JP2005209479A - 燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法、燃料電池 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法、燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】解体作業を容易にし得る燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法、並びに燃料電池を提供する。
【解決手段】MEA1は、電解質膜2と電解質膜2にこれの厚み方向の両側に接合されたガス拡散電極3とを有する。ガス拡散電極3及び電解質膜2のうちの少なくとも一方は、ガス拡散電極3と電解質膜2とを解体させる解体起点を有する。ガス拡散電極3及び電解質膜2は、当該解体起点Trを介して解体容易な構成とされている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電解質膜の厚み方向の両側にガス拡散電極を配置する燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法、並びに燃料電池に関する。
従来、燃料電池用の膜電極接合体(以下、MEAともいう,Membrane Electrode Assembly)は、イオン伝導性をもつ電解質膜と、電解質膜にこれの厚み方向の両側に接合された2個1組のガス拡散電極とを有する。発電の際には、一方のガス拡散電極には燃料が供給され、他方のガス拡散電極には酸化剤が供給される。上記したMEAによれば、電解質膜とガス拡散電極とは接合されているため、複数のMEAを並設させつつガス配流板と共に燃料電池として組み付けるとき、ガス拡散電極及び電解質膜の位置ずれが抑えられ、燃料電池の高品質化に寄与することができる。
特許文献1には、電解質膜に接合する前のガス拡散電極をこれの厚み方向にプレス型で加圧する技術が開示されている。特許文献1には、ガス拡散電極の表面における毛ばたちが抑制されると記載されている。
特許文献2には、プロトン伝導性をもつ電解質膜に加圧治具により触媒層を加熱圧着する技術を開示すると共に、加圧治具の表面が平面度0.010以下であり、触媒層を形成する基材フィルムの平面度が0.005ミリメートル以下である技術が開示されている。
特開2003−234106号公報 特開平6−338335号公報
ところで、上記した燃料電池の寿命は有限であるため、寿命の尽きた燃料電池を廃却したり、リサイクルで再利用することがある。この場合、燃料電池を解体させることが多い。殊に、白金、ルテニウムなどの価格が高い触媒を使用している場合には、MEAを解体して、触媒を回収することが好ましい。
しかしながら上記したMEAによれば、ガス拡散電極と電解質膜とは固く密着されているため、解体は容易ではない。このため、白金、ルテニウムなどの価格が高い触媒を高い効率で回収することは必ずしも容易ではなかった。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、ガス拡散電極を電解質膜に対して容易に解体させることができ、解体作業を容易にし得、価格が高い触媒を回収するのに有利な燃料電池用膜電極接合体(MEA)及びその製造方法、並びに燃料電池を提供することを課題とする。
様相1に係る燃料電池用膜電極接合体(MEA)は、電解質膜と電解質膜にこれの厚み方向の両側に接合されたガス拡散電極とを有する燃料電池用膜電極接合体において、
ガス拡散電極及び電解質膜のうちの少なくとも一方は、ガス拡散電極と電解質膜とを解体させる解体起点を有しており、ガス拡散電極及び前記電解質膜は、当該解体起点を介して解体容易な構成とされていることを特徴とするものである。
ガス拡散電極は、燃料や酸化剤を透過させるガス透過性を有するものである。解体起点としては、ガス拡散電極の外縁領域に形成することが好ましい。ガス拡散電極の外縁領域は、ガス拡散電極の外縁に沿った領域の全部または一部を意味し、ガス拡散電極の辺状領域、角部領域を含む意味である。
このMEAによれば、ガス拡散電極及び電解質膜は、解体起点を介して解体容易な構成とされている。このため、燃料電池の解体時において、ガス拡散電極及び電解質膜を接合しているMEAを容易に解体させることができる。なお、MEAは一般的には触媒を有する。触媒は一般的にはガス拡散電極と電解質膜との境界域に設けられている。この場合、触媒はガス拡散電極の側に設けられていても良いし、あるいは、電解質膜の側に設けられていても良い。
様相2に係る燃料電池用膜電極接合体によれば、上記した特徴に加えて、ガス拡散電極と電解質膜との境界域には触媒層が設けられており、触媒層を回収できるようにガス拡散電極と電解質膜とは剥離容易な構成とされていることを特徴とする。上記したようにガス拡散電極と電解質膜とを剥離させれば、ガス拡散電極と電解質膜との境界域に設けられているコスト高な触媒を主要成分とする触媒層を容易に回収することができる。触媒としては、例えば、白金、金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムなどの少なくとも1種を採用することができる。
様相3に係る燃料電池用膜電極接合体によれば、上記した特徴に加えて、ガス拡散電極及び電解質のうちの少なくとも一方は、解体起点を直接的にまたは間接的に示すマーキング要素を有する。この場合、ガス拡散電極と電解質膜とを容易に解体させるのに有利となる。マーキング要素としては、解体起点を直接的にまたは間接的に示すものであれば良く、凹または凸、文字、記号、図形、模様等の少なくとも1種を例示できる。あるいは、ガス拡散電極の形状、電解質膜の形状をマーキング要素として利用することもできる。
