JP4192953B2 - ディスク記録媒体、ディスク製造方法、ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Description
光ディスクには、例えばCD、CD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
更に近年、DVR(Data & Video Recording)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、著しい大容量化が図られている。
またデータトラック上の所定の位置にデータを記録することができるようにアドレス情報を記録する必要もあるが、このアドレス情報は、グルーブをウォブリング(蛇行)させることで記録される場合がある。
このようにすると、記録時や再生時に、反射光情報として得られるウォブリング情報からアドレスを読み取ることができ、例えばアドレスを示すピットデータ等を予めトラック上に形成しておかなくても、所望の位置にデータを記録再生することができる。
このようにウォブリンググルーブとしてアドレス情報を付加することで、例えばトラック上に離散的にアドレスエリアを設けて例えばピットデータとしてアドレスを記録することが不要となり、そのアドレスエリアが不要となる分、実データの記録容量を増大させることができる。
なお、このようなウォブリングされたグルーブにより表現される絶対時間(アドレス)情報は、ATIP(Absolute Time In Pregroove)又はADIP(Adress In Pregroove)と呼ばれる。
高い信頼性が要求されるのは、例えば属性や制御のための付加情報が正確に得られなければ、ユーザーサイドの機器で最適な記録条件を得るなどの制御動作を正しく実行できないことになるためである。
ところが光ディスクに高密度に記録再生することを考えると、エンボスピットによるプリレコード方法は不都合が生ずる。
光ディスクに高密度に記録再生する場合、グルーブの深さを浅くすることが必要とされている。そしてスタンパによってグルーブとエンボスピットを同時に生産するディスクにおいては、グルーブとエンボスピットの深さを異なる深さとすることは非常に困難である。このため、エンボスピットの深さはグルーブの深さと同じにならざるを得ない。
ところが、エンボスピットの深さが浅くなると、エンボスピットから品質のよい信号が得られないという問題がある。
この場合、フェーズチェンジマークは、ディスク上にスパイラル状に形成されたグルーブ上に記録再生されるが、高密度化のためにメディアノイズをおさえるためには、グルーブの深さは、約20nm、つまり波長λに対してλ/13〜λ/12がのぞましい。
一方、品質のよいエンボスピットからの信号を得るには、エンボスピットの深さは、λ/8〜λ/4がのぞましく、結局グルーブ及びエンボスピットとしての共通の深さとして、いい解が得られないでいた。
このような事情から、エンボスピットにかわる、必要な付加情報を予め記録する方法が求められていた。しかも、その付加情報が高い信頼性をもって記録されることが要求されている。
上記ダミーデータは、エラー訂正符号化及び再生時のエラー訂正処理の際に、付加するようにされる。
また上記付加情報は、少なくとも上記記録再生領域におけるリードイン領域において記録されている。
上記ダミーデータは、エラー訂正符号化及び再生時のエラー訂正処理の際に、付加するようにされる。
また上記付加情報は、少なくとも上記記録再生領域におけるリードイン領域とされる部分に記録する。
上記ダミーデータは、エラー訂正符号化及び再生時のエラー訂正処理の際に、付加するようにされる。
また、上記付加情報は、上記記録再生領域におけるリードイン領域において上記読出手段によって読み出された上記第2のデータから得る。
即ちウォブリンググルーブによってアドレス情報とともにディスクの属性などの付加情報を記録し、エンボスピットによる記録を用いないため高密度ディスクによって好適な付加情報の記録を実行できるとともに、付加情報については第1,第2のエラー訂正方式で二重にエラー訂正符号化されていることになるため、非常に信頼性の高い情報とすることができる。
1.ディスクのウォブリング方式
1−1.ウォブリング方式の全体説明
1−2.MSK変調
1−3.HWM変調
1−4.まとめ
2.DVRへの適用例
2−1.DVRディスクの物理特性
2−2.データのECCフォーマット
2−3.アドレスフォーマット
2−3−1.記録再生データとアドレスの関係
2−3−2.シンクパート
2−3−3.データパート
2−3−4.アドレス情報の内容
2−4.アドレス復調回路
3.ディスクインフォメーションのECCフォーマット
4.ディスクドライブ装置
5.ディスク製造方法
1.ディスクのウォブリング方式
1−1.ウォブリング方式の全体説明
本発明の実施の形態の光ディスク1は、図1に示すように、記録トラックとなるグルーブGVが形成されている。このグルーブGVは、内周側から外周側へスパイラル状に形成されている。そのため、この光ディスク1の半径方向の切断面を見ると、図2に示すように、凸状のランドLと、凹状のグルーブGVとが交互に形成されることとなる。
1−2.MSK変調
以下、MSK変調及びHMW変調の変調方法についてさらに詳細に説明をする。ここではまず、MSK変調方式を用いたアドレス情報の変調方式について説明をする。
MSK変調は、位相が連続したFSK(Frequency Shift Keying)変調のうちの変調指数が0.5のものである。FSK変調は、周波数f1と周波数f2の2つのキャリア信号に対して、被変調データの符号の“0”,“1”をそれぞれ対応させて変調する方式である。つまり、被変調データが“0”であれば周波数f1の正弦波波形を出力し、被変調データが“1”であれば周波数f1の正弦波波形を出力する変調方式である。さらに、位相が連続したFSK変調の場合には、被変調データの符号の切り換えタイミングにおいて、2つのキャリア信号の位相が連続する。
