JP2005190670A - 燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の無駄な消費を抑えつつ発電効率を向上させることができる燃料電池及びその運転方法を提供する。
【解決手段】固体電解質型燃料電池において、燃料ガスの上流側と下流側とで2つ以上に分割して形成された複数の発電セルと、前記発電セルごとにそれぞれ異なった電圧で個別に電流を取出す出力回路とを具備する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、固体電解質型燃料電池(SOFC)の発電効率を向上させる技術に関する。
固体電解質型燃料電池では、発電反応の生成物が燃料極側で発生し、燃料室に放出される。このため燃料室内のガスの組成は供給された燃料ガスの組成に応じて変化する。非特許文献1には、燃料消費率が高くなると、燃料室内のガス組成の変化も大きくなり、発電セルの出力電圧が急激に低下することが報告されている。
図9は、非特許文献1のFig5と実質的に同じ特性を示すものであり、水素を燃料とした場合の燃料消費率と出力電圧との関係の一例を示した特性線図である。図中の数字は発電セルの電極における出力電流密度を示したものであり、特性線P→Q→R→S(0.1A/cm2→0.2A/cm2→0.3A/cm2→0.5A/cm2)のように電流密度が高くなるほど出力電圧は減少して小さな値となる。また、同じ出力電流密度で比較した場合は、燃料消費率が上がると出力電圧は当初緩やかに減少するが、燃料消費率が増すとしだいにその傾きが増大する。さらに燃料消費率が70〜80%以上の高率に達すると、出力電圧は急激に低下するようになる。
第11回(2002)SOFC研究発表会 講演要旨集 p25-p28,Fig5
燃料電池にとって重要な性能パラメータである発電効率は、発電で得られた電力を供給した燃焼ガスの持つ化学エネルギーで割って求められる。この電力は、発電で得られた電気量と電圧の積として表される。電気量は発電に有効に使われた燃料ガスの量とファラデーの法則で結ばれていることから、電気量を大きくするためには燃料消費率を上げる必要がある。
しかし、図9に示すように燃料消費率を上げると出力電圧が低下して、これが電力を下げる方向に作用する。出力電圧が急激に低下する領域では、燃料消費率を上げると、逆に得られる電力が低下する場合がある。一方、高い出力電圧を得るために燃料消費率を下げると、無駄に捨てる燃料ガスを増やすことになり、やはり高い発電効率は得られなくなる。
燃料電池はこれらの点を考慮した最適条件を見出して運転されることになるが、従来の燃料電池は上述の電流−電圧特性のために十分に高い発電効率を得ることができないでいた。そのため、燃料ガスをより高い電圧で発電反応に使い、かつ発電に使われないで排気される燃料ガスの量を減らすことにより、全体として発電効率の高い燃料電池システムが求められている。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、燃料の無駄な消費を抑えつつ発電効率を向上させることができる燃料電池及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、固体電解質型燃料電池において、燃料ガスの上流側と下流側とで2つ以上に分割して形成された複数の発電セルと、前記発電セルごとにそれぞれ異なった電圧で個別に電流を取出す出力回路と、を具備することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池の運転方法は、固体電解質型燃料電池の運転方法において、発電セルを燃料ガスの上流側と下流側とで2つ以上に分割して配置し、前記発電セルごとにそれぞれ異なった電圧で個別に電流を取出すことを特徴とする。
固体電解質燃料電池における燃料室のガス組成の変化について詳しく説明する。
ここでは燃料ガスが水素である場合について述べる。水素を燃料ガスとする場合に、その反応生成物は水蒸気である。燃料の水素1モルが発電で消費されると、生成物として水蒸気1モルが生成される。消費された水素と同じ体積の水蒸気が生成されるので、燃料室のガスは発電で消費された分だけ水素が水蒸気に置き換わった組成となる。すなわち、水素の分圧が低くなりその分だけ水蒸気の分圧が増加する。
