JP2005210172A - 振動板集積基体、音響電気変換素子、音響電気変換システム及び振動板集積基体の製造方法 - Google Patents

振動板集積基体、音響電気変換素子、音響電気変換システム及び振動板集積基体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1枚の集積基体で複数の音源方向を特定する音響電気変換素子、この素子の要素となる振動板集積基体、この素子を用いた音響電気変換システム、及びこの素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 同一の振動板集積基体上に、音圧により振動し、回折格子をそれぞれ有する複数の振動板X1〜Xを備える。これらの複数の振動板X1〜Xの主面の方向は、互いに異なる。
【選択図】 図1

Description

本発明は音響電気変換素子に係り、更には、この音響電気変換素子の要素となる振動板集積基体、この音響電気変換素子を用いた音響電気変換システム、及びこの音響電気変換素子の製造方法に関する。
鋭い指向性を有するマイクロフォンに光マイクロフォンと称せられる音響電気変換素子が知られている。光マイクロフォンは振動板の裏面に電極等音波の到来を遮断する要素を必要としないため、横方向からの音波をキャンセルし、横方向からの音波に対し感度を示さないという特徴がある。
又、複数のコンデンサマイクロフォンを用い、その遅延和を利用することで単一指向性を実現するマイクロフォンアレイ技術や、本来は密閉されている容器の一部にパイプを増設して振動板の後ろに外気を供給し、前方からの音波を遅れて振動板の背面に到達させてその分だけ「速度型」の動作を持たせ、全体として「単一指向性」の動作をさせる手法も提案されている。
更に、発光強度分布が同心円状にほぼ均一な垂直表面発光型発光素子と、その周辺に同心円状に受光素子とを配置した構造を採用し、複数の受光素子からの出力を差動信号としてその差分を検出して出力とする光マイクロフォンも提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載された発明では、単一の受光素子を用いて出力信号とした場合に比べて発光素子の温度変化や駆動電流変化等による影響を低減させ、安定な信号出力を得ている。
特開2001−169394号公報
従来の指向性マイクロフォンは振動板と正対した方向のみの音源を特定するのに優れているが、振動板と正対した方向以外からの音源を特定するのが困難であった。このため、音源が複数存在する音場で、音源をそれぞれ分離して収音するには、各音源に対応したマイクロフォンが複数個必要になり、システムが巨大化し、コストの増大につながる。
本発明は1枚の集積基体で、複数の音源方向を特定することが可能な音響電気変換素子、この音響電気変換素子の要素となる振動板集積基体、この音響電気変換素子を用いた音響電気変換システム、及びこの音響電気変換素子の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、回折格子をそれぞれ有し、音圧により振動する複数の振動板を備える振動板集積基体であって、複数の振動板は、主面が振動板集積基体の主面と平行な振動板と、主面が振動板集積基体の主面に対して傾いている振動板とを含む振動板集積基体であることを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、(イ)回折格子をそれぞれ有し、音圧により振動し、且つ、主面の方向が互いに異なる複数の振動板と、(ロ)回折格子のそれぞれに光を照射する複数の光源と、(ハ)回折格子で回折した光をそれぞれ検知し電気信号に変換する複数の光検出器とを備え、複数の振動板の変位をそれぞれ電気信号に変換する音響電気変換素子であることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、(イ)回折格子をそれぞれ有し、音圧により振動し、且つ、主面の方向が互いに異なる複数の振動板と、(ロ)回折格子のそれぞれに光を照射する複数の光源と、(ハ)回折格子で回折した光をそれぞれ検知し電気信号に変換する複数の光検出器と、(ニ)複数の光検出器が出力する時系列信号を周波数軸の信号に変換するフーリエ変換手段とを備え、複数の振動板の変位を、対応する複数の音源毎のスペクトルに変換し、複数の音源を同定する音響電気変換システムであることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、(イ)基板の表面に、固定枠、この固定枠に接続された固定梁、この固定枠に一端を接続した複数の弾性梁、この弾性梁を介して固定枠に両持ち梁構造で支持された第1振動板、この弾性梁を介して固定枠に片持ち梁構造で支持された第2振動板を形成する工程と、(ロ)第1及び第2振動板に、それぞれ回折格子を形成する工程と、
