JP2005195393A - 粗度計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な表面形状や狭隘な箇所における表面粗度の計測を可能にした粗度計測方法を提供する。
【解決手段】 タービン翼1の計測面2の表面粗度を型取り材3に転写した後、当該型取り材3の転写面4の湾曲形状を略平面状となるように型取り材3を変形させて、型取り材3に転写された計測面2の表面粗度を計測する。
【選択図】 図1
【解決手段】 タービン翼1の計測面2の表面粗度を型取り材3に転写した後、当該型取り材3の転写面4の湾曲形状を略平面状となるように型取り材3を変形させて、型取り材3に転写された計測面2の表面粗度を計測する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属製品、プラスチック製品、ガラス製品等の表面の粗さ等の表面状態を検査する技術に関し、例えばタービン翼の複雑な表面形状やタービン組立て品の複雑な組立て物の表面検査に適用することが可能である。
ガスタービン等のタービン翼は、高温のガスに晒される部品であるため、さまざまな熱対策が施されている。熱対策の一例として、ガス流との摩擦による熱を軽減するための表面研磨加工、ジルコニア系のセラミックスによる遮熱コーティング等が挙げられる。
表面研磨加工は、簡易的な粗度計を用いて表面の粗さを計測しながら研磨作業がなされている。図2は、表面研磨加工における、表面粗度を計測する工程の概略図である。同図に示すように、タービン翼10の表面のうち、例えば翼部11は粗度計14の大きさに対して比較的平面的な形状を有する部分であり、簡易的な粗度計を用いて表面粗度を確認することができる(下記、特許文献1,2参照)。
しかしながら、タービン翼10のフィレット部12や翼前縁部13のような部分は、粗度計14の大きさや当該部分の表面形状の複雑さ等の理由から、正確に計測できないといった問題がある。したがって、これらの測定不能な部分は、作業員の触感に頼らざるを得なく、例えば算術平均粗さRaが約3μm以下となるような表面状態を管理するには不十分な状態である。
また、複数のタービン翼10を組み立ててタービンとしたような状態においては、タービン翼10同士の隙間に粗度計14を入れて計測することができず、計測のために解体作業を伴うことがあり、タービン運転に伴うデータのサンプリングなどの面で不便さがある。
また、接触式の測定原理を利用した粗度計では、プローブのダイヤモンド針が高硬度のセラミックスコーティングにより磨耗・変形してしまい、計測誤差が大きく、またコストのかかる管理手段となる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、複雑な表面形状や狭隘な箇所における表面粗度の計測を可能にした粗度計測方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明に係る粗度計測方法は、計測面の表面粗度を型取り材に転写した後、当該型取り材に転写された前記計測面の表面粗度を計測することを特徴とする粗度計測方法である。
また、本発明に係る他の粗度計測方法は、湾曲した計測面の表面粗度を型取り材に転写した後、当該型取り材の転写面の湾曲形状を略平面状となるように変形させて、前記型取り材に転写された前記計測面の表面粗度を計測することを特徴とする粗度計測方法である。
計測面の湾曲形状と表面粗度とを比較した場合、両者はスケールレベルが異なり、これら(湾曲形状及び表面粗度)を転写した型取り材の湾曲形状を略平面状としても表面粗度が変化することはないため、計測装置に最適な面形状に変形させて表面粗度を計測する。
また、上記粗度計測方法において、前記計測面は、表面粗度を計測する装置により計測することができない湾曲した計測面であるか、又は、表面粗度を計測する装置を入れることができない狭隘な箇所における計測面であることを特徴とする粗度計測方法である。
また、上記粗度計測方法において、前記計測面は、タービン翼のフィレット部又は翼前縁部であることを特徴とする粗度計測方法である。
また、上記粗度計測方法において、前記表面粗度の計測はレーザー光により行うことを特徴とする粗度計測方法である。
レーザー光を用いた計測により、計測の高速化及び計測範囲の拡大を実現し、表面粗度の管理を効率化する。
また、上記粗度計測方法において、前記型取り材は、シリコンゴムとシロキサンとを主成分とすることを特徴とする粗度計測方法である。
シリコンゴムとシロキサンとを主成分とする型取り材を用いることにより、表面粗度3Ra以下の粗度に対応した計測を行う。
本発明に係る粗度計測方法によれば、計測面の表面粗度を型取り材に転写した後、当該型取り材に転写された前記計測面の表面粗度を計測することとしたので、例えば硬度の高い表面の粗度を計測機器を選ばずに計測することができると共に、複雑な表面形状や狭隘な箇所における表面の粗度を計測することができる。
また、本発明に係る他の粗度計測方法によれば、湾曲した計測面の表面粗度を型取り材に転写した後、当該型取り材の転写面の湾曲形状を略平面状となるように変形させて、前記型取り材に転写された前記計測面の表面粗度を計測することとしたので、複雑な表面形状を有する面の粗度をより精度良く計測することができる。
また、上記粗度計測方法において、表面粗度を計測する装置により計測することができない湾曲した面または表面粗度を計測する装置を入れることができない狭隘な箇所における面を計測面としたので、従来の方法では計測困難だった箇所の粗度計測をすることができる。
また、上記粗度計測方法において、タービン翼のフィレット部又は翼前縁部を計測面としたので、本発明に係る粗度計測方法を最適な計測面に適用することができる。また、複数のタービン翼を組み立ててタービンとしたような状態においても、計測のために解体作業を行う必要がなく、組み立てられたタービンの状態で表面粗度の計測を行うことができる。
また、上記粗度計測方法において、表面粗度の計測はレーザー光により行うこととしたので、計測の高速化及び計測範囲の拡大を実現し、表面粗度の管理を効率化することができる。また、接触式の計測器に比べて、機器の保守的な面及び計測コストの面においても有利な計測方法とすることができる。
また、上記粗度計測方法において、シリコンゴムとシロキサンとを主成分とする型取り材としたので、表面粗度3Ra以下の粗度に対応した計測を精度良く行うことができる。
図1は、実施形態に係る粗度計測方法を示す工程図であり、タービン翼の表面粗度を計測する例を示してある。同図(a)に示すように、タービン翼1の表面粗度を計測したい所望の部分(計測面2)に型取り材3を密着させる。本実施形態では、シリコンゴムとシロキサンとを主成分とする「型取り剤」を計測面2に厚く塗布した後、これを硬化させて、ゴム状の型取り材3とした。この型取り剤は、シリコンゴムとシロキサンとを主成分とするため、表面粗度3Ra以下の粗度に対しても高い精度で型取りが可能であり、タービン翼の表面研磨加工のように高い研磨精度を必要とされる研磨工程に最適である。
