JP2005214566A - 氷ディスペンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】アジテータの回転により氷放出口に氷塊を案内し、安定して氷塊を取出す。
【解決手段】氷ディスペンサは、少なくとも底部が円弧状をなす貯氷室28と、貯氷室28に回転自在に配設される氷押送部材42と、貯氷室28における円弧状底部の周方向に沿って凹設され、氷押送部材42の端部を周回自在に臨ませる氷案内溝30と、氷案内溝30に開設された氷放出口32とを備えている。氷押送部材42の端部が、その回転に伴い氷放出口32へ差し掛かる手前の貯氷室28の底面28aに突条部34を設ける。この突条部34は、その一端が氷案内溝30の側縁へ臨むと共に、他端が氷押送部材42の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置している。
【選択図】図2
【解決手段】氷ディスペンサは、少なくとも底部が円弧状をなす貯氷室28と、貯氷室28に回転自在に配設される氷押送部材42と、貯氷室28における円弧状底部の周方向に沿って凹設され、氷押送部材42の端部を周回自在に臨ませる氷案内溝30と、氷案内溝30に開設された氷放出口32とを備えている。氷押送部材42の端部が、その回転に伴い氷放出口32へ差し掛かる手前の貯氷室28の底面28aに突条部34を設ける。この突条部34は、その一端が氷案内溝30の側縁へ臨むと共に、他端が氷押送部材42の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置している。
【選択図】図2
Description
この発明は、多量の氷塊を貯蔵する貯氷室に配設され、氷塊を撹拌すると共に、必要に応じて貯氷室から外部へ氷塊を放出し得る氷押送部材を備えた氷ディスペンサに関するものである。
多量の氷塊をケーシング内に貯蔵して、必要に応じて取出しできるよう構成した氷ディスペンサが、広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。この氷ディスペンサは、図6に示すように、多量の氷塊を貯蔵するケーシング10の内部に、回動可能に設けられて氷塊を撹拌しつつ案内するアジテータ12を備え、このアジテータ12により貯蔵された氷塊のアーチングやブロッキング等を防止すると共に、該アジテータ12により撹拌案内された氷塊をケーシング10の氷放出口10aから放出するようになっている。
前記アジテータ12は、前記ケーシング10の内部に左右方向に平行に架設された回転軸14と、この回転軸14の中間部位から半径方向に延出された長手状案内部材16,16と、該回転軸14の左右に夫々互いに逆送りピッチに周設された螺旋状ワイヤ18,18とから構成されている。前記ケーシング10の内周面には、その左右方向の中央部に氷案内溝11が形成されており、前記長手状案内部材16の先端が該氷案内溝11内を移動するようになっている。また、前記氷放出口10aは、前記氷案内溝11における最下部より高い位置に設けられ、この氷放出口10aの開口部直上に、左右方向の断面が偏平状の突起19が氷案内溝11の底面から突出形成されている。すなわち、前記アジテータ12を回動させることにより、前記ケーシング10内の各螺旋状ワイヤ18,18の近傍に位置する氷塊が撹拌されつつ回転軸14の中央に向けて左右から案内されていく。そして、前記螺旋状ワイヤ18,18に案内された氷塊が氷案内溝11に落ち込むと、この氷塊が長手状案内部材16により氷案内溝11に沿って順次案内されて押上げられて、前記氷放出口10aから放出される。ここで、前記氷案内溝11に沿って案内部材16により案内されてきた氷塊が、前記突起19に突き当たることで、例えば氷塊がアーチングを起こしている場合、この氷塊群を崩して個々に分離するよう構成されている。
実公平5−33893号公報
ところで、前記ケーシングに貯蔵された氷塊は、経時的にまたはその他の要因で、氷塊同士がくっ付いて、更に前記アジテータ12に付着してしまうことがある。このような場合、前記アジテータ12とアーチングした氷塊とが一体的に回転してしまい、前記ケーシング10内の氷塊が有効に撹拌されないと共に、前記氷放出口10aからの氷塊の取出しがスムーズに行なわれない問題が指摘される。また、前記氷案内溝11に設けられた突起19では、螺旋状ワイヤ18,18に付着した氷塊を効果的に剥離できない欠点がある。
