JP2005213108A - カーボンナノチューブを含む水溶液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液の製造方法を提供することである。
【解決手段】 本発明は、カーボンナノチューブを含む水溶液を製造する方法であって、バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を凍結乾燥に付して、乾燥したカーボンナノチューブを得ること、該乾燥したカーボンナノチューブ、可溶化剤および硬球を容器内に供した後、該容器を振動させること、および振動に付された後のカーボンナノチューブに水を加えて、カーボンナノチューブを含む水溶液を得ることを含んで成る方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明は、カーボンナノチューブを含む水溶液を製造する方法であって、バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を凍結乾燥に付して、乾燥したカーボンナノチューブを得ること、該乾燥したカーボンナノチューブ、可溶化剤および硬球を容器内に供した後、該容器を振動させること、および振動に付された後のカーボンナノチューブに水を加えて、カーボンナノチューブを含む水溶液を得ることを含んで成る方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、カーボンナノチューブを含む水溶液の製造方法に関し、より詳細には、バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物から、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を製造する方法に関する。更に、本発明は、本発明の方法で得られるカーボンナノチューブを含む水溶液を用いて製造される部材に関する。
カーボンナノチューブは、六角網目状の炭素原子配列のグラファイトシートが円筒状に巻かれた構造を有する炭素同素体の1つであり、その直径がナノメートルのオーダーを有する。生成されるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNTs:single−walled carbon nanotubes)および多層カーボンナノチューブ(MWNTs:multiwalled carbon nanotubes)の2種類が知られている。単層カーボンナノチューブは、グラファイトシートが一枚だけ円筒状に巻かれたものであるのに対して、多層カーボンナノチューブは、グラファイトシートが同心円状に略等間隔に何重にも重なったものである。そのようなカーボンナノチューブは、そのユニークな構造に起因して特異な機能を有することから、種々の分野での応用が期待されている。特に単層カーボンナノチューブは、その比表面積が比較的大きいことから、例えば、水素等などのガスの吸蔵材または電極部材等の用途に適するものと考えられている。
しかしながら、常套の製法で製造された単層カーボンナノチューブを精製したものは、種々の用途に必ずしも好都合とは言えない。単層カーボンナノチューブの精製では、一般的に酸性溶液中でカーボンナノチューブを超音波処理した後(例えば、非特許文献1を参照)、中和して希釈することによって混合物を得ることができるが、その混合物は、単層カーボンナノチューブを安定的に含んでいない。即ち、そのような混合物では、水溶媒に対して単層カーボンナノチューブが時間的に安定して分散しておらず、時間の経過に伴って単層カーボンナノチューブが凝集/沈殿してしまう。それゆえ、そのような安定性に乏しい単層カーボンナノチューブを含む混合物を溶液として扱うことが困難であり、その結果、単層カーボンナノチューブの応用範囲が必然的に制限されてしまうことになる。
また、上述のように精製された単層カーボンナノチューブを含む混合物では、単層カーボンナノチューブは水中で自己会合により数本〜数百本程度が束になった状態で存在するので、単層カーボンナノチューブの比表面積が理論値と比べて相当に減少する。それゆえ、このようなバンドル状の単層カーボンナノチューブを含む混合物から製造されるガス吸蔵材では、理論値よりもガス吸蔵量が少なくなる。また、こうしたバンドル状の単層カーボンナノチューブを含む混合物を用いて製造した電極は、カーボンナノチューブと電極との接触面積が小さくなるので、理論値と比べて電極効率が低いものとなる。
ジー・リウ(Jie Liu)、アンドリュー・ジー・リンズラー(Andrew G.Rinzler)、外13名、「フラーレン・パイプス(Fullerene Pipes)」、サイエンス(Science)、1998年5月22日、第280号、p1253−1256
