JP2005217040A - フレキシブル配線基板の製造方法 - Google Patents

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基記 平岡
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毅 別所
Setsuhito Daiza
摂人 台座
Fumitaka Yoshinaga
文隆 吉永
Norichika Unrinin
納親 雲林院
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Abstract

【課題】耐屈曲性に優れファインピッチ化及び高アスペクト化された配線パターンを、小さな工数でフレキシブル基板上に形成する。
【解決手段】フレキシブル樹脂基板の表面とオゾン溶液とを接触させて処理基板を形成する工程と、処理基板の表面を無電解めっき処理して無電解めっき被膜を形成する工程と、無電解めっき被膜上に配線パターンを形成する工程と、を含む。
オゾン溶液処理によって無電解めっき被膜の密着性が向上し、しかも処理基板の表面が平滑である。したがって配線パターンの厚さを薄くでき、エッチング時の金属残渣も生じず、耐屈曲性に優れている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車、情報機器、家電製品などに用いられるフレキシブル配線基板の製造方法に関する。
携帯電話、ノートパソコンなどにおいては、持ち運びを容易とするとともに使用時には大きく表示するために、表示画面を折り畳み可能としたものが多い。このような場合には、表示画面と本体との間を結ぶ配線として、フレキシブル配線基板が用いられている。
このフレキシブル配線基板は、ポリイミド樹脂などから形成されたフィルム状のフレキシブル基板の表面に配線パターンを形成したものであり、配線パターンの密着性と耐屈曲性に優れていることが重要である。また配線パターンを形成するには、基板が非導電性の樹脂であることから、フレキシブル基板に予め銅箔が接着された銅箔付き基板を用い、それにセミアディティブ法などにより配線パターンを形成する方法、フレキシブル基板表面を前処理で粗化した後に無電解めっき処理して導電性めっき被膜を形成し、その表面に配線パターンを形成する方法、などが知られている。
銅箔付き基板を用いた場合には、耐屈曲性は良好であるが、銅箔の厚さが35μm程度と厚いために、その厚さだけエッチングして配線パターンを形成すると、パターンどうしの間隔が大きくなり、配線パターンのファインピッチ化、高アスペクト化には限界がある。近年では電子機器に一層のコンパクト化が求められ、配線基板にはさらなるファインピッチ化と高アスペクト化が求められているので、フレキシブル配線基板も例外ではない。
また特開平05−112872号公報には、特殊溶剤にフレキシブル基板を浸漬して膨潤させるプリエッチングを行い、次いでクロム酸・硫酸混液でエッチングをした後、無電解めっき処理し配線パターンを形成する方法が記載されている。しかしこの方法では、有害な薬品を使用しなければならず、後処理の問題がある。また基板表面が大きく粗化されるために、屈曲試験中に配線パターンにクラックが生じるなど耐屈曲性に問題があった。さらに、微細配線形成に有利なセミアディティブ法を用いる際のエッチング工程においては、粗化された基板表面の凹部に金属残渣が残るために、ファインピッチ化には不向きである。
そこで特開平10−065316号公報には、絶縁性フィルムの表面に接着剤を介さず乾式めっき法により下地金属層を形成し、その表面を有機アルカリ溶液で処理した後に無電解めっきにより0.01μm以上の厚さで銅導体層を形成し、次いで銅導体層の表面に5〜18μmの厚さで銅層を形成する2層フレキシブル基板の製造方法が記載されている。この方法によれば、配線のファインピッチ化が可能となり、欠陥のない配線パターンを形成することができる。しかしこの製造方法では、蒸着、スパッタリングなどの乾式めっき法を用いていること、実質的に3層の被膜を形成しなければならないことなどのために、工数が多大となるという不具合がある。
特開平05−112872号 特開平10−065316号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、耐屈曲性に優れファインピッチ化及び高アスペクト化された配線パターンを、小さな工数でフレキシブル基板上に形成することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のフレキシブル配線基板の製造方法の特徴は、フレキシブル樹脂基板の表面とオゾン溶液とを接触させ処理基板を形成するオゾン溶液処理工程と、処理基板の表面を無電解めっき処理して無電解めっき被膜を形成する無電解めっき処理工程と、無電解めっき被膜上に配線パターンを形成するパターン処理工程と、を含むことにある。
