JP2005193375A - 眼鏡レンズの溝彫り加工方法および溝彫り加工装置 - Google Patents

眼鏡レンズの溝彫り加工方法および溝彫り加工装置 Download PDF

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芳弘 牧野
Takashi Igarashi
尚 五十嵐
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Abstract

【課題】溝の深さや位置を所望の値に自在に制御しながら正確に形成することのできる眼鏡レンズの溝彫り加工方法および溝彫り加工装置を提供する。
【解決手段】 レンズ16の位置決めがなされると、エンドミルである工具131は、所定回転数で回転しながら、点P0 にアプローチを行う。アプローチが完了すると、レンズ16は、中心点Oを軸に図面右回りに回転を開始し、このレンズ16の回転にともなって、端面161には、予め設定された深さd0 の溝162が形成される。溝162がレンズ全周にわたって形成され、点P0 に戻ると、工具131は、アプローチのときとは逆方向に移動してレンズ16から離れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は眼鏡レンズの端面に溝を形成するための眼鏡レンズの溝彫り加工方法および溝彫り加工装置に関し、特にリムレスフレーム用眼鏡レンズの端面にナイロン糸を通すための溝を形成する眼鏡レンズの溝彫り加工方法および溝彫り加工装置に関する。
従来、リムレスフレーム用眼鏡レンズの端面にナイロン糸を通すための溝を形成するためには、専用の溝彫り加工装置を使用していた。この溝彫り加工装置では、眼鏡レンズを両面側から保持軸によって保持し、保持軸を中心に眼鏡レンズを回転させ、そのレンズ端面部を円板状のカッタに自重を利用して当てて切削するようにしていた。(例えば特公昭61−44628号等)
ところで、眼鏡レンズは、レンズ形状が真円に近くない限りは、その端面部は保持軸方向に湾曲している。通常、ナイロン糸を通すための溝は、端面形状に沿って彫ることが好ましい。しかし、カッタは円板状のため、ある程度切り込むと、レンズ端面とは線接触になってしまい、カッタは、本来形成されるべき溝の湾曲形状と干渉することになる。このため、レンズ端面の湾曲が大きい場合には、溝の幅が均一にならないことがあり、正確に溝を形成することができないという問題があった。
また、従来の溝彫り加工装置では、加工前に機械的に設定された値に溝の深さや位置が固定され、これらを加工状況に応じて制御することができなかった。このため、理想的な形状の溝を形成することができなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、溝の深さや位置を所望の値に自在に制御しながら正確に形成することのできる眼鏡レンズの溝彫り加工方法および溝彫り加工装置を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、眼鏡レンズの端面に溝を形成するための眼鏡レンズの溝彫り加工方法において、エンドミルを前記眼鏡レンズに対して相対的に移動制御することにより、前記端面に前記溝を彫ることを特徴とする眼鏡レンズの溝彫り加工方法が提供される。
エンドミルは、目的の溝幅とほぼ同じ径のものを使用すればよいので、レンズ端面にほとんど線接触しない。したがって、溝の湾曲形状に干渉することがないので、溝幅を均一にできる。また、エンドミルはレンズに対して相対的に移動制御されるので、溝の深さや位置を所望の値に制御することができ、より正確な溝の形成が可能となる。
以下、本発明の一形態を図面に基づいて説明する。図2は本形態の溝彫り加工装置の外観構成を示す斜視図である。溝彫り加工装置10は、各機構部が基台11に取り付けられることにより構成されている。基台11の基板11aは水平に設けられており、この基板11a上には、レンズ保持ユニット12および工具回転機構部13が設けられている。レンズ保持ユニット12には、平摺り加工されたレンズ16が装着される。
