JP2005200193A - エレベータの非常停止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制動条件を外部から調整して可変にできるほか、使用条件に応じて作動機能を幅広く設定できるようにされたエレベータの非常停止装置を提供する。
【解決手段】 回転軸13上に複数の摩擦制動板16を配列して、その各制動板間に、周面に爪部17aを備えた爪車17を同軸心で挟み付るように設け、速度検出手段35により設定速度を超える状態が検知されると、操作爪18との係合で爪車17の回転が阻止されて、摩擦制動板16と爪車17とによる制動機能で回転軸13を制動停止する構成の非常停止装置において、前記速度検出手段35として回転軸13にエンコーダ27を付設して、このエンコーダ27による速度信号で前記操作爪18を爪車17の爪部17aに係合させる制動操作手段30を、前記操作爪18が装着された支持軸19と連結された構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エレベータの搬器に取り付けられて昇降時に異常速度となると、自動的に制動力が作用して搬器を停止させる機能を備えたエレベータの非常停止装置に関するものである。
従来、エレベータ装置、特にラック・ピニオン駆動方式のエレベータにおいては、搬器の昇降速度が設定値以上になると、その速度を検知して制動力が加えられ、不測の事故を未然に防止できるように、搬器に非常停止装置が設けられている。この非常停止装置としては、例えば摩擦制動板を多数配列して、その各制動板と周面に爪を備えた複数の爪車とを一軸上で交互に配して挟み付け、その爪車の爪に操作爪が係合すると爪車の回転が阻止されて摩擦制動板と前記爪車との間で制動力が発生し、摩擦制動板の回転を停止させることにより回転軸の回転を停止し、その回転軸に取付くピニオンがラックとの噛み合いを停止して搬器の昇降を停止させ、前記操作爪を遠心力で設定速度の超過によって爪車と噛み合わせるようにする構成の多板ブレーキ式非常停止装置が特許文献1によって知られている。
また、遠心力によって設定速度以上の速度を検出するとテーパコーン型の制動輪が作動してピニオン軸に制動力を付勢する形式の非常停止装置が特許文献2によって知られている。
特許第2720073号公報 米国特許第3415343号
しかしながら、前述の特許文献1によって知られる非常停止装置では、その構成上、非常停止時の設定回転速度に対してブレーキトルクが一定にされているので、例えばその設定値を超える条件では目的を達成することができない。また、その逆の場合には過剰設定になって好ましくないという問題がある。したがって、使用条件が特定され、条件が異なる場合にはその都度見合った能力のものを設計製作しなければならず、高価につくという問題点がある。また、その作動状態を簡単に確認するには直接的に動作させる必要があり、危険を伴うので簡単に確認することが困難であるという問題点がある。
また、特許文献2によって知られる非常停止装置は、テーパ型ブレーキであるので、制動力を確保するのに大きな制動面を必要とされ、この形式においても前記同様に使用条件が特定されるので、条件が異なる場合にはそれに見合った能力の装置を準備しなければならず、高価となるのが避けられない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、制動条件を外部から調整して可変にできるほか、使用条件に応じて作動機能を幅広く設定できるようにされたエレベータの非常停止装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明によるエレベータの非常停止装置は、
回転軸上に複数の摩擦制動板を配列して、その各制動板間に、周面に爪部を備えた爪車を同軸心で挟み付るように設け、速度検出手段により設定速度を超える状態が検知されると操作爪との係合で爪車の回転が阻止されて、摩擦制動板と爪車とによる制動機能で回転軸を制動停止する構成の非常停止装置において、
前記速度検出手段として回転軸にエンコーダが付設され、このエンコーダによる速度信号で前記操作爪を爪車の爪部に係合させる制動操作手段を、前記操作爪が装着された支持軸と連結したことを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記制動操作手段は、エンコーダで検知した速度信号と予め設定された設定速度とを比較演算するコントローラと、このコントローラの指令信号で作動する電磁アクチュエータを備えていることを特徴とする(第2発明)。
