JP2005204523A - 間葉系細胞含有赤血球画分、間葉系細胞の分離方法及び移植用組織の製造方法 - Google Patents

間葉系細胞含有赤血球画分、間葉系細胞の分離方法及び移植用組織の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 安全な臨床グレードの試薬を用いて、造血系の幹細胞や炎症性白血球を含まずに間葉系細胞を骨髄液から分離する。
【解決手段】 骨髄液と赤血球沈降剤を混合することにより、間葉系細胞含有赤血球画分を分離する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、間葉系細胞(MSC)含有赤血球画分、間葉系細胞の分離方法及び移植用組織の製造方法に関するものである。
骨髄液中には近年になって骨、軟骨、筋肉、脂肪など多様な細胞に分化しうる性質を持った間葉系細胞(略称:MSC)が存在することが明らかになってきている(例えば特許文献1、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
MSCはこのように多種多様な細胞、臓器に分化しうる能力(これをpluriopotential propertiesと呼ぶ)を有しているので、この細胞を効率良く増幅させる方法は再生医療発展の見地から極めて重要である。
MSCは骨髄液中に成人で10から10個に1つ程度の数という非常に存在頻度が少ないことが報告されており(非特許文献4)、MSC画分を濃縮回収する方法が各種検討されている。例えばPittengerらは、密度勾配分離方法であるフィコールパック分画法を用いて1.073g/mlの比重の分画に脂肪、軟骨、骨細胞への分化前駆細胞が存在することを見出している(非特許文献4)。また関谷らもフィコールパック分画法で比重分画した細胞を用いて軟骨への分化を試みている(非特許文献5)。
また脇谷らはデキストランを用いて赤血球以外の画分の細胞を取得し、この細胞での軟骨への分化を試みている(非特許文献6)。
しかしながら上記フィコールは医薬品GMPに準拠して製造されておらず、実際の治療を目的として用いることはできない。またデキストランを用いた自然沈降方法は医薬品準拠したデキストランを用いることができるが、赤血球層以外の画分にMSCが他の有核細胞(造血幹細胞、炎症性の白血球、巨核細胞など)と共存して分離され、必ずしも分離という観点からは最善の方法ではない。このような理由から実際にMSCを培養する場合には骨髄液をそのまま培養している例が多数報告されている(例えば非特許文献7)。
WO01/83709号公報 Pliard,Aら、Conversion of an Immortilized Mesodermal Progenitor Cell Towards Osteogenic、Chondrogenic、or Adipogenic Pathways、J Cell Biol 130(6):1461−72(1995) Mackayら,A.Mら、Chondrogenic Differentiation of Cultured Human Mesenchymal Stem Cells From Marrow、Tissue Engineering4(4):415−428(1998) Angele,Pら、Engineering of Osteochondoral Tissue With Bone Marrow Mesenchymal Progenitor Cells in a Derivatized Hyaluronan−Geratin Composite Sponge、Tissue Engineering5(6):545−553(1999) Pittengerら、Multilineage Potential of Adult Human Mesenchymal Stem Cells、Science284:143−147、(1999) Sekiyaら、In Vitro Cartilage Formation by Human Adult Stem Cells From Bone Marrow Stroma Defines The Sequence Cellular and Molecular Events During Chondrogenesis、Developmental Biology7(99):4397−4402(2002) Wakitaniら、Human Autologus Culture Expanded Bone Marrow Mesenchymal Cell Transplantation for Repair of Cartilage defects in Osteoarthritic Knees、OsteoArthritis Reserch Society International(2002)10、199−206 Tsutsumiら、Retention of Multilineage Differentiation Potential of Mesenchymal Cells During Proliferation in Response to FGF、Biochemical and Biophysical Reserch Communications288,413−419(2001)