レンズ保持ユニット12は、後述する機構により、基板11aの面と平行で、かつ工具131の軸と平行な方向(以後Y軸方向と呼ぶ)にスライド可能に設けられている。ここで、工具131としては、エンドミルが使用されている。また、レンズ保持ユニット12は、基板11aの面と平行で、かつ工具131の軸と垂直な方向(以後Z軸方向と呼ぶ)にスライド可能に設けられている。
工具回転機構部13は、基板11a上に固定されている。工具回転機構部13の工具131は、工具回転用モータ132によって軸芯周りに一定速度で回転する。
基板11aの下側には、切り込み動作機構部14が取り付けられている。この切り込み動作機構部14は、レンズ保持ユニット12をY軸方向に移動させて、レンズ16を工具131に対して切り込み動作させる機構である。
基板11aの下側には、ダクト15が設けられている。ダクト15は、溝彫り作業中、図示されていない切削液噴射ホースからレンズ16や工具131に向かって噴射された切削液を、基台11の下方に排出する。また、エアーで切削粉を吹き飛ばし、ダクト15で吸引するようにしてもよい。
溝彫り加工装置10の各機構部は、基板11a下側に設けられた後述の制御装置100によって、電気的に制御される。図3は溝彫り加工装置10の上部の概略構成を示す平面図である。基台11の基板11a上には、Y軸方向に移動するYテーブル20が設けられている。このYテーブル20は、Y軸方向に向くように基板11aに固定された2本のレール21,22上に摺動可能に設けられている。各レール21,22の両端部には、それぞれ蛇腹状のカバー211,212およびカバー221,222が取り付けられている。カバー211,212は、それぞれ一端側がレール21の端部に、他端側がYテーブル20に固定されている。一方、カバー221,222は、それぞれ一端側がレール22の端部に、他端側がYテーブル20に固定されている。カバー211,212およびカバー221,222は、Yテーブルの移動に応じて伸縮し、レール21,22を保護する。
Yテーブル20は、基板11aに形成された図示されていない開口部を介して、前述の切り込み動作機構部14と連結されており、そのY軸方向への移動が制御される。
Yテーブル20の上面には、Z軸方向に向くように2本のレール31,32が固定されている。このレール31,32には、Zテーブル30が摺動可能に設けられている。各レール31,32の両端部には、それぞれ蛇腹状のカバー311,312およびカバー321,322が取り付けられている。これらカバー311,312およびカバー321,322は、Yテーブルのカバー211,212およびカバー221,222とほぼ同じ構造および機能を有するので、ここでは説明を省略する。
Zテーブル30は、Yテーブル20上に固定されたZテーブル移動機構部33によって移動制御される。Zテーブル移動機構部33には、Z軸用モータ331が設けられている。Z軸用モータ331の回転軸には、ボールネジ332が連結されており、このボールネジ332には、Zテーブル30に固定された取り付け片333が螺合している。Z軸用モータ331は、後述の制御装置100からの指令に応じて、正逆両方向に回転する。
Z軸用モータ331が回転することにより、ボールネジ332が回転する。そして、このボールネジ332の回転によって、取り付け片333が移動し、取り付け片333と一体にZテーブル30がレール31,32に沿って移動する。なお、Zテーブル30の移動の向きは、Z軸用モータ331の回転方向によって決まる。
Zテーブル30の上面には、レンズ保持ユニット12が固定されている。レンズ保持ユニット12は、工具131の軸と平行な軸121を有している。軸121は、レンズ保持ユニット12内の回転機構部によって回転する。軸121の先端には、レンズホルダ受け121aが固定されている。このレンズホルダ受け121aには、加工用のレンズ16が固定されたレンズホルダ17が取り付けられる。
また、レンズ保持ユニット12には、レンズ押さえ軸122がレンズ16方向にスライド可能に取り付けられている。レンズ押さえ軸122は、後述のエアシリンダの圧力を受けてレンズ16側に移動し、その先端のレンズ押さえ122aによってレンズ16を押圧し、軸121との間でレンズ16を保持する。
