両方の各端部に約90°の範囲で揺動自在に連結する第2及び第3のガイドローラ35、36を備えている。この第1のガイドローラ34と、第2及び第3のガイドローラ35、36とは、連結軸37を介して連結している。
図7、図8及び図9は、第2及び第3のガイドローラ35、36を伸ばした状態を示す正面図、平面図及び側面図である。第1、第2及び第3のガイドローラ34、35、36は、水平面上にほぼ一直線に伸びており、外棺8に設けられている内棺9の各出し入れ口17、17から外側に張り出した状態となっている。また、図8に示すように、第1、第2及び第3のガイドローラ34、35、36は、それぞれが所定の間隔を隔てて互いに平行して配置されているガイド(38、38)、(38、38)、(38、38)と、各ガイド38に設けられているローラ39、39、・・・とを備えている。
各ローラ39は、回動自在に各ガイド38に設けられている。そして、各ローラ39は、内棺9の底壁45の下面に当接してこの内棺9を支持し、内棺9を外棺8の各出し入れ口17、17に対する出し入れ方向に案内できる方向に取り付けられている。ガイド38は、図9に示すように、断面形状がL字状の部材であり、縦部材38a及び横部材38bを備えている。第1、第2及び第3のガイドローラ34、35、36のそれぞれ対に設けられているガイド38、38の互いに平行する縦部材38a、38aは、内棺9の横幅よりも少し長い間隔で配置されている。そして、各縦部材38aは、ローラ39上に配置されている内棺9の底壁45よりも上方に突出しており、内棺9を左右両側から挟み込むように形成されている。これによって、第1〜第3のガイドローラ34〜36が内棺9を案内して移動させるときに、内棺9がガイドローラから外れないようにこの縦部材38a、38aによって規制することができる。
また、図1に示すように、第1〜第3のガイドローラ34〜36には、第2及び第3のガイドローラ35、36を、第1のガイドローラ34に対して垂直に起立させた状態で固定するための固定ピン40が設けられている。このように、第2及び第3のガイドローラ35、36をこの起立位置で固定するのは、外棺8内に収容されている内棺9が、第1のガイドローラ34上を移動しないように、これら第2及び第3のガイドローラ35、36によって規制するためである。つまり、第2及び第3のガイドローラ35、36を起立位置に固定すると、第2及び第3のガイドローラ35、36の各ローラ39が、内棺9の前側壁44及び後側壁44に当接した状態となり、内棺9を第1のガイドローラ34上の所定位置に留めておくことができる。
固定ピン40は、例えば第2のガイドローラ(又は第3のガイドローラ36)35を垂直に起立させた状態で、第1のガイドローラ34のガイド38の縦部材38aと、第2のガイドローラ(又は第3のガイドローラ36)35のガイド38の縦部材38aとに設けられた挿通孔に挿通することによって、第2のガイドローラ(又は第3のガイドローラ36)35を起立位置で固定することができる。
内棺9は、図1に示すように、外棺8内に形成された収容空間に収容できる大きさに形成されたものであり、内箱体41と、内蓋体42とを備えている。内箱体41は、外形がほぼ直方体の箱状体であり、長手方向に沿って互いに平行して配置された左側壁43及び右側壁43、並びに前側壁44、後側壁44、及び底壁45を備えている。そして、内蓋体42は、内箱体41の4枚の各側壁43等の上縁部によって形成された矩形の開口部を開閉することができる矩形の板状体である。そして、内蓋体42の一方の端部側には、第1及び第2の内窓蓋46、46が設けられている。この第1及び第2の内窓蓋46、46は、それぞれが左右に分かれて開く両開きの扉であって、それぞれが矩形の板状体である。そして、内窓蓋46、46のそれぞれの外側に位置する各縁部が蝶番を介して内蓋体42と揺動自在に連結している。この内窓蓋46、46を開くと、内蓋体42に形成された矩形の拝顔用内窓が開放された状態となる。
