JP2005206987A - 導線性繊維縫製生地 - Google Patents

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Abstract


【課題】 アルミニウムと銅が保有する導電性と抗菌性、更に両金属のイオン化傾向の差に着目し、両金属を糸状あるいは繊維状に成形して綿布に織り込むことにより綿布の持つ風合を壊さないで導電性、健康効果および抗菌効果を保有する縫製生地を提供する。
【解決手段】 本発明導電性繊維縫製生地は、数条の線状アルミニウム箔を芯糸に交絡させて撚り糸を形成し、該アルミ箔撚り糸と銅繊維とを、アルミニウムと銅とのイオン化傾向の差異から人肌を介して圧電可能な間隔に交互に織り込むことを特徴として構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属の保有する導電性、抗菌性に着目して健康効果および抗菌効果を有効に引き出す材料の選定と糸状への成形技術と、該成形糸を綿布に織り込むことにより金属の保有する機能を布へ付与する技術に関する。
従来、炭素繊維の持つ導電性や吸着性に着目し、吸臭効果、遠赤外線放射能力、抗菌効果などに効力を有する特許文献が提案され、布地や衣服に利用して人の体質改善や健康増進に寄与している。また炭素繊維に新たに導電性金属を付着させて、該炭素繊維が持つ遠赤外線放射能力、抗菌効果などをさらに向上させている。
しかし、炭素繊維や金属付与炭素繊維が持つ吸臭効果、遠赤外線放射能力、抗菌効果などに対して、その値は示されてなく、また、その特性を最大限に生かしていないのが現状である。
例えば、特許文献1には活性炭素繊維が持つ吸臭効果と遠赤外線放射能力を維持しつつ、バクテリアなどの繁殖を防ぐ抗菌効果を有する布きん、および衣服が提供されている。これは、「活性炭素繊維の織糸で織成した織布の片面に銅を付着させた構成を具備したもので、布きんの銅が付着されていない面を人体に対向させて配置することにより、活性炭素繊維による吸臭効果と、炭素と銅のイオン化傾向の差により、身体から出る汗の水分を介して炭素と銅が電気的に結合され、異種金属結合と同じ効果を発揮させて銅のイオン化を促進させて、殺菌効果を得ると共に、遠赤外線放射効率を向上させている。」ものである。
同一面上に異種金属が対峙存在し、その面上において身体の一部が触れるのであれば電気的に結合されることは一般的に可能である。しかし本提案にあるように、銅が付着していない面を人体に対向させて配置し、銅が付着している面と金属結合を起こさせるのは水を介する場合のみであるというのは、一般的とは思われない。更に、該異種金属結合が起きた時の吸臭効果、遠赤外線放射能力、抗菌効果に対する値は示されていない。
特開2000-160475号公報
そこで本発明は、アルミニウムと銅が保有する導電性と抗菌性、更に両金属のイオン化傾向の差に着目し、両金属を糸状あるいは繊維状に成形して綿布に織り込むことにより綿布の持つ風合を壊さないで導電性、健康効果および抗菌効果を保有する縫製生地を提供するものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の導電性繊維縫製生地は、数条の線状アルミニウム箔を芯糸に交絡させて撚り糸を形成し、該アルミ箔撚り糸と銅繊維とを、アルミニウムと銅とのイオン化傾向の差異から人肌を介して圧電可能な間隔に交互に織り込むことを特徴とする。
請求項2記載の導電性繊維縫製生地は、芯糸がポリエステル製繊維であることを特徴とする。
請求項3記載の導電性繊維縫製生地は、アルミ箔撚り糸と銅繊維との交互に織り込む間隔を10〜200mmの範囲としたことを特徴とする。
本発明は、ポリエステル製芯糸とアルミニウム箔で構成される撚り糸と銅繊維を、交互に綿布に織り込むので、人肌を介して異種金属の接合が起こり、膝、腕等の痛みの緩和及び肩こりの緩和等に寄与する。また、ポリエステル糸を芯糸してアルミニウム箔を撚れば、アルミニウム箔の脆さをポリエステル繊維の強度が補い、容易に切断されることがない。その導電性繊維縫製生地の、アルミ箔撚り糸と銅繊維との交互に織り込む間隔を10〜200mmの範囲とすれば、両金属のイオン化傾向の差異から人肌を介して適切な圧電状態となる。
この発明の実施の形態を、図1、図2および表1に基づいて説明する。
最初に、ポリエステル製芯糸とアルミニウム箔で構成する撚り糸の製造方法とその性状について説明する。
図1はポリエステル製芯糸とアルミニウム箔で構成する撚り糸の模式図である。該撚り糸1は、ポリエステル製芯糸2を軸芯とし、その周りにアルミニウム箔3を螺旋状に捲回させた構造に成形される。軸芯の引張強度はアルミニウム箔より大きいので、アルミニウム箔の切断がない。アルミニウムが箔であるので軽い導電材料であり、また箔であるので電流密度が大きい。