上述したように骨髄液からGMP準拠した方法で製造された試薬を用いて効率良く間葉系細胞を他の有核細胞(例えば炎症性の白血球や巨核細胞など)から分離する方法は報告されていない。実際、非特許文献6に示すデキストランを用いた方法でも有核細胞を赤血球画分と分離しているだけの方法であり、有核細胞は全て含んでいる。
また炎症性の白血球などを分離することができれば患部に間葉系細胞だけを注入することも可能となり、液量を減らす濃縮効果も十分期待できる。
従って、造血系幹細胞と間葉系細胞を簡単な分離試薬や簡単な方法で分離できれば実用化、例えば直接細胞を患部に注入する場合にも極めて有効であり、副作用を生じさせにくいと考えられる。
以上の問題解決を目的として我々は鋭意検討を進め、赤血球沈降剤を用いて簡便な操作で骨髄液由来の間葉系細胞(MSC)を赤血球画分に分離する方法を見出した。
すなわち第1の本発明は、骨髄液と赤血球沈降剤を混合することによる分離操作において得られる間葉系細胞含有赤血球画分に関する。第一の本発明の間葉系細胞含有赤血球画分は、間葉系細胞以外の有核細胞濃度が分離前の骨髄液中の1/2〜1/100に減少したものであることが好ましい。第一の本発明において、赤血球沈降剤を用いた分離操作が自然沈降によるものであることが好ましい。第一の本発明において、赤血球沈降剤を用いた分離操作が遠心沈降によるものであることが好ましい。第一の本発明の赤血球画分において濃度勾配を形成することが好ましい。第一の本発明において、赤血球沈降剤がヒドロキシエチル澱粉であることが好ましい。
第二の本発明は、骨髄液と赤血球沈降剤を混合することによる間葉系細胞の分離方法に関する。第二の本発明において、骨髄液と赤血球沈降剤を混合することにより得られた間葉系細胞含有赤血球画分は、間葉系細胞以外の有核細胞濃度が分離前の骨髄液中の1/2〜1/100に減少したものであることが好ましい。第二の本発明において、骨髄液と赤血球沈降剤を混合した後、間葉系細胞含有赤血球画分を自然沈降させることが好ましい。第二の本発明において、骨髄液と赤血球沈降剤を混合した後、間葉系細胞含有赤血球画分を遠心沈降させることが好ましい。第二の本発明において、赤血球沈降剤がヒドロキシエチル澱粉であることが好ましい。
第三の本発明は、第一の本発明の間葉系細胞含有赤血球画分又は該間葉系細胞を増幅させた細胞を3次元環境下におくことによる、移植用組織の製造方法に関する。第三の本発明において、移植用組織が組織損傷患者に移植するためのものであることが好ましい。第三の本発明において、組織が軟骨及び/又は骨であることが好ましい。第三の本発明において、組織が心筋及び/又は血管であることが好ましい。第三の本発明において、組織が神経組織であることが好ましい。
本発明で用いられる赤血球沈降剤とは、赤血球の表面に変化を与え、軽度の遠心分離操作もしくは自然沈降(静置)操作により有核細胞を上清に残したままで優先的に赤血球を下層に沈降させるものである。赤血球沈降剤としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチル澱粉(HES)、フィブリノーゲン、α−グロブリン等を挙げることができる。好ましくはヒドロキシエチル澱粉である。ヒドロキシエチル澱粉は、赤血球の表面の電荷に影響を与え、連線形成を促し、静置もしくは遠心操作を行った場合に有核細胞との沈降速度の差を生じさせることによって、赤血球を優先的に沈降させることができる。
本発明においては、赤血球沈降剤の添加量は特に限定されないが、骨髄液1mLに対して1〜300mg添加することが好ましい。より好ましい下限は5mgであり、より好ましい上限は100mgである。赤血球沈降剤は直接添加してもよいし、水溶液の状態で添加してもよい。また、骨髄液に赤血球沈降剤を添加する前に、ヘパリン等の抗血液凝固剤を添加しておくことが好ましい。
本発明における間葉系細胞(MSC)は自己増殖を繰り返す能力を有し、下流の細胞系譜への分化が可能な細胞を指す。このMSCは分化誘導因子により骨芽細胞や軟骨細胞、更には神経細胞、肝細胞にも分化する可能性のある細胞である。