上記のように構成された棺7によると、図1に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12を外箱体10の開口部20の幅方向に沿って配置することによって、この開口部20を覆うことができる形状であるので、第1及び第2の外蓋体11、12のそれぞれの幅W2を、1枚の蓋体とした場合と比較して小さくすることができる。よって、第1及び第2の外蓋体11、12のそれぞれの幅W2が外箱体10の高さH2よりも小さくなるように形成することが可能である。このように形成すると、図4に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12を開けたときに、各外蓋体11、12の内面を外箱体10の左側壁13及び右側壁14の各外面にそれぞれ対向させた状態で、それぞれに設けられた各突起31をそれら各側壁13、14の上縁部32、32に係合させて、第1及び第2の各外蓋体11、12を吊り下げて装着すことができる。このように、各外蓋体11、12を外箱体10に装着した状態で、各外蓋体11、12の長手方向と平行する突起31側の縁部が外箱体10の左側壁13及び右側壁14の各上縁部32よりも上方に突出する量が比較的小さいので、花や遺品等の副葬品を内棺9内に納めるときに、各外蓋体11、12が邪魔にならない。
つまり、図12に示す従来の棺1では、花等の副葬品を棺1内に納めるときに、蓋体3を壁等に立て掛けるが、嵩の大きい蓋体3を箱体2から取り外して壁の所まで持って行くときや、壁に立て掛けられた蓋体3を箱体2の所まで持って来るときに、蓋体3を壁や天井、若しくは参列者等に接触させることがある。これに対して、この実施形態の棺7によると、図4に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12を外箱体10に装着できるので、第1及び第2の外蓋体11、12を壁や参列者等に接触させるような事は起こりえない。なお、副葬品を内棺9内に納めるまでは、図2及び図4に示すように、内棺9の内蓋体42を外しておく。内蓋体42は、例えば出棺する際に内箱体41に装着する。内蓋体42を内箱体41に装着するときは、参列者が比較的少なく広い場所で行う。これによって、内蓋体42が壁や参列者等に接触しないようにできる。
そして、この実施形態の棺7において、図2に示す閉蓋状態の第1及び第2の外蓋体11、12を開蓋状態にするときは、まず、図5に示すように、各外蓋体11、12に設けられているそれぞれの凹部30を、外箱体10の幅方向に設けられている突条29に嵌合させた状態で、各外蓋体11、12を幅方向の外側に互いに離れる水平方向に移動させる。このようにして、各外蓋体11、12を短い移動距離で静かに開蓋位置に向かわせることができる。そして、図6に示すように、各外蓋体11、12の内面を外箱体10の左側壁13及び右側壁14の各外面にそれぞれ対向させた状態にして、それぞれに設けられた各突起31をそれら各側壁13、14の上縁部32に係合させて、第1及び第2の各外蓋体11、12を吊り下げて装着する。このようにして、第1及び第2の外蓋体11、12を開蓋状態にすることができる。
次に、図6に示す開蓋状態の第1及び第2の外蓋体11、12を、図2に示す閉蓋状態にするときは、図6に示す第1及び第2の各外蓋体11、12を外箱体10の左側壁13及び右側壁14の上縁部32から外して、各外蓋体11、12に形成されている各凹部30を突条29に嵌合させる。そして、この嵌合させた状態で、図5に示すように、各外蓋体11、12を幅方向の内側に互いに接近する水平方向に移動させる。そして、第1及び第2の外蓋体11、12を互いに当接する位置まで移動させることによって、図2に示す閉蓋状態にすることができる。
また、この棺7は、図3に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12を開けずに、第1及び第2の外窓蓋21、22を開けることによって、内棺9内に納棺されている遺体の拝顔をすることができて便利である。なお、図1に示すように、内棺9が内蓋体42で閉じられている場合は、外棺8の第1及び第2の外窓蓋21、22、並びに内棺9の第1及び第2の内窓蓋46、46を開けることによって、拝顔することができる。
更に、この棺7によると、例えば内棺9を火葬できるように火葬場の規格に合い、しかも霊柩車48に乗せることができる形状、寸法及び材質等に形成し、外棺8を火葬しないし、霊柩車48にも乗せないものとすることができる。これによって、外棺8の形状、寸法及び材質等を比較的自由に選択できて、火葬場の規格外となるような形状等に形成することもできる。よって、葬儀を行う者の棺に対する要望を十分に満たすことができる。そして、外棺8を火葬しないようにすると、外棺8の複数回の使用が可能であり経済的である。
