JP2005190888A - 除電方法、電気光学装置の製造方法、除電装置および液滴吐出装置 - Google Patents

除電方法、電気光学装置の製造方法、除電装置および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基体をステージから取り上げる際の放電を防止する除電方法および除電装置を
提供すること。
【解決手段】 ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ方形であ
る基体を前記ステージから取り除く際に、前記基体にイオン化光が照射されるように、前
記面のほぼ対角線の方向に前記イオン化光を照射する。また、ステージ上に位置するとと
もに、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体を前記ステージから取り除く際に、
前記基体にイオン化されたエアが吹き付けられるように、前記面のほぼ対角線の方向に前
記イオン化されたエアを吹き付ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可とう性を有する帯電性のワークをワークテーブルから引き離すときに生ず
る静電気を除電する除電方法および除電装置に関し、特に、液滴吐出装置に好適な除電方
法および除電装置に関するものである。
作業中のワークを除電することが知られている(例えば特許文献1)。
特開2000−331729号公報
従来の除電方法および除電装置では、ワーク(基体ともいう)をワークテーブル(ステ
ージともいう)から引き離す瞬間に、剥離帯電による静電気(放電)が生じる場合がある
。基体にスイッチング素子などの回路素子が設けられている場合には、このような放電に
よって、回路素子がダメージを受けることもある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、基体をステージか
ら取り上げる際の放電を防止する除電方法および除電装置を提供することである。
本発明の除電方法は、ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ
方形である基体を前記ステージから取り除く際に行われる除電方法であり、前記基体にイ
オン化光が照射されるように、前記面のほぼ対角線の方向に前記イオン化光を照射する工
程A、を含んでいる。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージ上で帯電した基体を効率よく除電で
きることである。基体の対角線の方向にイオン化光を照射するので、イオン化した(帯電
した)空気分子に、基体の全体がまんべんと接するからである。このためステージから基
体を取り除く際に、ステージと基体との間での放電が発生しにくくなる。
好ましくは、前記工程Aは、ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、前記基体を間に
挟む2つの位置のそれぞれから前記イオン化光を照射する工程A1を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージ上で帯電した基体を、さらに効率よ
く除電できることである。
さらに好ましくは、前記基体は可とう性を有しており、前記基体の中央部と前記ステー
ジとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの周辺部のそれぞれと前記ステージ
との間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれぞれを前記ステージから持ち上げ
る工程Bをさらに含む。そして、前記工程Aは、前記隙間の一つに前記イオン化光が照射
されるように、ほぼ前記対角線の方向に前記イオン化光を照射する工程A2を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体の裏面(つまりステージと接していた面
)が効率よく除電できることである。このため、ステージと裏面との間での放電が、さら
に発生しにくくなることである。
本発明のある態様によれば、上記除電方法は、前記工程Aを開始した後で、前記中央部
が前記ステージから離れるように、前記中央部を前記ステージから持ち上げる工程Cをさ
らに含んでいる。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージと基体との間が密着していても、ス
テージから基体を容易に取り上げることができることである。
本発明の除電方法は、ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ
方形である基体を前記ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、前記基体に
イオン化光を照射する工程Aと、前記イオン化光の照射領域と前記基体とが少なくとも部
分的に重なる範囲内で、前記基体を前記照射領域に対して移動させる工程Bと、を含んで
いる。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体へのイオン化光の照射がより均一になる
ことである。
本発明のある態様では、前記工程Aは、前記イオン化光の中心方向が前記基体の一辺に
対して0°より大きく90°より小さい角度をなすように、前記イオン化光を射出する工
程A1を含み、前記工程Bは、前記一辺の方向に前記基体を移動させる工程B1を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体の除電効率がより向上することである。
本発明の除電方法は、ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ
方形である基体を前記ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、前記基体に
イオン化されたエアが吹き付けられるように、前記面のほぼ対角線の方向に前記イオン化
されたエアを吹き付ける工程A、を含んでいる。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージ上で帯電した基体を効率よく除電で
きることである。基体の対角線の方向にイオン化光を照射するので、イオン化した(帯電
した)空気分子に、基体の全体がまんべんなく接するからである。このためステージから
基体を取り除く際に、ステージと基体との間での放電が発生しにくくなる。
好ましくは、前記工程Aは、ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、前記基体を間に
挟む2つの位置のそれぞれから前記イオン化エアを吹き付ける工程A1を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージ上で帯電した基体を、さらに効率よ
く除電できることである。
さらに好ましくは、前記基体は可とう性を有しており、上記除電方法は、前記基体の中
央部と前記ステージとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの周辺部のそれぞ
れと前記ステージとの間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれぞれを前記ステ
ージから持ち上げる工程Bをさらに含んでいる。そして、前記工程Aは、前記隙間の一つ
に前記イオン化されたエアが吹き付けられるように、前記基体のほぼ対角線の方向に前記
イオン化されたエアを吹き付ける工程A2を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体の裏面(つまりステージと接していた面
)が効率よく除電できることである。このため、ステージと裏面との間での放電が、さら
に発生しにくくなる。
さらに好ましくは、上記除電方法は、前記工程Aを開始した後で、前記中央部が前記ス
テージから離れるように、前記中央部を前記ステージから持ち上げる工程Cをさらに含ん
でいる。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージと基体との間が密着していても、ス
テージから基体を容易に取り上げることができることである。
本発明の除電方法は、ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ
方形である基体を前記ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、前記基体に
イオン化されたエアを吹き付ける工程Aと、前記イオン化されたエアの送風領域と前記基
体とが少なくとも部分的に重なる範囲内で、前記基体を前記送風領域に対して移動させる
工程Bと、を含んでいる。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体へのイオン化光の照射がより均一になる
ことである。
本発明のある態様では、前記工程Aは、前記イオン化されたエアの中心方向が前記基体
の一辺に対して0°より大きく90°より小さい角度をなすように、前記イオン化された
エアを送風する工程A1を含み、前記工程Bは、前記一辺の方向に前記基体を移動させる
工程B1を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体の除電効率がより向上することである。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、除電装置、液滴吐
出装置、エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、プラズマ表示装置の製造方法、
電子光学装置の製造方法などの態様で実現できる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、ステージ上の基体であって、前記ステージと接す
る面がほぼ方形である基体の被吐出部に液状の発光材料を塗布する工程Aと、前記工程A
の後で、前記基体にイオン化光が照射されるように、前記面のほぼ対角線の方向に前記イ
オン化光を照射する工程Bと、前記工程Bを行いながら、基体を前記ステージから取り除
く工程Cと、を含んでいる。
好ましくは、上記電気光学装置の製造方法が、前記工程Aが行われている間に前記基体
にイオン化光を照射する工程Dをさらに含んでいる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、ステージ上の基体であって、前記ステージと接す
る面がほぼ方形である基体の被吐出部に液状の導電材料を塗布する工程Aと、前記工程A
の後で、前記基体にイオン化光が照射されるように、前記面のほぼ対角線の方向に前記イ
オン化光を照射する工程Bと、前記工程Bを行いながら、基体を前記ステージから取り除
く工程Cと、を含んでいる。
好ましくは、上記電気光学装置の製造方法が、前記工程Aが行われている間に前記基体
にイオン化光を照射する工程Dをさらに含んでいる。
本発明の液滴吐出装置は、基体が載せられる載置面であってほぼ方形の載置面を有する
ステージと、前記基体にイオン化光が照射されるように、前記載置面のほぼ対角線の方向
に前記イオン化光を照射する除電装置と、を備えている。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージ上で帯電した基体を効率よく除電で
きることである。基体の対角線の方向にイオン化光を照射するので、イオン化した(帯電
した)空気分子に、基体の全体がまんべんなく接するからである。このためステージから
基体を取り除く際に、ステージと基体との間での放電が発生しにくくなる。
好ましくは、ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、上記液滴吐出装置は、前記基体
を間に挟む2つの位置のそれぞれから前記イオン化光を照射する2つの前記除電装置を備
えている。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージ上で帯電した基体を、さらに効率よ
く除電できることである。
本発明のある態様によれば、前記基体は可とう性を有しており、前記液滴吐出装置は、
前記基体の中央部と前記ステージとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの周
辺部のそれぞれと前記ステージとの間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれぞ
れを前記ステージから持ち上げるリフトアップ部をさらに備えている。そして、前記除電
装置は、前記隙間の一つに前記イオン化光が照射されるように、ほぼ前記対角線の方向に
前記イオン化光を照射する。
上記構成によって得られる効果の一つは、基体の裏面(つまりステージと接していた面
)が効率よく除電できることである。このため、ステージと裏面との間での放電が、さら
に発生しにくくなることである。
好ましくは、前記隙間の一つに前記イオン化光が照射され始めた場合には、前記リフト
アップ部は、前記中央部が前記ステージから離れるように、前記中央部を前記ステージか
ら持ち上げる。
上記構成によって得られる効果の一つは、ステージと基体との間が密着していても、ス
テージから基体を容易に取り上げることができることである。
本発明は、イオン化光を照射する除電装置を有する液滴吐出装置の態様だけでなく、イ
オン化されたエアを吹きつける除電装置を備えた液滴吐出装置の態様でも実現できる。
(実施例1)
(A.吐出装置100の全体構成)
図1の吐出装置100は、2つの除電装置11Aを備えたインクジェット装置、すなわ
ち液滴吐出装置である。具体的には、吐出装置100は、液状の材料111を保持するタ
ンク101と、チューブ110と、チューブ110を介してタンク101から液状の材料
111が供給される吐出走査部102と、を備えている。そして、吐出走査部102は、
