JP2005212336A - インクタンク及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 比重が大きい顔料インクを密閉されたインクタンク容器内で容易に攪拌できず、高価な専用装置を必要としていた。
【解決手段】 本発明は、インクが真空充填された可撓性を有する密封容器で構成されたインクタンク内部に、単数または複数の鋼球、または永久磁石を有した回転子を回転自在に封入し、前記鋼球、及び前記回転子は、紫外線硬化型インクに対し耐食性が高い樹脂、金属、メッキ、コーティング材料からなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明は、インクが真空充填された可撓性を有する密封容器で構成されたインクタンク内部に、単数または複数の鋼球、または永久磁石を有した回転子を回転自在に封入し、前記鋼球、及び前記回転子は、紫外線硬化型インクに対し耐食性が高い樹脂、金属、メッキ、コーティング材料からなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ノズルからインク滴を吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置にインクを供給するインクタンク及びインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェット記録装置において、ヘッド内部のインクに気泡が混入することは、不吐出などの不具合の原因になっている。容易に視認できる大きさの気泡は、インク流路やヘッドのノズルを塞ぐ不具合を発生させる。また視認できなくとも、インク内に含まれる溶存空気は、PZT(圧電素子)の駆動による高周波の振動によりヘッド内部で発泡し、不吐出の不具合を発生させる。このため、インクの脱気と、真空充填したインクタンク、及びインク流路全体に気泡侵入を防ぐ構成とし、インク供給系への気泡混入をできる限り防止することは、ヘッドの吐出信頼性を高める上では重要である。
インクタンクは一般的にメインインクタンクとサブインクタンクを設けている。ヘッドとの水頭差を一定に保つために固定されたサブインクタンクと、サブインクタンク内のインクレベルをセンサにより検出して、必要時メインインクタンクからインクを補給するようにしている。メインインクタンクはサブインクタンクより水頭差が高い位置に設置し、大気圧による加圧でメインインクタンクからサブインクタンクにインクを補給する。このような2種のインクタンクの構成からインクの補充はメインインクタンクを交換することで、簡単に行うことができる。
脱気されたインクを使用するインクジェット記録装置のインクタンク構成の概略を図3に示す。インクタンク2の容器として密閉性の高い容器が使用され、外部からの空気の浸透や侵入をなくす材料が使われる。容器材料はガスバリア性を持つ素材で、なおかつ可撓性を持つものでなければならない。インクタンク2内のインクが消費され減少すれば、容器も比例して収縮することで、ヘッド1との水頭差を検出する構成としている。容器素材の例として、LDPE(低密度ポリエチレン)、AL(アルミニウム)、NY(ナイロン)の樹脂ラミネートALシートが用いられる。最内部にLDPE、中間部にAL、最外部にNYを用いた構成であるが、多層シートを用いる場合は、インクと接する最内部には耐薬品性と熱融着性、中間部にはガスバリア性、最外部には強度及び柔軟性が要求される。ガスバリア性のある素材としては、単体フィルムとしてPVDC(ポリ塩化ビニリデン)、アルミ蒸着CPP(無延伸ポリプロピレン)、アルミ蒸着OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、アルミ蒸着LDPE、シリカ蒸着PET(ポリエステル)などがあり、単体で用いることも可能である。
次にインクジェット記録装置として使用されるインクについて説明する。インクには大別すると固体インクと液体インクがあり、更に小別すると顔料系、染料系に分けられる。近年は取り扱いやすさなどの点から液体インクが主流となっている。液体インクには、水性系、溶剤系、油性系、紫外線硬化系(以下UVインクと称す。)があるが、UVインク以外はそれぞれ顔料系と染料系を保有する。顔料系インクの場合、顔料粒子径が染料インクに比べ大きく、比重も大きいことから沈殿しやすい傾向がある。顔料が沈殿すると、インク粘度が増加しヘッド1の吐出特性に影響を及ぼす。また沈殿により顔料が希釈となった場合には、媒体に記録されるインク濃度が変化するなどの問題もある。
また、近年、環境問題への関心の高まりからUVインクが産業用途などで頻繁に使用されてきている。UVインクも顔料系のため、沈殿傾向が他に比べ大きい。UVインクを使用した産業用途として近年積極的に開発が進められているものとして、電気部品実装基板のロケーション印刷がある。基板のロケーション印刷は従来シルク印刷機により行われていたが、多種少量生産などのニーズからインクジェット記録方式を使用した印刷装置が開発されてきている。基板のロケーション印刷は白色が主であるため、インクジェット記録用に二酸化チタンを顔料としたUVインクが使用される。この二酸化チタンは他のUVインク顔料に比べ比重が4g/cm3程度と大きく、沈殿しやすい材料である。このため、インクタンク2に貯留されたインクはある時間静的放置されると沈殿してしまい、インクの濃度増加、又はさらに悪化すると凝集が発生し、ヘッド1のノズルつまりによる不吐出や記録濃度変化の問題を引き起こす。このため、インクタンク2内のインクは一定周期毎に攪拌を必要としているが、インクで密閉された容器内でインクを攪拌する専用の装置を必要としていた。
例として、図3に示すように羽根車などの攪拌部材7をモータ5と直結し回転させる方法などがある。最大の難点は密閉容器内を攪拌させなければならないことであり、インクタンク2にシール部材8を構成するなど高価な専用装置が必要となっている。
他の方法で考えられるのが、インクタンク2に微振動を与える方法であるが、二酸化チタンのように比重が大きい顔料で、なおかつ密閉されたインクタンク2においては、沈殿を促進させてしまうという逆効果もあった。