第1及び第2振動板の底部にそれぞれ空洞を形成する工程と、(ハ)第2振動板を接続する弾性梁を、第2振動板の自重で撓ませ、第2振動板の主面を基板の表面に対して斜めとなし、第2振動板の弾性梁で支持されない側の端部を基板の一部に付着させる工程とを含むを振動板集積基体の製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、1枚の集積基体で、複数の音源方向を特定することが可能な音響電気変換素子、この音響電気変換素子の要素となる振動板集積基体、この音響電気変換素子を用いた音響電気変換システム、及びこの音響電気変換素子の製造方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す第1〜第3の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体は、図1に示すように、固定枠11の内部に、5枚の振動板X1〜X5を配置して板状の集積基体を構成している。固定枠11は、その周囲を支持枠10で支持されている。中央の振動板(第1振動板)X5は、振動板集積基体の主面に平行な主面を有し、4本の弾性梁(バネ)23a〜23dによって矩形額縁状のアンカー13に接続されている。ここで、「振動板集積基体の主面」とは、図1の鳥瞰図に現れている固定枠11の上面に平行な面である。矩形額縁状のアンカー13は、固定枠11に4本の固定梁12a〜12dで固定されているが、広義にはアンカー13も固定梁の一類型である。固定梁12a〜12dは、矩形(正方形)の固定枠11の対角線方向に伸延するリッジ状の梁である。
中央の振動板(第1振動板)X5以外の振動板(第2振動板)X1,X2,X3,X4は、それぞれ固定梁12a〜12dとアンカー13との接続部から、それぞれ2本の弾性梁(バネ)21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aによって接続され、振動板集積基体の主面に斜めな主面を有する振動板である。
固定枠11は、例えば、図7に示すように、単結晶Siからなる支持基板41上に順に堆積された埋め込み絶縁膜42,単結晶Si層43,保護膜44から構成されている。アンカー13及び固定梁12a〜12dは、それぞれ、埋め込み絶縁膜42,単結晶Si層43,保護膜44から構成されている。振動板X1〜X5も、同様に、埋め込み絶縁膜42,単結晶Si層43,保護膜44からなる積層構造である。更に、弾性梁23a〜23d;21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aは、埋め込み絶縁膜42,単結晶Si層43,保護膜44からから構成されている。
図5〜図7を用いて、後述するが、半導体集積回路の製造プロセスを用いて、周囲の4枚の振動板X1,X2,X3,X4の下部に空洞(キャビティ)Q1,Q2,Q3,Q4を形成すると、4枚の振動板X1,X2,X3,X4は、弾性梁(バネ)21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aにより片側の端のみ支持されているため、弾性梁21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aが無い方の端は、自重で下降する。このとき、4枚の振動板X1,X2,X3,X4のそれぞれの下降した側の端と固定枠11の内壁面とを意図的に付着(スティッキング)による貼り付きを発生させることで、実質的な両持ち梁と等価な構造(擬似的な両持ち梁構造)の振動板X1,X2,X3,X4を形成している。
MEMSデバイスの可動部が周囲の基板等に付着(スティッキング)して動かなくなるスティッキング現象は、一般的なMEMSデバイスの寿命を制限する大きな要因の一つとして対策検討されている。例えば、マイクロミラーアレイ装置において、傾いたマイクロミラーが何かの拍子にランディング面に付着して戻らなくなってしまう現象等がスティッキング現象として問題になっている。スティッキング現象の原因はMEMSデバイス製造時の洗浄過程における水分であり、基板・可動部の間に入った水分が乾燥するときに表面張力などにより互いを引き付けスティッキング現象にいたるといわれている。特に、スティッキング現象により、一度付着した可動部を修復することはできない場合が殆どである。第1の実施の形態に係る振動板集積基体では、積極的に付着(スティッキング)現象を利用している。
これらの4枚の振動板X1,X2,X3,X4は、振動板集積基体の主面に対して斜角を有しているため、振動板集積基体の主面に対して斜め方向の音波に対して感度を有する。一方、中央の振動板X5は、振動板集積基体の主面の法線方向の方位からの音源からの音圧に対して大きく変動し感度を示す。ここで、固定梁12a〜12dとアンカー13との接続部と接続されている弾性梁21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aの本数は、設計レベルで可変でき、図1に示した2本に限定されるものではない。
図1の振動板X1〜X5に設けられる透過型の回折格子は、図2(a)に示す2次元回折格子でも、図2(b)に示す1次元回折格子でも構わない。図2(a)では、振動板X1〜X5に、それぞれマトリクス状に配置される複数の穴(貫通孔)Hi-1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6により2次元回折格子を構成する例を示している。又、図2(b)では、振動板X1〜X5に、それぞれ周期的に配置される複数の貫通溝(スリット)G1,G2,G3,・・・・・,G6により、1次元回折格子を構成する例を示している。
