JP2005205008A - 脈波測定装置および脈波速度計測装置 - Google Patents

脈波測定装置および脈波速度計測装置 Download PDF

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能也 村木
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Abstract

【課題】 本発明は、足首等の測定部位の脈波を測定する脈波測定装置、およびその測定部位の脈波と第2の部位の脈波とを測定して脈波速度を求める脈波速度計測装置に関し、測定部位の脈波を安定的に測定することのできる脈波測定装置、およびその測定部位の脈波を安定的に測定することにより脈波速度を正確に計測することのできる脈波速度計測装置を提供する。
【解決手段】 かかと台等の台を備え、その台に足首等の測定部位に隣接した、かかと等の隣接部位を載せてカフを寝台から浮かせた状態で脈波測定を行なう。
【選択図】 図7

Description

本発明は、脈波速度や血圧を計測するための脈波測定を行なう脈波測定装置、および複数部位の脈波を測定して脈波速度を求める脈波速度計測装置に関する。
近年、益々の高齢化社会を迎え、動脈硬化性疾患の早期診断、早期治療への対策が急務とされている。このためには、先ずは、動脈硬化がどの程度進んでいるかを正しく測定、評価する必要がある。
動脈硬化を非観血的に診断する手法として、血圧を計測する血圧検査法や、大動脈について2点間の脈波の伝播速度である脈波速度(PWV:Pulse Wave Velocity)を計測する大動脈脈波速度検査法が知られている。
動脈硬化は高血圧と関係することが多く、動脈硬化が進行すると高血圧になる傾向があることから、動脈硬化の診断の基礎として血圧計測が行なわれることが多い。
また、脈波速度は硬い物質中で速く、軟かい物質中では遅いこと、さらに、健康な動脈壁は柔かく弾力性に富み、動脈硬化の血管壁は硬くもろいことが知られている。大動脈脈波速度検査法は、この性質を利用するものであり、概略的に言うと大動脈の2点間の脈波の伝播速度を測定し、その速度が速いほど動脈硬化が進んでいると診断するものである。この脈波速度(PWV)は、通常、m/secの単位で表現される。
脈波検査法について図を参照しながら説明する。
図1は、脈波速度測定法の一例を示す模式図である。この図1に示す脈波速度測定法は、Frank法と呼ばれる測定法である。
ここでは、図1(A)に示すように、2つの脈波センサを用い、それぞれ頸動脈と大腿動脈の脈波を測定する。また、大動脈弁口から各脈波測定点までの距離a,b+cを測る。大動脈弁口と大腿動脈測定用の脈波センサとの間を直線で測らずに折れ線(距離bと距離c)で測るのは、大動脈が延びる経路を考慮したものである。
図1(B)は、各脈波センサで測定された、頸動脈波(a)および大腿動脈波(b)を示している。
これらの脈波の所定の立ち上がり点、例えば波高値の1/5だけ立ち上がった点どうしの時間Tを求める。
このように距離a,b,cと時間Tを求めることにより、脈波速度PWVは、
Figure 2005205008
により求められる。
特許文献1には、上記の脈波速度測定法を基にした改良技術が開示されている。尚、この特許文献1では、頸動脈および大腿動脈波の脈波に代えて上腕動脈および足関節動脈の脈波測定が行なわれている。
図2は、脈波速度測定法のもう1つの例を示す模式図である。この図2に示す脈波速度測定法は、吉村法と呼ばれる測定法である。
図1に示すFrank法と同様に頸動脈と大腿動脈の脈波を測定する2つのセンサに加え、さらに大動脈弁口にもセンサを配置してII音の開始点を計測する。また、大動脈弁口と大腿動脈脈波測定用センサとの間の直線距離Dを測る。この直線距離Dと動脈の実際の経路との相違を補正するため、その直線距離Dを1.3倍する。
また、図2(B)の(a)に示す頸動脈波の立ち上がりのタイミングから大腿動脈波の立ち上がりまでの時間Tと、大動脈弁口のII音のタイミングから、頸動脈波上の、そのII音を捉えたタイミングまでの時間tを測定する。
このように、直線距離Dと、時間T,tを求めることにより、脈波速度PWVが、
Figure 2005205008
により求められる。
ここで、脈波速度は、血圧により変動する。これは、血圧が上がるとその分血管が内部の血液に押されて膨張し、見かけ上血管が硬くなるためである。