このように発電反応でガスの組成が変化するため、燃料室におけるガスの組成は必ずしも一様になるとは限らない。ここでは典型的な2つのタイプに分けて、それぞれのタイプにおける燃料ガスの状況および発電特性について示す。
最初のタイプはガスの組成が燃料室内で一様なタイプの燃料電池である。図1はこの状況を示したものである。燃料室内の水素分圧は、供給される水素の分圧から発電反応で消費されて水蒸気となる水素の分圧を差し引いた値となる。この組成のガス環境で電気化学反応が進行し、発電が行われる。また、この組成のガスが排気ガスとして排出されることになる。このタイプの燃料室をタイプ1と呼ぶことにする。
もう一つの典型的なタイプは、図2に示すように燃料の水素ガスが燃料口から排気口へ流れながら電気化学反応によって水素が消費され、生成物に置き換わってしだいに水素分圧が低下するものである。発電の電気化学反応はそれぞれの電極位置におけるガス組成の環境で進行することになる。電極はつながっており同電位であることから、それぞれの電極位置におけるガス組成の違いは、それぞれの位置における電流密度の違いとして現れることになる。排気口位置における組成のガスが排気ガスとして排出される。このタイプの燃料室をもつ燃料電池をタイプ2と呼ぶことにする。
ところで、発電セルの電流−電圧特性はガスの組成に依存する。図3は横軸に電流密度(A/cm2)をとり、縦軸に出力電圧(V)をとって、発電セルの電流−電圧特性が燃料室の水素分圧によってどのように変化するかを示した特性線図である。図中の数字0.96,0.8,0.5,0.2は、それぞれの電流−電圧特性曲線A,B,C,Dに対応した水素分圧を示したものである。燃料室ガスの全圧力は1気圧であり、残りは水蒸気の分圧によるものである。
電流−電圧特性曲線A〜Dにおいて出力電圧は、運転の初期において電流値が増すとターフェルの式に従って対数関数で減少し、その後に固体電解質等の抵抗の影響が大きくなって直線的な減少傾向を示すようになる。ターフェルの式を下記に示す。
Figure 2005190670
但し、ηは過電圧、Eは電位、Eeqは平衡電位、aとbは比例定数、lnは自然対数、iは電流(絶対値)である。このターフェルの式(1)において出力電圧は燃料極電位Efと空気極電位Eaとの電位差(Ef−Ea)により与えられる。このため出力電圧は電位Eと同様に電流iの対数に正比例して増減する。
さらに電流密度が大きくなると水素の拡散による電極への供給量が支配因子となり、急速に出力電圧が減少する。出力電圧がゼロとなる電流密度が水素の拡散限界電流密度である。水素分圧が低下するに従い、出力電圧の低下、特に水素の拡散限界電流密度が大きく減少している点が認められる。
この理由を以下に示す。電気化学の反応速度論によれば、ある電位において単位時間に電気化学反応によって変化する分子の数、言い換えれば取出せる電流の値は、その場所に存在する燃料の分子の数に比例する。すなわち、水素の分圧に比例することになる。これは図3において出力電圧がターフェルの式(1)に従って電流が増大すると対数関数で減少している領域に対応する。対数関数での変化であるために、水素分圧が低下した場合の出力電圧の低下は、それほど顕著な値とはならない。
拡散によって拡散層を通過する分子の数は、拡散層の両側、すなわち電極表面とバルクにおける対象分子の濃度差に比例する。拡散限界の条件では、電極表面における分子の濃度はゼロと見なせることから、拡散限界の状態で拡散層を通過する分子の数はバルクにおける分子の濃度に比例する。すなわち、水素の拡散限界電流密度は燃料室における酸素分圧に比例することになる。図3において電流−電圧特性曲線A,B,C,Dに示すように、水素の拡散限界電流密度が水素分圧の低下に比例して急に小さな値になっているのはこのためである。
ここで説明した電流−電圧特性とその水素分圧依存性を念頭に、改めて燃料電池の動作状況と発電効率について考える。タイプ1の場合には排気ガスと同じ、20%程度以下の低い水素分圧で発電反応を行うことになるので、図3から明らかなように、同じ電流密度で比較すると、水素分圧が高い条件で発電反応を行う場合に比べて低い出力電圧しか得られない。また、多くの水素ガスが発電反応に使用されず排気される。
