JP2005199189A - 反応容器、水素供給装置および水素貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 原料を触媒に供給してその触媒表面にて化学反応を起こさせる装置、特に、水素供給装置および水素貯蔵装置の小型化を図ることを目的とする。
【解決手段】 軸24の周囲に外方向に伸びる少なくとも3枚の羽根25を有する多羽根体25と、羽根25の表面に配置される触媒27と、多羽根体23の周囲であって隣り合う羽根25の間に配置され、その隣り合う羽根25,25の触媒27に原料を噴霧する噴霧ノズル14と、原料を噴霧ノズル14に供給するための原料供給用配管15とを備えた反応容器1とする。
【選択図】 図4
【解決手段】 軸24の周囲に外方向に伸びる少なくとも3枚の羽根25を有する多羽根体25と、羽根25の表面に配置される触媒27と、多羽根体23の周囲であって隣り合う羽根25の間に配置され、その隣り合う羽根25,25の触媒27に原料を噴霧する噴霧ノズル14と、原料を噴霧ノズル14に供給するための原料供給用配管15とを備えた反応容器1とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、原料を加熱された触媒表面に噴射して、当該触媒表面上にて化学反応を生じさせる反応容器、当該反応容器を備えた水素供給装置および水素貯蔵装置に関する。
現在、主として、火力発電および原子力発電が電気エネルギーの供給方法であるが、かかる方法は、地球環境への影響、安全面および残留量など、種々の問題を抱えている。また、自動車は、主として、ガソリン、軽油、プロパンガス等の炭化水素系の燃料を用いているが、かかる燃料は、地球環境に悪影響を与えるという問題を抱えている。
上記問題に鑑みて、最近では、発電用の燃料として水素が注目されてきている。水素は、水の電気分解により生成できるため、ほぼ無尽蔵に存在すると共に、燃焼後に二酸化炭素を発生させないクリーンなエネルギー源でもある。
一方、同じ炭素数を有する環状炭化水素として、ベンゼンとシクロヘキサンが知られている。前者のベンゼンは、炭素同士の結合が部分的に二重結合となっている不飽和炭化水素であるのに対し、後者のシクロヘキサンは、炭素同士の結合に二重結合を持たない飽和炭化水素である。このため、ベンゼンに水素を付加させると、シクロヘキサンが得られ、シクロヘキサンから水素の一部を除くと、ベンゼンが得られる。同様に、ナフタレンの水素付加反応によりデカリンが得られ、デカリンの脱水素反応によりナフタレンが得られる。このように、これらの炭化水素の水素付加反応と脱水素反応とを利用することにより、水素の貯蔵および供給が可能となる。かかる水素の貯蔵あるいは供給の技術は、家庭用の自家発電システムの他、自動車の動力として利用することも期待されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、飽和炭化水素と不飽和炭化水素との間における脱水素反応および水素付加反応を利用した水素の供給および貯蔵を実用化するには、さらに反応効率を向上させることに加え、さらなる小型化が望まれている。この小型化は、飽和炭化水素から水素を放出させて外部に水素を供給する水素供給装置あるいは不飽和炭化水素に水素を付加させて外部からの水素を貯蔵する水素貯蔵装置のみならず、原料を触媒に供給してその触媒表面にて化学反応を起こさせる装置に共通の問題である。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、原料を触媒に供給してその触媒表面にて化学反応を起こさせる装置、特に、水素供給装置および水素貯蔵装置の小型化を図ることを目的とする。
本発明は、上記課題に鑑みて、原料の化学反応の場である反応容器を小型化することに着目した。原料を供給する原料タンク、化学反応後の生成物を回収する生成物回収タンクは、それぞれ、原料および生成物の量によってその大きさが決められ、小型化には限界があるが、反応容器は、原料を効率よく触媒表面に供給できれば小型化の余地が残されているからである。
