JP2005200314A - ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高収率である、操作性に優れる、高い光学純度が得られる等の特徴を有するヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体およびその塩の工業的製造方法を提供する。
【解決手段】コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体とアミノスルホン酸誘導体とを、有機塩基存在下、混合酸無水物法により、ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体を製造する方法において、α−ポリアルキル置換カルボン酸ハロゲン化物を用いることを特徴とする製造方法、、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸、またはその光学異性体等の精製方法、およびこれらの方法を用いた5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸、またはその光学異性体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体とアミノスルホン酸誘導体とを、有機塩基存在下、混合酸無水物法により、ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体を製造する方法において、α−ポリアルキル置換カルボン酸ハロゲン化物を用いることを特徴とする製造方法、、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸、またはその光学異性体等の精製方法、およびこれらの方法を用いた5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸、またはその光学異性体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、医薬等として有用なヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体およびその塩の製造方法に関するものである。
下記一般式IまたはIIで表されるヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体およびその薬理学的に許容される塩は、リポ多糖類(LPS)抑制作用を有し、敗血症、多臓器不全、慢性関節リウマチ、クローン病、悪液質、重症筋無力症、全身性エリトマトーデス、喘息、I型糖尿病、乾癬、その他自己免疫疾患、炎症性疾患等の疾患の予防・治療に有用である(特許文献1参照)。
[式中、Xは水素または水酸基の保護基を示し、
R1は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員環含窒素ヘテロ環を表す。〕を示し、
R2は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを示し、
YはO、NR7(R7はR2と同義)、またはSを示し、
nは1〜6のいずれかの整数を示し、
R3は水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシルオキシ、カルバモイル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ基を示し、
R4はOR8(R8は水素、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルを表す。)、またはNR10R11[R10およびR11は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素、低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはアリールを示し、またはR10およびR11は隣接する窒素原子と一緒になって置換されていてもよいヘテロ環を形成してもよい。]で表される基を示し、
前記のアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アリール、ヘテロアリールは置換基を有していてもよい。]
R1は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員環含窒素ヘテロ環を表す。〕を示し、
R2は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを示し、
YはO、NR7(R7はR2と同義)、またはSを示し、
nは1〜6のいずれかの整数を示し、
R3は水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシルオキシ、カルバモイル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ基を示し、
R4はOR8(R8は水素、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルを表す。)、またはNR10R11[R10およびR11は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素、低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはアリールを示し、またはR10およびR11は隣接する窒素原子と一緒になって置換されていてもよいヘテロ環を形成してもよい。]で表される基を示し、
前記のアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アリール、ヘテロアリールは置換基を有していてもよい。]
[式中、Xは水素または水酸基の保護基を示し、
R1は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員環含窒素ヘテロ環を表す。〕を示し、
R2は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを示し、
R12は天然または天然以外のα−アミノ酸の特性基であり、ここで存在する官能基は保護されていてもよく、
R6は水素、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルを示し、
Zは炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはナフタレンを示し、
前記のアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アリール、ヘテロアリールは置換基を有していてもよい。]。
R1は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員環含窒素ヘテロ環を表す。〕を示し、
R2は水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを示し、
R12は天然または天然以外のα−アミノ酸の特性基であり、ここで存在する官能基は保護されていてもよく、
R6は水素、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルを示し、
Zは炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはナフタレンを示し、
前記のアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アリール、ヘテロアリールは置換基を有していてもよい。]。
また、下記一般式IIIで表される化合物、またはその立体異性体、並びに製薬学的に許容される塩および溶媒和物は、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害活性を示し、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病疾患、角膜潰瘍、各種水疱症、難治性皮膚潰瘍、創傷、骨粗鬆症、癌転移などに有用であることが知られている(特許文献2参照)。
(式中、R1は、水素、水酸基、アリール(C1-C6)アルキレン基または-A-SOn-B基(Aは、(C1-C6)アルキレン基を表し、Bは、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アシル基、アリール基またはヘテロサイクリル基を表し、nは0,1または2のいずれかの数を表す。)を表し、R2は、水素、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルキルオキシ基または(C1-C6)アルキルチオ基を表し、R3及びR4 は、同一又は異なって、水素、(C1-C6)アルキル基、アリール基またはアリール(C1-C6)アルキレン基を表し、R5は-Y-C基またはC基(Yは(C1-C6)アルキレン基、酸素、イミノ基、(C1-C6)アルキレンイミノ基を表し、Cはスルホン酸基、ホスホン酸基、アミジノ基、(C1-C6)アシル基、アシルイミドイル基、ジホスホノメチン基、ジカルボキシメチン基を表す。)を表し、R6は、水素、未置換又は置換のベンジル基、トリアルキルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、テトラヒドロピラニル基またはtert-ブチル基を表す。)。
これらの化合物は、通常、段階的に炭素骨格を構築した後、最終段階でカルボン酸をヒドロキサム酸に変換させることにより製造される。しかしながら、分子内にスルホン酸基を有する化合物の場合は多段階工程からなること、遊離のスルホン酸基の影響のためヒドロキサム酸への変換が効率よく進まないこと、およびスルホン酸セシウム塩等の吸湿性中間体を経るため操作が煩雑なことなどから、工業的製造方法としては収率面、コスト面、操作面などに改良の余地がある。
ところで、特許文献1には、ヒドロキサム酸の部分構造を有するコハク酸誘導体(コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体)のカルボキシル基と、スルホン酸基を有するアミン化合物(アミノスルホン酸誘導体)のアミノ基とを縮合させるヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体の製造方法が記載されている。しかしながら、本発明者らの検討により、カルボジイミド法、活性エステル法またはクロロギ酸イソブチルを用いた混合酸無水物法などのペプチド合成に常用されている方法を用いて両者を縮合させようとすると、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体の分子内縮合反応が分子間の縮合反応に優先するため、コハク酸イミド誘導体が主生成物として得られ、目的とするヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体は副生成物としてしか得られないことが明らかとなった。