グランドステージ12と、2つの除電装置11Aと、キャリッジ103と、第1位置制御
装置104と、ステージ106と、第2位置制御装置108と、制御部112と、を備え
ている。
キャリッジ103は、ステージ106側に液状の材料111を吐出する複数のヘッド1
14を保持している。これら複数のヘッド114のそれぞれは、制御部112からの信号
に応じて、液状の材料111の液滴を吐出する。そして、タンク101と、キャリッジ1
03における複数のヘッド114と、はチューブ110で連結されており、タンク101
から複数のヘッド114のそれぞれに液状の材料111が供給される。
ここで、本明細書において「液状の材料」とは、ヘッド114のノズルから液滴として
吐出可能な粘度を有する材料をいう。この場合、材料が水性であると油性であるとを問わ
ない。ノズルから吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入して
いても全体として流動体であればよい。
第1位置制御装置104は、制御部112からの信号に応じて、キャリッジ103をX
軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置制御
装置104は、Z軸に平行な軸の回りでキャリッジ103を回転させる機能も有する。本
実施例では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。
具体的には、第1位置制御装置104は、X軸方向に延びる一対のリニアモータと、X
軸方向に延びる一対のX軸ガイドレールと、X軸エアスライダと、キャリッジ回動部と、
支持構造体14と、を備えている。支持構造体14は、これら一対のリニアモータと、一
対のX軸ガイドレールと、一対のX軸エアスライダと、キャリッジ回動部とを、ステージ
106からZ軸方向に所定距離だけ離れた位置に固定している。一方、X軸エアスライダ
は、一対のX軸ガイドレールに移動可能に支持されている。そして、X軸エアスライダは
、一対のリニアモータの働きによって、一対のX軸ガイドレールに沿ってX軸方向に移動
する。キャリッジ103はキャリッジ回動部を介してX軸エアスライダと連結されている
ので、キャリッジ103は、X軸エアスライダとともにX軸方向に移動する。なお、キャ
リッジ103は、キャリッジ103におけるノズルがステージ106側を向くように、X
軸エアスライダに支持されている。なお、キャリッジ回動部はサーボモータを有しており
、キャリッジ103をZ軸に平行な軸の回りで回転させる機能を有する。
第2位置制御装置108は、制御部112からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方
向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させる。さらに、第2位置制
御装置108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有する。具
体的には、第2位置制御装置108は、Y軸方向に延びる一対のリニアモータと、Y軸方
向に延びる一対のY軸ガイドレールと、Y軸エアスライダと、支持ベースと、θテーブル
と、を備えている。一対のリニアモータおよび一対のY軸ガイドレールは、グランドステ
ージ12上に位置している。一方、Y軸エアスライダは、一対のY軸ガイドレールに移動
可能に支持されている。そして、Y軸エアスライダは、一対のリニアモータの働きによっ
て、一対のY軸ガイドレールに沿ってY軸方向に移動する。Y軸エアスライダは、支持ベ
ースおよびθテーブルを介してステージ106の裏面に連結されているので、ステージ1
06は、Y軸エアスライダとともにY軸方向に移動する。なお、θテーブルはモータを有
しており、ステージ106をZ軸に平行な軸の回りで回転させる機能を有する。
なお、本明細書では、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108を、「走
査部」とも表記する。
本実施例におけるX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、キャリッジ103およびス
テージ106のどちらか一方が他方に対して相対移動する方向に一致している。また、X
軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向を規定するXYZ座標系の仮想的な原点は、吐出装置
100の基準部分に固定されている。本明細書において、X座標、Y座標、およびZ座標
とは、このようなXYZ座標系における座標である。なお、上記の仮想的な原点は、基準
部分だけでなく、ステージ106に固定されていてもよいし、キャリッジ103に固定さ
れていてもよい。
(B.ステージ)
図2に示すステージ106は、基体30A(図4)を固定、または保持できるように構
成されている。具体的には、ステージ106は、載置部15と、リフト機構16と、3つ
の支持ピラー17と、ベースプレート18と、を有する。
載置部15は、平面形状がほぼ方形である載置面15Aと、載置面15Aとは反対方向
を向いた裏面15Bと、載置面15Aと裏面15Bとの間を包囲する4つの側面15Cと
、載置面15Aから裏面15Bに至る複数の貫通穴15Dと、載置面15Aに設けられた
複数の吸引溝15Eと、を有している。
載置面15Aおよび裏面15Bのそれぞれは、X軸方向およびY軸方向の双方にほぼ平
行な面である。また、載置面15Aのほぼ直交する2辺は、X軸方向およびY軸方向の双
方にほぼ平行である。
貫通穴15Dは、それぞれがY軸方向に延びる4つの列を構成している。外側2列の貫
通穴15Dは、基体30Aの周辺部(外側)に対応する。一方、内側2列の貫通穴15D
は、基体30Aの中央部に対応する。つまり、基体30Aが載置面15A上にセットされ
る場合には、外側2列の貫通穴15Dは基体30Aの周辺部によって覆われ、一方、内側
2列の貫通穴15Dは基体30Aの中央部によって覆われる。これらの貫通穴15Dの位
置は、後述するリフトピン16Aの位置に対応している。このため、貫通穴15Dの数と
リフトピン16Aの数とは同じである。
3つの支持ピラー17は、ベースプレート18から所定距離だけ離れた位置に載置部1
5を固定している。具体的には、3つの支持ピラー17は、それらの長手方向がZ軸方向
に一致するように、ベースプレート18上に固定されている。3つの支持ピラー17のそ
れぞれの端はほぼ正三角形の頂点を構成する。そして、3つの支持ピラー17のそれぞれ
の端上には、載置部15がネジによって固定されている。
本実施例のベースプレート18は鉄材から構成されている。ベースプレート18は、第
2位置制御装置108の一部であるθテーブルによって支持されている。さらにθテーブ
ルは、図示しない石材からなる支持ベースによって支持されている。そして、支持ベース
には上述のY軸エアスライダが連結されている。Y軸エアスライダは、Y軸方向に延びる
一対のY軸リニアモータの働きによって、θテーブルを支える支持ベースを載せて一対の
Y軸ガイドレールに沿って移動する。このため、Y軸エアスライダとともに、θテーブル
上のベースプレート18もY軸方向に移動する。
リフト機構16は、本発明の「リフトアップ部」に対応する。リフト機構16は、載置
部15とベースプレート18との間に位置する。そして、リフト機構16は、載置部15
の載置面15A上に位置する基体30Aを載置面15Aから持ち上げる機能を有する。リ
フト機構16の具体的な構成は次の通りである。
リフト機構16(すなわちリフトアップ部)は、複数のリフトピン16Aと、2つの駆
動装置16BAと、1つの駆動装置16BBと、2つの外側リフトプレート16Cと、1
つの内側リフトプレート16Dと、を有している。内側リフトプレート16Dは、2つの
外側リフトプレート16Cの間に位置している。2つの外側リフトプレート16Cおよび
1つの内側リフトプレート16Dのそれぞれは、X軸方向およびY軸方向の双方にほぼ平
行な平面を提供している。また、後で説明するように、2つの外側リフトプレート16C
および1つの内側リフトプレート16Dのそれぞれは、Z軸方向に沿って、第1の位置と
第2の位置との間を移動する。
2つの外側リフトプレート16Cのそれぞれからは、8本のリフトピン16Aが突出し
ている。それぞれのリフトピン16Aの突出方向はZ軸方向である。また、それぞれの外
側リフトプレート16C上で、それら8本のリフトピン16Aは、Y軸方向に等間隔に並
んだ1つの列を構成している。さらに、2つの外側リフトプレート16Cのそれぞれは2
つのガイド穴16Eを有しており、後述する2つのガイドピン16B4がこれら2つのガ
イド穴16Eをそれぞれ貫通している。また、2つの外側リフトプレート16Cのそれぞ
れの近傍には、それぞれの駆動装置16BAが位置する。それぞれの駆動装置16BAに
よって、2つの外側リフトプレート16Cのそれぞれが、第1の位置と第2の位置との間
を移動、あるいは昇降する。駆動装置16BAの構成は後述する。
内側リフトプレート16Dからは、16本のリフトピン16Aが突出している。それぞ
れのリフトピン16Aの突出方向はZ軸方向である。また、内側リフトプレート16D上
で、それら16本のリフトピン16Aは、8本づつの2つの列を構成していて、さらに、
2つの列のそれぞれにおいて、リフトピン16AはY軸方向に等間隔に並んでいる。さら
に、内側リフトプレート16Dは4つのガイド穴16Eを有しており、後述する4つのガ
イドピン16B4がこれら4つのガイド穴16Eをそれぞれ貫通している。また、内側リ
フトプレート16Dの近傍には、1つの駆動装置16BBが位置する。この駆動装置16
BBによって、内側リフトプレート16Dが第1の位置と第2の位置との間を移動、ある
いは昇降する。
外側リフトプレート16Cを駆動する駆動装置16BAのそれぞれは、リフトモータ1
6B1と、リフトモータ16B1により正逆回転する1本のリフトボールねじ16B2と
、雌ねじブロック16B3と、外側リフトプレート16Cの昇降をガイドする2本のガイ
ドピン16B4と、リフトピン16Aの昇降位置を検出する昇降位置センサ(不図示)と
、を有している。リフトボールねじ16B2は、外側リフトプレート16Cに設けられた
貫通孔を貫通している。また、雌ねじブロック16B3は、外側リフトプレート16Cに
固定され、かつリフトボールねじ16B2に螺合している。このため、雌ねじブロック1
6B3は、外側リフトプレート16Cを、リフトボールねじ16B3に対して昇降自在に
支持する。2本のガイドピン16B4のそれぞれは、ベースプレート18に固定されてい
るとともに、ベースプレート18からZ軸方向に延びている。
内側リフトプレート16Dを駆動する駆動装置16BBの構成および機能は、外側リフ
トプレート16Cを駆動する駆動装置16BAの構成および機能と基本的に同じである。
ただし、駆動装置16BBは、リフトボールねじ16B2と雌ねじブロック16B3との
組を2つ有する点で、駆動装置16BAの構成と異なる。駆動装置16BBにおいて、2
つのリフトボールねじ16B2のそれぞれは、ベルトによって、1つのリフトモータ16
B1に連結されている。このベルトはリフトモータ16B1の駆動力を2つのリフトボー
ルねじ16B2のそれぞれに伝播するので、1つのリフトモータ16B1の駆動力によっ
て、2つのリフトボールねじ16B2が同時に正逆回転する。
外側リフトプレート16Cが第1の位置に位置する場合には、リフトピン16Aの先端
はいずれも、載置部15の貫通穴15Dの中に埋まっている。つまり、この場合には、リ
フトピン16Aは、載置面15Aから突出していない。
リフトボールネジ16B2が正回転するようにリフトモータ16B1が回転する場合に
は、リフトボールネジ16B2に螺合する雌ねじブロック16B3によって、外側リフト
プレート16Cは、ガイドピン16B4にガイドされながら、第1の位置から第2の位置
に向かってZ軸方向に移動する。外側リフトプレート16Cのこのような移動に応じて、
8本のリフトピン16Aのそれぞれは載置面15AからZ軸方向に徐々に突出する。昇降
位置センサが、外側リフトプレート16Cが第2の位置に達したことを検出した場合には
、リフトモータ16B1の回転が停止される。そしてこの結果、外側リフトプレート16
Cは、第2の位置で停止する。外側リフトプレート16Cを第2の位置から第1の位置に
移動させる場合には、リフトボールねじ16B2が逆回転するようにリフトモータ16B
1を回転させればよい。
内側リフトプレート16Dの昇降のメカニズムも、上述した外側リフトプレート16C
の昇降のメカニズムと同じである。ただし、外側リフトプレート16Cの昇降のタイミン
グ・スピードと、内側リフトプレート16Dの昇降のタイミング・スピードとは、制御部
112によって個々に制御され得る。なお、本実施例では、2つの外側リフトプレート1
6C同士は、互いに同期して昇降する。
外側リフトプレート16Cが第2の位置に位置する場合には、外側リフトプレート16
C上のリフトピン16Aのそれぞれは、載置面15AからZ軸方向に所定の「突出長さ」
だけ突出している。本実施例では、上記所定の「突出長さ」はほぼ50mmである。
以上のような構造を有するステージ106は、一対のY軸ガイドレールに沿って、一端
(取り出し領域)と他端との間を移動する。本実施例では、ステージ106が一端に位置
する場合に、液状の材料111が塗布されるべき基体30Aが、図示しないロボットによ
って載置面15A上に載置される。また同様に、ステージ106が一端に位置する場合に
、液状の材料111が塗布された基体30Aが、ロボットによって載置面15Aから取り
除かれる。なお、本明細書では、液状の材料111が塗布されるべき箇所、または被吐出
部、を有する基体30Aを「受容基板」と表記することもある。基体30Aの詳細につい
ては後述する。
(C.除電装置)
図3および図4に示す2つの除電装置11Aのそれぞれは、基体30Aに向けて微弱X
線、または軟X線、を照射するように構成されている。この除電装置11Aは、微弱X線