同図(b)に示すように、計測面2から型取り材3を取り外すと、型取り材3には、計測面2が転写された転写面4が形成される。ここで、転写面4には、計測面2の表面粗度のみならず、計測面2の湾曲した表面形状が転写されている。
この湾曲した表面形状が、粗度計測に困難なほど湾曲し、複雑な表面形状となっている場合には、同図(b)及び(c)に示すように、転写面4が略平面状となるように、型取り材3を変形させる。したがって、型取り材3は計測面2を転写した後はゴム状の弾性体となりうる材料が好ましい。
計測面2の湾曲形状と表面粗度とを比較した場合、両者はスケールレベルが異なるため、湾曲形状及び表面粗度が転写された転写面4を略平面状となるように変形させても、転写された表面粗度が変化することはない。この略平面状となるように変形させた転写面4に対して、粗度計5により表面粗度の計測を行う。本実施形態ではレーザー光6を利用した粗度計5により計測を行っているため、高精度かつ再現性よく計測することができる。
本実施形態では、タービン翼1の翼前縁部(図2の翼前縁部13を参照)を計測面2とした例を示したが、フィレット部(図2のフィレット部12を参照)も同様に従来の方法では計測困難な箇所であり、本発明を適用することにより精度よく計測することができる。また、複数のタービン翼1を組み立ててタービンとしたような状態、すなわち、各タービン翼が込み入っており狭隘な箇所を計測する場合においても、本発明によれば、計測のための解体作業を行う必要がない。この結果、タービン運転に伴うデータ(表面状態の変化や故障原因の究明など)のサンプリングなどの面で有利となる。
1 タービン翼
2 計測面
3 型取り材
4 転写面
5 粗度計
6 レーザー光
10 タービン翼
11 翼部
12 フィレット部
13 翼前縁部
14 粗度計
2 計測面
3 型取り材
4 転写面
5 粗度計
6 レーザー光
10 タービン翼
11 翼部
12 フィレット部
13 翼前縁部
14 粗度計
Claims (6)
- 計測面の表面粗度を型取り材に転写した後、当該型取り材に転写された前記計測面の表面粗度を計測することを特徴とする粗度計測方法。
- 湾曲した計測面の表面粗度を型取り材に転写した後、当該型取り材の転写面の湾曲形状を略平面状となるように変形させて、前記型取り材に転写された前記計測面の表面粗度を計測することを特徴とする粗度計測方法。
- 請求項1又は2に記載する粗度計測方法において、
前記計測面は、表面粗度を計測する装置により計測することができない湾曲した計測面であるか、又は、表面粗度を計測する装置を入れることができない狭隘な箇所における計測面であることを特徴とする粗度計測方法。 - 請求項1又は2に記載する粗度計測方法において、
前記計測面は、タービン翼のフィレット部又は翼前縁部であることを特徴とする粗度計測方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載する粗度計測方法において、
前記表面粗度の計測はレーザー光により行うことを特徴とする粗度計測方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載する粗度計測方法において、
前記型取り材は、シリコンゴムとシロキサンとを主成分とすることを特徴とする粗度計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004000177A JP2005195393A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 粗度計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004000177A JP2005195393A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 粗度計測方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005195393A true JP2005195393A (ja) | 2005-07-21 |
Family
ID=34816096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004000177A Withdrawn JP2005195393A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 粗度計測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005195393A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007278818A (ja) * | 2006-04-06 | 2007-10-25 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤ接地部付近の表面形状検出方法と装置及び表面形状測定方法 |
GB2469863A (en) * | 2009-04-30 | 2010-11-03 | R & A Rules Ltd | Measuring surface profile of golf clubs, calibrating image capture device and apparatus for preparing a measurement specimen by taking a cast of a surface |
-
2004
- 2004-01-05 JP JP2004000177A patent/JP2005195393A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2469863A (en) * | 2009-04-30 | 2010-11-03 | R & A Rules Ltd | Measuring surface profile of golf clubs, calibrating image capture device and apparatus for preparing a measurement specimen by taking a cast of a surface |
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