また、ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体は、複数の不斉炭素を有しており、医薬として用いるには光学純度の高い化合物を製造する必要がある。例えば、好ましい光学活性のコハク酸系ヒドロキサム酸誘導体の一つである4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸は、特許文献3記載の方法により3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸から製造することができる。ところで、特許文献3に記載されている3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸は2位に関する3:2のジアステレオマー混合物であるため、この混合物から3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸を分離しなければならない。しかしながら、この効率的な方法は知られていない。
国際公開第02/006214号パンフレット
国際公開第96/033968号パンフレット
特表平10−504821号公報
本発明は、高収率である、操作性に優れる、高い光学純度の目的物が得られる等の特徴を有するヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体およびその塩の工業的製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討したところ、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体のカルボキシル基とアミノスルホン酸誘導体のアミノ基との縮合反応に、ペプチド形成反応に常用されているハロギ酸エステルに代えてα−ポリアルキル置換カルボン酸の酸ハロゲン化物を用いると、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体の分子内縮合反応が抑えられ、ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体が主生成物として得られることを見出した。
さらに、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体の原料の一つである3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸のジアステレオマー混合物を環式炭化水素基を有するアミンとの塩とした後に結晶化して分離すると、効率的に3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸が得られること、および得られた3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸から製造される4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸を環式炭化水素基を有するアミンとの塩とした後に結晶化させることにより、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸を効率的に精製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体とアミノスルホン酸誘導体とを、有機塩基存在下、混合酸無水物法によりヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体を製造する方法において、α−ポリアルキル置換カルボン酸ハロゲン化物を用いることを特徴とする方法、3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸のジアステレオマー混合物を環式炭化水素基を有するアミンと混合して環式炭化水素基を有するアミンとの塩を生成させ、その塩を結晶化させて採取する工程を含むことを特徴とする3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸またはその光学異性体の分離方法、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸と環式炭化水素基を有するアミンとを混合して、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸と環式炭化水素基を有するアミンとの塩を生成させ、その塩を結晶化させて採取する工程を含むことを特徴とする4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸またはその光学異性体の精製方法、およびこれらの方法を用いた5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸、またはその光学異性体の製造方法、に存する。
本発明に係る製造方法は、ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体を収率よく製造することができる、中間体の物性が良好なため操作性に優れる、得られるヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体の光学純度が高い等の特徴を有しており、工業的製造方法として優れている。
本明細書において用いる置換基の意味は以下のとおりである。
アルキルとは、炭素数1〜10の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル等が挙げられる。
低級アルキルとは、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチルおよびn−ヘキシル等が挙げられる。
シクロアルキルとは、炭素数3〜7のシクロアルキルを意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
アルケニルとは、炭素数2〜6のアルケニルを意味し、例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。
アリールとは、フェニル、ナフチルまたは8〜10個の環原子を有し少なくとも一つの環が芳香環であるオルト融合した2環系の環(例えばインデニル等)を意味する。
ヘテロアリールとは、1〜4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄)を有する5〜6員環基または8〜10個の環原子を有するオルト融合した2環系ヘテロアリールもしくはその部分水素化ヘテロアリールを意味し、例えば、フリル、チエニル、1,2,5−オキサチアジニル、1,2,6−オキサチアジニル、チアナフテニル、イソチアナフテニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル等が挙げられる。
アリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびシクロアルキルアルキルのアルキル部は、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキレンである。
アルコキシとは、炭素数は1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシを意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシおよびヘキシルオキシ等が挙げられる。
アシルオキシとは、炭素数2〜6の直鎖状または分枝鎖状のアシルオキシを意味し、例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ピバロイルオキシおよびヘキサノイルオキシ等が挙げられる。
アリールアルキルとしては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル、3−(1−ナフチル)プロピル、3−(2−ナフチル)プロピル等が挙げられる。
ヘテロアリールチオアルキルとしては、例えば、2−フリルチオメチル、2−チエニルチオメチル等が挙げられる。
アリールチオアルキルとしては、例えば、フェニルチオメチル、1−ナフチルチオメチル、2−ナフチルチオメチル等が挙げられる。
アルキルチオアルキルとしては、例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチル、n−プロピルチオメチル、イソプロピルチオメチル、n−ブチルチオメチル、イソブチルチオメチル、sec−ブチルチオメチル、tert−ブチルチオメチル等が挙げられる。
アリールアルキルチオアルキルとしては、例えば、ベンジルチオメチル、フェネチルチオメチル等が挙げられる。
フタルイミドアルキルとしては、例えば、フタルイミドメチル、2−フタルイミドエチル等が挙げられる。
ヘテロアリールアルキルとしては、例えば、2−フリルメチル、2−チエニルメチル、2−フリルエチル、2−チエニルエチル、2−フリルプロピル、2−チエニルプロピル等が挙げられる。
シクロアルキルアルキルとしては、例えば、シクロプロピルメチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル等が挙げられる。
なお、アリールまたはヘテロアリールは、例えば、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、低級アルキル(但し、アリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキルのアルキル部に置換することはない)、アルコキシ、アルキルチオ、ホルミル、アシルオキシ、オキソ、フェニル、アリールアルキル、−COORa(Ra は低級アルキル、アリールアルキルまたはアリールを示す)で表される基、カルバモイル、アリールアルキルオキシアルキル等から選ばれる1個以上の置換基により置換されていてもよい。
本発明で用いるコハク酸系ヒドロキサム酸誘導体は、一方のカルボキシル基が水酸基が保護されていてもよいヒドロキサム酸基(−CONHOH)のコハク酸誘導体であり、例えば、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
[式中、Xは、水酸基の保護基を表し、
R1は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員窒素含有ヘテロ環を表す。〕を表し、
