JP2005203161A - 直接メタノール型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クロスオーバーなどにより電解質膜(3)を透過して外部にそのまま排出されたメタノール(A)を酸化分解しうる、直接メタノール型燃料電池(1)を提供する。
【解決手段】 本発明のメタノール型燃料電池(1)は、例えば筐体表面(5a)などのような表面(1a)に可視光型光触媒(7)を担持してなることを特徴とする。外部にメタノールが排出されても、この可視光型光触媒により、可視光の照射下に酸化分解することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は直接メタノール型燃料電池に関する。
直接メタノール型燃料電池は、メタノールを空気中の酸素などの酸化剤で酸化して電流を取り出す電源であって、小型、軽量であるため、携帯電話、携帯パソコンなどの携帯機器の電源として有用である。直接メタノール型燃料電池(1)は、例えば図3に示すように、アノード電極(21)とカソード電極(22)との間に電解質膜(3)が挟持された構成となっている。アノード電極(21)の外側にはアノード側セパレーター(41)が、カソード電極(22)の外側にはカソード側セパレーター(42)がそれぞれ配置されている。これらのアノード電極(21)、カソード電極(22)、電解質膜(3)、アノード側セパレーター(41)およびカソード側セパレーター(42)は筐体(5)内に納められている。
このような燃料電池(1)では、アノード電極(21)とアノード側セパレーター(41)との間にメタノールタンク(6)からメタノール〔CH3OH〕(A)が供給される。図3では、メタノールタンク(6)は説明のために筐体(5)から分けられているが、通常、メタノールタンク(6)は筐体(5)の中に収められている。カソード電極(22)とカソード側セパレーター(42)との間に、例えば空気として酸素〔O2〕(B)が供給される。メタノール(A)は電解質膜(3)を殆ど透過しないので、ほぼ全量がアノード電極(21)で、カソード電極(22)および電解質膜(3)を透過してきた酸素(B)によって酸化されて二酸化炭素〔CO2〕(C)と水素イオン〔H+〕(D)を生ずる。二酸化炭素(C)はアノード電極(21)とアノード側セパレーター(41)との間から、筐体(5)に設けられた排気口(51)を通じて外部に排出される。水素イオン(D)は電解質膜(3)を透過してカソード電極(22)に至り、ここで酸素(B)によって酸化されて水〔H2O〕(E)を生じ、この水(E)はカソード電極(22)とカソード側セパレーター(42)との間から、筐体に設けられた排気口(52)を通じて外部に排出される。アノード電極(21)およびカソード電極(22)からは、アノード電極(21)におけるメタノール(A)の酸化や、カソード電極における水素イオン(E)の酸化に伴い、電流(I)を供給することができる。
かかる直接メタノール型燃料電池(1)では、メタノール(A)が電解質膜(3)を透過してしまうクロスオーバーという現象が生ずることがある。このクロスオーバーが生ずると、電解質膜を透過したメタノールがカソード電極(22)を透過し、水(E)と共に外部に排出されてしまう。この外部に排出されたメタノール(A)は、酸化分解してしまうことが好ましい。
特開2003−346750号公報第17頁の図7など 特開2001−72419号公報 特開2001−190953号公報 特開2001−316116号公報 特開2001−322816号公報 特開2001−29749号公報 特開2002−97019号公報 WO01/10552パンフレット 特開2001-212457号公報 特開2002−239395号公報 WO03/080244パンフレット WO02/053501パンフレット 特開2001−278625号公報 特開2001−278626号公報 特開2001−278627号公報 特開2001−302241号公報 特開2001−335321号公報 特開2001−354422号公報 特開2002−29750号公報 特開2002−47012号公報 特開2002−60221号公報 特開2002−193618号公報 特開2002−249319号公報
そこで本発明者は、電解質膜を透過して外部にそのまま排出されたメタノールを酸化分解しうる直接メタノール型燃料電池を開発するべく鋭意検討した結果、燃料電池の表面に可視光型光触媒を担持させておけば、排出されたメタノールは、この触媒によって、表面に可視光が照射されたときに酸化分解しうることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、表面(1a)に可視光型光触媒(7)を担持してなることを特徴とする直接メタノール型燃料電池(1)を提供するものである。