様相4に係る燃料電池用膜電極接合体によれば、上記した特徴に加えて、ガス拡散電極の外縁領域及び電解質膜の外縁領域の少なくとも一方は、解体起点となる耳片部を有することを特徴とする。耳片部は、ガス拡散電極及び電解質膜よりも外方に突出しているため、手作業、工具やロボットハンド等で操作する剥離の解体起点とし易い。従って、燃料電池の解体時等において、耳片部を解体起点として、ガス拡散電極と電解質膜とを容易に剥離させて解体させることができる。耳片部の数は特に限定されるものではなく、単数でも複数でも良い。なお、耳片部は、肉眼やセンサ等で視認し易いため、解体起点を示すマーキング要素としても機能することができる。
様相5に係る燃料電池用膜電極接合体によれば、上記した特徴に加えて、互いに接合されているガス拡散電極と電解質膜との境界域には、ガス拡散電極と電解質膜との剥離を促進させる剥離促進部が部分的に設けられていることを特徴とする。ガス拡散電極のサイズが大きいときであっても、あるいは、ガス拡散電極と電解質膜との接合度が高いときであっても、剥離促進部の剥離促進機能によりガス拡散電極と電解質膜との剥離を促進させることができ、MEAの解体を容易にすることができる。剥離促進部の数は単数または複数とすることができる。剥離促進部を形成する位置は、剥離が困難となる部位を選択して設定することができるるが、いずれにしてもガス拡散電極のサイズ、リサイクルの要請の程度等に応じて適宜設定することができる。
様相6に係る燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、電解質膜と、電解質膜にこれの厚み方向の両側に接合される2個1組のガス拡散電極とを用意し、2組のガス拡散電極の間に電解質膜を配置して積層体を形成する配置工程と、
加圧体により積層体を加圧して電解質膜とガス拡散電極とを接合することにより燃料電池用膜電極接合体を形成する加圧工程とを順に実施する燃料電池用膜電極接合体の製造方法において、加圧工程は、ガス拡散電極の中央領域を相対的に強く加圧する強接触工程と、強接触工程の前または後に実施され、ガス拡散電極の外縁領域の少なくとも一部を、強接触工程よりも相対的に弱く加圧または無加圧とする弱接触工程とを含むことを特徴とするものである。
上記したように加圧工程は強接触工程と弱接触工程とを含む。従って、ガス拡散電極の中央領域と電解質膜との密着性を良好に確保することができる。更に、それにもかかわらず、燃料電池の解体時等においてガス拡散電極の外縁領域の少なくとも一部(角部領域を含む)を解体起点として、ガス拡散電極を電解質膜に対して容易に剥離させて解体させることができる。この結果、MEAの解体作業が容易となり、コストが高い触媒等の回収に有利となる。なお、弱接触工程は、強接触工程の前に実施しても良いし、あるいは、強接触工程の後に実施しても良い。
様相7に係る燃料電池は、燃料電池用膜電極接合体を具備する燃料電池であって、前記燃料電池用膜電極接合体は、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載されている膜電極接合体であることを特徴とするものである。上記した効果が得られる。
本発明によれば、燃料電池の解体時等において、解体起点を介してガス拡散電極及び電解質膜を互いに解体することができる。この結果、MEAの解体作業が容易となる。ガス拡散電極と電解質膜とを剥離させて解体すれば、コスト高な触媒を主要成分とする触媒層を容易に回収することができ、リサイクル等に提供することができる。
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜図3を参照して説明を加える。燃料電池用膜電極接合体1(以下MEAともいう)は、イオン伝導性(プロトン伝導性)をもつシート状をなす電解質膜2と、電解質膜2にこれの厚み方向の両側に接合された2個1組のシート状をなすガス拡散電極3(ガス拡散層)とを有する。なお、2個1組のガス拡散電極3は同種または同系の材質、同じサイズとするが、場合によっては、異なる材質のものでも、異なるサイズのものでも良い。
電解質膜2は固体高分子型(例えばフッ素系、炭化水素系)の電解質を基材とする。電解質膜2は、ガス拡散電極3よりも大きな表面積をもつ実質的に四角形状をなす。電解質膜2は、互いに対向する2個1組の一辺部2aと、一辺部2aに隣設すると共に互いに対向する2個1対の他辺部2bとを有する。
ガス拡散電極3は、電解質膜2よりも小さな表面積をもつ実質的に四角形状をなす。ガス拡散電極3は、互いに対向する2個1組の一辺部3aと、一辺部3aに隣設すると共に互いに対向する2個1対の他辺部3bとを有する。一方のガス拡散電極3は、燃料(例えば水素ガス、水素含有ガス等)が供給される燃料電極を形成する。他方のガス拡散電極3は、酸化剤(例えば酸素ガス、酸素含有ガス)が供給される酸化剤電極を形成する。ガス拡散電極3は、燃料や酸化剤を透過させるガス透過性及び集電性を有するように導電性をもつ材料(例えばカーボン繊維等の繊維状導電体)を基材として形成されている。ガス拡散電極は、例えば、カーボン繊維を抄紙した抄紙シート、あるいは、カーボンクロス、カーボンペーパ等を基材として形成することができるが、これらに限定されるものではない。
ガス拡散電極3と電解質膜2との境界域には、触媒及び電解質等を主要成分とする触媒層25が配置されている。触媒層25は、ガス拡散電極3の側に配置されていても良いし、電解質膜2の側に配置されていても良い。触媒は、例えば、白金、金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムなどの少なくとも1種を主要成分とすることができる。
