JP2005204280A - 画像符号化装置および画像符号化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バストラフィック監視部110は、メモリバス111のトラフィックを監視して、前記メモリバス111が混んでいる場合には、DC予測部105の出力を選択するよう予測選択器106に指示する。逆に、メモリバス111が混んでいない場合には、AC予測部108の出力を選択するよう指示する。メモリ部113にはAC予測符号化を行うために、DCT部101が出力したDC係数とAC係数とが格納されている。
【選択図】 図1
Description
動画像データを圧縮符号化する方法には、動画像中で連続するフレーム間の相関性を利用するフレーム間予測符号化と、フレーム中で隣接する画素間の相関性を利用するフレーム内予測符号化とがある。このうち、フレーム内予測符号化には離散コサイン変換(DCT: Discrete Cosine Transform)が広く用いられている。
ISO/IEC 14496-1 Information technology - coding of audio visual objects - Part 1: Systems. ISO/IEC 14496-2 Information technology - coding of audio visual objects - Part 2: Visual.
また、AC予測符号化については、処理負荷が高いために、リアルタイム性が要求されるような場合にはその使用が制限され、結果的に画質の向上が図れないという問題や、逆に画質を優先するあまりむやみに使用すればリアルタイム性が損なわれる(フレーム落ち等)といった問題があり、やはり、何らかの方策によって画質を高めてゆく必要がある。
この場合において、自己の動作状況を監視する動作状況監視手段を備え、前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段によって監視された前記動作状況に応じて、前記符号化方式の選択を行うとしても良い。
本発明に係る画像符号化装置は、前記動作状況監視手段は、前記DC予測符号化手段と前記AC予測符号化手段とによって発生した符号量の多寡を監視し、前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段にて前記符号量が多いと判定された場合には前記AC予測符号化手段を、前記符号量が少ないと判定された場合には前記DC予測符号化手段を選択することを特徴とする。
本発明に係る画像符号化装置は、前記動作状況監視手段は、符号化に要する処理サイクルの長短を監視し、前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段にて前記処理サイクルが長いと判定された場合にはDC予測符号化方式で、前記処理サイクルが短いと判定された場合にはAC予測符号化方式で、予測符号化を行うことを特徴とする。
以上の場合において、前記動作状況監視手段は、1フレーム時間毎の動作状況を監視するとしても良いし、1ブロックライン時間毎の動作状況を監視するとしても良い。
本発明に係る画像符号化装置は、DC予測符号化手段のみによって使用されるDC予測符号化専用メモリを備え、前記DC予測符号化手段は、前記DC予測符号化専用メモリに記憶されているDC係数を用いてDC予測符号化を行うことを特徴とする。
本発明に係る画像符号化方法は、画像符号化装置が実行する画像符号化方法であって、前記画像符号化装置の動作状況を監視する動作状況監視ステップと、前記動作状況に応じて、DC予測符号化方式とAC予測符号化方式との何れかを選択する予測符号化方式選択ステップと、DC予測符号化が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にDC予測符号化を行うDC予測符号化ステップと、AC予測符号化が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にAC予測符号化を行うAC予測符号化ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る撮像システムは、被写体の像を結像する結像手段と、前記被写体の像を光電変換したアナログ画像信号を出力する光電変換手段と、前記アナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換(analogue to digital conversion)手段と、前記デジタル画像信号を処理する画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、動作状況に応じて、DC予測符号化方式とAC予測符号化方式との何れかを選択する予測符号化方式選択手段と、DC予測符号化方式が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にDC予測符号化を行うDC予測符号化手段と、AC予測符号化方式が選択された場合に、前記ブロック毎にAC予測符号化を行うAC予測符号化手段とを含むことを特徴とする。