本発明の直接メタノール型燃料電池は、表面に可視光型光触媒が担持されているので、燃料電池の電解質膜を透過して外部に排出されたメタノールを可視光の照射下に、この表面に担持された可視光型光触媒により、酸化分解することができる。
本発明の直接メタノール型燃料電池(1)は、表面(1a)に可視光型光触媒(7)を担持している。可視光型光触媒(7)とは、可視光線を照射されることで活性化し、メタノールを酸化分解しうる触媒であり、通常は大気中で酸化分解が行われる。可視光型光触媒としては、例えば酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化鉄、ニオブ酸カリウム、タンタルナイトライド、タンタルオキシナイトライド、チタンオキシフルオロナイトライドなどを主成分とするものが挙げられる。
可視光型光触媒として具体的には、例えば
(a)特許文献2〔特開2001−72419号公報〕に開示されているような、X線光電子分光法で酸化チタンの結合エネルギー458eV〜460eVの間にあるチタンのピークの半価幅を4回測定した時の1回目と2回目のチタンのピークの半価幅の平均値をAとし、3回目と4回目のチタンのピークの半価幅の平均値をBとし、この半価幅A、Bから式(I)
X=B/A (I)
で示される指数Xが0.97以下であり、かつ紫外可視拡散反射スペクトルを測定したときの、波長220nm〜800nmでのスペクトルの吸光度の積分値をCとし、波長400nm〜800nmでのスペクトルの吸光度の積分値をDとし、前記積分値C、Dから式(II)
Y=D/C (II)
で示される指数Yが0.14以上である酸化チタン、
(b)特許文献3〔特開2001−190953号公報〕に開示されているような、電子スピン共鳴スペクトルにおいてg値1.930〜2.030の間に3つ以上のピークを有し、かつそれらピークの内の極大となるピークがg値1.990〜2.020の間に存在する酸化チタン、
(c)特許文献4〔特開2001−316116号公報〕に開示されているような、可視光線照射後に測定した電子スピン共鳴スペクトルから求められるスピン濃度Xが1.50×1016spin/g以上であり、可視光線照射後に測定した電子スピン共鳴スペクトルから求められるスピン濃度Xと、可視光線照射前に測定した電子スピン共鳴スペクトルから求められるスピン濃度Yとの比(X/Y)が1.00を超える酸化チタン、
(d)特許文献5〔特開2001−322816号公報〕に開示されているような、X線光電子分光法により8回分析し、チタンの電子状態について、1回目と2回目の分析の積算スペクトル及び7回目と8回目の分析の積算スペクトルを求め、それぞれの積算スペクトルのうち結合エネルギー458eV〜460eVにあるピークを求め、1回目と2回目の分析の積算スペクトルにあるピークの半価幅をA1とし、7回目と8回目の分析の積算スペクトルにあるピークの半価幅をB1としたとき、式(III)
1=B1/A1 (III)
により算出される指数X1が0.9以下であり、かつ、紫外可視拡散反射スペクトルを測定して、波長250nm〜550nmの吸光度の積分値をC1とし、波長400nm〜550nmの吸光度の積分値をD1としたとき、式(IV)
1=D1/C1 (IV)
により算出される指数Y1が0.075以上である酸化チタン、
(e)特許文献6〔特開2001−29749号公報〕に開示されるような、X線光電子分光法により8回分析し、チタンの電子状態について、1回目と2回目の分析の積算スペクトルおよび7回目と8回目の分析の積算スペクトルを求めたときに、1回目と2回目の分析の積算スペクトルにおける少なくとも1つのピークの位置が結合エネルギー459〜460eVにあり、7回目と8回目の分析の積算スペクトルにおける少なくとも1つのピークの位置が結合エネルギー458〜459eVにあり、遷移金属の含有量が元素換算で酸化チタン中のチタンに対し0.005〜3.0mol%である酸化チタン、
(f)特許文献7〔特開2002−97019号公報〕二開示されるような、熱天秤質量分析同時測定法により求められるマスクロマトグラムについて、質量数mとイオンの電荷数eの比m/eが28である成分の脱離ピークが600℃以上にある酸化チタン、もしくは熱天秤質量分析同時測定法により求められるマスクロマトグラムについて、質量数mとイオンの電荷数eの比m/eが28である成分の脱離ピークが600℃以上、950℃以下にあり、m/eが14である成分の脱離ピークが600℃以上、950℃以下にある酸化チタン、