ガス拡散電極3の外縁領域30は枠形状(図1において×印を付した部分)をなしており、一辺部3aを形成する縁領域30a,30bと,他辺部3bを形成する縁領域30c,30dを有する。ここで、ガス拡散電極2の外縁領域30は、ガス拡散電極2のうち加圧盤6の加圧面60で加圧されない外縁領域を意味する。
本実施形態によれば、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力が小さく設定されている。故に、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)と電極膜2とは剥離可能とされている。換言すると、ガス拡散電極3の当該外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)を解体起点Trとして、ガス拡散電極3と電解質膜2とを容易に剥離させて解体できる構造に設定されている。解体起点Trは、MEA1の解体をアシストする解体アシスト起点として機能することができる。
本実施形態によれば、MEA1の製造方法としては次のように行なう。まず、シート状の電解質膜2と、シート状の2個1組のガス拡散電極3とを用意する。次に、配置工程では、2個1組のガス拡散電極3の間に電解質膜2を配置して積層体とする。積層体では、電解質膜2とガス拡散電極3との境界域に、白金等の触媒及び電解質とを主要成分とする触媒ペースト(触媒層25)を塗布しておく。この場合、触媒ペーストを電解質膜2の表面に転写により付着させても良いし、あるいは、ガス拡散電極3の表面に付着させても良い。
加圧工程では、図2に示すように、加圧体として機能することができる開閉可能な2個1組の加圧盤6を用いる。加圧盤6は、互いに対向する2個1組の一辺部6eと、一辺部6eに隣設すると共に互いに対向する2個1対の他辺部6fをもつ。加圧盤6は互いに対向する加圧面60を有する。加圧盤6は内部熱源または外部熱源により所定の温度に加熱されている。加圧盤6の温度は例えば80〜200℃とすることができるが、これに限られるものではない。
加圧工程においては、各加圧盤6の加圧面60の間に積層体を配置する。そして、加圧盤6を作動させることにより、2個1組の加圧盤6の加圧面60の間隔を狭め、積層体を厚み方向に加圧盤6の加圧面60によりホットプレスで加圧する。これにより積層体のガス拡散電極3を厚み方向に加圧し、2個1組のガス拡散電極3と電解質膜2とを接合させ、MEA1を形成する。ここで、図1に示すように、加圧盤6の一方向のサイズS1は、ガス拡散電極3の一方向のサイズS2よりも小さく設定されている。同様に、加圧盤6の他方向のサイズS1bは、ガス拡散電極3の他方向のサイズS2bよりも小さく設定されている。
上記した加圧工程において、ガス拡散電極3のうち加圧盤6の加圧面60に対面する部分は、加圧盤6の加圧面60によって強く加圧される。この結果、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との接合力は、大きいものとなる。これによりガス拡散電極3と電解質膜2との間におけるイオン伝導性が良好に確保される。更に、複数のMEA1を並設させつつガス配流板と共に燃料電池として組み付けるとき、ガス拡散電極3及び電解質膜2の位置ずれが抑えられ、燃料電池の高品質化に寄与することができる。
これに対して、ガス拡散電極3のうち加圧盤6のサイズS1よりも大きい部分は、加圧盤6の加圧面60では加圧されず、加圧工程において実質的には無加圧とされる。同様に、ガス拡散電極3のうちの加圧盤6のサイズS1bよりも大きい部分は、加圧されず、加圧工程において実質的には無加圧とされる。即ち、加圧工程において、ガス拡散電極3のうち枠形状をなす外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)については、弱加圧状態または無加圧状態とされ、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力は相対的に小さくなる。このため上記した加圧工程において、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)が電解質膜2の表面に強く接合されることが抑制される。
以上の説明から理解できるように、本実施形態によれば、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との強い密着性を確保することができる。それにもかかわらず、燃料電池の解体時等において、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)の少なくとも一部を解体起点Trとして、ガス拡散電極3の全体を電解質膜2に対して容易に剥離させて解体させることができる(図3(A),図3(B)参照)。この結果、MEA1の解体作業が容易となる。この解体起点Trは、互いに接合しているガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させる剥離起点として機能することができる。このようにガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させれば、ガス拡散電極3と電解質膜2との境界域に設けられているコスト高な触媒を主要成分とする触媒層25を容易に回収することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図4〜図6を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、MEA1の製造方法としては次のように行なう。まず、シート状の電解質膜2と、シート状の2個1組のガス拡散電極3とを用意する。次に、配置工程では、2個1組のガス拡散電極3の間に電解質膜2を配置して積層体とする。積層体では、電解質膜2とガス拡散電極3との境界域に、白金等の触媒及び電解質とを主要成分とする触媒ペースト(触媒層25)を塗布しておく。この場合、触媒ペーストを電解質膜2に転写により付着させても良いし、あるいは、ガス拡散電極3に付着させても良い。