m=|f1−f2|T
で定義される。ここで、Tは、被変調データの伝送速度(1/最短の符号長の時間)である。このmが0.5の場合の位相連続FSK変調のことを、MSK変調という。
ここで、被変調データを差動符号化して上述のようなMSK変調した場合には、被変調データの同期検波が可能となる。このように同期検波ができるのは以下のような理由による。
MSK復調回路10は、図5に示すように、PLL回路11と、タイミングジェネレータ(TG)12と、乗算器13と、積算器14と、サンプル/ホールド(SH)回路15と、スライス回路16とを備えている。
積算器14は、乗算器13により同期検波された信号に対して積算処理を行う。なお、この積算器14は、タイミングジェネレータ12により生成されたクリア信号(CLR)の発生タイミングで、その積算値を0にクリアする。
サンプル/ホールド回路15は、タイミングジェネレータ12により生成されたホールド信号(HOLD)の発生タイミングで、積算器14の積算出力値をサンプルして、次のホールド信号(HOLD)が発生するまで、サンプルした値をホールドする。
スライス回路16は、サンプル/ホールド回路15によりホールドされている値を、原点(0)を閾値として2値化し、その値の符号を反転して出力する。
そして、このスライス回路16からの出力信号が、復調された被変調データとなる。
光ディスク1では、以上のようにMSK変調したアドレス情報をウォブル信号に含めている。このようにアドレス情報をMSK変調してウォブル信号に含めることによって、ウォブル信号に含まれる高周波成分が少なくなる。従って、正確なアドレス検出を行うことが可能となる。また、このMSK変調されたアドレス情報は、モノトーンウォブル内に挿入されるので、隣接トラックに与えるクロストークを少なくすることができ、S/Nを向上させることができる。また、本光ディスク1では、MSK変調をしたデータを同期検波して復調することができるので、ウォブル信号の復調を正確且つ簡易に行うことが可能となる。
1−3.HWM変調
次にHMW変調方式を用いたアドレス情報の変調方式について説明する。
HMW変調は、上述のように正弦波のキャリア信号に対して偶数次の高調波信号を付加し、当該高調波信号の極性を被変調データの符号に応じて変化させることによってデジタル符号を変調する変調方式である。
そして、被変調データの符号が“1”のときにはSin(2ωt)をキャリア信号に付加し、“0”のときには−Sin(2ωt)をキャリア信号に付加して変調を行うものとする。
HMW復調回路20は、図9に示すように、PLL回路21と、タイミングジェネレータ(TG)22と、乗算器23と、積算器24と、サンプル/ホールド(SH)回路25と、スライス回路26とを備えている。
積算器24は、乗算器23により同期検波された信号に対して積算処理を行う。なお、この積算器24は、タイミングジェネレータ22により生成されたクリア信号(CLR)の発生タイミングで、その積算値を0にクリアする。
サンプル/ホールド回路25は、タイミングジェネレータ22により生成されたホールド信号(HOLD)の発生タイミングで、積算器24の積算出力値をサンプルして、次のホールド信号(HOLD)が発生するまで、サンプルした値をホールドする。
スライス回路26は、サンプル/ホールド回路25によりホールドされている値を、原点(0)を閾値として2値化し、その値の符号を出力する。
そして、このスライス回路26からの出力信号が、復調された被変調データとなる。
光ディスク1では、以上のようにHMW変調したアドレス情報をウォブル信号に含めている。このようにアドレス情報をHMW変調してウォブル信号に含めることによって、周波数成分限定することができ、高周波成分を少なくすることができる。そのため、ウォブル信号の復調出力のS/Nを向上させることができ、正確なアドレス検出を行うことが可能となる。また、変調回路も、キャリア信号の発生回路と、その高調波成分の発生回路、これらの出力信号の加算回路で構成することができ、非常に簡単となる。また、ウォブル信号の高周波成分が少なくなるため、光ディスク成型時のマスタリングも容易になる。
1−4.まとめ
以上のように、本実施の形態の光ディスク1では、ウォブル信号に対するアドレス情報の変調方式として、MSK変調方式とHMW変調方式とを採用している。そして、本光ディスク1では、MSK変調方式で用いられる一方の周波数と、HMW変調で用いられるキャリア周波数とを同一の周波数の正弦波信号(Cos(ωt))としている。また、さらに、ウォブル信号内に、なんらデータが変調されていない上記のキャリア信号(Cos(ωt))のみが含まれているモノトーンウォブルを、各変調信号の間に設けている。
また、MSK変調で記録するアドレス情報とHMW変調で記録するアドレス情報とを同一のデータ内容とすれば、より確実にアドレス情報を検出することが可能となる。
2.DVRへの適用例
2−1.DVRディスクの物理特性
次に、いわゆるDVR(Data & Video Recording)と呼ばれる高密度光ディスクに対する上記のアドレスフォーマットの適用例について説明する。
相変化マーク(フェイズチェンジマーク)が記録されるトラックのトラックピッチは0.32μm、線密度0.12μmとされる。そして64KBのデータブロックを1つの記録再生単位として、フォーマット効率を約82%としており、直径12cmのディスクにおいて、ユーザーデータ容量として23.3Gバイトを実現している。
上述のようにデータ記録はグルーブ記録方式である。
ディスク上の領域としては、内周側からリードインゾーン、データゾーン、リードアウトゾーンが配される。
