JP2005216395A - 記録媒体評価方法、記録再生装置、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
記録再生の単位となるブロックにリンキングを有し、そのリンキングでオーバーラップして記録するようにしたライトワンス型の記録媒体に対して、製造後に次のような評価方法で評価を行う。同一の製造ロットで製造された記録媒体から抽出した検査用の記録媒体に対して、複数の記録再生ブロックを、リンキングエリアがオーバラップするようにして連続的に記録し、記録された複数のブロックを再生し、エラーレートを測定する測定する。そしてエラーレートが所定値以下であれば良好とし、所定値以下でなければ不適切な記録媒体として排除する。
【選択図】 図10
Description
光ディスクには、例えばCD、CD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
更に近年、ブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、著しい大容量化が図られている。
また、同様のフォーマットで、線密度を0.112μm/bitの密度とすると、25GBの容量を記録再生できる。
さらに、記録層を多層構造とすることでさらに飛躍的な大容量化が実現できるる。例えば記録層を2層とすることにより、容量は上記の2倍である46.6GB、又は50GBとすることができる。
そして従来知られている再生専用ディスクのデータフォーマットとしては、誤り訂正ブロック単位がとぎれなく連続して記録されている。
これは、誤り訂正ブロックが1つの記録再生単位のブロックとされ、ブロックとブロックの間にはリンキング領域(バッファ領域)が形成されていないという意味である。
ただし、ランダムアクセス記録性を考慮して、ブロックとブロックの間にはリンキング領域が形成される場合がある。
リンキングを用いると、記録再生装置でブロックのランダムアクセスを実現する場合に、リンキング無しのデータフォーマットの場合に比べて単純で安価なハードウエアで実現できるという利点がある。
リンキングを有するディスクフォーマット技術は、例えば次の文献に開示されている。
例えば、レーザ光を出力する記録再生光学系に近い側の記録層において、データが記録されたエリアと、まだデータ記録されていない未記録のエリアが交互に存在する場合に、記録再生光学系から遠い側の記録層に対してデータの記録再生を行うと、記録再生光学系に近い側の記録層の記録エリアと未記録エリアでの光の透過率のちがいの影響により、精度よく記録再生されないことがある。
そこで、書換可能型のディスクシステムでは、記録エリア、未記録エリアが交互に発生しないようにしていた。
上記のようにデータ記録は、エラー訂正ブロック単位とされるクラスタと呼ばれる所定バイト単位で行われ、また或るクラスタと次のクラスタの間にはリンキングエリアが設けられる。
このようなクラスタ単位でのデータ書き込みにおいて、既に記録されたクラスタに物理的に連続して次のクラスタの書き込みを行うときには、リンキングエリアがオーバラップして記録が行われるようにする。このようにすると、クラスタとクラスタの間に部分的な未記録領域が発生することがなくなり、つまり記録エリア、未記録エリアが交互に発生しないため、上記のような不都合が解消される。
ライトワンス型の光ディスクでは、当然ながらデータ書込は1回しかできず、多数回のデータ書き込みについて考慮することは基本的に意味がない。つまりディスクの物理的なフォーマットや記録再生方式上のスペックに対する定義として、1回記録のスペックについては定義されるが、多数回記録した際のスペックを定義するのは、意味がなく、かつ困難である。
しかしながら、ライトワンスディスクに対して多数回記録に対応できるメディアスペックを定義することは困難であり、かつそのような定義によってメディアや記録再生装置の設計・製造上の難易度も高くなる。
一方で、多数回記録に関するメディアスペックを定義しないままで、上記のオーバーラップ記録が行われるようにすると、記録再生動作を保証できない。例えばオーバラップ部分で急激な反射率のちがいが発生したり、あるいは、記録層へのダメージを与えたりする可能性がある。そのため、とりわけトラッキングサーボに影響を与え、安定にサーボがかからない可能性があるなど、システムの不安定化の要因となってしまう。
また上記判定ステップでは、上記測定ステップで測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定する。
またさらに、上記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定手段を備える。
またその場合、上記判定手段は、上記測定手段で測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定する。
特に、上記オーバラップして記録されるエリアについて、記録再生のメディアスペックが規定されていないことを特徴とする。
また上記記録媒体は、複数の上記ブロックを、上記リンキングエリアがオーバラップするようにして連続的に記録した後、記録した複数の上記ブロックを再生してエラーレートを測定し、該エラーレートの測定結果に基づいて良否が判定される。
また、同時的に製造された同一の製造ロットの記録媒体は、ほぼ同様の特性を備えることが経験的に知られているため、上記のようにサンプリングチェックした記録媒体が良好であれば、該製造ロットの記録媒体は良好であるとみて問題ない。