によって、基体30A近傍の雰囲気に含まれる分子をイオン化する。このことによって、
基体30A近傍の雰囲気の分子がイオン化するので、イオン化された分子によって、基体
30Aに帯電した電荷が中和される。つまり、イオン化された分子によって、基体30A
が除電される。このような除電装置11Aは、光電離(Photoionzation)
を利用した静電気除去装置とも呼ばれる。
本実施例の微弱X線または軟X線は、本発明のイオン化光に対応する。
それぞれの除電装置11Aは、ほぼ直方体の筐体と、筐体内部に位置するX線管と、を
有している。筐体は、X線管から発生した微弱X線、すなわちイオン化光RF、を出力す
る出力窓LAを有している。出力窓LAからイオン化光RFが載置面15Aのほぼ対角線
の方向に射出されるように、除電装置11Aはグランドステージ12上に配置されている
。具体的には、出力窓LAが載置面15Aのほぼ対角線の方向を向くように、除電装置1
1Aが配置されている。載置面15Aと2つの除電装置11Aとがこのような位置関係に
あるので、基体30Aの対角線の方向と除電装置11Aの出力窓LAが向く方向とがほぼ
一致するように、基体30Aを載置面15A上にセットすることができる。
なお、出力窓LAからイオン化光RFが載置面15Aの対角線のほぼ方向に射出される
とは、イオン化光RFの中心RXと対角線とが一致している場合だけを意味するとは限ら
ない。本実施例では、基体30Aに照射されるイオン化光RFのコーンが、概ね対角線の
方向を向いていればよい。
より具体的には、2つの除電装置11Aのそれぞれは、イオン化光RFの中心RXが、
Y軸方向に平行な基体30Aの一辺に対して、0°より大きく90°より小さい角度αを
なすように、配置されている。
また、イオン化光RFの照射範囲が載置面15Aの全体を覆うように、それぞれの除電
装置11Aにおける出力窓LAの位置が調整されている。具体的には、出力窓LAの中心
の高さが、載置面15Aの高さよりも高くなるように、グランドステージ12上に除電装
置11Aが配置されている。さらに本実施例では、それぞれの出力窓LAの中心の高さは
、載置面15Aから「突出長さ」の範囲内に位置する。
なお、除電装置11Aが、載置面15Aのほぼ対角線の方向にイオン化光RFを照射す
るのであれば、吐出装置100における除電装置11Aは1つだけでもよい。ただし、ス
テージ106を間に挟んでほぼ対向するように2つの除電装置11Aを用いれば、除電の
効率がより高くなる。
(D.ヘッド)
次にヘッド114を説明する。図16(a)および(b)に示すように、それぞれのヘ
ッド114は、インクジェットヘッドである。より具体的には、それぞれのヘッド114
は、振動板126と、ノズルプレート128と、を備えている。振動板126と、ノズル
プレート126と、の間には、タンク101から孔131を介して供給される液状の材料
111が常に充填される液たまり129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128と、の間には、複数の隔壁122が位置
している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122と、に
よって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応
して設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キ
ャビティ120には、1対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液たまり1
29から液状の材料111が供給される。
振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置す
る。振動子124は、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む1対の電極12
4A、124Bと、を含む。この1対の電極124A、124Bの間に駆動電圧を与える
ことで、対応するノズル118から液状の材料111が吐出される。なお、ノズル118
からZ軸方向に液状の材料が吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。
制御部112(図1)は、複数の振動子124のそれぞれに互いに独立に信号を与える
ように構成されていてもよい。つまり、ノズル118から吐出される材料111の体積が
、制御部112からの信号に応じてノズル118毎に制御されてもよい。そのような場合
には、ノズル118のそれぞれから吐出される材料111の体積は、0pl〜42pl(
ピコリットル)の間で可変である。また、制御部112は、後述するように、塗布走査の
間に吐出動作を行うノズル118と、吐出動作を行わないノズル118と、を設定するこ
とでもできる。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、
キャビティ120に対応する振動子124と、を含んだ部分を「吐出部127」と表記す
ることもある。この表記によれば、1つのヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の
吐出部127を有する。吐出部127は、ピエゾ素子の代わりに電気熱変換素子を有して
もよい。つまり、吐出部127は、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して材料を
吐出する構成を有していてもよい。
(E.除電工程)
以下では、吐出装置100に基体30Aをセットする工程と、吐出装置100から基体
30Aを取り除く工程と、基体30Aを取り除く際に行われる除電工程と、を説明する。
本実施例の基体30Aは、ステージ106と接する面、つまり裏面、の形状が方形であ
る。そして、基体30Aの表面には、吐出装置100によって液状の材料111が塗布さ
れることになる複数の被吐出部が、マトリクス状に配置されている。被吐出部については
、実施例4以降で詳細に説明する。なお、本実施例の基体30Aは、吐出装置100によ
って発光材料が塗布されて、後にエレクトロルミネッセンス表示装置となる基板である。
ただし、本実施例で説明する除電工程は、基体30Aの除電だけでなく、プラズマ表示装
置用の基体50A(実施例5)の除電や、電子放出素子を備えた画像表示装置用の基体7
0A(実施例6)の除電にも適用され得る。
まず2本のフォークを有するロボットが、2本のフォークを用いて、基体30Aをステ
ージ106の上方に位置させる。この際、すべてのリフトピン16Aが載置面15Aから
突出して、下降する2本のフォークから基体を受け取る。そして、リフトピン16A上に
基体30Aが載せられた場合には、リフトピン16Aを載置面15A下に収めて、載置面
15A上に基体30Aを載置する。
基体30Aが載置面15A上に置かれる際に、被吐出部が形成するマトリクスの列方向
および行方向が、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ一致するように、基体30Aが載置
面15A上にセットされる。本実施例では、基体30Aの裏面の直交する2辺も、X軸方
向およびY軸方向にそれぞれほぼ平行になる。
次に、吸引装置を駆動することで、基体30Aと載置面15Aとの間に存在していた空
気を、吸引溝15Eを介して排気する。そうすると、基体30Aが受ける大気圧によって
、基体30Aは載置面15Aに押しつけられる。この結果、基体30Aの裏面30Bは載
置面15Aに密着する。つまり、基体30Aは吸引力によって載置面15Aに固定される
図4に示すように、ステージ106の載置面15A上に基体30Aがセットされた場合
には、2つの外側リフトプレート16Cおよび1つの内側リフトプレート16Dは、いず
れも第1の位置に位置している。このため、いずれのリフトピン16Aも載置面15Aか
ら突出していない。
次に、吐出装置100は、基体30Aに対して塗布工程を行う。具体的には、吐出装置
100は、基体30Aの被吐出部が液状の材料111で覆われるように、キャリッジ10
3およびステージ106の少なくとも一方を他方に対して相対移動させるとともに、被吐
出部に向けて液状の材料111を吐出する。
吐出装置100が塗布工程を終了した後で、吐出装置100は基体30Aの除電工程を
開始する。そして、吐出装置100が基体30Aを除電している期間中に、ロボットが基
体30Aを吐出装置100から取り出す。除電工程を行う理由は、ステージ106が移動
することによって、ステージ106上の基体30Aが帯電するからである。基体30Aが
帯電していると、ロボットがステージ106から基体30Aを取り上げる際に、ステージ
106と基体30Aとの間で放電が起こる。そして、そのような放電によって、基体30
Aに設けられた電子素子が破壊されることがある。以下では、除電工程をより詳細に説明
する。
まず、基体30Aにイオン化光RFが照射されるように、吐出装置100は、載置面1
5Aのほぼ対角線の方向に前記イオン化光RFを照射する。
具体的には、まず、制御部112が、2つの除電装置11Aのそれぞれに、イオン化光
RFの照射の開始を示す信号を与える。この信号によって、2つの除電装置11Aのそれ
ぞれから、取り出し領域の全体に軟X線が放射され始める。そして、第2位置制御装置が
ステージ106をY軸方向に移動させることで、ステージ106が取り出し領域に位置す
る。イオン化光RFが既に照射され続けている領域(取り出し領域)に、基体30Aが移
動して到達するので、たとえ取り出し領域における照射強度にムラがあっても、基体30
Aにイオン化光RFが均一に照射される。基体30Aが、イオン化光RFが照射され続け
ている領域を移動するからである。
ステージ106が取り出し領域に位置すると、基体30Aにイオン化光RFが照射され
る。なお、2つの除電装置11Aのそれぞれは、載置面15Aのほぼ対角線の方向にイオ
ン化光RFを照射するように配置されている。また、ステージ106が取り出し領域に位
置する場合に、2つの除電装置11Aを結ぶ仮想線と、基体30Aの対角線とが、ほぼ一
致する。また、ステージ106が取り出し領域に位置する場合に、除電装置11Aのそれ
ぞれからのイオン化光RFのコーンが、基体30Aの対角線を覆っている。
図5に示すように、ステージ106が取り出し領域に位置した後で、基体30Aの中央
部とステージ106との接触を維持しながら、吐出装置100は、基体30Aの対向する
2つの周辺部のそれぞれとステージとの間にそれぞれ隙間が生じるように、2つの周辺部
のそれぞれをステージから持ち上げる。そして、吐出装置100は、それらの隙間にイオ
ン化光RFを照射する。
具体的には、まず、リフト機構16が、第1の位置にある2つの外側リフトプレート1
6Cのそれぞれを、第2の位置へ向けて同時に上昇させる。そうすることによって、2つ
の外側リフトプレート16Cに固定されている16本のリフトピン16Aが、載置部15
の貫通穴15Dを通って、基体30Aの2つの周辺部に接する。その後、16本のリフト
ピン16Aが載置面15Aから突出するように、2つの外側リフトプレート16Cをさら
に上昇させる。ここで、本実施例では、内側リフトプレート16Dは、第1の位置に位置
したままである。しかしながら、基体30Aの中央部と載置面15Aとの接触が保たれる
のであれば、内側リフトプレート16Dはわずかに載置面15Aから突出してもよい。
2つの外側リフトプレート16Cを上昇させることで、基体30Aの可とう性によって
基体30Aが撓む。より具体的には、基体30Aの中央部が載置面15Aに接したままで
、基体30Aの両側(2つの周辺部)が載置面15Aから持ちあがる。上述したように、
本実施例では、外側リフトプレート16Cのリフトピン16Aは、載置面15Aからほぼ
50mmだけ突出する。
本実施例では、除電装置11Aの出力窓LAの中心部は、載置面15AからZ軸方向に
、上述の突出長さ(つまりほぼ50mm)の範囲内に位置する。したがって、基体30A
の外側(2つの周辺部)が持ちあがることで、基体30Aの裏面30Bがイオン化光RF
によって照射される。また、基体30Aの外側から基体30A(2つの周辺部)を持ち上
げることで、互いに密着している基体30Aと載置面15Aとの間に、空気が入りやすく
なる。このことによって、基体30Aと載置面15Aとが互いに密着していても、載置面
15Aから基体30Aを剥離することが容易になる。
図6に示すように、基体30Aの外側(2つの周辺部)が持ち上り始めた後、吐出装置
100は、基体30Aの中央部がステージ106から離れるように、基体30Aの中央部
をステージ106から持ち上げる。
具体的には、リフト機構16が内側リフトプレート16Dを第1の位置から上昇させる
ことで、内側リフトプレート16D上の16本のリフトピン16Aを基体30Aの裏面3
0Bに接させる。そして、内側リフトプレート16Dをさらに上昇させることで、リフト
ピン16Aを載置面15Aから突出させて、基体30Aの中央部を載置面15Aから離れ
させる。このことで、基体30Aの裏面30Bが完全に載置面15Aから離れる。
本実施例では、リフトピン16Aを用いて基体30Aの裏面30Bを載置面15Aから
離す工程の間、イオン化光RFを基体30Aに照射し続けている。また、本実施例では、
基体30Aの裏面30Bにも、イオン化光RFが照射されている。このため、基体30A
の裏面30Bが載置面15Aから離れる際に、基体30Aとステージとの間で放電が生じ
ない。基体30Aの裏面30Bが載置面15Aから完全に離れるまでの期間に、基体30
Aに帯電した電荷が除去されるからである。
基体30Aの裏面30Bが載置面15Aから完全に離れた後で、ロボットは、フォーク
を基体30Aと載置面15Aとの間に挿入する。そして、フォークを上昇させることで、
ロボットは吐出装置100から基体30Aを取り上げる。
(実施例2)
本実施例の吐出装置100B(図1)がステージ106の代わりにステージ206を有
