JP2005211759A - 分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置 - Google Patents

分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
単独構造体で微量血液から血球を濾過分離回収できる分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置を提供することにある。
【解決手段】
複数の基板1,2,3を密着させて、流路構造体を形成する。この構造体には、供給口4と排出口5を有する。流路構造内に微細な柱状物10,11を複数個配置し、柱状物の隙間をフィルタ流路とする。柱状物の隙間の異なるフィルタ14,15が複数個備えられる。供給口4から排出口5に向けて血液を濾過した後、フィルタ14,15間に設けられた中間導入口6や排出口5から流体を導入して各フィルタ14,15で捕獲された血球を回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は血球を分離回収する分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置に係り、特に、マイクロ構造体により構成するに好適な分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置に関する。
血液から血球を分離回収する方法としては、血球の質量差を利用した遠心分離が一般的である。また、一般に浮遊粒子を含む流体から粒子を分級回収する方法としては、膜状の濾紙を積層して流体を流し、各濾紙で捕獲された粒子を洗い流して回収する方法が取られる。しかし、いずれの場合も手間がかかり、分離回収機構を小型化することは困難である。
一方、例えば、特開平11−165062号公報に記載されているように、シリコン単結晶構造体を用いて微小流路を形成し、濾過機構を持たせたものが知られている。この構造により分離回収機構の小型化が可能となる。
特開平11−165062号公報
しかし、特開平11−165062号公報に記載されたものでは、単独の構造体で分級機構をもつことができず、分級するためには微小流路寸法の異なる複数の構造体を配管などにより直列接続する必要がある。このような構成は、多量の流体から粒子を分級回収する手段には向いているが、配管等のデッドボリュームが大きく、微量流体の取り扱いには不向きであるという問題がある。一方、現在は患者の負担を減らすためにマイクロリアクター,ナノチップといった微量流体を扱う研究が進んでおり、微量血液から血球を分離回収する機構が必要となっている。
本発明の目的は、単独構造体で微量血液から血球を濾過分離回収できる分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の基板を密着させて形成した供給口と排出口を有する流路構造内に微細な柱状物を複数個配置し、前記柱状物の隙間をフィルタ流路とする分級フィルタであって、前記供給口から前記排出口に至る流路に配置され、前記柱状物の隙間の異なるフィルタが複数個備えるようにしたものである。
かかる構成により、単独構造体で微量血液から血球を濾過分離回収できるものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記供給口から前記排出口に至るまでの流路に、流路の高さに比べて流路の面積が大きな領域に配置された前記フィルタとは別の柱状物を備えるようにしたものである。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記複数のフィルタ間をつなぐ流体流路の開口面積が、前記供給口から前記排出口に向かって段階的に小さくなるようにしたものである。
(4)上記(1)において、好ましくは、前記複数のフィルタの間に配置された中間導入口を備えるようにしたものである。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記中間導入口の近傍に設けられた堰を備えるようにしたものである。
(6)上記(1)において、好ましくは、前記複数のフィルタを備えた構造体を積層するとともに、それぞれの構造体の前記供給口,前記排出口,前記中間導入口を互いに連通するようにしたものである。
(7)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の基板を密着させて形成した供給口と排出口を有する流路構造内に微細な柱状物を複数個配置し、前記柱状物の隙間をフィルタ流路とする分級フィルタを用いた血球分離回収装置であって、前記供給口から前記排出口に至る流路に配置され、前記柱状物の隙間の異なるフィルタが複数個備え、前期供給口から前期排出口に向けて血液を濾過した後、前記フィルタ間に設けられた中間導入口や排出口から流体を導入して各フィルタで捕獲された血球を回収するようにしたものである。
