JP2005192556A - インターフェロン応答が軽減された長い干渉用二重鎖rna - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 標的遺伝子の周辺領域の配列または標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域の配列と相補的なアンチセンスRNAと、前記アンチセンスRNAに細胞内でハイブリダイズする前記配列に相同なセンスRNAとを含む二重鎖干渉用RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記二重鎖形成部分の長さが、50塩基以上である二重鎖干渉用RNAをRNAiに用いる。このような長い干渉用二重鎖RNAに塩基の置換又はバルジを導入することによって、さらにRNAiの効果は高まり、インターフェロン応答が軽減される。本発明の長い干渉用二重鎖RNAにより、どの部位をアンチセンスRNAと相補的な配列にするかを検討することなく、細胞毒性が軽減されたRNAiを高い効率で誘導することができる。
【選択図】 なし
Description
このようにsiRNAがリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチドを越える遺伝子の機能解析や発現制御のための強力なツールとして使用できることがわかり、その改良が日夜続けられている。特に、遺伝子の一次配列がヒトを含む多くの生物種でほぼ決定された現在、生体における遺伝子機能を網羅的かつ高効率に解析するための最も有力なツールとしてsiRNAの利用が注目されている。
標的遺伝子の周辺領域の配列としては、例えば、プロモーター部分や転写調節領域が例示できる。転写調節領域としては、エンハンサー、リプレッサーを含む転写調節領域およびその近傍領域が例示できる。
本願の干渉用二重鎖RNAは、アンチセンスRNAと前記センスRNAの間にループをさらに含むものであってもよい。
本願のベクターは、アンチセンスRNAと前記センスRNAの間にループをさらに含む干渉用二重鎖RNAを生じてもよい。
本願のベクターに含まれるプロモーターには、polIII系プロモーターを用いることができ、例えば、U6プロモーター、tRNAプロモーター、H1プロモーター、7SKプロモーター、7SLプロモーターおよび5SrRNAプロモーターからなる群から選択されるpolIII系プロモーターを用いることができる。
本願の発現システムは、二重鎖を形成しているRNAをコードするDNAの領域内のアンチセンスコードDNAまたはセンスコードDNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されていてもよく、好ましくは、センスコードDNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されている。センスコードDNAにおいて1個以上の塩基が置換されている場合には、シトシン(C)からチミン(T)への置換またはアデニン(A)からグアニン(G)への置換が好ましい。このような塩基の置換は、デアミネーションによって導入することができる。
本願の発現システムに含まれる第一及び第二のプロモーターには、polIII系プロモーターを用いることができ、例えば、U6プロモーター、tRNAプロモーター、H1プロモーター、7SKプロモーター、7SLプロモーターおよび5SrRNAプロモーターからなる群から選択されるpolIII系プロモーターを用いることができる。
また、本発明は上記ベクターまたは上記発現システムを含む組成物を提供する。このような組成物としては、医薬組成物が好ましい。
さらに本発明は、上記ベクターまたは上記発現システムを細胞に導入する工程と、前記ベクター又は前記発現システムが導入された細胞を選択する工程とを含む標的遺伝子の発現が抑制された細胞を生産する方法を提供する。
また、本発明のベクターまたは発現システムは、化学合成によらずsiRNAを細胞内で合成できるため、より短いsiRNAを用いたときのように予め発現抑制効果の高い部位を特定することなく、かつ低毒性なsiRNAを、安価に作成することができる。このような本発明のベクターまたは発現システムを用いて、標的遺伝子の機能解析や、ウイルスの発現抑制、疾患原因遺伝子の発現抑制などによる遺伝子治療を行なうことができる。さらには、本発明のベクターまたはシステムを用いて、標的遺伝子の機能解析のための研究材料となるノックダウン細胞、ノックダウン動物または植物を作成することができる。植物細胞に本発明のsiRNAを導入した場合には、機能解析のみならず、品種改良に用いることができる。特に、植物細胞についてはこれまで変異を入れて発現抑制が観察された例は、今まで無かったため、植物細胞のより効率的な発現抑制手法として有力な手段となり得る。
