JP2005192637A - 脳機能計測方法及び脳機能計測システム - Google Patents

脳機能計測方法及び脳機能計測システム Download PDF

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Kiyoshi Itao
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晴彦 堀江
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Abstract

【課題】 本発明は、コンピュータ管理を用いて、脳機能活性度計測の信頼性を高めると共に、高齢者に精神的苦痛とストレスを与えずに、ゲーム感覚でテストできる脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、画像情報データベース12Aから、注視エリアを設けた一次画像と、これと注視エリア内の情報が同じ又は異なる二次画像を選択し、ディスプレイ13A上に時間を置いて表示し、同じか異なるかを被験者2に回答してもらい、その回答結果から被験者2の脳機能の活性度を評価する。また、被験者2が注視エリアを見ているか否かをアイカメラ17Aで検出し、注視していない時の回答を無効にする。脳機能の活性度の評価は、知的レベルと生活レベルに分けて行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は脳機能計測方法及び脳機能計測システムに関する。詳しくは、被験者にディスプレイに表示した一次画像と二次画像が同じか異なるかを回答してもらい、その回答結果から脳機能の活性度を計測する脳機能計測方法及び脳機能計測システムに関する。
従来のこの種の技術は心理学的根拠に基づいたものが多く、中でも「長谷川式痴呆テスト」が最も有名で、痴呆の有無やその程度を、「今日は何月何日か」「年齢は」など9つの課題を被験者に提示して、その結果から簡便に判定するもので、要介護認定用テストなどに専ら用いられている。最近では、ひらがなで書かれた文章の意味を理解しながらア行の文字(あいうえお)を抽出する通称「かな拾いテスト」も導入・利用されている。
また、痴呆に密接に関係することが最近の研究でわかってきた脳機能の活性度を計測する手段としてfMRI(機能的磁気共鳴画像:functional magnetic resonance imaging)法がある。fMRI法とは、MRI内の被験者が特定の課題(知性、感情の働き等)を行った際に活動する脳部位を3次元的に可視化し、さらにその脳部位の神経細胞の活動レベルを計測できる方法である。
加藤伸司、長谷川和夫、下垣光:「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS−R)の作成」、老年精神医学雑誌2、pp1339−1347、1991.
しかし、従来、臨床の現場で行われている多くの痴呆レベル診断テストは、周囲の人達から見て何か行動に常軌を逸する部分があるが故に痴呆外来受診に至った人を診断して、痴呆度のランク付けをするためのテストであり、外見上正常に見える人へのテストではない。
すなわち、従来技術では、(1)被験者あるいは患者がテストされるという感覚に陥り精神的苦痛とストレスを産む、(2)高齢者の場合、知的機能は体調や周囲の環境に非常に依存しており、テストの結果が実際の知的能力を反映していないことが多い、(3)準備できるテスト用図面等の数に限度があり、バラエティに乏しくテストに興味がもてない、(4)テストの度に検査時間などにばらつきがあり、データの客観性を担保できない、などの問題があった。
また、fMRI法で調べれば、脳の活動が直接確認できるが、MRI自体が高価な装置であり、かつ、高齢者にとって閉鎖的かつ大騒音環境でのMRI内での長時間の検査は苦痛そのものであり、とても何度も受けられる検査ではない、という問題があった。
本発明は、高齢な人の脳部で最も脆弱(ぜいじゃく)な海馬機能の活性度を計測し、痴呆になる前(前痴呆)の海馬の状態を検知してその結果を、診断に活かすと共に、個々の人に適合した脳リハビリテーションに活かすことにより、痴呆症になることを先送りする、すなわち、余命のなかの痴呆である期間を短縮するのに適した脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供することを終極の目的とする。
このため、本発明は、海馬機能を含む脳機能の計測に用いるテスト画像と計測データとをコンピュータ管理することにより、脳機能活性度計測の信頼度を高め、関連する多量の計測データを利用可能にすると共に、外見上正常に見える高齢者に精神的苦痛とストレスを与えずに、ゲーム感覚で楽しくテストできる脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、コンピュータ管理することにより、豊富なテスト画像と統計的データ分析を利用して脳機能活性度を精度よく評価できるようにすること、特に、テスト画像変更のカテゴリー(色、時間、数、危険度、情感などのカテゴリーの変化や出現、消滅、移動などを表すカテゴリー)に対応させてバラエティに富んだテスト画像を用いることにより、カテゴリーに対応させて脳機能をより詳細に分析できるようにすること、また、一次画像と二次画像を提示する時間間隔や、各画像を提示する時間を統一することにより、より客観的、統一的な分析ができるようにすることを目的とする。
また、本発明は、fMRIのような高価なシステムを用いなくても、これらの計測データをデータベース化することにより、これらの計測データを有効利用できる簡便な脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の脳機能計測方法は、例えば図6に示すように、被験者に提示するための複数の画像情報(映像情報を含む)を画像情報データベース12Aに予め収録する工程(ステップS001)と、複数の画像情報から一次画像を選択して第1の時間に被験者用表示手段13Aに表示する工程(ステップS005)と、一次画像と同じ又は異なる二次画像を複数の画像情報から選択して、第1の時間より後の第2の時間に被験者用表示手段13Aに表示する工程(ステップS006)と、被験者2が、一次画像と二次画像が同じ又は異なるとする回答を回答入力手段14から入力する工程(ステップS007)と、入力された回答及び正解を回答集計データベース12Bに収集記録する工程(ステップS008)と、正解を参照して回答の正誤を判定する工程(ステップS009)と、収集された回答の正誤を含む回答データに基づいて、脳機能活性度を評価する工程(ステップS010)とを備える。
このように構成すると、海馬機能を含む脳機能の計測に用いるテスト画像と計測データとをコンピュータ管理することにより、脳機能活性度計測の信頼度を高め、関連する多量の計測データを利用可能にすると共に、外見上正常に見える高齢者に精神的苦痛とストレスを与えずに、ゲーム感覚で楽しくテストできる脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供できる。また、コンピュータ管理することにより、豊富なテスト画像と統計的データ分析を利用して脳機能活性度を精度よく評価できるようになり、また、一次画像と二次画像を提示する時間間隔や、各画像を提示する時間を統一することにより、より客観的、統一的な分析ができるようになる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脳機能計測方法において、画像情報は枠で囲まれて表示される注視エリアを含み、一次画像と二次画像が同じ又は異なるとする回答は、一次画像内の指定注視エリア内の情報と二次画像内の現に枠で囲まれて表示されている注視エリアである指定注視エリア内の情報が同じ又は異なる場合に正解とする。このように構成すると、被験者2の精神的負担を軽減し、被験者2の関心を指定注視エリアに集中させて、指定注視エリア内の画像情報を記憶しやすく誘導できる。また、変更部分を注視エリア内に限ることにより、注視エリア内の情報を基準としてバリエーションに富んだテスト画像を効率的かつ容易に作製できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の脳機能計測方法において、一次画像内の指定注視エリアの内容に関連するナレーションを音声出力する。