図3は、最小血圧(拡張期圧)と大動脈脈波速度との関係を示すグラフである。この図3は、73の症例について、最小血圧(拡張期圧)と大動脈脈波速度との関係を調べたものである。
この図3に示すように、血圧が上昇すると大動脈脈波速度も高速となる。
図4は、脈波速度補正カーブを示した図である。
図3に示すように脈波速度は血圧によって変化する。そこで、図3に示すような多数の症例について統計的に解析し、図4に示すように脈波速度補正カーブを求めておく。実際の測定にあたっては脈波速度を測定するとともに血圧を測定し、測定した脈波速度を図4に示す脈波速度補正カーブに従って、最小血圧(拡張期圧)80mmHgのときの脈波速度に換算する。
特許文献1でも、この血圧による補正が行なわれている。
こうすることにより、その症例の脈波測定時の血圧には依存しない。その症例の脈波速度が求められ、その脈波速度を元に動脈硬化の診断が行なわれる。
また、特許文献2には、上腕にカフを巻いて血圧を測定するにあたり、測定値のばらつきを抑えるために測定時の手の姿勢を一定の姿勢に安定的に保持するとともに外来の振動雑音を抑える電子血圧計用枕が提案されている。
さらに、後の説明のために非特許文献1を挙げておく。
特許第3140007号公報 特開平10−295654号公報 land Asmar,Michael F.O’Rourke,Michel Safar 1999 Editions scientifiques etmedicales Elsevier SAS
上記の特許文献2は、上腕の血圧測定における測定値の安定を図る工夫であり、しかも上半身を起こした状態での測定についてのみ有効なものである。
血圧や脈波速度の計測は必ずしも起き上がった状態で行なわれるとは限らず、寝台の上に横臥た状態で行なわれることも多い。上記の特許文献2は、上腕以外の部位の計測には適用することができず、しかも横臥した状態での計測には、上腕の計測を含め適用することができない。
本発明は、上記事情に鑑み、脈波を安定的に測定することのできる脈波測定装置、および脈波を安定的に測定することにより脈波速度を正確に計測することのできる脈波速度計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の脈波測定装置は、生体の測定部位に巻き付けられてその測定部位の脈波測定用センサとして作用するカフと、生体の、その測定部位に巻かれたカフが寝台から浮いた状態となるように、生体の、その測定部位に隣接した隣接部位を載せる台とを備え、そのカフをその測定部位に巻き付けその台に隣接部位を載せた状態でその測定部位の脈波を測定することを特徴とする。
ここで、上記カフは、一例として、足首に巻き付けられて足首の脈波測定用センサとして作用するカフであってもよく、その場合、上記台は、足首カフが巻かれた足のかかとを載せるかかと台であることが好ましい。
また、上記目的を達成する本発明の脈波速度計測装置は、生体の測定部位に巻き付けられて測定部位の脈波測定用センサとして作用するカフと、その測定部位に巻かれたカフが寝台から浮いた状態となるように、生体の、その測定部位に隣接した隣接部位を載せる台と、その測定部位とは異なる第2の測定部位の脈波を測定する脈波センサと、上記カフおよび上記脈波センサで測定された脈波に基づいて脈波速度を求める脈波速度演算部とを備えたことを特徴とする。
ここで、上記脈波速度計測装置において、上記カフは、足首に巻き付けられて足首の脈波測定用センサとして作用するカフであってもよく、その場合、上記台は、足首カフが巻かれた足のかかとを載せるかかと台であることが好ましい。
また、上記脈波速度計測装置において、上記脈波測定用センサが、上記第2の測定部位の脈波を測定する第2のカフであってもよい。
血圧の拍動に伴って生体の各部も微動する。このため、測定部位に巻いたカフが寝台に接触しているとカフは相対的に寝台から振動を受け、その振動が本来の脈波に雑音として重畳する結果となる。
本発明の脈波測定装置は、上記台を備え、その台に隣接部位を載せてカフを寝台から浮かせた状態で脈波測定を行なうものであるため、雑音振動の少ない脈波を測定することができる。
