JP2005201559A - 溶融金属用カバーガスの供給方法 - Google Patents

溶融金属用カバーガスの供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶融金属の酸化、燃焼を防ぐことができ、かつコスト削減が可能となる溶融金属用カバーガスの供給方法を提供する。
【解決手段】 フロロケトンを含むカバーガスを、カバーガス導入部3から溶解炉本体2内に噴射し、その噴射速度を20〜100m/sとする。これによって、カバーガスの流量が低い場合でも、溶解炉本体2内でカバーガスが高速で流れ、いち早くフロロケトンが溶融金属Mの表面を覆うこととなる。このため、溶融金属Mが酸化、燃焼するのを防ぐことができる。従って、カバーガスの流量を低く設定することができ、フロロケトンおよびキャリアガスの供給に要するコストを削減できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マグネシウム、マグネシウム合金などの溶融金属の酸化や蒸発を防止するカバーガスを溶融金属に供給する方法に関する。
マグネシウム、マグネシウム合金等を鋳造等のため溶融させる場合には、溶融金属の酸化や蒸発を防止するため、溶融金属を覆うガス(カバーガス)が用いられる。
上記カバーガスとしては、六フッ化硫黄と、不活性ガスなどのキャリアガスとの混合ガス(六フッ化硫黄濃度は例えば0.2〜0.7容量%)がある。
特許文献1には、材料投入用の開口部を有する溶解炉内の溶融金属に、六フッ化硫黄を含むカバーガスを供給する方法が開示されている。この方法では、カバーガスは、溶解炉内で水平方向に噴射されて溶融金属に供給される。
上記カバーガスを溶融金属に供給する際には、カバーガスの噴射速度が速いと、金属酸化物などからなるドロスの発生量が増加するため、一般に噴射速度は10m/s以下に抑えられる。
上記カバーガスを用いることによって、溶解炉内の酸素濃度を低減し、溶融金属の酸化、燃焼を防止することができる。さらに、六フッ化硫黄と前記金属(マグネシウム等)との反応生成物からなる被膜が溶融金属表面に形成されるため、溶融金属の蒸発を防ぐことができる。
特開平8−143985号公報
上記カバーガスを溶解炉内の溶融金属に供給する際には、材料投入用の開口部から流入した空気により溶融金属が酸化、燃焼するのを防ぐことが重要である。
また、六フッ化硫黄は、温暖化ガス(温暖化係数:23900)に指定されており、環境保全の観点から代替物が求められている。
このため、本出願人は、温暖化係数が低いフロロケトンを含むカバーガスを用いる方法を提案した(特願2003−53306)。
しかしながら、フロロケトンを含むカバーガスは、六フッ化硫黄を含むカバーガスに比べ、溶融金属保護効果(溶融金属の酸化、燃焼、蒸発を防ぐ効果)が低くなりやすい。
フロロケトンを含むカバーガスでは、十分な溶融金属保護効果を得るには、その流量を大きくする必要がある。カバーガスの流量を大きくするには、フロロケトンおよびキャリアガスの供給量を大きくすることが必要となるため、フロロケトンおよびキャリアガスのコスト、およびその供給設備のコストがかさむことになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、溶融金属の酸化、燃焼を防ぐことができ、かつコスト削減が可能となる溶融金属用カバーガスの供給方法を提供することを目的とする。
本発明では、外部に開放された開口部を有する溶解炉本体と、この溶解炉本体内に溶融金属用カバーガスを導入するカバーガス導入部とを備えた溶解炉を用いて、溶融金属用カバーガスを溶解炉本体内の溶融金属に供給する方法であって、前記溶融金属用カバーガスがフロロケトンを含み、この溶融金属用カバーガスを前記カバーガス導入部から溶解炉本体内に噴射し、その噴射速度を20〜100m/sとする溶融金属用カバーガスの供給方法によって、上記課題を解決することができる。
本発明の溶融金属用カバーガスの供給方法では、溶融金属用カバーガスを、前記カバーガス導入部から溶融金属に向けて噴射し、その噴射方向を鉛直方向に対し前記開口部側に傾斜させ、その傾斜角度を5°以上とすることが好ましい。
溶融金属用カバーガスのフロロケトン濃度は、50ppm以上であることが好ましい。