また、本発明の干渉用二重鎖RNAは、二重鎖中に1つ以上のバルジを含んでいても良い。ここでバルジとは、アンチセンスRNAとセンスRNAとにより形成された二重鎖RNA中で、対応する1個以上の塩基が一方の鎖にないものをいう。バルジは、二重鎖を形成しているRNAのうちの1本のRNA鎖から1個以上の塩基を欠失する、または1個以上の塩基を挿入することにより形成することができる。バルジは、二重鎖を形成するアンチセンスRNA又はセンスRNAのどちらか一方または両方のRNAに形成することができる。好ましくは、センスRNAにバルジを形成する。
本発明のバルジを含む干渉用二重鎖RNAは、細胞内でプロセッシングを受けて、siRNA様の構造をとるとともに, 一本鎖のmicroRNA(miRNA)様の構造になるものと推定される。
一方、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとを同一のプロモーターの制御下で発現させてもよく、その結果、アンチセンスRNAとセンスRNAとが同一のRNA鎖として形成される。この場合、アンチセンスRNAとセンスRNAとの間にループ(リンカー)が含まれるように、ベクター中にループ配列を含めることができる。ループは、上述の通り、アンチセンスRNAの3’末端とセンスRNAの5’末端の間に含めることもでき、または、センスRNAの3’末端とアンチセンスセンスRNAの5’末端の間に含めることもできる。
図1に示すようなU6プロモーターの制御下で、長いdsRNAを発現するベクターを用いて、ルシフェラーゼ遺伝子の発現抑制を確認した。
48穴プレートに、1穴あたり2.5×104個のHeLa S3細胞を播き、24時間後に1200ngのプラスミドをLipofectamine 2000(Invitrogen)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後、Dual Luciferase Assay Kit(Promega)により、ルシフェラーゼ活性を測定した。左から数えて、レーン1〜3はネガティブコントロール、レーン4は変異を導入した50bpのdsRNA発現ベクター、レーン5は完全相補の50bp
dsRNA発現ベクター、レーン6は変異を導入した100bpのdsRNA発現ベクター、レーン7は完全相補の100bpのdsRNA発現ベクターをトランスフェクションしたものである。
U6プロモーターにより発現される長いdsRNAがインターフェロン応答を誘導するか否かを調べるために、PKRのリン酸化及びelF2αのリン酸化をウエスタンブロットにより調べた。
12穴プレートに、1穴あたり2.1×105個のHeLa S3細胞を播き、24時間後にプラスミドをLipofectamine 2000(Invitrogen)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション48時間後、ウエスタンブロットによりタンパク質を検出した。
結果を図3に示す。mockはトランスフェクション試薬のみで処理したもの、IFNは1000U/mlのインターフェロンα(I−2396、Interferon,
Human,Leukocyte,Sigma Chemical Co.)をトランスフェクション試薬とともに加えたもの、コントロールはdsRNAを発現しないU6プロモーターを含んだベクターをトランスフェクションしたものであり、生じるRNA配列は、配列番号1のとおりである。
tRNAプロモーターにより発現される長いdsRNAがインターフェロン応答を誘導するか否かを調べるために、PKRのリン酸化及びelF2αのリン酸化をウエスタンブロットにより調べた。
12穴プレートに、1穴あたり2.1×105個のHeLa S3細胞を播き、24時間後にプラスミドをLipofectamine 2000(Invitrogen)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション48時間後、ウエスタンブロットによりタンパク質を検出した。PKR抗体はPKR(K−17): sc−707,Santa Cruz Biotechnology, Inc.、eIF2α抗体はeIF2α (FL−315):sc−11386、Santa Cruz Biotechnology, Inc、リン酸化PKR抗体はPhospho−PKR (Thr451) Antibody,Cell Signaling Technology、リン酸化eIF2α抗体はPhospho−eIF2α(Ser51) Antibody,Cell Signaling Technologyを用いた。