このような発想から、本発明は、 軸の周囲に外方向に伸びる少なくとも3枚の羽根を有する多羽根型のヒータと、羽根の表面に配置される触媒と、多羽根型のヒータの周囲であって隣り合う羽根の間に配置され、その隣り合う羽根の触媒に原料を噴霧する噴霧ノズルと、原料を噴霧ノズルに供給するための原料供給用配管とを備えた反応容器としている。このため、噴霧ノズルから噴霧された原料は、2枚の羽根の表面で加熱されている触媒に接触し、その触媒表面上にて化学反応が起きることになる。平板上のヒータに配置される触媒に原料を噴霧した場合には、噴霧した原料の一部は霧状になって触媒表面に接触しないもの、あるいは一度は接触したが再び舞い上がって離れるものも存在する。これに対して、本発明のように、2枚の羽根に囲まれた領域で原料を噴霧すると、2枚の羽根に囲まれた領域に、噴霧された原料が閉じ込められるので、噴霧した原料が効率よく、触媒表面に接触する。また、いったん触媒表面に接触して離れた霧状の原料も、再び別の場所の触媒に接触する。したがって、必要以上に、触媒を広げて配置することなく、反応容器の小型化、ひいては当該反応容器を搭載した反応装置の小型化を図ることができる。
また、別の本発明は、軸の周囲に外方向に伸びる少なくとも3枚の羽根を有する多羽根体と、多羽根体の羽根を加熱するヒータと、羽根の表面に配置される触媒と、多羽根体の周囲であって隣り合う羽根の間に配置され、その隣り合う羽根の触媒に原料を噴霧する噴霧ノズルと、原料を噴霧ノズルに供給するための原料供給用配管とを備えた反応容器としている。このため、上述同様の作用・効果が得られる。なお、この発明は、ヒータを多羽根体と別個に備えている点を除き、上述の発明と同じ構成を備えている。
また、別の本発明は、さらに、羽根を、軸の周囲に等間隔をあけて6枚備え、噴霧ノズルを、隣り合う前記羽根の間に1つずつ備え、噴霧ノズルと隣り合う羽根の根元との距離が、噴霧ノズルからの原料が隣り合う羽根の外に噴射されない距離となるように、噴霧ノズルを配置した反応容器としている。このため、ある角度で噴霧ノズルから噴霧された原料は、確実に2枚の羽根に囲まれた領域内に噴霧されることになり、化学反応に寄与しない原料を低減できる。
また、別の本発明は、さらに、触媒を担持する触媒担体を羽根に配置した反応容器としている。このため、触媒が、羽根に直接配置しにくい粒状等の形状である場合であっても、触媒担体を介して触媒を羽根の表面に存在せしめることができる。
また、別の本発明は、さらに、羽根を軸の方向の両端部を丸めた形状とし、噴霧ノズルから放射状に噴霧される原料が、羽根の表面に配置される触媒に効率良く接触させるようにした反応容器としている。このため、羽根の形状が、噴霧ノズルから噴霧される原料の噴霧領域の形状に合った形状となる。したがって、羽根に配置された触媒の面積を最大限有効に利用することができ、原料が接触しにくいデッドスポットが存在せず、かつ触媒の外部に原料が無駄に噴霧されることもなくなる。
また、別の本発明は、さらに、羽根を軸の方向の両端部を丸めた形状とし、噴霧ノズルから放射状に噴霧される原料が、羽根の表面に配置される触媒に効率良く接触させるようにした反応容器ユニットを、軸の方向に多段に積載した構成を有する反応容器としている。このため、原料を用いた化学反応により生成される生成物の必要量に応じて、積載する反応容器ユニットの数を調整することができる。
また、別の本発明は、さらに、触媒を、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、ニッケル、モリブデン、タングステン、ニテニウム、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルトまたは鉄のいずれかあるいはこれらの任意の組み合わせとした反応容器としている。このため、原料の種類、反応度等の条件に合わせた触媒を使用できる。
また、別の本発明は、上述までの反応容器と、水素を放出可能な水素供給体となる原料を入れ、反応容器に原料を供給するための原料タンクと、反応容器において水素供給体の脱水素反応により生成される水素貯蔵体を回収するための生成物回収タンクとを備えた水素供給装置としている。このため、水素供給体を使用して水素を発生させる装置の小型化を図ることができる。
また、別の本発明は、上述までの反応容器と、水素を付加して水素貯蔵可能な水素貯蔵体となる原料を入れ、反応容器に原料を供給するための原料タンクと、反応容器において水素貯蔵体の水素付加反応により生成される水素供給体を入れる生成物回収タンクと、水素を反応容器に供給する水素供給部とを備えた水素貯蔵装置としている。このため、水素貯蔵体に水素を付加して水素を貯蔵する装置の小型化を図ることができる。
本発明によれば、原料を触媒に供給してその触媒表面にて化学反応を起こさせる装置、特に、水素供給装置および水素貯蔵装置の小型化を図ることができる。
以下、本発明に係る反応容器、水素供給装置および水素貯蔵装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