次に、外棺8内に収容されている内棺9を霊柩車48に乗せるときの手順を図10等を参照して説明する。まず、外棺8の内側に内棺9が収容されている棺7を台車47上に載置する。このとき、内棺9は、図1に示すように、第1のガイドローラ34上を移動しないように、第2及び第3のガイドローラ35、36によって規制されている。そして、内棺9は、内蓋体42によって閉じられている。次に、図10に示すように、台車47を移動させて、例えば棺7の遺体の頭部側を霊柩車48の後部に接近させる。そして、棺7の霊柩車48側に設けられている第1及び第2の扉16、16を開き、固定ピン40を外す。そして、第3のガイドローラ36を、起立位置から伸ばした状態にする。しかる後に、内棺9を第1及び第3のガイドローラ34、36上を移動させて、台車47上から霊柩車48内に乗せかえる。このようにして、外棺8に収容されている内棺9を霊柩車48に乗せることができる。次に、第3のガイドローラ36を起立位置に戻して固定ピン40によって固定する。そして、第1及び第2の扉16、16を閉じる。
また、例えば内棺9を外棺8内に入れるときは、まず、所望の側の第1及び第2の扉16、16を開き、固定ピン40を外す。そして、第3又は第2のガイドローラ36、35を、起立位置から伸ばした状態にする。しかる後に、内棺9を第1及び第3(又は第2)のガイドローラ34、36、(35)上を移動させて、外棺8内に移動させる。そして、第3又は第2のガイドローラ36、35を、伸ばした状態から起立位置に戻して、固定ピン40を装着して固定する。そして、第1及び第2の扉16、16を閉じる。このようにして、内棺9を外棺8内に入れることができる。
このように、内棺9が第1〜第3のガイドローラ34〜36に案内されるので、内棺9を外棺8に対して簡単に出し入れすることができ、遺体を丁重に扱うことができる。つまり、遺体が納められている内棺9を、出し入れ口17に通して外棺8内に簡単に納めることができるし、外棺8内に収納されている内棺9を、この出し入れ口17から取り出して例えば霊柩車48に簡単に乗せることができる。そして、内棺9は、ローラ39上を移動するので、内棺9と外棺8との間の摩擦抵抗を小さくでき、内棺9を小さい力で移動させることができる。
ただし、上記実施形態では、図4に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12を外箱体10に装着することによって開蓋状態にする構成としたが、これに代えて、例えば棺7が載置されている台(図示せず)上に、第1及び第2の各外蓋体11、12を横に倒した状態にしてそれらの各側壁13、14に立て掛けることもできる。このようにすると、第1及び第2の各外蓋体11、12の長手方向と平行する縁部が外箱体10の側壁上縁部32から全く突出しないようにできる。よって、第1及び第2の各外蓋体11、12が副葬品を納めるときの邪魔にならない。この場合は、第1及び第2の各外蓋体11、12に設けられている各突起31を省略してもよい。
そして、上記実施形態では、図5に示すように、第1及び第2の各外蓋体11、12に凹部30を設け、各凹部30を外箱体10に形成されている突条29に嵌り合わせて、各外蓋体11、12を開閉方向に移動させる構成としたが、これに代えて、第1及び第2の各外蓋体11、12に凸部を設け、各凸部を外箱体10に形成されている溝部に嵌り合わせて、各外蓋体11、12を開閉方向に移動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、図3に示すように、第1及び第2の外蓋体11、12に拝顔用外窓24、並びに第1及び第2の外窓蓋21、22を設けたが、これらを省略してもよい。
更に、上記実施形態では、図1に示すように、外棺8内に内棺9を収容し、この内棺9内に遺体を収容する構成としたが、これに代えて、内棺9を省略し、外棺8に直接に遺体を収容する構成としてもよい。この場合は、外棺8を火葬できるように火葬場の規格に合い、しかも霊柩車48に乗せることができる形状、寸法及び材質等に形成する。そして、その場合は、第1及び第2の扉16、16を省略して、その箇所の側壁を設けてもよい。
そして、上記実施形態では、図9に示すように、外棺8の両方の各端部に第1及び第2の扉16、16を設けた構成としたが、外棺8のいずれか一方の端部に第1及び第2の扉16、16を設けた構成としてもよい。