本発明の第1の実施の形態に係る電気音響変換素子は、図3に示すように、音圧により振動し、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5と、振動板X1〜X5の回折格子に光を照射する5つの光源LD〜LDと、回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する5つの光検出器PD〜PD5とを備えた多方向同定光マイクロフォンである。
主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5を収納し、固定した固定枠11は、支持枠10で支持され、筐体上部側壁31aと筐体下部側壁31bとの間に固定されている。5つの光源LD〜LDは、筐体上部側壁31aの上端に配置された筐体天板39に配列されている。筐体天板39は、中央部に音波が入射可能な上部開口部37を備え、5つの光源LD〜LDは、上部開口部37を囲むように、筐体天板39上の異なる位置に2次元的に配列されている。図3に示す第1の実施の形態に係る電気音響変換素子においては、光源LD〜LDより照射された光が5枚の振動板X1〜X5の主面の中央部近傍にそれぞれ入射するように、光源LD〜LDのそれぞれの光学軸が調整されている。光学軸の調整は、光源LD〜LDのマウントの角度により設定可能である。
5つの光検出器PD〜PD5は、筐体下部側壁31bの下端に配置された筐体底板(実装基板)32上に配列されている。筐体底板32は、中央部に音波が入射可能な底部開口部35を備え、5つの光検出器PD〜PD5は、底部開口部35を囲むように、筐体底板32上の2次元空間的に異なる位置に配列されている。図3においては、5枚の振動板X1〜X5を透過した光が、光検出器PD〜PD5にそれぞれ入射するように、光検出器PD〜PD5の位置が光学的に調整されている。即ち、振動板X1〜X5に設けられた透過型の回折格子による回折角を考慮して、光検出器PD〜PD5の位置が決定されている。筐体底板32上には、更に5つの光源LD〜LD及び5つの光検出器PD〜PD5の駆動・制御回路33a〜33dが配置されている。図示を省略しているが、5つの光源LD〜LDの駆動・制御回路33a〜33dを、別途、筐体天板39上に配置しても構わない。
図3に示す光検出器PD〜PD5には、フォトダイオードアレイ等のイメージセンサを用いるのが好ましい。即ち、光検出器PD〜PD5は、光強度の違いを検出するのではなく、回折像の2次元的な像の検出により、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5の変位の検出を行う。このため、フォトダイオードアレイPD〜PD5は、回折像を漏れなく検知できるように、回折光に対して十分に広いエリアが確保されている。
第1の実施の形態に係る電気音響変換素子においては、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5には透過型の回折格子が形成されているので、5つの光源LD〜LDから照射された光波は、それぞれ対応する回折格子X1〜X5を透過しながら回折し、5つのフォトダイオードアレイPD〜PD5の面上で回折像をもたらす。そして、振動板X1〜X5の変位を回折像として光学的に光検出器PD〜PD5で検出し、更にこれを図4のように、電気信号に変換する。
図3に示す第1の実施の形態に係る電気音響変換素子においては、振動板集積基体の主面に対して正対した振動板(第1振動板)X5の他に、同一振動板集積基体上で様々な方位に角度をもった振動板(第2振動板)X1〜X4を複数(4枚)配置し、対応する光源LD〜LD、光検出器PD〜PD5によって個別に振動板X1〜X5の振動変位を検出する。それぞれの光検出器PD〜PD5において、最大の出力が得られた光検出器PD〜PD5に対応した振動板X1〜X5の主面の法線の延長線上に、それぞれ対応する音源を同定することが可能になる。
更に、第1の実施の形態に係る電気音響変換素子によれば、各振動板X1〜X5の振動変位を個別に検出するため、音源が多数存在する音場においても、クリアな音を抽出することが可能になる。
図4は本発明の第1の実施の形態に係る電気音響変換システムの構成を示すブロック図で、これにより、複数の振動板X1〜Xnの変位検出の様子を示したものである。n=5の場合が、図3に例示した5枚の振動板X1〜X5を用いた電気音響変換素子に相当するが、n=5の場合に限定されず、nは、2以上の任意の値に設計可能である。このため、図4では、より一般化し、振動板X1〜Xnで示している。
図4(a)に示す電気音響変換システムでは、n個の音源(音波)S1〜Snに対応して、n枚の振動板X1〜Xnが用意されている。そして、振動板X1〜Xnのそれぞれに対応してn個の光源LD〜LDn、n個の光検出器PD〜PDn、n個の増幅器A〜Anが、互いに独立したn個の並列回路を構成するように接続されており、n個の並列回路の出力は、単一のフーリエ変換手段に入力される。図4(a)では、フーリエ変換手段の一例として、高速フーリエ変換(FFT)アナライザが用いられている。FFTアナライザは、離散フーリエ変換に関連する変換を高速に実行するフーリエ変換手段であり、n個の増幅器A〜Anが出力する時系列信号を周波数軸の信号に変換する。FFTアナライザは、一般には、ローパスフィルタ、AD変換器、FFT演算回路及び表示部等から構成される。n個の増幅器A〜Anが出力する連続的信号電圧を、ある一定時間間隔で信号をサンプリングし、AD変換器で、AD(アナログ―ディジタル)変換した後、FFT演算回路によりFFT演算を行う。なお、この際に原信号には存在しない周波数成分が現れるエイリアシング現象を防ぐため、サンプリングの前にローパスフィルタを使用する。FFT演算回路でFFT処理された信号は、1つの周波数スペクトルfΣに合成し集約する。図4(a)に示すシステムによれば、音源が多数(n個)存在する音場でも、各音源からのそれぞれの音波S1〜Snを明瞭に、同定し、収録できる。
