JP2005216570A - 撚り線用円筒型スリーブ圧縮方法及び圧縮器。 - Google Patents

Abstract

【課題】 この発明は、撚り線に従来の円筒型スリーブを嵌挿して組み合わせ、そのスリーブの外周部を撚り線の外周面に合わせて圧縮する、撚り線用円筒型スリーブ圧縮方法及び圧縮器の開発・提供をする事にある。
【解決手段】 この課題を解決する為の手段として、この発明の圧縮器は、対のハンドル、及び、該対のハンドルで稼動される対の顎部を有し、且つ、該対の顎部中心部に撚り線の断面外周形状に適合し、所定幅を有する数種の対の圧縮部を設け、且つ、複数サイズの円筒型スリーブに対応可能にし、且つ、該圧縮器の圧縮部を使用して、円筒スリーブの全外周面を圧縮する事で、撚り線と円筒スリーブ間の隙間を密着させ、接触面積を増大させるものである。
【選択図】 図１

Description

この発明は、電力計や開閉器等の端子挿入接続に使用する撚り線用円筒型スリーブ圧縮方法及び圧縮器に関するものである。

従来、電線の接続には、直接接続と端子挿入接続があり、それぞれは相手方電気工作物に応じて使い分けて対応しているが、特に端子挿入接続の場合、撚り線は先端部分を一体化する為、鑞付け作業が必要とされていた。しかし、この作業は火気を使用する為、作業効率が悪く、又、火災や作業の損失が発生する要因にもなる等の問題があった。

又、従来型の円筒形スリーブは、撚り線との接触面積が少なく、スリーブの圧着作業時に下方向に傾けると脱落し易く、作業に支障を来たし、且つ、後々の改修時の脱却が困難に成る等の問題が有った。

そこで、新たに撚り線の外形寸法形状に適合し、且つ、撚り線とスリーブ間の接触面積を増大し、作業効率が良く、電気抵抗の少ない効率的な撚り線用スリーブの開発が望まれる。

しかしながら、撚り線の外形形状に適合したスリーブを開発するには、多額の開発費と時間が掛かり、又、採算性を上げる為には大量生産する必要がある等問題が多い。

又、従来型の圧着器（圧着ペンチ）の参考文献としては、圧着器の圧着部を取り外し可能にし、複数の種類のスリーブに対応出来るものが発明され、出願されているが、作業性・経済性・耐久性等の問題が残る。（例えば、特許文献１参照。）
特開２０００−１３３４０１

そこで、この発明は、上記問題を解決する為に、撚り線に従来の円筒型スリーブを嵌挿して組み合わせ、そのスリーブの外周部を撚り線の外周面に合わせて圧縮する、撚り線用円筒型スリーブ圧縮方法及び圧縮器の開発・提供をする事にある。

この課題を解決する為の手段として、この発明の圧縮器は、対のハンドル、及び、該対のハンドルで稼動される対の顎部を有し、且つ、該対の顎部中心部に撚り線の断面外周形状に適合し、所定幅を有する数種の対の圧縮部を設け、且つ、複数サイズの円筒型スリーブに対応可能にし、且つ、該圧縮器の圧縮部を使用して、円筒型スリーブの全外周面を圧縮する事で、撚り線と円筒型スリーブ間の隙間を密着させ、接触面積を増大させるものである。

この発明の効果として、撚り線の固定化方法を従来の円筒型スリーブを使用し、且つ、該円筒型スリーブの外周面部を撚り線の外周面に合わせて圧縮し、撚り線と円筒型スリーブ間の隙間を密着させ、接触面積を増大させる事で、作業効率を良くし、且つ、電気抵抗の少ない効率的な接続方法が可能と成る。

又、電線接続の要点である、作業の迅速化や確実性をはじめ、堅牢で機械的強度・電気的強度に優れ、且つ、改修時の脱却性を容易にし、更に電気火災の減少に貢献する事で、作業性・耐久性・安全性の向上を図る等、極めて有益なる効果を奏するものである。

そこで、この発明の最良の形態は、電気抵抗を基準にして判断した場合は、撚り線とスリーブ間の隙間が最小限になる様に圧縮する事が望ましいが、逆に改修時の作業性を基準にして判断した場合は、隙間が少なく成れば成るほど作業性は悪く成る。従って、最良の形態としては、電気抵抗値と作業性の両方を考慮した適性圧縮が可能な圧縮方法及び圧縮器が望まれる。

そこで、この発明の一実施例を図１〜図４に従って詳述すると、電力計や開閉器等の端子挿入接続部に使用する撚り線を、円筒型スリーブ（Ｓ）を介して圧縮するに際し、撚り線（ＳＬ）の断面外周形状に適合する圧縮溝を相対向して形成した交叉圧縮器（１）で挟み、圧縮させ、撚り線（ＳＬ）とスリーブ（Ｓ）とを圧縮・固定するものである。

又、電力計や開閉器等の端子挿入接続部に使用する撚り線を円筒型スリーブ（Ｓ）の圧縮器において、該圧縮器（１）は、対のハンドル（２）、及び、該対のハンドル（２）で稼動される対の顎部（３）を有し、且つ、該対の顎部（３）中心部に撚り線（ＳＬ）の断面外周形状に適合し、所定幅（Ｗ）を有する数種の対の圧縮部（４）を設け、且つ、複数サイズの円筒型スリーブ（Ｓ）に対応可能にし、且つ、該圧縮器（１）の圧縮部（４）を使用して、円筒スリーブ（Ｓ）の全外周面を圧縮する事で、撚り線（ＳＬ）と円筒型スリーブ（Ｓ）間の隙間を密着させ、接触面積を増大させる事を特徴とする撚り線用圧縮器から構成される。

