JP2005212692A - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させる二輪車用空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】二輪車用空気入りタイヤは、カーカスと、断面が三角形状のゴムからなるビードフィラーと、カーカス折り返し部のタイヤ巾方向外側に、ビードフィラーと略同等の硬度を有する硬ゴムフィラーとを備える。ビードフィラーの底辺部のタイヤ巾方向幅をW、ビードコアのタイヤ巾方向幅をBWとすると、0.6≦W/BW≦1.1であり、ビード部のヒール部端からトレッド部の踏面端までの距離をSH、ビート部のヒール部端からビードフィラーのタイヤ径方向外側端までの距離をhとすると、0.08≦h/SH≦0.20であり、硬ゴムフィラーのタイヤ巾方向に対する最大厚さをtとすると、0.1≦t/BW≦0.7である。
【選択図】図2

Description

本発明は、断面が三角形状のゴムからなるビードフィラーと、カーカスのタイヤ巾方向外側に硬ゴムフィラーとを備える二輪車用空気入りタイヤに関する。
近年のバイクの高速化により、旋回時の安定性を確保するためには、強力な旋回力に耐えうる横剛性の確保が必要であり、そのための対策としてビードフィラーを大きくするなどして、タイヤサイド部の剛性を上げる手法がとられてきた。
しかし、上記手法は、路面凹凸に対する吸収性を低下させる傾向があり、設置面がはねるような不安定性をもたららすことから安定走行を阻害する傾向があった。
そこで、特に旋回時に大きな圧縮がかかるサイド背面領域に硬ゴムを集中して配置することにより、サイド部全体の剛性を極力上げることなく、旋回力を上げる手法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−39521号公報
しかし、近年のバイクの高馬力、高速化により、上記新技術を用いても、剛性不足による旋回力不足が顕著になってきており、更なる技術開発が必要となっていた。
このような横剛性を効果的に向上するためには、ビード背面部の圧縮剛性を上げるだけでなく、ビードコア近辺内側の引っ張り剛性を上げることが必要不可欠である。ただし、吸収性を損なわないようにする必要があることから、補強は必要最小限にする必要がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させる二輪車用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部とを補強する本体部と、ビードコアにおいてタイヤ内側から外側に折り返された折り返し部とを有するカーカスと、本体部と折り返し部の間に配置された、断面が三角形状のゴムからなるビードフィラーとを備える二輪車用空気入りタイヤであって、折り返し部のタイヤ巾方向外側に、ビードフィラーと略同等の硬度を有する硬ゴムフィラーを備え、折り返し部は、硬ゴムフィラーのタイヤ径方向外側端を超える範囲までタイヤ径方向外側に延び、ビードフィラーの底辺部のタイヤ巾方向幅をW、ビードコアのタイヤ巾方向幅をBWとすると、0.6≦W/BW≦1.1であり、ビード部のヒール部端からトレッド部の踏面端までの距離をSH、ビート部のヒール部端からビードフィラーのタイヤ径方向外側端までの距離をhとすると、0.08≦h/SH≦0.20であり、硬ゴムフィラーのタイヤ巾方向に対する最大厚さをtとすると、0.1≦t/BW≦0.7であり、ビート部のヒール部端から硬ゴムフィラーのタイヤ径方向外側端までの距離をHとすると、0.3≦H/SH≦0.8であり、ビードフィラーのタイヤ径方向内側端から硬ゴムフィラーのタイヤ径方向外側までの距離をA、ビードフィラーのタイヤ径方向外側端から硬ゴムフィラーのタイヤ径方向内側までの距離をDとすると、D/A≦0.35である二輪車用空気入りタイヤであることを要旨とする。ここで、「略同等の硬度」とは、ビードフィラーと硬ゴムフィラーの硬度差が2°以内であることをいう。
本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤによると、ビードフィラー及び高ゴムフィラーを適当な位置に配置することにより、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させることができる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤにおける折り返し部は、折り返し部は、硬ゴムフィラーのタイヤ径方向内側端を超える範囲までタイヤ径方向外側に延びることが必要である。折り返し部の高さが硬ゴムフィラーのタイヤ径方向内側端まで到達していないと、剛性不足による旋回力の低下につながる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、0.6≦W/BW≦1.1であることが必要である。この比率が、0.6未満であると、補強効果が小さく、1.1を超えると、剛性が大きいことにより吸収性の悪化が顕著になる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、0.08≦h/SH≦0.20であることが必要である。この比率が、0.08未満であると、補強効果が小さく、0.2を超えると、剛性が大きいことにより吸収性の悪化が顕著になる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、0.1≦t/BW≦0.7であることが必要である。