このように構成すると、一層、被験者2の関心を指定注視エリアに集中させて、指定注視エリア内の画像情報を記憶しやすく誘導できる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の脳機能計測方法において、例えば図6に示すように、一次画像を被験者用表示手段13Aに表示する工程(ステップS005)又は二次画像を被験者用表示手段13Aに表示する工程(ステップS006)に平行して、指定注視エリアを被験者が注視していたか否かを検出する工程(ステップS012、S013)を備える。このように構成すると、被験者2が確実に注視したと推測されるデータのみを抽出して、脳機能活性度(記憶度)計測の信頼度を向上できる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の脳機能計測方法において、注視エリアを被験者2が注視していたか否かを検出する工程(ステップS012、S013)において、アイカメラ17Aで被験者2の瞳孔を撮影し、検査者用表示手段13Bに注視エリアを含む一次画像又は二次画像を表示すると共に、アイカメラ17Aに撮影された瞳孔の位置から、一次画像又は二次画像内の被験者2が注視している点の座標を計測し、被験者2が注視している点の位置を一次画像又は二次画像に重ね書き表示する。このように構成すると、被験者2が注視している点を座標として記録でき、また、検査者3がモニタできる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の脳機能計測方法において、注視エリアを複数有する画像情報を用いて、一次画像を表示する工程又は二次画像を表示する工程(ステップS005、S006)において、枠を色分け表示し、指定注視エリアを被験者2が注視していたか否かを検出する工程(ステップS012、S013)において、一次画像内の被験者2が注視している点の計測座標から、被験者2が指定注視エリアを注視していた時間を計量する。このように構成すると、被験者2に比較対象の一次画像を思い出しやすくでき、また、注視していたか否かの判断をより客観化できる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の脳機能計測方法において、指定注視エリアを被験者2が注視していたか否かを検出する工程(ステップS012、S013)において、椅子に付けた支持器具20により被験者2の後頭部を支える。このように構成すると、被験者2が視線を指定注視エリアに長く保てるよう支援できる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の脳機能計測方法において、脳機能活性度を評価する工程は、色、時間、数、危険度、情感などのカテゴリーの変化や出現、消滅、移動などを表すカテゴリーに対応させて脳機能活性度を評価する。このように構成すると、テスト画像をカテゴリーに応じて多様化でき、脳の記憶機能をカテゴリーに対応させてより詳細に分析できるようになる。ここにおいて、例えば、時間の変化は朝と夕方、夏と冬など、危険性の変化は安全な場面と危険な場面など、情感の変化は楽しさと悲しさなどで表現される。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の脳機能計測方法において、脳機能活性度を評価する工程は、知識レベルの評価を判別の困難度により、生活レベルの評価を生活上の重要度により行う。このように構成すると、脳の記憶機能を前頭前野系と扁桃体系とに分けて評価できる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の脳機能計測方法において、一次画像と二次画像の組み合わせは、被験者2に検査前にヒアリングする生活環境に関する情報にもとづき選択できる。このように構成すると、状況に応じて、より適切なテスト画像を選択できる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の脳機能計測方法において、脳機能活性度を算定する工程は、脳機能活性度とfMRI(機能的磁気共鳴画像)法などの脳機能計測結果との関連性を示すデータを収録した脳機能データベースを参照して、脳機能活性度を算定する。このように構成すると、fMRIのような高価なシステムを用いなくても、これらの計測データを生かすことができる簡便な脳機能計測方法を提供できる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の脳機能計測方法をコンピュータに実行させるための、コンピュータ読み取り可能なプログラムである。
また、請求項13に記載の脳機能計測システム1は、例えば図1に示すように、被験者2に提示するための複数の画像情報(映像情報を含む)を収録する画像情報データベース12Aと、複数の画像情報から一次画像を選択して第1の時間に表示し、一次画像と同じ又は異なる二次画像を複数の画像情報から選択して、第1の時間より後の第2の時間に表示する被験者用表示手段13Aと、被験者2が、一次画像と二次画像が同じ又は異なるとする回答を入力する回答入力手段14と、入力された回答及び正解を収集記録する回答集計データベース13Bと、正解を参照して回答の正誤を判定する回答判定手段15Bと、収集された回答の正誤を含む回答データに基づいて、脳機能活性度を評価する脳機能活性度評価手段16と、画像情報データベース12A、被験者用表示手段13A、回答入力手段14、回答集計データベース12B、回答判定手段15B及び脳機能活性度評価手段16を制御し、これら各手段・各データベース間の信号・データの流れを制御して、脳機能活性度の評価を実行させる計測システム制御手段11とを備える。
このように構成すると、海馬機能を含む脳機能の計測に用いるテスト画像と計測データとをコンピュータ管理することにより、脳機能活性度計測の信頼度を高め、関連する多量の計測データを利用可能にすると共に、外見上正常に見える高齢者に精神的苦痛とストレスを与えずに、ゲーム感覚で楽しくテストできる脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供できる。また、コンピュータ管理することにより、豊富なテスト画像と統計的データ分析を利用して脳機能活性度を精度よく評価できるようになり、また、一次画像と二次画像を提示する時間間隔や、各画像を提示する時間を統一することにより、より客観的、統一的な分析ができるようになる。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の脳機能計測システム1において、例えば図7に示すように、画像情報は枠で囲まれて表示される注視エリアを含み、一次画像と二次画像が同じ又は異なるとする回答は、一次画像内の現に枠で囲まれて表示されている注視エリアである指定注視エリア内の情報と二次画像内の指定注視エリア内の情報が同じ又は異なる場合に正解とする。このように構成すると、被験者2の精神的負担を軽減し、被験者2の関心を指定注視エリアに集中させて、指定注視エリア内の画像情報を記憶しやすく誘導できる。また、変更部分を注視エリア内に限ることにより、注視エリア内の情報を基準としてバリエーションに富んだテスト画像を効率的かつ容易に作製できる。
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の脳機能計測システム1において、例えば図1に示すように、一次画像内の指定注視エリアの内容に関連するナレーションを音声出力する音声出力手段19を備える。このように構成すると、一層、被験者の関心を指定注視エリアに集中させて、エリア内の画像情報を記憶しやすく誘導できる。
また、請求項16に記載の発明は、請求項14又は請求項15に記載の脳機能計測システム1において、例えば図1に示すように、一次画像又は二次画像を被験者用表示手段13Aに表示した時に、被験者が前記指定注視エリアを注視していたか否かを検出する注視位置検出手段17を備える。このように構成すると、被験者2が確実に注視したと推測されるデータのみを抽出して、脳機能活性度(記憶度)計測の信頼度を向上できる。
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の脳機能計測システム1において、例えば図1に示すように、注視位置検出手段17は、被験者の瞳孔を撮影するアイカメラ17Aと、指定注視エリアを含む一次画像又は二次画像を表示すると共に、アイカメラ17Aに撮影された瞳孔の位置から、一次画像又は二次画像内の被験者2が注視している点の座標を計測し、被験者2が注視している点の位置を一次画像又は二次画像に重ね書き表示する検査者用表示手段13Bとを有する。このように構成すると、被験者2が注視している点を座標として記録でき、また、検査者3がモニタできる。