50−matchは標的と完全に相補する二重鎖部分が50bpのdsRNA(配列番号8:ACCGUUGGUUUCCGUAGUGUAGUGGUUAUCACGUUCGCCUAACACGCGAAAGGUCCCCGGUUCGAAACCGGGCACUACAAAAACCAACACCGCCUUCAGGAUUACAAGAUUCAAAGUGCGCUGCUGGUGCCAACCCUAUUCUUCAAGAGAGAAUAGGGUUGGCACCAGCAGCGCACUUUGAAUCUUGUAAUCCUGAAGGCUUUU)、100−mutは変異を導入した二重鎖部分が100bpのdsRNA(ACCGUUGGUUUCCGUAGUGUAGUGGUUAUCACGUUCGCCUAACACGCGAAAGGUCCCCGGUUCGAAACCGGGCACUACAAAAACCAACACCGAUUUCGGGUUGUCUUGAUGUAUGGGUUUGGAGAGGAGUUGUUUCUGGGGAGUCUUUAGGAUUAUAAGGUUCAAAGUGUGCUGUUGGUGUCAACUCUAUUCUUCAAGAGAGAAUAGGGUUGGCACCAGCAGCGCACUUUGAAUCUUGUAAUCCUGAAGGCUCCUCAGAAACAGCUCUUCUUCAAAUCUAUACAUUAAGACGACUCGAAAUCUUUU:配列番号9)、100−matchは標的と完全に相補する二重鎖部分が100bpのdsRNA(ACCGUUGGUUUCCGUAGUGUAGUGGUUAUCACGUUCGCCUAACACGCGAAAGGUCCCCGGUUCGAAACCGGGCACUACAAAAACCAACACCGAUUUCGAGUCGUCUUAAUGUAUAGAUUUGAAGAAGAGCUGUUUCUGAGGAGCCUUCAGGAUUACAAGAUUCAAAGUGCGCUGCUGGUGCCAACCCUAUUCUUCAAGAGAGAAUAGGGUUGGCACCAGCAGCGCACUUUGAAUCUUGUAAUCCUGAAGGCUCCUCAGAAACAGCUCUUCUUCAAAUCUAUACAUUAAGACGACUCGAAAUCUUUU:配列番号10)を、それぞれtRNAプロモーターによって発現するベクターをトランスフェクションしたものである。
バルジの位置による発現抑制効果について検討した。図1に示すようなU6プロモーターの制御下で、バルジ構造を含む、長いdsRNAを発現するベクターを用いて、ルシフェラーゼ遺伝子の発現抑制を確認した。
48穴プレートに、1穴あたり2.5×104個のHeLa S3細胞を播き、24時間後に1200ngのプラスミドをLipofectamine 2000(Invitrogen)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後、Dual Luciferase Assay Kit(Promega)により,ルシフェラーゼ活性を測定した。プラスミドは、図4の左に示される、バルジを含まないdsRNAをコードするDNA配列(50S)と、3種のバルジ構造を含むdsRNAをコードするDNA配列(50SV1、50SV2、50SV)のいずれかを含むものを用いた。50SV1は、siRNA生成に邪魔にならないと推定される位置である、5’末端から10、あるいは30番目の塩基付近にバルジを入れたものであり(GCCUUUAGGAUUAUUAAGGUUCAAAGUGUUGCUGUUGGUGUCAAUCUCUAUUCUUCAAGAGAGAAUAGGGUUGGCACCAGCAGCGCACUUUGAAUCUUGUAAUCCUGAAGGCUUUU:配列番号11)、50SV2は、SV2では、siRNA生成時の切断個所と推定されている5’末端から21から23番目塩基付近にバルジを入れたもの(GCCUUUAUGGAUUAUAAGGUUCUAAAGUGUGCUGUUGUGUGUCAAUCCUAUUCUUCAAGAGAGAAUAGGGUUGGCACCAGCAGCGCACUUUGAAUCUUGUAAUCCUGAAGGCUUUU:配列番号12)、50SVは、siRNA生成時の切断個所と推定されている5’末端から21から23番目塩基付近および15番目の塩基前後にバルジを入れたもの(GCCUUUAUGGAUUAUUAAGGUUCUAAAGUGUUGCUGUUGUGUGUCAAUCUCUAUUCUUCAAGAGAGAAUAGGGUUGGCACCAGCAGCGCACUUUGAAUCUUGUAAUCCUGAAGGCUUUU:配列番号13)である。
Seeger株、Wakita株C型肝炎ウイルス(HCV)の一部の配列をルシフェラーゼ遺伝子に融合した遺伝子を持つプラスミドであるpSeeger−luc及びpWakita−lucを構築した。293T細胞に50ngのpSeeger−lucあるいはpWakita−lucと、200ngのsiRNA発現ベクターと、30ngのpRL−RSVとをLipofectamine plus(Invitrogen)を用いてトランスフェクションし、24時間後にBright−Glo Luciferase Assay System(Promega)でルシフェラーゼ活性を測定した。siRNA発現ベクターは、U6プロモーターの下流に、51bpのsiRNAを発現するもの、(U6−51)と、21bpのsiRNAを発現するもの(U6−21)のいずれかを用いた。なお、ネガティブコントロールとして、siRNA発現ベクターの代わりにU6ベクターのみ(Mock)のものをトランスフェクションした。U6プロモーターによって転写されるDNA配列は以下の通りである。
