JP2005211104A - 燃焼安全性に優れたクッション性タイルカーペットとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
タイルカーペットにおいて、燃焼時の有毒ガスの発生を極力抑制し、かつクッション性のあるタイルカーペットを得る。
【解決手段】
ある厚みと圧縮弾性率のウレタン層とポリエステル不織布層とを組合したクッション層を積層することと、補強層を挿入した中間樹脂層として非晶性オレフィン重合体組成物を使用することにより、初期燃焼時における有毒ガスの発生量を低減し、適度なクッション性と寸法の安定したタイルカーペットを得ることが出来た。
【選択図】図1
Description
(1)厚さ
定荷重0.78Nのダイヤルゲージにて測定した。
(2)圧縮弾性率
JIS L1022の参考試験にある圧縮率測定方法により測定した。
(3)歩行感
官能評価とし、タイルカーペット上を歩行し、クッション性と歩き心地が最も好ましいものを5級とし、なにも敷設していない床のみのものを1級とする5段階評価をした。なお、4級以上を合格とした。
(4)寸法安定性
JIS L4406の常態時の測定をおこない、裁断寸法と比較し縦方向、横方向ともに0.1%以下を合格とした。
(5)初期燃焼性
NBS燃焼試験法、防炎試験(消防法)を行なった。NBS燃焼試験法とは、密閉した発煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーターから輻射熱を当てながらバーナーの炎を当て有炎燃焼させ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づいて煙濃度(Ds)を算出するものである。
試験開始後4分のDs値及び最大Ds値を求めた。更に、発煙箱中のガスを回収バックに採取し、検知管で分析を行った。
ポリエステルスパンボント基布に、3060デシテックス288fのポリエステル糸を植設し、パイル目付680g/m2のループパイルのカーペット表皮層を作成した。次にこの表皮層の裏面側に下記表の目止め用樹脂組成物(P1)の170〜200℃溶融物を80g/m2で塗工して目止めを施したカーペット基材層を作成した。次に、発泡樹脂層として厚さ22mmのウレタンフォームシート(見かけ密度21kg/m3 硬さ18.5kgf)と、不織布層として厚さ2.5mm目付け70g/m2のポリエステル繊維ニードルパンチ不織布を積層し、180〜200度の温度をかけ、3〜4分間4mm厚に熱プレス成形して得られるクッション層を作成した。この時のクッション層の圧縮弾性率は94.3%、厚さは4.0mmであった。次にこのクッション層の発泡樹脂層側の上に下記表の中間樹脂組成物(Q1)の170〜200℃溶融物を二回にわけて積層し、その第1中間樹脂層と第2中間樹脂層の間に補強層としてガラス不織布(目付40g/m2)を挿入した。さらに、第1中間樹脂層の上側に前記カーペット基材層を積層し、加熱圧着の後、冷却工程を経て、50cm角の大きさに裁断しタイルカーペットを作成した。中間樹脂の第1中間樹脂層の厚さは1.0mm、第2中間樹脂層の厚さは1.5mmであった。
実施例1において、発泡樹脂層として厚さ20mmのウレタンフォームシート(見かけ密度21kg/m3 硬さ18.5kgf)と、不織布層として厚さ2.5mm目付け70g/m2のポリエステル繊維ニードルパンチ不織布を積層し、180〜200度の温度をかけ、3〜4分間4mm厚に熱プレス成形して得られるクッション層を作成した以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。この時のクッション層の圧縮弾性率は88.3%、厚さは4.0mmであった。歩行テストでは、実施例1よりもソフトな感覚をもったが5級の評価を得た。また、初期燃焼性においても、問題なく、基準値以内であった。寸法安定性はタテ、ヨコ共に0.04%で合格であった。
実施例1において、発泡樹脂層として厚さ22mmのウレタンフォームシート(見かけ密度21kg/m3 硬さ18.5kgf)と、不織布層として厚さ4.0mm目付け80g/m2のポリエステル繊維ニードルパンチ不織布を積層し、180〜200度の温度をかけ、3〜4分間4mm厚に熱プレス成形して得られるクッション層を作成した以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。この時のクッション層の圧縮弾性率は95.2%、厚さは4.0mmであった。歩行テストでは、実施例1よりも良好で5級以上の評価を得た。また、初期燃焼性、寸法安定性においても良好であった。
実施例1において、補強層としてガラス不織布にかえてポリエステル不織布(目付45g/m2)とした以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。歩行テストを行なったところ、歩行感は良好で、5級と評価された。また、初期燃焼性、寸法安定性においても良好であった。