している点を除いて、本実施例の吐出装置100Bの構成は、実施例1の吐出装置100
の構成と基本的に同じである。このため、実施例1と同様な構成要素には、同一の参照符
号を付して、重複する説明を省略する。
図7および図8に示すステージ206は、基体30Aを、固定または保持できるように
構成されている。具体的には、ステージ206は、平面形状がほぼ方形である載置面25
Aと、載置面25Aとは反対方向を向いた裏面25Bと、載置面25Aと裏面25Bとの
間を包囲する4つの側面と、載置面25A上に設けられた2本の溝25Dと、載置面25
Aに設けられた複数の吸引溝25Eと、を有している。載置面25Aおよび裏面25Bの
それぞれは、X軸方向およびY軸方向の双方にほぼ平行な面である。
ステージ206の載置面25Aは、Y軸方向に延びる2つの溝25Dを有している。溝
25Dの深さおよび幅は、ロボットアームのフォーク26が完全に収まるように、設計さ
れている。なお、複数の吸引溝25Eは、2つの溝25Dと干渉しない(交わらない)よ
うに、載置面25A上に設けられている。
2つの溝25Dのそれぞれは、載置面25A上でY軸方向に延びる開口である。また、
2つの溝25Dのそれぞれは、ステージ206の一側面に達しており、このため、2つの
溝25Dは、ステージ206の一側面(ロボットに面する側の面)に2つの開口を与えて
いる。本実施例では、この一側面は、X軸方向およびZ軸方向の双方にほぼ平行な面であ
る。ステージ206のこのような構造は、ロボットがステージ206の一側面からY軸方
向に溝25Dにフォーク26を挿入し、その後、Z軸方向にフォーク26を持ち上げるこ
とを可能にさせる。なお、図7に示すように、本実施例の溝25Dは、ステージ206の
他面(一側面と対面する面)へは達していない。この結果、基体30Aと載置面25Aと
の接触面積がより広い。基体30Aと載置面25Aとの接触面積がより広いと、吸引溝2
5Eによって基体30Aが吸引された場合に、基体30Aの載置面25Aへの吸着がより
強固になるため、図7に示す構成はこの点で好ましい。また、基体30Aの載置面25A
と接触する部分と接触しない部分とでは、温度差が生じ得る。このため、基体30Aと載
置面25Aとの接触面積が大きいほど、基体30Aの温度分布を均一にしやすい。したが
って、基体30Aの温度分布を均一に保ちやすいとの理由からも、溝25Dがステージ2
06の他面に達しない構成(図7)は、溝25Dが他面まで達する構成よりも好ましい。
(除電工程)
以下では、吐出装置100Bに基体30Aをセットする工程と、吐出装置100Bから
基体30Aを取り除く工程と、基体30Aを取り除く際に行われる除電工程と、を説明す
る。
図8に示すように、まず、2本のフォーク26を有するロボットが、その2本のフォー
ク26を用いて、基体30Aをステージ206上、つまり載置面25A上に載置する。こ
の際、被吐出部が形成するマトリクスの列方向および行方向が、X軸方向およびY軸方向
にそれぞれ一致するように、ロボットは基体30Aを載置面25A上にセットする。本実
施例では、基体30Aの裏面の直交する2辺も、X軸方向およびY軸方向にそれぞれほぼ
平行になる。
次に、吸引装置を駆動することで、基体30Aと載置面25Aとの間に存在していた空
気を、吸引溝25Eを介して排気する。そうすると、基体30Aが受ける大気圧によって
、基体30Aは載置面25Aに押しつけられる。この結果、基体30Aの裏面30Bは載
置面25Aに密着する。つまり、基体30Aは吸引力によって載置面25Aに固定される
次に、吐出装置100Bは、基体30Aに対して塗布工程を行う。具体的には、吐出装
置100Bは、基体30Aの被吐出部が液状の材料で覆われるように、キャリッジ103
およびステージ206の少なくとも一方を他方に対して相対移動させるとともに、被吐出
部に向けて液状の材料を吐出する。
塗布工程を終了した後で、吐出装置100Bは基体30Aの除電工程を開始する。そし
て、吐出装置100Bが基体30Aを除電している期間中に、ロボットが基体30Aを吐
出装置100Bから取り出す。除電工程を行う理由は、ステージ206が移動することに
よって、ステージ206上の基体30Aが帯電するからである。基体30Aが帯電してい
ると、ロボットがステージ206から基体30Aを取り上げる際に、ステージ206と基
体30Aとの間で放電が起こる。そして、そのような放電によって、基体30Aに設けら
れた電子素子が破壊されることがある。以下では、除電工程をより詳細に説明する。
まず、基体30Aにイオン化光RFが照射されるように、吐出装置100Bは、載置面
25Aのほぼ対角線の方向に前記イオン化光RFを照射する。
具体的には、まず、制御部112が、2つの除電装置11Aのそれぞれに、イオン化光
RFの照射の開始を示す信号を与える。この信号によって、2つの除電装置11Aのそれ
ぞれから、取り出し領域の全体に軟X線が放射され始める。そして、第2位置制御装置が
ステージ206をY軸方向に移動させることで、ステージ206が取り出し領域に位置す
る。ステージ206が取り出し領域に位置すると、基体30Aにイオン化光RFが照射さ
れる。なお、2つの除電装置11Aのそれぞれは、載置面25Aのほぼ対角線の方向にイ
オン化光RFを照射するように配置されている。また、ステージ206が取り出し領域に
位置する場合に、2つの除電装置11Aを結ぶ仮想線と、基体30Aの対角線とが、ほぼ
一致する。
図9に示すように、ステージ206が取り出し領域に位置した後で、基体30Aの中央
部とステージ206との接触を維持しながら、ロボットが、基体30Aの対向する2つの
周辺部のそれぞれとステージ206との間にそれぞれ隙間が生じるように、2つの周辺部
のそれぞれをステージ206から持ち上げる。そして、吐出装置100Bは、それらの隙
間にイオン化光RFを照射する。
具体的には、まず、ロボットの2つのフォーク26が、それぞれの溝25DにY軸方向
に挿入される。そして、2つのフォーク26を同時に上昇させる。そうすることによって
、2つのフォーク26が基体30Aの2つの周辺部に接する。その後、2つのフォーク2
6をさらに上昇させる。この際、基体30Aは撓むため、基体30Aの2つの周辺部が載
置面25Aから持ちあがるものの、しばらくは基体30Aの中央部は載置面25Aに接し
たままである。
本実施例では、2つの除電装置11Aのそれぞれが、基体30Aのほぼ対角線の方向に
イオン化光RFを放射する。さらに、除電装置11Aの出力窓LAの中心部は、載置面2
5AからZ軸方向に突出長さの範囲内に位置する。したがって、基体30Aの外側(2つ
の周辺部)が持ちあがることで、基体30Aの裏面30Bがイオン化光RFによって照射
される。
その後、2つのフォーク26をさらに上昇させることで、基体30Aの2つの周辺部だ
けでなく、基体30Aの中央部も、載置面25Aから離れる。つまり、基体30Aが持ち
あがる。
本実施例では、2つの除電装置11Aのそれぞれが、基体30Aのほぼ対角線の方向に
イオン化光RFを放射する。さらに、2つの除電装置11Aのそれぞれの出力窓LAは、
載置面25Aの近傍に位置する。したがって、基体30Aの外側が持ちあがることで、基
体30Aの裏面30Bがイオン化光RFによって照射される。
さらに、基体30Aの外側から基体30Aを持ち上げることで、互いに密着している基
体30Aと載置面25Aとの間に、空気が入りやすくなる。このことによって、基体30
Aと載置面25Aとが互いに密着していても、載置面25Aから基体30Aを剥離するこ
とが容易になる。
本実施例では、ロボットのフォーク26が基体30Aの裏面30Bを載置面25Aから
離す期間の間、イオン化光RFを基体30Aに照射し続けている。また、基体30Aの裏
面30Bにも、イオン化光RFが照射されている。このため、基体30Aには、基体30
Aの裏面30Bが載置面25Aから離れる際に放電が生じない。基体30Aの裏面30B
が載置面25Aから離れるまでの期間に、基体30Aに帯電した電荷が除去されるからで
ある。
(実施例3)
図10に示す本実施例の吐出装置100Cが、光電離を利用した除電装置11Aの代わ
りにイオン化したエアを吹き付ける除電装置11Bを有する点を除いて、本実施例の吐出
装置100Cの構成は実施例1の吐出装置100の構成と基本的に同じである。このため
、実施例1と同様な構成要素には、同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図10および図11に示すように、2つの除電装置11Bのそれぞれは、基体30Aに
向けてイオン化した空気を送風するように配置されている。除電装置11Bは、コロナ放
電装置と、ファンと、を有している。コロナ放電装置は、空気中の分子・原子をイオン化
させる。一方、ファンは、イオン化した分子・原子を含むエアを対象物(本実施例では基
体30A)に送風する。そうすると、基体30A近傍の雰囲気においてイオン化した分子
が増えるので、イオン化された分子によって基体30Aに帯電した電荷が中和される。つ
まり、イオン化された分子によって、基体30Aが除電される。
本実施例のイオン化した分子・原子を含むエアは、本発明のイオン化されたエアに対応
する。
それぞれの除電装置11Bは、ほぼ直方体の筐体と、筐体内部に位置するコロナ放電装
置と、を有している。筐体は、コロナ放電装置から発生したイオン化されたエアを出力す
る1つの開口部BAを有している。開口部BAからイオン化されたエアBFが載置面15
Aのほぼ対角線の方向に吹きつけられるように、除電装置11Bはグランドステージ12
上に配置されている。具体的には、開口部BAが配置面15Aのほぼ対角線の方向を向く
ように、除電装置11Bが配置されている。載置面15Aと2つの除電装置11Bとがこ
のような位置関係にあるので、基体30Aの対角線の方向と除電装置11Bの開口部BA
が向く方向とがほぼ一致するように、基体30Aを載置面上にセットすることができる。
なお、開口部BAからイオン化されたエア光BFが載置面15Aの対角線のほぼ方向に
吹き付けられるとは、イオン化されたエア光BFの中心と対角線とが一致している場合だ
けを意味するとは限らない。本実施例では、基体30Aに吹き付けられるイオン化された
エアBFの流れる方向が、概ね対角線の方向を向いていればよい。
より具体的には、2つの除電装置11Bのそれぞれは、イオン化されたエアBFの中心
が、Y軸方向に平行な基体30Aの一辺に対して、0°より大きく90°より小さい角度
αをなすように、配置されている。
また、イオン化されたエアの送風範囲が載置面の全体を覆うように、それぞれの除電装
置11Bにおける開口部BAの位置が調整されている。具体的には、開口部BAの中心の
高さが、載置面の高さよりも高くなるように、グランドステージ上に除電装置11Bが配
置されている。さらに本実施例では、それぞれの開口部BAの中心の高さは、実施例1で
説明したように、載置面15Aから「突出長さ」の範囲内に位置する。
なお、除電装置11Bが対角線上に位置するのであれば、吐出装置100Cにおける除
電装置11Bは1つだけでもよい。ただし、ステージ106を間に挟んでほぼ対向するよ
うに2つの除電装置11Bを用いれば、除電の効率がより高くなる。
(除電工程)
以下では、吐出装置100Cに基体30Aをセットする方法と、吐出装置100Cから
基体30Aを取り除く方法と、基体30Aを取り除く際に行われる除電方法と、を説明す
る。
まず2本のフォークを有するロボットが、2本のフォークを用いて、基体30Aをステ
ージ106の上方に位置させる。この際、すべてのリフトピン16Aが載置面15Aから
突出して、下降する2本のフォークから基体を受け取る。そして、リフトピン16A上に
基体30Aが載せられた場合には、リフトピン16Aを載置面15A下に収めて、載置面
15A上に基体30Aを載置する。
基体30Aが載置面15A上に置かれる際に、被吐出部が形成するマトリクスの列方向
および行方向が、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ一致するように、基体30Aが載置
面15A上にセットされる。本実施例では、基体30Aの裏面の直交する2辺も、X軸方
向およびY軸方向にそれぞれほぼ平行になる。
次に、吸引装置を駆動することで、基体30Aと載置面15Aとの間に存在していた空
気を、吸引溝を介して排気する。そうすると、基体30Aが受ける大気圧によって、基体
30Aは載置面15Aに押しつけられる。この結果、基体30Aの裏面は載置面15Aに
密着する。つまり、基体30Aは吸引力によって載置面に固定される。
図11に示すように、ステージ106の載置面15A上に基体30Aがセットされた場
合には、2つの外側リフトプレート16Cおよび1つの内側リフトプレート16Dは、い
ずれも第1の位置に位置している。このため、いずれのリフトピン16Aも載置面15A
から突出していない。
次に、吐出装置100Cは、基体30Aに対して塗布工程を行う。具体的には、吐出装
置100Cは、基体30Aの被吐出部が液状の材料で覆われるように、キャリッジ103
およびステージ106の少なくとも一方を他方に対して相対移動させるとともに、被吐出
部に向けて液状の材料を吐出する。
塗布工程が終了した後で、吐出装置100Cは基体30Aの除電工程を開始する。そし
て、吐出装置100Cが基体30Aを除電している期間中に、ロボットが基体30Aを吐
出装置100Cから取り出す。除電工程を行う理由は、ステージ106が移動することに
よって、ステージ106上の基体30Aが帯電するからである。基体30Aが帯電してい
ると、ロボットがステージ106から基体30Aを取り上げる際に、ステージ106と基
体30Aとの間で放電が起こる。そして、そのような放電によって、基体30Aに設けら
れた電子素子が破壊されることがある。以下では、除電工程をより詳細に説明する。
まず、基体30Aにイオン化されたエアBFが吹きつけられるように、吐出装置100
Cは、載置面15Aのほぼ対角線の方向に前記イオン化されたエアBFを送風する。
具体的には、まず、制御部112が、2つの除電装置11Bのそれぞれに、イオン化さ