すなわちこの発明は、従来の技術に係る氷ディスペンサに内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、氷押送部材の回転により氷放出口に氷塊を案内し、より安定して氷塊を取出し得るよう構成した氷ディスペンサを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る氷ディスペンサは、
少なくとも底部が円弧状をなす貯氷室と、前記貯氷室に回転自在に配設される氷押送部材と、前記貯氷室における円弧状底部の周方向に沿って凹設され、前記氷押送部材の端部を周回自在に臨ませる氷案内溝と、前記氷案内溝に開設され、前記氷押送部材より押送される氷塊を外部へ放出する氷放出口とからなる氷ディスペンサにおいて、
前記氷押送部材の端部が、その回転に伴い前記氷放出口へ差し掛かる手前の貯氷室底部に突条部を設け、この突条部は、その一端が前記氷案内溝の側縁へ臨むと共に、他端が該氷押送部材の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置するよう構成したことを特徴とする。
少なくとも底部が円弧状をなす貯氷室と、前記貯氷室に回転自在に配設される氷押送部材と、前記貯氷室における円弧状底部の周方向に沿って凹設され、前記氷押送部材の端部を周回自在に臨ませる氷案内溝と、前記氷案内溝に開設され、前記氷押送部材より押送される氷塊を外部へ放出する氷放出口とからなる氷ディスペンサにおいて、
前記氷押送部材の端部が、その回転に伴い前記氷放出口へ差し掛かる手前の貯氷室底部に突条部を設け、この突条部は、その一端が前記氷案内溝の側縁へ臨むと共に、他端が該氷押送部材の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置するよう構成したことを特徴とする。
本発明に係る氷ディスペンサによれば、氷押送部材の端部が、その回転に伴い氷放出口へ差し掛かる手前の貯氷室底部に突条部を設け、この突条部の一端が氷案内溝の側縁へ臨むと共に、他端が氷押送部材の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置するよう構成することで、氷塊が突条部に突き当たってアーチングを解消すると共に、該突条部により回転方向への移動が阻まれた氷塊が突条部に沿って氷放出口に案内されるから、より安定して氷塊を取出すことが可能となる。特に、貯氷室に貯蔵された氷塊が少なくなっても、氷案内溝に位置していない氷塊を該氷案内溝に導くことができるから、常に安定した氷塊の放出量を維持することができる。また、前記貯氷室底部の突条部に臨んで、かつ該突条部に干渉しない位置を氷押送部材と同軸的に回転する撹拌部材を備えているので、貯氷室における氷塊の流動をより促すと共に、該撹拌部材により氷塊が好適に案内される。更に、前記突条部における氷案内溝の側縁に臨む一端を、前記氷放出口に近接して設けることで、該突条部で氷案内溝へ氷塊を案内するだけでなく、氷放出口に氷塊を直接導いて、より円滑な放出を補助することができる。
次に、本発明に係る氷ディスペンサにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。ここで、氷ディスペンサにおいて、氷放出口が設けられる側面を前側とする。
図1は、実施例の氷ディスペンサの貯氷部分であるディスペンサ部20を示す側断面図であって、該ディスペンサ部20に氷塊を供給する製氷機構および製氷機構を冷却する冷却機構は図示を省略してある。実施例のディスペンサ部20は、氷ディスペンサの意匠面を構成する外装21の内部に、製氷機構で製氷された氷塊を貯蔵する貯氷室28を内部画成した貯氷庫22と、該貯氷室28の底部における左右方向の中央部に凹設され、貯氷庫22の外部に連通する氷放出口32が設けられた氷案内溝30と、該貯氷室28に回転自在に配設されたアジテータ40と、このアジテータ40を回転駆動するモータ50とを備え、貯氷室28に貯蔵した氷塊をアジテータ40で撹拌すると共に、このアジテータ40で氷塊を外部に放出し得るよう構成されている。