かかる構成により、単独構造体で微量血液から血球を濾過分離回収できるものとなる。
本発明によれば、単独構造体で微量血液から血球を濾過分離回収でき、また、装置の小型化も可能となる。
以下、図1〜図11を用いて、本発明の第1の実施形態による分級フィルタ及びこれを用いた血球分離回収装置の構成について説明する。
最初に、図1及び図2を用いて、本実施形態による分級フィルタの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタの構成を示す断面斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタの構成を示す側面断面図である。なお、図1に示す分級フィルタは、切断面を中心として左右対称の形状であり、ここでは、左半分を図示している。また、図2は、図1と同じ断面位置における側面断面図である。
図1及び図2に示すように、上部基板1,下部基板2及び中間基板3の3つの基板を密着させて、構造体を形成する。各基板1,2,3は、例えば、シリコーンゴム系のポリマー、PDMS(Polydimethylsiloxane)からなり、その内部に分級フィルタを構成するための構造体をホトリソ技術等により予め形成してある。
上部基板1及び下部基板2には、フィルタ流路(大)となる領域12を形成するための突起物(大)10がそれぞれ複数個設けられ、大分級フィルタ14を構成する。また、上部基板1及び下部基板2には、フィルタ流路(小)となる領域13を形成するための突起物(小)11がそれぞれ複数個設けられ、小分級フィルタ15を構成する。
下部基板2には、さらに、供給口4,排出口5,中間導入口6が設けられ、大分級捕獲キャビティ7,小分級捕獲キャビティ8を有する流路構造を構成する。中間導入口6の近傍には、小分級捕獲キャビティ8から大分級捕獲キャビティ7への逆流を防止するための堰9が形成されている。供給口4と大分級捕獲キャビティ7は第1流体流路17で接続され、大分級捕獲キャビティ7と小分級捕獲キャビティ8は第2流体流路18で接続され、小分級捕獲キャビティ8と排出口5は第3流体流路19で接続される。また、大分級捕獲キャビティ7と小分級捕獲キャビティ8には、後述する理由から柱状突起物16が形成されている。
フィルタ流路(大)12やフィルタ流路(小)13の寸法は、分級回収したい粒子の径に応じて、設計される。具体的には、血液から赤血球を分離する場合、赤血球は円盤状で、その直径は10μm程度あるため、フィルタ径を7μmにする。具体的には、例えば、フィルタ流路(大)12により赤血球を分離する場合には、大分級フィルタ14を構成する,図1に示した隣接する突起物(大)10の間隔W1を7μmとし、図2に示した突起物(大)10の高さH1を7μmとする。血液から白血球を分離する場合、白血球はその最大直径は15μm程度あるが、変形可能であるため、フィルタ径を3μmにする。具体的には、例えば、フィルタ流路(小)13により白血球を分離する場合には、小分級フィルタ15を構成する,図1に示した隣接する突起物(大)11の間隔W2を3μmとし、図2に示した突起物(小)11の高さH2を3μmとする。また、分級フィルタにより血小板を分離するには、フィルタ径を1μmとする。なお、図1,図2に示す実施形態においては、大分級フィルタ14のフィルタ径を7μmとして赤血球を分離し、小分級フィルタ15のフィルタ径を3μmとして白血球を分離し、血小板は小分級フィルタ15を通過するようにしている。なお、図1,図2では、分級フィルタが2段構成となっているが、3段以上の多段構成としてもよいものである。
血液のようにフィルタ構造を通過することによって液量や粘度が大きく減少する場合には、液量や流体抵抗を考慮した上で第1流体流路17の開口面積よりも第2流体流路18の開口面積を小さく、第2流体流路18の開口面積よりも第3流体流路19の開口面積が小さくなるように設計することで、濾過速度を大きくし、効率を向上させることができる。
流路構造の高さH1,H2に対して大分級捕獲キャビティ7や小分級捕獲キャビティ8の面積が大きくなると、キャビティの上面と下面が撓むことにより接着する場合がある。そこで、接着防止のために、上部基板1及び下部基板2には、大分級捕獲キャビティ7や小分級捕獲キャビティ8の領域に、柱状突起物16を形成して、キャビティの上面と下面の接着を防止するようにしている。
大分級フィルタ14で赤血球を分離するためにフィルタ流路(大)12の幅を7μm、突起物(大)10の高さを7μmに設計し、突起物(大)10を100個配置すると、大分級フィルタ14の長さL0は1.4mmになる。これに対し、上部基板1及び下部基板2の突起物(大)10の高さをそれぞれ7μm,中間基板3の厚さを3μmとすると、大分級捕獲キャビティ7の高さは17μmであり、長さ/高さのアスペクト比は80を超える。それに対して、柱状突起物16を適切に配置することにより、アスペクト比を低減して、上下面の接着を防止できる。なお、図2に示すように、柱状突起物16の位置には中間基板3(厚さ:3μm)を設けていないので、この中間基板3の厚さ分、上部基板1は撓むことになるが、それでも、キャビティの上面と下面の接着を防止することはできる。