(g)特許文献8〔WO01/10552パンフレット〕に開示されるような、酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換した酸化チタン、酸化チタン結晶の格子間に窒素を原子をドーピングした酸化チタン、酸化チタンの結晶粒界に窒素原子をドーピングしたもの、
(h)特許文献9〔特開2001-212457号公報〕に開示されるような、安定した酸素欠陥を有する酸化チタンであって、真空中、77K、暗黒下で測定された電子スピン共鳴スペクトルにおいて、g値が2.003〜2.004であるシグナルが観測され、かつこのg値が2.003〜2.004であるシグナルは、真空中、77Kにおいて少なくとも420〜600nmの光を照射下で測定したとき、暗黒下で測定された場合よりシグナル強度が大きい酸化チタン、
(i)特許文献10〔特開2002−239395号公報〕に開示されるような、表面に(PtCl2、PtCl4、PtCl4・2H2O、H2[Pt(OH)2Cl4]・nH2O、PtBr2、PtBr4、PtI2、PtI4、PtF4、塩化白金酸、塩化白金酸塩、ブロモ白金錯塩、ヨウ化白金酸塩などのハロゲン化白金化合物を有する紡錘形状酸化チタン、
(j)特許文献11〔WO03/080244パンフレット〕に開示されるような、表面に四塩化チタン(TiCl4)などの金属ハロゲン化物、ヘテロポリ酸や磯ポリ酸などの金属錯体を有する酸化チタン、
(k)特許文献12〔WO02/053501パンフレット〕に開示されるような、表面にアルカリ土類金属、遷移金属及びAlを有する酸化チタン
などが挙げられる。
また、特許文献13〔特開2001−278625号公報〕、特許文献14〔特開2001−278626号公報〕、特許文献15〔特開2001−278627号公報〕、特許文献16〔特開2001−302241号公報〕、特許文献17〔特開2001−335321号公報〕、特許文献18〔特開2001−354422号公報〕、特許文献19〔特開2002−29750号公報〕、特許文献20〔特開2002−47012号公報〕、特許文献21〔特開2002−60221号公報〕、特許文献22〔特開2002−193618号公報〕、特許文献23〔特開2002−249319号公報〕などに記載の方法により得られる酸化チタンも挙げられる。これらの可視光型光触媒のなかでも、コストの点で酸化チタンを主成分とするものが好ましく用いられる。
可視光型光触媒として酸化チタンを主成分とするものを用いた場合、その結晶構造は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカライト型のいずれであってもよいが、アナターゼ型の単一結晶構造であることが好ましい。可視光型光触媒は通常、粉末状で用いられ、その粒子径は、例えば200nm以下、好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
粉末状の可視光型光触媒(7)は燃料電池(1)の表面(1a)、具体的には、例えばアノード電極(21)、カソード電極(22)、電解質膜(3)、アノード側セパレーター(41)およびカソード側セパレーター(42)を収めた筐体(5)の表面(5a)などのように、燃料電池(1)の外部の大気に直接露出していて、室内光、太陽光などが届き易い表面(1a)に担持することが好ましく、二酸化炭素(C)、水(E)などを外部に排出するための排気口(51、52)の付近の表面に担持されることが、さらに好ましい。具体的には、例えば図4に示すように、携帯電話、携帯パーソナルコンピューターなどの携帯機器(1)の中には電源(1)が脱着可能になっていて、この電源(1)の筐体(5)の一部は携帯機器(1)の表面の一部を構成するようになっているものがあるので、かかる電源(1)の筐体(5)の表面(5a)のうち、携帯機器の表面の一部を構成する部分や、排気口(51、52)の付近などに可視光型光触媒(7)を担持させてもよい。
可視光型光触媒(7)を表面(1a)に担持させるには、例えば可視光型光触媒(7)を溶媒に分散させて分散液とし、この分散液を燃料電池の表面(1a)に塗布し、溶媒を揮発させればよい。溶媒を揮発させることで、例えば粉末状の可視光型光触媒(7)が層状になった光触媒層として、可視光型光触媒(7)が担持される。また燃料電池の表面(1a)を構成する部材、例えば筐体(5)の表面(5a)に分散液を塗布し、溶媒を揮発させて可視光型光触媒(7)をあらかじめ担持させておいてから、この可視光型光触媒が担持された部材(5)を組立てて直接メタノール型燃料電池(1)としてもよい。