そこで、本発明では発電セルを2つ以上に分割し、燃料ガスの流れる方向に直列に配置して、それぞれ異なる条件で動作させることにした。これにより、燃料ガス上流のセルでは高い水素分圧の条件で発電反応を行う事が可能となるので、より高い出力電圧を得ることができる。また、下流の排気口に近いセルでは、より低い出力電圧で動作させることにより、燃料消費率を向上させて排気される水素ガスを低減することができる。燃料消費率を十分に向上させるためには、下流側の出力電圧を上流側に比べて0.1V以上低くする必要がある。これらの効果により、トータルの発電効率を向上させることが可能となる。
次にタイプ2の燃料電池について説明する。
タイプ2の燃料電池では場所によって水素分圧が異なり、出力電流密度も異なっている。図4の(a)はタイプ2における水素・水蒸気ガス分圧を示す特性線図、図4の(b)はタイプ2における出力電流密度の分布状況を示す特性線図である。水素分圧は燃料口から奥に進むに従い、発電反応で消費されて次第に低下する。水蒸気分圧が逆に水素分圧の低下分だけ増大する。電流密度は水素分圧の高い燃料口付近では大きな値であるが、水素分圧が下がると低下して排気口付近では極めて小さな値となる。排気口に近い下流域では、電極が十分に発電反応に寄与していないと言うことができる。また、上流部では発電セルのトータルとして一定の電流値を得るために過大な電流密度となり、出力電圧が低下しているということができる。
そこで、本発明では発電セルを2つ以上に分割して料ガスの流れる方向に直列に配置して、それぞれ異なる条件で動作させることにした。上流側では出力電流密度を下げることによってより高い出力電圧を得ることができる。また下流側ではより低い出力電圧で動作させ、出力電流密度を向上させることが可能となる。出力電流密度を上げすぎると出力電力が低下して出力電力はかえって小さくなるので、最下流側の出力電力密度は最上流側の出力電流密度の1/2とすることが好ましい。これらの効果により本発明ではトータルの発電効率を向上させることができる。
本発明によれば、出力電圧を低下させることなく燃料消費率を上昇させることができるので、燃料の無駄な消費を抑えることができるとともに高い発電効率を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付の図面を参照して説明する。
(第1の実施形態:タイプ1)
先ず第1の実施形態の燃料電池について図5を参照しながら説明する。
本実施形態のタイプ1では燃料室11,21を含めて発電セル10,20を最も単純な2分割構造とした。燃料電池1Aは、複数の発電セルを多段に積み重ねたスタックを2つ直列につないで、上流側のスタックから下流側のスタックへ向けて燃料ガス2および空気3をそれぞれ通流させて発電する固体電解質型の燃料電池である。図5では説明の簡略化のために発電セルの一単位のみを示しているが、実際には上下に隣接する発電セルの相互間には図示しないセパレータがそれぞれ挿入されている。
燃料電池1Aの上流側には第1の発電セル10が、下流側には第2の発電セル20がそれぞれ設けられている。第1の発電セル10内には固体電解質18の層を間に挟んで燃料極17および空気極19が内部を仕切るように設けられている。燃料極17側には燃料室11が形成され、空気極19側には空気室12が形成されている。
燃料室11は、上部中央の入口13を通って燃料室11内に導入される燃料ガス2が、燃料室11の内部全体に均一に分散して反応するように、十分な広さと容積を備えた部屋である。この燃料室11は、固体電解質18の一方側の面に設けられ出力回路の負極側リード線31に接続された燃料極17と、この燃料極17に対して燃料ガス2(水素ガス)が実質的に均等に供給されるように燃料極17と対向する位置にて開口する入口13と、反応後の燃料ガス2aが排気されるように適所に開口する出口14とを有する。燃料室11の入口13はポンプP1を備えた流路4により水素ガス供給源(図示せず)に連通し、燃料ガス2として水素ガスが燃料室11に供給されるようになっている。燃料となる水素ガスは、炭化水素ガスを水蒸気添加改質処理して得られたものであってもよいし、その他の処理方法で得られたものであってもよい。なお、燃料室の入口13は、燃料極17に対して燃料ガス2ができるだけ均等に供給されるようにし、燃料室11内で燃料ガス2の濃度をできるだけ均一化させるために、燃料極17に対向する位置に開口している。