実施例1において、補強層としてガラス不織布にかえてガラス織布(目付25g/m2)とポリエステル不織布(目付45g/m2)とし、厚み0.8mmの中間樹脂層を一層増やした以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。歩行テストを行なったところ、歩行感は良好で、5級と評価された。また、初期燃焼性においても、基準値以内であった。寸法安定性は最良でタテヨコ共に0.02%で合格であった。
実施例1において、中間樹脂として、塩化ビニル樹脂組成物を溶融し、二回にわけて塗布した以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。歩行テストでは、歩行感は良好で、5級と評価され、寸法安定性も合格であっが、初期燃焼性において、塩素ガスの発生が500ppmあり、不合格であった。
実施例1において、補強層のガラス不織布を挿入しないとした以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。歩行感、初期燃焼性、施工性においても実施例1と同等の評価を得たが、寸法安定性はタテヨコ共に0.11%で不合格となった。
実施例1において、発泡樹脂層として厚さ11mmのウレタンフォームシート(見かけ密度21kg/m3 硬さ18.5kgf)と、不織布層として厚さ2.5mm目付け70g/m2のポリエステル繊維ニードルパンチ不織布を積層し、180〜200度の温度をかけ、3〜4分間4mm厚に熱プレス成形して得られるクッション層を作成した以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。この時のクッション層の圧縮弾性率は76.1%、厚さは4.0mmであった。歩行テストでは、歩行感が悪く、3級と評価され、寸法安定性、初期燃焼性は合格であっが、不合格と判断した。
実施例1において、第2中間樹脂層の下側にクッション層として、厚さ4.0mm見かけ密度0.12g/cm3のポリエステル不織布のみとした以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。歩行テストでは、クッション性が低下し、3級と評価され満足のいくものではなかった。寸法安定性、初期燃焼性においては合格であった。
実施例1において、発泡樹脂層として厚さ22mmのウレタンフォームシート(見かけ密度21kg/m3 硬さ18.5kgf)に180〜200度の温度をかけ、3〜4分間4mm厚に熱プレス成形して得られるクッション層を作成した以外は実施例1と同様にしてタイルカーペットを作成した。この時のクッション層の圧縮弾性率は83.6%、厚さは4.0mmであった。歩行テストでは、歩行感は良好で、4級と評価され、寸法安定性、初期燃焼性は合格であったが、タイルカーペットに反りが発現し不合格と判定した。
2 カーペット表皮層
3 目止め層
4 中間樹脂層
5 補強層
6 発泡樹脂層
7 不織布層
8 クッション層
9 第1中間樹脂層
10 第2中間樹脂層
11 カーペット基材層
Claims (4)
- タイルカーペットにおいて、カーペット表皮層と、前記カーペット表皮層の下側に非晶性オレフィン重合体組成物で目止めが施された目止め層と、その下側に積層される非晶性オレフィン重合体組成物からなる中間樹脂層と、前記中間樹脂層中に含まれる補強層と、さらに前記中間樹脂層の下側に積層される、クッション性のある発泡樹脂層と不織布層からなるクッション層とからなることを特徴とするタイルカーペット。
- 前記補強層がガラス繊維布、ポリエステル繊維布から選択される一層または複数層で中間樹脂層中に含まれている請求項1記載のタイルカーペット。
- 前記クッション層において、前記発泡樹脂層は、厚さが2.0〜7.0mmのウレタンフォームシートであり、前記不織布層は、厚さが1.0〜5.0mmのポリエステルニードルパンチ不織布であり、前記クッション層の圧縮弾性率が80〜97%である請求項1または2記載のタイルカーペット。
- 前記発泡樹脂層と前記不織布層とを別工程で積層したクッション層の発泡樹脂層側に、非晶性オレフィン重合体組成物からなる第2中間樹脂層を積層する第1工程と、その上側に補強層を積層する第2工程と、さらにその上側に非晶性オレフィン重合体組成物からなる第1中間樹脂層を積層する第3工程と、また、さらにその上側に、非晶性オレフィン重合体組成物からなる目止め層が積層されたカーペット表皮層を積層する第4工程とからなる工程で製造されることを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
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