R2は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを表す。なお、本一般式における記号は、前記一般式I、IIおよびIIIの記号と無関係である。以下、本明細書において同じ。]。
R1は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員窒素含有ヘテロ環を表す。〕を表し、
R2は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを表す。なお、本一般式における記号は、前記一般式I、IIおよびIIIの記号と無関係である。以下、本明細書において同じ。]。
R1におけるXは、ヒドロキサム酸の水酸基の保護基として知られている任意のものであり、例えば、ベンジルおよびp−メトキシベンジル等の置換または無置換のベンジル;トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリルおよびtert−ブチルジフェニルシリル等のシリル;tert−ブチルならびに2−テトラヒドロピラニル等が挙げられる。
R1における−(CH2)l−AのAとしては、炭素原子に窒素原子で結合しているN−ヘテロ環であり、例えば、以下のものが挙げられる。
[式中、R’およびR’’はそれぞれ水素または一体となって二重結合を形成し、R’’’は水素、低級アルキルまたはフェニルを表し、Pは−CO−、−CH2−、−CH(低級アルキル)−、−C(低級アルキル)2−、−NH−、−N(低級アルキル)−または−O−を表し、Qは−O−、−NH−または−N(低級アルキル)−を表す]。
N−ヘテロ環としては、上記式(i)〜(iii)で表されるものが好ましい。
式(i)で表されるN−ヘテロ環としては、例えば、2−オキソ−1−ピロリジニル等が挙げられる。
式(ii)で表されるN−ヘテロ環としては、例えば、2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル等が挙げられる。
式(iii)で表されるN−ヘテロ環としては、1,2−ジメチル−3,5−ジオキソ−1,2,4−トリアゾリジン−4−イル、3−メチル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジニル、3,4,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジニル、2−メチル−3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジン−4−イル、3−メチル−2,4,5−トリオキソ−1−イミダゾリジニル、2,5−ジオキソ−3−フェニル−1−イミダゾリジニルおよび2,6−ジオキソピペリジノ等が挙げられる。
これらのうち、式(ii)または(iii) で表されるヘテロ環、特に1,2−ジメチル−3,5−ジオキソ−1,2,4−トリアゾリジン−4−イル、3−メチル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジニルまたは3,4,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジニルが好ましい。
一般式(A)で表されるコハク酸系ヒドロキサム酸誘導体としては、例えば、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸および4−メチル−2(R)−{2−(2−ナフチル)−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸、ならびにこれらの光学異性体等が挙げられる。
なお、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体は、特許文献1記載の方法により製造することができる。
好ましいコハク酸系ヒドロキサム酸誘導体の一つである4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸の原料の3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸は、その2位に関するジアステレオマー混合物を環式炭化水素基を有するアミンとの塩とした後、結晶化させ、これを採取することにより、効率よくジアステレオマー混合物から分離することができる。
環式炭化水素基を有するアミンとしては、シクロヘキシルアミン等の炭素数5〜7のシクロアルキルアミン;ジシクロヘキシルアミン等の総炭素数10〜14のジシクロアルキルアミン;ジベンジルアミン等のジアリールアルキルアミンなどが挙げられる。
環式炭化水素基を有するアミンとの塩は、ジアステレオマー混合物である3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸と上記環式炭化水素基を有するアミンとを、有機溶媒中で混合することにより製造することができる。
有機溶媒としては、n−ヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素;酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチル等の脂肪酸エステル;ジイソプロピルエーテル、THFおよび1,4−ジオキサン等のエーテル;メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコール等のアルコールなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
通常、等モルのジアステレオマー混合物と環式炭化水素基を有するアミンとを混合する。反応温度および時間は、用いる溶媒や試薬量に応じて、適宜、定めればよい。
次いで、反応液を濃縮、冷却するか、または反応液に貧溶媒を滴下するなどの常用の結晶化処理を施して、3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸と環式炭化水素基を有するアミンとの塩を析出させ、これを分離する。なお、この反応液に実質的に純粋な3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸と環式炭化水素基を有するアミンとの塩の結晶を接種して、3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸と環式炭化水素基を有するアミンとの塩を優先的に晶出させるのが好ましい。実質的に純粋な3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸と環式炭化水素基を有するアミンとの塩の結晶は、遊離カルボン酸のジアステレオマー混合物を高速液体クロマトグラフィー等の公知の方法で分離した後、環式炭化水素基を有するアミンを用いて造塩することにより得ることができる。
得られた3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸と環式炭化水素基を有するアミンとの塩を酸処理することにより得られた遊離カルボン酸から、特許文献1に記載された方法により、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸を製造することができる。
なお、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸は、環式炭化水素基を有するアミンと混合して塩を生成させた後、これを結晶化させて採取し、さらに常法の酸処理を施すことにより精製することができる。
アミノスルホン酸誘導体は、分子内にアミノ基とスルホン酸基を有する任意の化合物であり、例えば、下記一般式(B)で表される化合物が挙げられる。
[式中、Yは、−(CH2)n−、−O(CH2)n−、−NR5(CH2)n−または−S(CH2)n−を表し、
nは、0〜6のいずれかの整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン〔フッ素、塩素、臭素、ヨウ素〕、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アシルオキシまたはカルバモイルを表し、
R4は、OR6、またはNR7R8を表し、
R5は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを表し、
R6は、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキルを表し、
R7およびR8は、それぞれ独立して水素、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルもしくはアリールを表すか、またはR7、R8および窒素原子が一緒になって置換されていてもよいヘテロ環を表し、
Zは水素または薬理学上許容される塩を形成するアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機塩基を表す。]。
nは、0〜6のいずれかの整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン〔フッ素、塩素、臭素、ヨウ素〕、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アシルオキシまたはカルバモイルを表し、
R4は、OR6、またはNR7R8を表し、
R5は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを表し、
R6は、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキルを表し、
R7およびR8は、それぞれ独立して水素、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルもしくはアリールを表すか、またはR7、R8および窒素原子が一緒になって置換されていてもよいヘテロ環を表し、
Zは水素または薬理学上許容される塩を形成するアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機塩基を表す。]。
一般式(B)において、Zのアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウムおよびカリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウムおよびマグネシウム等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、モルホリン、ピペリジン、トリエタノールアミンおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタン等が挙げられる。また、天然α−アミノ酸としては、例えば、アラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジンおよびアルギニン等が挙げられる。