空気室12は、適当な広さと容積を備えた部屋である。この空気室12は、固体電解質18の他方側の面に設けられ出力回路の正極側リード線32に接続された空気極19と、この空気極19に空気3が供給されるように適所に開口する入口15と、反応後の空気3が排気されるように適所に開口する出口16とを有する。空気室12の入口15はポンプP2を備えた流路7により空気供給源(図示せず)に連通し、フィルタ(図示せず)で浄化された空気3が空気室12に供給されるようになっている。なお、空気室12の入口15と出口16は特定の位置に限定して配置されるものではないが、空気3の自然な流れのために、入口15を一方側の側面に開口させ、出口16を入口15と向き合う他方側の側面に開口させることが好ましい。
第1発電セル10の出力回路は、正負極リード線31,32間に並列接続された電圧計V1と、正負極リード線31,32に直列接続された電流計A1および負荷R1とを備えている。電圧計V1は第1発電セル10から出力される発電電圧を検出し、制御器30に検出電圧信号を送るようになっている。また、電流計A1は第1発電セル10から出力される発電電流を検出し、制御器30に検出電流信号を送るようになっている。制御器30はこれらの検出信号に基づいて各所のポンプP1〜P5の動作を最適に制御する。
第2の発電セル20は、第1の発電セル10と実質的に同じように形成されている。すなわち、燃料室21は、固体電解質28の一方側の面に設けられ出力回路の負極側リード線33に接続された燃料極27と、この燃料極27に対して反応後の燃料ガス2aが実質的に均等に供給されるように燃料極27と対向する位置にて開口する入口23と、排気ガス2bが排気されるように適所に開口する出口24とを有する。また、空気室22は、固体電解質28の他方側の面に設けられ出力回路の正極側リード線34に接続された空気極29と、この空気極29に空気3が供給されるように適所に開口する入口25と、反応後の空気3が排気されるように適所に開口する出口26とを有する。
第1及び第2の発電セル10,20間は連通路5,8により連通している。一方の連通路5は、第1の発電セル10の燃料室11の出口14から第2の発電セル20の燃料室21の入口23まで設けられ、ポンプP3が設けられている。また、第2発電セルの燃料室21の出口24に連通する排気流路6にはポンプP4が設けられ、燃料室21から排気ガス2bが吸引排気されるようになっている。
他方の連通路8は、第1の発電セル10の空気室12の出口16から第2の発電セル20の空気室21の入口25まで設けられている。また、第2発電セルの空気室22の出口26に連通する排気流路9にはポンプP5が設けられ、空気室22から反応後の空気3が吸引排気されるようになっている。
第2発電セル20の出力回路は、正負極リード線33,34間に並列接続された電圧計V2と、正負極リード線33,34に直列接続された電流計A2および負荷R2とを備えている。電圧計V2は第2発電セル20から出力される発電電圧を検出し、制御器30に検出電圧信号を送るようになっている。また、電流計A2は第2発電セル20から出力される発電電流を検出し、制御器30に検出電流信号を送るようになっている。制御器30はこれらの入力信号に基づいて各所に配置されたポンプP1〜P5の動作を最適に制御する。
次に、上記燃料電池1Aの動作について説明する。
第1の発電セル10の燃料室11で発電に使われた部分反応ガス2aは、連通路5を通って第2の発電セル20の燃料室21に送られ、ここで再び燃料ガスとして発電反応に使われる。そして十分に水素が発電反応により消費された状態で排気ガス2bとして排出される。第1の発電セル10の燃料室11における水素分圧は高いので、第1の発電セル10は高い出力電圧で運転される。一方、第2の発電セル20は、燃料消費率を向上させるために第1の発電セル10よりも低い出力電圧で運転される。
次にタイプ1の実施例について説明する。
タイプ1を適用した場合の発電効率の改善効果を、従来技術と比較して以下に述べる。燃料は水素ガスとし、発電セルの電極面積は1cm2という条件で比較した。発電効率は単位面積あたりの燃料の供給量にも依存するので、0.5ミリリットル/分、1ミリリットル/分、2ミリリットル/分の3水準で比較した。この水素供給量は電流に換算するとそれぞれ72mA、144mA、287mAに相当する。