図4はレンズ保持ユニット12内部の構成を示す平面図である。レンズ保持ユニット12のケース12a内には、エアシリンダ123が設けられている。エアシリンダ123は、外部に設けられた図示されていないエアポンプから送られるエアの圧力に応じて、その軸123aがZ軸方向に移動する。軸123aの先端には、アーム123bが固定され、軸123aと一体に移動するように設けられている。このアーム123bには、ガイドテーブル123cおよびレンズ押さえ軸122が固定されている。レンズ押さえ軸122は、ケース12aに形成されたZ軸方向に延びる長穴12bに沿って移動できるように設けられている。レンズ押さえ軸122の先端には、レンズ押さえ122aがZ軸周りに正逆回転自在に設けられている。
ガイドテーブル123cは、レール台124の側面にZ軸方向に平行となるように設けられたレール124aに、摺動可能に嵌合している。これにより、軸123aが移動すると、これと一体に、アーム123b、ガイドテーブル123c、およびレンズ押さえ軸122がZ軸方向に移動する。
また、ケース12a内には、レンズ回転用モータ125が設けられている。このレンズ回転用モータ125の軸125aには、カップリング125bを介して小径のギア125cが連結されている。このギア125cは、大径のギア125dに連結されている。さらにギア125dの同軸にはプーリ125eが設けられており、このプーリ125eは、ベルト125fを介してプーリ121bに連結されている。プーリ121bは、軸121に固定されている。
これにより、レンズ回転用モータ125が駆動すると、軸125aの回転がカップリング125b、ギア125cに伝達され、さらにギア125dで減速され、この減速された回転がプーリ125e、ベルト125f、プーリ121bを介して軸121に伝達される。
軸121には、スリット板121cが固定されており、このスリット板121cの回転位置を、ケース12a内に固定された光センサ126が検出することにより、軸121に固定されたレンズの原点位置が検出される。
このような構成のレンズ保持ユニット12では、図3で示したようにレンズホルダ受け121aにレンズ16が固定されると、エアシリンダ123が駆動して、レンズ押さえ軸122が図面左側に移動する。そして、レンズ16をレンズ押さえ122aによって押圧することにより、レンズ16が固定される。レンズ16の溝彫り加工時は、レンズ回転用モータ125が駆動して、軸121が回転し、これと同時にレンズ16が回転する。また、レンズ16が回転することにより、レンズ押さえ122aも一体に回転する。
図5は切り込み動作機構部14の概略構成を示すため溝彫り加工装置10を一部断面にした右側面図である。切り込み動作機構部14は、ボード60の上に設けられている。このボード60は、パイプ60a,60b等を介して基板11aの下側に取り付けられている。ボード60上には、取り付け部材61a,61bを介して、Y軸方向に向くレール61が固定されている。
ボード60上には、レール61と平行に図示されていないレールが固定されている。また、ボード60上で、レール61と図示されていないレールとの中間位置には、これらと平行に、取り付け部材62a,62bを介してボールネジ62が取り付けられている。ボールネジ62は、取り付け部材62a,62bに対して正逆回転自在になっている。ボールネジ62の一端部は、ボード60上に固定された切り込み用モータ63の軸と連結されている。切り込み用モータ63は、後述の制御装置100からの指令に従って正逆両方向に回転する。この切り込み用モータ63の回転と連動して、ボールネジ62も回転する。
レール61、図示されていないレール、およびボールネジ62には、案内部材71,72等を介してテーブル70がスライド可能に取り付けられている。案内部材71は、レール61等に対しては摺動し、ボールネジ62に対しては螺合するように取り付けられている。一方、案内部材72は、ボールネジ62とは独立しており、レール61等に対して摺動するように取り付けられている。このように設けられたテーブル70は、ボールネジ62が回転することにより、その回転方向に応じて、図面の右方向または左方向に移動する。