また、本発明の脈波速度計測装置は、本発明の脈波測定装置を内包したものであり、上記の台を備えているため、心臓から動脈に駆出される血液により生じる脈波が血管を伝搬して測定部位まで到達する時間を計測するとき、脈波に雑音が少ないので脈波の立ち上がり部分が明確となり、時間計測の精度が向上する。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図5は、本発明の一実施形態の脈波測定装置および脈波速度計測装置を内包した生体計測装置の構成を表わすブロック図である。
この図5に示す生体計測装置100には、4つのカフ1R,1L,2R,2Lが備えられている。ここで、各カフ1R,1L,2R,2Lは、それぞれ、右腕用、左腕用、右足首用、左足首用のカフである。各カフ1R,1L,2R,2Lには、それぞれ空気袋1R11,1L11,2R11,2L11が備えられており、カフ1R,1L,2R,2Lがそれぞれの部位に巻き付けられカフ圧制御部1R12,1L12,2R12,2L12から空気袋1R11,1L11,2R11,2L11に空気が送り込まれて各部位が各カフ1R,1L、2R,2Lにより圧迫される。カフ圧制御部1R12,1L12,2R12,2L12は、各カフ1R11,1L11,2R11,2L11の圧力を目標値まで上げる機能と、その目標値の圧力を維持する機能と、指示された速さでカフ圧を下げる機能とを有する。
また、この生体計測装置100には、右足首用および左足首用のカフ2R,2Lに対応してかかと台3R,3Lが備えられている。かかと台3R,3Lは、それぞれ、右足首用および左足首用のカフ2R,2Lを右足首および左足首に巻いてそれらのカフ2R,2Lで右足首および左足首の脈波を測定する際に、右足および左足のかかとを載せるためのものである。かかと台3R,3Lに右足および左足のかかとを載せると右足首および左足首に巻いた右足首用および左足首用のカフ2R,2Lが寝台から浮いた状態となり、これにより、血液の拍動に伴って足が微動しても、その足の微動による雑音が脈波に混入することが防止され、本来の脈波を高精度に測定することができ、脈波速度計測の精度が向上する。
また、この図5に示す生体計測装置100には、心音マイク131と、その心音マイク131による心音を検出する心音検出部13が備えられており、さらに心電検出用の電極141とその電極141による心電を検出する心電検出部14が備えられている。
また、ここには演算制御部30が備えられており、この演算制御部30は、カフ圧制御部1R12,1L12,2R12,2L12にカフ圧の目標値を指示したり、検出された脈波データや、心音データ、心電データを取り込んで演算を行なうなど、この生体計測装置100の制御、演算全般を担っている。さらに、この演算制御部30には、各種表示を行なう表示部16、計測結果等をプリント出力する記録部17、各種計測データを保存しておく保存部18、計測終了の合図や警告等を行なう音発生部19、および必要に応じて他の装置200と通信を行なう通信部20が接続されている。これらの各部16〜20は、演算制御部30の制御に応じて動作する。
さらに、ここには、この生体計測装置100への各種入力や指示を行なう入力/指示部21を備えている。演算制御部30は、この入力/指示部21からの入力/指示に応じて各部の制御等を行なう。
図6は、図5の生体検出装置100を構成するカフ圧制御部の構成を示す図である。
この図6に示すカフ10は、図5に示す4つのカフ1R,1L,2R,2Lを代表させて1つのみ示したもの、図6に示すカフ圧制御部12は、図5に示す4つのカフ圧制御部1R12,1L12,2R12,2L12を代表させて1つのみ示したものである。
カフ圧制御部12は、制御部121、ポンプ駆動部122、ポンプ123、排気弁制御部124、排気弁125、圧力センサ126、および増幅器127から構成されており、このカフ圧制御部12とカフ10の空気袋11との間はエアホース128で接続されている。
このカフ圧制御部12には、図5に示す演算制御部30からカフ圧の目標値を表わすカフ圧制御信号が入力される。制御部121はポンプ駆動部122に指示を与えてポンプ駆動部122にポンプ123を駆動させカフ10の空気袋11に空気を送り込ませる。空気袋11の圧力(カフ圧)は圧力センサ126により検出され増幅器127で適宜増幅されて制御部121に伝えられる。制御部121は、圧力センサ126で検出されたカフ圧が、演算制御部30(図5参照)からカフ圧制御信号で指示された目標値となるまでポンプ制御部122にポンプ123を駆動させる。この目標値は、血圧測定時は例えば200mmHgであり、脈波測定時は40mmHg以下10mmHg以上、例えば30mmHgである。