アルミニウム箔3の幅は0.2〜0.3mmにカットされて使用する。この寸法はポリエステル製芯糸2の直径とほぼ同じとし、芯糸に捲回し易く、捲回後もほつれ難い幅となっている。また該アルミニウム箔3を複数条使用してポリエステル製芯糸2が見えないように捲き付ける。撚り糸を屈曲させたときに該芯糸が現れると、部分的な絶縁性となり、導電性が減少する。
なお、アルミニウム繊維は屈曲性が弱く、形はできても実用に耐えないが、このようにポリエステル製芯糸とアルミニウム箔で構成することで耐用性のある撚り糸が形成された。
次に、ポリエステル製芯糸とアルミニウム箔で構成する撚り糸に対応する銅繊維について説明する。
銅は細く引き伸ばして繊維として成形され、屈曲性があり、且つ導電性を保有しているので、繊維状静電気除去材料となることができる。またこの材料には生来の抗菌性も備わっている。
そして、銅とアルミニウムを接合すると、異種金属間に電位差が生じ、イオン化傾向の小さい銅からアルミニウムとの間で、人の肌を介して何らかの形で電界が形成される。言い換えれば、イオン化傾向の大きいアルミニウムとより小さい銅との間で電界が生じ、人肌がこの電界の場を供することになるが、この電場の形成が、肩こりが解消されるなどの健康効果を発現する要因となる。
次に、上記撚り糸と銅繊維を織り込む布については、本発明にて利用する布は、インテリア生地、服地、パジャマあるいは服の裏地などであり、柔らかい風合が人肌に好ましい材料となっている。
最後に、アルミニウムと銅の保有する導電性と抗菌性に着目して健康効果および抗菌効果を有効に引き出すために、該成形糸を綿布に織り込む方法について説明する。
図2は、撚り糸1と銅繊維5を縦横に、且つ等間隔に、更には交互に綿布4に織り込んだ基本構造を示し、縫製生地6を形成している。
該撚り糸1はポリエステル製芯糸を軸心としアルミニウム箔で捲かれた導電性糸であり、銅繊維5も同様に導電性を示す糸である。この2種の導電性糸の1種が直角に交わる2辺を形成し、もう1種も直角に交わる2辺を形成して桝目状に配置されているので、腕など人肌を介して容易に2種金属間に電位差が生じる。その間隔は、腕などが容易に2種金属に接触できる間隔とする。この桝目が小さければ腕との接触面積は多いが、価格が高くなる。一方、桝目が大きすぎると2種金属に同時接触することが不可能となり、異種金属間に電位差が生じることがなく、健康効果や抗菌効果などの機能が発現しない。
布4に撚り糸1と銅繊維5を織り込む方法は、手縫いやミシン縫いなどの方法がある。
以上、各糸材料やその材料を利用した縫製生地の性質に勘案して、実施例を示す。
図1に示す撚り糸1を構成するアルミニウム箔3は1条では少なく、複数条としたが、価格を考慮して2条が最適である。また構成するポリエステル製芯糸2の直径と同じ0.2〜0.3mmの幅が適当である。ポリエステル製芯糸2の屈曲性に追従できるように、しごき工程を加えながら撚り糸1を形成する。
図2は、撚り糸1と銅繊維5を縦横に配備した縫製生地6を示している。その桝目の間隔が10〜200mmであれば、腕、肩、足、膝、胴など身体のどの部位にでも異種金属間に電位差を発生させることができ、肩こりなど痛みを解消できるという健康効果が発現できる。
本発明は、人肌を介して異種金属の接合が起こり、膝、腕、足等の身体各部の痛みの緩和や、肩こりの解消等の健康面に寄与する布地として、タオル、ハンカチ、肌着等に利用される。同時に、銅繊維は消臭抗菌効果を保有しているので、加齢臭の主成分であるノネナールを消臭する衣服に応用することができる。
本発明の1実施例を示すポリエステル製芯糸とアルミニウム箔で構成する撚り糸の模式図 導電性健康効果および抗菌効果を保有する縫製生地
符号の説明
1 撚り糸
2 ポリエステル製芯糸
3 アルミニウム箔
4 綿布
5 銅繊維
6 縫製布地

Claims (3)

  1. 数条の線状アルミニウム箔を芯糸に交絡させて撚り糸を形成し、
    該アルミ箔撚り糸と銅繊維とを、アルミニウムと銅とのイオン化傾向の差異から人肌を介して圧電可能な間隔に交互に織り込むことを特徴とする導電性繊維縫製生地。
  2. 芯糸がポリエステル製繊維である請求項1記載の導電性繊維縫製生地。
  3. アルミ箔撚り糸と銅繊維との交互に織り込む間隔を10〜20mmの範囲とした請求項1、2のうちいずれか1項記載の導電性繊維縫製生地。
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