つまり、本発明の記録媒体評価方法によって評価することで、生産された記録媒体(オーバラップ記録を行うライトワンス記録媒体)について、適正に品質判定を行うことができ、不適切と判断された記録媒体については、その段階で排除することで、良好な記録媒体のみを出荷し、ユーザーに提供できることになる。例えばオーバーラップ記録した場合の、急激な反射率のちがいが生じたり、あるいは記録層へのダメージによる悪影響、とりわけトラッキングサーボへの悪影響で安定にサーボがかからないメディアなど、メディア品質が不十分なものを除いて、良好な記録媒体のみを提供できる。
また本発明の記録再生装置によれば、このような記録媒体評価方法を実行できる。
また、オーバラップ記録部分についての良否が検査工程で保障されることは、言い換えればオーバラップ記録部分のメディアスペックを規定しなくても良いものとなることを意味する。つまりライトワンス記録媒体に対して多数回記録についてのメディアスペックを定義しないことで、ライトワンス記録媒体のメディアスペックの定義自体の困難性を回避することができると共に、メディアや記録再生装置の設計・製造上の難易度が増すこともない。
1.ディスク構造
2.データのECCフォーマット
3.RUBの記録方式
4.ディスクドライブ装置
5.評価処理
1.ディスク構造
まず実施の形態の光ディスクについて説明する。
一般に、光磁気記録方式、色素膜変化記録方式、相変化記録方式などの記録可能なディスクに対してデータを記録するには、データトラックに対するトラッキングを行うための案内手段が必要になり、このために、プリグルーブとして予め溝(グルーブ)を形成し、そのグルーブもしくはランド(グルーブとグルーブに挟まれる断面台地状の部位)をデータトラックとすることが行われている。
すなわち、データを記録するトラックが例えばプリグループとして予め形成されるが、このプリグループの側壁をアドレス情報に対応してウォブリングさせる。
このようにすると、記録時や再生時に、反射光情報として得られるウォブリング情報からアドレスを読み取ることができ、例えばアドレスを示すピットデータ等を予めトラック上に形成しておかなくても、所望の位置にデータを記録再生することができる。
このようにウォブリンググルーブとしてアドレス情報を付加することで、例えばトラック上に離散的にアドレスエリアを設けて例えばピットデータとしてアドレスを記録することが不要となり、そのアドレスエリアが不要となる分、実データの記録容量を増大させることができる。
光ディスク1のグルーブGVは接線方向に対して蛇行形成されているが、このグルーブGVの蛇行形状は、アドレス等を変調して得たウォブル信号に応じた形状となっている。そのため、光ディスクドライブでは、グルーブGVに照射したレーザスポットLSの反射光からそのグルーブGVの両エッジ位置を検出し、レーザスポットLSを記録トラックに沿って移動させていった際におけるその両エッジ位置のディスク半径方向に対する変動成分を抽出することにより、ウォブル信号を再生し、アドレス情報等を復調することができる。
このようなウォブリングされたグルーブにより表現される絶対時間(アドレス)情報は、ATIP(Absolute Time In Pregroove)又はADIP(Adress In Pregroove)と呼ばれる。
ディスク上の領域としては、内周側からリードインゾーン、データゾーン、リードアウトゾーンが配される。
リードインゾーンは、半径24mmより内側に位置する。また半径24mm〜58mmの範囲がデータゾーン、半径58mm〜58.5mmの範囲がリードアウトゾーンとされる。
半径23.278〜23.621mmの範囲のテストライトエリアOPCは記録/再生時のレーザパワー等、記録マークの記録再生条件を設定する際の試し書きなどに使われる。即ち記録再生条件調整領域である。
半径23.958〜24mmの範囲のインフォメーションエリアInfo1、及び半径23.235〜23.278mmの範囲のインフォメーションエリアInfo2には、ディフェクトマネジメントエリアやコントロールエリアが含まれる。ディフェクトマネジメントエリアDMAはディスク上のディフェクト情報を管理する情報を記録再生する。コントロールエリアには、各種コントロール情報が記録される。
なお半径23.621〜23.958mmの範囲のReserveエリアは将来的な使用のために確保されている。
半径58.0〜58.5mmのリードアウトゾーンは、リードインゾーンと同様のディフェクトマネジメントエリアが設けられたり、また、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとしてつかわれる。
そしてユーザーデータ64KBを1クラスタとし、このユーザデータの1クラスタを単位て記録再生が行われる。
その場合、リードインゾーンにおけるインフォメーションエリアInfo 2には、256クラスタ、テストライトエリアOPCには2048クラスタ、リザーブには2048クラスタ、インフォメーションエリアinfo 1には256クラスタ存在することになる。
ユーザーデータを記録再生するデータゾーンは355603クラスタあることになる。従ってユーザーデータの記録容量は、64KB×355603 = 約23.3GBである。
リードアウトゾーンでは7429クラスタある。
ECC(エラー訂正コード)としては、メインデータ64KB(=1セクターの2048バイト×32セクター)に対するLDC(long distance code)と、BIS(Burst indicator subcode)の2つがある。
上記LDCのデータと、BISは図示するフレーム構造を構成する。即ち1フレームにつき、データ(38B)、BIS(1B)、データ(38B)、BIS(1B)、データ(38B)が配されて155Bの構造となる。つまり1フレームは38B×4の152Bのデータと、38BごとにBISが1B挿入されて構成される。