血圧測定時は、カフ圧を例えば200mmHgまで一旦上げた後、排気弁制御部124に排気弁125を開けさせて、決められた速度、例えば3mmHg/secの速度でカフ圧が下げられ、血圧測定が終了すると残りのカフ圧が一気に大気圧まで下げられる。
脈波測定時には、カフ圧は、例えば30mmHg等の一定圧に保持され脈波測定後大気圧まで下げられる。
血圧測定時および脈波測定時のいずれにおいても、圧力センサ126により脈波による圧力の微小変化が捉えられ、これにより血圧や脈波の測定が行なわれる。
尚、右足首および左足首の脈波を測定するにあたっては、上述したとおり、足のかかとがかかと台に載せられた状態で行なわれる。
図7は、かかと台の上にかかとを載せて足首に巻いたカフが寝台から浮いた状態を示した図、図8は、図7に示す状態で測定した脈波波形を示した図である。
ここでは、右足と左足のうち代表的に左足の図を示してある。右足でも同様である。
また、図9はかかと台を使用せず足首に巻いたカフが寝台に触れたままの状態を示した図、図10は、図9に示す状態で測定した脈波波形を示した図である。図9および図10は、図7および図8と対比される比較例である。
図8と図10とを比べると、大きな差異があり、図8では正確な脈波が測定されており、図10では大きな振動雑音が重畳している。
図5に示す生体計測装置100の場合、足首の脈波を測定するにあたってはかかと台が使用され、図8に示すようにそのかかと台にかかとを載せて足首に巻いたカフが寝台から浮いた状態で脈波測定が行なわれる。
図6に示す生体計測装置100では、血圧と脈波とが測定され、さらに脈波速度(PWV)が求められて表示される。さらに、図5に示す生体計測装置の場合、その脈波速度と血圧との双方に基づいて以下の演算を行ない、血管の硬化度を表わす評価値を求めて表示することもできる。
上記のようにして計測された脈波速度(PWV)は、十分な精度で、Moens−Kortewegの式
Figure 2005205008
で表わすことができることが知られている(前掲の非特許文献1参照)。ここで、kは常数、D/ΔDは血管弾性率(D:血管径、ΔD:血管径の変位)である。
また、血管径と血圧に関しては、式
(D/ΔD)・ln(Ps/Pd)=β(constant) …(4)
が成り立つことが知られている(前掲の非特許文献1参照)。
ここで、D/ΔDは、(3)式の場合と同じく血管弾性率(D:血管径、ΔD:血管径の変位)であり、Ps,Pdは、それぞれ、収縮期圧(最大血圧)、拡張期圧(最小血圧)である。このβは、ある特定の症例のある特定部位の血管についての一定値であり、その症例のその部位の血圧が変化すると、値βを一定に保つように血管径が変化することを意味している。
従来、上記(3)式と(4)式の双方が知られてはいたが、これら(3)式と(4)式とを結合することにより、脈波速度検査法の欠点、すなわち、測定した脈波速度を図4に示すような補正カーブを用いて補正する必要があり、そのため特定の部位の脈波速度検査しか行ない得ないという欠点を克服することができるという点に想い到った例は存在しない。
そこで、ここでは、上記(3)式を2乗し、その2乗した(3)式中のD/ΔDに(4)式を代入して整理すると、
PWV2・ln(Ps/Pd)=k2β …(5)
この(5)式は、PWVを測定するとともに血圧(収縮期圧(最大血圧)Psと拡張期圧(最小血圧)Pd)を測定してそれらの測定結果を(5)式に代入するだけで、図4に示すような補正カーブに従った補正を行なうことなく、測定部位に応じた値であるk2βを求めることができることを意味している。換言すると、(5)式は、動脈硬化の進行度合の診断のための評価値として採用することができ、その評価値k2βを求めるためには、従来と同様、PWVの測定と血圧測定とで十分であることを意味している。
この(5)式に従った検査法を採用すると、図4に示すような補正カーブをあらかじめ求めておいてその補正をカーブを元に補正するという操作は不要であり、したがって身体のどの部位にも適用することができる。