図2〜図4に示すように、前記貯氷庫22は、内箱と外箱とで画成される空間部分に断熱材を充填した断熱箱体であって、内部に氷塊を受容する貯氷室28が設けられ、その上部に設けた通孔22a(図1参照)から製氷機構で製氷された氷塊が流入し、受容した所要量の氷塊を貯蔵し得るようになっている。前記貯氷庫22は、その前壁部24および後壁部25と底部とがなす隅角部分が面取りされた如き傾斜形状に形成され、上方から下方へ向かうにつれて窄まっている(図3参照)。ここで、前記貯氷庫22の底部における傾斜形状は、後述する前後方向に円弧形状に形成された貯氷室28の底部形状に対応させて形成されている。前記貯氷庫22において、前側に臨む前側傾斜壁部には、前記貯氷室28の底面から所要の高さ位置に氷放出口32が設けられている。そして、前記貯氷庫22の底部における前側を、上方から下方に向かうにつれて後傾させることで、前記氷放出口32の下部に、該氷放出口32から放出される氷塊を受容するために、容器を挿入し得るスペースを確保している。また、前記貯氷庫22の底部における後側を、上方から下方に向かうにつれて前傾させることで、該貯氷庫22の外面をなす後側傾斜壁部と、この後側傾斜壁部と対向する氷ディスペンサの外殻をなす長方形箱状の外装21との間に、所要の空間36が確保される(図1参照)。
前記貯氷庫22に内部画成された貯氷室28は、その底部が該貯氷庫22の前壁部24から後壁部25に亘って、上方に開放した少なくとも円弧状に形成されている(図3参照)。また、前記貯氷室28の底部における左右方向の略中央部には、円弧の周方向(前後方向)に沿って延在する氷案内溝30が凹設され、該氷案内溝30に後述するアジテータ40の氷押送部材42の端部が周回自在に臨むようになっている。実施例の氷案内溝30は、前記貯氷庫22の内壁面において、前記前壁部24の上端から後壁部25側の円弧状部分の終端まで形成されている。また前記氷案内溝30における円弧状の底面30aは、前記貯氷室28の底面(貯氷室底部)28aの円弧状部分と同心円の関係にある。すなわち、前記貯氷室28の底部は、氷塊が案内される氷案内溝30の底面30aと、該氷案内溝30を挟んで貯氷室28における左右の各側壁部26,26との間の貯氷室28の底面28a,28aとの間で、氷案内溝30側が下がった段差状になっている(図4参照)。なお、前記貯氷室28の底面28a,28aおよび氷案内溝30の底面30aについて、その左右方向は水平に延在している。
前記貯氷庫22の前側傾斜壁部に設けられる氷放出口32は、前記氷案内溝30における前側の円弧部分において、その最下部より上方に位置して前記底面30aで開口している。図1に示すように、前記氷放出口32の外側に臨む先端部には、該氷放出口32から放出される氷塊を受容して飛散を防止する漏斗状のシュート部材37が配設され、該シュート部材37の終端に置かれた図示しない容器に好適に氷塊を案内し得るようになっている。また前記貯氷庫22の外部には、前記氷放出口32を開閉自在に閉成する蓋部材38と、この蓋部材38を開閉するソレノイド等を利用した開閉手段39とが設けられ、必要に応じて開閉手段39を駆動して蓋部材38を開放することで、前記アジテータ40の回転により氷放出口32から所要量の氷塊を取出し得るようになっている。
前記貯氷室28の底面28aには、前記アジテータ40の氷押送部材42の端部が、その回転に伴い前記氷放出口32へ差し掛かる手前の該底面28aに突条部34が設けられ、この突条部34は、その一端が前記氷案内溝30の側縁へ臨むと共に、他端が該アジテータ40の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置している。すなわち、前記突条部34は、前記氷案内溝30を挟む左右の底面28a,28aにおいて、該貯氷室28の各側壁部26側から氷案内溝30側へ向かうにつれて、前記アジテータ40の回転方向後側から前側に傾斜している。左右の突条部34,34は、断面三角形状であって、その頂部が前記貯氷室28の内方へ臨むと共に、各側壁部26から氷案内溝30の側縁部に亘る底面28a,28aにおける左右方向の全体にかけて延在し、該氷案内溝30を挟んで対称的に形成されている。また各突条部34は、前記貯氷室28における最下部より高い位置に開口する氷放出口32の下部開口縁、すなわち前記アジテータ40の回転方向後側の縁へ向けて各側壁部26側から上方傾斜するよう左右方向に延在し、その端部が該氷放出口32の下部開口縁に近接している(図4参照)。