また、記録・再生に関する領域構成としてみれば。リードインゾーンの内周側がPBゾーン(再生専用領域)、リードインゾーンの外周側からリードアウトゾーンまでがRWゾーン(記録再生領域)とされる。
半径22.2〜23.1mmがプリレコーデッドデータゾーンとされる。
プリレコーデッドデータゾーンは、あらかじめ、記録再生パワー条件等のディスク情報や、コピープロテクションにつかう情報等(プリレコーデッド情報)を、ディスク上にスパイラル状に形成されたグルーブをウォブリングすることによって記録してある。
これらは、書換不能な再生専用の情報であり、つまりBCAとプリレコーデッドデータゾーンが上記PBゾーン(再生専用領域)となる。
本例にかかる光ディスクシステムでは、登録されたドライブ装置メーカー、ディスクメーカーがビジネスを行うことができ、その登録されたことを示す、メディアキー、あるいは、ドライブキーを有している。
ハックされた場合、そのドライブキー或いはメディアキーがコピープロテクション情報として記録される。このメディアキー、ドライブキーを有した、メディア或いはドライブは、この情報により、記録再生をすることをできなくすることができる。
テストライトエリアOPCは記録/再生時のレーザパワー等、フェーズチェンジマークの記録再生条件を設定する際の試し書きなどにつかわれる。
ディフェクトマネジメントエリアDMAはディスク上のディフェクト情報を管理する情報を記録再生する。
半径58.0〜58.5mmはリードアウトゾーンとされる。リードアウトゾーンは、リードインゾーンと同様のディフェクトマネジメントエリアが設けられたり、また、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとしてつかわれる。
半径23.1mm、つまりテストライトエリアから、リードアウトゾーンまでが、フェイズチェンジマークが記録再生されるRWゾーン(記録再生領域)とされる。
アドレス情報を形成したグルーブには、フェーズチェンジマークにより情報を記録再生する。
図14(a)に示すように、RWゾーンにおけるグルーブ、つまりADIPアドレス情報を形成したグルーブトラックは、トラックピッチTP=0.32μmとされている。
このトラック上にはフェイズチェンジマークによるレコーディングマークが記録されるが、フェーズチェンジマークはRLL(1,7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))等により、線密度0.12μm/bit、0.08μm/ch bitで記録される。
1chビットを1Tとすると、マーク長は2Tから8Tで最短マーク長は2Tである。
アドレス情報は、ウォブリング周期を69Tとし、ウォブリング振幅WAはおよそ20nm(p-p)である。
アドレス情報のウォブリングのCNR(carrier noise ratio)はバンド幅30KHzのとき、記録後30dBであり、アドレスエラーレートは節動(ディスクのスキュー,デフォーカス、外乱等)による影響を含めて1×10-3以下である。
即ちトラックピッチTP=0.35μmであり、ウォブリング周期は36T、ウォブリング振幅WAはおよそ40nm(p-p)とされている。ウォブリング周期が36Tとされることはプリレコーデット情報の記録線密度はADIP情報の記録線密度より高くなっていることを意味する。また、フェーズチェンジマークは最短2Tであるから、プリレコーデッド情報の記録線密度はフェーズチェンジマークの記録線密度より低い。
ウォブリング波形は、RWゾーンでは正弦波状に形成するが、PBゾーンでは、正弦波状か或いは矩形波状で記録することができる。
ADIPアドレス情報についてのウォブルのCNRはバンド幅30KHzのとき、フェイズチェンジマークの未記録状態で35dBである。
アドレス情報としては、いわゆる連続性判別に基づく内挿保護を行うことなどによりこの程度の信号品質で十分であるが、PBゾーンに記録するプリレコーデッド情報については、フェイズチェンジマークと同等のCNR50dB以上の信号品質は確保したい。このため、図14(b)に示したようにPBゾーンでは、RWゾーンにおけるグルーブとは物理的に異なるグルーブを形成するものである。
さらにウォブル波形として矩形波をつかうことによって、CNRを+2dB改善できる。
あわせてCNRは43dBである。
フェーズチェンジマークとプリレコーデッドデータゾーンのウォブルの記録帯域の違いは、ウォブル18T(18Tは36Tの半分);フェイズチェンジマーク2Tで、この点で9.5dB得られる。
従ってプリレコーデッド情報としてのCNRは52.5dB相当であり、となりのトラックからのクロストークとして−2dBを見積もっても、CNR50.5dB相当である。つまり、ほぼフェーズチェンジマークと同程度の信号品質となり、ウォブリング信号をプリレコーデッド情報の記録再生に用いることが十分に適切となる。
変調はFMコードをつかう。
図15(a)にデータビット、図15(b)にチャンネルクロック、図15(c)にFMコード、図15(d)にウォブル波形を縦に並べて示している。
データの1bitは2ch(2チャンネルクロック)であり、ビット情報が「1」のとき、FMコードはチャンネルクロックの1.2の周波数とされる。
またビット情報が「0」のとき、FMコードはビット情報「1」の1/2の周波数であらわされる。
ウォブル波形としては、FMコードを矩形波を直接記録することもあるが、図15(d)に示すように正弦波状の波形で記録することもある。
なお、図15(e)(f)に示すパターンに対応した場合は、図15(j)(k)に示すようになる。
2−2.データのECCフォーマット
まず図16には、フェーズチェンジマークで記録再生するメインデータ(ユーザーデータ)についてのECCフォーマットを示している。