また、前記第1発明または第2発明において、前記制動操作手段は、操作爪が一体回転可能に装着される支持軸と、この支持軸の軸心と直交する向きに軸心を配した作動軸を有する電磁アクチュエータと、前記支持軸と前記作動軸とを連結するリンク機構と、爪車の爪部と前記操作爪とを非係合状態に保持する弾性部材が設けられ、前記弾性部材の弾性復帰力に抗して前記電磁アクチュエータが作動することにより、前記リンク機構を介して前記支持軸が回動され、前記操作爪が前記爪車の爪部と係合することを特徴とする(第3発明)。
また、第1発明において、前記回転軸の軸心方向で間隔をおいて対向する側板部と前記回転軸の周囲を覆う周壁部からなるケーシングと、前記回転軸と平行に配設されて前記ケーシングに回動自在に支持される支持軸と、この支持軸の周面が臨む前記ケーシングの周壁部に穿設された貫通孔と、この貫通孔内に収容され前記支持軸に軸着された操作爪と、この操作爪が傾動することにより作動する操作片を有してケーシングの周壁部に支持された電源遮断用のリミットスイッチとを設けたことを特徴とするものである(第4発明)。
また、前記第1発明または第2発明において、前記速度検出手段としてエンコーダを二個設け、それらの速度信号をコントローラで比較して、所定速度で制動操作手段に制動指令信号を発するようにされるのがよい(第5発明)。
前記第1発明によれば、速度検出手段として回転軸にエンコーダを付設して、この非常停止装置に入力される回転速度を回転軸で直接検出されるようにして、その速度検出信号をコントローラにおいて制御することで制動操作手段を作動させるので、そのエンコーダの作動条件を変更することにより回転速度の変更に対応できる。したがって、搬器の昇降速度が異なる場合にも対応でき、1機種で複数の仕様に対応できるという効果を奏する。
また、第2発明によれば、緊急時の制動を、回転軸上のエンコーダで検出した速度信号をコントローラで設定速度と比較演算させて、設定値を超えたとき電磁アクチュエータを作動させて爪車に対する操作爪の係合操作を行うようにしたので、コントローラにおいて制動条件を任意に設定でき、その設定条件を外部から可変調節できるという利点を有する。
さらに、第3発明の構成を採用すれば、回転軸と平行に配設される支持軸の軸心に対して、制動操作手段を構成する電磁アクチュエータの作動軸の軸心が直交する向きに配されて電磁アクチュエータを設けることになるので、非常停止装置における回転軸の軸心方向の寸法が長くならない構成とすることができる。したがって、特許文献1によって知られるガバナーを組込んだ非常停止装置と比較して装置の小型化を図ることができる。また、部品点数を少なくして組立工数の削減と生産性向上を図ることができる。
また、第4発明によれば、リミットスイッチをケーシングの周壁部に配設して回転軸の軸心方向の寸法を短くすることで薄型化を図ることができるという利点がある。
さらにまた、第5発明によれば、二個のエンコーダを用いて、それらから得られる速度信号を比較して、正確な速度を判断できるので、微振動などによる誤動作を防止できるという効果を奏する。
次に、本発明にかかるエレベータの非常停止装置の具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態のエレベータの非常停止装置を備える工事用エレベータの一実施形態を表わす側面図(a)および正面図(b)であり、図2には非常停止装置縦断面図が、図3には図2の右側面図が、図4には図2のA−A視図が、図5には制動操作手段の操作爪と制動機構の爪車との関係を表わす図(a)と制動操作機構を表わす図(b)が、それぞれ示されている。
図1に示される工事用エレベータ1は、図示されない建物の躯体に複数のサポート金具2によって支持されて立設される鉄塔3の側面にガイドレール4およびラック5が沿設されており、そのガイドレール4に案内装架されて搬器6が昇降可能に設けられている。前記搬器6には、昇降駆動用のモータ7が搭載され、そのモータ7によって駆動される出力軸上の歯車を鉄塔3側に付設のラック5と噛み合わせて昇降するようにされている。また、搬器6を鉄塔3側の二本のガイドレール4,4(この実施形態の鉄塔では、縦部材がガイドレールを兼ねている)に案内支持させるために、搬器フレーム6aの両側で上下適所に付設されるブラケットに支持されて設けられるガイドローラ6bを、前記ガイドレール4,4にそれぞれ当接係合させて昇降可能にされている。このようにされた搬器6には、適所に非常停止装置10が付設されている。