次に、圧縮器（１）の部品構成、及び作動原理について概要を説明すると、まず部品構成は、図１（Ａ）、（Ｂ）に示す様に、大きく分けて対のハンドル（２）部と対の顎部（３）に分けられ、ハンドル（２）は軸部（１ａ）を中心に左右対称に開閉可能で、対のハンドル（２）のほぼ中程にはハンドルを所定の力で圧縮し、所定値に達すると自動的にハンドルが開放側に戻る仕組みに成った、圧縮力調整装置（２ａ）が設けられ、一方、対の顎部（３）中心には3種類の大きさの対の圧縮部（４ａ）（４ｂ）（４ｃ）が設けられ、該圧縮部（４ａ）（４ｂ）（４ｃ）はそれぞれ各撚り線の断面形状に適合した左右対称形状に形成され、対のハンドル（２）を閉側に圧縮すると、顎部（３）の対の圧縮部（４）が閉じて、スリーブを圧縮する仕組みに成っている。

次に、スリーブの圧縮方法について説明すると、まず、図３（Ａ）はスリーブ圧縮前の、撚り線（ＳＬ）と円筒型スリーブ（Ｓ）と圧縮器（１）の関係図を示し、（Ｂ）はスリーブ圧縮後の、撚り線（ＳＬ）と円筒型スリーブ（Ｓ’）と圧縮器（１）の関係図を示すもので、円筒型スリーブ（Ｓ）の全長が約２０ｍｍで、圧縮器（１）の圧縮部（４）の幅寸法（Ｗ）が１２ｍｍの為、圧縮器（１）の圧縮部（４）を使用して、円筒型スリーブ（Ｓ）の全外周面を2回に分けて全面圧縮する。そうする事で撚り線（ＳＬ）と円筒型スリーブ（Ｓ）間の隙間を密着させ、接触面積を増大させるものである。

又、上記圧縮器（１）の圧縮部（４）は小型圧縮部（４ａ）と、中型圧縮部（４ｂ）と、大型圧縮部（４ｃ）の３種類に分けられ、その都度、用途に合わせて適宜使い分ける。但し、圧縮部の大きさ・数については、3種類に限らず、使用目的や用途に応じて変更しても構わない。

又、図２（Ａ）は、図１（Ｂ）のａ部拡大詳細図で、上記の中型圧縮部（４ｂ）を示し、図２（Ｂ）は参考資料で、圧縮器の適用電線の仕様で、電線サイズと圧縮内径寸法の関係を示す一覧表である。

そして、撚り線（ＳＬ）の端部に円筒型スリーブ（Ｓ）を圧縮し、密着させた部分を、例えば、図４に示す様に積算電力計（Ｍ）の端子部（Ｍａ）に挿入し、固定用ビス（Ｍｂ）を締めて固着する。

この発明は、作業性・経済性・安全性を改善し、電気抵抗の少ない効率の良い撚り線スリーブを提供するのであって、電力計や開閉器等の端子挿入接続作業に寄与する点で、産業上の利用可能性を有する。

この発明の一実施例を示し、（Ａ）は圧縮器の平面図で、（Ｂ）は正面図である。 この発明の一実施例を示し、（Ａ）は図１（Ｂ）のａ部拡詳細図で、（Ｂ）は参考資料で、圧縮器の適用電線の仕様（電線サイズと圧縮内径寸法の一覧表）である。 この発明の使用例を示し、（Ａ）はスリーブ圧縮前の状態図で、（Ｂ）はスリーブ圧縮後の状態図である。 この発明の使用例を示し、積算電力計の電線の挿入接続方法を示す斜視図である。

符号の説明

１ 圧縮器
１ａ 軸部
２ ハンドル
２ａ 圧縮力調整装置
３ 顎部
４ 圧縮部
４ａ 小型圧縮部
４ｂ 中型圧縮部
４ｃ 大型圧縮部
Ｍ 積算電力計
Ｍａ 端子部
Ｍｂ 固定用ビス
Ｓ 円筒型スリーブ
Ｓ’ 圧縮後の円筒型スリーブ
ＳＬ 撚り線
Ｗ 圧縮部の所定幅

Claims (2)

1. 電力計や開閉器等の端子挿入接続部に使用する撚り線を、円筒型スリーブ（Ｓ）を介して圧縮するに際し、撚り線（ＳＬ）の断面外周形状に適合する圧縮溝を相対向して形成した交叉圧縮器（１）で挟み、圧縮させ、撚り線（ＳＬ）とスリーブ（Ｓ）とを圧縮・固定する事を特徴とする撚り線と円筒型スリーブとの圧縮方法。
2. 電力計や開閉器等の端子挿入接続部に使用する撚り線用円筒型スリーブ（Ｓ）の圧縮器において、該圧縮器（１）は、対のハンドル（２）、及び、該対のハンドル（２）で稼動される対の顎部（３）を有し、且つ、該対の顎部（３）中心部に撚り線（ＳＬ）の断面外周形状に適合し、所定幅（Ｗ）を有する数種の対の圧縮部（４）を設け、且つ、複数サイズの円筒型スリーブ（Ｓ）に対応可能にし、且つ、該圧縮器（１）の圧縮部（４）を使用して、円筒スリーブ（Ｓ）の全外周面を圧縮する事で、撚り線（ＳＬ）と円筒型スリーブ（Ｓ）間の隙間を密着させ、接触面積を増大させる事を特徴とする撚り線用圧縮器。