それぞれの発電形式、水素流量において最も優れた値を示す運転条件の発電効率について比較を行った。
表1はタイプ1の場合の発電効率について比較したものである。本発明を適用した場合の分割した発電セルについては、燃料口に近い側を1段目、排気口側を2段目と表記してある。電極の面積は共に0.5cm2であり、合計1cm2となっている。水素流量が0.5ミリリットル/分の場合、従来型では0.8Vの出力電圧で運転を行うと発電効率は最大となる。発電効率は49.3%で、この時の燃料消費率は91.2%である。本発明のタイプ1では1段目を0.877V、また2段目を0.745Vの出力電圧で運転すると発電効率は最大となった。上流側セルと下流側セルの出力電圧の差は0.132V、また下流側の出力電流密度は上流側の39%であった。発電効率および燃料消費率はそれぞれ54.9%および96.7%であった。本発明のタイプ1では従来型に比べて発電効率が5.6%向上した。水素流量が1ミリリットル/分、2ミリリットル/分の場合も、発電効率はそれぞれ5.6%および5.5%向上した。
Figure 2005190670
(第2の実施形態:タイプ2)
次に、第2の実施形態の燃料電池について図6を参照しながら説明する。
本実施形態の燃料電池1Bでは燃料室41,51は仕切ることなく同一の連続する部屋とし、発電セル40,50のみを分割している。隣接するセルスタックとの間はセパレータ48で仕切られている。なお、燃料電池1Bは、互いに連通する燃料室41,51および互いに連通する空気室42,52をそれぞれ備えているが、仕切49を設けて燃料室41,51間を仕切るようにしてもよい。
燃料室41,51の入口はポンプP21を備えた供給流路により水素ガス供給源(図示せず)に連通し、燃料ガス2として水素ガスが燃料室41,51に供給されるようになっている。燃料室41,51の出口はポンプP23を備えた排気流路に連通している。また、空気室42,52の入口はポンプP22を備えた流路により空気供給源(図示せず)に連通し、フィルタ(図示せず)で浄化された空気3が空気室42,52に供給されるようになっている。なお、空気室42,52の入口と出口は特定の位置に限定して配置されるものではないが、空気3の自然な流れのために、入口を一方側の側面に開口させ、出口を入口と向き合う他方側の側面に開口させることが好ましい。同様に、燃料室41,51の入口と出口は、燃料2の自然な流れのために、入口を一方側の側面に開口させ、出口を入口と向き合う他方側の側面に開口させることが好ましい。
第1及び第2発電セル40,50の燃料室42,52は連続する流路であり、このなかを通流する燃料ガス2の消費率(水素分圧pH2=p1〜pk,pk+1〜pn)に応じて上流側から下流側に2つの燃料極44,54が直列に並んで配置されている。第1発電セルの燃料極44は出力回路の負極リード線61に接続され、第2発電セル50の燃料極54は別の出力回路の負極リード線63に接続されている。
第1及び第2発電セルの空気室42,52は連続する流路である。空気極46,56は、固体電解質45を間に挟んで燃料極44,54に対して1対1に対応するところにそれぞれ配置されている。第1発電セル40の空気極46は出力回路の正極リード線62に接続され、第2発電セルの空気極56は別の出力回路の正極リード線64に接続されている。
第1発電セル40の出力回路は、正負極リード線61,62間に並列接続された電圧計V1と、正負極リード線61,62に直列接続された電流計A1および負荷R1とを備えている。電圧計V1は第1発電セル40から出力される発電電圧を検出し、制御器60に検出電圧信号を送るようになっている。また、電流計A1は第1発電セル40から出力される発電電流を検出し、制御器60に検出電流信号を送るようになっている。制御器60はこれらの検出信号に基づいて各所のポンプP21〜P24の動作を最適に制御する。