案内部材71,72には、それぞれスイッチ片711,721が取り付けられている。スイッチ片711は、テーブル70が切り込み量計測の基準となる原点位置にあるときに、ボード60に固定された光センサ712をオンにする。一方、スイッチ片721は、テーブル70が図面右側のリミット位置にあるときに、ボード60に固定された光センサ722をオンにする。また、スイッチ片721は、テーブル70が図面左側のリミット位置にあるときに、ボード60に固定された光センサ723をオンにする。
このような切り込み動作機構部14のテーブル70上には、固定部材73を介してYテーブル20が固定されている。よって、Yテーブル20およびレンズ保持ユニット12は、切り込み動作機構部14のテーブル70と一体にY軸方向に移動する。これにより、レンズ16のカッタ131への切り込み動作が行われる。
図6は本形態の溝彫り加工装置10における制御装置100を中心とした電気的な接続関係を示すブロック図である。ただし、ここでは、主要な構成のみを示す。制御装置100は、例えばロジック回路で形成されている。制御装置100は、レンズ保持ユニット12のエアシリンダ123内の電磁弁に駆動信号を送り、レンズ16の保持を行う。エアシリンダ123が駆動しているか否かの判断は、磁力センサ123dからの検知信号によって判断する。
制御装置100は、ドライバ127に回転指令信号を送り、これをドライバ127が増幅し、レンズ回転用モータ125を駆動する。眼鏡レンズ16の原点位置は、レンズ回転センサ126からのパルス信号に基づいて判断する。工具131の回転は、インバータ133を介して工具回転用モータ132を駆動することにより行う。
Zテーブル30の移動は、制御装置100がドライバ334に移動指令信号を送り、これをドライバ334が増幅し、Z軸用モータ331を駆動することにより行う。Zテーブル30の移動量は、Z軸用モータ331の軸に取り付けられたセンサ331aによって検出される。
Yテーブル20の切り込み量の制御は、制御装置100がドライバ631に移動指令信号を送り、これをドライバ631が増幅し、切り込み用モータ63を駆動することにより行う。Yテーブル20の移動量は、切り込み用モータ63の軸に取り付けられたセンサ63aによって検出される。
制御装置100には、切り込み動作機構部14内の各センサ、例えば図5で示した光センサ712,722,723からの検出信号が送られる。制御装置100は、これら各センサからの検出信号に基づいて切り込み動作機構部14全体を制御する。
制御装置100は、加工システム全体を管理するホストコンピュータ101と接続されている。このホストコンピュータ101からは、平摺り加工後のレンズ16の形状データ(r,θ,z、レンズ厚、外径等を含む)や加工情報等が送られ、制御装置100は、この送られた形状データや加工情報に基づいて、後述する方法によりレンズ16の端面の溝彫り加工を行う。
また、制御装置100には、操作盤102が接続されている。操作盤102により、加工方法の選択や、加工開始、停止等の指令がなされる。また、操作盤102に表示装置を設けることにより、加工状態の表示やアラーム表示等を行うことができる。
次に、このような構成を有する本形態の溝彫り加工装置10による溝彫り加工の具体的な手順を説明する。図1は本形態の溝彫り加工装置10による溝彫り加工の具体的な手順を説明する図であり、(A)は工具131によるレンズ16へのアプローチの状態を示す図、(B)は溝彫り加工の実行状態を示す図である。溝彫り加工開始時、レンズ16は、その端面161の眉側部分161aの特定の点P0が工具131側に位置するように位置決めされる。レンズ16の位置決めがなされると、工具131は、所定回転数(25000rpm程度)で回転しながら、点P0 にアプローチを行う。このときの切り込み量は、段階的に行われ、最初は浅く、次は深くなるように制御される。ただし、これは相対的な動きであって、実際にはレンズ16がY軸方向に移動する。