ルシフェラーゼ遺伝子を持つHCVに感染したHuH−7細胞を樹立した。5×103
個のHCV感染HuH−7細胞を96穴プレートに播いた。翌日、20bp、50bpヘアピンRNA発現ベクターをLipofectamine 2000を用いてトランスフェクションし、58時間及び88時間後にBright−Glo luciferase assay system(Promega)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。ネガティブコントロールとして、U6ベクターのみ(Mock)、p53に対する50bpヘアピンRNAベクター(p53−50bp)を用いた。
U6プロモーターによって転写されるDNA配列は以下の通りである。
Eカドヘリン遺伝子の周辺領域として、Eカドヘリン遺伝子のプロモーター領域を標的としたsiRNAによる、Eカドヘリン遺伝子の発現抑制を調べた。用いたsiRNAは、プロモーター領域中の10箇所に対する(図7の上部において、Site1〜10で示す)。Site1〜10のいずれかのsiRNAをMCF−7細胞にトランスフェクションするか、またはSite1〜10の10種類のsiRNA全てをMCF−7細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションには、Oligofectamine(Invitrogen)を用いた。トランスフェクション後、総RNAをノーザンブロッティングにより検出し、アクチンのmRNA量によって標準化した。
結果を図7のグラフに示す。プロモーター領域に対するSite1〜10のいずれをトランスフェクションした場合でも、コントロールと比較してE−カドヘリンの発現抑制が観察された。また、Site1〜10の10種類のsiRNA全てをトランスフェクションした場合には、相乗的な発現抑制が観察された。その後の実験により、この発現抑制は、標的となったプロモーター配列がメチル化されて、その結果、プロモーターからの転写が抑制されることによることがわかった(データは示さない)。また、この場合においても、二重鎖部分が従来のsiRNAよりも長いsiRNAを用いることにより、効率の良い転写抑制が起こることが示された。
DNAのセンス鎖に変異を導入する方法として、デアミネーションを検討し、その効率を確認した。
デアミネーション処理をするDNAとして、EGFP遺伝子を用いた。DNA一本鎖化の処理は、strandase(Novagen社)を用いて付属のプロトコールに従って行った。一回の反応で得られた産物をそのまますべてデアミネーション処理に用いた。デアミネーション処理は、CHEMICON International社のCpGenomeTM DNA Modification Kitにを用いて付属のプロトコールに従って行なった。デアミネーション処理後、PCRにより産物を増幅した。デアミネーションの確認は、PCRで増幅されたデアミネーション処理の産物をTA−Cloning(PROMEGA社のpGEM−Teasy Vector Systems)し、各10クローンずつ塩基配列を確認した。
結果を図8に示す。デアミネーション処理前にはCであった塩基は全てTに置換されていた。すなわち、デアミネーションにより、非常に高効率でCをTに置換できることが示された。
Claims (50)
- 標的遺伝子の周辺領域の配列または標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域の配列と相補的なアンチセンスRNAと、
前記標的遺伝子の前記配列に相同なセンスRNAと
を含む二重鎖干渉用RNAであって、
前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記二重鎖形成部分の長さが、50塩基以上であることを特徴とする二重鎖干渉用RNA。 - 標的遺伝子の前記周辺領域が、プロモーター領域または転写調節領域である請求項1に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 前記二重鎖形成部分の長さが、50〜300塩基であることを特徴とする請求項1または2に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 前記二重鎖形成部分の長さが、50〜100塩基であることを特徴とする請求項3に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 二重鎖を形成している領域内のアンチセンスRNAまたはセンスRNAにおいて1個以上の塩基が他塩基により置換されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 二重鎖を形成している領域内のセンスRNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されていることを特徴とする請求項5に記載の二重鎖干渉用RNA。