従って、本発明の課題は、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液の製造方法を提供することである。また、本発明の課題は、そのような本発明の方法で得られるカーボンナノチューブを含む水溶液から製造される部材を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、
カーボンナノチューブを含む水溶液を製造する方法であって、
(i)バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を凍結乾燥に付して、乾燥したカーボンナノチューブを得ること、
(ii)該乾燥したカーボンナノチューブ、可溶化剤および硬球を容器内に供した後、該容器を振動させること、および
(iii)振動に付された後のカーボンナノチューブに水を加えて、カーボンナノチューブを含む水溶液を得ること
を含んで成る方法を提供する。
カーボンナノチューブを含む水溶液を製造する方法であって、
(i)バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を凍結乾燥に付して、乾燥したカーボンナノチューブを得ること、
(ii)該乾燥したカーボンナノチューブ、可溶化剤および硬球を容器内に供した後、該容器を振動させること、および
(iii)振動に付された後のカーボンナノチューブに水を加えて、カーボンナノチューブを含む水溶液を得ること
を含んで成る方法を提供する。
この本発明の方法では、乾燥したカーボンナノチューブのバンドルを少なくとも部分的に解離させることを特徴としている。
また、本発明は、約2.0×10−2重量%〜約15×10−2重量%のカーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を提供する。
更に、本発明では、
カーボンナノチューブ膜を表面に有する基材から成る部材であって、
カーボンナノチューブ膜が、請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られるカーボンナノチューブを含む水溶液を、基材の表面に塗布した後、乾燥させることによって形成される膜であることを特徴とする部材を提供する。
カーボンナノチューブ膜を表面に有する基材から成る部材であって、
カーボンナノチューブ膜が、請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られるカーボンナノチューブを含む水溶液を、基材の表面に塗布した後、乾燥させることによって形成される膜であることを特徴とする部材を提供する。
本発明の方法では、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を得ることができる。それゆえ、その水溶液では、カーボンナノチューブが水性媒体中で時間的に安定して分散しており、長期的な安定性が優れている。従って、そのような液を溶液として扱うことが可能となる(本明細書で「水溶液」と呼ぶ根拠となっている)。また、そのようなカーボンナノチューブを安定的に含む水溶液は、バンドルが解離したカーボンナノチューブを少なくとも含んで成るので、カーボンナノチューブが束となっている場合よりもカーボンナノチューブの比表面積が増加する。従って、そのような水溶液を用いて製造される部材をガス吸蔵品として用いると、バンドル状のカーボンナノチューブを用いる場合よりもガス吸蔵量が増加し、より理論値に近づくことになる。また、バンドル状のものに比べて、バンドルが解離したカーボンナノチューブの方が電極表面との接触面積が増加するので、本発明の方法で得られる水溶液を用いて製造される部材を電極として用いたものは高効率となり、その効率がより理論値に近づくことになる。なお、ここでいう「理論値」とは、かかる部材に含まれるカーボンナノチューブの全てがバンドルの解離したものであるという仮定に基づく理想状態の水素吸蔵量または電極効率をいう。
以下にて、本発明のカーボンナノチューブを含む水溶液の製造方法を説明する。
本発明において「バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物」とは、例えばアーク放電法、レーザー蒸発法、レーザーアブレーション法およびCVD法(または化学気相成長法、Chemical Vapor Deposition)などの常套の製法で製造された束(バンドル)状のカーボンナノチューブ、好ましくは束状の単層ナノチューブを精製することによって得られる混合物であって、カーボンナノチューブ、好ましくは単層カーボンナノチューブが束の状態で水媒体中に分散した混合物である。従って、このような混合物の長期的な安定性は乏しく、時間の経過に伴って、分散するカーボンナノチューブが凝集/沈殿してしまう。例えば、かかる混合物では、長くとも2〜3日でカーボンナノチューブの沈殿物が見られる。なお、製造される「バンドル状のカーボンナノチューブ」は、単層カーボンナノチューブが好ましいものの、多層カーボンナノチューブであってもかまわない。