また、請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の脳機能計測システム1において、注視エリアを複数有する画像情報を用いて、被験者用表示手段13Bは一次画像又は二次画像の前記枠を各注視エリア毎に色分け表示し、注視位置検出手段17は、一次画像内の被験者2が注視している点の計測座標から、被験者2が指定注視エリアを注視していた時間を計量する。このように構成すると、被験者2に比較対象の一次画像を思い出しやすくでき、また、注視していたか否かの判断をより客観化できる。
また、請求項19に記載の発明は、請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載の脳機能計測システム1において、例えば図1に示すように、一次画像又は二次画像を注視する被験者2の後頭部を支える支持器具18付き椅子を備える。このように構成すると、被験者2が視線を注視エリアに長く保てるよう支援できる。
また、請求項20に記載の発明は、例えば図5に示すように、請求項13乃至請求項19のいずれか1項に記載の脳機能計測システム1において、脳機能活性度評価手段は、色、時間、数、危険度、情感などのカテゴリーの変化や出現、消滅、移動などを表すカテゴリーに対応させて脳機能活性度を評価する。このように構成すると、テスト画像をカテゴリーに応じて多様化でき、脳の記憶機能をカテゴリーに対応させてより詳細に分析できるようになる。
また、請求項21に記載の発明は、請求項13乃至請求項20のいずれか1項に記載の脳機能計測システム1において、脳機能活性度評価手段は、知識レベルの評価を判別の困難度により、生活レベルの評価を生活上の重要度により行う。このように構成すると、脳の記憶機能を前頭前野系と扁桃体系とに分けて評価できる。
また、請求項22に記載の発明は、請求項13乃至請求項21のいずれか1項に記載の脳機能計測システム1において、一次画像と二次画像の組み合わせは、被験者に検査前にヒアリングする生活環境に関する情報にもとづき選択できる。このように構成すると、状況に応じて、より適切なテスト画像を選択できる。
また、請求項23に記載の発明は、請求項13乃至請求項22のいずれか1項に記載の脳機能計測システム1において、脳機能活性度とfMRI(機能的磁気共鳴画像)法などの脳機能計測結果との関連性を示すデータを収録した脳機能データベースを備える。このように構成すると、脳機能データベースのデータを参照して、脳機能活性度を評価でき、fMRIのような高価なシステムを用いなくても、これらの計測データを生かすことができる簡便な脳機能計測システムを提供できる。
本発明によれば、海馬機能を含む脳機能の計測に用いるテスト画像と計測データとをコンピュータ管理することにより、脳機能活性度計測の信頼度を高め、関連する多量の計測データを利用可能にすると共に、外見上正常に見える高齢者に精神的苦痛とストレスを与えずに、ゲーム感覚で楽しくテストできる脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供できる。
また、本発明によれば、コンピュータ管理することにより、豊富なテスト画像と統計的データ分析を利用して脳機能活性度を精度よく評価できるようにでき、また、一次画像と二次画像を提示する時間間隔や、各画像を提示する時間を統一することにより、より客観的、統一的な分析ができるようになる。
また、本発明の好ましい態様によれば、テスト画像変更のカテゴリーに対応させてバラエティに富んだテスト画像を用いることにより、カテゴリーに対応させて脳機能をより詳細に分析できるようなる。また、本発明の好ましい態様によれば、fMRIのような高価なシステムを用いなくても、これらの計測データをデータベース化することにより、これらの計測データを有効利用できる簡便な脳機能計測方法及び脳機能計測システムを提供できる。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1に脳機能計測システムの構成例を示す。1は脳機能計測システム、2は被験者、3は検査者である。11はシステムを構成する機器及び、システム全体のデータ・信号の流れを制御し、被験者の脳機能計測を実行する計測システム制御手段で、パソコンなどのコンピュータ10で実現される。12Aは被験者に提示するための画像情報を格納する画像情報データベース(DB)、12Bは、回答、正解、判定結果を記録し、脳機能活性度の評価の演算に用いられる回答集計データベース、12Cは注視エリア画像に対応するナレーションを収録する音声情報データベース、12Dは収集された回答結果データに基づいて脳機能活性度を評価するためのアルゴリズムを例えばプログラム形式で格納するアルゴリズムデータベース、12Eは画像情報データベース12Aに格納された各画像情報について、属性(背景、対象、カテゴリーなど)対応に画像管理表(図4参照)を編集し、カテゴリー対応及び脳機能対応に画像変更管理表(図5参照)を編集して、管理する画像管理データベースで、音声情報データベース12Cに収録されたナレーションについても併せて管理する。
13Aは被験者に見せる画像を表示する被験者用表示手段としての被験者用ディスプレイで、画像情報データベース12Aに格納された画像情報から選択された一次画像又は二次画像が表示される。13Bは検査者が計測状況をモニタするための検査者用表示手段としての検査者用ディスプレイで、被験者用ディスプレイ13Aと同じ画面に、被験者2の注視点が重ね書き表示される。一次画像及び二次画像には被験者2の関心を惹くように枠で囲まれる複数または単数の注視エリアが設けられており、画像情報の差異は注視エリア内に現れる。14は被験者2が「Yes」「No」を入力するための回答入力手段で、例えば「Yes」「No」のボタンを有する押しボタンスイッチなどで構成される。被験者2は、一次画像と二次画像が同じと判断した場合に「Yes」を、異なると判断した場合に「No」を入力する。
15Aは回答集計データベース12Bに回答集計表(図9参照)を編集し、被験者の回答、正解、などを収集・記録する回答集計手段、15Bは回答集計表に記録された回答と正解を参照して、正誤を判定し、判定結果を表に記録する回答判定手段、16は回答集計表に記録された回答結果データから脳機能活性度を評価する脳機能活性度評価手段である。これら、回答集計手段15A、回答判定手段15B、脳機能活性度評価手段16はコンピュータの機能を用いて実現され、計測システム制御手段11と共に1つのコンピュータ10(図1に破線枠で示す)内に実現される。
回答集計手段15Aは回答入力手段14からの入力信号を取得し、正解は回答集計データベース12Bの回答集計表に検査者3が選択した二次画像を記録する際に、二次画像が一次画像と同一か異なるかを検出して、回答集計表に記録する。回答判定手段15Bは、回答集計データベース12Bの回答集計表に回答が記録される度に判定結果を生成可能であるが、全ての回答が記録された時点で、一括判生成しても良い。脳機能活性度評価手段16については、機能が比較的複雑であり、後に詳述する。
17は被験者2の注視点の位置を検知する注視位置検出手段で、被験者の頭部に装着可能で、被験者の瞳孔を撮影するアイカメラ17A(非接触型が好ましい)と、アイカメラ17Aの瞳孔の撮影と撮像データの送信のタイミングを制御し、撮影された瞳孔の位置を一次画像又は二次画像上の注視位置に変換し、計測システム制御手段11に送信する注視点追跡制御手段17Bと、計測システム制御手段11を介して取得した変換された注視位置を一次画像又は二次画像上に重ね書き表示する検査者用ディスプレイ13B、及び注視点算定手段17Bで変換された注視点が一次画像又は二次画像の指定注視エリア内に入っているか否かを判断する注視エリア検出手段17Cで構成される。この判断を検査者用ディスプレイ13Bを見た検査者が行うことも可能であるが、注視エリア検出手段17Cをコンピュータの機能で実現することにより、判断の精度を向上できる。注視点算定手段17B及び注視エリア検出手段17Cはコンピュータ10内に実現される。18は被験者が座る椅子に設けられた、後頭部を支持するための支持器具であり、被験者3が頭をできるだけ動かさないようにして、注視点を精度良く検出できるよう支援するものである。19は音声出力手段としてのスピーカで、一次画像の指定注視エリアが表示された時に、当該指定注視エリアに関係するナレーションが出力される。