分散液に用いられる溶媒としては、例えばイオン交換水、過酸化水素水などのような水性媒体、エタノール、メタノール、2-プロパノール、ブタノールなどのようなアルコール性媒体、アセトン、2−ブタノンなどのようなケトン性媒体、ヘキサン、ヘプタンなどのようなパラフィン化合物媒体、ベンゼン、フェノール、トルエン、キシレン、アニリンなどのような芳香族化合物媒体などが挙げられ、好ましくは水性媒体、アルコール性媒体などである。溶剤の使用量は、粉末状の可視光型光触媒に対して通常2質量倍〜50質量倍程度である。
分散液において、可視光型光触媒は凝集することなく、分散していることが好ましく、このために分散液に分散剤を含有させてもよい。分散剤としては、例えば無機酸、無機塩基、有機酸、有機塩基、有機酸塩などが用いられる。無機酸としては、例えば塩酸などの二元酸(水素酸)、硝酸、硫酸、燐酸、過塩素酸、炭酸などのオキソ酸(酸素酸)などが挙げられる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどが挙げられる。有機酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸、蓚酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸などのジカルボン酸、クエン酸などのトリカルボン酸、グリシンなどのアミノ酸などが挙げられる。有機塩基としては、例えば尿素が挙げられる。有機酸塩としては、例えば蓚酸アンモニウム、蓚酸ナトリウムなどのカルボン酸塩などが挙げられる。これら分散剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は、可視光型光触媒に対して、通常0.005質量倍〜0.5質量倍、好ましくは0.01質量倍〜0.2質量倍である。
分散液を得るには、例えば可視光型光触媒を溶媒と混合し、分散させればよい。分散には、例えば媒体攪拌式分散機、転動ボールミル、振動ボールミルなどのような分散機が用いられ、媒体攪拌式分散機が好ましく用いられる。
媒体攪拌式分散機とは、可視光型光触媒を溶媒と混合した混合物に、媒体と呼ばれる、例えばジルコニア、アルミナ、無機ガラスなどからなり、直径が通常0.7mm以下、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下のビーズを加え、攪拌することで、この媒体により可視光型光触媒を溶媒中に分散させる分散機である。分散後、媒体を取り除くことで、分散液を得ることができる。可視光型光触媒を溶媒に十分に分散させるには、媒体として直径の小さいものを用いることが好ましいが、分散に要する時間が長くなるので、例えば直径の大きい媒体を用いて可視光型光触媒を溶媒中に分散させた後、媒体を取り除き、次いで先に用いたよりも直径の小さい媒体を用いて更に分散させる、多段階で分散させることで、短い時間で効率よく可視光型光触媒を溶媒中に分散させることができる。分散時の分散温度は通常90℃以下、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは65℃以下、通常10℃以上、好ましくは20℃以上である。
分散に際しては、溶媒に酸、塩基などを加えて水素イオン濃度を調整してから分散させてもよい。酸としては、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、蓚酸などが挙げられる。塩基としては、例えばアンモニア、尿素、ヒドラジン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウムなどが挙げられる。また、分散前の混合物や、分散後の分散液にシリカ、アルミナ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性炭、リン酸カルシウム、酸化亜鉛、ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、水酸化ランタン、水酸化セリウム、非晶質酸化チタン、非晶質シリカ、非晶質アルミナなどの無機化合物、結合剤などの有機化合物を含有させてもよい。
得られた分散液は、さらに溶媒を加えて、あるいは揮発させて可視光型光触媒の含有量を調整してもよい。また、可視光型光触媒が凝集したまま分散されずに残った凝集粒子などのような粗大粒子を除去してもよい。分散液における可視光型光触媒の含有量は、分散液を基準として通常2質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、通常30質量%以下である。