製造されたカーボンナノチューブの精製は、カーボンナノチューブの長さまたは太さ(約1〜2μm)を揃えると共に製造に用いた残存金属触媒等を除去することを目的として、カーボンナノチューブを酸性溶液中で超音波処理することにより行う。具体的には、まず酸性溶液に浸漬させた状態でカーボンナノチューブを超音波処理することによって、カーボンナノチューブを分散させるおよび/または短く切断すると共に、製造に用いた残存金属触媒等を溶解させる。そして、得られる混合物を水で希釈した後で酸を除去する。具体的には例えば、その希釈した混合物を濾過し、濾材上の湿潤状態の残渣を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液でもって中和させる。引き続いて、湿潤状態の残渣を純水で洗浄し、再び水性媒体で希釈すると、バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物が得られることになる。なお必要に応じて、当該混合物から過切断カーボンナノチューブおよび低分子量アモルファス等を除去するために、混合物を遠心作用に付して上澄液を除去してもよい。酸性溶液は、カーボンナノチューブを短く切断し、製造工程の残存金属触媒等を溶解させるものであればどのような種類のものでもよく、例えば、一般的には硫酸と硝酸との混酸が使用されることが多い。超音波処理とは、カーボンナノチューブが浸漬した酸性溶液に常套の超音波を照射する処理であり、主として、カーボンナノチューブを分散させることまたはカーボンナノチューブを短く切断することを目的として行われる処理である。なお、精製工程の最後で希釈するのに用いる水性媒体は、一般的に水を主成分とし、例えば、超純水等の精製水または水道水等である。
工程(i)では、このような精製により得られるバンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を凍結乾燥に付して、乾燥したカーボンナノチューブを得る。ここでいう「凍結乾燥」とは、例えばフリーズドライ食品を製造する際に用いるような常套の凍結乾燥であって、バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を液体窒素等を用いて凍結させた後、雰囲気を凍結物の水蒸気圧以下に減圧することによって、含まれる水分を凍結物から昇華させる乾燥法である。なお、凍結乾燥により得られるカーボンナノチューブは、一般的に綿状形態を有する。即ち、凍結乾燥に付されることによって、カーボンナノチューブの空隙を含めた密度たる、いわゆる見掛け密度が減少することになる。
工程(ii)では、乾燥させたカーボンナノチューブを可溶化剤および硬球と共に容器内に供した後、該容器を振動させる。ここでいう「容器」は、容器本体と蓋とを有して成るのが一般的であり、好ましくは、容器本体中空部に供される乾燥したカーボンナノチューブ、可溶化剤および硬球を外界雰囲気から遮断して密閉する容器である。容器は、好ましくは、ステンレス等の硬い材料から主として形成されるが、振動に付されることにより生じる衝撃、例えば、容器本体中空部で往復運動する硬球が中空部壁部と衝突することで生じる衝撃に耐え得るものであれば、いずれの種類の材料から形成してもよい。なお一般的に、容器は、振動に付される間で密閉状態を維持するものが好ましい。従って、適当な密閉が供されるように、容器本体と蓋との間の接触面にガスケットを挟み込み、容器本体と蓋とを外部からクリップで締め付けてもよい。
容器中空部は、例えば円筒形状を有し、振動に付される間、当該円筒形中空部の一方の端部から他方の端部へと硬球が中空部の長手方向に往復運動できる形状およびサイズを有している。しかしながら、振動に付される間、硬球が中空部の長手方向に往復運動するような形状およびサイズであれば、容器中空部はいずれの形状およびサイズであってもよい。
容器中空部で硬球が往復運動し、その結果、好ましくは乾燥したカーボンナノチューブと可溶化剤とが混ざるような振動数および/または往復運動する硬球と中空部壁部との間でカーボンナノチューブが粉砕されるような振動数で容器を振動させる。具体的には、振動数3〜120s−1、好ましくは振動数10〜60s−1、より好ましくは振動数20〜50s−1で容器を振動させる。なお、容器を振動させる方向は、一般的に容器中空部の長手方向であり、容器中空部の長手方向が水平方向となるように容器を振動機に設置する場合には、その水平方向にて容器を左右に往復するように振動させることが好ましい。ただし、硬球が中空部で往復運動するのであれば、容器自体の振動方向に制限はなく、容器および/もしくはその中空部の形態または容器の振動機への設置の仕方等に応じて振動させる方向を適宜変更してよい。このような振動数および振動方向に加えて更に、容器中空部で硬球が往復運動し、その結果、好ましくは乾燥したカーボンナノチューブと可溶化剤とが混ざるような振幅および/または往復運動する硬球と中空部壁部との間でカーボンナノチューブが粉砕されるような振幅でもって容器を振動させる。従って、具体的には、例えば底面直径20mm、長手方向長さ65mmの容器(中空部の底面直径12mm、中空部の長手方向長さ50mm)を用いる場合、振幅5〜100mm、好ましくは振幅10〜80mm、より好ましくは振幅20〜50mmでもって中空部長手方向に容器を振動させる。なお、ここでいう「振幅」とは、振動に付される容器が振動の中心点を基準にして最大に変位した場合において、中心点から最大変位点までの長さをいう。