一般式(B)で表されるアミノスルホン酸誘導体としては、O−3−スルホメチル−L−チロシン N−メチルアミド、O−3−スルホエチル−L−チロシン N−メチルアミド、O−3−スルホプロピル−L−チロシン N−メチルアミド、O−3−スルホブチル−L−チロシン N−メチルアミドおよびO−3−スルホプロピル−L−チロシン N−フェニルアミド、ならびにこれらの光学異性体等が挙げられる。
他のアミノスルホン酸誘導体としては、下記一般式(C)で表される化合物も用いることができる。
[R9は、官能基が保護されていてもよい天然または天然以外のα−アミノ酸の特性基を表し、
R10は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキルを表し、
Y’は、炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはナフチレンを表す。]
一般式(C)において、R9における天然または天然以外のα−アミノ酸の特性基とは、H2N−CH(R)−COOHの天然または天然以外のα−アミノ酸中の基Rをいう。
R10は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキルを表し、
Y’は、炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはナフチレンを表す。]
一般式(C)において、R9における天然または天然以外のα−アミノ酸の特性基とは、H2N−CH(R)−COOHの天然または天然以外のα−アミノ酸中の基Rをいう。
天然のα−アミノ酸から誘導される特性基は以下のとおりである(括弧内に対応するアミノ酸を示す。)。:水素(グリシン)、メチル(アラニン)、イソプロピル(バリン)、イソブチル(ロイシン)、ベンジル(フェニルアラニン)、p−ヒドロキシベンジル(チロシン)、ヒドロキシメチル(セリン)、メルカプトメチル(システイン)、1−ヒドロキシエチル(スレオニン)、2−メチルチオエチル(メチオニン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、2−カルボキシエチル(グルタミン酸)、2−インドリルメチル(トリプトファン)、4−イミダゾリルメチル(ヒスチジン)、4−アミノブチル(リジン)、3−グアニジノプロピル(アルギニン)。
また、天然以外のα−アミノ酸から誘導される特性基の以下のとおりである(括弧内に対応する天然以外のアミノ酸を示す。)。:エチル(α−アミノ−n−酪酸)、n−プロピル(α−アミノ−p−ペンタン酸)、n−ブチル(α−アミノ−ネオヘプタン酸)、 n−ヘプチル(α−アミノ−n−ノナン酸)、 シクロヘキシルメチル(シクロヘキシルアラニン)、 フェニル(α−アミノ−フェニル酢酸)、2−フェニルエチル(ホモフェニルアラニン)、1−ナフチル(α−アミノ−1−ナフチル酢酸)、2−ナフチル(α−アミノ−2−ナフチル酢酸)、フェネチル(α−アミノ−3−フェニル酢酸)、α−メチルベンジル(β−メチルフェニルアラニン)、α,α−ジメチルベンジル(β,β−ジメチルフェニルアラニン)。
R9に存在する反応性官能基は、ペプチド化学において知られている保護基を有していてもよい。アミノ基の保護基としては、例えば、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル基およびフタルイミド基が挙げられる。カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチル、エチル、tert−ブチルおよびベンジルが挙げられる。水酸基の保護基としては、例えば、tert−ブチル、ベンジル、テトラヒドロピラニルエーテルおよびアセテート等が挙げられる。メルカプト基の保護基としては、例えば、 tert−ブチル、ベンジル等が挙げられる。
一般式(C)で表されるアミノスルホン酸誘導体としては、例えばL−フェニルアラニン N−スルホメチルアミド、L−フェニルアラニン N−スルホエチルアミド、L−フェニルアラニン N−スルホプロピルアミド、L−フェニルアラニン N−スルホブチルアミドおよびL−フェニルアラニン N−スルホペンチルアミド、ならびにこれらの光学異性体等が挙げられる。
本発明に係る製造方法は、コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体とアミノスルホン酸誘導体とを、α−ポリアルキル置換カルボン酸ハロゲン化物を用いた混合酸無水物法により縮合させることを特徴とする。
α−ポリアルキル置換カルボン酸は、混合酸無水物法によるペプチド形成反応に用いられることが知られているものであれば、任意である。このようなα−ポリアルキル置換カルボン酸としては、例えば、ジエチル酢酸、トリメチル酢酸(ピバル酸)等が挙げられる。また、ハロゲン化物としては塩化物が好ましい。
縮合反応は、通常、有機塩基の存在下で行われる。縮合反応に用いる塩基は、混合酸無水物法によるペプチド形成反応に用いられることが知られているものであれば、任意である。このような有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンおよびジイソプロピルエチルアミン等の脂肪族アミン;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンおよび4−ピロリジノピリジン等の複素芳香族アミンなどが挙げられる。これらのうち、脂肪族アミン、特にN−メチルモルホリンまたはジイソプロピルエチルアミンが好ましい。なお、有機塩基は、単独で用いても2種以上を併用してもよく、複数を併用するのが好ましい。
反応溶媒は、縮合反応に悪影響を与えないものであれば任意である。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性溶媒が挙げられる。反応溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応温度、反応時間等は、反応に供するコハク酸系ヒドロキサム酸誘導体、アミノスルホン酸誘導体、α−ポリアルキル置換カルボン酸、有機塩基または反応溶媒に応じて、適宜、定めればよい。通常は、−15℃〜室温、好ましくは−10℃〜0℃で、10分〜1日間、好ましくは5時間〜15時間である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、1H−NMRは270MHzまたは300MHzで測定した。1H−NMRのケミカルシフトは、内部標準としてテトラメチルシランを用い、相対的なデルタ(δ)値をppmで表した。カップリング定数は自明な多重度をヘルツ(Hz)で示し、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、m(マルチプレット)、dd(ダブレット オブ タブレッツ)、br s(ブロードシングレット)等と表した。下記略記号は次のものを意味するものとして本実施例などにおいて用いたものである。
DMSO:ジメチルスルホキシド、IPE:ジイソプロピルエーテル、IPA:イソプロピルアルコール、tBuOK:カリウム tert−ブトキシド、HOBt・H2O:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物、WSCI・HCl:1−[3−( ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩、DIPCI:ジイソプロピルカルボジイミド、DMC:2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム クロリド、THPONH2:O−テトラヒドロピラニルヒドロキシルアミン、NMM:N−メチルモルホリン、iPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン、Pd−C:パラジウム炭素。
DMSO:ジメチルスルホキシド、IPE:ジイソプロピルエーテル、IPA:イソプロピルアルコール、tBuOK:カリウム tert−ブトキシド、HOBt・H2O:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物、WSCI・HCl:1−[3−( ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩、DIPCI:ジイソプロピルカルボジイミド、DMC:2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム クロリド、THPONH2:O−テトラヒドロピラニルヒドロキシルアミン、NMM:N−メチルモルホリン、iPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン、Pd−C:パラジウム炭素。
(アミノスルホン酸誘導体の製造)
製造例1
O−3−スルホプロピル−L−チロシン N−メチルアミド 一水和物
特許文献1記載の方法により合成したNα−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシン N−メチルアミド(100.00g、0.34mol)をTHF(1500mL)に懸濁させた溶液を、約40℃で加熱溶解後、氷浴で4℃に冷却した。得られた溶液にtBuOK(40.03g、0.36mol)をTHF(1250mL)に溶かした溶液を15分間かけて滴下し、さらに同温で1時間撹拌した。得られた白色懸濁液に同温で1,3−プロパンスルトン(45.64g、0.37mol)をTHF(250mL)に溶かした溶液を5分間かけて加えた後、氷浴をはずし20℃で5.5時間撹拌することにより乳白色のゲル状混合物が得られた。
次に、得られたゲル状混合物に、水冷下6mol/L塩酸(300mL)を加えた後、50℃に加熱し1.5時間撹拌した。続いて、30分間かけて20℃に冷却し、さらに5℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、THF(500mL)で洗浄後、風乾することにより粗生成物(131.73g)を得た。得られた粗生成物(131.73g)を50%含水IPA(780mL)から再結晶し、析出した結晶を濾取、冷50%含水IPA(250mL)洗浄後、乾燥(60℃温風/18時間)することにより、白色結晶性粉末として表題化合物(96.40g、85%)を得た。
比旋光度:[α]D 24=+57°(c=1.0、H2O).
mp.285−286℃.