前記アジテータ40は、前記貯氷室28の左右方向に水平に延在して、回転自在に架設された回転軸41と、前記氷案内溝30に対応して回転軸41の略中央部に設けられた複数の氷押送部材42と、この氷押送部材42の左右に離間して回転軸41に夫々配設された撹拌部材46とから構成されている。ここで前記回転軸41は、前記貯氷室28の底部および氷案内溝30を構成する円弧の中心に沿って配設されている。また前記回転軸41は、前記貯氷庫28の左右両側壁部26,26に夫々設けられた軸受52で回転自在に軸支され、後述するモータ50により回転軸41を回転することで、氷押送部材42および撹拌部材46は同軸的に回転するよう構成される。すなわち、前記氷押送部材42および撹拌部材46の先端が、前記回転軸41の回転により描く回転軌跡は、前記貯氷室28の底面28aおよび前記氷案内溝30の底面30aをなす円弧と同心円の関係となっている。
前記氷押送部材42は、前記回転軸41から半径方向に延出する案内棒43と、この案内棒43の先端に設けられた案内爪44とから構成され、前記氷案内溝30に対応するよう設けられる。前記氷押送部材42は、前記回転軸41の周方向に所要間隔で延出されて、実施例では90°ピッチで4本延出している。前記案内棒43は断面円形の棒状体であり、その延出長さは、先端に設けた案内爪44が底部に至った際に、該案内爪44の一部が前記氷案内溝30内に臨む寸法に設定されている。また前記案内爪44は円筒形であって、前記案内棒43の先端に対して軸方向の略中間部の周面で接合され、該案内棒43と案内爪44とはT字状の関係になっている。前記案内爪44は、その軸方向が貯氷室28の左右方向に延在すると共に、前記氷案内溝30の幅より小寸法に設定されている。すなわち、前記案内爪44の周面と氷案内溝30の底面30aとは向かい合い、その間隔は氷塊の通過できない程度に設定される。前記氷押送部材42は前記回転軸41の回転に伴い、前記貯氷室28に貯蔵されている氷塊を撹拌して流動を促すと共に、前記氷案内溝30に案内爪44が整合した際に、該氷案内溝30に位置している氷塊を前記氷放出口32へ向けて案内するよう機能する。
一方、前記撹拌部材46は断面円形の棒状体であって、前記回転軸41における前記氷押送部材42と左右の側壁部26との間に夫々配設され、該回転軸41の半径方向に延出した撹拌棒47と、この撹拌棒47の先端を折曲することで形成された撹拌爪48とから構成される。前記撹拌棒47の先端に形成される撹拌爪48は、該撹拌棒47の先端がアジテータ40の回転方向後側に折曲された後、前記貯氷室28の側壁部26側から中央部へ向けて左右方向に延在するよう折曲してある。すなわち前記撹拌爪48において、前記左右方向に延在する部位は、その周面が貯氷室28の底面28aに延在する突条部34に臨んでいる。実施例の撹拌部材46,46は、前記氷押送部材42を挟む左右の回転軸41に夫々一本ずつ配設されると共に、両撹拌部材46,46は回転軸41に対して周方向に180°変位させた関係で配設されている。また、前記撹拌部材46は、前記回転軸41に対して90°ピッチで延出している氷押送部材42,42の間に位置するように設定され、側面視において氷押送部材42と45°程度変位して設けられている(図3参照)。前記撹拌部材46の延出寸法は、前記回転軸41と前記突条部34の上端との間隔より短く設定され、該撹拌部材46が回転する際に突条部34に干渉しない長さとなっている。そして、前記撹拌部材46は前記回転軸41の回転に伴い、貯氷室28に貯蔵されている氷塊を撹拌して流動を促すと共に、該貯氷室28の底面28aに位置している氷塊を前記突条部34に向けて案内するように機能する。
前記ディスペンサ部20の後部において、前記貯氷庫22の外面と外装21がなす空間36にモータ50が配設されている。前記モータ50の駆動軸には、第2プーリ56が配設され、前述した回転軸41に配設された第1プーリ54との間にベルト58が巻掛けられており、該モータ50により回転軸41を所要方向(案内爪44が最下部から氷放出口32に向かう方向)に回転するようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る氷ディスペンサの作用について説明する。先ず、前記貯氷室28に貯蔵された氷塊を前記アジテータ40により搬出する工程について説明する。(1)前記モータ50を駆動すると、該モータ50の回転がベルト58を介してアジテータ40の回転軸41に伝達されて該アジテータ40が周方向へ回転を開始する。このとき、前記回転軸41に配設された氷押送部材42および撹拌部材46も一体的に回転する。また、前記氷放出口32の外部開口を覆っていた蓋部材38が、前記開閉手段39により開放される。