この比率が、0.1未満であると、補強効果が小さく、0.7を超えると、剛性が大きいことにより吸収性の悪化が顕著になる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、0.3≦H/SH≦0.8であることが必要である。この比率が、0.3未満であると、補強効果が小さく、0.8を超えると、剛性が大きいことにより吸収性の悪化が顕著になる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、D/A≦0.35であることが必要である。ビードフィラーと硬ゴムフィラーがタイヤ径方向において重なっている場合、その重なり量が35%以上であると、重なっている領域の剛性が大きくなる分、吸収性の悪化が顕著になる。又、ビードフィラーと硬ゴムフィラーがタイヤ径方向において離れている場合、その離間量が35%以上であると、局所的に剛性が低い領域が発生し、旋回力低下をもたらす。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤのビードフィラーゴムの硬度Hdは、50°以上であることが望ましい。50°未満であると補強効果が小さくなる。ここで、「硬度Hd」とは、JISK6253−1993に従ったデュロメータ硬さ試験において、タイプA試験機を用いて、試験温度25℃において測定した硬度をいう。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、カーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、強力137N以上のコードを実質的にタイヤの周方向に向かう角度でスパイラル状に巻回してなるスパイラルベルト層を更に備えることが望ましい。周方向スパイラルベルトは、一定の角度をもつプライを重ねて作られているクロスベルトに比べ接地部分が柔らかくなるので、ベルトの効果を保ちながら接地面積を増やすことが出来てグリップ性能が向上する。又、高速走行時の遠心力による変形もしにくく、超高速走行用タイヤに多く採用されている。従って、スパイラルベルトを採用した構造では、タイヤ全体剛性の中で、サイド剛性の寄与が大きくなるため、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させる効果が高い。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤの折り返し部は、ベルト層端のタイヤ径方向内側までタイヤ径方向外側に延びてもよい。このように折り返し部を配置することにより、タイヤ全体構造の中で、サイド剛性の寄与が大きくなる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤの硬ゴムフィラーは、硬度の異なる2種のゴムで形成されてもよい。旋回時に大きな圧縮がかかるサイド背面領域に、更に硬度の大きい硬ゴムを集中して配置することにより、剛性を確保することができる。
又、本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、リアタイヤに用いられることが望ましい。
クロスベルトはハンドリングの軽快性を確保することができるため、近年、クロスベルト構造のタイヤはフロントに、周方向スパイラル構造のタイヤはリアに採用される傾向がある。本発明の特徴に係る二輪車用空気入りタイヤは、スパイラルベルト構造でありことが望ましく、リアタイヤに適用されるとその効果が高い。
本発明によれば、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させる二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(二輪車用空気入りタイヤの構造)
本発明の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、図1に示すように、タイヤ赤道面CLに対して、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2相互間にわたりトロイド状に連なるトレッド部3とを備える。カーカス5はビード部1内に埋設した一対のビードコア4相互間にわたってビード部1、サイドウォール部2及びトレッド部3を補強するトロイド状ラジアルカーカスであり、カーカス層5a、5bのタイヤ径方向外側には、ベルト層6を配置し、トレッド部3を強化する。尚、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、扁平率60%以下の高性能系MCラジアルタイヤである。
カーカス層は、少なくとも1層のテキスタイルカーカスであり、一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部2とトレッド部3とを補強する本体部5aと、ビードコア4においてタイヤ内側から外側に折り返された折り返し部5bとを有する。又、カーカス層は、強力137N以上のコードからなる。