本発明においては、骨髄液と赤血球沈降剤を十分に混合した後、遠心沈降又は自然沈降(静置)等を行うことにより間葉系細胞含有赤血球層を沈降させる。遠心操作は、例えば、100rpm(10g)〜2000rpm(72g)で1〜20min行えばよい。好ましくは400rpm(30g)〜700rpm(90g)で5〜10min遠心操作を行う。更に好ましくは530rpm(50g)で5min遠心操作を行う。
以上によって沈降した赤血球層中に間葉系細胞(MSC)が多く含まれる。当該赤血球層を分離することにより、間葉系細胞含有赤血球画分を得ることができる。当該間葉系細胞含有赤血球画分においては、一般に、間葉系細胞/赤血球の比率が1.5〜2.5x10であり、間葉系細胞/炎症性細胞の比率が0.75〜1.25x10である。また、この間葉系細胞含有赤血球画分は、間葉系細胞以外の有核細胞(白血球細胞や造血幹細胞等)を、分離前の骨髄液中の1/2〜1/100しか含まないので、炎症性の白血球、好中球などが減少しており、間葉系細胞を患部に移植するのに適した画分である。
得られた赤血球画分において、好ましくは濃度勾配が形成される。濃度勾配とは、赤血球画分の単位体積当たりに存在する間葉系細胞の個数の勾配を示す。
本発明における3次元環境下とは細胞のみを凝集させた状態あるいは3次元の支持体に細胞を保持させた状態である。またこの3次元の支持体は多孔性の支持体であることが望ましい。この多孔性支持体の材質は特に限定されないが、生理学的条件で体内に吸収される物質、つまり生体適合性材料が好ましく、これは天然のものでも合成物質でも良い。多孔性支持体を構成する生体適合材料としては、天然から得られるものと合成により得られるものが挙げられるが、加工性、滅菌性、感染性の点から、加水分解により分解し得る合成ポリマーが好ましく、特にα−及びβ−ヒドロキシカルボン酸の加水分解性ポリマーが好ましい。このような生体適合性材料の例としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸/グリコール酸共重合体、ポリε−カプロラクトン、乳酸/ε−カプロラクトン共重合体等が挙げられる。
本発明で用いる赤血球沈降剤を用いて分画された間葉系細胞含有赤血球画分は、体外、好ましくはフラスコで培養した場合、2又は3回培地交換を行うと、赤血球が培地交換の都度、除去され、約1週間程度で目的とするMSCのみが接着性細胞として得られる。培養する際の条件としては特に限定されないが、例えば、培地としてGIBCO BRL社製のαMEM培地に15〜20%の牛胎児血清を添加したものを用い、37℃、COインキュベーターで7〜14日間培養することが望ましい。
得られたMSCは約48時間で約2倍に増殖する性質を持つ細胞である。この細胞は細胞剥離剤、好ましくはトリプシンを用いてフラスコから回収することができる。上記培養にあたっては、分化誘導剤を添加し、各種細胞に分化させることができる。分化誘導剤としては特に限定されないが、軟骨への分化誘導剤としてはデキサメサゾン、TGFβ、インスリン、トランスフェリン、エタノールアミン、プロリン、アスコルビン酸等が挙げられ、骨への分化誘導剤としてはデキサメサゾン、βグリセロリン酸、ビタミンC等が挙げられ、心筋への分化誘導剤としてはEGF、PDGF、5−アザシチジン等が挙げられ、神経への分化誘導剤としてはbHLH、EGF、FGF−2等が挙げられ、血管への分化誘導剤としてはbFGF、VEGF等が挙げられる。
本発明の赤血球沈降剤を用いて分離したMSCは培養することによって軟骨損傷患者に移植する細胞を提供することができる。
この細胞は直接損傷患部に投与しても良いし、形態保持のためにある種の3次元支持体に播種し、この混合物を患部に埋め込み治療することもできる。
また本発明の赤血球沈降剤を用いて分離したMSCは培養することによって骨疾患患者に移植する細胞を提供することができる。
この細胞は直接損傷患部に投与しても良いし、形態保持のためにある種の3次元支持体に播種し、この混合物を患部に埋め込み治療することもできる。
また本発明の赤血球沈降剤を用いて分離したMSCは培養することによって心筋疾患患者または血管疾患患者に移植する細胞を提供することができる。
この細胞は直接損傷患部に投与しても良いし、形態保持のためにある種の3次元支持体に播種し、この混合物を患部に埋め込み治療することもできる。
また本発明の赤血球沈降剤を用いて分離したMSCは培養することによって神経組織を損傷した患者に移植する細胞を提供することができる。
この細胞は直接損傷患部に投与しても良いし、形態保持のためにある種の3次元支持体に播種し、この混合物を患部に埋め込み治療することもできる。