れたエアBFの送風の開始を示す信号を与える。この信号によって、2つの除電装置11
Bのそれぞれから、取り出し領域の全体にイオン化されたエアBFが送風され始める。そ
して、第2位置制御装置がステージ106をY軸方向に移動させることで、ステージ10
6が取り出し領域に位置する。イオン化されたエアBFが既に吹き付けられ続けている送
風領域(取り出し領域)に、基体30Aが移動して到達するので、たとえ取り出し領域に
吹き付けられるエアの量にムラがあっても、基体30Aにイオン化されたエアBFが均一
に吹き付けられる。基体30Aが、イオン化されたエアBFが送風され続けている領域を
移動するからである。
ステージ106が取り出し領域に位置すると、基体30Aにイオン化されたエアBFが
吹きつけられる。なお、2つの除電装置11Bのそれぞれは、載置面15Aのほぼ対角線
の方向にイオン化されたエアBFを送風するように配置されている。また、ステージ10
6が取り出し領域に位置する場合に、2つの除電装置11Bを結ぶ仮想線と、基体30A
の対角線とが、ほぼ一致する。さらに、ステージ106が取り出し領域に位置する場合に
、除電装置11Bのそれぞれからのイオン化されたエアBFの方向が、基体30Aの対角
線にほぼ重なる。
図12に示すように、ステージ106が取り出し領域に位置した後で、基体30Aの中
央部とステージ106との接触を維持しながら、吐出装置100Cは、基体30Aの対向
する2つの周辺部のそれぞれとステージとの間にそれぞれ隙間が生じるように、2つの周
辺部のそれぞれをステージから持ち上げる。そして、吐出装置100Cは、それらの隙間
にイオン化されたエアBFを吹きつける。
具体的には、まず、リフト機構が、第1の位置にある2つの外側リフトプレート16C
のそれぞれを、第2の位置へ向けて同時に上昇させる。そうすることによって、2つの外
側リフトプレート16Cに固定されている16本のリフトピン16Aが、載置部の貫通穴
を通って、基体30Aの2つの周辺部に接する。その後、16本のリフトピン16Aが載
置面15Aから突出するように、2つの外側リフトプレート16Cをさらに上昇させる。
ただし、内側リフトプレート16Dは、第1の位置に位置したままである。
そうすると、基体30Aの可とう性によって基体30Aが撓む。より具体的には、基体
30Aの中央部が載置面15Aに接したままで、基体30Aの両側(2つの周辺部)が載
置面15Aから持ちあがる。上述したように、本実施例では、外側リフトプレート16C
のリフトピン16Aは、載置面15Aからほぼ50mm(上記「突出長さ」)だけ突出す
る。
本実施例では、除電装置11Bの開口部BAの中心部は、載置面15AからZ軸方向に
突出長さの範囲内に位置する。したがって、基体30Aの外側(2つの周辺部)が持ちあ
がることで、基体30Aの裏面にイオン化されたエアBFが吹きつけられる。また、基体
30Aの外側から基体30A(2つの周辺部)を持ち上げることで、互いに密着している
基体30Aと載置面15Aとの間に、空気が入りやすくなる。このことによって、基体3
0Aと載置面15Aとが互いに密着していても、載置面15Aから基体30Aを剥離する
ことが容易になる。
図13に示すように、基体30Aの外側(2つの周辺部)が持ち上り始めた後、吐出装
置100Cは、基体30Aの中央部がステージ106から離れるように、基体30Aの中
央部をステージ106から持ち上げる。
具体的には、リフト機構が内側リフトプレート16Dを第1の位置から上昇させること
で、内側リフトプレート16D上の16本のリフトピン16Aを基体30Aの裏面に接さ
せる。そして、内側リフトプレート16Dをさらに上昇させることで、リフトピン16A
を載置面15Aから突出させて、基体30Aの中央部を載置面15Aから離れさせる。こ
のことで、基体30Aの裏面が完全に載置面15Aから離れる。
本実施例では、リフトピン16Aを用いて、基体30Aの裏面を載置面15Aから離す
工程の間、イオン化されたエアBFを基体30Aに吹きつけ続けている。また、本実施例
では、基体30Aの裏面にも、イオン化されたエアBFが吹きつけられている。このため
、基体30Aの裏面が載置面15Aから離れる際に、基体30Aとステージとの間で放電
が生じない。基体30Aの裏面が載置面15Aから完全に離れるまでの期間に、基体30
Aに帯電した電荷が除去されるからである。
基体30Aの裏面が載置面15Aから完全に離れた後で、ロボットは、フォークを基体
30Aと載置面15Aとの間に挿入する。そして、フォークを上昇させることで、ロボッ
トは吐出装置100Cから基体30Aを取り上げる。
(実施例1から3の変形例)
(1)実施例1から3において、基体30Aがステージ106または206から取り上げ
られる際に、基体30Aの除電工程が行われる。ただし、基体30Aがステージ106(
206)から取り上げられる際に加えて、基体30Aへの塗布工程が行われている期間中
にも、基体30Aに対する除電工程が行われてもよい。なぜなら、イオン化光RFまたは
イオン化されたエアBFが、取り出し領域だけでなく、塗布工程中の基体30Aにも届く
からである。したがって、基体30Aへの塗布工程を行っている期間中にも、除電装置1
1Aはイオン化光RFを照射してよいし、同様に、除電装置11Bはイオン化されたエア
BFを送風してよい。
(2)さらに、吐出装置100は、実施例1から3の除電装置11A、11Bに加えて、
塗布工程中に基体30Aが移動する範囲のほぼ対角線の方向にイオン化光またはイオン化
されたエアを出力する除電装置をさらに備えてもよい。そうすれば、塗布工程中の基体3
0Aをより効率よく除電することができる。
(3)以下に示す変形例における吐出装置の構成は、載置面15Aととともに2つの除電
装置がY軸方向に移動する点を除いて、実施例1の吐出装置100の構成と基本的に同じ
である。
具体的には、図14に示すように、ステージ106が2つの除電装置11Cを有してい
る。このため、載置面15Aに載せられた基体30Aとともに2つの除電装置11CがY
軸方向に移動する。
より具体的には、ステージ106におけるベースプレート18のX軸方向の幅が、載置
部15のX軸方向の幅よりも広い。そして、そのようなベースプレート18上に2つの除
電装置11Cが固定されている。2つの除電装置11Cのそれぞれの開口部LAの中心部
の位置と、載置面15Aとの位置関係は、実施例1における位置関係と同じである。
実施例1の吐出装置100を本変形例のように改変すれば、基体30Aとともに除電装
置11CがY軸方向に移動する。このため、ヘッド114から液状の材料111を基体3
0Aに吐出する期間中(実施例4以降で説明する塗布工程)も、基体30Aを除電するこ
とができる。このことによって、基体30Aに帯電した電荷に起因する液滴の飛翔軌道の
曲がりの発生を低下させることができる。さらに、ステージ106から基体30Aを取り
除く際の除電工程にかかる時間を短縮できる。なぜなら、塗布工程の期間中も常に基体3
0Aが除電されているため、基体30Aを取り出す直前に基体30Aに帯電している電荷
総量が少なくなるからである。
(4)吐出装置が備える除電装置の数は、2つに限定されない。載置面15Aのほぼ対角
線の方向にイオン化光またはイオン化されたエアを出力するのであれば、吐出装置におけ
る除電装置は1つでもよい。また、吐出装置は、載置面15Aの2つの対角線に対応して
、4つの除電装置を有してもよい。さらに、少なくとも1つの除電装置が載置面15Aの
ほぼ対角線の方向にイオン化光またはイオン化されたエアを出力する場合には、他の除電
装置は、基体30Aに向けてどのような方向からイオン化光またはイオン化されたエアを
出力してもよい。
(5)実施例1の除電方法によれば、イオン化光RFの中心方向が基体30Aの一辺に対
して0°より大きく90°より小さい角度をなすように、2つの除電装置11Aのそれぞ
れが、イオン化光RFを射出する。そして、このことで、2つの除電装置11Aは基体3
0Aにイオン化光RFを照射する。具体的には、2つの除電装置11Aは、基体30Aの
ほぼ対角線の方向にイオン化光RFを射出することで、基体30Aにイオン化光RFを照
射する。
ただし、このような場合、例えば、図15(a)に示す基体30Aの図中右下の部分W
2(または左上の部分W4)と一つの除電装置11Aとの間の距離は、左下の部分W1(
または右上の部分W3)と一つの除電装置11Aとの間の距離よりも長い。このため、部
分W2および部分W4に照射されるイオン化光RFの照射強度が充分でない場合がある。
このような場合には、イオン化光RFの照射領域と基体30Aとが少なくとも部分的に
重なる範囲内で、基体30Aをイオン化光RFの照射領域に対して移動させればよい。そ
してそのうえで、基体30Aにイオン化RFを照射させればよい。そうすれば、イオン化
光RFの照射強度が弱い部分W2およびW4を、イオン化光RFの照射強度が充分な領域
(例えば、除電装置11Aからの距離がより近い位置)に位置させることができる。
例えば、図15(b)に示すように、ステージ106をY軸方向の正の方向(図15の
右方向)に移動させて、部分W4を、除電装置11Aの手前に位置させる。つまり、除電
装置11Aの手前の位置に、部分W3(図15(a))に代えて部分W4を位置させる。
次に、図15(c)に示すように、ステージ106をY軸方向の負の方向に移動させて、
部分W2をもう一つの除電装置11Aの手前に位置させる。つまり、もう一つの除電装置
11Aの手前の位置に、部分W1((図15(a))に代えて部分W2を位置させる。な
お、Y軸方向は、基体30Aの一辺の方向にほぼ一致している。
基体30Aが照射領域に対して移動している間も、2つの除電装置11Aがイオン化光
RFを照射し続けていることが好ましい。ステージ106の移動に起因する基体30Aの
帯電を防止できるからである。
以上のように基体30Aを移動させることで、基体30A上の照射強度が充分でない部
分にも、充分な強度のイオン化光RFを照射することができる。このため、基体30Aの
除電がより効果的に行われる。
実施例1の吐出装置100には、除電装置11Aが2つある。このため、上記変形例(
5)の方法を採用しなくても、ほぼ対角線の方向に2つの除電装置11Aのそれぞれから
イオン化光RFを射出すれば、上述の部分W2およびW4のそれぞれにも、充分な強度の
イオン化光RFが照射され得る。ただし、上記変形例(5)の方法を採用すれば、基体3
0Aの除電のスピードがより速くなる。
上記のような変形例(5)は、特に、吐出装置における除電装置11Aが一つしかない
場合に、除電効率を向上させる。また、上記変形例(5)は、基体30Aの大きさや吐出
装置の設計上の制限のために、基体30Aの対角線の方向にイオン化光RFを射出し得な
い場合にも、除電効率を向上させる。なお、吐出装置が実施例3のイオン化されたエアB
Fを送風する除電装置11Bを含む場合にも、上記変形例(5)が同様に採用され得、上
記と同様の効果が得られる。
(実施例4)
本発明をエレクトロルミネッセンス表示装置の製造装置に適用した例を説明する。
図17(a)および(b)に示す基体30Aは、後述する製造装置2(図18)による
処理によって、エレクトロルミネッセンス表示装置30(例えば有機EL表示装置)となる基板である。基体30Aは、マトリクス状に配置された複数の被吐出部38R、38G、38Bを有する。
具体的には、基体30Aは、支持基板32と、支持基板32上に形成された回路素子層
34と、回路素子層34上に形成された複数の画素電極36と、複数の画素電極36の間
に形成されたバンク40と、を有している。支持基板は、可視光に対して光透過性を有す
る基板であり、例えばガラス基板である。複数の画素電極36のそれぞれは、可視光に対
して光透過性を有する電極であり、例えば、ITO(Indium-Tin Oxide)電極である。ま
た、複数の画素電極36は、回路素子層34上にマトリクス状に配置されており、それぞ
れが画素領域を規定する。そして、バンク40は、格子状の形状を有しており、複数の画
素電極36のそれぞれを囲む。また、バンク40は、回路素子層34上に形成された無機
物バンク40Aと、無機物バンク40A上に位置する有機物バンク40Bとからなる。
回路素子層34は、支持基板32上で所定の方向に延びる複数の走査電極と、複数の走
査電極を覆うように形成された絶縁膜42と、絶縁膜42上に位置するともに複数の走査
電極が延びる方向に対して直交する方向に延びる複数の信号電極と、走査電極および信号
電極の交点付近に位置する複数のスイッチング素子44と、複数のスイッチング素子44
を覆うように形成されたポリイミドなどの層間絶縁膜45と、を有する層である。それぞ
れのスイッチング素子44のゲート電極44Gおよびソース電極44Sは、それぞれ対応
する走査電極および対応する信号電極と電気的に接続されている。層間絶縁膜45上には
複数の画素電極36が位置する。層間絶縁膜45には、各スイッチング素子44のドレイ
ン電極44Dに対応する部位にスルーホール44Vが設けられており、このスルーホール
44Vを介して、スイッチング素子44と、対応する画素電極36と、の間の電気的接続
が形成されている。また、バンク40に対応する位置にそれぞれのスイッチング素子44
が位置している。つまり、図17(b)の紙面に垂直な方向から観察すると、複数のスイ
ッチング素子44のそれぞれは、バンク40に覆われるように位置している。
基体30Aの画素電極36とバンク40とで規定される凹部(画素領域の一部)は、被
吐出部38R、被吐出部38G、被吐出部38Bに対応する。被吐出部38Rは、赤の波
長域の光線を発光する発光層211FRが形成されるべき領域であり、被吐出部38Gは
、緑の波長域の光線を発光する発光層211FGが形成されるべき領域であり、被吐出部
38Bは、青の波長域の光線を発光する発光層211GBが形成されるべき領域である。
図17(b)に示す基体30Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に
位置している。そして、複数の被吐出部38R、38G、38Bが形成するマトリクスの