アプローチが完了すると、レンズ16は、例えば図(B)に示すように、中心点Oを軸に図面右回りに回転を開始する。この回転の速度は、レンズ16の1回転に30secかかる程度である。レンズ16の回転にともなって、端面161には、予め設定された深さd0の溝162が形成される。加工中は、レンズ16の形状データに基づいて、工具131が現在接触している端面位置と中心点Oとの距離が計算され、この距離に応じてレンズ16のY軸方向の位置が移動制御される。また、レンズ16のY軸方向の位置は、溝162の深さd0が常に一定になるように、端面の傾きに応じて常時補正されている。
また、加工中は、形状データに基づいて、端面161の特定の位置、例えば端面161上の幅方向の中心位置、あるいはレンズ前面から一定距離の位置に工具131が常に位置するように、レンズ16がZ軸方向に移動制御される。
このような制御が継続されてレンズ16が1回転することにより、端面161には、溝162がレンズ全周にわたって形成される。工具131は、点P0 に戻ると、アプローチのときとは逆方向に移動してレンズ16から離れる。このように、工具131のレンズ16へのアプローチおよび離間位置を、眉側部分161aに設定することにより、仮に端面161に傷や段部ができたとしても、例えばナイロールと呼ばれるタイプのフレームに使用されるレンズでは、眉側部分161aには最終的にフレームが取り付けられるので、このフレームによって隠すことができる。また、累進レンズ等の多焦点レンズの場合には、コバ厚の厚い遠用部が眉側に位置するので、加工精度の点で有利である。
このような溝彫り加工では、レンズ16を吊るナイロン糸として直径が例えば0.52mmのものを使用する場合には、溝162の幅は0.6mm程度、溝162の深さd0 は0.3mm程度にすることが好ましい。このとき、工具131としては、直径が0.6mmのボールエンドミルを使用する。また、レンズ16の材質がジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル系樹脂や、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂のとき、工具131の材質には、超硬合金を使用することが好ましい。
図7はレンズ16の端面に形成された溝の形状の例を示す図であり、(A)は第1の加工経路形状例を示す図、(B)は第2の加工経路形状例を示す図、(C)は第1の断面形状例を示す図、(D)は第2の断面形状例を示す図である。溝162は、図(A)に示すように、通常は、レンズ16の端面161の特定の位置にあるように、端面161の湾曲に沿って形成される。本形態では、工具131としてエンドミルを使用しているので、工具径は溝162とほぼ同じでよく、溝162の湾曲形状に対する干渉がほとんどない。したがって、溝162の幅を均一にでき、より正確に溝162を形成することができる。
また、レンズ16に対する工具131の相対的な位置は、Yテーブル20、Zテーブル30の位置を制御することにより微調整できるので、溝162の位置や形状が機械的に固定されることなく、自在に設定することができる。このため、例えば端面161の幅や湾曲が大きいなどの場合には、図(B)に示すように、溝162を端面161の湾曲に沿わせることなく、直線的な形状にすることができる。
一方、溝162の断面形状としては、図(C)に示すように、半円形状、すなわち、ボールエンドミルのボール部分のみがレンズ16に切り込むようにすればよい。あるいは、図(D)に示すように、さらに微小量d1
だけ深く形成してもよい。これにより、ナイロン糸を確実に溝162に嵌め込むことができる。
なお、本形態では、工具131によるレンズ16へのアプローチおよび離間の方法として、図1(A)のように、工具131をレンズ回転軸とY軸とで制御する例を示したが、レンズ16または工具131を上下方向に移動させる機構部を備えて、図8に示すように、工具131をレンズ16の端面161に対して、経路L1 のように緩やかにアプローチさせ、さらに、溝162の加工後には、経路L2 のように緩やかに離間させるようにしてもよい。これにより、端面161に段や傷ができるのを防止することができる。
また、本形態では、レンズ16への溝彫り加工のために、専用の溝彫り加工装置10を使用する例を示したが、CNCで制御される一般の工作機械に工具としてエンドミルを取り付け、NCプログラムによって溝彫り加工を行うようにしてもよい。