加圧工程では、図4及び図5に示すように、加圧体として機能する2個1組の加圧盤6を用いる。加圧盤6は、互いに対向する2個1組の一辺部6eと、一辺部6eに隣設すると共に互いに対向する2個1対の他辺部6fをもつ。加圧盤6は互いに対向する加圧面60を有する。加圧工程においては、各加圧盤6の加圧面60の間に積層体を配置する。そして、加圧盤6を作動させることにより、2個1組の加圧盤6の加圧面60の間隔を狭め、積層体を厚み方向に加圧盤6の加圧面60によりホットプレスで加圧する。これにより積層体のガス拡散電極3を厚み方向に加圧し、2個1組のガス拡散電極3と電解質膜2とを接合させ、MEA1を形成する。このとき、図4に示すように、加圧盤6の一方向のサイズS1は、ガス拡散電極3の一方向のサイズS2よりも大きいか、あるいは、等しく設定されている。これに対して、加圧盤6の他方向のサイズS1bは、ガス拡散電極3の他方向のサイズS2bよりも小さく設定されている。
上記した加圧工程において、ガス拡散電極3のうち加圧盤6の加圧面60に対面する部分は、加圧盤6の加圧面60によって強く加圧される。この結果、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との接合力は、大きいものとなる。
これに対して、ガス拡散電極3のうちの加圧盤6のサイズS1bよりも大きい部分は、加圧されず、加圧工程において実質的には無加圧とされる。即ち、加圧工程において、ガス拡散電極3のうち枠形状をなす外縁領域30の縁領域30a(図4において×印を付した部分)については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも弱加圧状態または無加圧状態とされる。故に、電解質膜2に対する縁領域30aの接合力は相対的に小さくなる。よって、ガス拡散電極3の外縁領域30の縁領域30aが電解質膜2の表面に強く接合されることが抑制される。
上記したように本実施形態によれば、ガス拡散電極3の外縁領域30の縁領域30aについては、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力が小さく設定されている。この結果、図6(A)に示すように、ガス拡散電極3の当該外縁領域30の縁領域30aを解体起点Trとして、ガス拡散電極3と電解質膜2とを容易に剥離させて解体させる構造とされている。このため本実施形態によれば、燃料電池の解体時において、図6(A)(B)に示すように、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a)を解体起点Trとして、ガス拡散電極3の全体を電解質膜2に対して容易に剥離させることができる。この結果、MEA1の解体作業が容易となる。ガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させて解体すれば、ガス拡散電極3と電解質膜2との境界域に介在するコスト高な触媒を主要成分とする触媒層25を容易に回収することができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図7を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。図7に示すように、加圧盤6の加圧面60にマーキング用の型部60pを設けている。そして加圧工程において、ガス拡散電極3のうち電解質膜2に背向する表面3wに型部60pの転写によりマーキング要素3pを付している。マーキング要素3pは、剥離起点でもある解体起点Trとなり得る部位を直接的にまたは間接的に示す。なお、他の実施形態においても、同様にマーキング要素3pを付しても良い。
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図8〜図10を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、MEA1の製造方法としては次のように行った。図8に示すように平面視で、加圧盤6の角部は空間部65を有しており、空間部65に対応する部分には加圧面を有していない。まず、図9に示すように、2個1組のガス拡散電極3の間に電解質膜2を配置して積層体とする。加圧体としての2個1組の加圧盤6の間に積層体を配置する。そして、実施形態1と同様に、2個1組の加圧盤6の加圧面60の間隔を狭めることにより、加圧盤6の加圧面60で積層体を厚み方向にホットプレスで加圧する。これによりガス拡散電極3を厚み方向に加圧し、ガス拡散電極3と電解質膜2とを接合させ、MEA1を形成する。
図8に示すように平面視で、前記したごとく、加圧盤6の角部は空間部65を有しており、空間部65に対応する部分には加圧面を有していない。上記した加圧工程を実施すると、ガス拡散電極3のうち加圧盤6の加圧面60に対面する部分は、加圧盤6の加圧面60により強く加圧される。この結果、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との接合力は、大きいものとなる。これに対して、上記した加圧工程を実施するときであっても、ガス拡散電極3のうちの加圧盤6の空間部65に対面する部分は、加圧されず、加圧工程において実質的に無加圧とされる。これによりガス拡散電極3の外縁領域30の複数個(4個)の角部領域33については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力は相対的に小さくなる。このため加圧工程において、ガス拡散電極3の外縁領域30の角部領域33が電解質膜2に強く接合されることが抑制される。