工程(ii)にて容器内に供される硬球は好ましくは球形を有するものの、容器が振動に付される間、中空部にて往復運動するのに適した形状であればいずれの形状であってもよい。また、例えば底面直径12mm、長手方向長さ50mmの中空部サイズを容器が有する場合、硬球は、直径2〜10mm、好ましくは直径4〜6mm、より好ましくは直径5mmのサイズを有する球体である。また、容器が振動に付される間、当該中空部にて硬球が往復運動し、その結果、好ましくは当該硬球と中空部壁部との間でカーボンナノチューブが粉砕されるような硬さを硬球が有することが好ましい。従って、例えば、硬球はメノウ、スレンレス、アルミナ、ジルコニア、タングステンカーバイド、クロム鋼およびテフロン(登録商標)から成る群から選択される材料から形成される。容器に供される硬球の数は、1〜6個、好ましくは1〜4個、より好ましくは2個であるものの、容器が振動に付される間、中空部にて硬球が往復運動し、その結果、好ましくは乾燥したカーボンナノチューブと可溶化剤とが混ざるのに適した個数および/または往復運動する硬球と中空部壁部との間でカーボンナノチューブが粉砕されるのに適した個数であれば、いずれの個数を用いてもかまわない。なお、2個以上の硬球が容器に供される場合は、往復運動する硬球間でもカーボンナノチューブが粉砕されることになる。
工程(ii)に用いられる「可溶化剤」とは、工程(iii)でカーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を得るために、工程(ii)にて乾燥したカーボンナノチューブおよび硬球と共に容器内に供される化合物であり、好ましくは、水等の溶媒に対してカーボンナノチューブを安定的に分散させる化合物である。従って、容器内に供される可溶化剤は、水溶性大環状化合物または水溶性高分子であり、好ましくは、シクロデキストリン、水溶性の生体高分子および水溶性の合成高分子から成る群から選択されるものである。シクロデキストリンとは、具体的には、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンおよび2,6−ジ−o−メチル−β−シクロデキストリンから成る群から選択される化合物である。また、水溶性の生体高分子とは、具体的には、アミロース、デオキシリボ核酸(DNA)およびペプチドから成る群から選択される化合物である。更に、水溶性の合成高分子とは、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホネートおよびナフィオン(登録商標、Nafion)から成る群から選択される化合物である。しかしながら、水または水性媒体等の溶媒に対してカーボンナノチューブを安定的に分散させる化合物であれば、本発明の方法に用いられる可溶化剤は、いずれの種類であってもよい。なお、例えば可溶化剤が5μmolの場合、容器内に供される可溶化剤と乾燥したカーボンナノチューブとの質量比は、約1:1〜約1:100、好ましくは約1:1〜約1:10、より好ましくは約1:1〜約1:5である。
工程(iii)のカーボンナノチューブを安定的に含む水溶液は、振動に付された後のカーボンナノチューブ、より詳細には振動に付された後のカーボンナノチューブを含む混合物に水が加えられることによって得ることができる。従って、この水溶液は、加えられる水、カーボンナノチューブおよび可溶化剤成分を含んで成る。なお、工程(iii)では、水を加えた後に必要に応じて、得られる混合物から沈殿物(当該沈殿物は水に可溶化しなかったカーボンナノチューブを実質的に含んで成る)を除去する操作を付加的に行ってもよい。工程(iii)で加えられる水は、一般的に水を主成分とし、例えば、超純水等の精製水または水道水等である。また、必要に応じて他の成分、例えばアルコール等を含んでもよい。なお、ここでいう「安定的」とは、時間的にカーボンナノチューブが水媒体中で安定して分散することをいい、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2週間、より好ましくは少なくとも3週間は、カーボンナノチューブの凝集/沈殿が生じないことをいう。従って、このような水溶液では、カーボンナノチューブが水溶液中に溶解しているものと考えられることが理解されよう。