ここで、図3を用いて、本実施形態による分級フィルタにおける柱状突起物16の配置について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタにおける柱状突起物の配置を示す平面図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
図3に示すように、柱状突起物16を、隣接する柱状突起物16との間隔L1、大分級フィルタとの間隔L2、キャビティ側壁との間隔L3及びL4が、長さ/高さのアスペクト比で20程度以下になるように配置することで、キャビティ上面と下面の接着を防止することができる。具体的には、キャビティの高さは、17μmであるので、間隔L1,L2,L3,L4を、340μm以下とする。
次に、図4を用いて、本実施形態による分級フィルタにおける上下面の接着防止構造の他の構成について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタにおける上下面の接着防止構造の他の構成を示す平面図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
図4に示す構成では、キャビティの上面と下面の接着防止を、大分級フィルタ14’で実現するようにしている。すなわち、図4に示すように、突起物(大)10を、大分級フィルタ14’がつづら折りになるように配置し、大分級フィルタ14’のつづら折りを構成する一列を、隣接する大分級フィルタ14’のつづら折りを構成する一列との間隔L5、キャビティ側壁との間隔L6及びL7が、長さ/高さのアスペクト比で20程度以下になるように配置することでキャビティ上面と下面の接着を防止することができる。キャビティの高さは、17μmであるので、間隔L5,L6,L7を、340μm以下とする。このように、大分級フィルタを接着防止構造体として併用すれば、流体抵抗は大きくなるが、捕獲粒子が多量の場合に目詰まりを防ぐことが可能となる。
次に、図5を用いて、本実施形態による分級フィルタの製造工程について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタの製造工程を示す工程図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
図5(a)に示すように、単結晶シリコン基板31上にレジスト32を塗布,ホトリソ,現像により、フィルタ流路(小)13を形成する突起物(小)11のパターン11Pを形成する。この時、レジストの厚さはフィルタ流路(小)13の径と同じ寸法(例えば、3μm)になるように制御する。また、同時にフィルタ流路(大)12を形成する突起物(大)10のパターン10P、及び柱状突起物16のパターン16Pも形成する。
次に、図5(b)に示すように、再度レジストを塗布,ホトリソ,現像によりフィルタ流路(大)12を形成する突起物(大)10のパターン10P’を形成する。この時、最終的なレジストの厚さはフィルタ流路(大)12の径と同じ寸法(例えば、7μm)になるように制御する。同時に柱状突起物16のパターン16P’も形成する。
次に、図5(c)に示すように、図5(b)の工程で完成したパターンを鋳型にし、PDMSを流して硬化させることにより、上部基板1が完成する。下部基板2は上部基板1と同様に製作した後、供給口4,排出口5,中間導入口6の穴加工を追加する。
最後に、図5(d)に示すように、上部基板1と同様にしてPDMSを硬化させて作成した中間基板3を挟み込むように、上部基板1ならびに下部基板2を凹側が中間基板3側になるように密着させ、構造体を完成させる。PDMSは酸素プラズマで処理した後に接合界面を密着させるだけで強固な接合強度が得られる。
次に、図6を用いて、本実施形態による分級フィルタにアクチュエータ付バルブを組み込んだ状態の構成について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタにアクチュエータ付バルブを組み込んだ状態の構成を示す断面斜視図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
供給口4,排出口5,中間導入口6には、それぞれ単結晶シリコンで作成したバルブ本体41が接着され、ステンレス製のバルブ支柱42の内部に圧電素子43が組み込まれている。バルブ本体41には、シリコンの異方性エッチングでダイアフラム44,バルブ導入口46が形成されており、両者はバルブ流路47で繋がっている。ダイフラム44の中央部には、供給口4,排出口5,中間導入口6よりも内径の大きいリーク防止弁45を、例えばシリコン酸化膜により形成する。圧電素子43に電流を流すと圧電素子43が長手方向に膨張するため、ダイアフラム44が分級フィルタ側に持ち上げられ、供給口4,排出口5,中間導入口6が閉じることになるため、ノーマリーオープンの開閉バルブとして動作する。