従って、燃料電池の解体時において、図10(A)(B)に示すように、ガス拡散電極3の外縁領域30の角部領域33を解体起点Trとして、ガス拡散電極3の全体を電解質膜2に対して容易に剥離させて化異端させることができる。この結果、MEA1の解体作業が容易となる。ガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させて解体すれば、コストが高い触媒を主要成分とする触媒層25を容易に回収することができる。ガス拡散電極3の外縁領域30の角部領域33は、ガス拡散電極3の隅に位置しており、ガス拡散電極3の他の部位と峻別し易い。故に、ガス拡散電極3の角部領域33は、解体起点である剥離の解体起点Trを示すマーキング要素としても機能することができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5について図11及び図12を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。図12に示すように、加圧盤6は、加圧盤6の中央に相当する主加圧面60Aと、加圧盤6の角部に相当する副面60Bとを有する。副面60Bは、主加圧面60Aよりも加圧の程度を軽減するように、あるいは無加圧とするように、主加圧面60AよりもΔMぶん退避した凹状とされている。
加圧工程では、図12に示すように、実施形態1と同様に、加圧盤6の主加圧面60Aで積層体のガス拡散電極3をこれの厚み方向に加圧する。この加圧工程を実施するとき、ガス拡散電極3のうち加圧盤6の主加圧面60Aに対面する部分は、加圧盤6の主加圧面60Aにより強く加圧される。この結果、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との接合力は、大きいものとなる。
これに対して、上記した加圧工程を実施するとき、ガス拡散電極3のうちの加圧盤6の副面60Bに対面する部分については、その加圧力は、主加圧面60Aによる加圧力よりも小さくなる(無加圧も含む)。その理由としては、副面60Bは、主加圧面60AよりもΔMぶん退避した凹状とされているためである。このため加圧盤6の副面60Bによる加圧力は、主加圧面60Aよりも相対的に小さくなる。このため上記した加圧工程を実施するとき、ガス拡散電極3の外縁領域30の複数個(4個)の角部領域33が電解質膜2に強く接合されることが抑制される。従って、燃料電池の解体時等において、ガス拡散電極3の外縁領域30の角部領域33を解体起点Trとして、ガス拡散電極3の全体を電解質膜2に対して容易に剥離させて解体させることができる。この結果、MEA1の解体作業が容易となる。ガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させて解体すれば、コスト高な触媒を主要成分とする触媒層25を容易に回収することができ、触媒層25をリサイクルに提供することができる。
(実施形態6)
本発明の実施形態6について図13を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。図13に示すように、加圧盤6は、加圧盤6の中央に相当する主加圧盤6Aと、主加圧盤6Aの角部に相当するように配設され副面60Bを有する副加圧盤6Bとを有する。主加圧盤6Aは主加圧面60Aを有する。副加圧盤6Bは副面60Bを有する。副加圧盤6Bは主加圧盤6Aに対して独立している。副加圧盤6Bは、弾性収縮可能なバネ等の付勢部材68により退避方向(矢印W1方向)に退避可能とされている。
加圧工程では、ガス拡散電極3を有する積層体を厚み方向に加圧盤6で加圧する。この加圧工程を実施するとき、ガス拡散電極3のうち主加圧盤6Aの主加圧面60Aに対面する部分は、主加圧盤6Aの主加圧面60Aにより強く加圧される。この結果、実施形態1と同様に、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との接合力は、大きいものとなる。これに対して、上記した加圧工程を実施するとき、ガス拡散電極3のうちの副加圧盤6Bの副面60Bに対面する部分の加圧力は、主加圧盤6Aの主加圧面60Aによる加圧力よりも小さくなる。その理由としては、副加圧盤6Bの副面60Bは、付勢部材68の弾性収縮により主加圧面60Aよりも退避可能とされているためである。
このため加圧盤6の副面60Bによる加圧力は、主加圧面60Aよりも相対的に小さくなる。このため上記した加圧工程において、ガス拡散電極3の外縁領域30の角部領域33が電解質膜2に強く接合されることが抑制される。従って、燃料電池の解体時等において、ガス拡散電極3の外縁領域30の角部領域33を解体起点として、ガス拡散電極3を電解質膜2に対して容易に剥離させて解体することができる。この結果、MEA1の解体作業が容易となる。ガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させて解体させれば、コスト高な触媒を主要成分とする触媒層25を容易に回収することができる。
(実施形態7)
本発明の実施形態7について図14〜図17を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。本実施形態においても、積層体を加圧して電解質膜2とガス拡散電極3とを接合することによりMEA1を形成する加圧工程を実施する。この加圧工程は、強加圧工程である強接触工程と、その後に実施される弱加圧工程である弱接触工程とを含む。