尚、ここでは、PWVとPs,Pdを測定し(5)式に従ってk2βを求めることは説明したが、k2βを求める代わりに、kは既知の常数であるためβを求めたり、あるいは(5)式の左辺PWV2・ln(Ps/Pd)によって影響を受ける値を求めるための演算式を定義しておいて、その演算式に従う値を求めてもよい。
ここでは、先ず第1段階として、評価値V1を、
V1=ln(Ps/Pd)・1/k2・PWV2 …(6)
の演算式で定義する。
ここで、Ps,Pdは、測定対象部位の収縮期圧、拡張期圧であり、kは既知の常数であり、PWVは、測定対象部位の脈波速度である。ここでこの(6)式に代入される脈波速度PWVは、血圧による補正(図4参照)を行う前の脈波速度である。
図11は、従来法としての脈波速度と、上記(6)式に基づく評価値V1との対応関係を示す図である。横軸は、図4に示す補正カーブに従って補正された拡張期圧(最小血圧)80mmHgのときの脈波速度であり、縦軸は、(6)式に基づいて算出された評価値V1である。プロットされた各点は症例1つずつを表わしている。
評価値V1とPWVの関係は、ここでは測定誤差等を考慮し、図11に示すように直線で近似する。さらにその直線が原点を通り、斜め45°の直線となるように座標変換を行なう。
図12は、このような座標変換を行なった後の、従来法による脈波速度(横軸)と、評価値V2(座標変換後)との対応関係を示す図である。
ここで、図1、図2を参照して説明した脈波速度測定法は、頸動脈と大腿動脈における脈波を測定する測定法であるが、図11〜図12に示す各症例は、図2を参照して説明した測定法によるPWVと、(6)式を用いて得られたV1または下記の(7)式を用いて得られたV2の相関をあらわしたものである。
ここでは、足関節動脈については双方とも脈波測定を行なうこととし、もう一方については頸動脈の脈波を測定したときと上腕動脈の脈波を測定したときの、T+t(図2(B)参照)の時間について説明する。
図13は、頸動脈の脈波を測定したときの時間(T+t)(横軸)と上腕動脈の脈波を測定したときの、T+tの時間(縦軸)との関係を示すグラフである。
横軸の時間と縦軸の時間はかなり近似してはいるが、多少の相違点が存在する。
そこで、これらを考慮し、評価値V2として、
Figure 2005205008
Figure 2005205008
を採用する。
ここで、Lは脈波速度測定区間の血管長であり、a,b,a1,b1は、図11に示す直線の式を、
y=ax−b
とし、図13に示す直線の式を
y=a1・x+b1
としたときの各値a,b,a1,b1である。
図11、図13に示す例では、それぞれ、
a=2.6908
b=13.707
a1=0.9872
b1=0.7627
である。
(8)式に示す演算式を採用すると、頸動脈に代えて上腕動脈の脈波を測定したときに、頚動脈を測定したときと同等の値であって、しかも、従来法のPWV(最小血圧80mmHgに換算)と同等の値を持つ評価値V2が算出される。
血管の硬化度の評価値として上記(6)式で表わされる評価値V1を採用してもよいが、(7)式で表わされる評価値V2を採用することがより好ましい。なぜならば、血管の硬化の程度が同一であるときに従来法のPWVと同じ評価値が求められるように演算式を定義しておくと、従来法のPWVの値に慣れている医師等にとってその評価値を参考にして動脈硬化を伴う各種の病気の診断を行い易いからである。
次に、(6)式あるいは(7)式を用いて評価値を求める際の血圧について説明する。
これまでは、測定対象部位の血圧(収縮期圧Psと拡張期圧Pd)を測定して、その血圧を(6)式あるいは(7)式に代入する旨説明したが、測定対象部位のうちのどの点の血圧を代入するかが問題となる。具体的には脈波速度PWVを測定した区間の中央点の血圧を採用することが好ましいが、例えば上腕の血圧値で代用してもよい。
このようにして求められた評価値は、図5に示す表示部16に表示され、あるいは、記録部17でプリント出力され、動脈硬化の診断に供せられる。
尚、図5に示す生体計測装置100の場合、右足のかかとを載せるかかと台3Rと左足のかかとを載せるカフと台3Lとの2つのかかと台を備えているが、左足首の脈波と右足首の脈波を同時に測定する必要がないときは、かかと台を右足用と左足用とで兼用することとし、かかと台を1つのみ備えてもよい。またそれと同様に、図5に示す生体計測装置100の場合、カフ圧制御部およびカフを4組備えているが、同時に測定するのが右腕と左腕との一方と右足首と左足首との一方との合計2ヵ所のみのときは、2組備えていればよい。