第2発電セル50の出力回路は、正負極リード線63,64間に並列接続された電圧計V2と、正負極リード線63,64に直列接続された電流計A2および負荷R2とを備えている。電圧計V2は第2発電セル50から出力される発電電圧を検出し、制御器60に検出電圧信号を送るようになっている。また、電流計A2は第2発電セル50から出力される発電電流を検出し、制御器60に検出電流信号を送るようになっている。制御器60はこれらの検出信号に基づいて各所のポンプP21〜P24の動作を最適に制御する。
次に、上記燃料電池1Bの動作について説明する。
第1の発電セル40の燃料室41で発電に使われた部分反応ガス2aは第2の発電セル50の燃料室51に送られ、ここで再び燃料ガスとして発電反応に使われる。そして十分に水素が発電反応により消費された状態で排気ガス2bとして排出される。第1の発電セル40は、電極44上の水素分圧が高いので高い出力電圧で運転する。一方、第2の発電セル50は、電極54上の水素分圧が低下した環境で十分な出力電流密度を確保するために、低い出力電圧で運転する。
次にタイプ2に適用した場合の効果について述べる。
図7はタイプ2に本発明を適用した場合の、水素・水蒸気ガス分圧および出力電流密度の分布状況を示したものである。排気口に向かうに従い、水素分圧の低下によって下がっていた出力電流密度が、出力電圧を0.85Vから0.7Vに下げることによって再び増大する。
表2はタイプ2における発電効率について比較したものである。水素流量が1ミリリットル/分の場合、従来型は出力電圧0.8Vで運転した場合に最も発電効率が良くなり、発電効率および燃料消費率はそれぞれ51.5%および95.5%となる。これに対して本発明を適用した場合は、1段目を0.9Vまた2段目を0.7Vの出力電圧で運転した場合に最も発電効率が高くなった。発電効率および燃料消費率はそれぞれ55.8%および99.4%であった。これは従来型に比べて発電効率で4.3%上昇する結果となった。水素流量2ミリリットル/分の場合においても発電効率は従来型が51.1%であるのに対して本実施形態では54.0%に上昇し、従来型に比べて発電効率が2.9%も向上した。
Figure 2005190670
図8は横軸に燃料室の上流側の電位と下流側の電位との電位差(V)をとり、縦軸に燃料室の下流側の電流密度を上流側の電流密度で除した電流密度比をとって、電極を同面積の二段に分割した時の電圧差−電流密度比分布を示す相関分布図である。図中の数値は発電効率(%)を示す。この図から明らかなように、電圧差を0.03V以上0.25V以下とし、電流密度比を0.2以上1.2以下とした場合に、発電効率が4%上昇する結果が得られた。また、電圧差を0.08V以上0.19V以下とし、電流密度比を0.25以上0.8以下とした場合に、発電効率が5%上昇する結果が得られた。
なお、上記の実施形態では水素ガスを燃料とした場合を例にとって本発明の効果を説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、さらに炭化水素ガスを燃料とする燃料電池にも好適に用いることができ、発電効率を向上させることが可能である。
本発明は、固体酸化物など種々の固体電解質を有する固体電解質型燃料電池において利用することができる。
水素ガス分圧が発電セル上のどこでも同じ燃料電池(タイプ1)において、水素を燃料としたときの燃料電池の動作時における燃料ガス分圧の状況を示す断面模式図。 水素ガスの分圧が発電セル上で下流に行くに従い低くなる燃料電池(タイプ2)において、水素を燃料としたときの燃料電池の動作時における燃料ガス分圧の状況を示す模式図。 タイプ1における発電セルの電流−電圧特性の水素分圧による変化を示す特性線図。 (a)はタイプ2における水素・水蒸気ガス分圧を示す特性線図、(b)はタイプ2における出力電流密度の分布状況を示す特性線図。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池(タイプ1)を模式的に示す構成ブロック図。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池(タイプ2)を模式的に示す構成ブロック図。 タイプ2に本発明を適用した場合の、水素・水蒸気ガス分圧および出力電流密度の分布状況。 本発明の効果を示す特性図。 水素を燃料とした場合の出力電圧の燃料消費率依存性を示す特性線図。
符号の説明
1A…燃料電池(タイプ1)
1B…燃料電池(タイプ2)
1a,10,20,40,50…発電セル