(2)前記氷押送部材42および撹拌部材46の回転により、前記貯氷室28に貯蔵されている氷塊が撹拌され、アーチングやブロッキング等を起こしている氷塊が崩されて個々に分離されると共に、氷塊の流動を促すことで、アーチングやブロッキング等の発生を防止する。(3)また、前記氷案内溝30に落ち込んでいる氷塊が、氷押送部材42の先端に配設されている案内爪44に押送され、前記氷放出口32へ向けて該氷案内溝30に沿って案内されて該氷放出口32から放出される。(4)これと同時に、前記撹拌部材46の先端に形成された撹拌爪48が、貯氷室28の底面28aにある氷塊を該底面28aに沿って案内していく。(5)そして、前記貯氷室28の底面28aに突設された突条部34により、該底面28aを案内されてきた氷塊の移動が阻まれる。前記突条部34は、前記貯氷室28の各側壁部26から氷案内溝30に向かうにつれて、回転方向後側から前側に傾斜しているから、撹拌に伴い更に氷塊が押されることで、該突条部34において左右方向に偏倚する傾斜に沿って氷塊が案内されて氷案内溝30に落ち込む。(6)前記貯氷室28の底面28aから氷案内溝30に落ち込んだ氷塊が、前記氷押送部材42に押されて氷放出口32から放出される。更に前記突条部34は、前記氷放出口32の下部開口縁に向けて傾斜が設けられているので、該突条部34に沿って運ばれた氷塊のうち一部が氷放出口32から直接放出される。なお、これら一連の搬出工程は、前記アジテータ40の回転に伴い連続して行なわれる。
次に、実施例に係る氷ディスペンサの作用について説明する。先ず、前記貯氷室28に貯蔵された氷塊を前記アジテータ40により搬出する工程について説明する。(1)前記モータ50を駆動すると、該モータ50の回転がベルト58を介してアジテータ40の回転軸41に伝達されて該アジテータ40が周方向へ回転を開始する。このとき、前記回転軸41に配設された氷押送部材42および撹拌部材46も一体的に回転する。また、前記氷放出口32の外部開口を覆っていた蓋部材38が、前記開閉手段39により開放される。(2)前記氷押送部材42および撹拌部材46の回転により、前記貯氷室28に貯蔵されている氷塊が撹拌され、アーチングやブロッキング等を起こしている氷塊が崩されて個々に分離されると共に、氷塊の流動を促すことで、アーチングやブロッキング等の発生を防止する。(3)また、前記氷案内溝30に落ち込んでいる氷塊が、氷押送部材42の先端に配設されている案内爪44に押送され、前記氷放出口32へ向けて該氷案内溝30に沿って案内されて該氷放出口32から放出される。(4)これと同時に、前記撹拌部材46の先端に形成された撹拌爪48が、貯氷室28の底面28aにある氷塊を該底面28aに沿って案内していく。(5)そして、前記貯氷室28の底面28aに突設された突条部34により、該底面28aを案内されてきた氷塊の移動が阻まれる。前記突条部34は、前記貯氷室28の各側壁部26から氷案内溝30に向かうにつれて、回転方向後側から前側に傾斜しているから、撹拌に伴い更に氷塊が押されることで、該突条部34において左右方向に偏倚する傾斜に沿って氷塊が案内されて氷案内溝30に落ち込む。(6)前記貯氷室28の底面28aから氷案内溝30に落ち込んだ氷塊が、前記氷押送部材42に押されて氷放出口32から放出される。更に前記突条部34は、前記氷放出口32の下部開口縁に向けて傾斜が設けられているので、該突条部34に沿って運ばれた氷塊のうち一部が氷放出口32から直接放出される。なお、これら一連の搬出工程は、前記アジテータ40の回転に伴い連続して行なわれる。
前記貯氷室28の底面28aに、前記氷放出口32へ向けて上方傾斜する突条部34を設けることで、前記氷押送部材42および撹拌部材46により流動されてきた氷塊が、該突条部34に進路を阻まれて抵抗を受ける。すなわち、前記アジテータ40において、前記氷押送部材42または撹拌部材46と付着してアーチングした氷塊が、該アジテータ40と一体的に回転した場合であっても、一体回転している氷塊が前記突条部34に突き当たることで、氷押送部材42または撹拌部材46から剥離される。このように、アーチングやブロッキング等を起こしている氷塊間のバランスを崩して氷塊のアーチング等を解消し、個々の氷塊に分離することで、前記氷放出口32から氷塊をスムーズに搬出し得る。