[1] 第1の実施の形態
本実施の形態に係る画像符号化装置は、装置内部のメモリアクセスの競合によってフレーム落ち等の画質の劣化が生じるのを防止する。
図1は、本願実施の形態に係る画像符号化装置の主要な機能構成を示すブロック図である。図1に示されるように、画像符号化装置1は、画像入力端子100、DCT部101、第1の量子化部102、予測符号化部103、符号出力端子104、DC予測部105、予測選択器106、第2の量子化部107、AC予測部108、逆量子化部109、バストラフィック監視部110、メモリバス111、プロセス群112及びメモリ部113を備えている。
DCT部101は、画像入力端子100にて受け付けたブロック画像に対して離散コサイン変換を行い、DCT係数(周波数成分)を出力する。
第1の量子化部102は、DCT部101が出力するDCT係数を量子化して、量子化DCT係数を出力する。
逆量子化部109は、第1の量子化部102が出力する量子化DCT係数を逆量子化してDCT係数を生成し、メモリバス111を介して、これをメモリ部112に格納する。
メモリ部113は、逆量子化部109が生成するDCT係数等を保持する。本実施の形態においては、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられている。
AC予測部108は、メモリ部113に保持されているDCT係数を、メモリバス111を介して参照してAC予測係数を生成し、これを予測選択器106へ出力する。
プロセス群112は、画像の圧縮符号化以外の処理を実行する機能ブロックであって、メモリバス111を介して、メモリ部113にアクセスする。すなわち、メモリ部113に対して相互に競合するアクセスが発生することになる。
第2の量子化部107は、予測選択器106からDC予測係数またはAC予測係数を受け付けて量子化し、これを予測符号化部103へ出力する。
予測符号化部103は、量子化されたDC予測係数またはAC予測係数を受け付けて予測符号化し、DC予測符号またはAC予測符号を生成する。
[1−2] DC予測部105の動作
本実施の形態に係るDC予測部105の動作について説明する。DC予測部105はMPEG−4規格に準拠してDC予測係数を生成する。図2は、DC予測部105によるDC予測係数の生成の仕方を示す模式図である。
まず、DC予測部105がMBXに含まれているブロックXのDC係数DC(X)の予測係数σPを生成する場合について説明する。予測係数σPの生成に当たって、DC予測部105は、ブロックXに隣接するブロックA、B、CのDC係数σA、σB、σCを参照する。予測係数σPは、DC係数σA、σB、σCの勾配に応じて決定される。すなわち、
|σA−σB|<|σB−σC|
である場合には、σPの値をσCとし、
|σA−σB|≧|σB−σC|
である場合には、σPの値をσAとする。
ΔX=(DC(X)−σP)/dc_scaler
ここで、dc_scalerは、マクロブロックMBXの量子化パラメータである。
なお、予測係数σPを生成すべきブロックXの位置によって、参照すべきブロックの位置が異なる。図2(2)から(3)には、ブロックXのMBX中の位置毎に参照すべきブロックA、B、Cの位置が示されている。また、MBXの位置によっては、参照すべきDC係数の数が異なる。
このように、DC予測符号化を行うためには、他のブロックのDC係数を参照する必要があり、これらDC係数をメモリ部113に保持しておかなければならない。図3は、M×N個のマクロブロックで構成される画像をDC予測符号化するために、保持すべきDC係数を示す図である。
図3に示されるように、M×N個のマクロブロックで構成される画像において、網掛け部分のマクロブロックMB(m、n)についてDC予測符号化を行うためには、隣接するマクロブロックMB(m−1、n−1)、MB(m、n−1)、MB(m−1、n)のDC係数が必要となる。
すなわち、DC予測符号化を順次行ってゆくためには、図3の斜線部分で示されるM+1個のマクロブロックに係る2×(M+1)+1個のDC係数をメモリ部113に保持しておく必要がある。
本実施の形態に係るAC予測部108の動作について説明する。AC予測部108はMPEG−4規格に準拠してAC予測係数を生成する。図4は、AC予測部108によるAC予測係数の生成の仕方を示す模式図である。
図4(1)において、MBXはAC予測部105が処理対象とするマクロブロックのDCT係数(16×16個)である。また、MB1、MB2、MB3は、それぞれMBXに係るマクロブロックに隣接するマクロブロックのDCT係数である。ブロックXは、マクロブロックMBXに含まれているブロックである。また、ブロックA、B、Cは、それぞれマクロブロックMB3、MB1、MB2に含まれている。