フレームシンクFS(フレーム同期信号)は、1フレーム155Bの先頭に配される。1つのブロックには496のフレームがある。
LDCデータは、0,2,・・・の偶数番目の符号語が、0,2,・・・の偶数番目のフレームに位置し、1,3,・・・の奇数番目の符号語が、1,3,・・・の奇数番目のフレームに位置する。
このため、エラーが検出されたBISのシンボルは次のように使うことができる。
ECCのデコードの際、BISを先にデコードする。図5のフレーム構造において隣接したBISあるいはフレームシンクFSの2つがエラーの場合、両者のあいだにはさまれたデータ38Bはバーストエラーとみなされる。このデータ38Bにはそれぞれエラーポインタが付加される。LDCではこのエラーポインタをつかって、ポインターイレージャ訂正をおこなう。
これによりLDCだけの訂正より、訂正能力を上げることができる。
BISにはアドレス情報等が含まれている。このアドレスは、ROMタイプディスク等で、ウォブリンググルーブによるアドレス情報がない場合等につかわれる。
本例のディスク1に対する記録動作はRUB(Recording Unit Block)を単位として行われる。RUBとはデータの1クラスタを含む単位である。
基本的にRUBは、フィジカルクラスタ(Physical cluster)の前にランイン(Run-in)、フィジカルクラスタの後にランアウト(Run-out)を加えたものとなる。
RUB単位の記録方式としては、1つのRUBを記録する場合と、複数のRUBを連続(この場合の連続とは記録動作をとぎれなく継続的にという意味)して記録する場合がある。
記録データはモノトーンベースのウォブリンググルーブに記録される。ウォブルの1周期は69チャンネルビット(69T)である。
1RUBとしては、まず40ウォブル(wbs)の区間にランインが形成される。またフィジカルクラスタが、496×28=13888wbsの区間に形成される。さらに続いて、ランアウトが16wbsの区間に形成される。そしてこのような合計13944wbsの区間に加えて、ガード(G3)として8wbsが記録される。
ランインは、オーバーラップされて記録されるリンキングエリアや、レーザーのオートパワーコントロール(Auto power control:APC)、PLLのひきこみのためのVFO、ゲインコントロール、オフセットコントロール等に使われる。
フィジカルクラスタはメインデータであり、ユーザーデータ、エラー訂正符号、フレーム同期信号等より構成される。
ランアウトはPLLの終端、データエリアのデグラデーション(degradation)の防止等に使われる。
ガードG3はレーザーパワーを記録パワーから再生パワーに遷移するエリア、オーバーラップされて記録されるリンキングエリアとして使われる。
この場合、RUB#1〜RUB#nが連続記録されるとしたとき、最後のRUB#nをのぞいて、1つのRUBは、シングルリトゥンRUBのガードG3をのぞいたブロック構成と同じである。つまり、ランインが40wbs、フィジカルクラスタが13888wbs、ランアウトが16wbsの区間に形成された、13944wbsの区間の構成となる。
最後のRUB#nは、シングルリトゥンRUBと同じである。つまり、ランインが40wbs、フィジカルクラスタが13888wbs、ランアウトが16wbsの区間に形成されることに加えて、ガードG3が8wbsの区間に形成される。
そして本例の場合、いずれの場合であっても、記録済のRUBに物理的に連続して新たなRUBを記録する場合に、そのRUBのリンキングがオーバラップして記録が行われる。具体的には、記録済の領域の終端のRUBのガードG3にオーバラップして、新たなRUBのランインの記録が行われることになる。
最初に図7(a)のようにRUB#1がシングルリトゥンRUBとして記録されたとする。次にシングルリトゥンRUBとしてRUB#2が記録される際には、図7(b)に示すように、そのRUB#2のランインが、RUB#1のガードG3の領域にオーバラップするように記録が行われる。
さらにその後、シングルリトゥンRUBとしてRUB#3が記録される際には、図7(c)に示すように、そのRUB#3のランインが、RUB#2のガードG3の領域にオーバラップするように記録が行われる。
即ち記録済のコンティニアスリトゥンRUBの終端は図6(b)に示したようにガードG3となっているが、次に記録を行うコンティニアスリトゥンRUBの先頭のランインは、そのガードG3にオーバラップして記録されることになる。
これとは逆にコンティニアスリトゥンRUBの後にシングルリトゥンRUBを形成する場合も同様である。
つまり、2層ディスク等の多層ディスクを考慮した相変化方式の書換可能型のディスクと同様の記録動作が、本例のライトワンスディスクに対しても行われることになる。
ところで、本例のディスク1はライトワンスディスクであるにもかかわらず上記のようにオーバラップ記録が行われる。これは、そのオーバラップ記録部分の記録再生特性を保障できないことになりかねない。即ちオーバラップ部分で急激な反射率のちがいが発生したり、あるいは、記録層へのダメージを与えたりする可能性があり、サーボ安定性が保障できないなど、システムの不安定化の要因となるおそれがある。
そこで本例では、次に説明するディスクドライブ装置により、後述するディスク評価を行うようにし、不適切なディスクを製造後の検査工程で排除するようにする。
ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によってディスク1上のデータの読出が行われる。またグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報やディスクインフォメーションの読み出しがおこなわれる。