この強接触工程によれば、図14及び図15に示すように、強加圧用の加圧盤600を加圧体として用いる。弱加圧用の加圧盤600の一方向のサイズS1は、ガス拡散電極3の一方向のサイズS2よりも小さく設定されている。同様に、強加圧用の加圧盤600の他方向のサイズS1bは、ガス拡散電極3の他方向のサイズS2bよりも小さく設定されている。
このような強接触工程によれば、図15に示すように、強加圧用の加圧盤600の加圧面601により、相対的に強い加圧力FLでガス拡散電極3の中央領域31を加圧する。ガス拡散電極3の中央領域31は強く加圧される。しかしながら、強接触工程によれば、ガス拡散電極3のうち加圧盤6のサイズS1よりも大きい部分(図14において×印を付記した部分)は、加圧盤6では加圧されず、実質的には無加圧とされる。同様に、ガス拡散電極3のうちの加圧盤6のサイズS1bよりも大きい部分(図14において×印を付記した部分)は、加圧されず、実質的には無加圧とされる。即ち、強接触工程において、ガス拡散電極3のうち枠形状をなす外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力は相対的に小さくなり、無加圧状態とされる。
本実施形態によれば、上記した強接触工程が実施された後に、弱接触工程が実施される。この弱接触工程によれば、図16及び図17に示すように、弱加圧用の加圧盤700を加圧体として用いる。弱加圧用の加圧盤700の一方向のサイズS10は、ガス拡散電極3の一方向のサイズS2よりも大きいか、あるいは、等しく設定されている。同様に、弱加圧用の加圧盤700の他方向のサイズS10bは、ガス拡散電極3の他方向のサイズS2bよりも大きいか、あるいは、等しく設定されている。このような弱接触工程によれば、図16及び図17に示すように、ガス拡散電極3の外縁領域30を含む全体を、強接触工程の加圧力FLよりも相対的に弱い加圧力FS(FS<FL)で弱加圧用の加圧盤700の加圧面701により加圧する。この結果、ガス拡散電極3のうち枠形状をなす外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d:図14において×印を付記した部分)については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力は相対的に小さくなり、弱加圧状態とされる。このため本実施形態によれば、上記した加圧工程において、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)が電解質膜2の表面に強く接合されることが抑制される。以上の説明から理解できるように、燃料電池の解体時等において、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)の少なくとも一部を解体起点として、ガス拡散電極3の全体を電解質膜2に対して容易に剥離させることができる。
(実施形態8)
本発明の実施形態8について説明を加える。本実施形態は実施形態6と基本的には同様の構成、作用効果を有する。従って図14〜図17を準用することができる。以下、実施形態7と相違する部分を中心として説明する。この加圧工程は、弱接触工程と強接触工程とを含む。第7実施形態と相違する点としては、弱接触工程を実施した後に強接触工程を実施することである。
この弱接触工程によれば、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)を含む全体を弱加圧用の加圧盤700の加圧面701によって、強接触工程の加圧力FLよりも相対的に弱い加圧力FSで加圧する。
そして弱接触工程が実施された後に、強接触工程が実施される。この強接触工程によれば、図14及び図15に示すように強加圧用の加圧盤600によって、相対的に強い加圧力FLでガス拡散電極3の中央領域31を加圧する。この結果、ガス拡散電極3のうち枠形状をなす外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d:図14において×印を付記した部分)については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力は相対的に小さくなる。このためガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)が電解質膜2の表面に強く接合されることが抑制される。本実施形態においても、燃料電池の解体時等において、ガス拡散電極3の外縁領域30(縁領域30a,30b,30c,30d)の少なくとも一部を解体起点として、ガス拡散電極3を電解質膜2に対して容易に剥離させて解体することができる。
(実施形態9)
本発明の実施形態9について図18及び図19を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。図18に示すように、ガス拡散電極3の外縁領域30の一部には、他の部分よりも外方に突出する耳片部38が形成されている。耳片部38は小片部であり、つまみ操作可能とされている。
まず、シート状の電解質膜2と、耳片部38をもつガス拡散電極3とを用意する。次に、配置工程において、2個1組のガス拡散電極3の間に電解質膜2を配置して積層体とする。積層体では、電解質膜2とガス拡散電極3との境界域に、白金等の触媒及び電解質とを主要成分とする触媒ペースト(触媒層25)を塗布しておく。この場合、耳片部38のうち電解質膜3の対面する面には、触媒ペースト(触媒層25)が塗布されていない。よって、耳片部38は発電には実質的に寄与しない。