- センスRNAにおける塩基の置換がシトシン(C)からウラシル(U)への置換、アデニン(A)からグアニン(G)への置換、またはアデニン(A)からイノシン(I)への置換である請求項6に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 塩基の置換がデアミネーションによって導入される請求項7に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 二重鎖を形成している領域内のアンチセンスRNA又はセンスRNAにおいて塩基の挿入あるいは欠失による1つ以上のバルジを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 前記バルジ又は前記置換が、前記二重鎖の末端から20〜23番目の塩基の位置以外に含まれている請求項9に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 前記二重鎖の末端から1〜19番目の塩基の間に最初のバルジが含まれ、前記バルジの位置から数えて1〜25番目の塩基ごとに次のバルジが含まれている請求項9に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 前記バルジがセンスRNAに含まれる請求項9〜11に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 前記アンチセンスRNAと前記センスRNAの間にループをさらに含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 二重鎖干渉用RNAを細胞内で発現させるためのベクターであって、
標的遺伝子の周辺領域の配列または標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域の配列と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、
前記標的遺伝子の前記配列に相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、
前記アンチセンスコードDNAおよび前記センスコードDNAから、前記アンチセンスRNAおよび前記センスRNAをそれぞれ発現させるための一つ以上のプロモーターと
を含んでなるベクターであって、
前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記二重鎖形成部分の長さが、50塩基以上であることを特徴とするベクター。 - 標的遺伝子の前記周辺領域が、プロモーター領域または転写調節領域である請求項14に記載のベクター。
- 前記二重鎖形成部分の長さが、50〜300塩基であることを特徴とする請求項14または15に記載のベクター。
- 前記二重鎖形成部分の長さが、50〜100塩基であることを特徴とする請求項16に記載のベクター。
- 二重鎖を形成しているRNAをコードするDNAの領域内のアンチセンスコードDNAまたはセンスコードDNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されていることを特徴とする請求項14〜17に記載のベクター。
- 二重鎖を形成しているRNAをコードするDNAの領域内のセンスコードDNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されていることを特徴とする請求項18に記載のベクター。
- センスコードDNAにおける塩基の置換がシトシン(C)からチミン(T)への置換またはアデニン(A)からグアニン(G)への置換である請求項19に記載のベクター。
- 塩基の置換がデアミネーションによって導入される請求項20に記載のベクター。
- 二重鎖を形成している領域内のアンチセンスRNA又はセンスRNAにおいて塩基の挿入あるいは欠失による1つ以上のバルジを含むことを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載のベクター。
- 前記バルジ又は前記置換が、前記二重鎖の末端から20〜23番目の塩基の位置以外に含まれている請求項22に記載のベクター。
- 前記二重鎖の末端から1〜19番目の塩基の間に最初のバルジが含まれ、前記バルジの位置から数えて1〜25番目の塩基ごとに次のバルジが含まれている請求項22に記載のベクター。
- 前記バルジがセンスRNAに含まれる請求項22〜24のいずれか1項に記載のベクター。
- 前記アンチセンスRNAと前記センスRNAの間にループをさらに含む請求項14〜25のいずれか1項に記載のベクター。
- 前記プロモーターが、polIII系プロモーターである請求項14〜26のいずれか1項に記載のベクター。