2…燃料ガス(水素ガス)、2a…部分反応ガス、2b…排気ガス
3…空気
4,7…供給路
5,8…連通路
6,9…排気路
11,21,41,51…燃料室
12,22,42,52…空気室
13,15,23,25…入口
14,16,24,26…出口
17,27,44,54…燃料極
18,28,45…固体電解質
19,29,46,56…空気極
30,60…制御器
31〜34,61〜64…出力用リード線
48…セパレータ
P1〜P5,P21〜P24…ポンプ
V1,V2…電流計
A1,A2…電圧計
R1,R2…負荷

Claims (9)

  1. 固体電解質型燃料電池において、燃料ガスの上流側と下流側とで2つ以上に分割して形成された複数の発電セルと、前記発電セルごとにそれぞれ異なった電圧で個別に電流を取出す出力回路と、を具備することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記複数の発電セルは燃料室および空気室をそれぞれ備え、
    前記燃料室は、固体電解質の一方側の面に設けられ前記出力回路の負極側に接続された燃料極と、この燃料極に対して燃料ガスが実質的に均等に供給されるように前記燃料極と対向する位置にて開口する入口と、反応後の燃料ガスが排気されるように適所に開口する出口とを有し、
    前記空気室は、固体電解質の他方側の面に設けられ前記出力回路の正極側に接続された空気極と、この空気極に空気が供給されるように適所に開口する入口と、反応後の空気が排気されるように適所に開口する出口とを有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記複数の発電セルは燃料室および空気室をそれぞれ備え、
    前記燃料室は、通流する燃料ガスの消費率に応じて上流側から下流側に直列に並べて配置され、それぞれが個別に前記出力回路の負極側に接続された複数の燃料極を有し、
    前記空気室は、固体電解質を間に挟んで前記燃料極に対して1対1に対応するところに配置され、それぞれが個別に前記出力回路の正極側に接続された複数の空気極を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  4. さらに、最上流の発電セルの電圧と最下流の発電セルの電圧との差を0.03V以上0.25V以下に制御し、最上流の発電セルに対する最下流のセルの平均電流密度比を0.2以上1.2以下に制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. さらに、最上流の発電セルの電圧と最下流の発電セルの電圧との差を0.08V以上0.19V以下に制御し、最上流の発電セルに対する最下流のセルの平均電流密度比を0.25以上0.8以下に制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 固体電解質型燃料電池の運転方法において、発電セルを燃料ガスの上流側と下流側とで2つ以上に分割して配置し、前記発電セルごとにそれぞれ異なった電圧で個別に電流を取出すことを特徴とする燃料電池の運転方法。
  7. 電流を取出すときの電圧を、燃料ガスの上流側で高く、下流に向かうに従って順次低くすることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 最上流の発電セルの電圧と最下流の発電セルの電圧との差を0.03V以上0.25V以下に制御し、最上流の発電セルに対する最下流のセルの平均電流密度比を0.2以上1.2以下に制御することを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 最上流の発電セルの電圧と最下流の発電セルの電圧との差を0.08V以上0.19V以下に制御し、最上流の発電セルに対する最下流のセルの平均電流密度比を0.25以上0.8以下に制御することを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020057515A (ja) * 2018-10-02 2020-04-09 株式会社Subaru 燃料電池システム

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