加圧工程では、加圧体として機能する2個1組の加圧盤6を用いる。加圧盤6は、互いに対向する2個1組の一辺部6eと、一辺部6eに隣設すると共に互いに対向する2個1対の他辺部6fをもつ。図18に示すように、耳片部38は加圧盤6の一辺部6eから外方に露出している。
加圧工程においては、各加圧盤6の加圧面60の間に積層体を配置する。そして、加圧盤6を作動させることにより、2個1組の加圧盤6の加圧面60の間隔を狭め、積層体を厚み方向に加圧盤6の加圧面60によりホットプレスで加圧する。これにより積層体のガス拡散電極3を厚み方向に加圧し、2個1組のガス拡散電極3と電解質膜2とを接合させ、MEA1を形成する。
上記した加圧工程において、ガス拡散電極3のうち加圧盤6の加圧面60に対面する部分は、加圧盤6の加圧面60によって強く加圧される。この結果、ガス拡散電極3と電解質膜2との接合力は、大きいものとなる。
これに対して、ガス拡散電極3の耳片部38は加圧盤6では加圧されず、実質的には無加圧または弱加圧とされる。よってガス拡散電極3の耳片部38については、ガス拡散電極3の中央領域31よりも、電解質膜2に対する接合力は相対的に小さくなる。換言すると、ガス拡散電極3のうち発電に寄与する部分(触媒層25が塗布されている部分)は、電解質膜2の表面に接合されている。しかしガス拡散電極3の外縁領域30の耳片部38は、触媒層25が塗布されておらず、実質的には発電に寄与しないか、寄与する度合が低くく、電解質膜2の表面に実質的には接合されていない。このように発電に寄与しないか、あるいは、寄与する度合が低い耳片部38を解体起点Trとして用いているため、発電性能を高く維持するのに有利である。
本実施形態においても、燃料電池の解体時において、ガス拡散電極3の外縁領域30の一部である耳片部38を解体起点として、ガス拡散電極3を電解質膜2に対して容易に剥離させることができる。この結果、MEA1の解体作業が容易となる。ガス拡散電極3と電解質膜2とを剥離させて解体すれば、コスト高な触媒を主要成分とする触媒層25を容易に回収することができる。耳片部38は、手作業、工具またはロボットハンド等で掴み易いため、剥離作業を一層容易にできる。耳片部38は、肉眼またはセンサ等で視認し易いため、剥離の解体起点を示すマーキング要素としても機能することができる。
(実施形態10)
本発明の実施形態10について図20を参照して説明を加える。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。実施形態1と共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。図20に示すように、加圧盤6の加圧面60のうち、ガス拡散電極3の中央領域31に対面する部分には、加圧面60による加圧度を部分的に弱くする要素60hが設けられている。要素60hは窪み等で形成できる。要素60hの窪み深さΔAは小さく設定することができる。
このため、要素60hをもつ加圧盤6の加圧面60で加圧したとき、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との境界域において、剥離促進部300を形成することができる。剥離促進部300は、ガス拡散電極3と電解質膜2との接合力が他の部位よりも弱い部位(弱加圧または無加圧を含む)である。剥離促進部300は、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との剥離を促進させるアシスト機能をもつ。この結果、ガス拡散電極3のサイズが大きいときであっても、あるいは、ガス拡散電極3の中央領域31と電解質膜2との接合度がかなり高いときであっても、剥離促進部300は、ガス拡散電極3と電解質膜2との剥離をアシストして促進させることができる。故に、MEA1の解体を容易にすることができる。
(他の実施形態)
上記した実施形態によれば、電解質膜2及びガス拡散電極3は平面視で実質的に四角形状をなすが、これに限られるものではない。上記した実施形態によれば、ガス拡散電極3と電解質膜2とをホットプレスで接合させることにしているが、これに限らず、常温でプレスすることにしても良い。上記した実施形態によれば、開閉式の加圧盤6を加圧体として用いているが、これに限らず、加圧面を外周面とした複数個の回転ロールを組とし、これを加圧体として用いても良い。電解質膜2の外縁領域に、解体起点としての耳片部を形成しても良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
本発明は車両用、定置用、携帯用等の燃料電池に利用することができる。
実施形態1に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態1に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態1に係り、(A)は、ガス拡散電極と電解質膜とを接合したMEAを剥離している途中状態を模式的に示す断面図であり、(B)は、ガス拡散電極の全体を電解質膜から剥離させた状態を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態2に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係り、(A)は、ガス拡散電極と電解質膜とを接合したMEAを剥離している途中状態を模式的に示す断面図であり、(B)は、ガス拡散電極の全体を電解質膜から剥離させた態を模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態4に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態4に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図であり。 