本発明のフレキシブル配線基板の製造方法によれば、処理基板の表面が平滑でありかつ無電解めっき被膜と基板との密着性が優れているので、耐屈曲性に優れた配線パターンを形成することができる。また無電解めっき被膜は薄く、その表面に形成される導体被膜も薄くすることができ、さらにパターン処理工程におけるエッチング時に金属残渣が残ることも抑制できるので、ファインピッチ化及び高アスペクト化された配線パターンを形成することができる。さらに、無電解めっき処理の前処理はオゾン溶液と基板とを接触させればよいので、工数も小さい。
本発明のフレキシブル配線基板の製造方法では、先ずフレキシブル樹脂基板の表面とオゾン溶液とを接触させ処理基板を形成するオゾン溶液処理工程が行われる。フレキシブル樹脂基板としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などから形成されたものを用いることができ、その厚さはフレキシブルの程度に応じて任意に決定される。一般的には、25〜75μmの厚さのものが用いられる。
オゾン溶液処理工程では、フレキシブル配線基板の少なくとも表面をオゾン溶液に接触させる。接触の方法としては、フレキシブル樹脂基板の少なくとも表面にオゾン溶液をスプレーしてもよいし、フレキシブル樹脂基板をオゾン溶液中に浸漬してもよい。浸漬によるフレキシブル樹脂基板とオゾン溶液との接触は、スプレーによるフレキシブル樹脂基板とオゾン溶液との接触に比べてオゾン溶液からオゾンが離脱し難いため好ましい。
オゾン溶液処理工程により、フレキシブル配線基板の表面に C=O及びC-OHから選ばれる少なくとも一方の極性基が多く形成されると考えられ、これによって無電解めっき被膜との密着性が向上する。オゾン溶液中のオゾン濃度は少なくとも表面層の活性化に大きく影響を及ぼし、 10ppm程度から活性化の効果が見られるが、100ppm以上とすればその活性化の効果が飛躍的に高まる。また濃度が低いと劣化の方が先行するので、オゾン濃度は高い方が好ましい。
なおオゾン溶液処理工程における処理温度は、原理的には高いほど反応速度が大きくなるが、温度が高くなるほどオゾン溶液中のオゾンの溶解度が低くなり、40℃を超える温度においてオゾン溶液中のオゾン濃度を100ppm以上とするには、処理雰囲気を大気圧以上に加圧する必要があり、装置が大がかりなものとなる。したがって処理温度は、装置を大掛かりにしたくない場合には、室温程度で十分である。
フレキシブル樹脂基板の少なくとも表面をオゾン溶液に接触させる時間は、4〜20分とするのが好ましい。4分未満では、オゾン濃度を100ppmとしてもオゾン処理した効果の発現が困難となり、20分を超えるとフレキシブル樹脂基板の劣化が生じるようになる。
オゾン溶液は極性溶媒を含むことが望ましい。極性溶媒を含むことでオゾン溶液中のオゾンの活性を高めることができ、オゾン溶液処理工程における処理時間を短縮することが可能となる。この極性溶媒としては水が特に好ましいが、アルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドなどを単独であるいは水やアルコール系溶媒と混合して用いることもできる。
オゾン溶液処理工程と同時に、紫外線を照射することも好ましい。フレキシブル樹脂基板の少なくとも表面とオゾン溶液とを接触させた状態で、少なくとも表面に紫外線を照射することによって、オゾン溶液中のオゾンのみならずオゾン溶液から発生する酸素に紫外線が照射されることで生成する酸素ラジカルにより、フレキシブル樹脂基板の表面が活性化される作用と、オゾン溶液中の溶媒が活性化した表面の活性基と結合して極性基を生成する作用と、紫外線照射によりフレキシブル樹脂基板に与えられる過剰な熱をオゾン溶液へ逃がすことにより熱ダメージを抑制する作用と、が相乗的に作用して、短時間の処理であってもフレキシブル樹脂基板の表面はきわめて活性が高くなり、付着性に優れた無電解めっき被膜を形成することができる。
したがって紫外線を照射するには、フレキシブル樹脂基板をオゾン溶液中に浸漬した状態で照射することが望ましい。このようにすれば、紫外線光源からの熱によるフレキシブル樹脂基板の変形や劣化を抑制することができる。
フレキシブル樹脂基板をオゾン溶液中に浸漬した状態で紫外線を照射するには、紫外線光源をオゾン溶液中に入れた状態で照射してもよいし、オゾン溶液の液面上方から照射してもよい。またオゾン溶液の容器を透明石英など紫外線透過性の材料から形成したものとすれば、オゾン溶液の容器外部から照射することもできる。