溶融金属用カバーガスは、空気、炭酸ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスのうち少なくとも1種からなるキャリアガスを含むことが好ましい。
本発明は、次に示す効果を奏する。
(1)カバーガスの噴射速度を20〜100m/sとするので、カバーガスの流量が低い場合でも、溶解炉本体内でカバーガスが高速で流れ、いち早くフロロケトンが溶融金属表面を覆うこととなる。このため、溶融金属が酸化、燃焼するのを防ぐことができる。
従って、カバーガスの流量を低く設定することができ、フロロケトンおよびキャリアガスの供給に要するコストを削減できる。
(2)カバーガスを溶融金属に向けて噴射することによって、外部空気が溶融金属に接触するのを阻止することができる。
従って、溶融金属が酸化、燃焼するのを確実に防ぐことができる。また、ドロス発生を抑制することができる。
(3)カバーガスを溶融金属に向けて噴射することによって、カバーガスの流量が低い場合でも外部空気が溶融金属に接触するのを防ぐことができる。
このため、カバーガスの流量をいっそう低く設定することができ、フロロケトンおよびキャリアガスの供給に要するコストを削減できる。
(4)開口部では、溶解炉本体内への外部空気の流入が起こりやすいが、カバーガスの噴射方向を開口部側に傾斜させることによって、開口部からの外部空気流入を阻止することができる。
(5)分解しやすく温暖化効果が低いフロロケトンを用いるので、環境保全の観点で好適である。
図1および図2は、本発明のカバーガス供給方法の一例を実施できる溶解炉を示すものである。
溶解炉1は、溶融金属Mが収容される溶解炉本体2と、溶解炉本体2内にカバーガスを導入するカバーガス導入部3と、溶融金属Mを系外に導出する導出機構4とを備えている。
溶解炉本体2は、溶融金属Mを収容する収容部11と、収容部11の上部開口12の一部を覆う覆い部13と、蓋部14とを備えている。
収容部11は、略直方体状とされている。
覆い部13は、収容部11の一端側に位置する開口部15を除く部分の上部開口12を覆うように形成されている。
図2に示すように、開口部15は、収容部11の一方の側壁11aから他方の側壁11bに至る長方形状とされている。開口部15は、収容部11内への材料投入などの作業に使用できる。
蓋部14は、開口部15に応じた大きさおよび形状とされ、覆い部13の一端部13aに回動自在に取り付けられ、開口部15を開閉自在に閉止するようになっている。
溶解炉本体2は、通常、気密構造でないため、開口部15または上部開口12を通してガスが出入り可能になっている。
カバーガス導入部3は、カバーガスを供給する供給管路21(供給部)と、この供給管路21からのカバーガスを溶解炉本体2内に導入する導入ノズル22とを備えている。
導入ノズル22は、噴射口の内径に応じた噴射速度が得られるようになっており、覆い部13に取り付けられている。
図1に示すように、導入ノズル22は、先端方向に向けて開口部15側(図1では右側)に傾斜した状態とするのが好ましい。
鉛直方向に対する導入ノズル22の傾斜角度Aは、5°以上(好ましくは10°以上)とするのが好適である。
傾斜角度Aをこの範囲とすることによって、開口部15から溶解炉本体2内への外部空気の流入を確実に防ぐことができる。傾斜角度Aが上記範囲未満であると、外部空気が開口部15から溶解炉本体2内に流入しやすくなる。
導入ノズル22の傾斜角度Aは、カバーガスを溶融金属に向けて噴射できるように設定するのが好ましい。例えば図1に示すように、傾斜角度Aは、収容部11の一端側の端壁11cにおける溶融金属の液面位置Bにカバーガスが噴射されるような角度以下に設定するのが好適である。
傾斜角度Aがこの範囲を越えると、溶融金属Mの保護効果が低くなる。
図2に矢印で示すように、導入ノズル22は、水平面内において開口部15のほぼ中央部に向くように設けるのが好ましい。
導入ノズル22の数は、1つまたは複数とすることができる。図示例では、3つの導入ノズル22が設けられている。
複数の導入ノズル22を用いる場合には、少なくとも1つの導入ノズル22が、後述するカバーガス噴射速度を実現できればよい。また、傾斜角度Aなどの条件についても、少なくとも1つの導入ノズル22がその条件を満たせばよい。
