JP2005208717A - 基準画像選択装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準画像候補の各々について、合焦の度合いを示す第1の評価値Aを求める。基準画像候補の各々について、検査画像との照合に際して生じる外乱に対する強さを示す第2の評価値Bを求める。基準画像候補の各々について、評価値Aと評価値Bと重みaとから、C=a・(評価値A)×(1−a)×(評価値B)として総合評価値Cを求める。総合評価値Cが最大の基準画像候補を基準画像として選択する。
【選択図】 図11
Description
また、検査画像を基準画像と照合する場合、基準画像にはその照合処理を行う際に生じる量子化誤差などの外乱に強いことが望まれるが、そのようなことは考慮に入れられていなかった。例えば、離散的フーリエ変換を用いて相互相関を求める場合には、フーリエ変換/フーリエ逆変換の過程で量子化誤差が生じることがあり、基準画像によっては量子化誤差が照合結果に悪影響を及ぼす虞れがあっった。
第1の評価値は、例えば、基準画像候補に2次元離散的フーリエ変換を施し、この2次元離散的フーリエ変換を施した基準画像候補の周波数空間におけるデータの高周波領域と低周波領域との間の周波数領域(評価領域)の振幅の合計として求める。この場合、第1の評価値として求められる振幅の合計が大きければ、その基準画像候補に適度の輝度変化があり、合焦の度合いが高いということが分かる。
第2の評価値は、例えば、基準画像候補に2次元離散的フーリエ変換を施し、この2次元離散的フーリエ変換を施した基準画像候補に2次元離散的逆フーリエ変換を施し、元の基準画像候補とこの2次元離散的逆フーリエ変換を施した基準画像候補との相関を求め、この相関のピークの体積として求める。この相関を求めるにあたっては、2次元離散的逆フーリエ変換前のフーリエ画像データと、このフーリエ画像データに2次元離散的逆フーリエ変換を施したものを再度フーリエ変換したフーリエ画像データとの合成をとり、それにフーリエ変換を施してもよい。この場合、2次元離散的フーリエ変換を施した基準画像候補に2次元離散的逆フーリエ変換を施す過程で生じる量子化誤差により、検査画像との照合に際して生じると考えられる外乱が2次元離散的逆フーリエ変換が施された基準画像候補(評価画像)に与えられ、この外乱により相関のピークの形状がなだらに拡がる。この拡がりの大小によって、照合に際する外乱に強い画像であるのか、弱い画像であるのかが分かる。
本発明では、基準画像候補の各々に対して、第1の評価値と第2の評価値とから総合評価値を求める。例えば、第1の評価値と第2の評価値とをそれぞれ重み付けして積算し、総合評価値を求める。この総合評価値に基づいて、合焦の度合いが高く、検査画像との照合に際して生じる外乱に強い最適な画像を選び出し、基準画像とする。
すなわち、検査画像と基準画像にそれぞれ2次元離散的フーリエ変換(FFT)を施し、このFFTを施した検査画像と基準画像とを合成して合成フーリエ画像データを得る。そして、この合成フーリエ画像データに対して振幅抑制処理(log処理)を行ったうえ、再度FFTを施して相関データとする。そして、この相関データ上に定められた所定の相関成分エリアの個々の画素毎の相関成分の中から強度の高い上位n画素を抽出し、この抽出したn画素の相関成分の強度の平均を相関値としてしきい値と比較し、相関値がしきい値よりも高ければ検査画像と基準画像とが一致したと判断する。
オペレータは、指示スイッチ10をオンとし、乱丁検査部9に基準画像の選択指示を与える。すると、乱丁検査部9は、指示スイッチ10のオンを基準画像の選択開始と判断し(ステップ201のYES)、キャリパ3を動かしてステーション2から折丁1を引き出しながら、N=8個の基準画像候補の撮像を行う(ステップ202)。
ステップ202での基準画像候補の撮像は次のようにして行われる。キャリパ3によって折丁1が引き出されると、この折丁1の前縁が光電センサ5の光路に達した時点で、光電センサ5が出力する光電信号が「H」レベルとなる。この「H」レベルの光電信号を受けて、撮像タイミングパルス生成部8は、1個目の撮像タイミングパルスを発生する。この撮像タイミングパルスは乱丁検査部9へ与えられる。乱丁検査部9は、撮像タイミングパルス生成部8からの1個目の撮像タイミングパルスを受けて、照明装置7を作動させ、カメラ6の視野範囲θの照明を開始する。また、カメラ6を作動させ、視野範囲θに位置する折丁1の一部分を1番目の基準画像候補として撮像する。
乱丁検査部9は、8個の基準画像候補を取り込んだ後、ループカウンタ(ソフトタイマ)のカウント値iを1、変数mおよびEを0とする(ステップ203)。そして、カウント値iとN(N=8)とを比較し(ステップ204)、i≦Nであればステップ205へ進み、i>Nとなればステップ212へ進む。
この評価値Aの計算は図3に示すフローチャートに従って行う。まず、読み出した基準画像候補に2次元離散的フーリエ変換(FFT)を施し(ステップ301)、フーリエ画像データを作成する。このFFTが施された基準画像候補の各画素のデータは複素数によって表される。次のステップ302では、この複素数で表されたデータの実部と虚部とから、(実部2 +虚部2 )1/2 としてそのデータの振幅を求める(ステップ302)。なお、2次元離散的フーリエ変換については、例えば非特許文献1等に説明されている。