元素分析(C13H20N2O5S・H2O):理論値[C:46.69、H:6.63、N:8.37]、分析値[C:46.53、H:6.58、N:8.39].
1H−NMR(DMSO−d6)δ8.40−7.80(br、3H)、8.30(q、J=4.5Hz、1H)、7.12(d、J=8.6Hz、2H)、6.89(d、J=8.6Hz、2H)、4.05(t、J=6.5Hz、2H)、3.83(dd、J=7.2、6.6Hz、1H)、2.97(dd、J=13.8、6.6Hz、1H)、2.86(dd、J=13.8、7.2Hz、1H)、2.61(d、J=4.5Hz、3H)、2.55(t、J=7.2Hz、3H)、2.10−1.90(m、2H).。
mp.285−286℃.
元素分析(C13H20N2O5S・H2O):理論値[C:46.69、H:6.63、N:8.37]、分析値[C:46.53、H:6.58、N:8.39].
1H−NMR(DMSO−d6)δ8.40−7.80(br、3H)、8.30(q、J=4.5Hz、1H)、7.12(d、J=8.6Hz、2H)、6.89(d、J=8.6Hz、2H)、4.05(t、J=6.5Hz、2H)、3.83(dd、J=7.2、6.6Hz、1H)、2.97(dd、J=13.8、6.6Hz、1H)、2.86(dd、J=13.8、7.2Hz、1H)、2.61(d、J=4.5Hz、3H)、2.55(t、J=7.2Hz、3H)、2.10−1.90(m、2H).。
(コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体の製造)
実施例1
ジベンジルアンモニウム 3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノアート
特許文献3記載の方法により合成した57%deの3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸(276.5g、約0.60mol)をトルエン(900mL)に溶解させ、ジベンジルアミン(114.9mL、0.60mol)をトルエン(100mL)に溶かした溶液を加え、種結晶を接種した後、室温下4時間、氷冷下2時間攪拌した。得られた析出物を濾取、冷トルエン(400mL)で洗浄、乾燥(40℃温風/24時間)することにより、白色結晶性粉末として表題化合物(158.1g、40%)を得た。
化学純度:97.05%(99%de以上).
mp.82−85℃.
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ8.90−8.30(br、2H)、7.80−7.68(m、2H)、7.68−7.55(m、2H)、7.45−7.20(m、15H)、5.08(d、J=12.5Hz、1H)、5.03(d、J=12.5Hz、1H)、4.04(dd、J=13.9、8.6Hz、1H)、3.82(s、4H)、3.72(dd、J=13.9、6.0Hz、1H)、3.10(dt、J=8.6、5.3Hz、1H)、2.90−2.80(m、1H)、1.78−1.60(m、1H)、1.58−1.40(m、1H)、1.40−1.25(m、1H)、0.84(d、J=6.6Hz、3H)、0.81(d、J=6.6Hz、3H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:YMC J’sphere ODS−H80 250−4.6mmI.D.(4μm)[YMC].
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=2.0)/CH3CN=60/40→40/60(linear gradient、0−30分)、40/60(isocratic、30−40分).
流速:1.0mL/分.
検出波長:220nm.
温度:室温.
保持時間:36.8分.。
mp.82−85℃.
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ8.90−8.30(br、2H)、7.80−7.68(m、2H)、7.68−7.55(m、2H)、7.45−7.20(m、15H)、5.08(d、J=12.5Hz、1H)、5.03(d、J=12.5Hz、1H)、4.04(dd、J=13.9、8.6Hz、1H)、3.82(s、4H)、3.72(dd、J=13.9、6.0Hz、1H)、3.10(dt、J=8.6、5.3Hz、1H)、2.90−2.80(m、1H)、1.78−1.60(m、1H)、1.58−1.40(m、1H)、1.40−1.25(m、1H)、0.84(d、J=6.6Hz、3H)、0.81(d、J=6.6Hz、3H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:YMC J’sphere ODS−H80 250−4.6mmI.D.(4μm)[YMC].
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=2.0)/CH3CN=60/40→40/60(linear gradient、0−30分)、40/60(isocratic、30−40分).
流速:1.0mL/分.
検出波長:220nm.
温度:室温.
保持時間:36.8分.。
実施例2
3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸
実施例1の表題化合物(155.0g、約0.24mol)を酢酸エチル(500mL)に懸濁させ、1mol/L硫酸水溶液(250mL)で2回、水(250mL)、飽和食塩水(250mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、外温50℃で減圧濃縮することにより、黄色結晶として表題化合物(105.0g、97%)を得た。
化学純度:92.60%.
光学純度:99%ee以上.
比旋光度:[α]D 25=+5.0°(c=1.0、メタノール).
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ7.90−7.76(m、2H)、7.76−7.64(m、2H)、7.45−7.25(m、5H)、5.14(s、2H)、4.20−4.05(m、1H)、3.79(dd、J=14.2、5.6Hz、1H)、3.35−3.18(m、1H)、3.00−2.80(m、1H)、1.83−1.65(m、1H)、1.63−1.45(m、1H)、1.45−1.30(m、1H)、0.89(d、J=6.6Hz、3H)、0.86(d、J=6.6Hz、3H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:Mightysil RP−18 GP 150−4.6mmI.D.(5μm)[関東化学].
移動相:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/CH3CN=40/60.
流速:1.0mL/分.
検出波長:220nm.
温度:室温.
保持時間:7.2分.
HPLC 条件(光学純度)
カラム:CHIRALCEL OJ−RH 150−4.6mmI.D.[ダイセル].
溶媒:リン酸水溶液(pH=2.0)/CH3CN=50/50.
流速:1.0mL/分.
温度:室温.
検出波長:220nm.
保持時間:5.3分.。
光学純度:99%ee以上.
比旋光度:[α]D 25=+5.0°(c=1.0、メタノール).