図2は一次画像21又は二次画像22の例を示す図である。図2(a)は一次画像21、すなわち変更前の画像例であり、注視エリア(A1)23が枠に囲まれて表示される。図2(b)は二次画像22、すなわち変更後(変更されない場合もある)の画像例であり、注視エリア(A1)24が枠に囲まれて表示される。図2(a)は青い服装の女性が横断歩道を左向きに歩行している画像である。図2(b)は赤い服の女子が追加され、上記女性と手をつないで横断歩道を左向きに歩行している画像である。このように差異は注視エリア(A1)23、24内に発生する。通常、1つの背景画像の中に、このような注視エリアを複数個、例えば3個設けている。各注視エリアは同じ背景画像において、場所と時間を変えて表示される。そして現に枠で囲まれている注視エリアを指定注視エリアという。
画像情報は背景を構成する背景画像と、注視エリア23、24内の画像を構成する注視エリア画像により構成される。注視エリア画像は種々変更可能であり、検査者は種々変更された複数の画像から選択して使用することができる。
図3は一次画像25又は二次画像26の別の例を示す図である。図3(a)は一次画像、すなわち変更前の画像例であり、3つの注視エリアが枠に囲まれて表示される。図2(b)は二次画像、すなわち変更後(変更されない場合もある)の画像例であり、3つの注視エリアB1、B2、B3が枠に囲まれて表示される。比較すると、最前の注視エリアB1ではロープの数が変更されているが、他の注視エリアB2、B3は不変である。説明の都合で3つの注視エリアB1、B2、B3が同時に枠で囲まれて示されているが、実際は各注視エリアが1つずつ時間を変えて枠で囲まれて表示される。
図4に、画像管理データベース12Eに記録される画像管理表の構成例を示す。画像管理表は主として各画像情報の属性を記録しており、環境、背景画像及び注視エリア毎に表(図4(a)〜(g))が作成される。図4(a)は、環境が中都市で、背景画像がA(横断歩道)で、注視エリアがA1の場合の例を示す。注視エリアA1には注視エリア画像としてA101〜A106の6画像が準備されている。対象が人物で、カテゴリーとして方向、色(服装)、性別、人数、出現or消滅などの項目が挙げられている。A101は、図2(a)に示されるように、青い服装の女性(人物a)が横断歩道を左向きに歩行している画像である。A101を基準とすれば、A102は女性の歩行の向きが右向きに変更され、A103は女性の服装が緑色に変更され、A104は青服の女性が黒服の男性に変更され、A105は図2(b)に示されるように、赤い服の女子(人物b)が追加され、A106では女性が消滅して、人物がいない画像となっている。すなわち、一次画像の注視エリアA1の画像としてA101を選択し、二次画像の注視エリアA1の画像としてA101〜A106を選択した場合には、カテゴリーが、変更なし、方向の変更、色(服装)の変更、性別の変更、人数の変更、消滅となる。なお、出現or消滅については、一次画像として選択された注視エリア画像により異なるが、図4(a)では、一次画像としてA101が選択された例を示しており、消滅となっている。一次画像に人物がなく、二次画像に人物が現れる場合は出現となる。また、画像管理表には、各注視エリア画像に対応して、一次画像として表示されたときに音声出力されるナレーションのナレーション番号が記録されている。
図4(b)〜(d)には、環境が農村、背景画像Bとして石垣、注視エリアB1、B2、B3に対象としてロープ、ロープ、車が描かれた注視エリア画像(図3で示されたもの)について、図4(e)〜(g)には、環境が中都市、背景画像Cとして病院前道路、注視エリアC1、C2、C3に対象として2人の人物と車(図4(e)では記載を省略)、2台の車(自動車とオートバイ)、建物が描かれた注視エリア画像について、カテゴリー、ナレーション番号などが記録されている。
図5に、画像管理データベース12Eに記録される画像変更管理表の構成例を示す。画像変更管理表は一次画像から二次画像へのカテゴリーの変更と脳機能活性度の評価に係る重みの関係などを示し、環境及び背景画像に対応して表(図5(a)〜(c))が作成される。カテゴリーの変更は元になる画像管理表(図4参照)における一次画像と二次画像の差異から自動的に導かれる。図5(a)は環境が中都市、背景画像が横断歩道の例である。注視エリアA1において、一次画像の注視エリア画像としてA101が、二次画像の注視エリア画像としてA101〜A106が選択された場合の例が示されている。注視エリア画像A101からA101〜A106へのカテゴリーの変更は、それぞれ、変更なし、歩行の方向の変更、服装の色の変更、性の変更、人数の変更、人物の消滅に該当する。
一次画像と二次画像を比較した場合の差異の判別について、知識レベルにおける判別の困難性(容易性)及び生活レベルにおける判別の重要度から、重み付けがされている。知識レベルにおいては、例えば、方向の変更、色(服装)の変更は判別が困難なので3点、性別の変更、人数の変更は判別の困難性が中程度なので2点、出現又は消滅は判別が容易なので1点とした。生活レベルにおいては、例えば、方向の変更、色(服装)の変更は重要度が小さいとみなして1点、性別の変更、人数の変更は重要度が中程度とみなして2点、出現又は消滅は重要度が大きいとみなして3点とした。また、一次画像と二次画像が同一であるのに異なると回答した場合は3点とした。これらはあくまでも1例であって、色の変更は、青と緑に比して青と赤は判別しやすく、出現又は消滅も小さな対象物では大きな対象物に比して判別し難いなど、状況に応じて多様である。また、生活レベルにおいても、交通信号などの色を判別する場合には、重要度が増加するなど多様である。環境や状況に応じて弾力的に重み付けがされることが望ましい。
図5(b)には、環境が農村、背景画像Bとして石垣、注視エリアB1、B2、B3に対象としてロープ、ロープ、車が描かれた注視エリア画像について、図5(c)には、環境が中都市、背景画像Cとして病院前道路、注視エリアC1、C2、C3に対象として2人の人物と車(図4(c)では記載を省略)、2台の車(自動車とオートバイ)、建物が描かれた注視エリア画像について、一次画像欄の注視エリア画像に対して二次画像欄の注視エリア画像がそれぞれ選択された場合のカテゴリーの変更、知識レベルの重み、生活レベルの重みなどが記録されている。
これら図4及び図5の画像管理表、画像変更管理表には、検査前に予めデータが記録されている。
図6に脳機能計測方法の処理フロー例を示す。
検査の前に、被験者に同じ情報か異なる情報かを判別してもらうための複数の画像情報(映像情報を含む)を画像情報データベース12Aに予め収録しておく(ステップS001)。また、収集された回答データに基づいて脳機能活性度(本実施の形態では記憶度)を評価するためのアルゴリズムを、予めアルゴリズムデータベース12Dに収録しておく(ステップS002)。
まず、被験者2に、被験者用ディスプレイ13Aの正面で、ディスプレイに表示される画像が目視でき、回答が入力できる位置に設置した椅子に座ってもらい、検査と入力手段の操作法について説明する。すなわち、複数画数(例えば10画数)の画像(一次画像)が順次、自動的に表示されること、各画像には枠で囲まれる複数又は単数の注視エリアがあり、指定注視エリアとして順次表示され、その指定注視エリアを注視して画像情報を記憶すること、これら複数画数の一連の画像が表示し終わると、つづいて、これら複数画数の画像に対して、注視エリア内の画像情報が同じまたは異なる(変更された)画像(二次画像)が同様に順次、自動的に表示されること、各画像には現に枠で囲まれた指定注視エリアがあり、その指定注視エリアの画像を目視して、先に目視した画像と同じ画像か異なる画像かを判断して(注視エリア以外は変更されない、対象物が注視エリア外にはみ出る場合など例外はあるが)、回答入力手段14から同じなら「Yes」のボタンを、異なっていれば「No」のボタンを押して回答を入力することなどを事前説明する(ステップS003)。また、被験者2にヒヤリングして生活環境に関する情報を取得する。