合焦の判断には、ピントが合っている画像と、合っていない画像とで判定値に差が出やすいほど望ましい。従って、振幅の合計値を判定値に利用する場合には、図7に示す実験結果(評価領域を変えての振幅の合計値のピントによる変化)より、高周波領域ほど判定に向いていることになる。この結果から、低周波領域を除外する。次に、本実施の形態での判定状況を考えると、折丁のそり具合でピントが合うかどうかが決まることから、もしかすると全ての撮像位置でピントが甘い状況になるかも知れない。従って、合焦の判断基準として、いかなるピントの状態でも適用できる方が使い勝手がよい。ピントが合っていない状態同士(例えば、画像00000〜20000,50000〜60000)で比較を行う事になった場合、高周波領域の振幅の合計値では、有意な比較ができるとは思えない。この結果から、高周波領域を除外する。
次に、照合に際して生じる外乱に対する強さを示す第2の評価値Bを計算する(ステップ207)。この評価値Bの計算は図8に示すフローチャートに従って行う。
次に、ステップ206で計算した評価値Aとステップ207で計算した評価値Bより、下記に示す(1)式に従って総合評価値Cを計算する(ステップ208)。なお、この(1)式において、aは重み係数であり、予め設定されている。
総合評価値C=a・(評価値A)×(1−a)×(評価値B) ・・・・(1)
先ず、読み出された基準画像候補(図11(a))にFFTを施して各画素のデータの振幅を求め、井形の領域(評価領域)の振幅を合計し(図11(b))、評価値Aを得る。
上述した実施の形態では、FFTを施した基準画像候補の評価領域のデータの振幅の合計として合焦の度合いを示す評価値Aを求めたが、別の方法でも求めることが可能である。例えば、隣接輝度比較法、輝度分散比較法、コントラスト比較法、アダマール変換比較法などを利用することができる(非特許文献2参照)。
ある画素と周りの画素との輝度差が小さくなることで画像が不鮮明になる。このことを利用して、隣接輝度比較法では、隣接する画素の輝度差を評価値とする。
〔輝度分散比較法〕
非合焦部分では点で結像すべき像が広がりを持つため隣接画素は干渉しあって輝度が平均化され、輝度の分布が小さくなる。このことを利用して、輝度分散比較法では、輝度分散を評価値とする。
〔コントラスト比較法〕
非合焦部分では点で結像すべき像が広がりを持つため隣接画素は干渉しあって輝度が平均化され、最大輝度と最小輝度の差が小さくなる。このことを利用して、コントラスト比較法では、輝度差を評価値とする。
〔アダマール変換比較法〕
フーリエ変換の代わりに、同じ直交変換のアダマール変換を使って高周波成分を取り出し、その周波数成分の大きさを評価値とする。
上述した実施の形態では、基準画像候補に対しFFTを施し振幅抑制してからIFFTを行うようにしたが、振幅抑制をせずにIFFTを行うようにしてもよい。この場合、 例えば、下記の(2)式によって評価値Bを求める。
評価値B=ノイズを与えた場合に求まる自己相関(量子化誤差などの外乱が与えられた場合の自己相関)のピークの体積/ノイズを与えずに求まる自己相関(ノイズがないと仮定した場合の自己相関)のピークの体積 ・・・・(2)
Claims (3)
- 複数の基準画像候補の中から検査画像との照合に際して用いる基準画像を選択する基準画像選択装置において、
前記基準画像候補の各々について合焦の度合いを示す第1の評価値を求める第1評価値算出手段と、
前記基準画像候補の各々について前記検査画像との照合に際して生じる外乱に対する強さを示す第2の評価値を求める第2評価値算出手段と、
前記基準画像候補の各々について前記第1の評価値と前記第2の評価値とから総合評価値を求める総合評価値算出手段と、
前記基準画像候補の各々について求められた総合評価値に基づいてその基準画像候補の中から最適な画像を前記基準画像として選択する基準画像選択手段と
を備えたことを特徴とする基準画像選択装置。 - 請求項1に記載された基準画像選択装置において、
前記第2評価値算出手段は、
前記基準画像候補に2次元離散的フーリエ変換を施しフーリエ画像データを得るフーリエ変換手段と、
前記フーリエ画像データに2次元離散的逆フーリエ変換を施す逆フーリエ変換手段と、 前記2次元離散的フーリエ変換を施す前の基準画像候補と、前記フーリエ変換手段により得られた前記基準画像候補のフーリエ画像データを前記2次元離散的フーリエ変換を施して得られた画像との相関を求め、この自己相関に基づいてその基準画像候補の前記検査画像との照合に際して生じる外乱に対する強さを示す第2の評価値を求める手段と
を備えたことを特徴とする基準画像選択装置。 - 請求項2に記載された基準画像選択装置において、
前記フーリエ変換手段は、
前記2次元離散的フーリエ変換が施された基準画像候補のフーリエ画像データに振幅抑制処理を施す振幅抑制手段
を備えたことを特徴とする基準画像選択装置。
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