実施形態4に係り、(A)は、ガス拡散電極と電解質膜とを接合したMEAを剥離している途中状態を模式的に示す断面図であり、(B)は、ガス拡散電極の全体を電解質膜から剥離させた状態を模式的に示す断面図である。 実施形態5に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態5に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態6に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態7の強接触工程に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で強加圧用の加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態7の強接触工程に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で強加圧用の加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態7の弱接触工程に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で弱加圧用の加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態7の弱接触工程に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で弱加圧用の加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態9に係り、耳片部をもつガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す平面図である。 実施形態9に係り、耳片部をもつガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態10に係り、ガス拡散電極及び電解質膜を積層した状態で加圧盤で加圧する状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
図中、1はMEA(燃料電池用膜電極接合体)、2は電解質膜、3はガス拡散電極、30は外縁領域、31は中央領域、33は角部領域、38は耳片部(耳片状の部分)、加圧盤(加圧体)、60は加圧面を示す。

Claims (7)

  1. 電解質膜と前記電解質膜にこれの厚み方向の両側に接合されたガス拡散電極とを有する燃料電池用膜電極接合体において、
    前記ガス拡散電極及び前記電解質膜のうちの少なくとも一方は、前記ガス拡散電極と前記電解質膜とを解体させる解体起点を有しており、
    前記ガス拡散電極及び前記電解質膜は、当該解体起点を介して解体容易な構成とされていることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  2. 請求項1において、前記ガス拡散電極と前記電解質膜との境界域には触媒層が設けられており、前記触媒層を回収できるように前記ガス拡散電極と前記電解質膜とは当該解体起点を介して剥離容易な構成とされていることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ガス拡散電極及び前記電解質のうちの少なくとも一方は、前記解体起点を直接的にまたは間接的に示すマーキング要素を有することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記ガス拡散電極の外縁領域及び前記電解質膜の外縁領域のうちの少なくとも一方は、前記解体起点となる耳片部を有することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、互いに接合している前記ガス拡散電極と前記電解質膜との境界域には、前記ガス拡散電極と前記電解質膜との剥離を促進させる剥離促進部が部分的に設けられていることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  6. 電解質膜と、前記電解質膜にこれの厚み方向の両側に接合される2個1組のガス拡散電極とを用意し、2組の前記ガス拡散電極の間に前記電解質膜を配置して積層体を形成する配置工程と、
    加圧体により前記積層体を加圧して前記電解質膜と前記ガス拡散電極とを接合することにより燃料電池用膜電極接合体を形成する加圧工程とを順に実施する燃料電池用膜電極接合体の製造方法において、
    前記加圧工程は、
    前記ガス拡散電極の中央領域を相対的に強く加圧する強接触工程と、
    前記強接触工程の前または後に実施され、前記ガス拡散電極の外縁領域の少なくとも一部を、前記強接触工程よりも相対的に弱く加圧または無加圧とする弱接触工程とを含むことを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  7. 燃料電池用膜電極接合体を具備する燃料電池であって、前記燃料電池用膜電極接合体は、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載されている膜電極接合体であることを特徴とする燃料電池。
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