本発明により、骨髄液より赤血球沈降剤を用いて効率的に非接着性細胞(造血系幹細胞や炎症性白血球細胞)と接着性細胞(間葉系幹細胞)を分離することが可能となり、骨髄液から少なくとも2〜3倍の濃縮が可能となった。
この方法を用いて分離した間葉系細胞含有成分は炎症性白血球を含まないため、直接患部に注入した場合、従来より副作用の少ない治療方法となりうる。
またこの方法で分離された間葉系細胞は極めて良好な増殖性を示す。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)赤血球沈降剤を用いた間葉系幹細胞の分離
ヒト骨髄液の原液3mLに対して10U/mLのヘパリンPBS溶液等量を良く混合したものを分離用原液として用いる。この赤血球沈降用骨髄原液(6ml)に対して1/5量のHES(Nipro製6%ヒドロキシエチルデンプン水溶液 分子量40万 商品コード:89−120)を添加し終濃度を1%にする。530rpm(50g)にて5min遠心分離し、2層(上層の比較的透明な層と下層の赤血球層)に分かれることを確認する。
この分離層の最上層(透明な層のみ)と中間層(透明な層と赤血球層の上層部分を含むいわゆる境界付近の層)及び最下層(完全な赤血球層)を回収する。
その後T7 5フラスコに各層の細胞を播種する。播種は直接T75フラスコに注入後、GIBCO BRL社製MEMα+15%ウシ胎児血清培地13mlで均一にする。このフラスコは5%CO、37℃インキュベーター中で11日間培養する。尚この間に培地は週2回(火曜、金曜)全量(13mL)交換した。11日間培養した細胞はトリプシン処理で回収し、間葉系細胞数を計測した。その結果、間葉系細胞数は、骨髄液を分離しないで3.6ml直接フラスコに播種した場合は平均2.75×10個であった。最上層(2.3ml)からは平均0.85×10個、中間層(0.65ml)からは平均1.5×10個、最下層(0.65ml)からは平均1.45×10個の間葉系細胞が取得された。以上の結果を図1のグラフに示した。従って約80%の間葉系細胞が骨髄液からこの方法で赤血球画分に取得できることが明らかとなった。
実施例1に記述した方法にて取得されたHESを用いた分離画分の最上層を除く層(中間層と下層)の中に得られた間葉系細胞は全体の78%に相当し、骨髄液量は1.3ml(中間層0.65ml、最下層0.65ml)であった。骨髄液1ml当たりの間葉系細胞量は最上層が3.7×10個/mlであるのに対して赤血球層(中間層+最下層)では中間層は2.3×10/ml、最下層は2.2×10/mlであり、HES未処理に対して赤血球層への濃縮効果は2.9倍であった。この関係を図2のグラフに示した。従って直接体内に投与する場合にはより濃度の高い少量の骨髄液で行うことができる。
(実施例2)赤血球沈降剤を用いて得られた間葉系細胞を用いた軟骨組織形成
実施例1の方法により得られた赤血球画分から培養によって得られた間葉系細胞をGIBCO BRL社製DMEM−ハイグルコース培地20mLで1回洗浄し、遠心分離操作(1000rpm 10min 4℃)で細胞を集め再度GIBCO BRL社製DMEM−ハイグルコース培地に軟骨分化誘導を促す下記の添加物を加えた培地で間葉系細胞濃度が4X10個/mlになるように懸濁する。また非誘導のものは下記の添加剤は加えないものとする。この細胞懸濁液を0.5mL取り、15mLファルコンチューブに入れる。その後遠心分離操作(1000rpm 10min 4℃)を行うと細胞がペレット状になるが、そのままチューブの蓋を緩めて、5%CO、37℃インキュベーター中で3週間培養する。尚この間に培地は週2回(火曜、金曜)全量(0.5mL)交換した。培養終了後は球形となった細胞塊を回収し、組織固定用ホルマリンで固定し、軟骨基質染色剤であるトルイジンブルー染色を行った。この結果を図3に示した。組織切片を顕微鏡観察した結果、軟骨基質が紫色に染まる異染色性(メタクロマジー)が矢印部分に観察された。
<軟骨分化誘導の際に用いた添加物>
TGFβ3ヒトリコンビナント:フナコシ RS−0032−43
培地に最終濃度10ng/mLで添加
デキサメサゾン:SIGMA D8893
培地に最終濃度100nMで添加
アスコルビン酸リン酸エステル:WAKO 013−12061
培地に最終濃度50μg/mLで添加
ピルビン酸ナトリウム:コスモバイオ 25−000−C1
培地に最終濃度100μg/mLで添加
L―プロリン:コスモバイオ 33582
培地に最終濃度40μg/mLで添加
ITS−プラス:コスモバイオ 354352
培地に市販原液を1/100量添加
(注意)培地とは上記に示したDMEM−ハイグルコース培地を指す。
(実施例3)赤血球沈降剤を用いて得られた間葉系細胞を用いた骨組織形成