なお、AC予測符号化の対象となるブロックXの位置によって、参照すべきブロックの位置が異なる。図4(2)から(3)には、ブロックXのMBX中の位置毎に参照すべきブロックA、B、Cの位置が示されている。また、MBXの位置によっては、参照すべきAC係数の数が異なる。
ここでは、画像符号化装置1の動作について説明する。
図5は、本実施の形態に係る画像符号化装置1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示されるように、画像符号化装置1は、予測符号化を行うのに先立って、バストラフィック監視部110にてメモリバス111の混雑の程度を判断する。そして、メモリバス111が混雑していると判断された場合には(ステップS100:YES)、DC予測部105からの信号を選択するように、バストラフィック監視部110にて選択信号を予測選択器106に入力する(ステップS101)。
DC予測符号化処理は、前述のように、ブロック単位で行い、最終ブロックの処理が完了するまでは(ステップS103:NO)、DC予測符号化処理を繰り返す。最終ブロックの処理が完了したら(ステップS103:YES)、ステップS100に戻って、メモリバスの混雑状況を判断する。
そして、ブロック単位でAC予測符号化処理を実行し(ステップS105)、最終ブロックの処理が完了しなければ(ステップS106:NO)、当該処理を繰り返す。最終ブロックの処理が完了した場合には(ステップS106:YES)、ステップS100に戻って、メモリバスの混雑状況を判断する。
次に、画像符号化装置1は、メモリ部113から読み出したDC係数を用いて、DC係数の勾配により決定された予測ブロックのDC係数との差分(予測誤差)を符号化するDC予測符号化を実行し(ステップS201)、以後のブロックの予測符号化を実施するために必要となる符号化対象ブロックのDC係数をメモリ部113に格納する(ステップS202)。
次に、画像符号化装置1は、メモリ部113から読み出したDC係数とAC係数を用いて、DC係数の勾配により決定された予測ブロックのDC係数およびAC係数との差分(予測誤差)を符号化するAC予測符号化を実行し(ステップS301)、以後のブロックの予測符号化を実施するために必要となる符号化対象ブロックのDC係数およびAC係数をメモリ部113に格納する(ステップS302)。
次に、バストラフィック監視部110の動作について説明する。
毎秒nフレームの動画像を画像符号化装置1にて処理する場合、バストラフィック監視部110は、以下のようにして、メモリバス111の混雑状況を判断する。
まず、バストラフィック監視部110は、次に処理すべき1フレーム当りの期間に発生するメモリバス111を介したメモリ部113への総アクセス量S(bytes / frame)を次式によって算出する。
ここで、XACは1フレーム当りの期間に発生するAC予測符号化のためのアクセス量であり、Xothersは1フレーム当りの期間に発生するプロセス群112からのアクセス量であり、また、Xoffsetはマージンを持たせておくためのオフセットである。
本実施の形態においては、XACとして固定値を使用する。また、Xothersとしては、直前の1フレーム当りの期間に発生したプロセス群112からのアクセス量を、前述したように、チップセレクト信号を観測することによって計測し、これをXothersとする。直前の1フレーム当りの期間のXothersとその次の期間のXothersとは必ずしも一致しないので、その変動分を見込んでXoffsetの値が決定される。
B=帯域幅/フレームレートn
バストラフィック監視部110は、S≧Bである場合には、メモリバスは混雑していると判定する。また、S<Bである場合には、メモリバスは混雑していないと判定する。
本実施の形態については、以下のような変形例を実施することもできる。
(1) 上記においては、バストラフィック監視部110は、チップセレクト信号を参照することによって、各プロセス112の動作モードのオン/オフを監視し、メモリバス111の混雑状況を判定するとしたが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、これに代えて次のようにしても良い。
S=XAC+K×Xothers+Xoffset
ここで、Kは定数であって、画像符号化装置1がプロセス群112の処理よりも画像符号化処理を優先して実行する場合には1よりも小さい値とする。逆に、プロセス群112の処理を画像符号化処理よりも優先して実行する場合には1よりも大きい値とする。
(3) 本実施の形態においては予測符号化の手段をフレーム単位で切り替えるとしてが、これに代えて、ブロックライン単位で切り替えるとしても良い。
フレーム単位で予測符号化手段を切り替える場合には、1フレームに相当する期間、同一の予測符号化手段を用いることとなるので、その期間中にメモリバス111の混雑状況が変化しても、適切な予測符号化手段に切り替えることができない。
