JP2005192703A - 掛蒲団 - Google Patents

Abstract

【課題】
通常の羽毛ふとんや真綿ふとんは極めの細かい生地に覆われ通気性が損なわれる素材で仕立てられている。また羽毛ふとんの生地にはダウンプルーフ加工などが基本的に施されており充填物の本来の素材感が閉じ込められている。
【解決手段】
本発明に係る掛蒲団は、表地及び裏地からなる袋状の生地に中わた、羽毛・真綿・獣毛・指定外繊維・化学繊維の充填物を充填した掛蒲団であって、該掛蒲団の生地はニット素材（編み物）で形成され、編み物は通気性が良く伸縮性に富み肌触りや風合いが良い素材で形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は袋状の掛け布団生地に内に充填する充填物の特性を十分に生かすため、従来の蒲団よりも通気という事項を念頭においた。特に真綿等の吸湿に優れた素材を中わたに使用している掛け蒲団には好適な技術である。

従来、特に羽毛・獣毛・真綿などを中わたに用いている蒲団の場合、中わたの吹出し防止の為にダウンプルーフ加工（羽毛が側生地から吹出さない様にする為の生地の加工。日本羽毛協会では“1平方センチメートル当125hpの圧力をかけて、1秒間に2ｃｃ以上の通気度が羽毛を吹出さない”をめどとしている。）やウールプルーフ加工といった目潰しの加工を施した生地を蒲団の側生地として用いている。
したがって生地の目をふさいでいる為、通気性はメーカーが唱えているほど良くない。
例えば羽毛蒲団は外気と内気の熱の遮断によって暖かくなる。
しかしダウンプルーフ加工を施した羽毛蒲団はダウンプルーフ加工を施していない羽毛蒲団に比べ、前記で述べたように通気性が良くない。したがってダウンプルーフ加工を施した羽毛蒲団の暖かさとは、寝床内気象（温度33℃±1℃・湿度50％±5℃が良眠を得るには好ましい気象環境）のが悪く、ビニールを掛けた時の様な蒸れ間（最初は暖かいが湿気がこもり、次第に蒸れ温かくなる）を伴った暖かさといっても過言ではない。
獣毛・真綿も多少の違いはあるが、ダウンプルーフ加工やウールプルーフ加工を使っている為、中わた、・羽毛・真綿・棉綿・獣毛等の素材の特性（吸湿性・発散性）を引き出せていない。

蒲団に求められているものの一つに、蒲団に人が寝ている時の蒲団内部の状態「寝床内気象」（温度33℃±1℃・湿度50％±5℃が良眠を得るには好ましい気象環境）がいかに適温であるか、そしてもう一つは、いかに人体が睡眠中に発汗する汗を吸収し、発散するかが上げられる。本発明は寝床内気象の湿度を調整する(睡眠中に蒲団内の湿度のバランスを保つ)蒲団を提供する事にある。

本発明に係る蒲団は、表地及び裏地もしくは一方からなる袋状の生地に中わた、羽毛・真綿・棉綿・獣毛・指定外繊維・化学繊維の充填物を充填した蒲団であって、掛け蒲団の生地は通気性が良く伸縮性に富み肌触りや風合いが良い、ニット素材（編み物）で形成されている蒲団とする。

本発明は蒲団に求められているものの中に保湿、吸湿、発散、ドレープ性（体への密着度）
等が有るが、その中でも吸湿、発散とドレープ性に主旨をおいた。
蒲団の中わたをニット素材の側生地で包む事により、従来の吹き出し防止加工等をしている側生地よりも格段に通気性が向上した。
したがって、中わたの素材が持つ本来の吸湿、発散性という特徴が十分に発揮できる蒲団になっている。
その結果［背景技術］で述べたようにビニールを掛けた時の様な暖かさ（最初は暖かいが湿気が外へ逃げず、次第に蒸れ温かくなる）から解放される。
蒸れ感とは、蒲団内部の湿度である。湿度を低く保てると次のような効果がある．
例えばすべての人がこれに準ずるとは限らないが、ある喘息の人にこの蒲団をあてはめてみる。睡眠時の喘息の発作原因の一つに、蒲団内部の湿度がある。それは蒲団内部の湿度が上昇し皮膚呼吸がしずらくなる。その結果、鼻からの呼吸だけでは足りず、口からも呼吸することになり口からの呼吸は乾いた冷たいほこりの混じった空気を肺に入れるために肺が反応を起こして咳がでる。
したがって、これを防ぐには、蒲団内部の湿度を常に低く保つ必要がある。
このように、本発明は湿度を抑えることにより改善できる、喘息、リュウマチ、関節炎、床ズレ予防などへの医薬的効果も期待できる。

例えば蒲団の側生地にシルクニット素材（編み物）を使用し、中わたには手引き真綿（蚕の繭を重曹に入れた湯でほぐし、それを乾かし更に人の手で伸ばしたもの）を使用した蒲団がある。
シルクの特性の一つに吸湿速度が上げられる。リネンや綿と比較して、素早く湿気を吸う事は布団の側生地としては最も適してる素材といえる。(図1参照)
また、シルクは綿、麻、ウールなどの様に短繊維ではなく、長繊維（絹糸は約1500M）の為、毛羽が少ない。したがって蒲団の側生地にシルクニット素材（編み物）を使用し、なかわたには手引き真綿を使用した蒲団はホコリが少ない。
更に、シルクは柔らかい繊維の為、リネンや綿と比較して、ドレープ性（体へのなじみ）にも優れ、ドレープ性を活かすために蒲団表面にキルトを施さない。(図2参照)
蒲団の温かさを人体で感じるには、体と蒲団の隙間の空気も暖まらなくては感じる事が出来ない。体と蒲団の隙間が大きい蒲団では、人体が暖かさを感じるのは遅い。
よって、蒲団の側生地にシルクニット素材（編み物）を使用し、中わたには手引き真綿を使用した蒲団(図3参照)はドレープ性（体へのなじみ）が非常に良く、人体が温かさを感じるのが早い。
ゆえに、この素材の組み合わせがこの発明の最良の形態といえる。

以下 本発明の実施例を図面の様に説明する。
天然繊維の吸湿速度表 掛蒲団の全体図 掛蒲団の断面図

符号の説明

１ ニット生地
２ チイ
３ 中わた

Claims (2)

1. 内部に中わたを有する掛け蒲団の側生地は両面もしくは片面をニット素材（編み物）で
   形成した事を特徴とする掛蒲団。
2. 前記ニット素材としてシルクを含む素材で形成した事を特徴とする請求項1記載の掛蒲団。

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