また前記突条部34を、各側壁部26から氷案内溝30に向かうにつれて、前記アジテータ40の回転方向後側から前側に傾斜するように配設すると共に、該突条部34における氷案内溝30側の端部が前記氷放出口32の下部開口縁に近接して位置しているから、突条部34により回転方向への移動を妨げられた氷塊が、該アジテータ40の回転により案内されてくる後続の氷塊に押されて、該突条部34の壁面に沿って導かれ、氷案内溝30に開口する氷放出口32に向けて案内される。すなわち、前記氷案内溝30に落ち込んでいる氷塊だけでなく、前記アジテータ40による撹拌に伴い貯氷室28の底面28aに存在している氷塊も氷案内溝30に移動するから、該氷押送部材42により安定して氷塊を取出すことが可能となる。特に、前記貯氷室28に貯蔵された氷塊が少なくなっても、前記氷案内溝30に位置していない氷塊を該氷案内溝30に導くことができるから、常に安定した氷塊の放出量を維持することができる。従って、前記貯氷室28の底面28aについて、各側壁部26から氷案内溝30に向けて該氷案内溝30に氷塊を導くように下方傾斜を設けたホッパー形状とする必要はなく、貯氷室28の貯氷容量を大きく設定できるメリットがある。
前記アジテータ40は、前記氷案内溝30に臨む氷押送部材42と、前記貯氷室28における該氷案内溝30を挟む左右の底面28a側に臨む撹拌部材46とから構成され、前記貯氷室28の全体に亘る夫々の領域に対応して撹拌する部材を夫々備えているから、アーチングやブロッキング等の発生をより好適に抑制し得る。また前記アジテータ40は、複数の氷押送部材42を備えているから、前記氷案内溝30に至った一の氷押送部材42が氷塊を氷放出口32へ案内すると同時に、撹拌部材46で貯氷室28の他の領域が撹拌されるので、前述した突条部34の作用を利用して貯氷室28の底面28aに位置する氷塊を氷放出口32へ案内することも可能である。更に、前記貯氷室28に配設されて氷塊と当接する回転部分である氷押送部材42、撹拌部材46および回転軸41が断面円形であり、その周面がR形状となっているので、アジテータ40と氷塊との引っ掛かりを抑制して、前記モータ50にかかる負荷を軽減すると共に、氷塊の割れを防止している。特に、4角や星形等の所要形状に氷塊を成形した際に、氷塊の割れを抑制して氷塊の商品価値を低下させることはない。
従来例で示したアジテータ12は、ケーシング10における氷放出口10aが設けられる前側に偏倚して配設されているから、ケーシング10の後側は撹拌され難いので、該アジテータ12の撹拌半径より過剰にケーシング10を広くすると、貯氷量が増える利点があるが、氷塊が撹拌されないデッドスペースが生じてしまう(図6参照)。すなわち、貯氷室のデッドスペースにおいて、アーチングやブロッキング等が発生することがあり、内部の氷塊を有効に利用できない難点があると共に、氷塊の放出に際して安定した量が得られない問題が指摘される。そこで、実施例の貯氷庫22は、後側の底部部分を斜めに切り欠くことで、氷塊が撹拌されないデッドスペースを作らないようして、アーチングの発生を抑制している。また、前記外装21と貯氷庫22の外面との間に、空間36が生じるから、この空間36にモータ50を配設することができる。従来、ストッカの下方に配設されていたモータにより氷ディスペンサ自体の高さ方向の寸法が大きくなっていたが、空間36にモータ50を配設することで、氷ディスペンサ自体の高さを低くすることが可能となった。
〔変更例〕
実施例のアジテータ40は、貯氷室28の氷塊を撹拌および氷放出口32へ案内するため、氷押送部材42と撹拌部材46とを備えているが、少なくとも氷案内溝30に臨む氷押送部材42を備える構成であれば、撹拌部材46を省略した構成も採用し得る。図5に示すように、変更例のアジテータ60は、回転軸41の略中央部から半径方向に複数の氷押送部材42のみが延出した構成になっている。すなわち、前記アジテータ60が回転すると、複数の氷押送部材42を備えているから、前記氷案内溝30に至った一の氷押送部材42が氷塊を氷放出口32へ案内すると同時に、他の氷押送部材42で貯氷室28の他の領域が撹拌されるので、前述した突条部34の作用を利用して貯氷室28の底面28aに位置する氷塊を氷放出口32へ案内することも可能である。このように、前記貯氷室28の底面28aに対応した撹拌部材を設けなくても、該貯氷室28の底面28aに位置している氷塊を氷案内溝30に導くことができる。従って、前記アジテータ60の構成が簡単になることによりコストを削減することができる。