またディスク1に対する記録時には光学ピックアップによってグルーブトラックにデータがピットマーク(ディスク1がライトワンスディスクの場合は色素変化マーク、リライタブルディスクの場合はフェイズチェンジマーク)として記録される。
ピックアップ51内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
なお、マトリクス回路54は、ピックアップ51内に形成される場合もある。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
再生時には、スクランブル処理に対するデスクランブル処理を行うとともに、エラー訂正のためのECCデコード処理を行う。
この再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、デスクランブル処理及びエラー検出/訂正処理を行って再生データを得ることになる。
また、このECC/スクランブル回路57でのECCエンコード処理、及びECCデコード処理は、上述したRS(248,216,33)、符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードを用いたECCフォーマットに対応する処理となる。
アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ60に供給する。
またアドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
この場合ECC/スクランブル回路57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やスクランブル処理、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコード及びスクランブル処理されたデータは、変復調回路56においてRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピットマークが形成されることになる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路61は、システムコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
システムコントローラ60は、ホスト機器からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えばホスト機器から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ60は、まず書き込むべきアドレスにピックアップ51を移動させる。そしてECC/スクランブル回路57、変復調回路56により、AVシステム120から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにリーダ/ライタ回路55からのレーザドライブパルスがレーザドライバ63に供給されることで、記録が実行される。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク1からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECC/スクランブル回路57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
例えば等がディスクドライブ装置は製造ラインの検査工程のために配置され、生産されたディスク(本例のライトワンスディスク)の評価を行う。
評価のためにはディスクに対してデータ記録を行い、その記録データを再生してエラーレートを計測する。そしてエラーレートが所定値以下であるか否かにより評価結果を出力する。再生の際にはECC/スクランブル回路57でエラーレートの値が得られるが、システムコントローラ60はエラーレートを所定値と比較して、その結果により検査OK/NGの評価結果を例えばホスト機器に対して出力することになる。
上記ディスクドライブ装置によって実行される評価処理を図10で説明する。
ディスクの製造工程においては、同一の製造ロットのディスクは、ほぼ同じ特性と考えて良い。そのため、或る製造ロットに関しては、製造された多数のディスクのうちで所定数のディスクを抽出し、以下に説明する評価処理を行う。
品質評価のために抽出したディスク1がディスクドライブ装置に装填され、例えばホスト機器がシステムコントローラ60に評価処理を指示することで、図10の処理が開始される。
まずステップF101では、システムコントローラ60は、ディスク1に対してシングルリトゥンRUBとしての記録動作として、クラスタ(RUB)を記録する動作を実行される。なお、この際の記録データはホスト機器からECC/スクランブル回路57に供給されるようにしても良いし、システムコントローラ57がテスト用のデータパターンを発生させ、ECC/スクランブル回路57に供給してもよい。ステップF101の制御によって、上記した記録系の処理が行われ、1RUBの記録が行われる。
ステップF102では、1RUBが適正に記録できたか否かを判断する。
適正に記録ができていればステップF103に進み、100クラスタ(100RUB)の記録が完了したか否かを判断する。100クラスタの記録が完了していなければステップF101に戻り、再びシングルリトゥンRUBとしての1RUBの記録制御を行う。なお、この際、既に記録されたシングルリトゥンRUBに物理的に連続して次のシングルリトゥンRUBの記録を行うことになり、図7で説明したようにランインがガードG3にオーバラップするように記録が行われることになる。即ちシステムコントローラ60は、記録済のRUBのガードG3のアドレスから次のRUBの記録を行うように制御する。