次に、図7を用いて、本実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置の構成について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置の構成を示す概念図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
分級フィルタ51の供給口4には供給口開閉バルブ53が接続され、排出口5には排出口開閉バルブ54が接続され、中間導入口6には中間導入口開閉バルブ55が接続される。供給口開閉バルブ53の先には4方バルブ56が接続され、排出口開閉バルブ54の先には3方バルブ57が接続される。4方バルブ56の先には血液容器58,赤血球回収容器61,白血球回収容器62が接続され、3方バルブ57の先には排出口洗浄容器59a,排液容器60が接続され、中間導入口開閉バルブ55の先には中間導入口洗浄容器59bが接続される。また、分級フィルタ51の上部は光透過性を有し、この部分には顕微鏡52が設けられ、血球の捕獲状況を光学的に観察しながらバルブ53,54,55,56,57の開閉を行い、効率的な濾過分離回収を行うことができる。
次に、図8〜図11を用いて、本実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置による濾過分級回収方法について説明する。
図8〜図11は、本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置による濾過分級回収方法の流れを示す概念図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
図8に示すように、まず、中間導入口6を閉じた状態で様々な粒径の浮遊粒子を含む流体を供給口4より注入する。粒径がフィルタ流路(大)12より大きな粒子21は大分級フィルタ14を通過できず、大分級捕獲キャビティ7に捕獲される。粒径がフィルタ流路(小)13よりも大きく、フィルタ流路(大)12より小さな粒子22は大分級フィルタ14を通過できるが小分級フィルタ15を通過できず、小分級捕獲キャビティ8に捕獲される。粒径がフィルタ流路(小)13よりも小さい粒子23は大分級フィルタ14ならびに小分級フィルタ15を通過し、排出口5から排出される。
次に、図9に示すように、流体を流し終えた状態では、大分級捕獲キャビティ7には粒径がフィルタ流路(大)12より大きな粒子21だけが、小分級捕獲キャビティ8には粒径がフィルタ流路(小)13よりも大きく、フィルタ流路(大)12より小さな粒子22だけが分級捕獲される。
次に、図10に示すように、中間導入口6より洗浄水を注入する。大分級捕獲キャビティ7に捕獲された、粒径がフィルタ流路(大)12より大きな粒子21は供給口4へ排出・回収される。小分級捕獲キャビティ8に捕獲された、粒径がフィルタ流路(小)13よりも大きくフィルタ流路(大)12より小さな粒子22は逆流防止堰9によって大分級捕獲キャビティ7への流入を阻害され、そのまま小分級捕獲キャビティ8内に留まる。
最後に、図11に示すように、中間導入口6を閉じて排出口5より洗浄水を注入する。小分級捕獲キャビティ8に捕獲された、粒径がフィルタ流路(小)13よりも大きくフィルタ流路(大)12より小さな粒子22が供給口4へ排出・回収される。
このように、中間導入口6の開閉と供給口4及び排出口5の接続先を切り替えることにより、浮遊粒子を濾過分級回収することが可能となる。
本実施形態のように、PDMSのような透明な材料で上部基板1または下部基板2が形成されている場合、粒子の捕獲状況を光学的に観察しながらバルブの開閉が行えるため、より効率的な濾過分級回収を行うことができる。
次に、図7の構成を用いて、例えば赤血球ならびに白血球を濾過分離回収する手順について説明する。
図7に示した4方バルブ56を血液容器58に、3方バルブ57を排液容器60に接続して、中間導入口開閉バルブ55を閉じ、供給口開閉バルブ53と排出口開閉バルブ54を開けて、血液容器58を加圧すると血液が分級フィルタを通して赤血球ならびに白血球がそれぞれ分級フィルタ51内に捕獲され、血小板及び血しょうが排液容器60に排出される。
次に、4方バルブ56を赤血球回収容器61に接続して中間導入口開閉バルブ55を開け、中間導入口洗浄容器59bを加圧すると、洗浄液が分級フィルタ51内に流れ込み、赤血球が洗浄液とともに赤血球回収容器61に、一部の洗浄液が排液容器60に排出される。