実施例のアジテータ40は、貯氷室28の氷塊を撹拌および氷放出口32へ案内するため、氷押送部材42と撹拌部材46とを備えているが、少なくとも氷案内溝30に臨む氷押送部材42を備える構成であれば、撹拌部材46を省略した構成も採用し得る。図5に示すように、変更例のアジテータ60は、回転軸41の略中央部から半径方向に複数の氷押送部材42のみが延出した構成になっている。すなわち、前記アジテータ60が回転すると、複数の氷押送部材42を備えているから、前記氷案内溝30に至った一の氷押送部材42が氷塊を氷放出口32へ案内すると同時に、他の氷押送部材42で貯氷室28の他の領域が撹拌されるので、前述した突条部34の作用を利用して貯氷室28の底面28aに位置する氷塊を氷放出口32へ案内することも可能である。このように、前記貯氷室28の底面28aに対応した撹拌部材を設けなくても、該貯氷室28の底面28aに位置している氷塊を氷案内溝30に導くことができる。従って、前記アジテータ60の構成が簡単になることによりコストを削減することができる。
28 貯氷室,28a 貯氷室底部(底面),30 氷案内溝,32 氷放出口
34 突条部,42 氷押送部材,46 撹拌部材
34 突条部,42 氷押送部材,46 撹拌部材
Claims (3)
- 少なくとも底部が円弧状をなす貯氷室(28)と、前記貯氷室(28)に回転自在に配設される氷押送部材(42)と、前記貯氷室(28)における円弧状底部の周方向に沿って凹設され、前記氷押送部材(42)の端部を周回自在に臨ませる氷案内溝(30)と、前記氷案内溝(30)に開設され、前記氷押送部材(42)により押送される氷塊を外部へ放出する氷放出口(32)とからなる氷ディスペンサにおいて、
前記氷押送部材(42)の端部が、その回転に伴い前記氷放出口(32)へ差し掛かる手前の貯氷室底部(28a)に突条部(34)を設け、この突条部(34)は、その一端が前記氷案内溝(30)の側縁へ臨むと共に、他端が該氷押送部材(42)の回転方向に対し逆らう向きで偏倚的に位置するよう構成した
ことを特徴とする氷ディスペンサ。 - 前記氷押送部材(40)の側方には、その端部が前記突条部(34)に臨んで、かつ該突条部(34)に干渉しない位置を該氷押送部材(40)と同軸的に回転する撹拌部材(46)を備えている請求項1記載の氷ディスペンサ。
- 前記突条部(34)における氷案内溝(30)の側縁に臨む一端は、前記氷放出口(32)に近接している請求項1または2記載の氷ディスペンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004024634A JP2005214566A (ja) | 2004-01-30 | 2004-01-30 | 氷ディスペンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004024634A JP2005214566A (ja) | 2004-01-30 | 2004-01-30 | 氷ディスペンサ |
Publications (1)
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JP2005214566A true JP2005214566A (ja) | 2005-08-11 |
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ID=34907264
Family Applications (1)
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JP2004024634A Pending JP2005214566A (ja) | 2004-01-30 | 2004-01-30 | 氷ディスペンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005214566A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012220103A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 貯氷庫 |
-
2004
- 2004-01-30 JP JP2004024634A patent/JP2005214566A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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