[発明の効果]
以上説明したように本発明では、エンドミルを眼鏡レンズに対して相対的に移動制御することにより、端面に溝を彫るようにしたので、溝の深さや位置を所望の値に制御することができ、正確な溝の形成が可能となる。
また、エンドミルは、目的の溝幅とほぼ同じ径のものを使用すればよいので、レンズ端面にほとんど線接触することがない。したがって、溝の湾曲形状に干渉することがないので、溝幅を均一にできる。
本形態の溝彫り加工装置による溝彫り加工の具体的な手順を説明する図であり、(A)は工具によるレンズへのアプローチの状態を示す図、(B)は溝彫り加工の実行状態を示す図である。 本形態の溝彫り加工装置の外観構成を示す斜視図である。 溝彫り加工装置の上部の概略構成を示す平面図である。 レンズ保持ユニット内部の構成を示す平面図である。 切り込み動作機構部の概略構成を示すため溝彫り加工装置を一部断面にした右側面図である。 本形態の溝彫り加工装置における制御装置を中心とした電気的な接続関係を示すブロック図である。 レンズ16の端面に形成された溝の形状の例を示す図であり、(A)は第1の加工経路形状例を示す図、(B)は第2の加工経路形状例を示す図、(C)は第1の断面形状例を示す図、(D)は第2の断面形状例を示す図である。 レンズに対する工具のアプローチおよび離間の他の方法を示す図である。
符号の説明
10 溝彫り加工装置
11 基台
12 レンズ保持ユニット
13 工具回転機構部
14 切り込み動作機構部
16 レンズ
20 Yテーブル
30 Zテーブル
100 制御装置
131 工具(エンドミル)
132 工具回転用モータ
161 端面
162 溝

Claims (5)

  1. 眼鏡レンズの端面に溝を形成するための眼鏡レンズの溝彫り加工方法において、
    前記眼鏡レンズは、コバ厚の厚い遠用部が眉側に位置する累進多焦点レンズであり、
    前記溝は前記眼鏡レンズの端面に糸を通すための溝であり、
    前記溝の深さよりも長くかつ前記糸の直径と同程度の直径を有するボールエンドミルを前記眼鏡レンズに対して相対的に移動制御し、さらに前記ボールエンドミルによる前記眼鏡レンズへのアプローチおよび離間を前記眼鏡レンズの眉側端面で行うようにして前記端面に前記溝を彫ることを特徴とする眼鏡レンズの溝彫り加工方法。
  2. 前記眼鏡レンズの端面に対して、前記ボールエンドミルを緩やかにアプローチさせ、さらに、前記溝の加工後には緩やかに離間させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズの溝彫り加工方法。
  3. 請求項1又は2記載の眼鏡レンズの溝彫り方法によって端面に糸を通すための溝が形成されていることを特徴とする累進多焦点眼鏡レンズ。
  4. 眼鏡レンズの端面に溝を形成するための眼鏡レンズの溝彫り加工装置において、
    回転可能な保持軸によって、前記眼鏡レンズをレンズ面側から保持するレンズ保持ユニットと、
    前記レンズ保持ユニットに設けられ、前記保持されたレンズを回転させるレンズ回転機構部と、前記保持軸とほぼ垂直方向に取り付けられたエンドミルを回転させる工具回転機構部と、前記レンズ保持ユニットをほぼ水平移動させて、前記眼鏡レンズの前記エンドミルへの切り込み動作を行う切り込み動作機構部と、
    前記レンズ保持ユニットをほぼ前記保持軸の軸芯方向に移動させる軸芯方向移動機構部と、
    前記切り込み動作機構部、前記軸芯方向移動機構部、前記レンズ回転機構部および前記工具回転機構部を同期させて駆動することにより、前記エンドミルによって前記眼鏡レンズの端面に前記溝を形成するように制御を行う溝彫り制御手段と、を有することを特徴とする眼鏡レンズの溝彫り加工装置。
  5. 前記溝彫り制御手段は、前記エンドミルによる前記眼鏡レンズへのアプローチおよび離間を前記眼鏡レンズの眉側端面で実行するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の眼鏡レンズの溝彫り加工装置。
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