上記LDCのデータと、BISは図示するフレーム構造を構成する。即ち1フレームにつき、データ(38B)、BIS(1B)、データ(38B)、BIS(1B)、データ(38B)が配されて155Bの構造となる。つまり1フレームは38B×4の152Bのデータと、38BごとにBISが1B挿入されて構成される。
フレームシンクFS(フレーム同期信号)は、1フレーム155Bの先頭に配される。1つのブロックには496のフレームがある。
LDCデータは、0,2,・・・の偶数番目の符号語が、0,2,・・・の偶数番目のフレームに位置し、1,3,・・・の奇数番目の符号語が、1,3,・・・の奇数番目のフレームに位置する。
このため、エラーが検出されたBISのシンボルは次のように使うことができる。
ECCのデコードの際、BISを先にデコードする。図18(a)のフレーム構造において隣接したBISあるいはフレームシンクFSの2つがエラーの場合、両者のあいだにはさまれたデータ38Bはバーストエラーとみなされる。このデータ38Bにはそれぞれエラーポインタが付加される。LDCではこのエラーポインタをつかって、ポインターイレージャ訂正をおこなう。
これによりLDCだけの訂正より、訂正能力を上げることができる。
BISにはアドレス情報等が含まれている。このアドレスは、ROMタイプディスク等で、ウォブリンググルーブによるアドレス情報がない場合等につかわれる。
この場合ECCには、メインデータ4KB(1セクタ2048B×2セクタ)に対するLDC(long distance code)とBIS(Burst indicator subcode)の2つがある。
上記LDCのデータと、BISは図示するフレーム構造を構成する。即ち1フレームにつき、フレームシンクFS(1B)、データ(10B)、BIS(1B)、データ(9B)が配されて21Bの構造となる。つまり1フレームは19Bのデータと、BISが1B挿入されて構成される。
フレームシンクFS(フレーム同期信号)は、1フレームの先頭に配される。1つのブロックには248のフレームがある。
ECCのデコードの際、BISを先にデコードする。隣接したBIS或いはフレームシンクFSの2つがエラーの場合、両者のあいだにはさまれたデータ10B、あるいは9Bはバーストエラーとみなされる。このデータ10B、あるいは9Bにはそれぞれエラーポインタが付加される。LDCではこのエラーポインタをつかって、ポインターイレージャ訂正をおこなう。
これによりLDCだけの訂正より、訂正能力をあげることができる。
これは、プリレコーデッド情報のECCデコード処理は、フェイズチェンジマークによるデータ再生時のECCデコード処理を行う回路系で実行でき、ディスクドライブ装置としてはハードウエア構成の効率化を図ることができることを意味する。
2−3.アドレスフォーマット
2−3−1.記録再生データとアドレスの関係
本例のDVRディスクの記録再生単位は、上記図18に示した156シンボル×496フレームのECCブロックの前後に1フレームのPLL等のためのリンクエリアを付加して生成された合計498フレームの記録再生クラスタとなる。この記録再生クラスタを、RUB(Recording Unit Block)と呼ぶ。
そして本例のディスク1のアドレスフォーマットでは、図19(A)に示すように、1つのRUB(498フレーム)を、ウォブルとして記録された3つのアドレスユニット(ADIP_1,ADIP_2,ADIP_3)により管理する。すなわち、この3つのアドレスユニットに対して、1つのRUBを記録する。
2−3−2.シンクパート
図20に、アドレスユニット内のシンクパートのビット構成を示す。シンクパートは、アドレスユニットの先頭を識別するための部分であり、第1から第4の4つのシンクブロック(sync block "1",sync block "2",sync block "3",sync block "4")から構成される。各シンクブロックは、モノトーンビットと、シンクビットとの2つのビットブロックから構成される。
2−3−3.データパート
図26に、アドレスユニット内のデータパートのビット構成を示す。データパートは、アドレス情報の実データが格納されている部分であり、第1から第15の15つのADIPブロック(ADIP block"1"〜ADIP block"15")から構成される。各ADIPブロックは、1つのモノトーンビットと4つのADIPビットとから構成される。
モノトーンビットの信号波形は、図21に示したものと同様である。
ADIPビットは、実データの1ビットを表しており、その符号内容で信号波形が変わる。
本例の光ディスク1のアドレスフォーマットは、この図29に示すように、ビット同期マークBMと、MSK変調マークMMと、HMW変調部とが、1つのアドレスユニット内に離散的に配置されている。そして、各変調信号部分の間は、少なくとも1ウォブル周期以上のモノトーンウォブルが配置されている。従って、各変調信号間の干渉がなく、確実にそれぞれの信号を復調することができる。
2−3−4.アドレス情報の内容
以上のように記録されるADIP情報としてのアドレスフォーマットは図30のようになる。
ADIPアドレス情報は36ビットあり、これに対してパリティ24ビットが付加される。
36ビットのADIPアドレス情報は、多層記録用にレイヤナンバ3bit(layer no.bit 0〜layer no.bit2)、RUB(recording unit block)用に19bit(RUB no.bit 0〜layer no.bit 18)、1RUBに対する3つのアドレスブロック用に2bit(address no.bit 0、address no.bit1)とされる。
また、記録再生レーザパワー等の記録条件を記録したdisc ID等、AUXデータとして12bitが用意されている。
このAUXデータは、後述するディスクインフォメーションとしてのデータ記録に用いられることになる。