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ7.90−7.76(m、2H)、7.76−7.64(m、2H)、7.45−7.25(m、5H)、5.14(s、2H)、4.20−4.05(m、1H)、3.79(dd、J=14.2、5.6Hz、1H)、3.35−3.18(m、1H)、3.00−2.80(m、1H)、1.83−1.65(m、1H)、1.63−1.45(m、1H)、1.45−1.30(m、1H)、0.89(d、J=6.6Hz、3H)、0.86(d、J=6.6Hz、3H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:Mightysil RP−18 GP 150−4.6mmI.D.(5μm)[関東化学].
移動相:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/CH3CN=40/60.
流速:1.0mL/分.
検出波長:220nm.
温度:室温.
保持時間:7.2分.
HPLC 条件(光学純度)
カラム:CHIRALCEL OJ−RH 150−4.6mmI.D.[ダイセル].
溶媒:リン酸水溶液(pH=2.0)/CH3CN=50/50.
流速:1.0mL/分.
温度:室温.
検出波長:220nm.
保持時間:5.3分.。
実施例3
ベンジル 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタナート
実施例2の表題化合物(105.0g、約0.24mol)をDMF(400mL)に溶解させ、内温5℃以下で、HOBt・H2O(36.1g、0.24mol)、NMM(25.9mL、0.24mol)、THPONH2(33.1g、0.28mol)をDMF(50mL)に溶かした溶液、およびWSCI・HCl(54.2g、0.28mol)を順次加え、同温で1時間、室温で2.5時間攪拌した。得られた反応混合物に氷水(1000mL)を加え、酢酸エチル(2000mL)で抽出した。得られた有機層を5%クエン酸水溶液(1000mL)、水(1000mL)、0.5mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液(1000mL)、水(1000mL)、飽和食塩水(1000mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、活性炭(12.3g)を加え、室温下30分間攪拌した。得られた混合物から濾過により活性炭および無機物を除去し、濾液を外温40℃で減圧濃縮することにより、白色固体として表題化合物(122.9g、定量的)を得た。
1H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ11.23 and 11.20(br s、1H)、7.95−7.76(m、4H)、7.45−7.28(m、5H)、5.10−4.90(m、2H)、4.69 and 4.60(br s、1H)、3.90−3.57(m、2H)、3.49(dd、J=13.9、4.6Hz、1H)、3.40−3.20 and 3.15−3.00(m、1H)、2.95−2.60(m、2H)、1.70−1.25(m、8H)、1.25−1.10(m、1H)、0.79(d、J=6.3Hz、3H)、0.78(d、J=6.3Hz、3H).。
実施例4
4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸
実施例3の表題化合物(122.9g、約0.24mol)をエタノール(1640mL)およびTHF(820mL)からなる溶液に溶解させ、窒素雰囲気下10%Pd−C(50%湿体)(24.6g)を加え、水素雰囲気下、室温で15.5時間攪拌した。反応混合物から触媒をセライト濾過により除去した後、濾液を減圧濃縮することにより、薄灰色固体として粗製の4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸を(138.2g、定量的)を得た。
1H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ12.90−11.90(br、1H)、11.18 and 11.15(br s、1H)、8.00−7.70(m、4H)、4.68 and 4.59(br s、1H)、3.95−3.45(m、3H)、3.30−3.20 and 3.10−2.95(m、1H)、2.90−2.60(m、1H)、2.60−2.45(m、1H)、1.75−1.25(m、8H)、1.20−1.10(m、1H)、0.84(d、J=6.6Hz、6H).。
得られた粗4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸(138.2g、約0.24mol)にIPA(500mL)を加え、外温60℃で加熱溶解させた。外温60℃にて、シクロヘキシルアミン(27.0mL、0.24mol)をIPE(500mL)に溶かした溶液を30分間かけて滴下し、同温で30分間攪拌した。さらに、IPE(2000mL)を10分間かけて滴下し、同温で1時間、室温で2時間、氷冷下2時間攪拌した。得られた析出物を濾取、IPE(600mL)で洗浄後、乾燥(40℃温風/20時間)することにより、白色結晶性粉末としてシクロヘキシルアンモニウム 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタノアートを(112.6g、88%)を得た。
化学純度:99.52%.
mp.165−170℃.
1H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ7.90−7.75(m、4H)、6.00−2.90(br、3H)、4.65 and 4.51(br s、1H)、3.90−3.40(m、3H)、3.25−2.95(m、1H)、2.90−2.60(m、2H)、2.37−2.20(m、1H)、1.98−0.90(m、17H)、0.90−0.70(m、6H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:Mightysil RP−18 GP 150−4.6mmI.D.(5μm)[関東化学].
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=4.5)/CH3CN=40/60.
流速:1.0mL/分.
検出波長:220nm.
温度:室温.
保持時間:2.0分.。
mp.165−170℃.
1H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ7.90−7.75(m、4H)、6.00−2.90(br、3H)、4.65 and 4.51(br s、1H)、3.90−3.40(m、3H)、3.25−2.95(m、1H)、2.90−2.60(m、2H)、2.37−2.20(m、1H)、1.98−0.90(m、17H)、0.90−0.70(m、6H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:Mightysil RP−18 GP 150−4.6mmI.D.(5μm)[関東化学].
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=4.5)/CH3CN=40/60.
流速:1.0mL/分.
検出波長:220nm.
温度:室温.
