JP2005200383A - 育毛料組成物 - Google Patents

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Mio Moriyama
未央 森山
Keiko Sakai
圭子 坂井
Shinichiro Haji
信一郎 土師
Jiro Kishimoto
治郎 岸本
Ritsuko Ehama
律子 江浜
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Abstract

【課題】 優れた育毛効果を有する新規の育毛料組成物の提供。
【解決手段】 本発明は、バーシカンの発現を亢進させることのできるジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、バレリアンオイル、クラリセージオイル、ジメトキシメチルベンゼン、クローブオイル、バジルオイル、ニアウリオイル、グレープフルーツオイル、プチグレインオイル、ヘキシルアルデヒド、ペッパーオイル、シプレスオイル、エレミオイル、ガルバナムオイル、ローズオイル及びゼラニウムオイルから成る群から選ばれる1または複数種の香料を育毛活性成分として含んで成る、育毛料組成物を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明はバーシカンの発現を亢進させる香料を育毛活性成分として含有する育毛料組成物を提供する。
高齢化社会、ストレス社会といわれる現代社会では、頭部毛髪が様々な原因により、脱毛の危機にさらされる機会がますます多くなってきている。これに対応して、より優れた「育毛剤」を提供すべく、様々な試みがなされている。
毛包は皮膚の付属器官の一つで一定の周期をもって常に生え変わり、自己再生を繰り返す能力をもつ器官として特徴付けられる。毛包は皮膚外部に露出したいわゆる毛髪と、皮膚真皮に埋没した毛幹を生み出す元になる毛根鞘や毛母細胞、毛乳頭細胞などから形成されている。発生学的には表皮−真皮の相互作用により毛包原基が形成され、下部方向に表皮が伸長することで毛包は形成される。発生の最終段階として毛幹の伸長は一定期間継続するが、やがて停止し、アポトーシスによって毛根鞘、毛母細胞の部分が退縮に向かう(退行期)。この一連の過程で、真皮奥深くまで伸長していた毛包は表皮近くまで短くなり、毛乳頭のサイズも小さくなる。やがて休止期を経て、再び毛母細胞は活性化され新しい周期の成長期へと向かう。この周期がほぼ一生を通じて繰り返される(毛周期)。
毛包最底部に位置する毛乳頭細胞は毛包の自己再生のために毛包上皮幹細胞に活性化シグナルを送るいわば司令塔の役割を担い、毛包再生に必須とされる。毛周期において休止期から成長期に移行する際、毛乳頭細胞はコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの一種であるバーシカンを特異的に発現することで知られている(Kishimoto et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999), pp. 7336-7341;非特許文献1)。バーシカンの発現は、例えばバーシカンプロモーターの下流に適当なレポーター遺伝子(例えばLacZ遺伝子)を繋いだ発現ベクターを導入したトランスジェニックマウスモデルを利用して調べることができる。
Kishimoto et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999), pp. 7336-7341
本発明は、毛周期において休止期から成長期に移行する際、毛乳頭細胞がバーシカンを特異的に発現することに着目し、バーシカントランスジェニックマウスを利用して育毛効果の薬剤をスクリーニングして育毛効果を有する薬剤を見出すことにある。
本発明者は、特定の香料がバーシカンの発現を亢進させ、育毛効果を有することを見出した。香料が育毛活性を有することは従来技術において全く知られていない、驚くべき事実である。
従って、本発明は、バーシカンの発現を亢進させることのできるジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、バレリアンオイル、クラリセージオイル、ジメトキシメチルベンゼン、クローブオイル、バジルオイル、ニアウリオイル、グレープフルーツオイル、プチグレインオイル、ペッパーオイル、シプレスオイル、エレミオイル、ガルバナムオイル、ローズオイル及びゼラニウムオイルから成る群から選ばれる1または複数種の香料を育毛活性成分として含んで成る、育毛料組成物を提供する。好ましくは、この育毛料組成物は頭皮に塗布して使用する皮膚外用剤である。
好ましくは、上記育毛活性成分はジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、バレリアンオイル、クラリセージオイル又はジメトキシメチルベンゼンである。
好適な態様において、本発明の育毛料組成物は上記育毛活性成分を0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上の量で含む。
本発明は優れた育毛効果を発揮することのできる新規な育毛料組成物を提供する。
本発明の育毛料組成物は育毛活性成分として、バーシカンの発現を亢進する活性を有する香料を含んで成る。バーシカンの発現の亢進は、例えばバーシカンプロモーターの下流にレポーター遺伝子、例えばLacZ遺伝子を繋いだ発現ベクターを導入したトランスジェニックマウスモデル(Kishimoto et al., 前掲)の背部皮膚細胞を用いて調べることができる。簡単には、バーシカン-LacZ トランスジェニックマウスの背部皮膚を採取、裁断し、適当な酵素消化液で処理して細胞懸濁液を調整し、増殖培養を行う。翌日、その培養培地を各種香料を添加した分化培地に交換し、培養を続ける。コントロールとして香料を溶解させる溶媒、陽性コントロールとして既に育毛効果が知られている薬剤、例えばサイクロスポリンをそれぞれ分化培地に添加したものを培養することができる。数日後、細胞を回収してバーシカン発現量を、バーシカンと共に発現しているLacZ活性をレポーターとして用いる例えば化学発光レポーターLacZフローサイトメトリー法により評価することができる。