注視エリアを設けずに、一次画像と二次画像とを比較させて、同じまたは異なる画像であるかを判断してもらうことも可能であるが、画像全体、特に撮影された映像全体には多種多様な要素が含まれ、全てを記憶するのは困難である。注視エリアを設けて、変更対象を絞ることにより、被験者の負担を軽減して十分記憶してもらうようにすることが望ましい。また、注視エリアを設けて要素を少なくすることにより脳機能活性度(記憶度)の分析も容易になる。注視エリアは1つの背景画像上に例えば3箇所設け、時間をずらして順次指定された注視エリアに枠が表示されるようにする。すなわち、常に1つの指定注視エリアのみが枠で囲まれて表示される。
本実施の形態では、記憶違いがあった場合、被験者2が指定注視エリアを見ていて記憶違いがあったのか、指定注視エリアを見ていなかったのかを区別するために、被験者2の目が被験者用ディスプレイ13Aに表示された一次画像及び二次画像の指定注視エリアを見ているか否かも計測することとした。このため、注視位置検出手段17(アイカメラ17A、注視点追跡制御手段17B、注視エリア検出手段17C、検査者用ディスプレイ13Bなど)を用いて、被験者2の頭部に装着されたアイカメラ17Aに撮影された被験者の瞳孔の位置から、被験者用ディスプレイ13Bの表示画面上の注視点を求めて、被験者2が注視エリアを注視していたか否かを検出し、注視点が注視エリアに入っていない場合には、被験者2が当該注視エリアを見ていなかったものとみなして、被験者2が入力した回答を無効にすることとした。
このような注視位置検出手段17を用いる場合、目(瞳孔)の位置と被験者用ディスプレイ13Bの表示画面上の注視位置との関係が被験者2により異なるため、注視位置検出手段17(アイカメラ17A、注視点追跡制御手段17B、注視エリア検出手段17C、検査者用ディスプレイ13Bなど)を調整する。すなわち、計測に先立ち、テスト画像、たとえば、被験者用ディスプレイ13Bの表示画面上に9点の光点が順番に点滅する画像を被験者2に見せて、光点を目で追ってもらうことにより、キャリブレーションを行う(ステップS011)。画像を提示するとき、その画像に関連したナレーションを同時に音声で流すことにより、被験者2のその画像への注視を促す。また、被験者2が頭の位置を動かすと、キャリブレーションされた注視点とアイカメラ17Aに写る被験者2の瞳孔の位置の関係が乱されるので、被験者2が座る椅子に後頭部を支持する支持器具18を付けて、被験者2にできるだけ頭を動かさないようにしてもらう。被験者2の体の動きによる計測誤差を軽減し、かつ、被験者2への肉体的・精神的な負担も少なくするため、多自由度があり、後頭部との接触部にクッションを設けた支持器具18とする。被験者2によっては、あごの位置を固定することによって結果的に頭を固定してもよい。
検査者3は、被験者2から得た生活環境情報を参考に、画像情報データベース12Aに収録されている画像情報から、当該検査に用いる画像情報(一次画像、二次画像)を選択する(ステップS004)。すなわち、被験者の状況に応じて、背景画像及び注視エリア画像を選択する。例えば、背景画像を10画、各背景画像について3箇所ずつ注視エリアを設け、それぞれの注視エリアに対して一次画像及び二次画像を選択する。また、指定注視エリアとして各注視エリアを表示する順序を定める。なお、各注視エリアの一次画像に対応してナレーションが設定されている。また、各注視エリアに対して一次画像と二次画像が選択されると、一次画像と二次画像が回答集計データベース12Bの回答集計表(図9参照)に記録され、さらに、その正解欄に同じ画像か異なる画像か(「Yes」(○)か「No」(×)か)も記録される。以上のステップS001〜S004及びS011が準備工程に入る。
以上の準備が整った後に、検査者3は、計測システム制御手段11に計測開始指示を入力する。計測開始指示を受信した計測システム制御手段11は、検査者3が予め選択した背景画像と注視エリア画像を有する一次画像を画像情報データベース12Aから読出して被験者用ディスプレイ13Aに表示する(ステップS005)。それぞれの一次画像を表示した時間をそれぞれの第1の時間とする。
図7に一次画像として提示される画像例を示す。中都市モードで、背景画像Cとして病院前の道路が選択された例を示す。赤く丸い枠の中の注視エリアC1が示され、自動車(タクシー)と運転手と婦人が示され、ナレーション「杖をついたご婦人が呼んだタクシーがやっと到着しました。運転手さんがおりてきました。」が音声出力される。この時、計測システム制御手段11は画像管理データベース12Eから、指定注視エリア画像に対応するナレーション番号を読み出し、ナレーションが収録された音声データベース12Cから該当するナレーションを読み出し、音声出力手段19としてのスピーカに出力する。注視エリアC2では、赤く丸い枠の中に、自動車と走行中のオートバイが示され、ナレーション「停止中のタクシーをオートバイがすれすれに追い越していきます。」が音声出力される。注視エリアC3では、赤く丸い枠の中に、病院が示され、ナレーション「奥にはご婦人がいつも通う、白い壁の病院が見えます。」が音声出力される。各注視エリアの表示時間(表示開始時間)は第1の時間として回答集計データベース12Bの回答集計表に記録される。また、各注視エリアを継続表示する時間は、所定の時間、例えば5から15秒に設定される。この継続表示する時間も回答集計表に記録される。
被験者2は、この間、できるだけ頭を動かさないようにして、ナレーションを聞きながら表示される注視エリア内の画像を記憶する(この期間を銘記モードという)。これらの画像は、検査中同時に検査者用ディスプレイ13Bにも表示され、検査者3も見ることができる。検査者用ディスプレイ13Bには、被験者2の注視点が一次画像上に重ね書き表示され、指定注視エリアを注視していたか判別できる。また、被験者2の注視点が指定注視エリア内に存在した時間が計測され、回答集計データベース12Bの回答集計表に記録される。
計測システム制御手段11の制御により、予め定めた数の一次画像(本例では10の背景画像に各3箇所の注視エリアを設けた、合計30の一次画像)が被験者用ディスプレイ13Aに表示され、同様の処理が繰り返される。各注視エリアの継続表示時間を10秒とすると、一次画像の提示表示時間は合計5分となる。
この一連の一次画像表示が終了した後、所定の時間後に(例えば、休息時間を1分とすると、一次画像表示から二次画像表示までの所定の時間は6分となる)、検査者はつづいて、各注視エリア内において同じ又は変更した一連の二次画像を、背景画像及び注視エリア画像が組み合わせの対をなす一次画像と同一の順序で表示開始するように計測システム制御手段11に指示する。
ここで説明を図6に戻す。表示開始指示を受信した計測システム制御手段11は、検査者3が予め選択した注視エリアを有する二次画像を画像情報データベース12Aから読出して被験者用ディスプレイ13Aに表示する(ステップS006)。各二次画像の各注視エリアの表示時間(表示開始時間)は第2の時間として回答集計データベース12Bの回答集計表に記録される。例えば、背景画像Cとして病院前の道路が選択された例において、赤く丸い枠の中の注視エリアC1が示され、自動車があり、婦人がいて、運転手がいない二次画像が示される。二次画像が表示された時に、被験者2に、現に表示されている画像の指定注視エリア内の画像と銘記モードで記憶した画像とを比較・判断してもらい、同じなら回答入力手段14の「Yes」ボタンを、または異なっていれば回答入力手段14の「No」のボタンを押して入力してもらう(この期間を想起モードという)(ステップS007)。これら「Yes」、「No」ボタンの回答情報は計測システム制御手段11を介して回答集計手段15Bに送信され、回答集計データベース12Bの回答集計表に記録される(例えば、「Yes」は○、「No」は×と記録される)(ステップS008)。また、回答に要した時間も回答欄に記録される。次に、回答判定手段15Bは、回答集計表に記録された正解を参照して、正解・誤解の判定を行い、回答結果を回答集計表に記録する(ステップS009)。
被験者用表示手段13Aに一次画像又は二次画像が表示される際に平行して、指定注視エリアを被験者2が注視していたか否かの検出が行われる(ステップS012、S013)。なお、図6中の2重線は、平行して処理が行われることを示す。被験者2はアイカメラ17A(非接触型が好ましい)を装着し、アイカメラ17Aは被験者2の視線、すなわち瞳孔の位置を追跡している。このデータは一定時間毎にサンプリングして座標データとして記録して、検査者用ディスプレイ13Bに視線軌跡として表示している。リアルタイムでその被験者2の視線が指定注視エリアの中にあるかどうかを検査者3が確認でき、計測が順調に進行しているかどうかモニタすることができる。