図4(b)に示す電気音響変換システムも図4(a)に示したシステムと同様に、n個の音源(音波)S1〜Snに対応して、n枚の振動板X1〜Xnが用意されている。そして、振動板X1〜Xnのそれぞれに対応してn個の光源LD〜LDn、n個の光検出器PD〜PDn、n個の増幅器A〜Anが、互いに独立したn個の並列回路を構成するように接続されている。しかし、図4(b)では、n個の並列回路から個別に(パラレルに)複数のフーリエ変換手段(FFTアナライザ)FFT〜FFTnに出力される。それぞれのフーリエ変換手段(FFTアナライザ)FFT〜FFTnは、n個の増幅器A〜Anが出力する時系列信号をそれぞれ周波数軸の信号に変換し、それぞれ周波数スペクトルf〜fnを出力する。図4(b)に示すシステムによれば、音源が多数(n個)存在する音場でも、各音源からの音波S1〜Snに対応した複数(n個)の周波数スペクトルf〜fnを、それぞれ、同定し、明瞭に収録できる。
図4に示す第1の実施の形態に係る電気音響変換システムにおいて、振動板集積基体の主面に対して正対した振動板(第1振動板)を、例えば振動板Xnと仮定すると、同一振動板集積基体上で様々な方位に角度をもった他の振動板(第2振動板)X1〜X(n-1)を(n−1)枚配置し、対応する光源LD〜LDn、光検出器PD〜PDnによって個別に振動板X1〜Xnの振動変位を検出する。それぞれの光検出器PD〜PDnの出力をフーリエ変換し、最大の周波数スペクトルf〜fnの強度が得られた光検出器PD〜PDnに対応する振動板X1〜Xnの主面の法線の延長線上に対応する音源があることを同定することが可能になる。
更に、第1の実施の形態に係る電気音響変換システムによれば、各振動板X1〜Xnの振動変位を個別に検出するため、音源が多数(n個)存在する音場においても、クリアな音を抽出することが可能になる。
以上のように、第1の実施の形態に係る電気音響変換システムによれば、1枚の振動板集積基体で、多方位(n方位)からの音波S1〜Snを検出することが可能になり、低コスト・省スペースの多方向同定光マイクロフォンシステムを提供することが可能になる。
図5〜図7を用いて、図1に示した本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体の製造方法を説明する。なお、以下に述べる振動板集積基体の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
(イ)まず、単結晶Siからなる支持基板41上に埋め込み絶縁膜(SOI酸化膜)42、単結晶Si層(SOI層)43が順次積層された、いわゆるSOI基板を準備する。 次に、図5(a)に示すように、SOI基板上にシリコン酸化膜(SiO2膜)或いはシリコン窒化膜(Si34膜)等の保護膜44をCVD法等で堆積する。シリコン酸化膜(SiO2膜)は、熱酸化で形成しても良く、TEOSのCVDや塗布等でも良い。
(ロ)次にフォトレジスト膜(以下において、単に「フォトレジスト」という。)を保護膜44の表面にスピン塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジストをパターニングする。そして、このフォトレジストをマスクとして、RIE法等により保護膜44をエッチングする。その後、フォトレジストを除去し、RIE法等によりパターニングされた保護膜44a,44b,44c,44l,44m,44q,44rをマスクとして、RIE法等により単結晶Si層43を分離して、図5(b)に示すように、第1振動板X5及び第2振動板X1,X3の領域を定義する単結晶Si層43c,43b,43aを切り出す(紙面の手前及び奥には、図示を省略した振動板(第2振動板)X2及びXの領域も切り出される。)。このとき、図5(b)に示すように、保護膜44l,44mの下には、同様に、単結晶Si層43l,43mが分離され、アンカー(固定梁)13が形成される。更に、図5(b)に示すように、保護膜44q,44rの下には、同様に、単結晶Si層43q,43rが分離され、固定枠11に相当するパターンが形成される。なお、断面図には現れていないが、図1に示す弾性梁(バネ)23a〜23d;21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aのパターンも形成される。即ち、SOI基板の表面に、固定枠11、この固定枠11に接続された固定梁13;11a〜11d、この固定枠11に一端を接続した複数の弾性梁23a〜23d;21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22a、この弾性梁23a〜23d;21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aを介して固定枠11に両持ち梁構造で支持された第1振動板X5、この弾性梁23a〜23d;21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aを介して固定枠11に片持ち梁構造で支持された第2振動板X1〜X4とが形成される。