エラー訂正方式としては4ビットを1シンボルとした、nibbleベースのリードソロモン符号RS(15,9,7)である。つまり、符号長15ニブル、データ9ニブル、パリティ6ニブルである。
2−4.アドレス復調回路
次に、上述したアドレスフォーマットのDVRディスクからアドレス情報を復調するアドレス復調回路について説明をする。
図31に、アドレス復調回路のブロック構成図を示す。
アドレス復調回路30は、図31に示すように、PLL回路31と、MSK用タイミングジェネレータ32と、MSK用乗算器33と、MSK用積算器34と、MSK用サンプル/ホールド回路35と、MSK用スライス回路36と、Syncデコーダ37と、MSKアドレスデコーダ38と、HMW用タイミングジェネレータ42と、HMW用乗算器43と、HMW用積算器44と、HMW用サンプル/ホールド回路45と、HMW用スライス回路46と、HMWアドレスデコーダ47とを備えている。
MSK用積算器34は、MSK用乗算器33により同期検波された信号に対して積算処理を行う。なお、このMSK用積算器34は、MSK用タイミングジェネレータ42により生成されたクリア信号(CLR)の発生タイミングで、その積算値を0にクリアする。
MSK用スライス回路36は、MSK用サンプル/ホールド回路35によりホールドされている値を、原点(0)を閾値として2値化し、その値の符号を反転して出力する。
そして、このMSK用スライス回路36からの出力信号が、MSK復調されたデータストリームとなる。
HMW用積算器44は、HMW用乗算器43により同期検波された信号に対して積算処理を行う。なお、このHMW用積算器44は、HMW用タイミングジェネレータ42により生成されたクリア信号(CLR)の発生タイミングで、その積算値を0にクリアする。
そして、このHMW用スライス回路46からの出力信号が、復調されたデータストリームとなる。
HMWアドレスデコーダ47は、復調されたデータストリームから、各ADIPビットが表している符号内容を判断する。そして、その判断結果から得られたビット列を、HMWのアドレス情報として出力する。
図34(B)は、生成されたウォブル信号を示している。図34(C)は、このウォブル信号の同期検波出力信号(HMW×Sin(2ωt))と、同期検波出力信号の積算出力値、この積算出力値のホールド値、並びに、スライス回路26から出力される復調された被変調データを示している。
3.ディスクインフォメーションのECCフォーマット
本例のディスクにおいては、ADIPアドレスとしての絶対アドレス情報とともに付加情報としてディスクインフォメーションとしてのデータが、予めウォブリンググルーブによって記録される。
即ち図30で説明したADIP情報としてのECC単位のアドレスフォーマットでは12ビットのAUXデータ(reserve bit0〜reserve bit12)が含まれているが、この12ビットは、ディスクインフォメーションとして利用される。
ディスクインフォメーションは、ADIP情報のECCブロックの12ビットが集められて成る例えば112バイトで構成されて、以下に説明するようにディスクの属性や制御情報を含むものである。
図35には112バイトで構成されるディスクインフォメーションの内容を示しており、その内容(contents)を112バイトのうちのバイト位置(Byte number)毎に示す。また各内容(contents)のデータサイズとしてのバイト数(number of bytes)を示している。
バイトナンバ2の1バイトには、ディスクインフォメーションのフォーマットのバージョンが示される。
バイトナンバ4の1バイトには、ディスクインフォメーションブロック内のフレーム数が示される。
バイトナンバ5の1バイトには、ディスクインフォメーションブロック内のフレームの番号が示される。
バイトナンバ6の1バイトには、ディスクインフォメーションブロックの当該フレームで使用しているバイト数が示される。
バイトナンバ11の1バイトには、ディスクサイズとして例えば120mmなどのディスク径が示され、またフォーマットバージョンが示される。
バイトナンバ12の1バイトには、ディスク構造として、多層ディスクの層数が示される。
バイトナンバ13の1バイトには、チャンネル密度、つまり容量が示される。
バイトナンバ16の1バイトには、BCAの有無が示される。
バイトナンバ17の1バイトには、アプリケーションの最大転送レートが示される。
バイトナンバ32〜35の4バイトには、記録速度が示される。
バイトナンバ36〜39の4バイトには、最大DC再生パワーが示される。
バイトナンバ40〜43の4バイトには、高周波変調されている場合の最大再生パワーが示される。
バイトナンバ48〜55の8バイトには、nominal時の記録速度の記録パワーが示される。
バイトナンバ56〜63の8バイトには、最大記録速度の記録パワーが示される。
バイトナンバ64〜71の8バイトには、最小記録速度の記録パワーが示される。
バイトナンバ73〜75の3バイトには、最初の記録パルス幅が示される。
バイトナンバ76〜78の3バイトには、nominal記録速度での最初の記録パルス位置が示される。
バイトナンバ79〜81の3バイトには、最大記録速度での最初の記録パルス位置が示される。
バイトナンバ82〜84の3バイトには、最小記録速度での最初の記録パルス位置が示される。
バイトナンバ89〜91の3バイトには、nominal記録速度での最初のイレースパルス位置が示される。
バイトナンバ92〜94の3バイトには、最大記録速度での最初のイレースパルス位置が示される。
バイトナンバ95〜97の3バイトには、最小記録速度での最初のイレースパルス位置が示される。
バイトナンバ98の1バイトには、イレースパルスの極性をあらわすフラグビットが記録される。
以上の各バイトナンバ以外はリザーブとされる。