保持時間:2.0分.。
得られたシクロヘキシルアンモニウム 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタノアート(9.63g、約18.11mmol)に酢酸エチル(300mL)と5%クエン酸水溶液(100mL)とを加え、室温で30分間攪拌した後、静置した。有機層を分離し、5%クエン酸水溶液(100mL)、水(100mL)および飽和食塩水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、外温30℃で減圧濃縮することにより、薄赤色固体として精製4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸(7.91g、定量的)を得た。
1H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ12.90−11.90(br、1H)、11.18 and 11.15(br s、1H)、8.00−7.70(m、4H)、4.68 and 4.59(br s、1H)、3.95−3.45(m、3H)、3.30−3.20 and 3.10−2.95(m、1H)、2.90−2.60(m、1H)、2.60−2.45(m、1H)、1.75−1.25(m、8H)、1.20−1.10(m、1H)、0.84(d、J=6.6Hz、6H).。
(ヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体の製造)
実施例5
5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸
実施例4の表題化合物(2.21g、約5.10mmol)をDMF(17mL)に溶かした溶液に、氷冷下、NMM(0.62mL、5.61mmol)を加えた後、同温でピバル酸クロリド(0.69mL、5.61mmol)を数分間かけて滴下し、同温で30分間攪拌した。続いて、製造例1の表題化合物(2.05g、6.12mmol)およびiPr2NEt(1.07mL、6.12mmol)を順次加えた後、同温で2時間、室温まで徐々に昇温しながら2時間、内温25℃で14時間攪拌した。反応終了後、内温30℃ にて、反応混合物に酢酸ナトリウム(0.50g、6.12mmol)を酢酸(7mL)に溶かした溶液および10%塩化水素/IPA溶液(50mL)を順次加えた後、同温で2.5時間攪拌した。析出物を濾取、IPAで洗浄することにより、白色粉末として粗生成物(5.69g)を得た。得られた粗生成物(5.69g)を水(21mL)およびIPA(49mL)からなる溶液から再結晶し、得られた結晶をIPAで洗浄後、乾燥(40℃温風/16時間)することにより、白色結晶性粉末として表題化合物の一ナトリウム塩 一水和物(2.65g、76%)を得た。
化学純度:99.85%.
光学純度:99%ee以上.
比旋光度:[α]D 24=−50.7°(c=1.0、メタノール).
mp.295−300℃.
元素分析(C30H37N4O10SNa・H2O):理論値[C:52.47、H:5.72、N:8.16]、分析値[C:52.37、H:5.57、N:8.12].
1H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ10.28(br s、1H)、8.57(br s、1H)、8.28(d、J=8.7Hz、1H)、7.90−7.70(m、5H)、7.17(d、J=8.6Hz、2H)、6.53(d、J=8.6Hz、2H)、4.70−4.52(m、1H)、3.50−3.20(m、3H)、2.91(dd、J=13.5、3.3Hz、1H)、2.72−2.58(m、1H)、2.61(d、J=4.5Hz、3H)、2.50−2.25(m、2H)、2.16(t、J=7.3Hz、2H)、1.90(dd、J=13.6、3.6Hz、1H)、1.50−1.20(m、4H)、0.90−0.65(m、1H)、0.82(d、J=6.5Hz、3H)、0.76(d、J=6.5Hz、3H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:J’sphere ODS−L80 150−4.6mmI.D.(4μm)[YMC].
移動相:20mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=5.0)/CH3CN=85/15(isocratic、0−8分)、85/15→60/40(linear gradient、8−30分).
流速:1.0mL/分.
検出波長:222nm.
温度:25℃.
保持時間:8.2分.
HPLC条件(光学純度)
カラム:CHIRALPAK AD−RH 150−4.6mmI.D.[ダイセル].
移動相:20mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=5.0)/CH3CN=82/18.
流速:0.5mL/分.
検出波長:222nm.
温度:40℃.
保持時間:5.0分.。
光学純度:99%ee以上.
比旋光度:[α]D 24=−50.7°(c=1.0、メタノール).
mp.295−300℃.
元素分析(C30H37N4O10SNa・H2O):理論値[C:52.47、H:5.72、N:8.16]、分析値[C:52.37、H:5.57、N:8.12].
1H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ10.28(br s、1H)、8.57(br s、1H)、8.28(d、J=8.7Hz、1H)、7.90−7.70(m、5H)、7.17(d、J=8.6Hz、2H)、6.53(d、J=8.6Hz、2H)、4.70−4.52(m、1H)、3.50−3.20(m、3H)、2.91(dd、J=13.5、3.3Hz、1H)、2.72−2.58(m、1H)、2.61(d、J=4.5Hz、3H)、2.50−2.25(m、2H)、2.16(t、J=7.3Hz、2H)、1.90(dd、J=13.6、3.6Hz、1H)、1.50−1.20(m、4H)、0.90−0.65(m、1H)、0.82(d、J=6.5Hz、3H)、0.76(d、J=6.5Hz、3H).
HPLC条件(化学純度)
カラム:J’sphere ODS−L80 150−4.6mmI.D.(4μm)[YMC].
移動相:20mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=5.0)/CH3CN=85/15(isocratic、0−8分)、85/15→60/40(linear gradient、8−30分).
流速:1.0mL/分.
検出波長:222nm.
温度:25℃.
保持時間:8.2分.
HPLC条件(光学純度)
カラム:CHIRALPAK AD−RH 150−4.6mmI.D.[ダイセル].
移動相:20mmol/Lリン酸二水素カリウム水溶液(pH=5.0)/CH3CN=82/18.
流速:0.5mL/分.
検出波長:222nm.
温度:40℃.