上記したように、従来、比重が大きい顔料インクが密閉されたインクタンク容器内で容易に攪拌できず、高価な専用装置を必要としていた。
本発明は、インクが真空充填された可撓性を有する密封容器で構成され、内部に単数または複数の鋼球、または永久磁石を有した回転子を回転自在に封入したことを特徴とする。
本発明は、密閉機能を持たせた専用攪拌装置を使用しなくても、手動にて容易に攪拌でき、なおかつ非常に安価に構成できるという利点がある。
インクで密閉され空気がない状態のインクタンク内を最小の部品点数で、非常に容易に攪拌でき、なおかつインク成分に悪影響させずに実現した。
本発明の実施例例1を図1を参照して説明する。
インクタンク2の内部に鋼球3を単数または複数、インクと共に封入する。鋼球3は使用するインク成分に溶融、腐食などの悪影響を与えない材料とする。特にUVインクなどは、耐食性が優れた材料、例えばステンレス鋼などを使用するとよい。
鋼球3が封入された状態で、インクタンク2全体を上下左右に振ることで、鋼球が自在に運動し、インクタンク2底部から均一に攪拌される。
なお、図1において、図3と同一部分は同一符号を付し、且つ具体的な説明を省略した。
本発明の実施例2を図2を参照して説明する。
インクタンク2の内部に永久磁石を取り付けた攪拌部材4をインクと共に封入する。インクタンク2の底外部にモータ5などを動力とした電磁石を備えた回転子6を設け、インクタンク2内部の攪拌部材4を回転させる。攪拌部材4の外形は滑らかな形状とし、インクタンク2の内面を傷つけないようにする。また、攪拌部材4は、使用するインク成分に溶融、腐食などの悪影響を与えない材料を使用する。
なお、図2においても、図3と同一部分は同一符号を付し、且つ具体的な説明を省略した。
インクタンク以外でインクを静的放置される可能性がある部位の攪拌用途にも適用できる。
1 ヘッド
2 インクタンク
3 鋼球
4 攪拌部材
5 モータ
6 回転子
2 インクタンク
3 鋼球
4 攪拌部材
5 モータ
6 回転子
Claims (6)
- インクが真空充填された可撓性を有する密封容器で構成され、内部に単数または複数の鋼球を移動自在に封入したことを特徴とするインクタンク。
- 前記鋼球は、紫外線硬化型インクに対し耐食性が高い樹脂、金属、メッキ、コーティング材料からなることを特徴とする請求項1記載のインクタンク。
- 請求項1または2に記載のインクタンクを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
- インクが真空充填された可撓性を有する密封容器で構成され、内部に永久磁石を有した回転子を回転自在に封入したことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記回転子は、紫外線硬化型インクに対し耐食性が高い樹脂、金属、メッキ、コーティング材料を使用したことを特徴とする請求項4記載のインクタンク。インクジェット記録装置
- 請求項4または5に記載のインクタンクを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004023207A JP2005212336A (ja) | 2004-01-30 | 2004-01-30 | インクタンク及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004023207A JP2005212336A (ja) | 2004-01-30 | 2004-01-30 | インクタンク及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005212336A true JP2005212336A (ja) | 2005-08-11 |
Family
ID=34906314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004023207A Pending JP2005212336A (ja) | 2004-01-30 | 2004-01-30 | インクタンク及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005212336A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007112057A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Dainippon Toryo Co Ltd | インクジェット記録用のインクカートリッジ |
KR100918737B1 (ko) | 2009-01-21 | 2009-09-24 | 양원석 | 프린터의 외부 설치용 잉크공급장치 |
US8083340B2 (en) | 2006-03-20 | 2011-12-27 | Seiko Epson Corporation | Container and method for storing light-curable ink |
-
2004
- 2004-01-30 JP JP2004023207A patent/JP2005212336A/ja active Pending
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JP2007112057A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Dainippon Toryo Co Ltd | インクジェット記録用のインクカートリッジ |
US8083340B2 (en) | 2006-03-20 | 2011-12-27 | Seiko Epson Corporation | Container and method for storing light-curable ink |
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