上述のように、リードインゾーンとしては、その内周側がPBゾーンとしてプリレコーデッドデータが記録されているが、そのPBゾーンに続いてフェーズチェンジ記録方式によるデータ記録再生が可能なRWゾーンが形成されるものとなっており、RWゾーンの先頭からADIP情報としての絶対アドレスの記録(ウォブリンググルーブによる記録)が開始される。このADIPアドレスとともに、ADIP情報におけるAUXデータ(reserve bit0〜reserve bit12)を用いて上記ディスクインフォメーションが記録されるものである。
リードインゾーンはディスクドライブ装置がディスク装填時に最初にアクセスする領域であるため、少なくともリードインゾーンにディスクインフォメーションが記録されていることで、ディスクドライブ装置が上記図35に示した各情報を読み込むことに好適である。
アドレス情報としては、ディスク上に連続して記録されるものであり、或る程度エラーが生じてもさほどの問題とはならないという性質上、このようなエラー訂正符号化方式のみで十分なものである。
一方、ディスクインフォメーションについては、ディスク1に対する記録再生時に基準となる情報が含まれていることなどから、エラー訂正方式としてアドレス情報よりも高度なものが求められる。
そこで本例では、ディスクインフォメーションについては、より高度なエラー訂正符号化(第1のエラー訂正方式による符号化)を行った上で、AUXデータ(reserve bit0〜reserve bit12)としてADIPフォーマットに割り当てるようにしている。従って、ADIPデータとして記録されるディスクインフォメーションは、第1のエラー訂正方式による符号化が行われ、さらに60ビットのADIP情報のECCブロックとされるようにnibbleベースのリードソロモン符号RS(15,9,7)という第2のエラー訂正方式による符号化が行われることになり、2重のエラー訂正符号化が施されたものとなっている。
これを248バイトの1ECCコードワードとしてのデータ216バイトとパリティ32バイトで示したものが図36である。
そしてディスクインフォメーションについても、同様にLDCはRS(248,216,33)、符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードを用いる。図37にディスクインフォメーションのECCフォーマットを示す。
ディスクインフォメーションのフレーム(DI frame)は、96ADIP、つまり、144バイトより形成される。
1DI frameのディスクインフォメーションの情報量は図35に示したように112バイトである。
この112バイトに、ダミーデータとしてデータ「FFh(=11111111)」を104バイト付加して216バイトとする。
図37は、この216バイトのデータに対して、パリティ32バイトをつけたECCフォーマットである。
この場合、符号長248、データ216、ディスタンス33、パリティ32のRSコードとなる。
つまり、図16で説明したユーザーデータと同一のLDC(long distance code) によるECCフォーマットである。
またADIP情報に組み込まれてウォブリンググルーブによって記録される再生専用のデータとされることになるが、エンボスピットで記録されるものではないため、本例のような高密度ディスクに好適である。
また、ディスクドライブ装置においては、ディスクインフォメーションの再生時のエラー訂正処理のために新たに回路系を設ける必要はない。つまりユーザーデータのエラー訂正処理を行う回路部を共有できるためである。
このためディスク1上に記録するシンボル数を少なくでき、記録線密度を大きくでき信頼性を高めることができたり、或いは容量を多く記録できるものとなる。
4.ディスクドライブ装置
次に、上記のようなディスク1に対応して記録/再生を行うことのできるディスクドライブ装置を説明していく。
図38はディスクドライブ装置の構成を示す。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によってディスク1上のRWゾーンにおけるグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報(アドレス及びディスクインフォメーション)の読み出しがおこなわれる。またPBゾーンにおけるグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたプリレコーデッド情報の読み出しがおこなわれる。
また記録時には光学ピックアップによってRWゾーンにおけるトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録され、再生時には光学ピックアップによって記録されたフェイズチェンジマークの読出が行われる。
レーザダイオードは、波長405nmのいわゆる青色レーザを出力する。また光学系によるNAは0.85である。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECCエンコーダ/デコーダ57は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。
再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。
このECCエンコーダ/デコーダ57でのECCエンコード処理、及びECCデコード処理は、上述したRS(248,216,33)、符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードを用いたECCフォーマットに対応する処理となる。
アドレスデコーダ9は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ10に供給する。