ベルト層6は、単線または並列した複数本の略平行に延びるコードを被覆ゴム中に埋設して形成される。本実施形態では、ベルト層6は、実質的にタイヤの周方向に向かう角度でスパイラル状に巻回してなる周方向スパイラルベルト層である。周方向スパイラルベルトは、ラジアルタイヤのベルトで、1本のコードをタイヤの周方向に連続して巻き付けた構造のものをいう。実際には、製造の都合上数本のコードを並べて同時に巻き付けている場合が多い。ベルト層6のコードとしては、例えば、6,6−ナイロンなどのポリアミドを使用することができ、他にもポリエステルや芳香族ポリアミド等の繊維材も好適に使用することができる。あるいは、従来の撚り構造のスチールコードを用いることができる。又、ベルト層6のコードの強力は、137N以上である。
又、ベルト層6の構造がスパイラルベルト構造であるので、タイヤ全体剛性の中でサイド剛性の寄与が大きくなるため、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、リアタイヤとして用いることが好ましい。
本発明の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、本体部5aと折り返し部5bの間に配置された、断面が三角形状のゴムからなるビードフィラー7と、折り返し部5bのタイヤ巾方向外側に、ビードフィラー7と略同等の硬度を有する硬ゴムフィラー8とを備えを備える。ビードフィラー7及び硬ゴムフィラー8の硬度Hdは、50°以上である。
以下、ビードコア4、フィードフィラー7、硬ゴムフィラー8、カーカスの折り返し部5bの位置関係について、図2を用いて詳述する。
折り返し部5bは、硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向内側端を超える範囲までタイヤ径方向外側に延びる。
又、ビードフィラー7の底辺部のタイヤ巾方向幅をW、ビードコア4のタイヤ巾方向幅をBWとすると、0.6≦W/BW≦1.1である。ビード部1のサイドウォール部2へつながる角部分をヒール部1aとし、ヒール部1a端からトレッド部3の踏面端までの距離をSH、ヒール部1a端からビードフィラー7のタイヤ径方向外側端までの距離をhとすると、0.08≦h/SH≦0.20である。
又、硬ゴムフィラー8のタイヤ巾方向に対する最大厚さをtとすると、0.1≦t/BW≦0.7である。ヒール部1a端から硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向外側端までの距離をHとすると、0.3≦H/SH≦0.8である。ビードフィラー7のタイヤ径方向内側端から硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向外側までの距離をA、ビードフィラー7のタイヤ径方向外側端から硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向内側までの距離をDとすると、D/A≦0.35である。ここで、ビードフィラー7と硬ゴムフィラー8とはタイヤ径方向に重なった位置に配置さてもよく、離れた位置に配置されてもよい。即ち、距離Dは、タイヤ径方向に重なっている距離(オーバーラップ量)でもよく、タイヤ径方向に離れている距離(離間量)でもよい。
本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、図1に示す構造に限るものではない。例えば、図3に示すように、周方向スパイラルベルトではなく、2層のクロスベルトを備えてもよい。例えば、スチールコードを平行に配置し、これをコーディングゴムで被覆し、タイヤの赤道線に対し、15度から30度の交差角度で2層積層したものを用いることができる。このようなクロスベルト構造は、ハンドリングの軽快性を確保することができる。
又、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの折り返し部5bは、図4に示すように、ベルト層6端のタイヤ径方向内側まで、タイヤ径方向外側に延びる構造としてもよい。このように折り返し部5bを配置することにより、タイヤ全体構造の中で、サイド剛性の寄与が大きくなる。
更に、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの硬ゴムフィラー8は、図5に示すように、硬度の異なる2種のゴムで形成されても構わない。ここで、タイヤ径方向内側のゴム8bの硬度は、タイヤ径方向外側のゴム8aの硬度より大きい(8b>8a)。タイヤ径方向外側のゴム8aの硬度は50°以上であるので、8bは更に大きい硬度を有することとなる。尚、ゴムの種類は、図5に示す2種に限らず3種以上のゴムを用いてもよいことは勿論である。
尚、図3〜図5に示す二輪車用空気入りタイヤのビード部1におけるビードコア4、フィードフィラー7、硬ゴムフィラー8、カーカスの折り返し部5bの位置関係は、図2で説明したものと同様である。
(本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの作用・効果)
近年のバイクの高速化に対応するために、二輪車用空気入りタイヤには、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性との向上が求められていた。
旋回時にタイヤ内部に発生する歪分布をFEM(finite element method)により解析した結果、サイド部にはリムフランジ接触上端部に圧縮歪が発生すると共に、ビードコア近辺のカーカス本体側に大きな張力が発生し、ボディプライを外側に曲げるような変形が発生していることが判明した。