保持時間:5.0分.。
実施例6
実施例5において、NMM(0.62mL、5.61mmol)に代えてトリエチルアミン(5.61mmol)を、iPr2NEt(1.07mL、6.12mmol)に代えてトリエチルアミン(6.12mmol)を用いた以外は、実施例5とほぼ同様にして、5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
実施例7
実施例5において、iPr2NEt(1.07mL、6.12mmol)に代えてNMM(6.12mmol)を用いた以外は、実施例5とほぼ同様にして、5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
実施例8
実施例5において、NMM(0.62mL、5.61mmol)に代えてiPr2NEt(5.61mmol)を用いた以外は、実施例5とほぼ同様にして、5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
比較例1
実施例5において、ピバル酸クロリドを用いた混合酸無水物法に代えて、NMMの存在下、WSCI・HClとHOBt・H2Oとを用いたカルボジイミド法により、実施例4の表題化合物(2.21g、約5.10mmol)と製造例1の表題化合物(2.05g、6.12mmol)とを縮合させた以外は、実施例5とほぼ同様にして5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
比較例2
実施例5において、ピバル酸クロリドを用いた混合酸無水物法に代えて、NMMの存在下、DIPCIを用いたカルボジイミド法により、実施例4の表題化合物(2.21g、約5.10mmol)と製造例1の表題化合物(2.05g、6.12mmol)とを縮合させた以外は、実施例5とほぼ同様にして5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
比較例3
実施例5において、ピバル酸クロリドを用いた混合酸無水物法に代えて、トリエチルアミン存在下、DMCを用いた活性化エステル法により、実施例4の表題化合物(2.21g、約5.10mmol)と製造例1の表題化合物(2.05g、6.12mmol)とを縮合させた以外は、実施例5とほぼ同様にして5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
比較例4
実施例5において、ピバル酸クロリドに代えて、クロロギ酸イソブチルを用いて、実施例4の表題化合物(2.21g、約5.10mmol)と製造例1の表題化合物(2.05g、6.12mmol)とを縮合させた以外は、実施例5とほぼ同様にして5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
比較例5
実施例5において、ピバル酸クロリドに代えて、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリドを用いて、実施例4の表題化合物(2.21g、約5.10mmol)と製造例1の表題化合物(2.05g、6.12mmol)とを縮合させた以外は、実施例5とほぼ同様にして5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸 一ナトリウム塩 一水和物を得た。
表1に、実施例5〜実施例8、および比較例1〜比較例5の縮合反応における分子間縮合生成物の2−テトラヒドロピラニル 5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサマート(1)と、分子内縮合生成物の3−イソブチル−4−フタルイミドメチル−N−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシコハク酸イミド(2)との生成比を示す。なお、生成比は化学純度を測定したのと同様のHPLC条件で求めた。
表1から、本発明に係る製造方法は、選択的に分子間縮合反応生成物であるヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体を与え、かつ収率も高いことがわかる。
本発明によれば、LPS抑制剤として有用な前記式IまたはIIで表わされるヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体またはその薬理学的に許容される塩に関し、容易に製造ができる、収率よく製造することができる、高い純度の光学活性化合物が得られることができる等の特徴を有する製造方法が提供可能であり、工業的にも非常に有用な製造方法が提供可能である。
Claims (16)
- コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体とアミノスルホン酸誘導体とを、有機塩基存在下、α−ポリアルキル置換カルボン酸ハロゲン化物を用いて、混合酸無水物法によりヒドロキサム酸系スルホン酸誘導体を製造する方法。
- コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体が、下記一般式
[式中、Xは、水酸基の保護基を表し、
R1は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、フタルイミドアルキル、アルケニル、または−(CH2)l−A〔lは1〜4のいずれかの整数であり、Aは、(a)窒素原子によって結合し、(b)該結合窒素原子に隣接しない位置にさらなるヘテロ原子として、窒素、酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよく、(c)該結合窒素原子に隣接する一方または両方の炭素原子に関し、オキソによって置換され、および(d)ベンゾ縮合するか、または1以上の他の炭素原子に関し、低級アルキルもしくはオキソによって置換されているか、および/または別の窒素原子に関し、低級アルキルもしくはフェニルによって置換されていてもよい5または6員窒素含有ヘテロ環を表す。〕を表し、
R2は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを表す。]
で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の方法。 - コハク酸系ヒドロキサム酸誘導体が、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸もしくは4−メチル−2(R)−{2−(2−ナフチル)−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸、またはこれらの光学異性体であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- アミノスルホン酸誘導体が、下記一般式
[式中、Yは、−(CH2)n−、−O(CH2)n−、−NR5(CH2)n−または−S(CH2)n−を表し、
nは、0〜6のいずれかの整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン〔フッ素、塩素、臭素、ヨウ素〕、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アシルオキシまたはカルバモイルを表し、
R4は、OR6、またはNR7R8を表し、
R5は、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアリールを表し、
R6は、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキルを表し、
R7およびR8は、それぞれ独立して水素、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルもしくはアリールを表すか、またはR7、R8および窒素原子が一緒になって置換されていてもよいヘテロ環を表し、
Zは水素または薬理学上許容される塩を形成するアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機塩基を表す。]
で表される化合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。 - アミノスルホン酸誘導体が、O−3−スルホメチル−L−チロシン N−メチルアミド、O−3−スルホエチル−L−チロシン N−メチルアミド、O−3−スルホプロピル−L−チロシン N−メチルアミド、O−3−スルホブチル−L−チロシン N−メチルアミドもしくはO−3−スルホプロピル−L−チロシン N−フェニルアミド、またはこれらの光学異性体であることを特徴とする請求項4記載の方法。
- アミノスルホン酸誘導体が、L−フェニルアラニン N−スルホメチルアミド、L−フェニルアラニン N−スルホエチルアミド、L−フェニルアラニン N−スルホプロピルアミド、L−フェニルアラニン N−スルホブチルアミドもしくはL−フェニルアラニン N−スルホペンチルアミド、またはそれら化合物の光学異性体であることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 有機塩基が、N−メチルモルホリンおよび/またはジイソプロピルエチルアミンであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
- α−ポリアルキル置換カルボン酸ハロゲン化物が、ピバル酸クロリドであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
- 3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(RS)−フタルイミドメチルヘキサン酸のジアステレオマー混合物を、環式炭化水素基を有するアミンと混合して環式炭化水素基を有するアミンとの塩を生成させ、採取する工程を含むことを特徴とする3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸、またはその光学異性体の分離方法。
- 環式炭化水素基を有するアミンが、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたはジベンジルアミンであることを特徴とする請求項10記載の分離方法。
- ジベンジルアンモニウム 3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノアート。
- 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸またはその光学異性体と、環式炭化水素基を有するアミンとを混合して、4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸と環式炭化水素基を有するアミンによる塩またはその光学異性体と環式炭化水素基を有するアミンとの塩を生成させ、採取する工程を含むことを特徴とする4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸またはその光学異性体の精製方法。
- 環式炭化水素基を有するアミンが、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたはジベンジルアミンであることを特徴とする請求項13記載の精製方法。
- シクロヘキシルアンモニウム 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタノアート。
- 以下の(a)〜(e)の各工程を含むことを特徴とする5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸の製造方法。
(a) 3(R)−ベンジルオキシカルボニル−5−メチル−2(R)−フタルイミドメチルヘキサン酸とO−テトラヒドロピラニルヒドロキシルアミンとを反応させて、ベンジル 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタナートを製造する工程
(b) ベンジル 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタナートのベンジルを除去して、粗4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸を製造する工程
(c) 粗4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸とシクロヘキシルアミンとを混合して、シクロヘキシルアンモニウム 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタノアート結晶を製造する工程
(d) シクロヘキシルアンモニウム 4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタノアート結晶に酸処理を施して、精製4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸を製造する工程
(e) 精製4−メチル−2(R)−{2−フタルイミド−1(R)−[(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルバモイル]エチル}ペンタン酸とO−3−スルホプロピル−L−チロシン N−メチルアミドとを反応させた後、酸処理して、5−メチル−3(R)−{1(S)−メチルカルバモイル−2−[4−(3−スルホプロポキシ)フェニル]エチルカルバモイル}−2(R)−フタルイミドメチルヘキサノヒドロキサム酸を製造する工程
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