またアドレスデコーダ9はウォブル回路8から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
このウォブル回路58及びアドレスデコーダ59は、例えば上記図31で示した構成となる。
上記のようにシステムコントローラ60に供給されるアドレス値は、このエラー訂正処理を経たものとなる。
一方、AUXデータを用いて記録されたディスクインフォメーションについては、アドレスデコーダ59で1ECCブロック(ADIPワード)から12ビットずつ抽出され、ECCエンコーダ/デコーダ57に供給される。
ECCエンコーダ/デコーダ57では、図27に示した96ADIPワードによる144Bに対して104バイトのダミーデータを付加して1ECCコードワードを生成し、RS(248,216,33)、つまり符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードを用いたECCデコードを行うことで、エラー訂正処理されたディスクインフォメーションを得、それをシステムコントローラ60に供給できるものとなる。
システムコントローラ60は、読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、各種設定処理やコピープロテクト処理等を行うことができる。
この場合ECCエンコーダ/デコーダ57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコードされたデータは、変復調回路56においてRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
システムコントローラ60は、AVシステム120からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク1からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECCエンコーダ/デコーダ57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
その場合、まずBCA、プリレコーデッドデータゾーンPRを目的としてシーク動作制御を行う。即ちサーボ回路61に指令を出し、ディスク最内周側へのピックアップ51のアクセス動作を実行させる。
その後、ピックアップ51による再生トレースを実行させ、反射光情報としてのプッシュプル信号を得、ウォブル回路58、リーダ/ライタ回路55、ECCエンコーダ/デコーダ57によるデコード処理を実行させ、BCA情報やプリレコーデッド情報としての再生データを得る。
システムコントローラ60はこのようにして読み出されたBCA情報やプリレコーデッド情報に基づいて、レーザパワー設定やコピープロテクト処理等を行う。
さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図40とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
もちろん構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録専用装置、再生専用装置としての例も考えられる。
5.ディスク製造方法
続いて、上述した本例のディスク1の製造方法を説明する。
ディスクの製造プロセスは、大別すると、いわゆる原盤工程(マスタリングプロセス)と、ディスク化工程(レプリケーションプロセス)に分けられる。原盤工程はディスク化工程で用いる金属原盤(スタンパー)を完成するまでのプロセスであり、ディスク化工程はスタンパーを用いて、その複製である光ディスクを大量生産するプロセスである。
本例の場合、ディスクの最内周側のPBゾーンに相当する部分でプリレコーデッド情報に基づいたウォブリングによるグルーブのマスタリングが行われ、またRWゾーンに相当する部分で、ADIPアドレス及びディスクインフォメーションに基づいたウォブリングによるグルーブのマスタリングが行われる。
そしてマスタリングが終了すると、現像等の所定の処理を行なった後、例えば電鋳によって金属表面上への情報の転送を行ない、ディスクの複製を行なう際に必要なスタンパーを作成する。
次に、このスタンパーを用いて例えばインジェクション法等によって、樹脂基板上に情報を転写し、その上に反射膜を生成した後、必要なディスク形態に加工する等の処理を行なって、最終製品を完成する。
合成部78では、アドレス発生部76から出力されるアドレス値と、ディスクインフォメーション用ECCエンコード部77においてECCエンコードされたディスクインフォメーションを合成する。即ち図30のフォーマットのADIPワードの9ニブル(36ビット)のデータを生成していく。つまりECCエンコードされたディスクインフォメーションをADIPワード内のAUXデータとして組み込む。なおディスクインフォメーション用ECCエンコード部77で付加した、図37に示すダミーデータ部分はAUXデータとして組み込まなくてもよい。
そしてアドレス用ECCエンコード部79において、nibbleベースのリードソロモン符号RS(15,9,7)を用いたエラー訂正符号化が行われ、図30に示したフォーマットでのECCブロックが形成される。
変調部83としてはレーザ光源82からの出射光をオン/オフする音響光学型の光変調器(AOM)と、さらにレーザ光源82からの出射光をウォブル生成信号に基づいて偏向する音響光学型の光偏向器(AOD)が設けられる。
そして変調信号に基づいて変調部83の光変調器及び光偏向器を駆動する駆動処理も行う。
同時に、レーザ光源82からの出射光は変調部83を介して、信号処理部81からの変調信号に基づく変調ビームとされてマスタリングヘッド部84から硝子基板71のフォトレジスト面に照射されていき、その結果、フォトレジストがデータやグルーブに基づいて感光される。