また、フレキシブル樹脂基板の少なくとも表面をオゾン溶液と接触させた後に紫外線を照射することもできる。この場合には、オゾン溶液との接触後1分間以内の短時間の間に紫外線を照射することが望ましい。この時間が長時間になると、オゾンと紫外線による相乗作用の発現が困難となり、短時間の処理では無電解めっき被膜の付着性が低下する場合がある。
オゾン溶液−紫外線照射処理工程におけるオゾン溶液と少なくとも表面層との接触時間は、フレキシブル樹脂基板の樹脂種によって異なるが、4〜20分とするのが好ましい。4分未満では、オゾン濃度を100ppmとしてもオゾン溶液処理による効果の発現が困難となり、20分を超えるとフレキシブル樹脂基板の劣化が生じるようになる。
またオゾン溶液−紫外線照射処理工程における紫外線の照射時間は、フレキシブル樹脂基板の樹脂種によって異なるが4〜15分とするのが好ましい。4分未満では紫外線照射による効果の発現が困難となり、15分を超えると熱によってフレキシブル樹脂基板の劣化が生じたり、無電解めっき被膜の付着強度が低下する場合がある。
オゾン溶液処理工程と無電解めっき処理工程の間に、オゾン溶液で処理された少なくとも表面に少なくともアルカリ成分を含むアルカリ溶液を接触させるアルカリ処理工程をさらに行うことが望ましい。アルカリ成分は、処理基板の表面を分子レベルで水に可溶化する機能をもち、表面の脆化層を除去して上記極性基をより多く表出させるため、無電解めっき被膜の付着性がさらに向上する。このアルカリ成分としては、処理基板の表面を分子レベルで溶解して脆化層を除去できるものを用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。
またアルカリ溶液には、陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方をさらに含むことも好ましい。この界面活性剤は、処理基板の表面に表出する極性基にその疎水基が吸着しやすいと考えられ、極性基の大部分に吸着させることができる。そして無電解めっき工程では、界面活性剤が吸着した処理基板が触媒と接触されると、触媒が上記極性基に吸着している界面活性剤の親水基に吸着すると考えられる。そして触媒が十分に吸着している処理基板に対して無電解めっき処理を施すことにより、界面活性剤が極性基から外れるとともにめっき金属が極性基と結合すると考えられ、より付着性に優れた無電解めっき被膜を形成することができる。
この界面活性剤としては、 C=O及びC-OHからなる少なくとも一方の極性基に対して疎水基が吸着しやすいものが用いられ、陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方が用いられる。陽イオン性界面活性剤及び中性界面活性剤では、無電解めっき被膜が形成できなかったり、効果の発現が困難となる。陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸カリウムなどが例示される。また非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどが例示される。
界面活性剤とアルカリ成分とを含むアルカリ溶液の溶媒としては、極性溶媒を用いることが望ましく、水を代表的に用いることができるが、場合によってはアルコール系溶媒あるいは水−アルコール混合溶媒を用いてもよい。またアルカリ溶液を処理基板の少なくとも表面と接触させるには、処理基板をアルカリ溶液中に浸漬する方法、少なくとも表面にアルカリ溶液を塗布する方法、少なくとも表面にアルカリ溶液をスプレーする方法などで行うことができる。
アルカリ溶液中の界面活性剤の濃度は、0.01〜10g/Lの範囲とすることが好ましい。界面活性剤の濃度が0.01g/Lより低いと無電解めっき被膜の付着性が低下し、10g/Lより高くなると、処理基板の表面に界面活性剤が会合状態となって余分な界面活性剤が不純物として残留するため、無電解めっき被膜の付着性が低下するようになる。この場合には、処理基板を水洗して余分な界面活性剤を除去すればよい。
またアルカリ溶液中のアルカリ成分の濃度は、pH値で12以上が望ましい。pH値が12未満であっても効果は得られるが、表出する上記極性基が少ないために、所定膜厚だけ無電解めっき被膜を形成するための時間が長大となってしまう。
アルカリ溶液と処理基板との接触時間は特に制限されないが、室温で1分以上とするのが好ましい。接触時間が短すぎると、極性基に吸着する界面活性剤量が不足して無電解めっき被膜の付着性が低下する場合がある。しかし接触時間が長くなり過ぎると、極性基が表出した層まで溶解して無電解めっきが困難となる場合がある。1〜5分間程度で十分である。また温度は高い方が望ましく、温度が高いほど接触時間を短縮することが可能であるが、室温〜60℃程度で十分である。