次に示す2種類の反応式は、飽和炭化水素の脱水素反応を示す式である。これらの反応式に示すように、飽和炭化水素の脱水素によって、不飽和炭化水素が生成される。
C10H18→C10H8+5H2(デカリンの脱水素反応)
C6H12→C6H6+3H2(シクロヘキサンの脱水素反応)
C7H14→C7H8+3H2(メチルシクロヘキサンの脱水素反応)
C6H12→C6H6+3H2(シクロヘキサンの脱水素反応)
C7H14→C7H8+3H2(メチルシクロヘキサンの脱水素反応)
一方、次に示す2種類の反応式は、不飽和炭化水素の水素付加反応を示す式である。これらの反応式に示すように、不飽和炭化水素への水素付加によって、飽和炭化水素が生成される。
C10H8+5H2→C10H18(ナフタレンの水素付加反応)
C6H6+3H2 →C6H12(ベンゼンの水素付加反応)
C7H8+3H2→C7H14(トルエンの水素付加反応)
C6H6+3H2 →C6H12(ベンゼンの水素付加反応)
C7H8+3H2→C7H14(トルエンの水素付加反応)
このように、飽和炭化水素のように炭素同士が単結合した炭化水素系の原料の脱水素反応を利用することによって、外部に水素を供給することができる。また、不飽和炭化水素のように炭素同士の結合に、二重結合あるいは三重結合を含む炭化水素系の原料の水素付加反応を利用することによって、外部からの水素を貯蔵することができる。以後、デカリン、シクロヘキサンあるいはメチルシクロヘキサンのように、それ自体に存在する水素を外部に放出する炭化水素系の原料を「水素供給体」と称し、また、ナフタレン、ベンゼンあるいはトルエンのように、外部からの水素と結合して水素を貯蔵する炭化水素系の原料を「水素貯蔵体」と称する。
以下、主として、デカリンの脱水素反応を利用して外部に水素を供給することができる装置の構成およびその機能について説明するが、本発明に係る反応容器、水素供給装置あるいは水素貯蔵装置は、デカリン以外の原料の化学反応を利用して生成物を得る反応容器、デカリン以外の原料の脱水素反応を利用して外部に水素を供給する装置、あるいは不飽和炭化水素の水素付加反応を利用して外部からの水素を貯蔵する装置を含む。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の反応容器および水素供給装置の構成を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態の反応容器および水素供給装置の構成を示す図である。
図1に示す水素供給装置は、室温で液体の原料であるデカリンの脱水素反応を起こさせる反応容器1と、反応容器1に供給するデカリンを入れた原料タンク2と、反応容器1内における脱水素反応によって生成した生成物(=主に、ナフタレンであるが、ナフタレンになる前の中間体が存在する場合には、その中間体も含む)を回収する生成物回収タンク3とから、主に構成されている。原料タンク2と反応容器1とを繋ぐ原料供給用配管の途中には、送液ポンプ4が配置されている。また、生成物回収タンク3の上方には、排気用配管5が設けられている。
原料タンク2内のデカリンは、送液ポンプ4を介して反応容器1に送られ、反応容器1内にて脱水素される。かかる脱水素反応によって生成されたナフタレンと水素は、反応容器1と生成物回収タンク3との間で冷却される。冷却によって液化したナフタレンは、生成物回収タンク3に貯まり、気体状態の水素は、排気用配管5を通じて、水素供給装置の外部へと送られる。水素供給装置と燃料電池とを接続した場合には、排気用配管5からの水素が、燃料電池の原料として利用される。
なお、送液ポンプ4は、原料タンク2内の原料が液体である場合に、その液体状態の原料を送るポンプである。しかし、原料タンク2内の原料が気体の場合には、送液ポンプ4に替えて、ガス排出用のポンプを採用しても良い。さらに、送液ポンプ4は、本発明の水素供給装置に必須の構成要素ではない。原料タンク2に原料を入れ、原料タンク2を反応容器1より高い位置に配置した場合には、送液ポンプ4を用いなくても、反応容器1内に原料を供給可能である。また、原料タンク2に圧縮状態の気体原料を入れ、送液ポンプ4の位置に圧力調整器を配置することによっても、反応容器1内に原料を供給可能である。
図2は、反応容器1を、その上部から見た図である。また、図3は、反応容器1を、その側方から見た図である。
反応容器1は、上下長1589ミリの円筒形状をした容器であり、側壁10と、上方フランジ11,12とを備えている。上方フランジ11,12は、複数のボルト13によって繋ぎ合わされている。また、側壁10には、複数の噴霧ノズル14が取り付けられている。噴霧ノズル14は、約60度間隔で側壁10の周囲に取り付けられ、側壁10の上下方向に6段設けられている。