図2は、バンドル状のカーボンナノチューブの電子顕微鏡(TEM)写真である。図3および図4は、それぞれ、後述する実施例で得られたカーボンナノチューブを含む水溶液をサンプリングして得た電子顕微鏡写真であり、可溶化剤として、図3ではα−シクロデキストリン、図4ではγ−シクロデキストリンを用いたものである。図2、図3および図4を参照すると、実施例で得られた水溶液中に含まれるカーボンナノチューブの太さは、バンドル状のカーボンナノチューブの太さよりも細くなっていることが分かる。カーボンナノチューブの一本の太さが約1nmであることを考慮すると、可溶化剤および硬球と共に乾燥したカーボンナノチューブが容器内で振動に付されることによって、乾燥したカーボンナノチューブのバンドルが少なくとも部分的に解離されることが理解されよう。
このようにカーボンナノチューブを含む水溶液はバンドルが解離したカーボンナノチューブを少なくとも含んで成るので、バンドルが解離される度合いに比例してカーボンナノチューブの比表面積は増すものと考えられる。従って、かかる水溶液から、比表面積の大きいカーボンナノチューブ膜を有する部材を製造することができ、その部材を例えばガス吸蔵品または電極等として用いることができる。なお、かかるガス吸蔵品は、例えば、車、船舶等の水素ガス燃料を保存するのに用いることができる。また、電極の具体例としては、例えばリチウム二次電池などの負極等が考えられる。
上述の本発明の部材は、基材、および本発明の方法で製造されるカーボンナノチューブを含む水溶液を当該基材表面に塗布した後で乾燥させることにより形成されるカーボンナノチューブ膜を有して成る。基材は、例えばガス吸蔵品または電極等に適当な基板または支持板等であれば、いずれの形状または材料から成るものであってよい。本発明の方法で製造されるカーボンナノチューブを含む水溶液では、少なくとも部分的にバンドルの解離したカーボンナノチューブがほぼ均一に水媒体中で存在する。その結果、その水溶液を基材表面に塗布して乾燥することにより得られるカーボンナノチューブ膜は、カーボンナノチューブをほぼ一様に含んだものとなり得る。それゆえ、そのようなカーボンナノチューブ膜では、カーボンナノチューブの比表面積が大きいものとなり、ガス吸蔵量の多いガス吸蔵品または高効率な電極がもたらされることになる。
なお、本発明の方法で得られる水溶液を上述のようにガス吸蔵品または電極などの部材を形成するのに用いる他、常套のメンブランフィルターで水溶液を濾別することによって、その水溶液中に含まれるカーボンナノチューブのみを単独に取り出すことも可能であり、その取り出されたカーボンナノチューブを、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)用エミッター、光電変換素子、複合材料(プラスティック、ゴムもしくは樹脂等を補強するために混ぜられる材料)または化粧品等の用途に用いることもできる。
図1は、本発明のカーボンナノチューブを含む水溶液の製造方法を模式的に示す。以下にて、図1を参照して、本発明のカーボンナノチューブを含む水溶液の製造方法を経時的に説明する。
まず、常套の製法で製造したカーボンナノチューブを精製することによって得られるバンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物1を凍結乾燥させることによって、綿状の乾燥したカーボンナノチューブ2を得る。即ち、液体窒素等を用いてバンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物1を凍結させた後、その凍結物の水蒸気圧以下に雰囲気を減圧し、含まれる水分を凍結物から昇華させることによって、乾燥したカーボンナノチューブ2を得る。次に、可溶化剤3および2個の硬球4と共に乾燥したカーボンナノチューブ2を容器4の容器本体中空部に供し、容器本体に蓋をすることによって容器4を密閉する。そして、容器中空部で硬球が往復運動し、その結果、好ましくは乾燥したカーボンナノチューブと可溶化剤とが混ざるような振動数および振幅ならびに/または往復運動する硬球と中空部壁部との間でカーボンナノチューブが粉砕されるような振動数および振幅でもって当該容器4を中空部長手方向に振動させる。そして、適当な時間、容器4を振動させた後、容器4から取り出されるカーボンナノチューブを水により希釈することによって、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液6が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることは当業者には容易に理解されよう。
1つの実施形態として、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を製造する方法を実施した。
[1]カーボンナノチューブの精製工程
(1)50mlの混酸(硫酸と硝酸との重量比=3:1)にバンドル構造を有する市販の単層カーボンナノチューブ(商品名:バッキー・パールズ(Bucky Pearls)、シー・エヌ・アイ・インク(CNI,Inc.)製)を10mg加えた。
(2)バス型ソニケーター(アズ・ワン(AS ONE)製、VS−150)において、50kHzの超音波で氷冷下にて60分間、得られた混合物を超音波処理することによって、切断されたカーボンナノチューブを含んで成るカーボンナノチューブ懸濁混合物を50ml得た。