[2] 第2の実施の形態
本実施の形態に係る画像符号化装置は、前記第1の実施の形態に係る画像符号化装置と概ね同様の構成を備えているが、前記予測選択器を切り替える条件が相違している。すなわち、前記第1の実施の形態では、メモリバスの混雑状況に応じて何れの予測符号化を行うかを選択したが、本実施の形態では、予測符号化によって発生する符号量に応じて選択する。以下、本実施の形態に係る画像符号化装置について図面を参照しながら説明する。
図8は、本実施の形態に係る画像符号化装置の主要な機能構成を示すブロック図である。図8に示されるように、画像符号化装置2は、画像入力端子200、DCT部201、第1の量子化部202、予測符号化部203、符号出力端子204、DC予測部205、予測選択器206、第2の量子化部207、AC予測部208、逆量子化部209、発生符号量監視部210、メモリバス211、プロセス群212、メモリ部213及びビットレート設定端子214を備えている。
発生符号量監視部210は、前記ビットレート設定端子214にて受け付けたビットレートの目標値に対応する1フレーム当りの符号量(以下、「基準符号量」という。)と、予測符号化によって発生した1フレーム当りの符号量(以下、「発生符号量」という。)を比較する。
[2−2] 画像符号化装置2の動作
本実施の形態に係る画像符号化装置2の動作について説明する。図9は、本実施の形態に係る画像符号化装置2が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
そして、画像符号化装置2は、前記第1の実施の形態に係る画像符号化装置1と同様にして、フレームを構成するブロック毎にAC予測符号化処理を実行する(ステップS405)。そして、1ブロックを処理し終えるごとに、当該ブロックが当該フレーム中の最終ブロックであるか否かを確認する。
この場合には、画像符号化装置2は、前記第1の実施の形態に係る画像符号化装置1と同様にして、フレームを構成するブロック毎にDC予測符号化処理を実行し(ステップS402)、1ブロック終えるごとに、最終ブロックか否か確認する。最終ブロックではなければ(ステップS403:No)、画像符号化装置2はステップS402に進み、最終ブロックならば(ステップS403:YES)、ステップS400に進む。
本実施の形態について次のような変形例も実施することができる。
(1) 本実施の形態においては、発生符号量が基準符号量を上回るか否かによって予測符号化手段を選択するとしたが、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、発生符号量が基準符号量に所定量を加えた符号量を超過した場合にはDC予測符号化を選択するとしても良い。また、発生符号量が基準符号量から所定量を差し引いた符号量を下回った場合にはAC予測符号化を選択するとしても良い。このようにすれば、予測符号化方式が頻繁に切り替えられるのを回避して、安定的に予測符号化を実行することができる。
図10は、本変形例に係る画像符号化装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図10に示されるように、画像符号化装置は、直前に処理した1ブロックライン(以下、「上段ブロックライン」という。)に係る発生符号量と基準符号量を比較して、いずれが多いかを確認する。
そして、ブロック単位でDC予測符号化処理を実行し(ステップS502)、処理が完了するたびに当該ブロックが当該ブロックライン中の最終ブロックであるか確認する。当該確認の結果、最終ブロックでない場合には(ステップS503:NO)、当該ブロックライン中の次のブロックについてDC予測符号化処理を実行する(ステップS502)。
発生符号量が基準符号量を上回っている場合には(ステップS500:YES)、選択信号を出力して予測選択器にAC予測部の出力を選択させる(ステップS504)。その後、画像符号化装置は、ブロック単位でAC予測符号化処理を実行して(ステップS05)、最終ブロックの処理が終わったら(ステップS506:YES)、発生符号量と基準符号量を比較する。
本実施の形態に係る画像符号化装置は、前記第1の実施の形態に係る画像符号化装置と概ね同様の構成を備えているが、前記予測選択器を切り替える条件が相違している。すなわち、前記第1の実施の形態では、メモリバスの混雑状況に応じて何れの予測符号化を行うかを選択したが、本実施の形態では、予測符号化に要する処理サイクルに応じて選択する。以下、本実施の形態に係る画像符号化装置について図面を参照しながら説明する。
図11は、本実施の形態に係る画像符号化装置の主要な機能構成を示すブロック図である。図11に示されるように、画像符号化装置3は、画像入力端子300、DCT部301、第1の量子化部302、予測符号化部303、符号出力端子304、DC予測部305、予測選択器306、第2の量子化部307、AC予測部308、逆量子化部309、処理サイクル監視部310、メモリバス311、プロセス群312、メモリ部313及び処理サイクル設定端子314を備えている。