(ハ)その後、新たなフォトレジストを保護膜44a,44b,44c,44l,44m,44q,44rの表面にスピン塗布する。即ち、フォトリソグラフィー技術及びRIE法等を用いて、図5(c)に示すように、保護膜44a,44b,44c、単結晶Si層43a,43b,43c及び埋め込み絶縁膜42を選択的に、且つ連続的に、RIE法若しくはECRイオンエッチング法等によりエッチング除去して、第1振動板X5及び第2振動板X1〜X4の表面に透過型の2次元回折格子を構成する微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を形成する(図6参照。)。その後、フォトレジストを除去する。回折格子は2次元回折格子に限定されず、図2(b)に示すような1次元の回折格子でも良い。
(ニ)微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を形成した後、熱酸化により、微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6の側壁に露出した単結晶Si層43a,43b,43cの表面に、図6に示すように、エッチング保護膜48として、シリコン酸化膜を形成する。図6では、第1振動板X5の全領域及び第2振動板X1及びX3の一部の領域しか示していないが、紙面の手前及び奥に存在する図示を省略した第2振動板X2及びXの領域における微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6の側壁に露出した単結晶Si層の表面にも同様に、エッチング保護膜48が形成される。
(ホ)その後、その後、新たなフォトレジストを第1振動板X5及び第2振動板X1〜X4の表面にスピン塗布する。フォトリソグラフィー技術により、振動板X1〜X5のそれぞれの領域の表面を露出する窓部を形成する。この窓部は、微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6の配列の全体を含む開口部である。そして、このフォトレジストをマスクとして、指向性の高いRIE等により、窓部に露出した振動板X1〜X5の底部に形成されたエッチング保護膜48を選択的に除去する。この結果、それぞれの振動板X1〜X5の微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6の底部には、単結晶Siからなる支持基板41が露出する。
(ヘ)そして、それぞれの第1振動板X5及び第2振動板X1〜X4の微細な穴Hi1、Hi2、・・・・・、Hi6を介して、単結晶Siの異方性エッチャント、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等の薬液を導入し、支持基板41の選択的な異方性エッチングを行えば、図9(a)に示すように、空洞(キャビティ)Q5が第1振動板X5の下部に、空洞(キャビティ)Q1,Q3が第2振動板X1,X3の下部に、それぞれ形成される。同様に、図示を省略した第2振動板X2及びXの下部には、図示を省略した空洞Q2及びQが形成される。この結果、SOI基板の主表面に平行な振動板(第1振動板)X5は、アンカー(固定梁)13に4本の弾性梁で支持された両持ち梁の構造になる。一方、第2振動板X1,X3(及び、図示を省略した第2振動板X2及びX)は、一方の端のみアンカー(固定梁)13と弾性梁21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aで連結しているため、エッチングが進行すると反対側の端がフリー(自由端)になり、弾性梁21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22aが撓む。ここで、フリーな振動板(第2振動板)X1〜X4の端部(端面)を自重で下降させ、異方性エッチングによって得られた空洞Q1〜Q4に露出したSiの壁とを図9(b)に示すように、付着(スティッキング)させる。つまり、支持基板41の一部である空洞Q1〜Q4の壁がストッパーとなって、4枚の第2振動板X1〜X4の下降した方の端部を支えることになる。この結果、実質、両持ち梁の振動板(第2振動板)X1〜X4が実現し、第2振動板X1〜X4の主面は、SOI基板の表面(主面)に対して、斜めになる。
(ト) 最終的に、支持基板41を裏面からエッチングし、空洞部47を形成することで、本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体が完成する。図1に示すように、マイクロフォンの固定枠11の内部には、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5が形成される。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体の製造方法によれば、支持基板41の選択的な異方性エッチングの際生じる膜の応力とスティッキング(付着)現象を利用して、振動板集積基体の主面に対して斜めに、擬似的な両持ち梁構造のダイアフラム(第2振動板)X1〜X4が形成される。即ち、振動板集積基体の主面に対して正対した第1振動板X5の他に、同一振動板集積基体上で様々な方位に主面の角度をもった第2振動板X1〜X4を、複数(4枚)配置した振動板集積基体が簡単に製造できる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、透過型の回折格子を有する振動板X1〜X5を備えた振動板集積基体及びこれを用いた電気音響変換素子等について説明した。本発明の第2の実施の形態においては、図8に示すような、反射型の回折格子を有する振動板X1〜X5を備えた振動板集積基体及びこれを用いた電気音響変換素子について説明する。