さらに、噴霧ノズル14には、原料タンク2からのデカリンを供給する原料供給用配管15が接続されている。原料供給用配管15は、図4に示すように、側壁10の外側に、直径650ミリのリング形状で配置されている。また、各段の噴霧ノズル14へのデカリンの供給量を制御できるように、原料供給用配管15の途中には、反応容器1の上から順に、バルブ16、バルブ17、バルブ18、バルブ19、バルブ20およびバルブ21が、それぞれ取り付けられている。反応容器1の下方には、生成物回収タンク3と接続される接続口22が設けられている。なお、反応容器1の大きさは、上述の大きさに限定されない。
図4は、図3のA−A線断面図である。ただし、噴霧ノズル14は、その内部がわかるように透過的に図示されている。
図4に示すように、側壁10の内部には、多羽根体23が配置されている。多羽根体23は、略六角形の中心管24の周囲に約60度間隔で羽根25を有するものである。先に述べた噴霧ノズル14は、2枚の羽根25,25の間に配置されている。噴霧ノズル14のノズル先端26は、そこから供給されるデカリンが2枚の羽根25,25に挟まれる領域内に噴霧される位置に配置されている。図中、ノズル先端26から2枚の羽根25,25に向けて伸びた太線は、ノズル先端26から噴霧されたデカリンの境界を示している。
図5は、図4で示す一枚の羽根25を抜き出して示す図である。(5A)は、羽根25の構造を示す図であり、(5B)は、羽根25の内部を透過的に示す図である。
羽根25の表面には、触媒27を担持する触媒担体28が保持されている。この実施の形態では、触媒27として白金を、触媒担体28として炭素繊維を用いているが、触媒27も触媒担体28もこれに限定されない。例えば、触媒27として、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、ニッケル、モリブデン、タングステン、ニテニウム、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルトまたは鉄のいずれかあるいはこれらの任意の組み合わせを用いても良い。また、触媒担体28の材料として、活性炭、アルミナ、金属等のいずれの材料を用いても良い。さらに、触媒担体28の形状は、粉状、布状、非定形のチップ状、板状、ハニカム状、非定形の固体膜状のいずれか1つあるいは複数の組み合わせを用いても良い。
羽根25の内部には、ヒータ29が配置されている。通電されたヒータ29で加熱された触媒27の表面上で、噴霧ノズル14から噴霧されたデカリンの脱水素反応が生じる。デカリンの脱水素反応は、常圧下、触媒27の存在下において、150℃以上で起きるが、触媒27は、ヒータ29によって、常圧下におけるデカリンの沸点である196℃以上の温度に加熱されている。デカリンの脱水素を確実にし、かつ過剰な電気エネルギーを与えないようにするには、触媒27を250から400℃に加熱するのが好ましい。なお、用いる原料の種類、及び/または触媒の種類に応じて任意の加熱温度を採用することができる。
なお、この実施の形態では、多羽根体23にヒータ29が内蔵されているが、多羽根体23の羽根25がヒータ29を兼ねた多羽根型ヒータ23を採用しても良い。
図6は、多羽根体23の斜視図である。羽根25は、側壁10の上下方向の端部を丸めて略半円形状を呈している。これは、デカリンの噴霧されない領域をなくすためである。図6に示すように、斜線で示すデカリンの噴霧領域は、ほぼ2枚の羽根25,25に挟まれた領域となっている。
図7は、図4のB−B線断面図である。多羽根体23は、6つの噴霧ノズル14を配置した段の数だけ、反応容器1の上下方向に配置されている。反応容器1は、各多羽根体23が配置される反応容器ユニット毎に分割可能な構造を有している。したがって、水素あるいはナフタレンの必要量に応じて、反応容器ユニットの数を変えることができる。
図8は、図4に示す多羽根体23と別の形状の多羽根体23を、反応容器1の上方から見た図である。
図8に示す多羽根体23は、図4に示す6枚の羽根25を有する多羽根体23と異なり、3枚の羽根25のみを有する。各羽根25は、互いに120度間隔で多羽根体23の中心から放射状に伸びている。図8に示す多羽根体23を採用する場合には、3つの噴霧ノズル14は、デカリンが2枚の羽根25の表面に配置されている触媒27の表面上に噴霧されるように、それぞれ2枚の羽根25の間に配置されている。なお、2枚の羽根25の間に、1つの噴霧ノズル14ではなく、2つ以上の噴霧ノズル14を配置しても良い。また、各羽根25は、同一角度の間隔をあけて配置されていなくても良い。さらに、多羽根体23の羽根25の数は、少なくとも3枚あれば、4枚以上の任意の数としても良い。