なお、開口部15のほかに、溶解炉本体2への外部空気の流入が起こりやすい部分(以下、外部空気流入部という)がある場合には、導入ノズル22を、この外部空気流入部側に傾斜させて形成することができる。外部空気流入部としては、覆い部13と収容部11との隙間が大きい部分を例示できる。傾斜角度は5°以上とするのが好ましい。
これによって、カバーガスの噴射方向を外部空気流入部側に傾斜させ、この外部空気流入部からの外部空気の流入を防ぐことができる。
導出機構4は、収容部11内に設けられたシリンダ31と、シリンダ31に挿入されるピストン32と、シリンダ31内の溶融金属Mを系外に導出する導出管路33とを備えている。
次に、本発明のカバーガス供給方法の一例を説明する。
本発明で使用可能な溶融金属用カバーガスは、フロロケトン(fluorinated ketone)を含む。
フロロケトンは、パーフロロケトン、水素化フロロケトン、またはこれらの混合物であることが好ましい。
パーフロロケトンとしては、炭素数が5〜9であるものが好ましい。
パーフロロケトンとしては、CFCFC(O)CF(CF、(CFCFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF、CFCFC(O)CFCFCF、CFC(O)CF(CF、およびパーフロロシクロヘキサノンからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。すなわち、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
水素化フロロケトンとしては、炭素数が4〜7であるものが好ましい。
水素化フロロケトンとしては、HCFCFC(O)CF(CF、CFC(O)CHC(O)CF、CC(O)CF(CF、CFCFC(O)CH、(CFCFC(O)CH、CFCFC(O)CHF、CFCFC(O)CHF、CFCFC(O)CHCF、CFCFC(O)CHCH、CFCFC(O)CHCHF、CFCFC(O)CHCHF、CFCFC(O)CHCHF、CFCFC(O)CHFCH、CFCFC(O)CHFCHF、CFCFC(O)CHFCHF、CFCFC(O)CFCH、CFCFC(O)CFCHF、CFCFC(O)CFCHF、(CFCFC(O)CHF、(CFCFC(O)CHF、CFCF(CHF)C(O)CHF、CFCF(CHF)C(O)CHF、およびCFCF(CHF)C(O)CFからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。すなわち、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも特に、ペンタフロロエチル−ヘプタフロロプロピルケトン、すなわちC(CO)C(例えばCFCFC(O)CF(CF、CFCFC(O)CFCFCF)を用いるのが好ましい。
フロロケトンは、フロロカルボン酸とグリニャール試薬との反応により合成することができる。
カバーガスのフロロケトン濃度は50ppm以上(好ましくは100ppm以上)が好適である。フロロケトン濃度をこの範囲とすることによって、溶融金属Mの酸化、燃焼、蒸発を確実に防止することができる。
カバーガスのフロロケトン濃度は、1000ppm以下(好ましくは500ppm以下)が好適である。フロロケトン濃度をこの範囲とすることによって、有害物質(COF等)の発生を抑えることができる。なお、ppmは容量基準(μl/l)である。
カバーガスとしては、フロロケトンとキャリアガスとを含む混合ガスを例示できる。
キャリアガスは、空気、炭酸ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスのうち少なくとも1種からなることが好ましい。
カバーガスは、フロロケトンとキャリアガス以外に、他の成分を含んでいてもよい。
この成分としては、酸素(O)を挙げることができる。酸素(O)濃度は、0.4〜10mL/L(好ましくは0.6〜10mL/L)とするのが好適である。
酸素(O)濃度をこの範囲とすることによって、有害物質(例えばパーフロロイソブチレン(PFIB)、COF 、HF等)の生成を抑制し、かつ溶融金属の酸化を防ぐことができる。
マグネシウム、マグネシウム合金等の金属原料を、開口部15から収容部11内に入れ、加熱し溶融させる。収容部11内の温度は、例えば630〜700℃とすることができる。