第1の実施の形態と同様に、第2の実施の形態に係る反射型の回折格子は、図8(a)に示す2次元回折格子でも、図8(b)に示す1次元回折格子でも構わないことは勿論である。図8(a)では、振動板X1〜X5に、それぞれマトリクス状に配置される複数の一定深さの穴(凹部)Hi-1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6により2次元回折格子を構成する例を示している。又、図8(b)では、振動板X1〜X5に、それぞれ周期的に配置される一定深さの複数のU溝G1,G2,G3,・・・・・,G6により、1次元回折格子を構成する例を示している。
そして、本発明の第2の実施の形態に係る電気音響変換素子は、図9に示すように、音圧により振動し、主面の方向が互いに異なる5枚の反射型の回折格子を有する振動板X1〜X5と、振動板X1〜X5の回折格子に光を照射する5つの光源LD〜LDと、回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する5つの光検出器PD〜PD5とを備えた多方向同定光マイクロフォンである。
主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5を収納し、固定した固定枠11は、支持枠10で支持され、筐体側壁31の上端に固定されている。図9に示した5枚の振動板X1〜X5は、それぞれ、図8(a)に示す2次元回折格子若しくは図8(b)に示す1次元回折格子であるが、図9では、これらの反射型の回折格子面は下向きである(図9では、模式的に回折格子面が上向きであるかのように図示されているが、これは回折格子をイメージさせるための意図であり、現実には、穴(凹部)Hi-1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6が形成された回折格子面は下向きであり、図9には平らな底面が現れる。)。
5つの光源LD〜LD及び5つの光検出器PD〜PD5は、それぞれ筐体側壁31の下端に配置された筐体底板(実装基板)32上に配列されている。筐体底板(実装基板)32は、中央部に底部開口部35を備え、5つの光源LD〜LD及び5つの光検出器PD〜PD5は、底部開口部35を囲むように、筐体底板32上に配列されている。図9においては、2次元空間的に異なる位置に配置された5つの光源LD〜LDが、光源LD〜LDより照射された光が、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5にそれぞれ入射可能なように光学軸が調整されている。更に、5枚の振動板X1〜X5で反射した光が、光検出器PD〜PD5にそれぞれ入射可能なように、光学的に調整されて、光検出器PD〜PD5が配置されている。筐体底板32上には、更に5つの光源LD〜LD及び5つの光検出器PD〜PD5の駆動・制御回路33a〜33dが配置されている。
図9に示す光検出器PD〜PD5には、第1の実施の形態に係る電気音響変換素子と同様に、フォトダイオードアレイ等のイメージセンサを用いるのが好ましい。第2の実施の形態に係る電気音響変換素子においては、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5には反射型の回折格子が形成されているので、5つの光源LD〜LDから照射された光波は、それぞれ対応する回折格子X1〜X5で反射し、5つのフォトダイオードアレイPD〜PD5の面上で回折像をもたらす。そして、反射型回折格子を備え、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5の変位を光学的に光検出器PD〜PD5で検出し、更に、第1の実施の形態に係る電気音響変換素子で説明した図4と同様なシステムを用いて、電気信号に変換する。第2の実施の形態に係る電気音響変換素子によれば、1枚の振動板集積基体で、多方位からの音波S1〜Snを検出することが可能になり、低コスト・省スペースの電気音響変換素子を提供することが可能になる。
本発明の第2の実施の形態の変形例(第1変形例)に係る電気音響変換素子は、図10に示すように、音圧により振動し、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5と、振動板X1〜X5の回折格子に光を照射する5つの光源LD〜LDと、回折格子で回折した光を検知し電気信号に変換する5つの光検出器PD〜PD5とを備えた多方向同定光マイクロフォンである点で、図9に示した構成と同様である。
但し、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5を収納し、固定した固定枠11は、支持枠10で支持され、筐体上部側壁31aと筐体下部側壁31bとの間に固定されている点が図9とは異なる点である。筐体天板39は、中央部に上部開口部37を備えている。