このように構成される搬器6に付設される非常停止装置10は、搬器フレーム6aに取付ける取付座を備えた後述する制動機構15と、その操作爪18および制動操作手段30および速度検出手段35を収容するケーシング11と、このケーシング11に設けられる軸受12,12'にて支持されて回転自在な回転軸13上に配される複数の摩擦制動板16と複数の爪車17とで構成の制動機構15と、制動操作時にその制動機構15の爪車17に係合する操作爪18を備えた支持軸19と、この支持軸19を作動させる制動操作手段30および前記回転軸13に付設されて回転速度を検知する速度検出手段35とで構成されている。
前記ケーシング11は、制動機構15とその制動操作を直接操作する操作爪18とが収容される制動機構収容部11Aと速度検出手段35および制動操作手段30の操作部が収容される操作機構収容部11Bとを隔壁11cにより区分された本体11aと、それら両収容部11A,11Bの開口面を軸線方向から覆ってボルト11fで締結するカバー11bおよびボルト11gで締結されるカバー11dとによって構成され、前記本体11aの制動機構収容部11A開口側に取付座が形成されている。なお、本体11aの取付時上側に位置する部分を開口して操作爪18上側にリミットスイッチ取付部が位置するようにされている。また、前記本体11aの周囲が本発明(請求項4)におけるケーシングの周壁部に対応し、カバー11bと隔壁11cが側板部に対応する。
前記制動機構15は、前記ケーシング11の本体隔壁部11cと本体11aのカバー11bとに設けられたボス部に配される転がり軸受12,12'にてケーシング11の中央を貫通して回転自在に支持される回転軸13と、この回転軸13上で軸線方向にスライド可能な状態に支持される複数(実施形態では3枚)の摩擦制動板16と、これら摩擦制動板16間に配置されて回動可能な爪車17とで構成されている。前記摩擦制動板16は、所要直径の面板で、その対向する面における半径方向で外周寄りに、所要幅で環状のブレーキライナー16aが取付けられている。これに対して爪車17は、外周に等分して複数の爪部17aが形成され、内径を前記摩擦制動板16のボス部によって回転自在に嵌め合って同軸心で支持され、かつ常態で前記摩擦制動板16のブレーキライナー16aにて両側面を挟みつけられている。なお、このような構成にされる制動機構15は、回転軸13上で、一端側をスペーサリング22によって定位置に保持され、他端側を皿ばね14によって常時前記ブレーキライナー16aが爪車17の側面に強く接触するように付勢されている。
前記制動機構15における摩擦制動板16は、回転軸13の中間部に形成されるスプライン13aに孔部16bを係合して軸線方向にのみスライド可能にされており、爪車17の外周に形成される爪部17aは、隣合う爪部17a,17a間を広くして操作爪18が正逆両回転方向に対して噛み合わせることができるようにされている。そして、介在する複数の爪車17の爪位置が周方向に少しずれて配置されている。
前記制動操作手段30は、前記回転軸13に平行して配設される支持軸19上で前記制動機構15の爪車17に対応するように固着される操作爪18と、緊急時その支持軸を回動させる電磁アクチュエータ25と、その電磁アクチュエータ25と前記支持軸19とを連結するリンク板26、および電磁アクチュエータ25を復帰させる弾性部材とで構成されている。
前記操作爪18が取付く支持軸19は、前記回転軸13に平行してケーシング本体11aに両端部で軸受20,20にて支持されて回動可能に設けられている。この支持軸19の一端はケーシング11の操作機構収容部11B側に突出され、その支持軸19端にリンク板26の基端が固着されている。操作爪18は、前述の爪車17にそれぞれ対応する位置で前記支持軸19に固着されており、爪車17の正逆転いずれにも対応できるように軸対称に形成されている。