また、図7に二点鎖線で示すように、長さの比較的短い内棺9を使用する場合は、内棺9が第1のガイドローラ34上を移動しないように固定する必要がある。そのために、係止ピン49を第1のガイドローラ34に着脱自在に取り付けることができる。第1のガイドローラ34には、挿入孔を設けてあり、この挿入孔に係止ピン49を嵌合させることができる。この長さの短い内棺9は、係止ピン49と、起立位置に固定された第3のガイドローラ36とによって移動が規制されている。
以上のように、本発明に係る棺は、蓋体を容易に取り扱うことができるという効果を有する棺、並びに、遺体が納棺される内棺を火葬場の規格等に合うように形成し、外棺が火葬されないものとして、形状、寸法及び材質等を比較的自由に選択できる優れた効果を有する棺等に適用するのに適している。
この発明の実施形態に係る棺を示す斜視図である。 同実施形態に係る棺の内蓋体が取り外された状態を示す斜視図である。 同実施形態に係る棺の第1及び第2の外窓蓋を開いた状態を示す斜視図である。 同実施形態に係る棺の第1及び第2の外蓋体を外箱体に装着して開いた状態を示す斜視図である。 同実施形態に係る棺の第1及び第2の外蓋体を外箱体の突条に沿って開閉方向に移動させる状態を示す側面図である。 同実施形態に係る棺の第1及び第2の外蓋体を外箱体に装着して開いた状態を示す側面図である。 同実施形態に係る棺の第2及び第3のガイドローラを伸ばした状態を示す正面図である。 同実施形態に係る棺の第2及び第3のガイドローラを伸ばした状態を示す平面図である。 同実施形態に係る棺の第2及び第3のガイドローラを伸ばした状態を示す側面図である。 同実施形態に係る棺の内棺を霊柩車に乗せかえるときの状態を示す正面図である。 同発明の他の実施形態に係る棺であり、内棺を省略して使用される棺を示す斜視図である。 従来の棺を示す斜視図である。
符号の説明
7 棺
8 外棺
9 内棺
10 外箱体
11 第1の外蓋体
12 第2の外蓋体
13 左側壁
14 右側壁
16 第1及び第2の扉
17 出し入れ口
20 開口部
21 第1の外窓蓋
22 第2の外窓蓋
24 拝顔用外窓
29 突条
30 凹部
31 突起
32 上縁部
33 外れ止め部
34 第1のガイドローラ
35 第2のガイドローラ
36 第3のガイドローラ
37 連結軸
38 ガイド
39 ローラ
40 固定ピン
41 内箱体
42 内蓋体
46 第1及び第2の内窓蓋
47 台車
48 霊柩車
49 係止ピン

Claims (7)

  1. 周壁縁部によって形成された開口部を有する箱体と、前記開口部を覆う蓋体とを備える棺において、
    前記蓋体は、閉蓋状態でそれぞれが前記開口部の長手方向に沿う形状であり、前記開口部の幅方向に沿って配置される第1の蓋体及び第2の蓋体から成ることを特徴とする棺。
  2. 前記第1及び第2の蓋体が閉蓋状態で互いに向かい合うそれぞれの縁部に突起が設けられ、前記第1及び第2の蓋体の各内面を前記箱体の一対の長手方向に沿う各側壁外面にそれぞれ対向させた状態で、前記各突起が前記箱体の長手方向に沿う各側壁縁部に係合可能であることを特徴とする請求項1記載の棺。
  3. 前記箱体の幅方向に沿う側壁縁部に突条及び溝部のうちの一方を設け、前記突条及び溝部の一方に嵌り合って案内される凹部及び凸部のうちの一方を前記第1及び第2の蓋体のそれぞれに形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の棺。
  4. 前記第1及び第2の蓋体に拝顔用窓、及び前記拝顔用窓を覆う窓蓋を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の棺。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の棺を外棺とし、前記外棺内に内棺が収容されていることを特徴とする棺。
  6. 前記外棺の長手方向の各端部のうち少なくとも一方の端部に前記内棺の出し入れ口を設けると共に、前記内棺を前記出し入れ口に対する出し入れ方向に案内する案内部を設け、更に前記出し入れ口を覆う扉を設けたことを特徴とする請求項5記載の棺。
  7. 前記案内部は、前記内棺を支持するローラであることを特徴とする請求項6記載の棺。
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