5つの光源LD〜LD、5つの光検出器PD〜PD5、及びこれらの光源LD〜LD,光検出器PD〜PD5の駆動・制御回路33a〜33dが筐体底板(実装基板)32上に配列されている点は、図9の構成と同様であり、重複した説明を省略する。
第2の実施の形態の変形例に係る電気音響変換素子も、図9と同様に、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5が反射型の回折格子が形成されているので、光源LD〜LDから照射された光波は、それぞれ対応する回折格子X1〜X5で反射し、フォトダイオードアレイPD〜PD5の面上で回折像をもたらす。そして、反射型回折格子を備え、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5の変位を光学的に光検出器PD〜PD5で検出し、更にこれを図4と同様なシステムを用いて、電気信号に変換できる。
図10に示した第2の実施の形態の変形例に係る電気音響変換素子によっても、1枚の振動板集積基体で、多方位からの音波S1〜Snを検出することが可能になり、低コスト・省スペースの電気音響変換素子を提供することが可能になる。
本発明の第2の実施の形態の他の変形例(第2変形例)に係る電気音響変換素子として、図10に示す構成において、筐体天板39の下面に、5つの光源LD〜LD、5つの光検出器PD〜PD5及びこれらの光源LD〜LD,光検出器PD〜PD5のそれぞれの駆動・制御回路33a〜33dを配列して多方向同定光マイクロフォンを構成しても良い。この場合は、図10に示した5枚の振動板X1〜X5の回折格子面は上向きである。このような、筐体天板39の下面に光源LD〜LD及び光検出器PD〜PD5を配置した構成でも、光源LD〜LDより照射された光が、主面の方向が互いに異なる5枚の振動板X1〜X5にそれぞれ入射可能なように光学軸を調整し、振動板X1〜X5で反射した光が、光検出器PD〜PD5にそれぞれ入射可能なように、光学的に調整すれば、図10に示す構成と同様な動作が可能である。
(第3の実施の形態)
既に、第1の実施の形態に係る電気音響変換素子の図4の説明で、振動板X1〜Xnの枚数はn=5の場合に限定されないことを述べた。第3の実施の形態に係る振動板集積基体においては、n=9の場合について、説明する。即ち、図11に示すように、第3の実施の形態に係る振動板集積基体は、3×3のマトリクス状に配列された9枚の振動板X1〜X9を有する。
図11では、中央の振動板X9は振動板集積基体の主面に対して正対して形成され4本の弾性梁21によって接続されている。この中央の振動板X9は、振動板集積基体の主面と正対した方位からの音源からの音圧に対して大きく変動し感度を示す。
中央の振動板X9以外の振動板X1〜X8はアンカー(固定梁)12p,12q,12r,12sから2点で接続している片持ち梁形状を形成している。半導体集積回路の製造プロセスと同様な加工プロセスを用いて、振動板X1〜X9の下部に空洞を形成すると、周辺の8枚の振動板X1〜X8は、弾性梁21による片持ち梁構造のため、弾性梁21に接続されていない側の端部は下降する。このとき、弾性梁21の撓みにより下降した側の端部と振動板集積基体の主面との間に、意図的に付着(スティッキング)を発生させることで擬似的な両持ち梁構造の振動板X1〜X8を形成する。
周辺の8枚の振動板X1〜X8は、振動板集積基体の主面に対して斜角を有しているため、斜め方向の音波に対して感度を有する。ここで、アンカー(固定梁)12p〜12sと接続されている弾性梁21の本数は、設計レベルで可変でき、中央の振動板X9に対し4本、周辺の8枚の振動板X1〜X8に対し2本というのは、必須の事項ではなく、設計仕様に応じて他の本数をフレキシブルに採用可能である。
図11に示した第3の実施の形態の変形例に係る電気音響変換素子によっても、1枚の振動板集積基体で、9つの方位からの音波S1〜S9を検出することが可能になり、低コスト・省スペースの電気音響変換素子を提供することが可能になる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
図12は、斜角を有す振動板(第2振動板)X3の自由端とSiの異方性エッチングによってもたらされた固定枠11の内壁の壁とが付着(スティッキング)した状態を模式的に示したものである。図12に示すように、振動板X3の自由端とSiとの付着の精度と強度を向上させるため、振動板X3の自由端側に、図12にあるように接触面積を増やすための接触部材19を付加して擬似的な両持ち梁構造を実現しても良い。同様に、第1の実施の形態に係る振動板集積基体の他の振動板X1,X2,X4の自由端側に、図12の接触部材19を付加して、擬似的な両持ち梁構造を実現しても良い。更に、第2及び第3の実施の形態においても、図12に示した接触部材19を傾斜している振動板に付加しても良い。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体の構造の概略を説明する模式的な鳥瞰図である。 