最後に、中間導入口開閉バルブ55を閉じ、4方バルブ56を白血球回収容器62に、3方バルブ57を排出口洗浄容器59aに接続して排出口洗浄容器59aを加圧すると、洗浄液が分級フィルタ51内に流れ込み、白血球が洗浄液とともに白血球回収容器62に排出される。
このようにして、本発明の分級フィルタにより微量血液から赤血球ならびに白血球の分離回収を行うことが可能となる。フィルタをもう一段増やせば更に血小板の分離回収を行うことも可能である。
本実施形態によれば、微量血液から血球の濾過分離回収が可能となり、また、装置の小型化も可能となる。
次に、図12を用いて、本発明の第2の実施形態による分級フィルタの構成について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態による分級フィルタの構成を示す断面斜視図である。なお、図12に示す分級フィルタは、図1と同様に、切断面を中心として左右対称の形状であり、ここでは、左半分を図示している。また、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の分級フィルタは、図1に示した上部基板1,下部基板2及び中間基板3の3つの基板を密着させて形成された構造体からなる分級フィルタを2層積層したものである。図12に示すように、供給口4,排出口5,中間導入口6を連通させている。このような積層構造とすることで、並列処理による濾過分級回収効率を上げることができる。なお、この分級フィルタを用いた血球分離回収装置は、図6,図7のように構成される。
本実施形態によれば、微量血液から血球の濾過分離回収が可能となり、また、装置の小型化も可能となる。また、回収効率を向上させることができる。
次に、図13及び図14を用いて、本発明の第3の実施形態による分級フィルタの構成について説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態による分級フィルタの構成を示す側面断面図である。図14は、本発明の第3の実施形態による分級フィルタの構成を示す側面断面図である。なお、図12に示す分級フィルタは、図1と同様に、切断面を中心として左右対称の形状であり、ここでは、左半分を図示している。また、図14は、図13と同じ断面位置における側面断面図である。また、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
図13及び図14に示すように、本実施形態の分級フィルタは、上部基板1A,下部基板2の2つの基板を密着させて、構造体を形成する。各基板1A,2は、例えば、シリコーンゴム系のポリマー、PDMS(Polydimethylsiloxane)からなり、その内部に分級フィルタを構成するための構造体をホトリソ技術等により予め形成してある。
上部基板1Aは、平板状であり、何らの構造物は形成されていないものである。下部基板2には、図1及び図2の下部基板2と同様に、大分級フィルタ14と、小分級フィルタ15が構成されている。また、下部基板2には、供給口4,排出口5,中間導入口6が設けられ、大分級捕獲キャビティ7,小分級捕獲キャビティ8を有する流路構造を構成する。中間導入口6の近傍には、小分級捕獲キャビティ8から大分級捕獲キャビティ7への逆流を防止するための堰9が形成されている。供給口4と大分級捕獲キャビティ7は第1流体流路17で接続され、大分級捕獲キャビティ7と小分級捕獲キャビティ8は第2流体流路18で接続され、小分級捕獲キャビティ8と排出口5は第3流体流路19で接続される。また、大分級捕獲キャビティ7と小分級捕獲キャビティ8には、柱状突起物16が形成されている。
フィルタ流路(大)12により赤血球を分離するために、大分級フィルタ14を構成する,図13に示した隣接する突起物(大)10の間隔を7μmとし、図14に示した突起物(大)10の高さH1を7μmとする。フィルタ流路(小)13により白血球を分離するために、小分級フィルタ15を構成する,図13に示した隣接する突起物(小)11の間隔を3μmとし、図14に示した突起物(小)11の高さH2を3μmとする。本実施形態では、図1,図2に示した構成とは異なり、1層構造であるため、大分級捕獲キャビティ7の容量を大きくするため、大分級捕獲キャビティ7の部分の高さH3は、11μmとしている。この高さは、ここでは、赤血球の直径以上としている。
本実施形態では、上部基板1Aは、単なる平板状であるため、下部基板2との間の位置決めが不要である。従って、組立工程が簡略化できる。一方、図2に示した構成では、ホトリソ工程は2回で良いのに対して、本実施形態では、図3に示すように3種類の深さを設ける必要があるため、ホトリソ工程も3回必要となるので、フィルタ寸法の高めるためには、ホトリソ工程の位置決めを向上させる必要が生じる。
本実施形態によれば、微量血液から血球の濾過分離回収が可能となり、また、装置の小型化も可能となる。また、図1の構成に比べて分級速度は半分となるものの、構成を簡単にすることができる。