ケーシング11の操作機構収容部11Bには、図4および図5(b)に示されるように、電磁アクチュエータ25が横向きにして壁面に沿い付設されており、この電磁アクチュエータ25の作動軸25aには、前記リンク板26の先端が挿入される軸線方向の切欠き溝25bが形成されている。また、リンク板26の先端部にはその長手方向に延びた長孔が穿設されている。電磁アクチュエータ25とリンク板26とは、前記電磁アクチュエータ25の作動軸25aの切欠き溝25bに前記リンク板26の先端部を挿入して、作動軸25aに設けられる貫通孔とリンク板26の長孔にピン25cを挿通して連結されている。なお、作動軸25aから突き出すピン25cの両端には止め輪が係止され、作動軸25aとリンク板26との連結が解かれないようにされている。また、前記作動軸25aの先端には、他端部をケーシング11の隔壁11c側に設けられるスタッドに係止されるコイルばね33(本発明における弾性部材に対応)が接続されて作動軸25aの復帰力が得られるようにされている。
一方、速度検出手段35は、前記回転軸13の操作機構収容部11Bに突出された先端に、エンコーダ27のディスク27aが取付けられ、回転検出部27bがこのディスク27a周囲に形成される多数のスリットに対向するように、ケーシング11の隔壁11c側面に基端を固着されるブラケット27cによって配設されている。このディスク27aによって回転速度を検出する回転検出部27bからと前記電磁アクチュエータ25からとの各リード線28がケーシング11の上部に設けられたターミナル29に接続され、別途機体側に設けられる図示されないコントローラと前記ターミナル29を経由して接続されるようになされている。
また、前記ターミナル29の取付部の下側位置には、リミットスイッチ32が配置され、その操作片32aが前記操作爪18の傾動によって作動してリミットスイッチ32がオンするように関係付けられている。なお、このリミットスイッチ32がオンすると搬器6の駆動モータへの電源が遮断されるようになされている。
このように構成される本実施形態の非常停止装置10は、搬器フレーム6aに対してケーシング11の取付座によって取付けられ、回転軸13端に取付けたピニオン(図示省略)を、鉄塔付設のラック5に噛み合わせて使用される。正常運転時には、回転軸13上の摩擦制動板16と爪車17とがともに回転して、空転状態を呈し、搬器6の昇降運転に追従する。
異常運転状態になって、回転軸13に直結のエンコーダ27が設定速度以上の速度を検知すると、その回転検出部27bの速度検出信号がコントローラに送られて、予め設定されている設定速度との比較演算によって設定速度を超える速度であると判断されると、電磁アクチュエータ25に指令信号が発信され、作動軸25aが操作されて連結するリンク板26を回動させ、リンク板26によって操作爪18の支持軸19が回動される。すると、支持軸19に固着されている操作爪18が回転する爪車17の爪部17a,17a間に飛び込んで、その爪部17aと操作爪18とが係合する。
操作爪18によって爪車17の回転が阻止されると、回転を続ける摩擦制動板16と爪車17とが、その爪車17の側面部に挟圧接触する摩擦制動板16側のブレーキライナー16aと前記爪車17の側面との接触摩擦によって制動され、摩擦制動板16が回転停止される。同時に、操作爪18の傾動によってリミットスイッチ32の操作片32aを押し下げるので、駆動部のモータへの通電が遮断される。したがって、搬器6の駆動部に衝撃が作用することなく搬器6を停止させることができる。
この実施形態のエレベータにおける非常停止装置10では、図示されないコントローラにおいて搬器6の昇降速度の設定を行うことができる。そこで、コントローラにおいて速度設定を行っておけば、エンコーダ27が検出する回転速度がその設定値を超える速度を検出すると、直ちに前記要領で電磁アクチュエータ25を作動させ、操作爪18を回転する爪車17に係合させて制動機構15による制動操作を行わせ、回転軸13の回転を停止させることにより、その回転軸13に取付いて鉄塔3側のラック5と噛み合うピニオンの回転動作を止めることにより、搬器6の異常による降下を停止させることができる。この際の搬器6の移動慣性力は、前記制動機構15による摩擦制動板16のブレーキライナー16aと爪車17側面との摩擦によって次第に吸収され、制動されて停止させることができる。
一方、本実施形態の非常停止装置10は、回転軸13に付設されるエンコーダ27によって制動速度を検知させる構成となっているので、そのエンコーダ27による検知速度を制御部(コントローラ)において設定変更することにより、制動停止条件の変更を行なうことができる。したがって、エレベータの能力に応じて制動速度を設定し、大幅な性能の変更がない範囲で一機種のものを、設定を変更して使用することができ、従来のように機種ごとに異なる仕様のものを製作使用することなしに、幅広い機種に用いることが可能である。