1つの注視エリア画像が被験者用ディスプレイ13A上に表示されてから次の注視エリア画像に更新されるまでの間(又は回答されるまでの間)、計測システム制御手段11の制御のもとに注視点追跡制御手段17Bからアイカメラ17Aに視線追跡を指示する。アイカメラ17Aは被験者2の視線、すなわち瞳孔を予め定めたタイミングで撮影して、注視点追跡制御手段17Bに瞳孔の位置情報を送信する。注視点追跡制御手段17Bでは、その位置情報を先にキャリブレーションしたパラメータを用いて被験者用ディスプレイ13Aの表示画面上の位置情報に変換して、計測システム制御手段11に送信する。計測システム制御手段11はその位置情報を注視エリア検出手段17Cに送信し、注視エリア検出手段17Cは、検査者用ディスプレイ13Bの画面に一次画像又は二次画像に被験者2の注視点を重ね書き表示し、一次画像又は二次画像中の指定注視エリア内に視線が入っているか否かを判定する。注視エリア検出手段17Cは、また、被験者2の注視点が指定注視エリア内に滞在する時間を計測し、上記判定の参考にする。たとえば指定注視エリア滞在時間が0.5秒以下の測定データは見ていなかった可能性があり、脳機能活性度の評価時に、削除するなどして、より高精度の計測結果とすることができる。注視エリア検出手段17Cは、注視点エリア毎に(すなわち、1回答毎に)視線位置を測定して指定注視エリアに被験者2の視線が行っているか否かを判断してその結果を、計測システム制御手段11を介して回答集計データベース12Bの回答集計表の注視確認欄に記録する。
計測システム制御手段11の制御により、予め定めた数の二次画像(本例では10画数の背景画像に各3箇所の注視エリアを設けた、合計30の二次画像)が被験者用ディスプレイ13Aに表示され、同様の処理が繰り返される。各注視エリアの継続表示時間を10秒とすると、二次画像の提示表示時間は合計5分となる。これにより、一連の全画像の回答結果及び注視エリアに被験者の視線が入っているか否かの結果が回答集計データベース12Bの回答集計表に収集される。
以上のステップS004〜S009及びS012〜S014が計測行程に入る。
計測行程終了後、分析行程にはいり、検査者3は計測システム制御手段11に脳機能活性度評価を指示すると、脳機能活性度評価手段16は、脳機能活性度評価用のアルゴリズムを用いて、収集された回答の正誤を含む回答データに基づいて、脳機能活性度を評価して(ステップS010)、その結果を回答集計データベース12Bの回答集計表に記録すると共に、計測システム制御手段11に送信し、計測システム制御手段11は検査者用ディスプレイ13Bに表示させて、検査者3に通知する。
図8は脳機能活性度評価のアルゴリズムによる処理フロー例を示す図である。このうち、ステップS026〜S031がステップS010の脳機能活性度評価に該当し、図6の分析行程に入る。まず、計測システム制御手段11はアルゴリズムデータベース12DからステップS002で収録されたアルゴリズムを取得する(ステップS020)。このアルゴリズムは処理を実行するプログラムとして記載されており、このプログラムに従って脳機能活性度評価の処理が進められる。まず、検査者3が一次画像と二次画像を選択した段階(ステップS004)で、画像管理データベース12Eに記録された画像管理表(図4参照)から、検査者3が選択した一次画像と二次画像の組み合わせに係る情報(一次画像、二次画像、カテゴリー)を抽出して、回答集計データベース12Bに回答集計表(図9参照)を編集し、記録する(ステップS021)。また、一次画像と二次画像の組み合わせから、正解(同じなら○、異なるなら×)が導かれ、回答集計表に記録される(ステップS022)。また、画像管理データベース12Eに記録された画像変更管理表(図5参照)から、一次画像と二次画像間のカテゴリーの変更を示す情報と重みに関するデータ(知識レベル重み、生活レベル重み)を取得し、回答集計表に記録する(ステップS023)。ここまでは、回答が入力される前の工程である。
図9に、回答集計データベース12Bにおける回答集計表の構成例を示す。図9(a)は提示順にそった例であり、図9(b)は配点を説明するための例である。図9(a)において、提示順に従い、被験者2に提示される一次画像と二次画像の組み合わせが記録されている。項目として提示順序、一次画像、二次画像の他に、カテゴリー(一次画像から二次画像への変更が、どのカテゴリーの変更に該当するか、どのような変更がされたかを示す)、正解(「Yes」を〇、「No」を×で示す)、回答(「Yes」を〇、「No」を×で示す、回答に要した時間も記録される)、正誤判断(回答が正解の時は〇、誤解の時は×で示す)、注視確認(被験者2が指定注視エリアを注視していたと判断された場合は〇、注視していなかったと判断された場合は×で示す)、知識レベル重み(判別の困難性に応じて、容易1、中程度2、困難3で示す)、知識レベル得点、生活レベル重み(重要度に応じて、大3、中2、小1で示す)、生活レベル得点などの項目がある。また、合計と脳機能活性度(記憶度)の欄がある。なお、第1の時間、第2の時間、注視エリアを継続表示する時間、被験者2の注視点が指定注視エリア内に滞在する時間については、図9への掲載を省略した。
被験者2に一次画像と二次画像が順次示されて、被験者2が回答を入力すると、回答集計表の回答欄に回答が記録され、回答判定手段15Bは、正解欄を参照して、回答の正誤を判定し、判定結果を回答集計表の正誤判定欄に記録する(ステップS024)。すべての設問に対して回答がされると(時間切れは誤解×とする)、全ての回答結果が、回答集計データベース12Bの回答集計表に記録され、収集される(ステップS025)。
図9(a)の例では、一次画像として、最初に図7(背景:病院前道路)が用いられ、次ぎに、図3(背景:石垣)が用いられるものとする。1番目の背景画像Cについて、注視エリアC1において、一次画像で示された、自動車、運転手、ご夫人のうち、二次画像では運転手が消滅し、人数が2人から1人になっている。注視エリアC2は不変である。注視エリアC3において、一次画像で示された洋風の病院が、第2の画像では和風の病院に変更されている。2番目の背景画像Bについて、注視エリアB1において、一次画像で示された1輪のロープが第2の画像では2輪になっている。注視エリアB2において、一次画像で示された白色のロープが第2の画像では黄色になっている。注視エリアB3において、一次画像で示された自動車が消滅して、背景のみになっている。カテゴリー欄にはこれらの変更が記載されている。なお、図3の例では、注視エリアB1では本例と同じであるが、注視エリアB2、B3は不変であり、この例と異なる。
正解欄には、一次画像と二次画像が同じ場合には〇、異なる場合には×が、検査者3が一次画像と二次画像の組み合わせを選択した時に記録される。回答欄には、被験者2が回答入力手段14から入力した回答が記録される。正誤判定欄には、回答集計手段15Aが、正解と回答を比較して、正解・誤解の判定を行った回答結果が記録される。注視確認欄には、注視エリア検出手段17Cで、被験者2が注視エリアを注視していたと判断された場合は〇、注視していなかったと判断された場合は×が記録される。
知識レベル重み及び生活レベル重み欄には、画像情報データベース12Aの画像変更管理表(図5参照)に記録された知識レベル重み及び生活レベル重みのデータが取りこまれる。一次画像と二次画像を比較した場合の差異の判別について、知識レベルにおける判別の困難性(容易性)及び生活レベルにおける判別の重要度から、重み付けがされている。知識レベル得点欄又は生活レベル得点欄には、正解の時は0点、誤解の時は知識レベル重み又は生活レベル重みにマイナスを付した得点が記録される。このように、回答結果と重みから各回答の得点が演算される(ステップS026)。この時、注視確認欄に×があれば、そのデータは無効とされ、知識レベル得点欄及び生活レベル得点欄に無効を示すマーク「−」が記録され、集計から除かれる(ステップS027)。
各注視エリアにおける得点が集計されて、合計欄に記録される(ステップS028)。また、知識レベル重み及び生活レベル重み欄の合計が満点として示される(無効データがあれば、その無効データの対応値を除いた合計が満点として括弧()内に示される)(ステップS029)。脳機能活性度欄には、例えば満点から知識レベル得点欄の合計又は生活レベル得点欄の合計を差し引いた値の満点に対する百分率が用いられる。なお、10画数の背景画像に3箇所の注視エリアを設けて、30の設問を制作した場合は、知識レベル重み又は生活レベル重み欄の平均を約1.67になるように設問を編集すれば50点満点とすることができ、3.3になるように編集すれば100点満点とすることができる。このようにして、脳機能活性度(記憶度)が評価(演算)され(ステップS030)、検査者用表示手段13Bに表示され、回答集計データベース12Bの記録集計表に記録される(ステップS031)。なお、図9の合計欄と脳機能活性度(記憶度)欄の値は、図に記載された範囲での合計に基づく値を仮に記載したものである。