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態の反応容器および水素貯蔵装置の構成を示す図である。
図9は、本発明の第2の実施の形態の反応容器および水素貯蔵装置の構成を示す図である。
図9に示す水素貯蔵装置は、室温で固体の原料であるナフタレンの水素付加反応を起こさせる反応容器31と、反応容器1に供給するナフタレンを入れた原料タンク32と、反応容器1内における水素付加反応によって生成した生成物(=主に、デカリンであるが、デカリンになる前の中間体が存在する場合には、その中間体も含む)を回収する生成物回収タンク33と、反応容器1に供給する水素を入れた水素供給部34とから、主に構成されている。水素供給部34は、水素ボンベ、水素貯蔵合金、有機ハイドライド等の水素供給体を入れた容器のいずれの形態のものでも良い。原料タンク32と反応容器1とを繋ぐ原料供給用配管の途中には、送液ポンプ35が配置されている。また、生成物回収タンク33の上方には、余剰の水素等を排気するための排気用配管36が設けられている。
原料タンク32内のナフタレンは、室温で固体であるため、送液ポンプ35にて反応容器31内に送ることができるように、大気圧下の融点(約80℃)以上に加温されている。また、ナフタレンは、常圧下における沸点約218℃より高い温度で加熱された触媒の表面に噴霧される。触媒は、300から400℃の範囲の温度に加熱されるのが好ましい。反応容器31に送られたナフタレンは、触媒表面上にて、水素供給部34から導入された水素を付加し、デカリンとなる。かかる水素付加反応によって生成されたデカリンは、生成物回収タンク33に溜まる。一方、余剰の水素、ミスト状のナフタレンおよびデカリンは、排気用配管36を通じて水素貯蔵装置の外部へと送られる。
なお、送液ポンプ35は、原料タンク32内の原料を液化させてから送るポンプである。しかし、原料タンク32内の原料が気体の場合には、送液ポンプ35に替えて、ガス排出用のポンプを採用しても良い。さらに、送液ポンプ35は、本発明の水素貯蔵装置に必須の構成要素ではない。原料タンク32に原料を入れ、原料タンク32を反応容器31より高い位置に配置した場合には、送液ポンプ35を用いなくても、反応容器31内に原料を供給可能である。また、原料タンク32に圧縮状態の気体原料を入れ、送液ポンプ35の位置に圧力調整器を配置することによっても、反応容器31内に原料を供給可能である。
反応容器31の構造は、先に述べた水素供給装置の反応容器1の構造と同様の構造であるため、その詳細な説明を省略する。
以上、本発明の反応容器1、31、水素供給装置および水素貯蔵装置の実施の形態につき説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
例えば、上述の実施の形態における反応容器1、31は、上下方向に伸びる筒状の容器であるが、かかる形態に限定されず、横長等の様々な形態を採りうる。また、ヒータ29に換えて、バーナー等の加熱手段を使用して触媒27を加熱しても良い。さらに、燃焼触媒を採用しても良い。
本発明の反応容器は、原料を加熱された触媒表面に噴射して、当該触媒表面上にて化学反応を生じさせる装置、特に、外部に水素を供給できる水素供給装置および外部からの水素を貯蔵できる水素貯蔵装置に利用できる。また、本発明の水素供給装置は、燃料電池に接続して、脱水素反応を介して生成した水素を燃料電池用の原料に使用するために利用できる。また、本発明の水素貯蔵装置は、石油精製工場の設備と接続して、石油精製の際に排出される水素を有機化合物の状態で貯蔵するために利用できる。
1 反応容器
2 原料タンク
3 生成物回収タンク
14 噴霧ノズル
15 原料供給用配管
13 触媒
23 多羽根体、多羽根型ヒータ
24 軸
25 羽根
27 触媒
28 触媒担体
29 ヒータ
31 反応容器
32 原料タンク
33 生成物回収タンク
34 水素供給部
2 原料タンク
3 生成物回収タンク
14 噴霧ノズル
15 原料供給用配管
13 触媒
23 多羽根体、多羽根型ヒータ
24 軸
25 羽根
27 触媒
28 触媒担体
29 ヒータ
31 反応容器
32 原料タンク
33 生成物回収タンク
34 水素供給部
Claims (9)
- 軸の周囲に外方向に伸びる少なくとも3枚の羽根を有する多羽根型のヒータと、
上記羽根の表面に配置される触媒と、