例えば、QCIF(176×144)やCIF(352×288)等のような比較的低解像度の画像をリアルタイムに予測符号化する場合には、前記上限値は比較的大きな値となる。一方、VGA(640×480)以上の画像をリアルタイムに予測符号化する場合には、前記上限値は小さくなる。
[3−2] 画像符号化装置3の動作
図12は、本実施の形態に係るに係る画像符号化装置3が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図12に示されるように、画像符号化装置は、処理サイクルの上限値と直前に処理したフレームの処理サイクルとを比較して、上限が遵守されているかを確認する。
そして、当該フレームの最終ブロックまでブロック単位でDC予測符号化処理を実行し(ステップS602)、処理を終えたら(ステップS603:YES)、ステップS600に進み、次のフレームの処理を開始する。
このようにすれば、処理サイクルの超過を抑えて、適正なビットレートを遵守することができる。動画像を転送するための帯域幅に制限がある場合であっても、フレーム落ち等に起因する画質の劣化を防止することができる。また、処理サイクルに余裕がある場合には、AC予測符号化を行うので、更に画質を良好なものとすることができる。
本実施の形態においては、1フレームを処理する毎に予測符号化手段を選択するとしたが、これに代えて、1ブロックラインを処理する毎に選択するとしても良い。前者は、連続するフレーム間の相関性に着目して予測符号化手段を選択するものとなっているのに対して、後者はひとつのフレーム内の連続するブロックライン間の相関性に着目したものとなっている。何れによっても、適切に予測符号化手段を選択することができる。
本実施の形態に係る画像符号化装置は、前記第1の実施の形態に係る画像符号化装置と概ね同様の構成を備えているが、DC予測符号化を行うための構成において相違している。すなわち、前記第1の実施の形態では、DC予測部105はメモリバス111を介してメモリ部113に記憶されているDC係数を参照したが、本実施の形態に係るDC予測部は専用のメモリを使用する。以下、本実施の形態に係る画像符号化装置について図面を参照しながら説明する。
図13は、本実施の形態に係る画像符号化装置の主要な機能構成を示すブロック図である。図13に示されるように、画像符号化装置4は、画像入力端子400、DCT部401、第1の量子化部402、予測符号化部403、符号出力端子404、DC予測部405、予測選択器406、第2の量子化部407、AC予測部408、逆量子化部409、発生符号量監視部410、メモリバス411、プロセス群412、共用メモリ部413、ビットレート設定端子414及び専用メモリ部415を備えている。
[4−2] 画像符号化装置4の動作
次に、ブロックライン毎に予測符号化方式を選択する場合を例にとり、画像符号化装置4の動作について説明する。
当該確認の結果、バストラフィック監視部410にて、メモリバス411が混雑していると判断された場合には(ステップS700:YES)、上段ブロックラインをDC予測符号化したか否かを確認する。そして、上段ブロックラインをDC予測符号化した場合には(ステップS701:YES)、バストラフィック監視部410からDC予測部を選択せよとの旨の選択信号を出力する(ステップS702)。
処理したブロックが最終ブロックである場合には(ステップS704:YES)、ステップS700に進み、メモリバス411の混雑の度合いを判定する。
そして、ブロック単位でAC予測符号化処理を実行し(ステップS706)、処理が完了するたびに当該ブロックが当該ブロックライン中の最終ブロックであるか確認する。当該確認の結果、最終ブロックでない場合には(ステップS707:NO)、当該ブロックライン中の次のブロックについてDC予測符号化処理を実行する(ステップS706)。
バストラフィック監視部410にて、メモリバス411が混雑していると判断された場合には(ステップS700:NO)、上段ブロックラインをAC予測符号化したか否かを確認する。当該確認の結果、AC予測符号化していた場合には(ステップS708:YES)、選択信号を出力して予測選択器406にDC予測部の出力を選択させる(ステップS709)。
上段ブロックラインをAC予測符号化していなかった場合には(ステップS708:NO)、選択信号を出力して予測選択器406にDC予測部405の出力を選択させ(ステップS712)、DC予測符号化処理を実行して(ステップS713)、最終ブロックの処理が終わったら(ステップS714:YES)、発生符号量と基準符号量を比較する。