行方向および列方向は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。基体30Aにお
いて、被吐出部38R、被吐出部38G、および被吐出部38Bは、Y軸方向にこの順番
で周期的に並んでいる。一方、被吐出部38R同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて
1列に並んでおり、また、被吐出部38G同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列
に並んでおり、同様に、被吐出部38B同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に
並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方向は互いに直交する。
被吐出部38R同士のY軸方向に沿った間隔LRY、すなわちピッチは、ほぼ560μ
mである。この間隔は、被吐出部38G同士のY軸方向に沿った間隔LGYと同じであり
、被吐出部18B同士のY軸方向に沿った間隔LBYとも同じである。また、被吐出部3
8Rの平面像は、長辺と短辺とで決まる矩形である。具体的には、被吐出部38RのY軸
方向の長さはほぼ100μmであり、X軸方向の長さはほぼ300μmである。被吐出部
38Gおよび被吐出部38Bも被吐出部38Rと同じ形状・大きさを有している。被吐出
部同士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョ
ンテレビにおいて、同一色に対応する画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図18に示す製造装置2は、図17の基体30Aの被吐出部38R、38G、38Bの
それぞれに対して、対応する発光材料を吐出する装置である。製造装置2は、被吐出部3
8Rのすべてに発光材料211Rを塗布する吐出装置200Rと、被吐出部38R上の発
光材料211Rを乾燥させる乾燥装置250Rと、被吐出部38Gのすべてに発光材料2
11Gを塗布する吐出装置200Gと、被吐出部38G上の発光材料211Gを乾燥させ
る乾燥装置250Gと、被吐出部38Bのすべてに発光材料211Bを塗布する吐出装置
200Bと、被吐出部38B上の発光材料Bを乾燥させる乾燥装置250Bと、を備えて
いる。さらに製造装置2は、吐出装置200R、乾燥装置250R、吐出装置200G、
乾燥装置250G、吐出装置200B、乾燥装置250Bの順番に基体30Aを搬送する
搬送装置270も備えている。なお、搬送装置270は、2つのフォーク26(図8)を
有するロボットである。
図19に示す吐出装置200Rは、液状の発光材料211Rを保持するタンク201R
と、チューブ210Rと、チューブ210Rを介してタンク201Rから発光材料211
Rが供給される吐出走査部102と、を備える。吐出走査部102の構成は、実施例1の
吐出走査部102(図1)の構成と同じであるため、同様な構成要素には同一の参照符号
を付けるとともに、重複する説明を省略する。また、吐出装置200Gの構成と吐出装置
200Bの構成とは、どちらも基本的に吐出装置200Rの構造と同じある。ただし、タ
ンク201Rとチューブ210Rとの代わりに、吐出装置200Gが発光材料211G用
のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置200Gの構成は吐出装置200Rの構成
と異なる。同様に、タンク201Rとチューブ210Rとの代わりに、吐出装置200B
が発光材料211B用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置200Bの構成は吐
出装置200Rの構成と異なる。なお、本実施例における液状の発光材料211R、21
1B、211Gは、本発明の液状の材料の一例である。
製造装置2を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置30の製造方法を説明する。ま
ず、公知の製膜技術とパターニング技術とを用いて、図17に示す基体30Aを製造する
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体30Aを親液化する。この処理によ
って、画素電極36とバンク40とで規定されたそれぞれの凹部(画素領域の一部)にお
ける画素電極36の表面、無機物バンク40Aの表面、および有機物バンク40Bの表面
が、親液性を呈するようになる。さらに、その後、基体30Aに対して、4フッ化メタン
を処理ガスとするプラズマ処理を行う。4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、
それぞれの凹部における有機物バンク40Bの表面がフッ化処理(撥液性に処理)されて
、このことで有機物バンク40Bの表面が撥液性を呈するようになる。なお、4フッ化メ
タンを用いたプラズマ処理によって、先に親液性を与えられた画素電極36の表面および
無機物バンク40Aの表面は、若干親液性を失うが、それでも親液性を維持する。このよ
うに、画素電極36と、バンク40と、によって規定された凹部の表面に所定の表面処理
が施されることで、凹部の表面が被吐出部38R、38G、38Bとなる。
なお、画素電極36の材質、無機バンク40の材質、および有機バンク40の材質によ
っては、上記のような表面処理を行わなくても、所望の親液性および撥液性を呈する表面
が得られることもある。そのような場合には、上記表面処理を施さなくても、画素電極3
6と、バンク40と、によって規定された凹部の表面は被吐出部38R、38G、38B
である。
ここで、表面処理が施された複数の画素電極36のそれぞれの上に、対応する正孔輸送
層37R、37G、37Bを形成してもよい。正孔輸送層37R、37G、37Bが、画
素電極36と、後述の発光層211RF、211GF、211BFと、の間に位置すれば
、エレクトロルミネッセンス表示装置の発光効率が高くなる。複数の画素電極36のそれ
ぞれの上に正孔輸送層を設ける場合には、正孔輸送層と、バンク40と、によって規定さ
れた凹部が、被吐出部38R、38G、38Bに対応する。
なお、正孔輸送層37R、37G、37Bをインクジェット法により形成することも可
能である。この場合、正孔輸送層37R、37G、37Bを形成するための材料を含む溶
液を各画素領域ごとに所定量塗布し、その後、乾燥させることにより正孔輸送層を形成す
ることができる。
被吐出部38R、38G、38Bが形成された基体30Aは、搬送装置270によって
、吐出装置200Rのステージ106に運ばれて、ステージ106上に載置される。そし
て、図20(a)に示すように、吐出装置200Rは、被吐出部38Rのすべてに発光材
料211Rの層が形成されるように、ヘッド114から発光材料211Rを吐出する。
基体30Aの被吐出部38Rのすべてに発光材料211Rの層が形成された場合には、
吐出装置200Rは、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置270は基体30Aを吐出装置200Rから取り上げる。次に、搬送装置27
0が基体30Aを乾燥装置250R内に位置させる。そして、被吐出部38R上の発光材
料211Rを完全に乾燥させることで、被吐出部38R上に発光層211FRを得る。
次に搬送装置270は、基体30Aを吐出装置200Gのステージ106に位置させる
。そして、図20(b)に示すように、吐出装置200Gは、被吐出部38Gのすべてに
発光材料211Gの層が形成されるように、ヘッド114から発光材料211Gを吐出す
る。
基体30Aの被吐出部38Gのすべてに発光材料211Gの層が形成された場合には、
吐出装置200Gは、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置270は基体30Aを吐出装置200Gから取り上げる。次に、搬送装置27
0が基体30Aを乾燥装置250G内に位置させる。そして、被吐出部38G上の発光材
料Gを完全に乾燥させることで、被吐出部38G上に発光層211FGを得る。
次に搬送装置270は、基体30Aを吐出装置200Bのステージ106に位置させる
。そして、図20(c)に示すように、吐出装置200Bは、被吐出部38Bのすべてに
発光材料211Bの層が形成されるように、ヘッド114から発光材料211Bを吐出す
る。
基体30Aの被吐出部38Bのすべてに発光材料211Bの層が形成された場合には、
吐出装置200Bは、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置270は基体30Aを吐出装置200Bから取り上げる。次に、搬送装置27
0が基体30Aを乾燥装置250B内に位置させる。そして、被吐出部38B上の発光材
料211Bを完全に乾燥させることで、被吐出部38B上に発光層211FBを得る。
図20(d)に示すように、次に、発光層211FR、211FG、211FB、およ
びバンク40を覆うように対向電極46を設ける。対向電極46は陰極として機能する。
その後、封止基板48と基体30Aとを、互いの周辺部で接着することで、図20(d)
に示すエレクトロルミネッセンス表示装置30が得られる。なお、封止基板48と基体3
0Aとの間には不活性ガス49が封入されている。
エレクトロルミネッセンス表示装置30において、発光層211FR、211FG、2
11FBから発光した光は、画素電極36と、回路素子層34と、支持基板32と、を介
して射出する。このように回路素子層34を介して光を射出するエレクトロルミネッセン
ス表示装置は、ボトムエミッション型の表示装置と呼ばれる。
(実施例5)
本発明をプラズマ表示装置の背面基板の製造装置に適用した例を説明する。
図21(a)および(b)に示す基体50Aは、後述する製造装置3(図22)による
処理によって、プラズマ表示装置の背面基板50Bとなる基板である。基体50Aは、マ
トリクス状に配置された複数の被吐出部58R、58G、58Bを有する。
具体的には、基体50Aは、支持基板52と、支持基板52上にストライプ状に形成さ
れた複数のアドレス電極54と、アドレス電極54を覆うように形成された誘電体ガラス
層56と、格子状の形状を有するとともに複数の画素領域を規定する隔壁60と、を含む
。複数の画素領域はマトリクス状に位置しており、複数の画素領域が形成するマトリクス
の列のそれぞれは、複数のアドレス電極54のそれぞれに対応する。このような基体50
Aは、公知のスクリーン印刷技術で形成される。
基体50Aのそれぞれの画素領域において、誘電体ガラス層56および隔壁60によっ
て規定される凹部が、被吐出部58R、被吐出部58G、被吐出部58Bに対応する。被
吐出部58Rは、赤の波長域の光線を発光する蛍光層311FRが形成されるべき領域で
あり、被吐出部58Gは、緑の波長域の光線を発光する蛍光層311FGが形成されるべ
き領域であり、被吐出部58Bは、青の波長域の光線を発光する蛍光層311FBが形成
されるべき領域である。
図21(b)に示す基体50Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に
位置している。そして、複数の被吐出部58R、58G、58Bが形成するマトリクスの
行方向および列方向は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。基体50Aにお
いて、被吐出部58R、被吐出部58G、および被吐出部58Bは、Y軸方向にこの順番
で周期的に並んでいる。一方、被吐出部58R同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて
1列に並んでおり、また、被吐出部58G同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列
に並んでおり、同様に、被吐出部58B同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に
並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方向は互いに直交する。
被吐出部58R同士のY軸方向に沿った間隔LRY、すなわちピッチは、ほぼ560μ
mである。この間隔は、被吐出部58G同士のY軸方向に沿った間隔LGYと同じであり
、被吐出部58B同士のY軸方向に沿った間隔LBYとも同じである。また、被吐出部5
8Rの平面像は、長辺と短辺とで決まる矩形である。具体的には、被吐出部58RのY軸
方向の長さはほぼ100μmであり、X軸方向の長さはほぼ300μmである。被吐出部
58Gおよび被吐出部58Bも被吐出部58Rと同じ形状・大きさを有している。被吐出
部同士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョ
ンテレビにおいて、同一色に対応する画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図22に示す製造装置3は、図21の基体50Aの被吐出部58R、58G、58Bの
それぞれに対して、対応する蛍光材料を吐出する装置である。製造装置3は、被吐出部5
8Rのすべてに蛍光材料311Rを塗布する吐出装置300Rと、被吐出部58R上の蛍
光材料311Rを乾燥させる乾燥装置350Rと、被吐出部58Gのすべてに蛍光材料3
11Gを塗布する吐出装置300Gと、被吐出部58G上の蛍光材料311Gを乾燥させ
る乾燥装置350Gと、被吐出部58Bのすべてに蛍光材料311Bを塗布する吐出装置
300Bと、被吐出部58B上の蛍光材料311Bを乾燥させる乾燥装置350Bと、を
備えている。さらに製造装置3は、吐出装置300R、乾燥装置350R、吐出装置30
0G、乾燥装置350G、吐出装置300B、乾燥装置350Bの順番に基体50Aを搬
送する搬送装置370も備えている。なお、搬送装置370は、2つのフォーク26(図
8)を有するロボットである。