分散液は、さらに添加剤と混合されて用いられてもよい。添加剤としては、例えば非晶質シリカ、シリカゾル、水ガラス、オルガノポリシロキサンのような珪素化合物、非晶質アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウムのようなアルミニウム化合物、ゼオライト、カオリナイトのようなアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属(水)酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の水酸化物や、これらの金属元素の非晶質酸化物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸塩、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記した以外にも公知の無機系バインダー、有機系バインダーを添加することもできる。
得られた分散液は、直ちに塗布に用いられてもよいし、保管して用いられてもよい。保管する場合は、可視光が当たらない条件下で保管することが好ましい。
分散液を燃料電池の表面(1a)や部材の表面(5a)に塗布するには、例えばスピンコート、ディップコート、ドクターブレードコート、スプレーコート、はけ塗りなどの通常の方法で塗布することができる。表面(1a、5a)の材質は、ガラス、プラスチック、金属などが挙げられ、これらの材質に応じて分散剤に添加される添加剤、溶媒などが適宜選択される。
塗布後、溶媒を揮発させることで、表面(1a、5a)に可視光型光触媒が担持される。溶媒は、例えば風乾により揮発させてもよいし、加熱して揮発させてもよい。
溶媒を揮発させた後、表面(1a、5a)に可視光、紫外線などの光を照射してもよい。光を照射することで、表面(1a、5a)を親水性とすることもできる。光としては、例えば蛍光灯、ハロゲンランプ、ブラックライト、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、白熱灯、冷陰極線管などから照射されるものの他、太陽光線なども挙げられる。これらの光は、そのまま照射してもよいし、フィルターなどで可視光だけを取り出して照射してもよい。
本発明の直接メタノール型燃料電池(1)は、携帯電話、携帯パーソナルコンピューターなどの電源として用いることができ、また表面(1a)に可視光型光触媒(7)を担持させているので、この直接メタノール型燃料電池(1)からがイブに排出されたメタノールを可視光の照射下に酸化分解することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本実施例に限定されるものではない。なお、酸化チタンの結晶構造については、酸化チタン分散液を40℃で加熱しながらエバポレーターにて溶媒を除去し、得られる酸化チタン粉末を以下の方法で測定に用いた。また酸化チタンの平均粒子径については、酸化チタン分散液をそのまま以下の方法で測定した。
平均粒子径(nm):
サブミクロン粒度分布測定装置(「N4Plus」、コールター社製)を用いて、試料の粒度分布を測定し、累積50重量%径を求め、これを平均粒子径とした。
結晶構造:
X線回折装置(「RAD-IIA」、理学電機社製)を用いて、試料のX線回折スペクトルを測定し、そのスペクトルから結晶構造を求めた。
以下、本発明の有機物の除去方法に用いられる酸化チタン分散液の製造方法を示す。
参考例1
〔酸化チタン粉末の調製〕
オキシ硫酸チタン(「TM結晶」、テイカ社製、外観は白色固体状)3324gをイオン交換水2216gに溶解させて、オキシ硫酸チタン水溶液を調製した。氷冷下、このオキシ硫酸チタン水溶液に31%過酸化水素水3005gを添加して、赤紫色の混合溶液を得た。pH電極と、このpH電極に接続され、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を供給してpHを一定に調整する機構を有するpHコントローラーとを備えた反応容器にイオン交換水4700gを入れた。pHコントローラーのpH設定は4とした。またアンモニア水を供給するときの速度は50mL/分に設定した。この反応容器では、容器内の液のpHが設定値より低くなると、アンモニア水が供給されはじめ、pHが設定値になるまで上記速度にて連続的に供給される。この反応容器に、内容物を158rpmで攪拌しながら、上で得られた混合溶液を50mL/分で添加し、pHコントローラーにより反応容器に供給されるアンモニア水と反応させた。このときの反応温度は、25℃〜55℃の範囲であった。得られた生成物を攪拌しながら1時間保持し、ついで25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を供給して、スラリーを得た。反応容器に供給されたアンモニア水の合計量は3726gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるために必要な量の2倍であった。上のスラリーを濾過し、得られた固形物をイオン交換水で洗浄し、250℃の空気中で5時間乾燥して、酸化チタン前駆体粉末を得た。この酸化チタン前駆体粉末を320℃の空気中で2時間焼成した後、引き続いて340℃の空気中で2時間焼成し、室温まで冷却して、酸化チタン粉末を得た。この酸化チタン粉末の結晶構造はアナターゼ型であった。