アルカリ処理工程では、アルカリ成分のみを含む水溶液で処理した後に界面活性剤を吸着させてもよいが、界面活性剤を吸着させるまでの間に再び脆化層が形成されてしまう場合があるので、陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方とアルカリ成分とが共存する状態で行うことが望ましい。
またオゾン溶液処理工程の後にアルカリ処理工程を行うのが好ましいが、場合によってはオゾン溶液処理工程とアルカリ処理工程を同時に行うことも可能である。この場合には、オゾン溶液とアルカリ溶液の混合溶液を調製し、その混合溶液中にフレキシブル樹脂基板を浸漬する、又は混合溶液をフレキシブル樹脂基板の少なくとも表面にスプレーすることで行う。この場合にはオゾンとフレキシブル樹脂基板の表面との反応が律速となるので、処理時間は混合溶液中のオゾン濃度に応じて決められる。
なおアルカリ処理工程後、水洗してアルカリ成分を除去する工程を行ってもよい。界面活性剤は極性基に強固に吸着しているので、水洗する程度では除去されず吸着した状態が維持されることがわかっている。したがって、無電解めっき処理工程までに時間が経過してもその効力が失われることがない。
オゾン溶液処理工程では、従来のクロム酸・硫酸混液処理に比べて、処理基板の表面が平滑となる。したがって、次の無電解めっき処理工程では、ピンホールなどがない平滑な無電解めっき被膜を薄い膜厚で、しかも密着性に優れた状態で形成することができる。
この無電解めっき処理工程は、処理基板の表面に触媒を吸着させた後、従来と同様に行うことができる。触媒としては、Pd2+など、従来の無電解めっき処理に用いられる触媒を用いることができる。触媒を処理基板の表面に吸着させるには、触媒イオンが溶解している溶液を処理基板の少なくとも表面に接触させればよい。また接触時間、温度などの条件も、従来と同様でよい。無電解めっき処理の条件は、従来の無電解めっき処理と同様に行うことができる。析出させることができる金属種は、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、クロム、スズなどである。
パターン処理工程は、無電解めっき被膜の表面に配線パターンを形成する工程であり、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。サブトラクティブ法では、先ず処理基板の無電解めっき被膜の表面に所定の厚みの電解めっき被膜を形成する。その後、表面にフォトレジストフィルムを積層し、フォトレジストフィルムの表面にマスクを配置して露光・現像することでフォトレジストフィルムに所定のパターンフィルムを形成する。次に余分なめっきをエッチングにて除去した後、パターンフィルムを除去し、所定の配線パターンを形成する。
またアディティブ法では、処理基板の表面に、上記と同様に所定パターンが抜かれたパターンフィルムを形成し、次いで無電解めっき処理により処理基板上に無電解めっきパターン被膜を形成する。そして必要に応じて電解めっき処理により所定厚さの配線パターンを形成した後、パターンフィルムを除去する。
さらにセミアディティブ法では、処理基板の表面に無電解めっき被膜を形成し、その表面に上記と同様に所定パターンが抜かれたパターンフィルムを形成する。そして電解めっき処理により所定厚さの配線パターンを形成した後パターンフィルムを剥離し、全体を無電解めっき被膜の厚み分エッチングすることでパターンフィルムが存在していた部分に処理基板を表出させて配線パターンを形成する。このセミアディティブ法は、微細配線パターンを形成するのに向いている。
所定厚さの配線パターンを形成した後は、必要に応じて全体に樹脂を塗布してソルダーレジストを形成する、あるいはカバーアレイを形成する。なおアディティブ法の場合には、パターンフィルムを除去せずに残してソルダーレジストとすることも可能である。
したがって本発明の製造方法によれば、薄く平滑な無電解めっき被膜の表面に電解めっき被膜が形成されるので、めっき被膜全体の厚さを15μm程度に薄くしても、密着性と耐屈曲性に優れ、屈曲試験時に配線パターンにクラックが生じるのが防止される。そしてパターン処理工程では薄いめっき被膜をエッチングするだけでよいので、配線パターンをファインピッチ化及び高アスペクト化するのが容易であり、しかも処理基板は平滑性に優れているので、パターン処理工程時に表出する処理基板表面に金属残渣が残るような不具合もない。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