このことから、横剛性を効果的に向上するためには、ビード背面部の圧縮剛性を上げるだけでなく、ビードコア近辺内側の引っ張り剛性を上げることが必要不可欠である。ただし、吸収性を損なわないようにする必要があることから、補強は必要最小限にする必要がある。
よって、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、折り返し部5bのタイヤ巾方向外側に、ビードフィラー7と略同等の硬度を有する硬ゴムフィラー8を備え、折り返し部5bは、硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向外側端を超える範囲までタイヤ径方向外側に延び、ビードフィラー7の底辺部のタイヤ巾方向幅をW、ビードコア4のタイヤ巾方向幅をBWとすると、0.6≦W/BW≦1.1であり、ビード部1のヒール部1a端からトレッド部3の踏面端までの距離をSH、ビート部1のヒール部1a端からビードフィラー7のタイヤ径方向外側端までの距離をhとすると、0.08≦h/SH≦0.20であり、硬ゴムフィラー8のタイヤ巾方向に対する最大厚さをtとすると、0.1≦t/BW≦0.7であり、ビート部1のヒール部1a端から硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向外側端までの距離をHとすると、0.3≦H/SH≦0.8であり、ビードフィラー7のタイヤ径方向内側端から硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向外側までの距離をA、ビードフィラー7のタイヤ径方向外側端から硬ゴムフィラー8のタイヤ径方向内側までの距離をDとすると、D/A≦0.35であるとした。このため、ビードフィラー7及び硬ゴムフィラー8を適当な位置に配置することにより、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させることができる。
又、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、図1に示すように、カーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、強力137N以上のコードを実質的にタイヤの周方向に向かう角度でスパイラル状に巻回してなるスパイラルベルト層6を更に備えることができる。このため、タイヤ全体剛性の中で、サイド剛性の寄与が大きくなるため、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させる効果が高い。
又、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの折り返し部5bは、図4に示すように、ベルト層6端のタイヤ径方向内側までタイヤ径方向外側に延びる構造とすることできる。このように折り返し部5bを配置することにより、タイヤ全体構造の中で、サイド剛性の寄与が大きくなる。
又、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの硬ゴムフィラー8は、図5に示すように、硬度の異なる2種のゴムで形成することができる。旋回時に大きな圧縮がかかるサイド背面領域に、更に硬度の大きい硬ゴムを集中して配置することにより、剛性を確保することができる。
又、本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤは、スパイラルベルト構造でありことが望ましく、リアタイヤに適用されるとその効果が高い。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの実施例について、以下詳細に説明する。本発明の効果を確かめるために、本発明が適用された実施例のタイヤ7種、比較例のタイヤ3種について、旋回力、吸収性評価を行った。
又、実施例、従来例共に、タイヤサイズはMCR190/50ZR17M/Cであり、リム径はMT6.0×17、内圧は290kPaとした。
比較例1及び比較例2は、図6に示すように、実施形態において説明した図1の構造と比べ、硬ゴムフィラーを有さない構造であった。
比較例3は、図7に示すように、実施形態において説明した図1の構造と比べ、ビードフィラーを有さない構造であった。
実施例1〜7は、図1に示すように、ビードフィラー及び硬ゴムフィラーを有する構造であった。
比較例1〜3及び実施例1〜7のビードコア4、フィードフィラー7、硬ゴムフィラー8の位置関係は、表1に示すとおりである。表1の距離D%の欄において、「+」は、ビードフィラー7と硬ゴムフィラー8がタイヤ径方向に重なっている場合のオーバーラップ量を示し、「−」は、ビードフィラー7と硬ゴムフィラー8がタイヤ径方向に離れている場合の離間量を示す。
尚、比較例1〜2、実施例1〜7におけるビードフィラーの硬度は、91°であり、比較例3、実施例1〜7における硬ゴムフィラーの硬度は、91°であった。又、比較例1〜3、実施例1〜7におけるベルトコードの強力は、372Nであった。
Figure 2005212692
旋回力、吸収性評価の結果は、実車による操安性評価結果を指数で表した。旋回力評価については、比較例2を100とした指数表示とし、値が大きいほど良好であるとした。又、吸収性評価については、比較例1を100とした指数表示とし、値が大きいほど良好であるとした。
(結果)
結果を表1に示す。