本発明者は以下の香料がバーシカンの発現を亢進させ、育毛効果を有することを見出した。これらの香料については「香りの百科」(日本香料協会編)を参照のこと。
・ジュニパーオイル
ヒノキ科の常緑樹であるジュニパー(学名 Juniperus communis L)の枝葉を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・ユーカリオイル
フトモモ科に属する常緑の喬木であるユーカリ(学名 Eucalyptus globulusなどのEucalyptus属)の葉から水蒸気蒸留法により採取される精油である。
・タイムオイル
シソ科の多年草であるタイム(学名 Thymus vulgaris L.)の全草から水蒸気蒸留法により採取される精油である。
・ヘプチルアルデヒド
強く重い果実様の香気を持つ無色の液体状の合成香料である。化学式はC714O。
・バレリアンオイル
オミナエシ科の多年生草本であるセイヨウカノコソウ(学名 Valeriana officinalis L.)の根茎を水蒸気蒸留して得られる精油である。また、このバレリアンオイルをさらに特開平10−204473号公報に記載された方法により改質したもの(改質バレリアンオイル)も本発明に用いることができる。同公報に記載の方法で処理することにより、バレリアンオイルの独特の不快な臭気を除去することができる。
・クラリセージオイル
クラリセージ(学名 Salvia sclarea L.)の花穂または全草から水蒸気蒸留法により採取される精油である。
・ジメトシキメチルベンゼン
ハイブリットティ種を代表する現代バラの香気成分。1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン。
・ヘキシルアルデヒド
植物精油中に広く分布する脂肪様グリーン香の無色液体。化学式はC612O。
・クローブオイル
フトモモ科の常緑の喬木であるクローブ(学名 Eugenia caryophyllata または Syzygium aromaticum)の花から水蒸気蒸留法により採取される精油である。
・バジルオイル
シソ科の一年草であるバジル(学名 Ocimum basilicum L.)の地上部全草を水蒸気蒸留して採取される精油である。
・ニアウリオイル
フトモモ科の植物であるニアウリ(学名 Melaleuca quinquenervia)の葉を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・グレープフルーツオイル
ミカン科の常緑樹であるグレープフルーツ(学名 Citrus paradis Macf)の果実から圧搾法により採取される精油である。
・プチグレインオイル
みかん科の植物であるビターオレンジ(学名 Citrus aurantium L. spp amara)やビターオレンジとスィートオレンジの交雑種の葉小枝を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・ペッパーオイル
コショウ科に属する多年生植物であるペッパー(学名 Piper nigrum L.)の漿果を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・シプレスオイル
ヒノキ科の針葉樹であるシプレス(学名 Cypressus sempervirens L)の枝葉を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・エレミオイル
カンラン科カンラン属(Canarium属)の中高木であるエレミが樹皮より浸出する樹脂(オレオジン)を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・ガルバナムオイル
セリ科のFerula galbaniflua および近縁種植物の葉や芽から浸出するゴム状の浸出物を水蒸気蒸留して得られる精油である。
・ローズオイル
キャベッジ・ローズ(学名 Rosa centifolia L)やダマスク・ローズ(学名 Rosa damascena Mill.) などのバラの花から水蒸気蒸留法により採取される精油である。
・ゼラニウムオイル
フウロウソウ科に属する常緑多年生草本であるゼラニウム(学名 Pelargoniumu graveolens、Pelargoniumu radulaなど)の葉および枝を水蒸気蒸留することにより得られる精油である。
以上の香料のうち、ジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、バレリアンオイル、クラリセージオイル及びジメトキシメチルベンゼンがバーシカンの発現量を顕著に高め、しかも細胞増殖阻害が低いという観点から特に好ましい。
本発明においては、上述の香料から1種を選んで用いることも可能であり、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。上記香料の本発明の育毛料組成物における配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.01〜99.9質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.3〜5質量%である。