供給管路21から供給されたカバーガスを、導入ノズル22を通して、収容部11内の溶融金属Mに向けて噴射する。噴射されたカバーガスは溶融金属Mの表面上を流れ、溶融金属Mの表面を覆う。
カバーガスの噴射速度は、20〜100m/s(好ましくは30〜60m/s)とするのが好適である。噴射速度を目的の値に設定するには、当該噴射速度が得られるような噴射口内径を有する導入ノズル22を選択すればよい。
噴射速度をこの範囲とすることによって、外部空気が開口部15または上部開口12から溶解炉本体2内に流入するのを防ぐことができる。
噴射速度が上記範囲未満となると、外部空気が溶融金属Mに接触しやすくなる。また外部空気が開口部15または上部開口12から溶解炉本体2内に流入しやすくなる。
噴射速度が上記範囲を越えると、溶融金属Mの表面が波立ち、被膜の破損などによって溶融金属Mの酸化、燃焼、蒸発が起こりやすくなる。
なお、噴射速度とは、導入ノズル22から噴射されたカバーガスの初速度をいう。
導入ノズル22は、開口部15側に傾斜しているため、カバーガスは、開口部15側に傾斜して噴射される。
開口部15では溶解炉本体2内への外部空気の流入が起こりやすいが、カバーガスによって、開口部15からの外部空気流入が阻止される。
収容部11に供給されたカバーガス中のフロロケトンは、溶融金属M(マグネシウム等)と反応し、MgFなどからなる被膜を溶融金属表面に形成する。この被膜によって、溶融金属の酸化や蒸発を防ぐことができる。
導出機構4では、溶融金属Mの一部がシリンダ31内に流入する。ピストン32を下降させることによって、シリンダ31内の溶融金属Mが導出管路33を通して系外に導出される。
溶解炉本体2から導出された溶融金属Mは、例えば成形装置(ダイキャストマシン)(図示略)において鋳造などにより金属成形品とすることができる。
上記カバーガスの供給方法は、次の効果を奏する。
(1)フロロケトンを含むカバーガスでは、六フッ化硫黄を含むカバーガスを用いる場合に比べ、溶融金属保護効果(溶融金属の酸化、燃焼、蒸発を防ぐ効果)が低くなりやすい。
例えば、フロロケトンを含むカバーガスと、六フッ化硫黄を含むカバーガスとを、噴射速度を10m/sとして比較すると、フロロケトンを含むカバーガスで、六フッ化硫黄を含むカバーガスと同等の溶融金属保護効果を得るには、その流量を大きくする(例えば六フッ化硫黄を含むカバーガスに比べ2.5倍とする)必要がある。
流量を大きくするには、フロロケトンとキャリアガスの供給量を大きくすることが必要となるため、フロロケトンとキャリアガスのコストがかさむことになる。
これに対し、上記供給方法では、導入ノズルの噴射口内径の調整などによりカバーガスの噴射速度を20〜100m/sとするので、カバーガスの流量が低い場合でも、溶解炉本体2内でカバーガスが高速で流れ、いち早くフロロケトンが溶融金属表面を覆うこととなる。
よって、溶解炉本体2内の溶融金属Mが酸化、燃焼するのを防ぐとともに、溶融金属Mの蒸気が外部に放出されて燃焼するのを防ぐことができる。
従って、カバーガスの流量を低く設定することができ、フロロケトンおよびキャリアガスの供給に要するコストを削減できる。
(2)カバーガスを溶融金属Mに向けて噴射することによって、カバーガスが溶融金属Mの表面上を流れ、この表面を直ちに覆うようになる。このため、外部空気が溶融金属Mに接触するのを阻止することができる。
従って、溶融金属Mが燃焼するのを確実に防ぐことができる。また、金属酸化物などからなるドロス発生を抑制することができる。
(3)カバーガスを溶融金属Mに向けて噴射することによって、カバーガスの流量が低い場合でも外部空気が溶融金属Mに接触するのを防ぐことができる。
このため、カバーガスの流量をいっそう低く設定することができ、フロロケトンおよびキャリアガスの供給に要するコストを削減できる。
(4)開口部では、溶解炉本体内への外部空気の流入が起こりやすいが、カバーガスの噴射方向を開口部側に傾斜させることによって、開口部からの外部空気流入を阻止することができる。
(5)分解しやすく温暖化効果が低いフロロケトンを用いるので、環境保全の観点で好適である。
(試験例1)
図1および図2に示す溶解炉1の収容部11内に100kgのマグネシウムを投入し、加熱し溶融させるとともに、次のようにして溶融金属にカバーガスを供給した。