図1のそれぞれの振動板に設けられる、透過型の回折格子の構造の概略を説明する模式的な鳥瞰図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電気音響変換素子の構造の概略を説明する模式的な鳥瞰図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電気音響変換システムにおいて、各音源からの、それぞれの音波を同定する構成の概略を説明するブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体の製造方法を説明する模式的な工程断面図である(その1)。 本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体の製造方法を説明する模式的な工程断面図である(その2)。 本発明の第1の実施の形態に係る振動板集積基体の製造方法を説明する模式的な工程断面図である(その3)。 本発明の第2の実施の形態に係る振動板集積基体のそれぞれの振動板に設けられる、反射型の回折格子の構造の概略を説明する模式的な鳥瞰図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電気音響変換素子の構造の概略を説明する模式的な鳥瞰図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る電気音響変換素子の構造の概略を説明する模式的な鳥瞰図である。 本発明の第3の実施の形態に係る振動板集積基体の構造の概略を説明する模式的な平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る振動板集積基体の構造の一部を説明する模式的な鳥瞰図である。
符号の説明
10…支持枠
11…固定枠
12a〜12d…固定梁
13…アンカー(固定梁)
19…接触部材
21;21a,22b;21b,22c;21c,22d;21d,22a;23a〜23d…弾性梁
31…筐体側壁
31a…筐体上部側壁
31b…筐体下部側壁
32…筐体底板
33a〜33d…制御回路
35…底部開口部
37…上部開口部
39…筐体天板
41…支持基板
42…絶縁膜
43,43a,43b,43c,43l,43m,43q,43r…単結晶Si層(SOI層)
44,44a,44b,44c、44l,44m,44q,44r…保護膜
47…空洞部
48…エッチング保護膜
〜An…増幅器
1,G2,G3,・・・・・,G6…溝(スリット又はU溝)
i-1,1,・・・・・,Hi,1,H1,2,H1,3,・・・・・,Hi+2,6… 穴(貫通孔又は凹部)
1,Q5,Q3…空洞(キャビティ)
1〜Sn…音波
1〜Xn…振動板(回折格子)
Σ,f〜fn…周波数スペクトル
FFT,FFT〜FFTn…高速フーリエ変換(FFT)アナライザ
LD〜LDn、…光源
PD〜PDn…光検出器

Claims (6)

  1. 回折格子をそれぞれ有し、音圧により振動する複数の振動板を備える振動板集積基体であって、前記複数の振動板は、
    主面が前記振動板集積基体の主面と平行な振動板と、
    主面が前記振動板集積基体の主面に対して傾いている振動板
    とを含むことを特徴とする振動板集積基体。
  2. 音圧により振動しない固定梁と、
    該固定梁に一端を接続した複数の弾性梁
    とを更に備え、前記複数の振動板は、前記複数の弾性梁を介して前記固定梁に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の振動板集積基体。
  3. 前記固定梁を固定する固定枠を更に備え、
    前記傾いている振動板は、一端を前記弾性梁の他端に接続し、多端を前記固定枠の一部に付着していることを特徴とする請求項2に記載の振動板集積基体。
  4. 回折格子をそれぞれ有し、音圧により振動し、且つ、主面の方向が互いに異なる複数の振動板と、
    前記回折格子のそれぞれに光を照射する複数の光源と、
    前記回折格子で回折した光をそれぞれ検知し電気信号に変換する複数の光検出器
    とを備え、前記複数の振動板の変位をそれぞれ電気信号に変換することを特徴とする音響電気変換素子。
  5. 回折格子をそれぞれ有し、音圧により振動し、且つ、主面の方向が互いに異なる複数の振動板と、
    前記回折格子のそれぞれに光を照射する複数の光源と、
    前記回折格子で回折した光をそれぞれ検知し電気信号に変換する複数の光検出器と、
    前記複数の光検出器が出力する時系列信号を周波数軸の信号に変換するフーリエ変換手段
    とを備え、前記複数の振動板の変位を、対応する複数の音源毎のスペクトルに変換し、前記複数の音源を同定することを特徴とする音響電気変換システム。
  6. 基板の表面に、固定枠、該固定枠に接続された固定梁、該固定枠に一端を接続した複数の弾性梁、該弾性梁を介して前記固定枠に両持ち梁構造で支持された第1振動板、該弾性梁を介して前記固定枠に片持ち梁構造で支持された第2振動板を形成する工程と、
    前記第1及び第2振動板に、それぞれ回折格子を形成する工程と、
    前記第1及び第2振動板の底部にそれぞれ空洞を形成する工程と、
    前記第2振動板を接続する弾性梁を、前記第2振動板の自重で撓ませ、前記第2振動板の主面を前記基板の表面に対して斜めとなし、前記第2振動板の前記弾性梁で支持されない側の端部を前記基板の一部に付着させる工程
    とを含むことを特徴とする振動板集積基体の製造方法。
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