本発明の育毛料組成物が採り得る剤型は、好ましくは外皮に適用可能な外用剤の剤型、例えば、液状、乳液状、クリーム状、エアゾール状等の剤型を選択することができる。また、本発明の育毛料組成物の形態も任意であり、例えば、トニック、ヘアークリーム、ムース、シャンプー、リンス、乳液、化粧水、パック、エアゾール剤等の形態を採ることができる。本発明の育毛料組成物は外皮に塗布して使用するのが特に好ましい。塗布方法は特に限定されるものではないが、例えば頭皮に1日1回以上、例えば1日1から3回、塗布する皮膚面積に応じて適量、例えば1〜5ml塗布するのが好ましい。
本発明の育毛料組成物においては、必須成分である上記香料に加えて、必要に応じて、かつ本発明の所期の効果を損なわない限り、化粧品、医薬部外品、医薬品等において一般的に用いられる、各種の油性又は水性成分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色剤、各種の薬剤等を配合することができる。
例えば、高級脂肪酸、固形パラフィン、流動パラフィン、シリコーン油、スクワラン、モノオレイン酸グリセリル、オリーブ油、イソプロピルミリステート、高級アルコール等の油分;グリセリン、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、マルチトール、アテロコラーゲン、乳酸ナトリウム等の保湿剤;マルメロ粘質物、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム等の増粘剤;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ビタミンEアセテート、センブリ抽出物、塩化カルプロニウム、アセチルコリン誘導体等の血管拡張剤;セリン、メチオニン、アルギニン等のアミノ酸類;ビタミンB6、ビタミンE類、ビオチン、パントテン酸類等のビタミン類;ニコチン酸、ニコチン酸メチル、ニコチン酸トコフェロール等のニコチン酸エステル類;セファランチン等の皮膚機能亢進剤;エストラジオール等の女性ホルモン剤;グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、アズレン等の消炎剤;ヒノキチオール等の抗菌剤;メントール等の清涼剤;サリチル酸、亜鉛類、乳酸類等;クエン酸等の有機酸類を配合することができる。
また、上記香料以外で育毛作用が認められている、既知の育毛成分、例えばミノキシジル、サイクロスポリンを加えることにより、さらに効果的な育毛効果が本発明の育毛料組成物において期待され得る。本発明の育毛料組成物の具体的処方については、後述する。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下の実施例等で、配合量を表す数値は、特に断わらない限り、配合される対象全体に対する質量%で表される。
育毛効果を有する香料のスクリーニング
育毛効果のある香料をスクリーニングするにあたり、毛周期において休止期から成長期に移行する際に発現する糖タンパクの一種であるバーシカンに着目した実験を行った。この方法により育毛効果のある香料を感度良くスクリーニングすることが可能である。
バーシカンの発現は以下に記載した方法によって調べた。
バーシカン-LacZ トランスジェニックマウスの背部皮膚を採取、裁断し、コラゲナーゼ/デスパーゼ酵素消化液で処理して細胞懸濁液を調製し、マイクロプレートに幡種して37℃、5%CO2の条件下で増殖培養(Keratinocyte-SFM培地(Gibco)+10%FBS)を行った。バーシカン-LacZ トランスジェニックマウスはKishimoto et al(前掲)に記載のとおりにして作製することができる。24時間後、以下の各種香料を最終濃度が0.01%となるように添加した分化培地(ダルベイコ.MEM(Gibco)+10%FBS)に交換し、培養を続けた。
使用した香料は以下のとおりである。
クローブオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0700)
バジルオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0110)
ニアウリオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0920)
グレープフルーツオイル(シャラボー社「Grapefruit 100%」)
ジュニパーオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0600)
ユーカリオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0500)
タイムオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1300)
ヘプチルアルデヒド(和光純薬 084−00143)
ヘキシルアルデヒド(和光純薬 085−02633)
バレリアンオイル(山本香料 Valerian A-WNP)
プチグレインオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1000)
ペッパーオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1100)
シプレスオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0350)
クラリセージオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A01230)
エレミオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0400)
ガルバナムオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0550)
ローズオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1200)
ゼラニウムオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0650)
ジメトキシメチルベンゼン(高砂香料)
シスタスオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0300)
カモミールオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0200)
エルダーオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1250)
ネロリオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0900)
ローレルオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0750)
ラベンダーオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0760)
ミルトルオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0850)
アルモアズオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0100)
パインニードル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1050)
オリバナムオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A0450)
ローズマリーオイル(Biolandes社 Aromatherapy oil A1150)
使用したバレリアンオイルは改質バレリアンオイルとした。改質バレリアンオイルは特開平10−204473号公報に記載のとおりにして、脂肪酸を含有するバレリアンオイルからアルカリ処理にて脂肪酸を除去することで作製したものである(山本香料、Valerian A-WNP)。
コントロールとして香料を溶解させる溶媒に用いたエタノール(最終濃度0.01%)、陽性コントロールとして既に育毛効果が知られているサイクロスポリン(最終濃度5μM)(Sigma C-3662)をそれぞれ分化培地に添加したものを用い、同様にして培養を行った。
72時間後、細胞を回収してバーシカン発現量を測定した。バーシカン発現量はバーシカンと共に発現しているLacZ活性をレポーターとして用いる化学発光レポーターLacZフローサイトメトリー法により評価した。すなわち、トリプシン処理によりマイクロプレートから回収した細胞を増殖培地に再懸濁し、化学発光反応液を添加後、フローサイトメーター(XL−MCL、ベックマン・コールター社製)で化学発光強度を測定し、バーシカン発現量を調べた。
各種香料のバーシカン発現に及ぼす効果を図1に示した。
縦軸上部側にコントロールでの活性を0、陽性コントロールであるサイクロスポリンの活性を100とした場合の相対活性値を示し(べた塗り棒)、下部側に細胞増殖阻害傾向(毒性)を同様の相対値で示した(白抜き棒)。
図1から明らかな様にクローブオイル、バジルオイル、ニアウリオイル、グレープフルーツオイル、ジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、バレリアンオイル、プチグレインオイル、ペッパーオイル、シプレスオイル、クラリセージオイル、エレミオイル、ガルバナムオイル、ローズオイル、ゼラニウムオイル、ジメトキシメチルベンゼンにコントロールに比べてバーシカン発現を増加させる効果が確認され、育毛促進効果があることを見出した。特にジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ジメトキシメチルベンゼン、バレリアンオイル及びクラリセージオイルはバーシカン発現量を顕著に高めながらも細胞増殖阻害活性が低く、皮膚外用剤等としての使用に適するものと考えられた。
C3Hマウス塗布試験による発毛・育毛効果の確認
上記のバーシカン発現実験で効果の認められた香料のうち代表的な3種類の香料である改質バレリアンオイル、クラリセージオイル、ユーカリオイルについてC3Hマウスを用いた塗布発毛試験を実施し、発毛・育毛効果を確認した。
試験は1群3匹の8週齢の雄性C3H/HeSlcjマウス(日本SLC)を用い、背部毛を約2×4cmの大きさに電気バリカンを用いて毛刈りし、エタノールに香料を10%濃度となるように溶解した試験試料を塗布した。陽性コントロールとしては既に育毛効果を有することの知られているミノキシジル(3.5%濃度)を、そしてコントロールとしては溶媒として用いたエタノールを塗布した。試験試料は1日1回塗布し、24日後、30日後の、毛刈り部位と発毛部位の面積を目視で測定し、毛刈り部位の面積に対する発毛部位の面積の%を求めた。評価は−(発毛なし),±(発毛面積10%以下程度)、+(30%程度)、2+(50%程度)、3+(80%以上)の5段階評価で行った。結果を表1に示した。
Figure 2005200383
表1から明らかな様に、3種類の香料全てで24日目から陽性コントロール以上の発毛が観察され、改質バレリアンオイル、クラリセージオイル、ユーカリオイルの発毛・育毛効果が確認された。
処方例1:香料組成物
本発明に係る育毛効果を発揮する香料を配合した香料組成物の例を示す。
配合成分 %
ベルガモット 12
ジヒドロミルセノール 1.2
リナロール 2
シス-3-ヘキセノール 0.2
シス-ジャスモン 0.016
レモン 4
トリプラール 0.04
シトロネロール 0.4
フェニルエチルアルコール 0.8
リリアール 0.8
リラール 0.2
イソEスーパー(商標) 2
ベンジルアセテート 0.2
ヘリオナール 0.4
エチレンブラシレート 1.6
ヘディオン 8
インドール 0.04
改質バレリアンオイル(本発明に係る香料) 60