図23に示す吐出装置300Rは、液状の蛍光材料311Rを保持するタンク301R
と、チューブ310Rと、チューブ310Rを介してタンク301Rからカラーフィルタ
材料が供給される吐出走査部102と、を備える。吐出走査部102の構成は、実施例1
において説明したため重複する説明を省略する。
吐出装置300Gの構成と吐出装置300Bの構成とは、どちらも基本的に吐出装置3
00Rの構造と同じある。ただし、タンク301Rとチューブ310Rとの代わりに、吐
出装置300Gが蛍光材料311G用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置30
0Gの構成は吐出装置300Rの構成と異なる。同様に、タンク301Rとチューブ31
0Rとに代えて、吐出装置300Bが蛍光材料311B用のタンクとチューブとを備える
点で、吐出装置300Bの構成は吐出装置300Rの構成と異なる。なお、本実施例にお
ける液状の蛍光材料311R、311B、311Gは、液状の発光材料の一種であり、本
発明の液状の材料の一例である。
製造装置3を用いたプラズマ表示装置の製造方法を説明する。まず、公知のスクリーン
印刷技術によって、支持基板52上に、複数のアドレス電極54と、誘電体ガラス層56
と、隔壁60と、を形成して、図21に示す基体50Aを得る。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体50Aを親液化する。この処理によ
って、隔壁60および誘電体ガラス層56によって規定されたそれぞれの凹部(画素領域
の一部)の隔壁60の表面、誘電体ガラス層56の表面が、親液性を呈し、これらの表面
が被吐出部58R、58G、58Bとなる。なお、材質によっては、上記のような表面処
理を行わなくても、所望の親液性を呈する表面が得られることもある。そのような場合に
は、上記表面処理を施さなくても、隔壁60と、誘電体ガラス層56と、によって規定さ
れた凹部の表面は、被吐出部58R、58G、58Bである。
被吐出部58R、58G、58Bが形成された基体50Aは、搬送装置370によって
、吐出装置300Rのステージ106に運ばれて、ステージ106上に載置される。そし
て、図24(a)に示すように、吐出装置300Rは、被吐出部58Rのすべてに蛍光材
料311Rの層が形成されるように、ヘッド114から蛍光材料311Rを吐出する。
基体50Aの被吐出部58Rのすべてに蛍光材料311Rの層が形成された場合には、
吐出装置300Rは、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置370は基体50Aを吐出装置300Rから取り上げる。次に、搬送装置37
0が基体50Aを乾燥装置350R内に位置させる。そして、被吐出部58R上の蛍光材
料311Rを完全に乾燥させることで、被吐出部58R上に蛍光層311FRを得る。
次に搬送装置370は、基体50Aを吐出装置300Gのステージ106に位置させる
。そして、図24(b)に示すように、吐出装置300Gは、被吐出部58Gのすべてに
蛍光材料311Gの層が形成されるように、ヘッド114から蛍光材料311Gを吐出す
る。
基体50Aの被吐出部58Gのすべてに蛍光材料311Gの層が形成された場合には、
吐出装置300Gは、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置370は基体50Aを吐出装置300Gから取り上げる。次に、搬送装置37
0が基体50Aを乾燥装置350G内に位置させる。そして、被吐出部58G上の蛍光材
料311Gを完全に乾燥させることで、被吐出部58G上に蛍光層311FGを得る。
次に搬送装置370は、基体50Aを吐出装置300Bのステージ106に位置させる
。そして、図24(c)に示すように、吐出装置300Bは、被吐出部58Bのすべてに
蛍光材料311Bの層が形成されるように、ヘッド114から蛍光材料311Bを吐出す
る。
基体50Aの被吐出部58Bのすべてに蛍光材料311Bの層が形成された場合には、
吐出装置300Bは、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置370は基体50Aを吐出装置300Bから取り上げる。次に、搬送装置37
0が基体50Aを乾燥装置350B内に位置させる。そして、被吐出部58B上の蛍光材
料311Bを完全に乾燥させることで、被吐出部58B上に蛍光層311FBを得る。
以上の工程によって、基体50Aはプラズマ表示装置の背面基板50Bとなる。
次に図25に示すように、背面基板50Bと、前面基板50Cと、を公知の方法によっ
て貼り合わせてプラズマ表示装置50が得られる。前面基板50Cは、ガラス基板68と
、ガラス基板68上で互いに平行にパターニングされた表示電極66Aおよび表示スキャ
ン電極66Bと、表示電極66Aおよび表示スキャン電極66Bとを覆うように形成され
た誘電体ガラス層64と、誘電体ガラス層64上に形成されたMgO保護層62と、を有
する。背面基板50Bと前面基板50Cとは、背面基板50Bのアドレス電極54と、前
面基板50Cの表示電極66A・表示スキャン電極66Bとが、互いに直交するように位
置合わせされている。各隔壁60で囲まれるセル(画素領域)には、所定の圧力で放電ガ
ス69が封入されている。
(実施例6)
次に本発明を、電子放出素子を備えた画像表示装置の製造装置に適用した例を説明する
図26(a)および(b)に示す基体70Aは、後述する製造装置3(図27)による
処理によって、画像表示装置の電子源基板70Bとなる基板である。基体70Aは、マト
リクス状に配置された複数の被吐出部78を有する。
具体的には、基体70Aは、基体72と、基体72上に位置するナトリウム拡散防止層
74と、ナトリウム拡散防止層74上に位置する複数の素子電極76A、76Bと、複数
の素子電極76A上に位置する複数の金属配線79Aと、複数の素子電極76B上に位置
する複数の金属配線79Bと、を備えている。複数の金属配線79AのそれぞれはY軸方
向に延びる形状を有する。一方、複数の金属配線79BのそれぞれはX軸方向に延びる形
状を有する。金属配線79Aと金属配線79Bとの間には絶縁膜75が形成されているの
で、金属配線79Aと金属配線79Bとは電気的に絶縁されている。
1対の素子電極76Aおよび素子電極76Bを含む部分は1つの画素領域に対応する。
1対の素子電極76Aおよび素子電極76Bは、互いに所定の間隔だけ離れてナトリウム
拡散防止層74上で対向している。ある画素領域に対応する素子電極76Aは、対応する
金属配線79Aと電気的に接続されている。また、その画素領域に対応する素子電極76
Bは、対応する金属配線79Bと電気的に接続されている。なお、本明細書では、基体7
2とナトリウム拡散防止層74とを合わせた部分を支持基板と表記することもある。
基体70Aのそれぞれの画素領域において、素子電極76Aの一部と、素子電極76B
の一部と、素子電極76Aと素子電極76Bとの間で露出したナトリウム拡散防止層74
とが、被吐出部78に対応する。より具体的には、被吐出部78は、導電性薄膜411F
(図29)が形成されるべき領域であり、導電性薄膜411Fは、素子電極76Aの一部
と、素子電極76Bの一部と、素子電極76A,76Bの間のギャップとを覆うように形
成される。図26(b)において点線で示すように、本実施例における被吐出部78の平
面形状は円形である。このように、本発明の被吐出部の平面形状は、X座標範囲とY座標
範囲とで決まる円形でも構わない。
図26(b)に示す基体70Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に
位置している。そして、複数の被吐出部78が形成するマトリクスの行方向および列方向
は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。つまり、基体70Aにおいて、複数
の被吐出部78は、X軸方向およびY軸方向に並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方
向は互いに直交する。
被吐出部78同士のY軸方向に沿った間隔LRY、すなわちピッチは、ほぼ190μm
である。また、被吐出部78RのX軸方向の長さ(X座標範囲の長さ)はほぼ100μm
であり、Y軸方向の長さ(Y座標範囲の長さ)もほぼ100μmである。被吐出部78同
士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョンテ
レビにおいて、画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図27に示す製造装置4は、図26の基体70Aの被吐出部78のそれぞれに対して、
導電性薄膜材料411を吐出する装置である。具体的には、製造装置4は、被吐出部78
のすべてに導電性薄膜材料411を塗布する吐出装置400と、被吐出部78上の導電性
薄膜材料411を乾燥させる乾燥装置450と、を備えている。さらに製造装置4は、吐
出装置400、乾燥装置450の順番に基体70Aを搬送する搬送装置470も備えてい
る。なお、搬送装置470は、2つのフォーク26(図8)を有するロボットである。
図28に示す吐出装置400は、液状の導電性薄膜材料411を保持するタンク401
と、チューブ410と、チューブ410を介してタンク401Rから導電性薄膜材料41
1が供給される吐出走査部102と、を備える。吐出走査部102の説明は、実施例1で
説明したため省略する。本実施例では、液状の導電性薄膜材料411は有機パラジウム溶
液である。なお、本実施例における液状の導電性薄膜材料411は、本発明の液状の材料
の一例である。
製造装置4を用いた画像表示装置の製造方法を説明する。まず、ソーダガラスなどから
形成された基体72上に、SiO2を主成分とするナトリウム拡散防止層74を形成する
。具体的には、スパッタ法を用いて基体72上に厚さ1μmのSiO2膜を形成すること
によってナトリウム拡散防止層74を得る。次に、ナトリウム拡散防止層74上に、スパ
ッタ法または真空蒸着法によって厚さ5nmのチタニウム層を形成する。そして、フォト
リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、そのチタニウム層から、互いに所定
の距離だけ離れて位置する1対の素子電極76Aおよび素子電極76Bを複数対形成する
その後、スクリーン印刷技術を用いて、ナトリウム拡散防止層74および複数の素子電
極76A上にAgペーストを塗布して焼成することで、Y軸方向に延びる複数の金属配線
79Aを形成する。次に、スクリーン印刷技術を用いて、各金属配線79Aの一部分にガ
ラスペーストを塗布して焼成することで、絶縁膜75を形成する。そして、スクリーン印
刷技術を用いて、ナトリウム拡散防止層74および複数の素子電極76B上にAgペース
トを塗布して焼成することで、X軸方向に延びる複数の金属配線79Bを形成する。なお
、金属配線79Bを作製する場合には、金属配線79Bが絶縁膜75を介して金属配線7
9Aと交差するようにAgペーストを塗布する。以上のような工程によって、図26に示
す基体70Aを得る。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体70Aを親液化する。この処理によ
って、素子電極76Aの表面の一部と、素子電極76Bの表面の一部と、素子電極76A
と素子電極76Bとの間で露出した支持基板の表面とは、親液化される。そして、これら
の表面が被吐出部78となる。なお、材質によっては、上記のような表面処理を行わなく
ても、所望の親液性を呈する表面が得られることもある。そのような場合には、上記表面
処理を施さなくても、素子電極76Aの表面の一部と、素子電極76Bの表面の一部と、
素子電極76Aと素子電極76Bとの間で露出したナトリウム拡散防止層74の表面とは
、被吐出部78となる。
被吐出部78が形成された基体70Aは、搬送装置470によって、吐出装置400の
ステージ106に運ばれて、ステージ106上に載置される。そして、図29に示すよう
に、吐出装置400は、被吐出部78のすべてに導電性薄膜411Fが形成されるように
、ヘッド114から導電性薄膜材料411を吐出する。本実施例では、被吐出部78上に
着弾した導電性薄膜材料411の液滴の直径が60μmから80μmの範囲となるように
、制御部112はヘッド114に信号を与える。
基体70Aの被吐出部78のすべてに導電性薄膜材料411の層が形成された場合には
、吐出装置400は、実施例1で説明した除電工程を行う。除電工程が行われている間に
、搬送装置470は基体70Aを吐出装置400から取り上げる。次に、搬送装置470
は基体70Aを乾燥装置450内に位置させる。そして、被吐出部78上の導電性薄膜材
料411を完全に乾燥させることで、被吐出部78上に酸化パラジウムを主成分とする導
電性薄膜411Fを得る。このように、それぞれの画素領域において、素子電極76Aの
一部と、素子電極76Bの一部と、素子電極76Aと素子電極76Bとの間に露出したナ
トリウム拡散防止層74と、を覆う導電性薄膜411Fが形成される。
次に素子電極76Aおよび素子電極76Bとの間に、パルス状の所定の電圧を印加する
ことで、導電性薄膜411Fの一部分に電子放出部411Dを形成する。なお、素子電極
76Aおよび素子電極76Bとの間の電圧の印加を、有機物雰囲気下および真空条件下で
もそれぞれ行うことが好ましい。そうすれば、電子放出部411Dからの電子放出効率が
より高くなるからである。素子電極76Aと、対応する素子電極76Bと、電子放出部4
11Dが設けられた導電性薄膜411Fと、は電子放出素子である。また、それぞれの電
子放出素子は、それぞれの画素領域に対応する。
以上の工程によって、図30に示すように、基体70Aは電子源基板70Bとなる。
次に図31に示すように、電子源基板70Bと、前面基板70Cと、を公知の方法によ
って貼り合わせて画像表装置70が得られる。前面基板70Cは、ガラス基板82と、ガ