コントローラ70は、マスタリング開始時には、マスタリング部74に対してマスタリングヘッド部84が最内周側からレーザ照射を開始するように、基板回転/移送部85のスライド位置を初期位置とさせる。そして硝子基板101のCLV回転駆動と、トラックピッチ0.35μmのグルーブを形成するためのスライド移送を開始させる。
この状態で、プリレコーデッド情報発生部71からプリレコーデッド情報を出力させ、切換部73を介して信号処理部81に供給させる。また、レーザ光源82からのレーザ出力を開始させ、変調部83は信号処理部81からの変調信号、即ちプリレコーデッド情報のFMコード変調信号に基づいてレーザ光を変調させ、硝子基板101へのグルーブマスタリングを実行させる。
これにより、PBゾーンに相当する領域に、上述した図14(b)のようなグルーブのマスタリングが行われていく。
また基板回転/移送部85には、トラックピッチ0.32μmのグルーブを形成するようにスライド移送速度を低下させる。
これにより、RWゾーンに相当する領域に、上述した図14(a)のようなグルーブのマスタリングが行われていく。
コントローラ70はセンサ86の信号から、当該マスタリング動作がリードアウトゾーンの終端に達したことを検出したら、マスタリング動作を終了させる。
その後、現像、電鋳等を行ないスタンパーが生成され、スタンパーを用いて上述のディスク1が生産される。
生成されたディスク1は、上述の通り、ディスクインフォメーションを含むADIP情報がRWゾーンにおいてウォブリンググルーブによって記録されたディスクとなる。
Claims (9)
- 書換可能又は追記可能な記録方式による第1のデータの記録再生及びグルーブのウォブリングにより記録されている第2のデータの再生が可能とされる記録再生領域を有し、
上記第2のデータは、アドレス情報と付加情報とを含むとともに、上記付加情報は上記第1のデータに対して施されるエラー訂正方式と同一のエラー訂正方式とされる第1のエラー訂正方式で符号化され、さらに符号化された付加情報と上記アドレス情報とが第2のエラー訂正方式で符号化された状態で記録されているとともに、
上記付加情報のエラー訂正符号化は、上記第1のデータについてのエラー訂正符号化の際の符号長nより小さいmの単位の付加情報に対して(m−n)のダミーデータを加えることで符号長nとしてエラー訂正符号化される
ことを特徴とするディスク記録媒体。 - 上記ダミーデータは、エラー訂正符号化及び再生時のエラー訂正処理の際に、付加するようにされることを特徴とする請求項1に記載のディスク記録媒体。
- 上記付加情報は、少なくとも上記記録再生領域におけるリードイン領域において記録されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記録媒体。
- 書換可能又は追記可能な記録方式による第1のデータの記録再生を行うための記録再生領域が設けられるディスク記録媒体の製造方法として、
付加情報を上記第1のデータに対して施されるエラー訂正方式と同一のエラー訂正方式とされる第1のエラー訂正方式で符号化し、さらに符号化した付加情報とアドレス情報とを第2のエラー訂正方式で符号化して第2のデータを形成し、
上記第2のデータに基づいてウォブリングしたグルーブをスパイラル状に形成することで上記記録再生領域を形成するとともに、
上記付加情報のエラー訂正符号化は、上記第1のデータについてのエラー訂正符号化の際の符号長nより小さいmの単位の付加情報に対して(m−n)のダミーデータを加えることで符号長nとしてエラー訂正符号化されることを特徴とするディスク製造方法。 - 上記ダミーデータは、エラー訂正符号化及び再生時のエラー訂正処理の際に、付加するようにされることを特徴とする請求項4に記載のディスク製造方法。
- 上記付加情報は、少なくとも上記記録再生領域におけるリードイン領域とされる部分に記録することを特徴とする請求項4に記載のディスク製造方法。
- 書換可能又は追記可能な記録方式による第1のデータの記録再生及びグルーブのウォブリングにより記録されている第2のデータの再生が可能とされる記録再生領域を有し、上記第2のデータは、アドレス情報と付加情報とを含むとともに、上記付加情報は上記第1のデータに対して施されるエラー訂正方式と同一のエラー訂正方式とされる第1のエラー訂正方式で符号化され、さらに符号化された付加情報と上記アドレス情報とが第2のエラー訂正方式で符号化された状態で記録されているディスク記録媒体に対して記録又は再生を行うディスクドライブ装置において、
ディスク記録媒体のウォブリングされたグルーブから上記第2のデータの読出を行う読出手段と、
上記読出手段で読み出された上記第2のデータに対して、上記第2のエラー訂正方式によるエラー訂正デコードを行って上記アドレス情報と、上記第1のエラー訂正方式で符号化された上記付加情報を得るアドレスデコード手段と、
上記アドレスデコード手段で得られた、上記第1のエラー訂正方式で符号化された上記付加情報に対して、上記第1のエラー訂正方式によるエラー訂正デコードを行って付加情報を得る付加情報デコード手段と、
を備え、
上記付加情報デコード手段は、上記第1のデータについてのエラー訂正符号化の際の符号長nより小さいmの単位の付加情報に対して(m−n)のダミーデータを加えることで符号長nとしてエラー訂正デコードを行う
ことを特徴とするディスクドライブ装置。 - 上記ダミーデータは、エラー訂正符号化及び再生時のエラー訂正処理の際に、付加するようにされることを特徴とする請求項7に記載のディスクドライブ装置。
- 上記付加情報は、上記記録再生領域におけるリードイン領域において上記読出手段によって読み出された上記第2のデータから得ることを特徴とする請求項7に記載のディスクドライブ装置。
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