ジプロピレングリコール 残余
計 100
処方例2:ヘアローション
処方例1の香料組成物を賦香したヘアローションの処方例を示した。
配合成分 %
エタノール 75
β-グリチルレチン酸 0.1
ニコチン酸アミド 0.05
L-メントール 0.2
1,3-ブチレンアルコール 1
トリオクタノイン 0.5
デシルテトラデシルジメチルアミンオキシド 1.6
イソステアリンアルコール 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
処方例1の香料組成物 0.5
DL-リンゴ酸 0.04
ラウリル硫酸ナトリウム 0.06
精製水 残余
計 100
処方例3:育毛料
処方例1の香料組成物を賦香した育毛料の処方例を示した。
配合成分 %
エタノール 60
ジプロピレングリコール 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
乳酸 適量
乳酸ナトリウム液 適量
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL-α-トコフェロール 0.1
L-メントール 0.2
色素 適量
処方例1の香料組成物 0.5
精製水 残余
ヘアローション連用試験による育毛効果の確認
20代前半の女性29名の協力を得て、2ヶ月間のヘアローション連用試験を実施し、本発明に係る育毛料組成物の育毛効果をヒト試験で検証した。
被験者を2群に分け、香料あり群(n=15)名には処方例1に示した香料組成物を0.5%濃度となるように賦香したヘアローション(処方例2)を、コントロール群(香料なし群:n=14)にはヘアローション(処方例2)から香料を抜去したものを、それぞれ2ヶ月間、毎日朝晩2回頭皮に適量(3〜4mL/日)を塗布させた。
連用試験開始直前と2ヶ月連用後に被験者の毛髪のなかで休止期にある毛髪を計測し、連用前後の休止期毛率を比較することで、育毛効果を調べた。
すなわち、被験者の頭頂部左右2箇所に7 x 7mmのエリアを設定し、エリア内にある毛髪を刈り込んでマイクロスコープ写真撮影を行ない、2日後に再び同一エリアをマイクロスコープ写真撮影して前回撮影した写真と比較分析し、毛髪の伸長が0.4mm(1日当たり2mmx2日間)以下の毛髪を休止期毛と判定して、エリア内の総毛髪数当たりの休止期毛数を算出して休止期毛率とした。計測するエリアを2ヶ月間の連用前後で全く同一箇所となる様に設定し、同一の毛髪群(左右合計約200本)に対して連用前後での休止期毛率の変化を調べた。
結果を図2に示した。図2から明らかな様に、コントロール群(香料なし群)では連用前に比べて約2.5%休止期毛率が増加したが、香料あり群では逆に休止期毛率が約1%減少しており、本発明の香料が休止期にある毛髪を減少させて成長期にある毛髪を増加させることが確認され、本発明に係る香料の育毛効果が実証された。
処方例4:ヘアローション
本発明の育毛効果香料組成物を賦香したヘアローションの処方例を示した。

エタノール 75
β−グリチルレチン酸 0.1
ニコチン酸アミド 0.05
ソフォラエキス 0.5
ニコチン酸ベンジル 0.01
パントテニールエチルエーテル 0.2
ビタミンE誘導体 0.1
L−メントール 0.2
1,3−ブチレンアルコール 1
トリオクタノイン 0.5
デシルテトラデシルジメチルアミンオキシド 1.6
イソステアリンアルコール 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
処方例1の香料組成物(本発明香料) 0.5
DL−リンゴ酸 0.04
ラウリル硫酸ナトリウム 0.06
精製水 残余
計 100
処方例5:育毛料
本発明の育毛効果香料組成物を賦香した育毛料の処方例を示した。

エタノール 60
ジプロピレングリコール 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
乳酸 適量
乳酸ナトリウム液 適量
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
センブリエキス 0.1
オタネニンジンエキス 0.5
塩酸ピリドキシン 0.1
ヒノキチオール 0.01
酢酸DL-α-トコフェロール 0.1
L−メントール 0.2
色素 適量
処方例1の香料組成物(本発明香料) 0.5
精製水 残余
本発明により優れた育毛効果を有する新規の育毛料組成物が提供される。
各種香料のバーシカン発現に及ぼす効果。 ヘアローション連用前後での休止期毛率の変化。

Claims (5)

  1. ジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、バレリアンオイル、クラリセージオイル、ジメトキシメチルベンゼン、クローブオイル、バジルオイル、ニアウリオイル、グレープフルーツオイル、プチグレインオイル、ペッパーオイル、シプレスオイル、エレミオイル、ガルバナムオイル、ローズオイル及びゼラニウムオイルから成る群から選ばれる1または複数種を育毛活性成分として含んで成る、育毛料組成物。
  2. 前記育毛活性成分がジュニパーオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ヘプチルアルデヒド、バレリアンオイル、クラリセージオイル又はジメトキシメチルベンゼンである、請求項1記載の育毛料組成物。
  3. 改質バレリアンを育毛活性成分として含んで成る、育毛料組成物。
  4. 前記育毛活性成分を0.01質量%以上の量で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の育毛料組成物。
  5. 皮膚外用剤である、請求項1〜4のいずれか1記載の育毛料組成物。
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