なお、専用メモリ部415を設ける構成は、バストラフィック監視部410によってメモリバス411の混雑を監視する場合のみならず、発生符号量や処理サイクルを監視して予測符号化を切り替える場合にも適用することができ、また、その効果を得ることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記においては、特に言及しなかったが、上記のようにして予測符号化手段を選択するのと併せて以下のようにして予測符号化手段を選択するとしても良い。
この予測符号化方式は、適応AC係数予測(adaptive AC coefficient prediction)と呼ばれ、MPEG−4規格にて規定されている。すなわち、本発明はMPEG−4規格に準拠して圧縮符号化される動画像の画質を向上させることができる。
そして、AC係数の絶対値の総和の方が大きい場合には、当該差分を用いて予測符号化を行う。また、AC係数の絶対値の総和の方が小さい場合には、DC予測符号化を行う。このようにすることによって、フレーム内予測符号化の符号化効率を向上させることができる。
一般に、切り替え条件の判定をする頻度が高いほど、より適切な予測符号化方式を選択することができるが、これに伴って判定のための処理負荷が高くなるので、両者のトレードオフを考慮して当該頻度を決定すべきである。
一般に、切り替え条件を監視する期間が短いほど、予測符号化方式のより好適な切り替えを実現できると期待されるが、これに伴って監視のための処理負荷が高くなるので、両者のトレードオフを考慮して当該期間を決定すべきである。
[6] 適用例
本発明に係る画像符号化装置は、DSC(digital still camera)、DVC(digital video camera)、カメラ付き携帯電話機、やテレビ会議システム等に適用され得る。
特に、ハイビジョンTVのような高解像度な映像を扱う画像処理システムなどにおいては、画像圧縮以外のさまざまな処理の処理量も膨大になり、それらの処理だけでもシステム負荷は大きくなることは必至であり、他の処理への影響を極力低減した符号化を実現する本発明は非常に有用である。
本発明の適用例として、本発明に係る画像符号化装置を備えた撮像システムについて説明する。
このような撮像システムの他、ハイビジョンTVように光学系やセンサーに代えて、外部から画像信号を受け付けて処理するシステムに本発明を適用しても良い。この場合において、アナログ画像信号を受け付けるシステムではこれをデジタル画像信号に変換して処理すれば良いし、ITU−R Rec.601やITU−R Rec.656といった規格に準拠したデジタル画像信号を受け付けるシステムではA/D変換を要せず直ちに画像処理すれば良い。
また、本発明によれば、目標ビットレートを実現するために、電力消費率の高いAC予測符号化を必要最低限に抑えることができるので、低消費電力化が要求されるモバイルカメラ等の機器に有用である。
5…撮像システム
100、200、300、400…画像入力端子
101、201、301、401…DCT部
102、202、302、402…第1の量子化部
103、203、303、403…予測符号化部
104、204、304、404…符号出力端子
105、205、305、405…DC予測部
106、206、306、406…予測選択器
107、207、307、407…第2の量子化部
108、208、308、408…AC予測部
109、209、309、409…逆量子化部
110、410…バストラフィック監視部
111、211、311、411…メモリバス
112、212、312、412…プロセス群
113、213、313、413…メモリ部
114、414…閾値設定端子
210…発生符号量監視部
214…ビットレート設定端子
310…処理サイクル監視部
314…処理サイクル設定端子
415…専用メモリ部
501…光学系
502…センサー
503…A/D変換回路
504…画像処理回路
505…記録・転送系
506…再生系
507…タイミング制御回路
508…システム制御回路
Claims (14)
- 動作状況に応じて、DC予測符号化方式とAC予測符号化方式との何れかを選択する予測符号化方式選択手段と、
DC予測符号化方式が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にDC予測符号化を行うDC予測符号化手段と、
AC予測符号化方式が選択された場合に、前記ブロック毎にAC予測符号化を行うAC予測符号化手段と
を備えることを特徴とする画像符号化装置。 - 自己の動作状況を監視する動作状況監視手段を備え、
前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段によって監視された前記動作状況に応じて、前記符号化方式の選択を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 他の処理と共用されるメモリを備え、
前記AC予測符号化手段は、前記メモリに記憶されているAC係数を用いてAC予測符号化を行い、