〔酸化チタン分散液の調製〕
イオン交換水2305gにシュウ酸二水和物(和光特級試薬)95gを溶解した。得られた水溶液と上記で得た酸化チタン粉末600gを媒体攪拌式分散機(「ダイノーミルKDL−PILOT A型」、シンマルエンタープライゼス社製)に入れ、媒体:直径0.3mmのジルコニア製ビーズ4.2kg、攪拌速度:周速8m/秒、処理液循環:あり、循環液量:8L/時(初回のみ25L/時)、合計処理時間:380分の条件で混合し、媒体(ジルコニア製ビーズ)を分離した後、イオン交換水で希釈して、酸化チタン含有量が10質量%の酸化チタン分散液を得た。得られた分散液中の酸化チタンの平均粒子径は85nm、結晶構造はアナターゼ型であった。
〔酸化チタン膜の形成〕
上記で得た酸化チタン分散液を、縦80mm、横80mm、厚さ3mmのスライド硝子の表面上に塗布し、スピンコーター(「1H−D7」、ミカサ社製)を用いて、300rpmで5秒間、次に500rpmで30秒間回転させて過剰の分散液を取り除いた後、スライド硝子を110℃で乾燥して、スライド硝子の片面全体に酸化チタン膜を形成し、次いでこの酸化チタン膜にブラックライトを光源として用いて光を照射した。
〔酸化チタン膜の光触媒活性評価〕
上記で表面上に酸化チタン膜を形成したスライドガラスを1Lテドラーバックに入れ密封した後、相対湿度約50%の空気600mLをこのテドラーバック内に入れた。その後濃度が400ppmになるように気体状のメタノールを入れた。その後11時間暗所中で保管した後、可視光線の照射を行った。光源としては紫外線カットフィルム(「UV−Guard」、富士写真フィルム社製)を装着した18W蛍光灯(「FL20SSW/18」、日本電気(NEC)社製)を2本用いた。照射した光の分光分布を図1に示す。酸化チタン膜と蛍光灯との距離は4.5cmであった。メタノールの濃度はガスクロマトグラフ装置(「GC−14A」、島津製作所社製、カラムは「PEG6000/TPA」(島津製作所社製))にて測定し、メタノールの完全分解生成物である二酸化炭素の濃度はガスクロマトグラフ装置(「GC−14B」、島津製作所社製、カラムは「Porapak Q」(Waters社製))を用いて測定した。光照射中、温度は室温(約25℃)であった。光照射の開始からのメタノール濃度および二酸化炭素濃度の変化を結果を図2に示す。可視光照射によりメタノールが酸化分解して、二酸化炭素が生成している。
実施例1
携帯型パーソナルコンピューターに組み込まれて使用される直接メタノール型燃料電池(1)の筐体(5)の外表面(1a)に、参考例1で得た酸化チタン分散液(酸化チタン含有量10質量%)を塗布し、乾燥させ、ブラックライトを光源として用いて光を照射して酸化チタン膜として担持する。この燃料電池(1)を携帯型パーソナルコンピューターに組み込むと、クロスオーバーによって燃料電池(1)からメタノールが排出されても、室内光、太陽光などの可視光が照射された環境下で、燃料電池(1)の筐体(5)の外表面(1a)の酸化チタン膜(7)によって、排出されたメタノールが二酸化炭素に酸化分解される。
参考例1の光触媒活性評価で照射した光のスペクトルを示す図である。 参考例1の光触媒活性評価の結果を示す図である。 燃料電池の構成を示す断面模式図である。 本発明の直接メタノール型燃料電池を電源として用いた携帯パソコンの一例を模式的に示す図であり、携帯パソコンを裏面側から見た図である。
符号の説明
1:直接メタノール型燃料電池 1a:外表面
21:アノード電極 22:カソード電極
3:電解質膜
41:アノード側セパレーター 42:カソード側セパレーター
5:筐体 5a:筐体の外表面
6:メタノールタンク
7:携帯機器(携帯パソコン)
A:メタノール〔CH3OH〕 B:酸素〔O2〕(空気)
C:二酸化炭素〔CO2〕 D:水素イオン〔H+
E:水〔H2O〕 I:電流

Claims (2)

  1. 表面に可視光型光触媒を担持してなることを特徴とする直接メタノール型燃料電池。
  2. 直接メタノール型燃料電池から外部に排出されたメタノールを酸化分解する方法であり、
    前記直接メタノール型燃料電池の表面に可視光型光触媒を担持させ、前記メタノールを可視光の照射下に酸化分解することを特徴とする、前記メタノールの酸化分解方法。
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