実施例1の方法により得られた赤血球画分から培養によって得られた間葉系細胞を最終濃度1X10/mLになるようにGIB CO BRL社製MEMα培地+15%ウシ胎児血清培地に懸濁し、12穴培養プレートに2x10個/Wellになるように細胞を播種(各Wellに2ml細胞懸濁液を入れる)する。24時間経過後に骨への分化誘導を促す3種類の添加物(β―グリセロリン酸:CALBIOCHEM 35675、アスコルビン酸リン酸エステル:WAKO 013−12061、デキサメサゾン:SIGMA D8893)をそれぞれ10mM、50μg/mL、100nMになるように添加し、これを骨分化誘導群とする。非誘導群はβ―グリセロリン酸のみを添加したものとする。これらを5%CO、37℃インキュベーター中で2週間培養する。また培地交換は週に3回全量(2mL)交換するものとする。最終培地交換日(解析日の2日前)にカルセイン(Dojin 344−00431)を1μg/mlになるように添加し、培養を行う。
解析日に骨化がどれだけ進行したかカルシウムの沈着量で評価する。具体的にはカルシウムと結合したカルセインの蛍光強度を測定することで骨化進行度合いが求められる。蛍光測定装置タイフーン8600(アマシャムファルマシア社製)を用いて単位面積あたりの蛍光強度(Volume/Area)測定する。結果を図4に示した。
GMP準拠した試薬である赤血球沈降剤を用いて、骨髄液より短時間に間葉系細胞を選択的に赤血球画分に得ることが可能となった。またこの分画細胞は炎症性白血球などを含まないため、治療面においても副作用のない極めて効果の高い方法を提供するものである。
HESを用いて骨髄液を分画した場合、赤血球画分(中間及び最下層)に約78%の間葉系細胞(MSC)を分離することができたことを示す図。 HESを用いて骨髄液を分画した場合、赤血球画分(中間及び最下層)に分離しない場合の約2.9倍のMSCが単位液量中に存在するほど濃縮が可能になったことを示す図。 赤血球画分に含まれる間葉系細胞(MSC)を培養し、軟骨にインビトロで分化誘導することが可能であることを示す図(写真)。分化誘導したものが軟骨特有の基質の産生を認めた。 赤血球画分に含まれる間葉系細胞(MSC)を培養し、骨にインビトロで分化誘導することが可能であることを示す図。カルセインを用いた蛍光強度を測定することにより骨に分化誘導した典型的指標である石灰化を確認し、顕著に骨形成が進んでいることを認めた。

Claims (16)

  1. 骨髄液と赤血球沈降剤を混合することによる分離操作において得られる間葉系細胞含有赤血球画分。
  2. 間葉系細胞以外の有核細胞濃度が分離前の骨髄液中の1/2〜1/100に減少した請求項1記載の間葉系細胞含有赤血球画分。
  3. 赤血球沈降剤を用いた分離操作が自然沈降によるものである請求項1又は2記載の間葉系細胞含有赤血球画分。
  4. 赤血球沈降剤を用いた分離操作が遠心沈降によるものである請求項1又は2記載の間葉系細胞含有赤血球画分。
  5. 赤血球画分において濃度勾配を形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の間葉系細胞含有赤血球画分。
  6. 赤血球沈降剤がヒドロキシエチル澱粉である請求項1〜5のいずれか1項に記載の間葉系細胞含有赤血球画分。
  7. 骨髄液と赤血球沈降剤を混合することによる間葉系細胞の分離方法。
  8. 骨髄液と赤血球沈降剤を混合することにより得られた間葉系細胞含有赤血球画分は、間葉系細胞以外の有核細胞濃度が分離前の骨髄液中の1/2〜1/100に減少したものである請求項7記載の間葉系細胞の分離方法。
  9. 骨髄液と赤血球沈降剤を混合した後、間葉系細胞含有赤血球画分を自然沈降させる請求項7又は8記載の間葉系細胞の分離方法。
  10. 骨髄液と赤血球沈降剤を混合した後、間葉系細胞含有赤血球画分を遠心沈降させる請求項7又は8記載の間葉系細胞の分離方法。
  11. 赤血球沈降剤がヒドロキシエチル澱粉である請求項7〜10のいずれか1項に記載の間葉系細胞の分離方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の間葉系細胞含有赤血球画分又は該間葉系細胞を増幅させた細胞を3次元環境下におくことによる、移植用組織の製造方法。
  13. 移植用組織が組織損傷患者に移植するためのものである請求項12記載の製造方法。
  14. 組織が軟骨及び/又は骨である請求項12又は13記載の製造方法。
  15. 組織が心筋及び/又は血管である請求項12又は13記載の製造方法。
  16. 組織が神経組織である請求項12又は13記載の製造方法。
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