図9(b)は配点を説明するための例である。一次画像の注視エリア画像としてA101、二次画像の注視エリア画像としてA101〜A106を選択した場合の例である。知識レベル、生活レベルの重みが、カテゴリーの変更が方向又は色の変更の場合、それぞれ、3点、1点、性別又は数の変更の場合、2点、2点、出現又は消滅の場合、1点、3点と配点されている。
記憶は、認知的な系統(これまでに蓄積した知識をもとに考え、判断する知識・学識レベルの系統:前頭前野系)が強いものと、感情的・情動的な系統(これまでに蓄積した感情をもとに考え、判断する生活・生命維持レベルの系統:扁桃体系)が強いものに大別できる。したがって、テスト画像を作成する場合、色、数、時間、性別、様態の変化、方向性、消滅、出現、差し替え、位置替え、移動、危険性、情感、などのカテゴリーと、動物、植物、子供、人物、建物・設備、標識・看板、信号、車などの対象に分けて、これらの項目に基づいて画像を準備するのが望ましい。これらのカテゴリーと対象を、前頭前野系と扁桃体系とに分け、かつ記憶の観点から、困難、中程度、容易などの段階に分け、脳機能活性度(記憶度など)に変換するアルゴリズムのなかでの配点に反映するのが望ましい。本実施の形態では、認知的な系統を知識レベル、情動的な系統を生活レベルとして、重み付け及び得点を分け、重み付けはそれぞれ判別の困難性と生活レベル上の重要性に基づいて行っている。これにより、認知的な系統と情動的な系統、すなわち、前頭前野系と扁桃体系の脳機能の活性度を分けて評価することができる。
本実施の形態による脳機能計測システムを用いて、実際の医療機関において、43名の被験者に対する実証実験を行い、その被験者の中から、9名の人にfunctional MRIを用いて脳の活性度を測定したところ、脳機能計測システムでの脳機能活性度(記憶度)点数の高い人は、functional MRIでの脳機能の活性度も高く、脳機能計測システムでの脳機能活性度(記憶度)点数の低い人は、functional MRIでの脳機能の活性度も低いという結果が得られ、本発明が脳機能の活性度の評価に有効であることが確認できている。
上述のように、本発明の実施により、被験者の記憶状況を計測して、海馬機能の活性度を評価できることから、痴呆になる前(前痴呆)の海馬の状態を検知して、その結果を診断に生かせると共に、個々の人に適合した脳リハビリテーションに活かすことにより痴呆症になることを先送りすることができる。
現在、脳機能の活性度を計測するには、functional MRIという非常に高価な装置のある病院において、40分から1時間程度の時間をかける必要があり、特に高齢者には、肉体的にも経済的にも負担がかかる。本発明によれば、病院以外の、例えば保健所などの機関においても、パソコンを用いて10〜20分程度で手軽に、かつゲーム感覚で計測することが可能となる。
現在日本において120万人の痴呆症患者が2020年には300万人に増加すると予想されていることを考慮すると、この発明がもたらす痴呆医療分野への影響はもちろんのこと、その経済効果も計り知れない。
最近の医学的知見では、(1)脳科学研究において記憶形成は大脳辺縁系の海馬で行われること、(2)しかも記憶は大脳前頭前野と扁桃体という2つの脳部位が密接にネットワークすることによって形成されること、(3)大脳前頭前野は知性(感性)、意志、判断、集中力といった人間たる所以の機能を営み、扁桃体は情動(喜び、悲しみ、恐怖、怒りなど、専門的には快・不快と表現)の初期発動の働きを担っていること、(4)海馬機能は健常者でも加齢に伴い減退し、この減退が大きくなると痴呆に陥ること、(5)痴呆に向かう時の脳障害のシーケンスは、海馬がもっとも早くその後徐々に大脳新皮質が障害をうけるなどのことが分かってきた。これらのことから、海馬機能を計測することにより痴呆になる前の脳の状態を把握できることになる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態は上記に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その実施の形態に種々の変更を加え得ることは明白である。
例えば、上記の実施の形態では、回答集計手段15A、回答判定手段15B、脳機能活性度評価手段16、注視点追跡制御手段17B、注視エリア検出手段17Cを1つのコンピュータ10で構成されるものとして説明したが、これらの手段をそれぞれ別に構成しても良い。また、回答集計手段15Aと回答判定手段15Bとを1手段にまとめる、注視点追跡制御手段17Bと注視エリア検出手段17Cとを1手段にまとめるなどシステム構成を変更することも可能である。また、注視位置検出手段17を使用しない検査も可能である。また、脳機能活性度とfMRI法などの脳機能計測結果との関連性を示すデータを収録した脳機能データベースを備えると、脳機能データベースのデータを参照して、脳機能活性度を評価でき、fMRIのような高価なシステムを用いなくても、これらの計測データを生かすことができる簡便な脳機能計測システムを提供できる。また、本実施の形態では、一次画像及び二次画像が静止画像の例について説明したが、写真やビデオなどの映像を用いても良く、動画を用いても良い。また、一次画像と二次画像の表示順序について、組み合わせの対をなす画像を同じ順序で表示する例で説明したが、逆の順序で表示しても良く、ランダムな順序で表示しても良い。また、注視エリア画像を一次画像を基準に変化させる例を説明したが、二次画像を基準に変化させても良く、一群の関連する画像を多数準備し、その中から一次画像と二次画像に用いる注視エリア画像を選択しても良い。
また、指定注視エリアについて枠で囲まれる例を説明したが、枠は実線に限られず破線であっても良く、枠に代えて指定注視エリアを明るく表示したり、拡大表示しても良い。また、表示するテスト画像数や1画像内の注視エリア数も変更可能である。また、脳機能活性度評価のアルゴリズムをアルゴリズムデータベースに収録する例を説明したが、CD−ROMなどから計測システム制御手段に読み込んでも良い。また、カテゴリーの変更として、方向、色、数、性別の変更の他に、時間(朝と夕方、夏と冬など)、姿勢、表情(笑う顔と泣く顔など)、情感(楽しさと悲しさなど)、危険性(安全な場面と危険な場面など)の変更や位置移動などを用いても良い。
また、本発明は、上記実施の形態に示した脳機能測定方法をコンピュータに実行させるための、コンピュータ読み取り可能なプログラムとしても実現できる。プログラムはコンピュータ内に内在しても良く、アルゴリズムデータベースなどの記憶装置に記録されても良く、CD−ROMなどから読み込んでも良く、インターネットなどでダウンロードされても良い。
本発明は脳機能の活性度の評価や脳リハビリテーションに利用される。
脳機能計測システムのシステム構成例を示す図である。 一次画像又は二次画像の例を示す図である。 一次画像又は二次画像の別の例を示す図である。 画像管理表の構成例を示す図である。 画像変更管理表の構成例を示す図である。 脳機能計測方法の処理フロー例を示す図である。 一次画像として提示される画像例を示す図である。 脳機能活性度評価のアルゴリズムによる処理フロー例を示す図である。 回答集計表の構成例を示す図である。
符号の説明
1 脳機能計測システム
2 被験者
3 検査者
10 コンピュータ
11 計測システム制御手段
12A 画像情報データベース
12B 回答集計データベース
12C 音声情報データベース
12D アルゴリズムデータベース
12E 画像管理データベース
13A 被験者用表示手段
13B 検査者用表示手段
14 回答入力手段
15A 回答集計手段
15B 回答判定手段
16 脳機能活性度評価手段
17 注視位置検出手段
17A アイカメラ
17B 注視点追跡制御手段
17C 注視エリア検出手段
18 支持器具
19 音声出力手段
21、25 一次画像
22、26 二次画像
23、24 注視エリア

Claims (23)

  1. 被験者に提示するための複数の画像情報(映像情報を含む)を画像情報データベースに予め収録する工程と;