(3)その混合物を約100mlの超純水で希釈した。
(4)希釈されたカーボンナノチューブ懸濁混合物をメンブランフィルター(疎水性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜、細孔径0.1μm、アドバンテック(Advantec)製)で濾過しながら、フィルター上の残渣を10mMの水酸化ナトリウム水溶液(50ml)で中和した。
(5)引き続いて超純水で洗浄することによって湿潤状態の残渣を得た。
(6)残渣に約40mlの水を加えることによって、カーボンナノチューブが分散した混合物を約40ml得た。
(7)得られた約40mlの混合物を遠心管(容量50ml)に入れた後、遠心分離機(べックマン・コールター(Beckman Coulter)製、アバンティ(Avanti) HP−25)でもって、14000rpmの回転数の下、60分間、遠心作用に付すことによって、当該分散液から上澄液(当該上澄液には過切断チューブおよび低分子量アモルファスが主として含まれる)を除去した。このような回転数における操作を2回繰り返した後、6200rpmの回転数の下、同様の操作を10分間行うことによって、生じる上澄液を分取した(なお、沈殿物には切断不十分の成分が主として含まれる)。
(8)このような一連の操作によって、ほぼ同じ太さ(約1〜2μm)のカーボンナノチューブが分散する混合物を約40ml得た。
[2]凍結乾燥工程
(1)精製工程で得られたカーボンナノチューブが分散する混合物(約40ml)を液体窒素を用いて凝固させた。
(2)凍結乾燥機(EYELA製、FD−5N)を用いて、凝固したものを−45℃、30Paの下、約2日間、凍結乾燥に付すことによって、綿状のカーボンナノチューブを3mg得た。
[3]高速振動粉砕工程
(1)2mgの綿状カーボンナノチューブ、6.49mg(5μmol)のγ−シクロデキストリンおよび2個のメノウボール(球直径5mm)を20mmの底面直径、65mmの長手方向長さを有する円筒形状の密閉容器(当該容器に形成される円筒形中空部:底面直径12mm、長手方向長さ50mm)に仕込んだ。
(2)振動機(レッチェ(Retsch)製、MM200)において、密閉容器中空部の長手方向をほぼ水平にした状態で、約30mmの振幅、約30s−1の振動数で当該密閉容器を水平方向に振動させた。
(3)約20分間密閉容器を振動させた後、密閉容器中空部から黒色粉末を取り出した。
(4)得られた約8.5mgの黒色粉末に約1000mgの超純水を加えることによって、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を得た(溶けきらなかったカーボンナノチューブの沈殿物は、濾過により水溶液から除去した)。
(5)得られた水溶液は、少なくとも4週間まではカーボンナノチューブの凝集/沈殿がみられなかった。
(1)50mlの混酸(硫酸と硝酸との重量比=3:1)にバンドル構造を有する市販の単層カーボンナノチューブ(商品名:バッキー・パールズ(Bucky Pearls)、シー・エヌ・アイ・インク(CNI,Inc.)製)を10mg加えた。
(2)バス型ソニケーター(アズ・ワン(AS ONE)製、VS−150)において、50kHzの超音波で氷冷下にて60分間、得られた混合物を超音波処理することによって、切断されたカーボンナノチューブを含んで成るカーボンナノチューブ懸濁混合物を50ml得た。
(3)その混合物を約100mlの超純水で希釈した。
(4)希釈されたカーボンナノチューブ懸濁混合物をメンブランフィルター(疎水性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜、細孔径0.1μm、アドバンテック(Advantec)製)で濾過しながら、フィルター上の残渣を10mMの水酸化ナトリウム水溶液(50ml)で中和した。
(5)引き続いて超純水で洗浄することによって湿潤状態の残渣を得た。
(6)残渣に約40mlの水を加えることによって、カーボンナノチューブが分散した混合物を約40ml得た。
(7)得られた約40mlの混合物を遠心管(容量50ml)に入れた後、遠心分離機(べックマン・コールター(Beckman Coulter)製、アバンティ(Avanti) HP−25)でもって、14000rpmの回転数の下、60分間、遠心作用に付すことによって、当該分散液から上澄液(当該上澄液には過切断チューブおよび低分子量アモルファスが主として含まれる)を除去した。このような回転数における操作を2回繰り返した後、6200rpmの回転数の下、同様の操作を10分間行うことによって、生じる上澄液を分取した(なお、沈殿物には切断不十分の成分が主として含まれる)。
(8)このような一連の操作によって、ほぼ同じ太さ(約1〜2μm)のカーボンナノチューブが分散する混合物を約40ml得た。
[2]凍結乾燥工程
(1)精製工程で得られたカーボンナノチューブが分散する混合物(約40ml)を液体窒素を用いて凝固させた。