もし、この100RUBの記録が完了するまでの間に、ステップF102で正常な記録ができなかったと判断された場合はステップF108に進む。例えば、或るシングルリトゥンRUBの記録の際に、トラキングサーボ異常等で正常に記録できなかった場合は、ステップF102からF108に進み、当該メディアは不良であるとの評価結果を出力して評価処理を終える。
そしてステップF106では、エラーレート(SER)を所定値と比較する。クライタリオンとして、例えば、2×10-4以下のSERであれば、適正なメディアとして評価してよい。そこで計測されたエラーレートが2×10-4以下であれば、ステップF107に進み、良好なメディアであると判定し、メディアOKの評価結果を出力して処理を終える。
一方、エラーレートが2×10-4を越えていれば、ステップF108に進み、不良なメディアであると判定し、メディアNGの評価結果を出力して処理を終える。
即ちオーバーラップして記録を行う際に、例えばトラッキングサーボに影響を与えるようなメディアは、ステップF102→F108で評価NGと判定されるため、不良ディスクとして排除できる。
また、オーバラップ記録を行った後に再生した際に、エラーレートにより、メディアの記録再生品質を評価することができ、エラーレートの基準をみたさないディスクは、ステップF106→F107でNGとされ、メディア品質が不十分であるとして除くことができる。
さらに、オーバーラップして記録したことにより、たとえば、オーバーラップしたエリアのトラッキングエラーに不正な影響を与えるようなメディアは、再生時に安定したトラッキングサーボをかけることができない。このため、エラーレートの基準を満たすことができず、同じくステップF106→F107でNGとされ、メディア品質が不十分であるとして除くことができる。
これらの点で不良ディスクが除かれることで、適正なディスク、即ち評価OKのディスクを含む製造ロットのディスクのみを出荷できることになる。
また、オーバラップ記録部分についての良否が検査工程で保障されることは、言い換えればオーバラップ記録部分のメディアスペックを規定しなくても良いものとなることを意味する。つまりライトワンスディスクに対して多数回記録についてのメディアスペック、例えばジッタ(2値データエッジと再生クロックとのジッタ)や、変調度(記録後の再生信号振幅と記録前の信号振幅の比)、プッシュプル信号振幅、その他を定義しないことで、ライトワンス記録媒体のメディアスペックの定義自体の困難性を回避することができると共に、メディアや記録再生装置の設計・製造上の難易度が増すこともない。
また、上記図10のような処理は、ユーザーサイドの記録再生装置で実行することも可能である。
また本発明は多様な種別のライトワンスディスク、或いは他の種のライトワンスメディアを用いるシステムにおいて採用可能である。
Claims (8)
- メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対して、
複数の上記ブロックを、上記リンキングエリアがオーバラップするように記録していく記録ステップと、
上記記録ステップで記録された複数の上記ブロックを再生し、エラーレートを測定する測定ステップと、
上記エラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定ステップと、
を備えることを特徴とする記録媒体評価方法。 - 上記判定ステップでは、上記測定ステップで測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体評価方法。
- メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置において、
上記記録媒体に対してデータの記録及び再生を行う記録再生手段と、
複数の上記ブロックを、上記リンキングエリアをオーバラップさせて記録していくように上記記録再生手段を制御し、また記録した複数のブロックを再生するように制御する制御手段と、
上記記録再生手段によって再生される上記複数のブロックについて、エラーレートを測定する測定手段と、
を備えることを特徴とする記録再生装置。 - さらに、上記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
- 上記判定手段は、上記測定手段で測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定することを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
- メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体であり、
物理的に連続する上記ブロックは、上記リンキングエリアがオーバラップするように記録されることを特徴とする記録媒体。 - 上記オーバラップして記録されるエリアについて、記録再生のメディアスペックが規定されていないことを特徴とする請求項6に記載の記録媒体。
- 上記記録媒体は、
複数の上記ブロックを、上記リンキングエリアがオーバラップするように記録した後、記録した複数の上記ブロックを再生してエラーレートを測定し、該エラーレートの測定結果に基づいて良否が判定されることを特徴とする請求項6に記載の記録媒体。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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