3つの導入ノズル22、すなわち第1〜第3導入ノズル22a、22b、22cのうち、第1導入ノズル22aは、噴射口内径が1.8mmであり、先端が溶融金属Mに向けられている。ノズル22aの中心軸線の傾斜角度Aは20°である。第1導入ノズル22aからのカバーガス噴射速度は約40m/sとした。
第2導入ノズル22bは、噴射口内径が1.8mmであり、先端がシリンダ31近傍に向けられている。第2導入ノズル22bからのカバーガス噴射速度は約7m/sとした。
第3導入ノズル22cは、噴射口内径が4.2mmであり、カバーガス噴射速度は約5m/sとした。
各導入ノズル22からのカバーガス流量はそれぞれ8L/minとした。
カバーガスとしては、フロロケトン0.01容量%(100ppm)、炭酸ガス50容量%、乾燥空気49.99容量%の混合ガスを使用した。フロロケトンとしては、ペンタフロロエチル−ヘプタフロロプロピルケトンを使用した。
上記条件にて溶解炉1を1時間運転した後、開口部15を開放して収容部11内を観察したところ、溶融金属表面のドロス発生量が非常に少ないことが確認できた。
また、開口部15を開放してから溶融金属に着火するまでの時間(着火時間)を測定したところ、1分間を越えたことが確認された。
(試験例2〜9)
第1導入ノズル22aの仕様を変更し、第1導入ノズル22aからのカバーガス噴射速度を変えること以外は上記試験例1と同様にしてドロス発生量および着火時間を確認した。試験結果を表1に示す。
Figure 2005201559
(試験例10)
図3に示す溶解炉を用いて、収容部11内に100kgのマグネシウムを投入し、加熱し溶融させるとともに、溶融金属にカバーガスを供給した。
図3に示す溶解炉は、導入ノズル22に代えて導入ノズル42を備えていること以外は、試験例1で用いた溶解炉1と同様の構成である。
導入ノズル42は2つ設けられ、それぞれ噴射口内径が4.2mmであり、先端が鉛直下方に向けられている。導入ノズル42からのカバーガス噴射速度は9.6m/sとした。
各導入ノズル42からのカバーガス流量はそれぞれ8L/minとした。
カバーガスは、試験例1で用いたものと同様とした。
上記条件にて溶解炉を1時間運転した後、開口部15を開放して収容部11内を観察したところ、溶融金属表面のドロス発生量が試験例1に比べて非常に多いことが確認できた。
また、開口部15を開放してから溶融金属に着火するまでの時間(着火時間)を測定したところ、約30秒間であった。
本発明の溶融金属用カバーガスの供給方法の一例を実施可能な溶解炉の概略構成を示す側面図である。 図1に示す溶解炉の概略構成を示す平面図である。 試験例で使用した溶解炉の概略構成を示す平面図である。
符号の説明
1・・・溶解炉
2・・・溶解炉本体
3・・・カバーガス導入部
22・・・導入ノズル
A・・・傾斜角度

Claims (4)

  1. 外部に開放された開口部を有する溶解炉本体と、この溶解炉本体内に溶融金属用カバーガスを導入するカバーガス導入部とを備えた溶解炉を用いて、溶融金属用カバーガスを溶解炉本体内の溶融金属に供給する方法であって、
    前記溶融金属用カバーガスが、フロロケトンを含み、
    この溶融金属用カバーガスを、前記カバーガス導入部から溶解炉本体内に噴射し、その噴射速度を20〜100m/sとすることを特徴とする溶融金属用カバーガスの供給方法。
  2. 前記溶融金属用カバーガスを、前記カバーガス導入部から溶融金属に向けて噴射し、その噴射方向を鉛直方向に対し前記開口部側に傾斜させ、その傾斜角度を5°以上とすることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属用カバーガスの供給方法。
  3. 溶融金属用カバーガスのフロロケトン濃度が、50ppm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属用カバーガスの供給方法。
  4. 溶融金属用カバーガスが、空気、炭酸ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスのうち少なくとも1種からなるキャリアガスを含むことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の溶融金属用カバーガスの供給方法。
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