(2)凍結乾燥機(EYELA製、FD−5N)を用いて、凝固したものを−45℃、30Paの下、約2日間、凍結乾燥に付すことによって、綿状のカーボンナノチューブを3mg得た。
[3]高速振動粉砕工程
(1)2mgの綿状カーボンナノチューブ、6.49mg(5μmol)のγ−シクロデキストリンおよび2個のメノウボール(球直径5mm)を20mmの底面直径、65mmの長手方向長さを有する円筒形状の密閉容器(当該容器に形成される円筒形中空部:底面直径12mm、長手方向長さ50mm)に仕込んだ。
(2)振動機(レッチェ(Retsch)製、MM200)において、密閉容器中空部の長手方向をほぼ水平にした状態で、約30mmの振幅、約30s−1の振動数で当該密閉容器を水平方向に振動させた。
(3)約20分間密閉容器を振動させた後、密閉容器中空部から黒色粉末を取り出した。
(4)得られた約8.5mgの黒色粉末に約1000mgの超純水を加えることによって、カーボンナノチューブを安定的に含む水溶液を得た(溶けきらなかったカーボンナノチューブの沈殿物は、濾過により水溶液から除去した)。
(5)得られた水溶液は、少なくとも4週間まではカーボンナノチューブの凝集/沈殿がみられなかった。
以上と同様の操作を、種々の可溶化剤(全て5μmol)で実施した。その結果を以下の表1に示す。なお、表中のCNT濃度(mg/1000mg)とは、得られた水溶液1000mg当たりに含まれるカーボンナノチューブの質量(mg)を意味する。CNTの濃度は、水溶液を10倍に希釈した後、1mmセルを用いたときの可視吸収スペクトルにおける500nmの波長の吸光度(A500)から、以下のような式のように水溶液中におけるCNTの吸光係数(ε500=2.35×104cm2/g)を用いることによって得られる:
CNT濃度(mg/1000mg)=A500[−]/(ε500[cm2/g]×0.1[cm]×1[g/cm3]×10-4[−])。
CNT濃度(mg/1000mg)=A500[−]/(ε500[cm2/g]×0.1[cm]×1[g/cm3]×10-4[−])。
1…バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物、2…乾燥したカーボンナノチューブ、3…可溶化剤、4…硬球、5…容器、6…カーボンナノチューブを含む水溶液。
Claims (11)
- カーボンナノチューブを含む水溶液を製造する方法であって、
バンドル状のカーボンナノチューブを含む混合物を凍結乾燥に付して、乾燥したカーボンナノチューブを得ること、
該乾燥したカーボンナノチューブ、可溶化剤および硬球を容器内に供した後、該容器を振動させること、および
振動に付された後のカーボンナノチューブに水を加えて、カーボンナノチューブを含む水溶液を得ること
を含んで成る方法。 - 前記容器を振動させて、該容器内で前記乾燥したカーボンナノチューブのバンドルを少なくとも部分的に解離させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 振動数20〜50s−1で前記容器を振動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 前記可溶化剤は、シクロデキストリン、水溶性の生体高分子および水溶性の合成高分子から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンおよび2,6−ジ−o−メチル−β−シクロデキストリンから成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
- 前記水溶性の生体高分子は、アミロース、デオキシリボ核酸およびペプチドから成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
- 前記水溶性の合成高分子は、ポリビニルピロリドンおよびポリスチレンスルホネートから成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
- カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブを少なくとも含んで成る、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- カーボンナノチューブ膜を表面に有する基材から成る部材であって、
カーボンナノチューブ膜が、請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって得られるカーボンナノチューブを含む水溶液を、基材の表面に塗布した後、乾燥させることによって形成される膜であることを特徴とする部材。 - ガス吸蔵品として用いられる、請求項9に記載の部材。
- 電極として用いられる、請求項9に記載の部材。
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