本発明の第1の実施形態による分級フィルタの構成を示す断面斜視図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタの構成を示す側面断面図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタにおける柱状突起物の配置を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタにおける上下面の接着防止構造の他の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタの製造工程を示す工程図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタにアクチュエータ付バルブを組み込んだ状態の構成を示す断面斜視図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置の構成を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置による濾過分級回収方法の流れを示す概念図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置による濾過分級回収方法の流れを示す概念図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置による濾過分級回収方法の流れを示す概念図である。 本発明の第1の実施形態による分級フィルタを用いた血球分離回収装置による濾過分級回収方法の流れを示す概念図である。 本発明の第2の実施形態による分級フィルタの構成を示す断面斜視図である。 本発明の第3の実施形態による分級フィルタの構成を示す側面断面図である。 本発明の第3の実施形態による分級フィルタの構成を示す側面断面図である。
符号の説明
1…上部基板
2…下部基板
3…中間基板
4…供給口
5…排出口
6…中間導入口
7…大分級捕獲キャビティ
8…小分級捕獲キャビティ
9…逆流防止堰
10…突起物(大)
11…突起物(小)
12…フィルタ流路(大)
13…フィルタ流路(小)
14…大分級フィルタ
15…小分級フィルタ
16…柱状突起物
17…第1流体流路
18…第2流体流路
19…第3流体流路
31…単結晶シリコン基板
32…レジスト
41…バルブ本体
42…バルブ支柱
43…圧電素子
44…ダイアフラム
45…リーク防止弁
46…バルブ導入口
47…バルブ流路
51…分級フィルタ
52…顕微鏡
53…供給口開閉バルブ
54…排出口開閉バルブ
55…中間導入口開閉バルブ
56…4方バルブ
57…3方バルブ
58…血液容器
59a…排出口洗浄容器
59b…中間導入口洗浄容器
60…排液容器
61…赤血球回収容器
62…白血球回収容器

Claims (7)

  1. 複数の基板を密着させて形成した供給口と排出口を有する流路構造内に微細な柱状物を複数個配置し、前記柱状物の隙間をフィルタ流路とする分級フィルタであって、
    前記供給口から前記排出口に至る流路に配置され、前記柱状物の隙間の異なるフィルタが複数個備えたことを特徴とする分級フィルタ。
  2. 請求項1記載の分級フィルタにおいて、
    前記供給口から前記排出口に至るまでの流路に、流路の高さに比べて流路の面積が大きな領域に配置された前記フィルタとは別の柱状物を備えたことを特徴とする分級フィルタ。
  3. 請求項1記載の分級フィルタにおいて、
    前記複数のフィルタ間をつなぐ流体流路の開口面積が、前記供給口から前記排出口に向かって段階的に小さくなることを特徴とする分級フィルタ。
  4. 請求項1記載の分級フィルタにおいて、
    前記複数のフィルタの間に配置された中間導入口を備えたことを特徴とする分級フィルタ。
  5. 請求項4記載の分級フィルタにおいて、
    前記中間導入口の近傍に設けられた堰を備えたことを特徴とする分級フィルタ。
  6. 請求項1記載の分級フィルタにおいて、
    前記複数のフィルタを備えた構造体を積層するとともに、それぞれの構造体の前記供給口,前記排出口,前記中間導入口を互いに連通したことを特徴とする分級フィルタ。
  7. 複数の基板を密着させて形成した供給口と排出口を有する流路構造内に微細な柱状物を複数個配置し、前記柱状物の隙間をフィルタ流路とする分級フィルタを用いた血球分離回収装置であって、
    前記供給口から前記排出口に至る流路に配置され、前記柱状物の隙間の異なるフィルタが複数個備え、
    前期供給口から前期排出口に向けて血液を濾過した後、前記フィルタ間に設けられた中間導入口や排出口から流体を導入して各フィルタで捕獲された血球を回収することを特徴とする血球分離回収装置。
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