実施例1〜7は、比較例1〜3と比べ、旋回力、吸収性が向上することが分かった。よって、ビードフィラと硬ゴムフィラーとを備えることにより、旋回時における横剛性と、旋回時における路面の凹凸を吸収する吸収性とを向上させることが分かった。
又、実施例1、実施例5、実施例6は、その他の実施例と比べ、旋回力、吸収性がバランス良く向上することが分かった。よって、W/BWを0.9程度、h/SHを0.15程度、t/BWを0.4程度、H/SHを0.6程度、Dを22〜30%程度とすることにより、剛性感と吸収性とを共に向上させることが分かった。
又、実施例2は、実施例1と比べ、旋回力が向上することが分かった。よって、W/BWを1.0程度、h/SHを0.2程度にすることにより、旋回時における横剛性を向上させることが分かった。
又、実施例3は、実施例1と比べ、旋回力が向上することが分かった。よって、W/BWを1.1程度にすることにより、旋回時における横剛性を向上させることが分かった。
又、実施例4は、実施例1と比べ、旋回力が向上することが分かった。よって、t/BWを0.6程度にすることにより、旋回時における横剛性を向上させることが分かった。
又、実施例7は、実施例1と比べ、旋回力が向上することが分かった。よって、Dを+30程度にすることにより、旋回時における横剛性を向上させることが分かった。
本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸心を含む断面図である(その1)。 図1のビード部の拡大図である。 本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸心を含む断面図である(その2)。 本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸心を含む断面図である(その3)。 本実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸心を含む断面図である(その4)。 比較例1及び比較例2に係る二輪車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸心を含む断面図である。 比較例3に係る二輪車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸心を含む断面図である。
符号の説明
1…ビード部
2…サイドウォール部
3…トレッド部
4…ビードコア
5a…カーカス本体部
5b…カーカス折り返し部
6a、6b、6c…ベルト層
7…ビードフィラー
8、8a、8b…硬ゴムフィラー

Claims (5)

  1. 一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部とを補強する本体部と、前記ビードコアにおいてタイヤ内側から外側に折り返された折り返し部とを有するカーカスと、前記本体部と前記折り返し部の間に配置された、断面が三角形状のゴムからなるビードフィラーとを備える二輪車用空気入りタイヤであって、
    前記折り返し部のタイヤ巾方向外側に、前記ビードフィラーと略同等の硬度を有する硬ゴムフィラーを備え、
    前記折り返し部は、前記硬ゴムフィラーのタイヤ径方向内側端を超える範囲までタイヤ径方向外側に延び、
    前記ビードフィラーの底辺部のタイヤ巾方向幅をW、前記ビードコアのタイヤ巾方向幅をBWとすると、0.6≦W/BW≦1.1であり、
    前記ビード部のヒール部端から前記トレッド部の踏面端までの距離をSH、前記ビート部のヒール部端から前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端までの距離をhとすると、0.08≦h/SH≦0.20であり、
    前記硬ゴムフィラーのタイヤ巾方向に対する最大厚さをtとすると、0.1≦t/BW≦0.7であり、
    前記ビート部のヒール部端から前記硬ゴムフィラーのタイヤ径方向外側端までの距離をHとすると、0.3≦H/SH≦0.8であり、
    前記ビードフィラーのタイヤ径方向内側端から前記硬ゴムフィラーのタイヤ径方向外側までの距離をA、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端から前記硬ゴムフィラーのタイヤ径方向内側までの距離をDとすると、D/A≦0.35である
    ことを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、強力137N以上のコードを実質的にタイヤの周方向に向かう角度でスパイラル状に巻回してなるスパイラルベルト層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記折り返し部は、ベルト層端のタイヤ径方向内側までタイヤ径方向外側に延びることを特徴とする請求項1又は2に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 前記硬ゴムフィラーは、硬度の異なる2種のゴムで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  5. リアタイヤに用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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