- 前記polIII系プロモーターが、U6プロモーター、tRNAプロモーター、H1プロモーター、7SKプロモーター、7SLプロモーターおよび5SrRNAプロモーターからなる群から選択される請求項27に記載のベクター。
- 二重鎖干渉用RNAを細胞内で発現させるための発現システムであって、
標的遺伝子の周辺領域の配列または標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域の配列と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAから前記アンチセンスRNAを発現させるための第一のプロモーターとを含む第一のベクターと、
前記標的遺伝子の前記配列に相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記センスコードDNAから前記センスRNAを発現させるための第二のプロモーターとを含む第二のベクターと
を含んでなり、
前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記二重鎖形成部分の長さが、50塩基以上であることを特徴とする発現システム。 - 標的遺伝子の前記周辺領域が、プロモーター領域または転写調節領域である請求項29に記載の発現システム。
- 前記二重鎖形成部分の長さが、50〜300塩基であることを特徴とする請求項29または30に記載の発現システム。
- 前記二重鎖形成部分の長さが、50〜100塩基であることを特徴とする請求項31に記載の発現システム。
- 二重鎖を形成しているRNAをコードするDNAの領域内のアンチセンスコードDNAまたはセンスコードDNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されていることを特徴とする請求項29〜32のいずれか1項に記載の発現システム。
- 二重鎖を形成しているRNAをコードするDNAの領域内のセンスコードRNAにおいて1個以上の塩基が他の塩基により置換されていることを特徴とする請求項33に記載の発現システム。
- センスコードDNAにおける塩基の置換がシトシン(C)からチミン(T)への置換、アデニン(A)からグアニン(G)への置換である請求項34に記載の発現システム。
- 塩基の置換がデアミネーションによって導入される請求項35に記載の発現システム。
- 二重鎖を形成している領域内のアンチセンスRNA又はセンスRNAにおいて塩基の挿入あるいは欠失による1つ以上のバルジを含むことを特徴とする請求項29〜36のいずれか1項に記載の発現システム。
- 前記バルジ又は前記置換が、前記二重鎖の末端から20〜23番目の塩基の位置以外に含まれている請求項37に記載の発現システム。
- 前記二重鎖の末端から1〜19番目の塩基の間に最初のバルジが含まれ、前記バルジの位置から数えて1〜25番目の塩基ごとに次のバルジが含まれている請求項37に記載の発現システム。
- 前記バルジがセンスRNAに含まれる請求項37〜39のいずれか1項に記載の発現システム。
- 前記第一及び第二のプロモーターが、polIII系プロモーターである請求項29〜40のいずれか1項に記載の発現システム。
- 前記polIII系プロモーターが、U6プロモーター、tRNAプロモーター、H1プロモーター、7SKプロモーター、7SLプロモーターおよび5SrRNAプロモーターからなる群から選択される請求項41に記載の発現システム。
- 請求項14〜28のいずれか1項に記載のベクターまたは請求項29〜42のいずれか1項に記載の発現システムを保持した細胞。
- 植物細胞である請求項43に記載の細胞。
- 動物細胞である請求項43に記載の細胞。
- 哺乳動物細胞である請求項45に記載の細胞。
- 請求項14〜28のいずれか1項に記載のベクターまたは請求項29〜42のいずれか1項に記載の発現システムを含む組成物。
- 医薬組成物である請求項47に記載の組成物。
- 標的遺伝子の発現が抑制された細胞を生産する方法であって、
請求項14〜28のいずれか1項に記載のベクターまたは請求項29〜42のいずれか1項に記載の発現システムを細胞に導入する工程と、
前記ベクター又は前記発現システムが導入された細胞を選択する工程と
を含む方法。 - 標的遺伝子の周辺領域の配列または標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域の配列と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子の前記配列に相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとにより形成される二重鎖部分の長さが、50塩基以上である二重鎖干渉用RNAを発現する一以上のベクターを細胞に導入する工程を含む標的遺伝子の発現を抑制する方法。
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