ラス基板82上にマトリクス状に位置する複数の蛍光部84と、複数の蛍光部84を覆う
メタルプレート86と、を有する。メタルプレート86は、電子放出部411Dからの電
子ビームを加速するための電極として機能する。電子源基板70Bと前面基板70Cとは
、複数の電子放出素子のそれぞれが、複数の蛍光部84のそれぞれに対向するように、位
置合わせされている。また、電子源基板70Bと、前面基板70Cとの間は、真空状態に
保たれている。
なお、上記の電子放出素子を備えた画像表示装置70は、SED(Surface‐C
onduction Electron−Emitter Display)またはFE
D(Field Emission Display)と呼ばれることもある。また、本
明細書では、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置、電
子放出素子を利用した画像表示装置など、を「電気光学装置」と表記することもある。こ
こで、本明細書でいう「電気光学装置」とは、複屈折性の変化や、旋光性の変化や、光散
乱性の変化などの光学的特性の変化(いわゆる電気光学効果)を利用する装置に限定され
ず、信号電圧の印加に応じて光を射出、透過、または反射する装置全般を意味する。
実施例1の吐出装置の模式図。 実施例1のステージの模式図。 ステージまたは基体と除電装置との位置関係を示す図。 実施例1の除電工程を説明する模式図。 実施例1の除電工程を説明する模式図。 実施例1の除電工程を説明する模式図。 実施例2のステージの斜視図。 実施例2のステージの断面を示す模式図。 実施例2の除電工程を説明する模式図。 実施例3の吐出装置の模式図。 実施例3の除電工程を説明する模式図。 実施例3の除電工程を説明する模式図。 実施例3の除電工程を説明する模式図。 塗布工程中に行われる除電工程を説明する模式図。 (a)から(c)は基体を照射領域に対して移動させる工程を説明する模式図。 (a)および(b)は本実施例のヘッドの構造を示す模式図。 (a)は実施例4の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施例4の基体の平面を示す模式図。 実施例4の製造装置を説明する模式図。 実施例4の吐出装置を説明する模式図。 (a)から(c)は実施例4の製造方法を説明する模式図であり、(d)は実施例4の製造方法で製造されるエレクトロルミネッセンス表示装置の断面を示す模式図。 (a)は実施例5の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施例5の基体の平面を示す模式図。 実施例5の製造装置の模式図。 実施例5の吐出装置の模式図。 (a)から(c)は実施例5の製造方法を説明する模式図。 実施例5の製造方法によって製造されるプラズマ表示装置の断面を示す模式図。 (a)は実施例6の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施例6の基体の平面を示す模式図。 実施例6の製造装置の模式図。 実施例6の吐出装置の模式図。 実施例6の製造方法を示す模式図。 実施例6の製造方法を示す模式図。 実施例6の製造方法によって製造される画像表示装置の断面を示す模式図。
符号の説明
11A,11B…除電装置、14…支持構造体、15…載置部、15A…載置面、15
B…裏面、15C…側面、15D…貫通穴、15E…吸引溝、16…リフト機構と、17
…支持ピラー、18…ベースプレート、16A…リフトピン、16C…外側リフトプレー
ト、16D…内側リフトプレート、16E…ガイド穴、16B4…ガイドピン、25A…
載置面、25B…裏面、25C…側面、25D…溝、25E…吸引溝、100,100B
,100C…吐出装置、111…液状の材料、101…タンク、110…チューブ、10
2…吐出走査部、12…グランドステージ、103…キャリッジ、104…第1位置制御
装置、106…ステージ、108…第2位置制御装置、112…制御部、206…ステー
ジ、30A…基体、114…ヘッド、30B…基体の裏面。

Claims (24)

  1. ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体を前記
    ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、
    前記基体にイオン化光が照射されるように、前記面のほぼ対角線の方向に前記イオン化
    光を照射する工程Aを含んだ除電方法。
  2. 請求項1記載の除電方法であって、
    前記工程Aは、ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、前記基体を間に挟む2つの位
    置のそれぞれから前記イオン化光を照射する工程A1を含む、除電方法。
  3. 請求項1または2記載の除電方法であって、
    前記基体は可とう性を有しており、
    前記基体の中央部と前記ステージとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの
    周辺部のそれぞれと前記ステージとの間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれ
    ぞれを前記ステージから持ち上げる工程Bをさらに備え、
    前記工程Aは、前記隙間の一つに前記イオン化光が照射されるように、ほぼ前記対角線
    の方向に前記イオン化光を照射する工程A2を含む、
    除電方法。
  4. 請求項3記載の除電方法であって、
    前記工程Aを開始した後で、前記中央部が前記ステージから離れるように、前記中央部
    を前記ステージから持ち上げる工程Cをさらに含んだ除電方法。
  5. ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体を前記
    ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、
    前記基体にイオン化光を照射する工程Aと、
    前記イオン化光の照射領域と前記基体とが少なくとも部分的に重なる範囲内で、前記基
    体を前記照射領域に対して移動させる工程Bと、
    を含んだ除電方法。
  6. 請求項5記載の除電方法であって、
    前記工程Aは、前記イオン化光の中心方向が前記基体の一辺に対して0°より大きく9
    0°より小さい角度をなすように、前記イオン化光を射出する工程A1を含み、
    前記工程Bは、前記一辺の方向に前記基体を移動させる工程B1を含む、
    除電方法。
  7. ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体を前記
    ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、
    前記基体にイオン化されたエアが吹き付けられるように、前記面のほぼ対角線の方向に
    前記イオン化されたエアを吹き付ける工程Aを含んだ除電方法。
  8. 請求項7記載の除電方法であって、
    前記工程Aは、ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、前記基体を間に挟む2つの位
    置のそれぞれから前記イオン化エアを吹き付ける工程A1を含む、除電方法。
  9. 請求項7または8記載の除電方法であって、
    前記基体は可とう性を有しており、
    前記基体の中央部と前記ステージとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの
    周辺部のそれぞれと前記ステージとの間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれ
    ぞれを前記ステージから持ち上げる工程Bをさらに備え、
    前記工程Aは、前記隙間の一つに前記イオン化されたエアが吹き付けられるように、前
    記基体のほぼ対角線の方向に前記イオン化されたエアを吹き付ける工程A2を含む、
    除電方法。
  10. 請求項9記載の除電方法であって、
    前記工程Aを開始した後で、前記中央部が前記ステージから離れるように、前記中央部
    を前記ステージから持ち上げる工程Cをさらに含んだ除電方法。
  11. ステージ上に位置するとともに、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体を前記
    ステージから取り除く際に行われる除電方法であって、
    前記基体にイオン化されたエアを吹き付ける工程Aと、
    前記イオン化されたエアの送風領域と前記基体とが少なくとも部分的に重なる範囲内で
    、前記基体を前記送風領域に対して移動させる工程Bと、
    を含んだ除電方法。
  12. 請求項11記載の除電方法であって、
    前記工程Aは、前記イオン化されたエアの中心方向が前記基体の一辺に対して0°より
    大きく90°より小さい角度をなすように、前記イオン化されたエアを送風する工程A1
    を含み、
    前記工程Bは、前記一辺の方向に前記基体を移動させる工程B1を含む、
    除電方法。
  13. ステージ上の基体であって、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体の被吐出部
    に液状の発光材料を塗布する工程Aと、
    前記工程Aの後で、前記基体にイオン化光が照射されるように、前記面のほぼ対角線の
    方向に前記イオン化光を照射する工程Bと、
    前記工程Bを行いながら、基体を前記ステージから取り除く工程Cと、
    を含んだ電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項13記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記工程Aが行われている間に前記基体にイオン化光を照射する工程Dをさらに含んだ
    、電気光学装置の製造方法。
  15. ステージ上の基体であって、前記ステージと接する面がほぼ方形である基体の被吐出部
    に液状の導電材料を塗布する工程Aと、
    前記工程Aの後で、前記基体にイオン化光が照射されるように、前記面のほぼ対角線の
    方向に前記イオン化光を照射する工程Bと、
    前記工程Bを行いながら、基体を前記ステージから取り除く工程Cと、
    を含んだ電気光学装置の製造方法。
  16. 請求項15記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記工程Aが行われている間に前記基体にイオン化光を照射する工程Dをさらに含んだ

    電気光学装置の製造方法。
  17. 基体を載せる載置面であって、ほぼ方形の載置面を有するステージと、
    前記基体にイオン化光が照射されるように、前記載置面のほぼ対角線の方向に前記イオ
    ン化光を照射する除電装置と、
    を備えた液滴吐出装置。
  18. 請求項17記載の液滴吐出装置であって、
    ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、前記基体を間に挟む2つの位置のそれぞれか
    ら前記イオン化光を照射する2つの前記除電装置を備えた液滴吐出装置。
  19. 請求項17または18記載の液滴吐出装置であって、
    前記基体は可とう性を有しており、
    前記基体の中央部と前記ステージとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの
    周辺部のそれぞれと前記ステージとの間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれ
    ぞれを前記ステージから持ち上げるリフトアップ部をさらに備え、
    前記除電装置は、前記隙間の一つに前記イオン化光が照射されるように、ほぼ前記対角
    線の方向に前記イオン化光を照射する、
    液滴吐出装置。
  20. 請求項19記載の液滴吐出装置であって、前記隙間の一つに前記イオン化光が照射され
    始めた場合には、前記リフトアップ部は、前記中央部が前記ステージから離れるように、
    前記中央部を前記ステージから持ち上げる、液滴吐出装置。
  21. 基体を載せる載置面であって、ほぼ方形の載置面を有するステージと、
    前記基体にイオン化されたエアが吹き付けられるように、前記載置面のほぼ対角線の方
    向に前記イオン化されたエアを吹き付ける除電装置と、
    を備えた液滴吐出装置。
  22. 請求項21記載の液滴吐出装置であって、
    ほぼ前記対角線上の2つの位置であって、前記基体を間に挟む2つの位置のそれぞれか
    ら前記イオン化されたエアを吹き付ける2つの前記除電装置を備えた液滴吐出装置。
  23. 請求項21または22記載の液滴吐出装置であって、
    前記基体は可とう性を有しており、
    前記基体の中央部と前記ステージとの接触を維持しながら、前記基体の対向する2つの
    周辺部のそれぞれと前記ステージとの間に隙間が生じるように、前記2つの周辺部のそれ
    ぞれを前記ステージから持ち上げるリフトアップ部をさらに備え、
    前記除電装置は、前記隙間の一つに前記イオン化されたエアが吹き付けられるように、
    ほぼ前記対角線の方向に前記イオン化されたエアを吹き付ける、
    液滴吐出装置。
  24. 請求項23記載の液滴吐出装置であって、前記隙間の一つに前記イオン化されたエアが
    吹き付けられ始めた場合には、前記リフトアップ部は、前記中央部が前記ステージから離
    れるように、前記中央部を前記ステージから持ち上げる、液滴吐出装置。
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