前記動作状況監視手段は、前記メモリに対するアクセス量の多寡を監視し、
前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段にて前記アクセスが多いと判定された場合には前記DC予測符号化手段を、前記アクセスが少ないと判定された場合には前記AC予測符号化手段を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記動作状況監視手段は、前記DC予測符号化手段と前記AC予測符号化手段とによって発生した符号量の多寡を監視し、
前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段にて前記符号量が多いと判定された場合には前記AC予測符号化手段を、前記符号量が少ないと判定された場合には前記DC予測符号化手段を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記動作状況監視手段は、符号化に要する処理サイクルの長短を監視し、
前記予測符号化方式選択手段は、前記動作状況監視手段にて前記処理サイクルが長いと判定された場合にはDC予測符号化方式で、前記処理サイクルが短いと判定された場合にはAC予測符号化方式で、予測符号化を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記動作状況監視手段は、1フレーム時間毎の動作状況を監視する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記動作状況監視手段は、1ブロックライン時間毎の動作状況を監視する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記予測符号化方式選択手段は、1フレーム毎にDC予測符号化手段とAC予測符号化手段との何れかを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記予測符号化方式選択手段は、1ブロックライン毎にDC予測符号化手段とAC予測符号化手段との何れかを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記予測符号化方式選択手段は、1マクロブロック毎にDC予測符号化手段とAC予測符号化手段との何れかを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - DC予測符号化手段のみによって使用されるDC予測符号化専用メモリを備え、
前記DC予測符号化手段は、前記DC予測符号化専用メモリに記憶されているDC係数を用いてDC予測符号化を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。 - 画像符号化装置が実行する画像符号化方法であって、
前記画像符号化装置の動作状況を監視する動作状況監視ステップと、
前記動作状況に応じて、DC予測符号化方式とAC予測符号化方式との何れかを選択する予測符号化方式選択ステップと、
DC予測符号化が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にDC予測符号化を行うDC予測符号化ステップと、
AC予測符号化が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にAC予測符号化を行うAC予測符号化ステップと
を含むことを特徴とする画像符号化方法。 - 被写体の像を結像する結像手段と、
前記被写体の像を光電変換したアナログ画像信号を出力する光電変換手段と、
前記アナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、
動作状況に応じて、DC予測符号化方式とAC予測符号化方式との何れかを選択する予測符号化方式選択手段と、
DC予測符号化方式が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にDC予測符号化を行うDC予測符号化手段と、
AC予測符号化方式が選択された場合に、前記ブロック毎にAC予測符号化を行うAC予測符号化手段とを含む
ことを特徴とする撮像システム。 - アナログ画像信号を受け付けて、デジタル画像信号に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、
動作状況に応じて、DC予測符号化方式とAC予測符号化方式との何れかを選択する予測符号化方式選択手段と、
DC予測符号化方式が選択された場合に、画像データを構成するブロック毎にDC予測符号化を行うDC予測符号化手段と、
AC予測符号化方式が選択された場合に、前記ブロック毎にAC予測符号化を行うAC予測符号化手段とを含む
ことを特徴とする画像処理システム。
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