厚さ60μmのポリイミドフィルム(フレキシブル樹脂基板)を、濃度120ppmのオゾン水中に8分間浸漬した。次いでアミノポリカルボン酸系溶液に6分間浸漬するクリーナー/コンディショナー処理を行い、その後過硫酸ナトリウム/硫酸溶液中に1分間浸漬処理するソフトエッチング処理を行った。次いで塩化ナトリウム溶液で洗浄する予備浸透処理を行い、3N塩酸水溶液に塩化パラジウムを 0.1重量%溶解し塩化錫を5重量%溶解して30℃に加熱された触媒溶液中に5分間浸漬した。次いでパラジウムを活性化するために、1.5N塩酸水溶液に5分間浸漬し、これにより触媒を吸着させた。その後、40℃に保温された硫酸銅めっき浴中に浸漬し、無電解銅めっき被膜を 0.5μmの厚さで形成した。
これを乾燥した後、脱脂・酸洗処理を経て、電解銅めっき被膜を20μm以上の膜厚で形成した。めっき析出後、乾燥させ、得られた銅めっき膜に基板に達する切り込みを1cm幅で入れ、引張り試験機にてめっき被膜の密着強度を測定した。結果を表1に示す。
一方、上記と同様に無電解銅めっき被膜を形成した後、所定の配線パターンとなる露光マスクと液状レジストを用いて、無電解銅めっき被膜表面に高さ15μm、レジスト幅8μm、レジスト間の間隔12μmとなるように露光及び現像を行った。続いて、高さ11μmとなるようにパターン電解銅めっき処理を行い、その後、レジストをポジ型レジスト剥離剤で剥離し、硫酸+過酸化水素系のエッチング剤で全体を 1.0μmエッチングして、Line/Space =10μm/10μm、厚さ10μmの配線パターンを形成した。形成された配線パターンを目視で観察し、その完成度を評価した結果を表1に示す。
次に、配線パターン2が形成された基板1表面にポリイミドからなる厚さ25μmのフィルムをラミネート圧着してカバーアレイ3を形成し、図1に示すように一対のロール4の間に形成されたスリットに通過させてR=2mmとなるように二つ折りする屈曲試験(JIS-C5016 )を1400万回行った。そして屈曲部の配線パターンを目視で観察し、クラックの有無を判定した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で用いたポリイミドフィルムの表面に、厚さ20μmの銅箔が接着された銅箔付き基板を用い、実施例1と同様にして銅箔の密着強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で用いたポリイミドフィルムの表面を、クロム酸・硫酸混液を用いて粗化する粗化処理を行った。粗化処理後、実施例1と同様にして無電解銅めっき被膜を 0.5μm形成し、次いで無電解銅めっき被膜の全面に電解銅めっき被膜を20μm形成して、実施例1と同様にして銅めっき膜の密着強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例1と同様の銅箔付き基板(銅箔の厚さ3μm)を用い、実施例1と同様のセミアディティブ法にて、Line/Space =10μm/10μm、厚さ10μmの配線パターンを形成した。形成された配線パターンを目視で観察し、その完成度を評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1で用いたポリイミドフィルムの表面を、クロム酸・硫酸混液を用いて粗化する粗化処理を行った。粗化処理後、実施例1と同様にして無電解銅めっき被膜を 0.5μm形成し、次いで実施例1と同様のセミアディティブ法にて、Line/Space =10μm/10μm、厚さ10μmの配線パターンを形成した。形成された配線パターンを目視で観察し、その完成度を評価した結果を表1に示す。また実施例1と同様にしてカバーアレイを形成し、その後同様に屈曲試験を行って屈曲部を目視で観察した。クラックの有無を判定した結果を表1に示す。
<評価>
Figure 2005217040
本発明のフレキシブル配線基板の製造方法によれば、配線パターンをファインピッチ化及び高アスペクト化することができ、配線パターンの密着性及び耐屈曲性に優れたフレキシブル基板を容易に製造することができる。したがって、電子機器のさらなる小型化にも柔軟に対応することができ、その利用可能性はきわめて大きい。
屈曲試験に用いた試験装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
1:ポリイミドフィルム(フレキシブル樹脂基板) 2:配線パターン
3:カバーアレイ 4:ロール

Claims (1)

  1. フレキシブル樹脂基板の表面とオゾン溶液とを接触させ処理基板を形成するオゾン溶液処理工程と、
    該処理基板の表面を無電解めっき処理して無電解めっき被膜を形成する無電解めっき処理工程と、
    該無電解めっき被膜上に配線パターンを形成するパターン処理工程と、を含むことを特徴とするフレキシブル配線基板の製造方法。
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