上記多羽根型のヒータの周囲であって隣り合う上記羽根の間に配置され、その隣り合う上記羽根の上記触媒に原料を噴霧する噴霧ノズルと、
上記原料を上記噴霧ノズルに供給するための原料供給用配管と、
を備えることを特徴とする反応容器。 - 軸の周囲に外方向に伸びる少なくとも3枚の羽根を有する多羽根体と、
上記多羽根体の上記羽根を加熱するヒータと、
上記羽根の表面に配置される触媒と、
上記多羽根体の周囲であって隣り合う上記羽根の間に配置され、その隣り合う上記羽根の上記触媒に原料を噴霧する噴霧ノズルと、
上記原料を上記噴霧ノズルに供給するための原料供給用配管と、
を備えることを特徴とする反応容器。 - 前記羽根を、前記軸の周囲に等間隔をあけて6枚備え、
前記噴霧ノズルを、隣り合う前記羽根の間に1つずつ備え、
前記噴霧ノズルと隣り合う前記羽根の根元との距離が、前記噴霧ノズルからの原料が隣り合う前記羽根の外に噴射されない距離となるように、前記噴霧ノズルを配置していることを特徴とする請求項1または2記載の反応容器。 - 前記触媒を担持する触媒担体を、前記羽根に配置していることを特徴とする請求項1または2記載の反応容器。
- 前記羽根は、前記軸の方向の両端部を丸めた形状とし、
前記噴霧ノズルから放射状に噴霧される原料が、前記羽根の表面に配置される触媒に効率良く接触させるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の反応容器。 - 前記羽根は、前記軸の方向の両端部を丸めた形状とし、
前記噴霧ノズルから放射状に噴霧される原料が、前記羽根の表面に配置される触媒に効率良く接触させるようにした反応容器ユニットを、前記軸の方向に多段に載積した構成を有する請求項1または2記載の反応容器。 - 前記触媒は、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、ニッケル、モリブデン、タングステン、ニテニウム、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルトまたは鉄のいずれかあるいはこれらの任意の組み合わせであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項記載の反応容器。
- 請求項1から7のいずれか1項記載の反応容器と、
水素を放出可能な水素供給体となる原料を入れ、上記反応容器に上記原料を供給するための原料タンクと、
上記反応容器において上記水素供給体の脱水素反応により生成される水素貯蔵体を回収するための生成物回収タンクと、
を備えることを特徴とする水素供給装置。 - 請求項1から7のいずれか1項記載の反応容器と、
水素を付加して水素貯蔵可能な水素貯蔵体となる原料を入れ、上記反応容器に上記原料を供給するための原料タンクと、
上記反応容器において上記水素貯蔵体の水素付加反応により生成される水素供給体を入れる生成物回収タンクと、
水素を上記反応容器に供給する水素供給部と、
を備えることを特徴とする水素貯蔵装置。
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JP2004008864A JP2005199189A (ja) | 2004-01-16 | 2004-01-16 | 反応容器、水素供給装置および水素貯蔵装置 |
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ID=34822065
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR101576258B1 (ko) * | 2013-05-08 | 2015-12-10 | 엘아이지넥스원 주식회사 | 개질 장치 |
-
2004
- 2004-01-16 JP JP2004008864A patent/JP2005199189A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7840808B2 (en) | 2005-10-25 | 2010-11-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Authentication system, device, and program |
KR101576258B1 (ko) * | 2013-05-08 | 2015-12-10 | 엘아이지넥스원 주식회사 | 개질 장치 |
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