また、図5に示す生体計測装置100の場合、足首に巻いた足首用のカフ2R,2Lが寝台から浮いた状態となるようにかかとを載せるかかと台3R,3Lが備えられているが、横臥した状態での上腕の脈波測定用に、上腕用のカフ1R,1Lを上腕に巻いたときにそのカフ1R,1Lを寝台から浮かせるためのひじ台を備えてもよい。
また、図5に示す生体計測装置100は脈波速度を計測する装置であるが、本発明の脈波測定装置は脈波速度計測用に脈波を測定する装置であることは必ずしも必要ではなく、血圧測定、特に分節的血圧測定や足首上腕血圧指数(ABI)測定を行なうために脈波を測定する装置であってもよい。
血圧測定の際、上記のかかと台3R,3Lやひじ台が高過ぎると、足首や上腕等の測定部位の高さが心臓の高さと異なってしまい正しい血圧値が求められないおそれがある。これを防止するために、それらかかと台3R,3Lやひじ台は、高さが1cm〜5cm程度のものであることが好ましい。
脈波速度測定法の一例を示す模式図である。 脈波速度測定法のもう1つの例を示す模式図である。 最小血圧(拡張期圧)と大動脈脈波速度との関係を示すグラフである。 脈波速度補正カーブを示した図である。 本発明の一実施形態の脈波測定装置および脈波速度計測装置を内包した生体計測装置の構成を表わすブロック図である。 図5の生体検出装置を構成するカフ圧制御部の構成を示す図である。 かかと台の上にかかとを載せて足首に巻いたカフが寝台から浮いた状態を示した図である。 図7に示す状態で測定した脈波波形を示した図である。 かかと台を使用せず足首に巻いたカフが寝台に触れたままの状態を示した図である。 図9に示す状態で測定した脈波波形を示した図である。 従来法としての脈波速度と評価値V1との対応関係を示す図である。 従来法による脈波速度(横軸)と、評価値V2(座標変換後)との対応関係を示す図である。 頸動脈の脈波を測定したときの時間(T+t)(横軸)と上腕動脈の脈波を測定したときの、T+tの時間(縦軸)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1R,1L,2R,2L カフ
1R11,1L11,2R11,2L11 空気袋
1R12,1L12,2R12,2L12 カフ圧制御部
3R,3L かかと台
10 カフ
11 空気袋
12 カフ圧制御部
13 心音検出部
131 心音マイク
14 心電検出部
141 電極
16 表示部
17 記録部
18 保存部
19 音発生部
20 通信部
21 入力/指示部
30 演算制御部
100 生体計測装置
121 制御部
122 ポンプ駆動部
123 ポンプ
124 排気弁制御部
125 排気弁
126 圧力センサ
127 増幅器
128 エアホース
200 他の装置

Claims (5)

  1. 生体の測定部位に巻き付けられて該測定部位の脈波測定用センサとして作用するカフと、該測定部位に巻かれたカフが寝台から浮いた状態となるように、該生体の、該測定部位に隣接した隣接部位を載せる台とを備え、該カフを該測定部位に巻き付け該台に隣接部位を載せた状態で該測定部位の脈波を測定することを特徴とする脈波測定装置。
  2. 前記カフが、足首に巻き付けられて該足首の脈波測定用センサとして作用するカフであって、前記台が、足首に足首カフが巻かれた足のかかとを載せるかかと台であることを特徴とする請求項1記載の脈波測定装置。
  3. 生体の測定部位に巻き付けられて該測定部位の脈波測定用センサとして作用するカフと、該測定部位に巻かれたカフが寝台から浮いた状態となるように、該生体の測定部位に隣接した隣接部位とを載せる台と、該測定部位とは異なる第2の測定部位の脈波を測定する脈波センサと、前記カフおよび前記脈波センサで測定された脈波に基づいて脈波速度を求める脈波速度演算部とを備えたことを特徴とする脈波速度計測装置。
  4. 前記カフが、足首に巻き付けられて該足首の脈波測定用センサとして作用するカフであって、前記台が、足首に足首カフが巻かれた足のかかとを載せるかかと台であることを特徴とする請求項3記載の脈波速度計測装置。
  5. 前記脈波センサが、第2の測定部位の脈波を測定する第2のカフであることを特徴とする請求項2記載の脈波速度計測装置。
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