以上の説明においては、速度検出手段を構成するエンコーダを1個配置する構成について記載したが、必要に応じてそのエンコーダを2個設けるようにすることができる。こうすれば、搬器の昇降運転による微振動を受けることによる回転検出部での誤差が生じても、2個の各検知データをコントローラにおいて比較することにより補正して適正な制御データを得ることができる。また、制御操作手段についても2組配設して爪車に対して二箇所で操作爪を爪部に係合させるようにすることもできる。このように2組の制御操作手段を設ける場合は、操作爪の位置を対向して配置するのが好ましい。また、エンコーダの回転検出部は、光学式のほかに、磁気方式を採用することができる。回転検出部に磁気式を採用する場合、光学式におけるレンズに摩耗粉などが付着して汚れることにより性能維持困難になる問題点を解決できる。
本実施形態のエレベータの非常停止装置を備える工事用エレベータの一実施形態を表わす側面図(a)および正面図(b) 非常停止装置縦断面図 図2の右側面図 図2のA−A視図 制動操作手段の操作爪と制動機構の爪車との関係を表わす図(a)と制動操作機構を表わす図(b)
符号の説明
1 工事用エレベータ
3 鉄塔
4 ガイドレール
6 搬器
7 昇降駆動用のモータ
10 非常停止装置
11 ケーシング
11A 制動機構収容部
11B 操作機構収容部
13 回転軸
15 制動機構
16 摩擦制動板
16a ブレーキライナー
17 爪車
18 操作爪
19 操作爪の支持軸
25 電磁アクチュエータ
27 エンコーダ
30 制御操作手段
32 リミットスイッチ
33 コイルばね
35 速度検出手段

Claims (5)

  1. 回転軸上に複数の摩擦制動板を配列して、その各制動板間に、周面に爪部を備えた爪車を同軸心で挟み付るように設け、速度検出手段により設定速度を超える状態が検知されると操作爪との係合で爪車の回転が阻止されて、摩擦制動板と爪車とによる制動機能で回転軸を制動停止する構成の非常停止装置において、
    前記速度検出手段として回転軸にエンコーダが付設され、このエンコーダによる速度信号で前記操作爪を爪車の爪部に係合させる制動操作手段を、前記操作爪が装着された支持軸と連結したことを特徴とするエレベータの非常停止装置。
  2. 前記制動操作手段は、エンコーダで検知した速度信号と予め設定された設定速度とを比較演算するコントローラと、このコントローラの指令信号で作動する電磁アクチュエータを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの非常停止装置。
  3. 前記制動操作手段は、操作爪が一体回転可能に装着される支持軸と、この支持軸の軸心と直交する向きに軸心を配した作動軸を有する電磁アクチュエータと、前記支持軸と前記作動軸とを連結するリンク機構と、爪車の爪部と前記操作爪とを非係合状態に保持する弾性部材が設けられ、前記弾性部材の弾性復帰力に抗して前記電磁アクチュエータが作動することにより、前記リンク機構を介して前記支持軸が回動され、前記操作爪が前記爪車の爪部と係合することを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの非常停止装置。
  4. 前記回転軸の軸心方向で間隔をおいて対向する側板部と前記回転軸の周囲を覆う周壁部からなるケーシングと、前記回転軸と平行に配設されて前記ケーシングに回動自在に支持される支持軸と、この支持軸の周面が臨む前記ケーシングの周壁部に穿設された貫通孔と、この貫通孔内に収容され前記支持軸に軸着された操作爪と、この操作爪が傾動することにより作動する操作片を有してケーシングの周壁部に支持された電源遮断用のリミットスイッチとを設けたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの非常停止装置。
  5. 前記速度検出手段としてエンコーダは二個設けられ、それらエンコーダの速度信号をコントローラで比較して、所定速度で制動操作手段に制動指令信号を発するようにされる請求項1または2に記載のエレベータの非常停止装置。
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