    前記複数の画像情報から一次画像を選択して第1の時間に被験者用表示手段に表示する工程と;
    前記一次画像と同じ又は異なる二次画像を前記複数の画像情報から選択して、前記第1の時間より後の第2の時間に前記被験者用表示手段に表示する工程と;
    前記被験者が、前記一次画像と前記二次画像が同じ又は異なるとする回答を回答入力手段から入力する工程と;
    前記入力された回答及び正解を回答集計データベースに収集記録する工程と;
    前記正解を参照して前記回答の正誤を判定する工程と;
    収集された前記回答の正誤を含む回答データに基づいて、脳機能活性度を評価する工程と;
    を備える脳機能計測方法。
  2. 前記画像情報は枠で囲まれて表示される注視エリアを含み、前記一次画像と前記二次画像が同じ又は異なるとする回答は、前記一次画像内の現に枠で囲まれて表示されている注視エリアである指定注視エリア内の情報と前記二次画像内の指定注視エリア内の情報が同じ又は異なる場合に正解とする;
    請求項1に記載の脳機能計測方法。
  3. 前記一次画像内の前記指定注視エリアの内容に関連するナレーションを音声出力する;
    請求項2に記載の脳機能計測方法。
  4. 前記一次画像を被験者用表示手段に表示する工程又は前記二次画像を被験者用表示手段に表示する工程に平行して、前記指定注視エリアを前記被験者が注視していたか否かを検出する工程を備える;
    請求項2又は請求項3に記載の脳機能計測方法。
  5. 前記指定注視エリアを前記被験者が注視していたか否かを検出する工程において、アイカメラで前記被験者の瞳孔を撮影し、検査者用表示手段に前記指定注視エリアを含む一次画像又は前記二次画像を表示すると共に、前記アイカメラに撮影された瞳孔の位置から、前記一次画像又は前記二次画像内の前記被験者が注視している点の座標を計測し、前記被験者が注視している点の位置を前記一次画像又は前記二次画像に重ね書き表示する;
    請求項4に記載の脳機能計測方法。
  6. 前記注視エリアを複数有する画像情報を用いて、前記一次画像を表示する工程又は前記二次画像を表示する工程において、前記枠を色分け表示し;
    前記指定注視エリアを前記被験者が注視していたか否かを検出する工程において、前記一次画像内の前記被験者が注視している点の計測座標から、前記被験者が前記指定注視エリアを注視していた時間を計量する;
    請求項5に記載の脳機能計測方法。
  7. 前記指定注視エリアを前記被験者が注視していたか否かを検出する工程において、椅子に付けた支持器具により前記被験者の後頭部を支える;
    請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の脳機能計測方法。
  8. 前記脳機能活性度を評価する工程は、色、時間、数、危険度、情感などのカテゴリーの変化や出現、消滅、移動などを表すカテゴリーに対応させて脳機能活性度を評価する;
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の脳機能計測方法。
  9. 前記脳機能活性度を評価する工程は、知識レベルの評価を判別の困難度により、生活レベルの評価を生活上の重要度により行う;
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の脳機能計測方法。
  10. 前記一次画像と前記二次画像の組み合わせは、前記被験者に検査前にヒアリングする生活環境に関する情報にもとづき選択できる;
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の脳機能計測方法。
  11. 前記脳機能活性度を評価する工程は、脳機能活性度とfMRI(機能的磁気共鳴画像)法などの脳機能計測結果との関連性を示すデータを収録した脳機能データベースを参照して、脳機能活性度を評価する;
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の脳機能計測方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の脳機能計測方法をコンピュータに実行させるための、コンピュータ読み取り可能なプログラム。
  13. 被験者に提示するための複数の画像情報(映像情報を含む)を収録する画像情報データベースと;
    前記複数の画像情報から一次画像を選択して第1の時間に表示し、前記一次画像と同じ又は異なる二次画像を前記複数の画像情報から選択して、第1の時間より後の第2の時間に表示する被験者用表示手段と;
    前記被験者が、前記一次画像と前記二次画像が同じ又は異なるとする回答を入力する回答入力手段と;
    前記入力された回答及び正解を収集記録する回答集計データベースと;
    前記正解を参照して前記回答の正誤を判定する回答判定手段と;
    収集された前記回答の正誤を含む回答データに基づいて、脳機能活性度を評価する脳機能活性度評価手段と;
    前記画像情報データベース、前記被験者用表示手段、前記入力手段、前記回答集計データベース、前記回答判定手段及び前記脳機能活性度評価手段を制御し、これら各手段・各データベース間の信号・データの流れを制御して、脳機能活性度の評価を実行させる計測システム制御手段と;
    を備える脳機能計測システム。
  14. 前記画像情報は枠で囲まれて表示される注視エリアを含み、前記一次画像と前記二次画像が同じ又は異なるとする回答は、前記一次画像内の現に枠で囲まれて表示されている注視エリアである指定注視エリア内の情報と前記二次画像内の前記指定注視エリア内の情報が同じ又は異なる場合に正解とする;
    請求項13に記載の脳機能計測システム。
  15. 前記一次画像内の前記指定注視エリアの内容に関連するナレーションを音声出力する音声出力手段を備える;
    請求項14に記載の脳機能計測システム。
  16. 前記一次画像又は前記二次画像を被験者用表示手段に表示した時に、前記被験者が前記指定注視エリアを注視していたか否かを検出する注視位置検出手段を備える;
    請求項14又は請求項15に記載の脳機能計測システム。
  17. 前記注視位置検出手段は、前記被験者の瞳孔を撮影するアイカメラと;
    前記指定注視エリアを含む一次画像又は前記二次画像を表示すると共に、前記アイカメラに撮影された瞳孔の位置から、前記一次画像又は前記二次画像内の前記被験者が注視している点の座標を計測し、前記被験者が注視している点の位置を前記一次画像又は前記二次画像に重ね書き表示する検査者用表示手段とを有する;
    請求項16に記載の脳機能計測システム。
  18. 前記注視エリアを複数有する画像情報を用いて、前記被験者用表示手段は前記一次画像又は前記二次画像の前記枠を注視エリア毎に色分け表示し;
    前記注視位置検出手段は、前記一次画像内の前記被験者が注視している点の計測座標から、前記被験者が指定注視エリアを注視していた時間を計量する;
    請求項17に記載の脳機能計測システム。
  19. 前記一次画像又は前記二次画像を注視する前記被験者の後頭部を支える支持器具付き椅子を備える;
    請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載の脳機能計測システム。
  20. 前記脳機能活性度評価手段は、色、時間、数、危険度、情感などのカテゴリーの変化や出現、消滅、移動などを表すカテゴリーに対応させて脳機能活性度を評価する;
    請求項13乃至請求項19のいずれか1項に記載の脳機能計測システム。
  21. 前記脳機能活性度評価手段は、知識レベルの評価を判別の困難度により、生活レベルの評価を生活上の重要度により行う;
    請求項13乃至請求項20のいずれか1項に記載の脳機能計測システム。
  22. 前記一次画像と前記二次画像の組み合わせは、前記被験者に検査前にヒアリングする生活環境に関する情報にもとづき選択できる;
    請求項13乃至請求項21のいずれか1項に記載の脳機能計測システム。
  23. 脳機能活性度とfMRI(機能的磁気共鳴画像)法などの脳機能計測結果との関連性を示すデータを収録した脳機能データベースを備える;
    請求項13乃至請求項22のいずれか1項に記載の脳機能計測システム。
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